しかしながら、上述した問題点を解決する技術として、特許文献1に記載された技術は充分ではない。その理由について以下に説明する。
特許文献1に記載された技術によれば、中継装置は、通信量に基づいてクライアント機器の新規参入の可否を判断する。そして、新規参入を拒否する場合、拒否したことを通知するとともに、第2の通信方法で通信するよう指示する。ここで、例えば、上述したチューナー端末装置とテレビ端末装置とを例にとって考えると、特許文献1に記載された中継装置は、チューナー端末装置とテレビ端末装置とを同一のネットワークに移動させられないおそれがある。例えば、通常、チューナー端末装置は予め設置され稼動しているものであるため、第1の通信方式で通信している可能性が高い。ここで、ユーザが好みの位置にテレビ端末装置を移動させ、その位置でテレビ端末装置を稼動させるとする。このとき、テレビ端末装置は、第1の通信方式によるネットワークの通信量が多い場合は、第2の通信方式によるネットワークに参加するよう指示されることになる。この場合、チューナー端末装置とテレビ端末装置とは互いに通信を行うことができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信を行う相手側の通信端末とともに、所定の条件に応じて自動的にネットワークを移行できる通信端末装置を実現することにある。
また、本発明の別の目的は、互いに通信を行う少なくとも2台の通信端末装置が同一のネットワーク内に存在できるようなネットワーク分割を必要に応じて自動的に実行できる通信システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る通信端末装置は、ネットワークを形成する通信システムに含まれる通信端末装置であって、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段と、上記通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信部とを備え、上記ネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、通信部が、通信を行う相手側の通信端末装置に対して変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を送信するとともに、ネットワーク設定手段が、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、ネットワーク変更判断部が、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断する。そして、ネットワーク変更判断部が所属ネットワークを変更すると判断した際には、ネットワーク設定手段が、変更先のネットワークのネットワーク指定情報を設定する。従って、ユーザが手動で設定することなく、通信端末装置は自動的に他のネットワークに移行することができる。
また、通信部は、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を、相手側の通信端末装置に送信する。従って、相手側の通信端末装置が、受信したネットワーク指定情報を用いて新たなネットワークに移行すれば、通信を行う相手側の通信端末とともにネットワークを移行でき、移行先のネットワークにおいて通信を行うことができる。
また、本発明に係る通信端末装置は、ネットワークを形成する通信システムに含まれる通信端末装置であって、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段と、上記通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信部とを備え、上記ネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、通信部が、通信を行う相手側の通信端末装置に対してネットワークの変更を通知する情報を送信し、ネットワーク設定手段が、通信部によって受信された変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報に基づいて、ネットワーク指定情報を設定するものであってもよい。
上記構成によれば、ネットワーク変更判断部が、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断する。そして、ネットワーク変更判断部が所属ネットワークを変更すると判断した際には、ネットワーク設定手段が、変更先のネットワークのネットワーク指定情報を設定する。従って、ユーザが手動で設定することなく、通信端末装置は自動的に他のネットワークに移行することができる。
ここで、変更先のネットワークのネットワーク指定情報は、通信部によって受信されたものを使用する。具体的には、例えば、相手側の通信端末装置が変更先のネットワークのネットワーク指定情報を指定し、本通信端末装置に送信することなどが挙げられる。この場合、相手側の通信端末装置も、本通信端末装置に対して送信したネットワーク指定情報を用いて、所属ネットワークを変更することにより、本通信端末装置と相手側の通信端末装置とが同じネットワークに移行することができる。
また、別の具体例としては、本通信端末装置、相手側の通信端末装置以外の第3の通信端末装置によって、移行先のネットワークのネットワーク指定情報が通知されてもよい。この場合、相手側の通信端末装置にも同じネットワーク指定情報が送信されることにより、本通信端末装置と相手側の通信端末装置とは同じネットワークに移行することができる。
また、上記ネットワーク変更判断手段は、通信するために必要な帯域に基づいて所属ネットワークを変更するか否かを判断するものであってもよい。
上記構成によれば、ネットワーク変更判断手段は、例えば、通信に必要な帯域が少ない場合などに、所属ネットワークの変更を決定することができる。
また、上記ネットワーク変更判断手段は、通信を行いたい他の通信端末装置との間における帯域の確保が不可能であることを示す情報を受信した際に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。
上記構成によれば、例えば、ネットワークにおいて帯域を管理している通信管理装置が、帯域の確保が不可能であると判断した場合に、所属ネットワークの変更を決定することができる。
