JP4439085B2 - 通信端末及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話等の通信端末に係り、特に不正使用を防ぐセキュリティ機構の1つであるダイヤルロック機能を備えた通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯電話では、他人に不正利用されることを防ぐためにダイヤルロック機能を備えているものがある。ダイヤルロック機能とは、その機器からの発呼を禁止する機能であり、通常、ダイヤルロックモードを設定した後、特定の暗証番号(パスワード)にてダイヤルロックモードを解除するまでの間、すべての電話番号の入力に対する発呼処理を禁止することで実現されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のダイヤルロック機能では、特定の暗証番号でモードを解除しない限り、その携帯電話から発呼することはできないようになっている。この方法はセキュリティの観点からは有効であるが、すべての電話番号への発呼を禁止してしまうため、発呼を行うためには暗証番号によるロック解除操作がその都度必要となり、実用上不便である。
【0004】
また、携帯電話は日常的に使用されるため、設定・解除が面倒なダイヤルロック機能を常用することはあまりない。この場合、常用しやすくするためにロック解除操作を簡単化してしまうと、セキュリティの面で無意味となり、紛失、盗難などにより他人に不正使用される可能性が高くなる。
【0005】
このように、設定・解除の操作を頻繁に行わなければならないダイヤルロック機能は常用されることが少なく、紛失・盗難時など、実際にセキュリティが必要となる場面でダイヤルロックされていないことが多かった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、セキュリティを確保すると共に、日常的に使いやすいダイヤルロック機能を実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信端末は、ダイヤルロックモードを設定するモード設定手段と、各電話番号毎に発信可能レベルと参照可能レベルが個別に設定されたアドレス帳を記憶した記憶手段と、この記憶手段に記憶された上記アドレス帳の中で選択された電話番号に従って発呼処理を行う発呼手段と、セキュリティレベルを設定するレベル設定手段と、上記モード設定手段によって上記ダイヤルロックモードが設定された状態で発呼指示があったときに、上記レベル設定手段によって設定された上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の中の発呼時に入力された電話番号に設定された上記発信可能レベルとを比較し、上記発信可能レベルが上記セキュリティレベル以上の場合に発呼処理を実行し、上記発信可能レベルが上記セキュリティレベルより低い場合に発呼処理を禁止する第1の制御手段と、上記モード設定手段によって上記ダイヤルロックモードが設定された状態で番号表示指示があったときに、上記レベル設定手段によって設定された上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の各電話番号に設定された上記参照可能レベルとを比較し、上記参照可能レベルが上記セキュリティレベル以上の電話番号を対象として番号表示処理を実行する第2の制御手段とを具備して構成される。
【0014】
このような構成によれば、各電話番号毎に発信可能レベルと参照可能レベルを個別に設定しておくことで、ダイヤルロックモードが設定された状態で、セキュリティレベルに応じて各電話番号毎に発呼と参照を分けて制御することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係る通信端末の構成を示すブロック図である。この通信端末は、例えば携帯電話または無線通信機能を備えた情報端末装置などからなる。
【0017】
図1に示すように、本実施形態における通信端末は、音声入出力部11、コーデック部12、無線部13、アンテナ14からなる通信部分と、操作入力部15、表示部16、制御部17、メモリ18、アドレス帳記憶部19からなる操作制御部分とで構成される。
【0018】
音声入出力部11はマイクやスピーカなどからなり、音声データの入出力を行う。コーデック部12は、音声入出力部11と無線部13との間でデータの符号化・復号化、あるいは無線信号の変復調処理を行う。無線部13はアンテナ14を介して図示せぬ無線基地局との間で無線電波による通信処理を行う。
【0019】
操作入力部15は、ユーザの操作入力を受け付ける。この操作入力部15には、電話番号を入力するためのダイヤルボタン、発呼指示を行うための発呼ボタン、着呼指示を行うための着呼ボタンの他、ダイヤルロックの設定/解除、セキュリティレベルの設定、アドレス帳の参照、ダイヤルロック例外番号の登録などを行うためのファンクションキーが設けられている。表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、データの表示を行う。
【0020】
制御部17は、マイクロプロセッサからなり、この通信端末全体の制御を行うものであり、プログラムを読み込むことで各種の処理を実行する。ダイヤルロック機能に関する処理もここで行なわれる。なお、本発明を実現するためのプログラムを磁気ディスク等の記録媒体20に記録して各装置に提供することが可能である。また、プログラムの提供方法は記録媒体20に限らず、ネットワーク等の通信媒体を介することでも良い。
【0021】
制御部17は、各種処理に必要な情報を記憶しておくためのメモリ18を備えている。図2にメモリ18の内容を示す。メモリ18には、現在のモード(通常/ダイヤルロック)を格納しておくためのモード領域18a、セキュリティレベル(例えば1〜3)を格納しておくためのセキュリティレベル領域18b、ダイヤル発信番号を格納しておくための発信番号格納領域18c、パスワードを格納しておくためのパスワード領域18dなどが設けられている。
【0022】
アドレス帳記憶部19は、ユーザが登録したアドレス帳を記憶している。図3にアドレス帳の構成を示す。アドレス帳は、氏名(D1)と電話番号(D2)、さらにダイヤルロック例外番号の属性(D3)を有する。ダイヤルロック例外番号とは、ダイヤルロックモードでも例外的に発呼が可能な電話番号を示すものである。図3の例では、「自宅」の電話番号と、「登録A」、「登録B」の電話番号がダイヤルロック例外番号として設定されている。
【0023】
次に、フローチャートを参照しながら、本実施形態における通信端末の処理動作について、(a)通常モード(ダイヤルロックされていない状態)での処理と、(b)ダイヤルロックモード(ダイヤルロックされている状態)での処理に分けて説明する。
【0024】
(a)通常モード
まず、通常モードでの動作について説明する。
【0025】
ユーザが操作入力部15を操作する度に図4に示すメイン処理が実行される。このメイン処理では、ダイヤルロックモードの設定/解除指示、セキュリティレベルの変更指示、アドレス帳の参照指示(番号表示指示)、電話番号入力、発呼指示、例外番号の登録/解除指示が判断される(ステップS11〜S16)。
【0026】
ここで、操作入力部15を通じてダイヤルロックモードの設定/解除が指示された場合(ステップS11のYes)、図5に示すダイヤルロック状態移行処理のサブルーチンに移る(ステップS17)。このダイヤルロック状態移行処理では、現在のモードが判定される(ステップA11)。現在のモードは、メモリ18のモード領域18aに設定されている。現在のモードがダイヤルロックモードでない場合、つまり、通常モードで上記ダイヤルロックモードの設定/解除指示があった場合には(ステップA11のNo)、現在のモードがダイヤルロックモードに変更される(ステップA15)。
【0027】
また、操作入力部15を通じてセキュリティレベルの変更が指示された場合(ステップS12のYes)、図6に示すセキュリティ設定処理のサブルーチンに移る(ステップS17)。このセキュリティ設定処理では、ユーザがパスワードの入力を行い(ステップB16)、その入力されたパスワードが予め登録されているパスワードと一致するか否かがチェックされる(ステップB17)。パスワードはメモリ18のパスワード領域18dに設定されている。このパスワード領域18dに記憶されたパスワードと一致すれば(ステップB17のYes)、セキュリティレベルを変更することができる(ステップB18)。本実施形態では、セキュリティレベルを1〜3の範囲で任意に変更可能であり、その変更操作に伴う現在のセキュリティレベルがメモリ18のセキュリティレベル領域18bに記憶される。
【0028】
また、操作入力部15を通じてアドレス帳の参照が指示された場合(ステップS13のYes)、図7に示すアドレス帳参照処理のサブルーチンに移る(ステップS19)。このアドレス帳参照処理では、現在のモードが判定される(ステップC11)。そして、現在のモードが通常モードの場合には(ステップC11のNo)、アドレス帳記憶部19に記憶されているアドレス帳(氏名と電話番号の登録データ)が表示部16にリスト表示される(ステップC15)。このアドレス帳のリスト表示により、ユーザはアドレス帳の中から所望の電話番号を選択することができる(ステップC16)。アドレス帳の中から選択された電話番号は、メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号として設定される。
【0029】
一方、アドレス帳によらず、直接電話番号が入力された場合には(ステップS14のYes)は、その入力番号がダイヤル発信番号として発信番号格納領域18cに設定される(ステップS20)。
【0030】