また、上記ネットワーク変更判断手段は、所定の帯域が必要となることによって上記ネットワーク設定手段がネットワーク指定情報を変更した後、上記所定の帯域が不要になったことを検出した場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するとともに、ネットワーク指定情報として変更前のネットワーク指定情報を設定させることが好ましい。
上記構成によれば、本通信端末装置は、所定の帯域が不要になった際に、元のネットワークに復帰する。従って、無用にネットワークを増やすことなく、効率的に資源を活用できる。また、元のネットワークに復帰することによって、元のネットワークに所属する他の通信端末装置と再び通信を行うことができるようになる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る通信端末装置は、ネットワークを形成する通信システムに含まれる通信端末装置であって、上記通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信部とを備え、上記通信部が変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を受信した際に、ネットワーク設定手段が、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を設定することを特徴とする。
上記構成によれば、通信部が変更先のネットワーク指定情報を受信した際に、ネットワーク設定手段が、変更先のネットワークのネットワーク指定情報を設定する。従って、ユーザが手動で設定することなく、通信端末装置は自動的に他のネットワークに移行することができる。
ここで、変更先のネットワークのネットワーク指定情報は、通信部によって受信されたものを使用する。具体的には、例えば、相手側の通信端末装置が変更先のネットワークのネットワーク指定情報を指定し、本通信端末装置に送信することなどが挙げられる。この場合、相手側の通信端末装置も、本通信端末装置に対して送信したネットワーク指定情報を用いて、所属ネットワークを変更することにより、本通信端末装置と相手側の通信端末装置とが同じネットワークに移行することができる。
また、別の具体例としては、本通信端末装置、相手側の通信端末装置以外の第3の通信端末装置によって、移行先のネットワークのネットワーク指定情報が通知されてもよい。この場合、相手側の通信端末装置にも同じネットワーク指定情報が送信されることにより、本通信端末装置と相手側の通信端末装置とは同じネットワークに移行することができる。
また、本発明に係る通信端末装置は、ネットワークを形成する通信システムに含まれる通信端末装置であって、上記通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信部とを備え、上記通信部が所属ネットワークの変更を通知する情報を受信した際に、上記通信部が変更先のネットワークのネットワーク指定情報を送信するとともに、ネットワーク設定手段が、変更先のネットワークのネットワーク指定情報を設定するものであってもよい。
上記構成によれば、所属ネットワークの変更を通知する情報を受信した際に、ネットワーク設定手段が、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を設定する。従って、ユーザが手動で設定することなく、通信端末装置は自動的に他のネットワークに移行することができる。
また、通信部は、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を、相手側の通信端末装置に送信する。従って、相手側の通信端末装置が、受信したネットワーク指定情報を用いて新たなネットワークに移行すれば、本通信端末装置は、通信を行う相手側の通信端末とともにネットワークを移行でき、移行先のネットワークにおいて通信を行うことができる。
また、上記通信端末装置は、所属ネットワーク内の各通信端末装置によって確保される帯域の情報が格納される帯域情報記憶部と、確保するよう要求された帯域が確保可能か否かを上記帯域情報記憶部に格納された帯域の情報を参照することによって判断する帯域判断手段と、上記帯域判断手段によって帯域が確保可能と判断された場合に要求された帯域を確保し、確保する帯域を上記帯域情報記憶部に格納する帯域割当手段とをさらに備えていることが好ましい。
上記構成によれば、移行先のネットワークにおいて、通信端末装置は、ネットワークの帯域を管理することのできる通信管理装置として機能することができる。よって、移行先のネットワークにおいて、帯域を確保して通信を行うことが可能になる。
また、上記ネットワークに、当該ネットワークの通信を管理する通信管理装置が含まれており、上記帯域判断手段及び帯域割当手段の稼動/非稼動が、上記通信管理装置からの指示情報に基づいて制御されることが好ましい。
上記構成によれば、移行前のネットワークにおける通信管理装置が、移行先のネットワークにおいて通信管理装置になる通信端末装置を指定するので、ユーザが通信管理装置を指定する必要がない。また、通信管理装置を決定するために、ネットワークを移行する通信端末装置同士で通信を行う必要がなく、通信管理装置を決定するためのアルゴリズムも不要となるため、通信端末装置の構成を簡略化できる。
また、上記通信端末装置は、所属ネットワークを変更する通信端末装置の中からランダムに1つの通信端末装置を指定するランダム指定手段を備え、上記ランダム指定手段が、自通信端末装置以外の通信端末装置を指定した場合に、通信管理指示情報を該通信端末装置に通信部によって送信する一方、自通信端末装置を指定した場合に、上記帯域判断手段及び帯域割当手段を稼動させてもよい。
上記構成によれば、通信管理装置になる通信端末装置はランダムに決定されるため、ユーザが通信管理装置を指定する必要がない。また、通信管理装置を指定するにあたって、条件判断を行う必要がないため、通信端末装置が迅速に次のネットワークに移行できる。また、通信管理装置を指定するためのアルゴリズムを必要としないため、通信端末装置の構成を簡略化できる。