また、操作入力部15を通じて発呼指示があった場合(ステップS15のYes)、図8に示す発呼処理のサブルーチンに移る(ステップS21)。この発呼処理では、まず、上記メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号が設定されているか否かがチェックされる(ステップD11)。ダイヤル発信番号が設定されていなければ発信できないので、ここでの処理をスキップする(ステップD11のNo)。ダイヤル発信番号が設定されている場合には(ステップD11のYes)、現在のモードが判定され、通常モードであれば(ステップD12のNo)、上記ダイヤル発信番号に従って発呼処理が行なわれる(ステップD15)。
【0031】
また、操作入力部15を通じてダイヤルロック例外番号の登録/解除が指示された場合(ステップS16のYes)、図9に示す例外番号登録処理のサブルーチンに移る(ステップS22)。この例外番号登録処理では、まず、メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号が設定されているか否かがチェックされる(ステップE11)。上記発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号が設定されていなければ(ステップE11のNo)、例外番号の登録ができないので、ここでの処理をスキップする。
【0032】
上記発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号が設定されている場合には(ステップE11のYes)、そのダイヤル発信番号がアドレス帳記憶部19のアドレス帳に既に登録されているダイヤルロック例外番号(D3)と同じ番号か否かがチェックされる(ステップE12)。その結果、上記ダイヤル発信番号がダイヤルロック例外番号(D3)と異なる場合には(ステップE12のNo)、登録処理が行われる。この場合、パスワードの入力が必要となる(ステップE13)。パスワードが入力されると、その入力されたパスワードが予め登録されているパスワードと一致するか否かがチェックされる(ステップE14)。登録パスワードはメモリ18のパスワード領域18dに設定されている。入力されたパスワードがパスワード領域18dに設定された登録パスワードと一致すれば(ステップE14のYes)、上記ダイヤル発信番号がアドレス帳にダイヤルロック例外番号として登録される(ステップE15)。パスワードが認められなければ処理はスキップされる。
【0033】
一方、上記ダイヤル発信番号と一致するものが既に登録されていれば(ステップE12のYes)、パスワードの入力により(ステップE16)、その入力されたパスワードが予め登録されているパスワードと一致する場合に(ステップE17のYes)、アドレス帳から上記ダイヤル発信番号に対応したダイヤルロック例外番号が削除される(ステップE18)。パスワードが認められなければ処理はスキップされる。
【0034】
上記のような手順により、通常モードでは、アドレス帳の参照、任意の電話番号へのダイヤル発信、ダイヤルロックモードへの移行が自由に可能である。また、パスワードを用いることで、セキュリティレベルの変更、ダイヤルロック例外登録番号の設定/解除が可能である。
【0035】
(b)ダイヤルロックモード
次に、ダイヤルロックモードでの動作について説明する。
【0036】
通常モードと同じく、使用者から操作入力部15を操作する度に図4に示すメイン処理が実行される。
【0037】
操作入力部15を通じてダイヤルロックモードの設定/解除が指示された場合(ステップS11のYes)、図5に示すダイヤルロック状態移行処理のサブルーチンに移る(ステップS17)。このダイヤルロック状態移行処理では、現在のモードが判定される(ステップA11)。今、ダイヤルロックモードであるので(ステップA11のYes)、パスワードの入力が必要となる(ステップA12)。パスワードが一致すれば(ステップA13のYes)、ダイヤルロックモードを解除して通常モードに移行するが(ステップA14)、パスワードが一致しなければダイヤルロックモードのままである。
【0038】
また、操作入力部15を通じてセキュリティレベルの変更が指示された場合(ステップS12のYes)、図6に示すセキュリティ設定処理のサブルーチンに移る(ステップS17)。このセキュリティ設定処理では、通常モード時と同じくパスワード入力とその判定により、セキュリティレベルの変更が行われる。変更後のセキュリティレベルはメモリ18のセキュリティレベル領域18bに設定される。
【0039】
また、操作入力部15を通じてアドレス帳の参照が指示された場合(ステップS13のYes)、図7に示すアドレス帳参照処理のサブルーチンに移る(ステップS19)。このアドレス帳参照処理では、現在のモードが判定され、ダイヤルロックモードの場合には(ステップC11のYes)、さらに現在のセキュリティレベルが判定される(ステップC12)。現在のセキュリティレベルは、メモリ18のセキュリティレベル領域18bに設定されている。このセキュリティレベルがレベル2以上であれば、例外番号に関係なく、アドレス帳のすべての電話番号に対するリスト表示が禁止される。
【0040】
現在のセキュリティレベルがレベル1以下であれば、例外番号(ダイヤルロック中でも発信可能な番号)のみを対象として、アドレス帳がリスト表示される(ステップC13)。すなわち、図3の例では、アドレス帳の中で「自宅」、「登録A」、「登録B」のみがリスト表示される。このアドレス帳のリスト表示により、ユーザはアドレス帳の中から所望の電話番号を選択することができる(ステップC14)。アドレス帳の中から選択された電話番号は、メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号として設定される。
【0041】
一方、アドレス帳によらず、直接電話番号が入力された場合には(ステップS14のYes)は、その入力番号がダイヤル発信番号として発信番号格納領域18cに設定される(ステップS20)。
【0042】
また、操作入力部15を通じて発呼指示があった場合(ステップS15のYes)、図8に示す発呼処理のサブルーチンに移る(ステップS21)。この発呼処理では、まず、上記メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号が設定されているか否かがチェックされる(ステップD11)。ダイヤル発信番号が設定されていなければ発信できないので、ここでの処理をスキップする(ステップD11のNo)。ダイヤル発信番号が設定されている場合には(ステップD11のYes)、現在のモードが判定され、ダイヤルロックモードの場合は(ステップD12のYes)、さらに現在のセキュリティレベルが判定される(ステップD13)。現在のセキュリティレベルは、メモリ18のセキュリティレベル領域18bに設定されている。
【0043】
そして、現在のセキュリティレベルがレベル3以上であれば、例外番号に関係なく、発呼処理が禁止される。現在のセキュリティレベルがレベル2以下であれば、メモリ18の発信番号格納領域18cに設定されているダイヤル発信番号がアドレス帳内でダイヤルロック例外番号として登録されているか否かが判定される(ステップD14)。上記ダイヤル発信番号がダイヤルロック例外番号として登録されていれば(ステップD14のYes)、上記ダイヤル発信番号に従って発呼処理が行なわれる(ステップD15)。一方、上記ダイヤル発信番号がダイヤルロック例外番号として登録されていなければ(ステップD14のNo)、発呼処理を禁止して、ここでの処理をスキップする。
【0044】
すなわち、セキュリティレベル2以下のときには、図3の例で、「自宅」、「登録A」、「登録B」に関してのみ、ダイヤル発信(発呼処理)が行われることになり、それ以外の電話番号についてはダイヤル発信されない。
【0045】
また、操作入力部15を通じてダイヤルロック例外番号の登録/解除が指示された場合(ステップS16のYes)、図9に示す例外番号登録処理のサブルーチンに移り、通常モードと同じくパスワード入力によってダイヤルロック例外番号の登録または解除が行われる。
【0046】
上記のような手順により、ダイヤルロックモード時には、ダイヤルロックモードの解除、ダイヤルロック例外番号の登録と解除、セキュリティレベルの変更にはパスワードの入力が必要である。
【0047】
また、現在のセキュリティレベルがレベル3以上に設定されている場合には、すべての電話番号に対するダイヤル発信が禁止され、通常のダイヤルロックと同じ状態となる。
【0048】
また、現在のセキュリティレベルがレベル2に設定されている場合には、アドレス帳の参照は禁止されているが、電話番号を直接入力することでダイヤルロック例外登録されている相手先にだけは電話をかけることが可能である。
【0049】
さらに、現在のセキュリティレベルがレベル1の状態では、ダイヤルロック例外番号として登録されている電話番号をアドレス帳から選択して電話をかけることが可能である。しかし、セキュリティレベルがレベル2のときと同様に、予め例外登録されている電話番号以外には電話をかけることはできない。
【0050】
ここで、図10に通常モードとダイヤルロックモードの間のモード遷移図を示す。
【0051】
通常モード(M1)の状態にあるときは、ダイヤルロックを指示することでダイヤルロックモード(M2)に移動することができる。ダイヤルロックモードの解除にはパスワードが必要である。
【0052】
通常モード(M1)、ダイヤルロックモード(M2)のどちらからでも、セキュリティレベル変更(M3)やダイヤルロック例外番号の登録(M4)に移動できるが、これらを実行する際にはパスワードの入力が必要であり、ダイヤルロックモード解除と同じだけのセキュリティが確保されることになる。また、これらを実行後に元のモードに戻るため、ダイヤルロックモード(M2)からセキュリティレベル変更(M3)を経由して通常モード(M1)になってしまうようなことはない。
【0053】
以上のように、ダイヤルロックモードの間は、セキュリティレベルの設定に応じて、例外番号のアドレス帳参照や、例外番号のダイヤル発信を選択的に許可できる。
【0054】