また、上記通信端末装置は、乱数を生成する乱数生成手段と、上記ネットワーク設定手段が変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を設定した後に、上記乱数生成手段によって生成された乱数に基づいた期間だけ所属ネットワーク内の通信管理装置からのビーコンを監視するビーコン監視部と、ビーコンを送信するためのビーコン送信部とをさらに備え、上記ビーコン監視部が、監視期間中にビーコンを受信しなかった場合に、上記帯域判断手段及び帯域割当手段を稼動させるとともに、上記ビーコン送信部にビーコンを送信させてもよい。
上記構成によれば、本通信端末装置と相手側の通信端末装置が新しいネットワークに移行した場合、移行先のネットワークには通信管理装置がないため、各通信端末装置のビーコン監視部は、ビーコンを受信することがない。よって、監視期間が最も早く終了する通信端末装置が通信管理装置になることになる。ここで、各通信端末装置における監視期間は、乱数に基づいたランダムな時間となっている。よって、最も早く監視期間が終了する通信端末装置は、ランダムに決定されることになる。以上のようにして、新しいネットワークに移行した通信端末装置から通信管理装置をランダムに決定することができる。
以上のように、通信管理装置になる通信端末装置がランダムに決定されるため、ユーザは通信管理装置を指定する必要がない。また、通信管理装置を指定するにあたって、複雑な条件判断を行う必要がないため、通信端末装置が迅速に次のネットワークに移行できる。また、通信管理装置を指定するためのアルゴリズムを必要としないため、通信端末装置の構成を簡略化できる。
また、上記ネットワーク変更判断手段は、通信を行う相手側の通信端末装置との間の通信経路においてセキュリティが求められるデータが送受信される場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよく、上記ネットワーク指定情報には、所属ネットワークを指定するための情報に加え、暗号化方式の情報も含まれることが好ましい。
上記構成によれば、通信端末装置がネットワークを移行する際に、暗号化方式も変更することができる。よって、他のネットワークに移行した通信端末装置と相手側通信端末装置との間の通信経路において、セキュリティを高めることもできる。
また、上記ネットワーク変更判断手段は、上記通信システムに含まれる通信端末装置が所定の数以上になった場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。
上記構成によれば、ネットワークに所属する通信端末装置が所定の数以上になった場合に、他のネットワークに移行するので、通信端末装置が増加することによる混雑を解消することができる。
また、上記ネットワーク変更判断手段は、通信を行う相手側の通信端末装置以外の通信端末装置と通信を行う必要がない場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。
上記構成によれば、通信する必要のない通信端末装置を他のネットワークに移行させることによって、ネットワーク資源を有効に活用することができる。
また、上記通信部は、中継装置を経由して相手側の通信端末装置と通信するものであり、上記ネットワーク変更判断手段は、上記通信部と中継装置との間で通信するのに必要な電力が、上記通信部と相手側の通信端末装置との間で通信するのに必要な電力よりも小さい場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。
例えば、無線LAN等では、遠い通信端末装置と通信するほど大きな電力を使用する。上記構成によれば、本通信端末装置は、相手側の通信端末装置と通信する際には、中継装置を経由する。ここで、例えば、本通信端末装置と中継装置との間の距離が、本通信端末装置と相手側の通信端末装置との間の距離よりも大きい場合は、中継装置を経由することによって送信電力が増加する。また、距離が近い場合であっても、通信経路に障害物が存在すると、必要な送信出力が増加する。これらの場合に、ネットワーク変更判断手段が所属ネットワークの変更を決定し、通信端末装置が相手側の通信端末装置とともに他のネットワークに移行すれば、移行先のネットワークでは、直接通信できるようになる。よって、通信に必要な電力の消費を低減させることができる。
また、上記所属ネットワークを指定するための情報は、通信チャネルの情報であることが好ましい。
通信チャネルが互いに異なる2つのネットワーク間では、互いに通信を行うことができない。すなわち、通信チャンルを変更することによって、移動元のネットワークから物理的に切り離される。
また、上記所属ネットワークを指定するための情報は、IEEE802.11方式に基づくSSIDの情報であってもよい。
IEEE802.11方式に基づくネットワークでは、SSIDを変更するということは、所属ネットワークを変更するということに相当する。
また、上記変更先のネットワークのネットワーク指定情報は、ネットワーク設定手段がランダムなデータに基づいて作成したものであってもよい。
上記構成によれば、移行先のネットワークのネットワーク指定情報をユーザが指定する必要がないため、ユーザの負担を軽減することができる。
また、上記変更先のネットワークのネットワーク指定情報は、ユーザによって予め入力されたデータに基づいたものであってもよい。
上記構成によれば、ユーザの好みのネットワーク指定情報に基づいて、通信端末装置を他のネットワークに移行させることができる。
また、上記通信部は、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を、所属ネットワークを変更しない通信端末装置に対して送信することが好ましい。
上記構成によれば、本通信端末装置が他のネットワークに移行する際に、移行先のネットワークのネットワーク指定情報を、元のネットワークに所属する通信端末装置に通知することができる。よって、元のネットワークに所属する通信端末装置は、本通信端末装置がどのネットワークに移行したかを認識することができる。
また、上記通信部は、変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報と、所属ネットワークを変更する通信端末装置を識別するための端末識別情報とを、所属ネットワークを変更しない通信端末装置に対して送信することが好ましい。
上記構成によれば、移行先のネットワークのネットワーク指定情報と移行する通信端末装置とを、元のネットワークに所属する通信端末装置に通知することができる。また、よって、元のネットワークに所属する通信端末装置は、どの通信端末装置がどのネットワークに移行したかを認識することができる。