そこで、例えば、自宅の電話番号と友人の電話番号はダイヤルロック例外番号として登録しておき、普段はセキュリティレベル1で使用することを考える。このとき、自宅と友人への電話はアドレス帳を参照、選択することで通常モードと同じように電話をかけることができる。しかし、それ以外の電話番号には発信できないため、紛失あるいは窃盗によって他人に渡った場合でも、不正使用をかなりの範囲で防ぐことができる。
【0055】
さらに普段からセキュリティレベル2で使用することを考える。セキュリティレベル2では、アドレス帳の参照が禁止となり、例外登録された電話番号に関しても、発信の度にその電話番号を直接入力する必要がある。しかし、他人は例外番号を含めてアドレス帳のすべての番号を参照することはできないため、いたずら電話なども含めてダイヤル発信を防止することができる。
【0056】
なお、セキュリティレベル3とすれば、例外番号に関係なく、すべてにダイヤルロックが有効となる。したがって、従来からあるダイヤルロックを好むユーザはセキュリティレベル3を設定しておけば良い。
【0057】
(他の実施形態)
ここでは、一歩発展させてアドレス帳の登録番号1つ1つについて、ダイヤル発信許可とアドレス帳の参照を独立にレベル設定し、ダイヤルロックモード時のセキュリティレベルに応じて対応することを考える。
【0058】
すなわち、図11に示すように、氏名(D1)と電話番号(D2)の他に、ダイヤル発信可能レベル(D4)とアドレス帳参照可能レベル(D5)を属性として有するアドレス帳を用いる。ここでは説明を簡単にするため、同じ電話番号での登録が2つ以上は存在しないものとする。ダイヤル発信可能レベル(D4)とアドレス帳参照可能レベル(D5)としては、セキュリティレベルと同じ1〜3の他に0を登録可能であるとする。なお、このダイヤル発信可能レベル(D4)とアドレス帳参照可能レベル(D5)の設定は、所定の操作により操作入力部15を通じてアドレス帳の発信/参照レベル設定を指示することにより行うものとする。
【0059】
さらに、図4のステップS19におけるアドレス帳参照処理のサブルーチンとして、図12に示す「アドレス帳参照処理2」を用い、図4のステップS21における発呼処理のサブルーチンとして、図13に示す「発呼処理2」を用いるものとする。
【0060】
動作を以下に詳しく説明する。ただし、通常モード時の動作と、ダイヤルロックモード時でも発呼処理及びアドレス帳参照処理以外の動作については、上記実施形態で説明した手順と同じであるため、ここでは省略する。
【0061】
図4のメイン処理中でアドレス帳参照が指示された場合(ステップS13のYes)、図12のアドレス帳参照処理2のサブルーチンに移る(ステップS19)。
【0062】
このアドレス帳参照処理2では、ダイヤルロックモードが設定されている場合において(ステップF11のYes)、図11に示すアドレス帳の中からアドレス帳参照可能レベル(D5)が現在のセキュリティレベル以上であるものが抽出され(ステップF12)、その抽出番号のみが表示部16にリスト表示される(ステップF13)。現在のセキュリティレベルはメモリ18のセキュリティレベル領域18bに設定されている。参照可能レベルが現在のセキュリティレベル未満であるものについては表示を行わない。このようなアドレス帳のリスト表示により、ユーザはアドレス帳の中から所望の電話番号を選択することができる(ステップF14)。アドレス帳の中から選択された電話番号は、メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号として設定される。
【0063】
また、図4のメイン処理中で発呼処理が指示された場合には(ステップS15のYes)、図13に示す発呼処理2のサブルーチンに移る(ステップS21)。
【0064】
この発呼処理2では、まず、上記メモリ18の発信番号格納領域18cにダイヤル発信番号が設定されているか否かがチェックされる(ステップG11)。ダイヤル発信番号が設定されていなければ発信できないので、ここでの処理をスキップする(ステップG11のNo)。ダイヤル発信番号が設定されている場合には(ステップG11のYes)、現在のモードが判定され、ダイヤルロックモードであれば(ステップG12のYes)、図11に示すアドレス帳の電話番号部(D2)にダイヤル発信番号と一致するものが登録されているか否かが検索され、一致するものがなければダイヤル発信しない(ステップG13のNo)。
【0065】
一致するものが検索された場合(ステップG13のYes)、その番号の発信可能レベル(D4)が読み出される(ステップG14)。そして、その発信可能レベルの値が現在のセキュリティレベル以上である場合のみ(ステップG15のYes)、ダイヤル発信が行なわれる。発信可能レベルがセキュリティレベル未満の場合はダイヤル発信しない(ステップG15のNo)。
【0066】
このような手順により、アドレス帳に登録されているすべての電話番号について、アドレス帳からの参照と発信の可否をセキュリティレベルに応じて個別に設定できる。
【0067】
具体的に説明すると、図11に示すように、「自宅」の電話番号に対する発信可能レベルが2、参照可能レベルが3であるとする。セキュリティレベルは1〜3の値を取るため、「自宅」の電話番号についてはセキュリティレベルがどのような値に設定されていても、アドレス帳の参照が可能である。したがって、ダイヤルロック状態でも、紛失時などに拾得者から連絡をしてもらえる可能性がある。また、セキュリティレベル2以下にしておけば、自宅の電話番号への発信が可能になるため、本通信端末(携帯電話)から自宅へ連絡してもらうことができる。
【0068】
また、「登録A」の電話番号はセキュリティレベル2以下のときにアドレス帳参照と発信が可能になる。「登録Bの」の電話番号はセキュリティレベル2以下で発信可能、セキュリティレベル1以下でアドレス帳参照可能である。セキュリティレベル2でダイヤルロックする場合、電話をかけることが可能な電話番号のうち、アドレス帳から参照できる電話番号とそうでない電話番号とを分けることができる。
【0069】
「登録C」の電話番号はダイヤルロック中はセキュリティレベルに関係なくアドレス帳の参照はできないが、電話番号を直接入力すれば発信が可能である。逆に、「登録D」の電話番号はアドレス帳から参照することはいつでもできるが、発信するにはダイヤルロックを解除する必要がある。「登録C」のような設定は秘密設定を兼ねる。また、「登録D」のような設定は、例えば商用サービス(例えばチケット予約)などを登録しておくと便利である。
【0070】
なお、発信可能レベルやアドレス帳参照レベル、セキュリティレベルは0〜3の値を取るものとして説明したが、この例に制限されない。
【0071】
また、本発明の端末装置に遠隔操作によるモード切り替え機能を搭載すれば、さらに様々な応用が可能となる。例えば、通常はセキュリティレベル2で使用し、紛失時には遠隔操作でセキュリティレベル3に変更することができれば、予め設定されたアドレス帳参照可能レベルや発信可能レベルによって自宅連絡先の表示以外を禁止することなどもできる。なお、遠隔操作は、例えば本通信端末に外から電話をかけ、パスワードを入力するなどして行うものとする。
【0072】
また、本発明は、携帯電話や無線通信機能を備えた情報端末の他、公衆網に接続された一般電話など、発信機能を備えた機器であれば、そのすべての機器に適用可能である。
【0073】
また、上述した実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ダイヤルロックモード中でも例外的に発信可能な電話番号を登録しておくことができる。例外登録として、例えば自宅の電話番号など、ユーザが頻繁に使用する電話番号のみを厳選しておけば、ダイヤルロックを解除することなく、その電話番号についてのみ電話をかけることができ、使い勝手が良くなる。また、紛失や盗難などで他人に渡った場合でも不正使用をかなりの範囲で防ぐことができるため、セキュリティ面でも安心である。
【0075】
また、アドレス帳の表示も同様にして制限しておくことで、他人がアドレス帳を盗み見たり、そのアドレス帳から発呼することをかなりの範囲で防ぐことができる。
【0076】
また、アドレス帳の各電話番号毎に発信可能レベルと番号参照可能レベルを個別に設定することで、例えば自宅の電話番号についてはアドレス帳の参照のみ可能で、発呼は不可といったように、各電話番号毎に発呼と参照を分けて制御することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信端末の構成を示すブロック図。
【図2】上記通信端末の制御部に設けられたメモリの内容を示す図。
【図3】上記通信端末に用いられるアドレス帳の構成を示す図。
【図4】上記通信端末におけるメイン処理を示すフローチャート。
【図5】上記メイン処理から呼び出されるダイヤルロック状態移行処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図6】上記メイン処理から呼び出されるセキュリティ設定処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図7】上記メイン処理から呼び出されるアドレス帳参照処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図8】上記メイン処理から呼び出される発呼処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図9】上記メイン処理から呼び出される例外番号登録処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図10】通常モードとダイヤルロックモードの間のモード遷移図。
【図11】本発明の他の実施形態として用いられるアドレス帳の構成を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態として上記メイン処理から呼び出されるアドレス帳参照処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図13】本発明の他の実施形態として上記メイン処理から呼び出される発呼処理のサブルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