また、上記ネットワーク設定部は、所属ネットワークを第1のネットワークから第2のネットワークへ変更した後にさらに第3のネットワークへと変更する際に、第1のネットワークを指定するネットワーク指定情報を設定し、その後、上記通信部は、第1のネットワークに所属する通信端末装置に対して、第3のネットワークのネットワーク指定情報を送信し、その後、上記ネットワーク設定部は、第3のネットワークを指定するネットワーク指定情報を設定することが好ましい。
上記構成によれば、移行先のネットワークから、さらに他のネットワークに移行する際に、一旦元のネットワークに復帰し、元のネットワークに所属する通信端末装置に移行先のネットワークを通知する。従って、元のネットワークに所属する通信端末装置は、本通信端末装置が移行先のネットワークからさらに他のネットワークに移行する場合であっても、最終的な移行先のネットワークがどのネットワークであるかを認識することができる。
ところで、上記通信端末装置の各手段は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、上記何れかの通信端末装置の各手段としてコンピュータを動作させるためのプログラムであり、また、本発明に係る記録媒体は、当該プログラムが記録された記録媒体である。
これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記通信端末装置の各手段として動作する。
また、上記課題を解決するために、本発明の通信システムは、ネットワークに所属する少なくとも第1から第3の通信端末装置を含んだ通信システムであって、第1及び第2の通信端末装置は、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信手段とを備え、第1の通信端末装置は、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段をさらに備え、第1及び第2の通信端末装置のネットワーク設定手段は、第1の通信端末装置のネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、上記ネットワーク指定情報を変更し、変更されたネットワーク指定情報が、第1及び第2の通信端末装置において同一であることを特徴とする。
上記構成によれば、第1及び第2の通信端末装置は、ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報が指定するネットワークに所属することになる。ここで、第1の通信端末装置のネットワーク変更判断手段がネットワークの変更を判断した際に、第1及び第2の通信端末装置のネットワーク設定手段は、互いに同一のネットワーク指定情報となるように、ネットワーク指定情報を変更する。これにより、第1及び第2通信端末装置は、元のネットワークから別のネットワークに移行することができる。
このように、本発明の通信システムによれば、互いに通信を行う少なくとも2台の通信端末装置が同一のネットワーク内に存在できるようなネットワーク分割を必要に応じて自動的に実行できる。
また、上記課題を解決するために、本発明の通信システムは、ネットワークに所属する少なくとも第1から第3の通信端末装置を含んだ通信システムであって、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置は、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信手段とを備え、第3の通信端末装置は、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段をさらに備え、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置のネットワーク設定手段は、第3の通信端末装置のネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、上記ネットワーク指定情報を変更することを特徴とする。
上記構成によれば、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置は、第3の通信端末装置のネットワーク変更判断手段が所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するよう判断した際に、他のネットワークに移行する。従って、第1及び第2の通信端末装置のみが元のネットワークに残ることになる。
このように、本発明の通信システムによれば、互いに通信を行う少なくとも2台の通信端末装置が同一のネットワーク内に存在できるようなネットワーク分割を必要に応じて自動的に実行できる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るネットワーク分割方法は、少なくとも第1から第3の通信端末装置が所属するネットワークを分割するネットワーク分割方法であって、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断装置と、上記ネットワーク変更判断装置が所属ネットワークを変更すると判断した際に、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報であるネットワーク指定情報を、第1及び第2の通信端末装置について変更するネットワーク設定装置とを用いて、上記所定の条件に応じて、第1及び第2の通信端末装置の所属ネットワークを、第1及び第2の通信端末装置が同じネットワークに所属するように自動的に変更することを特徴とする。
上記構成によれば、ネットワーク変更判断装置が所属ネットワークを変更するか否かを自動的に判断し、ネットワーク設定装置が、所属するネットワークのネットワーク指定情報を自動的に変更してくれる。また、第1及び第2の通信端末装置は、同一のネットワークに移行する。従って、互いに通信を行う少なくとも2台の通信端末装置が同一のネットワーク内に存在できるようなネットワーク分割を必要に応じて自動的に実行できる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係るネットワーク分割方法は、少なくとも第1から第3の通信端末装置が所属するネットワークを分割するネットワーク分割方法であって、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断装置と、上記ネットワーク変更判断装置が所属ネットワークを変更すると判断した際に、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報であるネットワーク指定情報を、第1及び第2の通信端末装置以外の端末装置について変更するネットワーク設定装置とを用いて、上記所定の条件に応じて、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置の所属ネットワークを、第1及び第2の通信端末装置が同じネットワークに所属するように自動的に変更することを特徴とする。