11…音声入出力部
12…コーデック部
13…無線部
14…アンテナ
15…操作入力部
16…表示部
17…制御部
18…メモリ
18a…モード領域
18b…セキュリティレベル領域
18c…発信番号格納領域
18d…パスワード領域
19…アドレス帳記憶部
20…記録媒体
Claims (4)
- ダイヤルロックモードを設定するモード設定手段と、
各電話番号毎に発信可能レベルと参照可能レベルが個別に設定されたアドレス帳を記憶した記憶手段と、
この記憶手段に記憶された上記アドレス帳の中で選択された電話番号に従って発呼処理を行う発呼手段と、
セキュリティレベルを設定するレベル設定手段と、
上記モード設定手段によって上記ダイヤルロックモードが設定された状態で発呼指示があったときに、上記レベル設定手段によって設定された上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の中の発呼時に入力された電話番号に設定された上記発信可能レベルとを比較し、上記発信可能レベルが上記セキュリティレベル以上の場合に発呼処理を実行し、上記発信可能レベルが上記セキュリティレベルより低い場合に発呼処理を禁止する第1の制御手段と、
上記モード設定手段によって上記ダイヤルロックモードが設定された状態で番号表示指示があったときに、上記レベル設定手段によって設定された上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の各電話番号に設定された上記参照可能レベルとを比較し、上記参照可能レベルが上記セキュリティレベル以上の電話番号を対象として番号表示処理を実行する第2の制御手段と
を具備したことを特徴とする通信端末。 - ダイヤルロックモードを設定するモード設定手段と、
各電話番号毎に発信可能レベルが個別に設定されたアドレス帳を記憶した記憶手段と、
この記憶手段に記憶された上記アドレス帳の中で選択された電話番号に従って発呼処理を行う発呼手段と、
セキュリティレベルを設定するレベル設定手段と、
上記モード設定手段によって上記ダイヤルロックモードが設定された状態で発呼指示があったときに、上記レベル設定手段によって設定された上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の中の発呼時に入力された電話番号に設定された上記発信可能レベルとを比較し、上記発信可能レベルが上記セキュリティレベル以上の場合に発呼処理を実行し、上記発信可能レベルが上記セキュリティレベルより低い場合に発呼処理を禁止する制御手段と
を具備したことを特徴とする通信端末。 - ダイヤルロックモードを設定するモード設定手段と、
各電話番号毎に参照可能レベルが個別に設定されたアドレス帳を記憶した記憶手段と、
この記憶手段に記憶された上記アドレス帳の中で選択された電話番号に従って発呼処理を行う発呼手段と、
セキュリティレベルを設定するレベル設定手段と、
上記モード設定手段によって上記ダイヤルロックモードが設定された状態で番号表示指示があったときに、上記レベル設定手段によって設定された上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の各電話番号に設定された上記参照可能レベルとを比較し、上記参照可能レベルが上記セキュリティレベル以上の電話番号を対象として番号表示処理を実行する制御手段と
を具備したことを特徴とする通信端末。 - 通信機能を備えたコンピュータに、
ダイヤルロックモードを設定する処理と、
各電話番号が登録されたアドレス帳の中で上記各電話番号毎に発信可能レベルと参照可能レベルを個別に設定する処理と、
上記アドレス帳の中で選択された電話番号に従って発呼する処理と、
セキュリティレベルを設定する処理と、
上記ダイヤルロックモードが設定された状態で発呼指示があったときに、上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の中の発呼時に入力された電話番号に設定された上記発信可能レベルとを比較し、上記第1のレベルが上記セキュリティレベル以上の場合に発呼処理を実行し、上記第1のレベルが上記セキュリティレベルより低い場合に発呼処理を禁止する処理と、
上記ダイヤルロックモードが設定された状態で番号表示指示があったときに上記セキュリティレベルと上記アドレス帳の各電話番号に設定された上記参照可能レベルとを比較し、上記参照可能レベルが上記セキュリティレベル以上の電話番号を上記アドレス帳から抽出して表示する処理と
を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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