上記構成によれば、ネットワーク変更判断装置が所属ネットワークを変更するか否かを自動的に判断し、ネットワーク設定装置が、所属するネットワークのネットワーク指定情報を自動的に変更してくれる。また、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置は他のネットワークに移行するため、第1及び第2の通信端末装置のみが、元のネットワークに残る。従って、互いに通信を行う少なくとも2台の通信端末装置が同一のネットワーク内に存在できるようなネットワーク分割を必要に応じて自動的に実行できる。
本発明の通信端末装置は、ネットワークを形成する通信システムに含まれる通信端末装置であって、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段と、上記通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信部とを備え、上記ネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、通信部が、通信を行う相手側の通信端末装置に対して変更先の所属ネットワークのネットワーク指定情報を送信するとともに、ネットワーク設定手段が、変更先のネットワークのネットワーク指定情報を設定する構成となっている。
従って、上述したように、通信を行う相手側の通信端末とともに、所定の条件に応じて自動的にネットワークを移行できるという効果を奏する。
また、本発明の通信システムにおいて、第1及び第2の通信端末装置は、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信手段とを備え、第1の通信端末装置は、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段をさらに備え、第1及び第2の通信端末装置のネットワーク設定手段は、第1の通信端末装置のネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、上記ネットワーク指定情報を変更し、変更されたネットワーク指定情報が、第1及び第2の通信端末装置において同一である構成となっている。
あるいは、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置は、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信手段とを備え、第3の通信端末装置は、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段をさらに備え、第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置のネットワーク設定手段は、第3の通信端末装置のネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、上記ネットワーク指定情報を変更する構成となっている。
従って、上述したように、互いに通信を行う少なくとも2台の通信端末装置が同一のネットワーク内に存在できるようなネットワーク分割を必要に応じて自動的に実行できるという効果を奏する。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1から図11に基づいて説明すると以下の通りである。図5は、本実施形態の通信システム1のネットワーク構成を示す図である。通信システム1は、AP/HC(Access Point / Hybrid Coordinator、第3の通信端末装置)10、ビデオ端末装置(第1の通信端末装置)20、テレビ端末装置(第2の通信端末装置)30、PC(Personal Computer、第1の通信端末装置)40・50、その他の通信端末装置60〜80を備え、互いに通信可能なネットワーク100aを形成している。すなわち、通信システム1における各通信装置10〜80は、無線LANによって互いに無線通信が可能となっている。無線LANの種類は特に限定されないが、本実施形態では、IEEE802.11方式に基づくものとする。なお、AP/HC10、ビデオ端末装置20、テレビ端末装置30、PC40・50のことを通信端末装置ともいう。
本実施形態の無線LANでは、一つのネットワークに一つの無線通信チャネル(以下、チャネルという)が割り当てられる。これにより、空間的に重複する領域に複数の無線LANが混在しても、各無線LANが干渉し合うことがないようになっている。
また、一つのネットワークには、アクセスポイントとなる中継装置が一台備えられる。本実施形態では、AP/HC10がこの中継装置に相当する。これにより、ネットワーク100aに所属する各通信端末装置20〜80は、AP/HC10を経由して互いに通信を行うことが可能となっている。
各通信端末装置10〜80は、所定のチャネルが割り当てられたネットワーク100a内のみで通信することができ、チャネルが異なる他のネットワークとは通信することはできない。もちろん、AP/HC10がネットワーク100aとそれ以外の他のネットワークとの間でルータ等として機能している場合は、AP/HC10を介して各通信端末装置20〜80が他のネットワークと通信できるのはいうまでもない。しかしながら、本実施形態では説明を簡略化するため、AP/HC10はルータとして機能していないものとする。また、現時点では、他のチャネルが割り当てられたネットワークは存在しておらず、全ての通信端末装置10〜80が同一のネットワーク内で動作しているものとする。
また、本実施形態では、無線LANがIEEE802.11e方式に基づいているものとする。IEEE802.11e方式は、上述したAVデータを無線で伝送するために好適な方式であり、具体的には、通信品質(QoS)の制御が可能となっている。すなわち、AVデータを伝送するためには所定の帯域が保証される必要があるが、IEEE802.11e方式では必要な帯域を確保することが可能となっている。帯域の確保は、具体的には、IEEE802.11eでは、各端末装置間における伝送データに対して専用時間の割り当て(スケジューリング)を行うことによって実施されている。このIEEE802.11e方式における帯域の確保の実際について、AP/HC10、ビデオ端末装置20、及びテレビ端末装置30を用いて以下に説明する。まず、AP/HC10、ビデオ端末装置20、及びテレビ端末装置30の構成について説明する。
図1は、本実施形態のAP/HC10の機能ブロック図である。なお、図1において、本実施形態の説明に必要のない機能については省略されている。AP/HC10は、ネットワーク100a内の各通信端末装置が使用する帯域を調節する通信管理装置であり、通信処理部500を備えている。
通信処理部500は、アンテナ501、送信部(通信部)502、受信部(通信部)503、送信データ作成部504、受信データ解析部505、プロトコル処理部506、帯域割当部(帯域判断手段、帯域割当手段)507、帯域割当データが格納される記憶部(帯域情報記憶部)508、ネットワーク設定データ(ネットワーク指定情報)が格納されている記憶部511を含んでいる。
アンテナ501は、他の通信端末装置との間で、電波を効率的に伝搬させるためのものである。
送信部502は、通信端末装置、すなわちAP/HC10の送信データを電波に変換するためのものであり、通信装置が所属するネットワークに割り当てられるチャネルに基づいて電波を生成する。なお、この電波を生成するためのチャネルは、記憶部511に格納されたネットワーク設定データに基づいている。なお、記憶部511のネットワーク設定データには、IEEE802.11で用いられるネットワーク識別情報であるSSID(ESS ID)や、チャネルに関する情報が格納されている。
受信部503は、他の通信装置から受信した電波を受信データに変換するためのものであり、通信装置が所属するネットワークに割り当てられるチャネルに基づいてデータに変換する。なお、このデータに変換するためのチャネルは、記憶部511に格納されたネットワーク設定データに基づいている。
送信データ作成部504は、後述するプロトコル処理部506から送信されるデータに基づいて、送信パケットを生成するためのものである。
受信データ解析部505は、受信部503から送信される受信データがどのようなデータであるのかを解析し、通信プロトコルに関係するものであればプロトコル処理部506に受信データを送信する。
プロトコル処理部506は、受信データ解析部505から受信したデータが、どのような命令又はデータであるのかを確認する。また、プロトコル処理部506は、詳細は後述するが、帯域割当部507から送信されたデータに基づいて、帯域割当が可能であるか否かを通知するための情報を送信データ作成部504に送信する。
帯域割当部507は、他の通信端末装置によって確保するよう要求された帯域が、確保可能であるか否かを判断するためのものである。確保可能であるか否かは、記憶部508に格納された帯域割当データを参照することによって判断する。帯域割当データには、帯域を確保している通信端末装置が存在する場合は、帯域を確保している通信端末装置の識別情報と確保している帯域の量とが関連付けられて格納されている。帯域割当部507は、既に確保されている帯域の量と利用可能な全帯域の量とに基づいて、要求された量の帯域を確保できるか否かを判断する。そして、帯域割当部507は、要求された帯域が確保できると判断した場合には、帯域を確保する通信端末装置の識別情報と確保する帯域の量とを関連付けて、追加の帯域割当データとして記憶部508に格納する。
通信端末装置の1つであるビデオ端末装置20は、AVデータをテレビ端末装置30に送信できるようになっている。なお、本実施形態ではAVデータを送信するためのビデオ端末装置となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の通信端末装置と通信できる装置であればよい。
図2は、本実施形態のビデオ端末装置20の機能ブロック図である。ビデオ端末装置20は、上述したAP/HC10が備えている通信処理部500と同様のものを備えている。従って、同様の機能を有する部材については説明を省略する。なお、ビデオ端末装置20の通信処理部500には、上述した帯域割当部(帯域判断手段、帯域割当手段)507、帯域割当データが格納される記憶部(帯域情報記憶部)508が含まれていなくてもよい。
また、ビデオ端末装置20は、AVデータが格納された記憶部401と、AVデータ転送部402とをさらに備えている。
AVデータ転送部402は、AVデータをテレビ端末装置30に送信する際に、記憶部401に記憶されたAVデータを読み出し、通信処理部500の送信データ作成部504に送信する。そして、送信データ作成部504は、AVデータ転送部402から転送されたAVデータをパケットに変換し、通信処理部500の送信部502に送信する。
具体的には、AVデータは、ビデオ端末装置20の通信処理部500の外部におけるMPEG2エンコーダやHDD等から、PCIバスなどの外部バスを通じて送信データ作成部504に入力される。送信データ作成部504は、受信したAVデータに基づいてパケットを作成し、送信部502に送信する。そして送信部502は、テレビ端末装置30にAVデータを送信する。
図3は、本実施形態のテレビ端末装置30の機能ブロック図である。テレビ端末装置30は、上述したAP/HC10が備えている通信処理部500と同様のものを備えている。従って、同様の機能を有する部材については説明を省略する。なお、テレビ端末装置30の通信処理部500には、上述した帯域割当部(帯域判断手段、帯域割当手段)507、帯域割当データが格納される記憶部(帯域情報記憶部)508が含まれていなくてもよい。
また、テレビ端末装置30は、ビデオ端末装置20から送信されてきたAVデータを表示するための表示部403を備えている。テレビ端末装置30の受信データ解析部505は、受信したデータがAVデータであると判断した場合には、そのAVデータを表示部403に送信する。
具体的には、テレビ端末装置30の受信部503は、受信したAVデータを受信データ解析部505に送信する。受信データ解析部505は、受信したデータが通信プロトコルに関するものかどうか判断される。ここで、AVデータは、通信プロトコルとは関係ないため、受信データ解析部505は、AVデータを必要とする外部機器、例えばMPEG2デコーダなどにPCIバスなどの外部バスを通じて出力する。
また、PC40・50及びその他の通信端末装置60〜80も、図4に示すように、それぞれ上記と同じ通信処理部500を備えている。なお、PC40・50の通信処理部500には、上述した帯域割当部(帯域判断手段、帯域割当手段)507、帯域割当データが格納される記憶部(帯域情報記憶部)508が含まれていなくてもよい。
次に、このIEEE802.11e方式における帯域の確保の手順について、AP/HC10、ビデオ端末装置20、及びテレビ端末装置30を用いて以下に説明する。ここでは一例として、ビデオ端末装置20からテレビ端末装置30にAVデータを送信するものとする。上述したように、本実施形態の無線LANでは、各通信端末装置はAP/HC10を介して通信する必要があるため、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、それぞれAP/HC10との間で帯域の確保を行う必要がある。
図6は、帯域確保のための処理工程を示す図である。図中、SME(Station Management Entity)はステーション(ビデオ端末装置20、AP/HC10)の管理機構を示し、MLME(MAC Layer Management Entity)はMAC管理機構を指す。SMEは、MLMEを介してMAC層に対して様々な命令や設定を行うものである。ビデオ端末装置20では、帯域を確保する際、確保したい帯域の量をSMEがTSPEC(Traffic SPECification)という形にしてMLME-ADDTS.requestコマンドに含め、MLMEに送信する。そして、MLME-ADDTS.requestコマンドを受信したMLMEは、ADDTS Request frame(帯域確保要求フレーム:Add Traffic Stream)を送信するようにMACを設定する。そして、MACがTSPECを含んだADDTS request frameをAP/HC10に対して送信する(ステップS601)。これにより、ビデオ端末装置20は、TSPECで示された帯域でAVデータのストリームを送信したいということをAP/HC10に対して通知する。
AP/HC10では、受信したADDTS request frameからTSPECを取り出し、実際に必要とする帯域を計算し、他の通信局が確保している帯域や、ネットワーク全体の残り帯域からその要求に応えられるか否かを判断する。そして、AP/HC10は、判断結果の情報をADDTS Response frame(帯域確保応答フレーム)に含めてビデオ端末装置20に送信する(ステップS602)。
ビデオ端末装置20は、ADDTS Response frameに含まれる判断結果の情報が成功であればAVデータの送信を開始し、失敗であればAVデータの送信を行わない。
上記の帯域確保の処理について機能ブロック図である図1を用いて説明する。まず、ビデオ端末装置20のプロトコル処理部506は、確保したい帯域の量に基づくTSPECを作成し、送信データ作成部504に送信する。送信データ作成部504は、TSPECを含むADDTS Request frameを作成し、送信部502に送信する。送信部502は、AP/HC10に対してADDTS Request frameを、送信できるタイミングで送信する。
AP/HC10の受信部503は、受信したADDTS Request frameを受信データ解析部505に送信する。受信データ解析部505は、受信したデータが自局宛のデータであるか、さらには、通信処理部500内で処理をするためのデータであるか、あるいは通信処理部500外で処理するためのデータであるのかを判断する。ここで、ADDTS Request frameは通信処理部500内で処理するためのデータであるので、プロトコル処理部506に送信する。プロトコル処理部506では、受信したデータがどのような命令、データなのかを確認する。この場合は、ADDTS Request frameであるので、プロトコル処理部506は、TSPECを取り出し、帯域割当部507に送信する。
帯域割当部507は、受信したTSPECの内容から必要な帯域の量を算出し、記憶部508に格納された帯域割当データを参照することによって、要求された帯域を割り当てられるかどうかを判断する。そして、帯域割当部507は、判断結果が可能であった場合には、帯域割当データの情報を更新する。また、帯域割当部507は、判断結果の情報をプロトコル処理部506に返信する。プロトコル処理部506は、受信した判断結果の情報を送信データ作成部504に送信する。送信データ作成部504は、判断結果の情報を含んだADDTS Response frameを作成し、送信部502に送信する。そして、送信部502はアンテナ501を介してADDTS Response frameをビデオ端末装置20に送信する。
ADDTS Response frameを受信したビデオ端末装置20は、その中に含まれる判断結果の情報を参照して、帯域の確保が成功したか失敗したかを判断する。帯域を確保できた場合は、図1のネットワーク100aにおいてビデオ端末装置20からテレビ端末装置30にAVデータが送信される。
ここで、帯域を確保できなかった場合、ユーザは、映像の視聴を諦めるか、他の通信端末装置を停止させるか、ビデオ端末装置とテレビ端末装置とを他のネットワークに移行させるかする必要がある。しかしながら、視聴を諦めたり、他の通信端末装置を停止させたりすることは望ましくない。また、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とを他のネットワークに移行させるために、手動でネットワークの設定を変更するのは煩雑である。
そこで、本実施形態のビデオ端末装置20は、通信処理部500内にネットワーク変更判断部(ネットワーク変更判断手段、ネットワーク変更判断装置)509と、ネットワーク設定部(ネットワーク設定手段、ネットワーク設定装置)510とを備えている。また、ビデオ端末装置20は、通信処理部500内にネットワーク設定部510を備えている。なお、テレビ端末装置30も、通信処理部500内にネットワーク変更判断部(ネットワーク変更判断手段、ネットワーク変更判断装置)509と、ネットワーク設定部(ネットワーク設定手段、ネットワーク設定装置)510とを備えていてもよい。
ネットワーク設定部510は、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報であるネットワーク指定情報を設定するものである。
また、ネットワーク変更判断部509は、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するものである。
図7は、本実施形態の通信システムの処理の流れを示すフロー図である。まず、上述したように、帯域確保の判断結果を含むADDTS Response frameがAP/HC10からビデオ端末装置20に送信される(ステップS1,S2)。ビデオ端末装置20のプロトコル処理部506は、送信されたADDTS Response frameから帯域確保の判断結果の情報を取り出し、ネットワーク変更判断部509に送信する。ネットワーク変更判断部509は、帯域確保の判断結果の情報に基づいて所属ネットワークを変更するか否かを判断する。具体的には、ネットワーク変更判断部509は、帯域確保が失敗した情報を受信した場合に、所属ネットワークの変更を決定する(ステップS3)。
ネットワーク変更判断部509が所属ネットワークの変更を決定すると、所属ネットワークを変更することがビデオ端末装置20からテレビ端末装置30に通知される(ステップS4,S5)。また、ネットワーク変更判断部509は、これと平行して、ネットワーク設定部510に対して、所属ネットワークを変更するよう指示する。そして、ネットワーク設定部510は、所属ネットワークを変更するべく新たなネットワーク設定を生成する(ステップS6)。なお、ネットワーク設定とは、例えば、IEEE802.11規格に基づくSSID又はチャネル等を指す。この新たなネットワーク設定は、移行先のネットワークを指定するネットワーク指定情報となる。
ここでは、ネットワーク設定としてSSIDを変更するものとする。すなわち、現在のネットワーク100aのSSIDが「net01」であるとする。この場合、ビデオ端末装置のネットワーク設定部は、「net01」以外のSSIDを生成する。ここで、新たに生成されたSSIDは、ランダムな文字列であってもよいし、ユーザによって予め設定されたものであってもよい。また、あるいは、「net01」を変更したもの(例えば、「net02」等)であってもよい。
ネットワーク設定をユーザによって予め指定する方法としては、任意の方法を用いることができる。例えば、通信開始時に指定したり、以前に通信を行ったときに設定を交換しておいたものでもよいし、電話機の子機登録のように、特殊モードでネットワーク設定を登録してもよい。さらに、それらのネットワーク設定は、AP/HC10から指定されてもよいし、移動する通信機器同士で共通に保持しておいてもよい。
次に、ネットワーク設定部510は、生成した新しいSSIDを送信データ作成部504に送信する。そして、送信データ作成部504は、テレビ端末装置30に送信する情報として、ネットワーク設定部510が生成した新しいSSIDを含むパケットを作成する。作成されたパケットは、送信部502に送信され、アンテナ501を介してテレビ端末装置30に送信される(ステップS7)。
このパケットを送信したビデオ端末装置20では、ネットワーク設定部510が、新しいSSIDを新しいネットワーク設定データとして記憶部511に格納する(ステップS8)。これにより、ビデオ端末装置20は、新しいネットワーク100bに移行する。
一方、テレビ端末装置30は、新しいSSIDをビデオ端末装置20から受信して(ステップS9)、以下の処理を行う。まず、新しいSSIDは、受信部503から、受信データ解析部505を介してプロトコル処理部506に送信される。新しいSSIDを受信したプロトコル処理部506は、ネットワーク設定部510に対して、ビデオ端末装置20から受信した新しいSSIDを送信する。そして、ネットワーク設定部510は、新しいSSIDをネットワーク設定データとして記憶部511に格納する(ステップS10)。これにより、テレビ端末装置30も、新しいネットワーク100bに移行する。
このように本実施形態の通信システム1では、ビデオ端末装置20のネットワーク変更判断部509が所属ネットワークを変更すると判断した際に、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30のネットワーク設定部510がネットワーク指定情報を変更する。ここで、ビデオ端末装置20からテレビ端末装置30に対して、ネットワーク設定の情報を送信することによって、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が同一のネットワークに移行できるようになっている。
図8のように、新しいネットワーク100bに移行したビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、AVデータの送受信を開始する(ステップS11,S12)。また、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、移行先のネットワークでもAVデータのストリームを送受信するための帯域を確保することが望ましい。
なお、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の何れか一方は、移行先のネットワーク100b内の各通信端末装置が使用する帯域を調節する通信管理装置(AP/HC)となることが好ましい。この場合、通信管理装置となるビデオ端末装置20又はテレビ端末装置30は、AP/HC10が備えている帯域割当部507及び帯域割当データを格納する記憶部508を備えていればよい。
また、通信管理装置の決定方法は、どのようなものでもよい。例えば、帯域を確保した側が必ず通信管理装置になってもよいし、元のネットワークの通信管理装置(すなわちAP/HC10)から指定されてもよいし、移動する機器同士で決めてもよいし、ランダムに決定されてもよい。
新しい通信管理装置を元のネットワークの通信管理装置が指定する場合、通信管理装置となるビデオ端末装置20又はテレビ端末装置30の帯域割当部507は、通信管理装置から指示情報を受信することによって稼動する。一方、通信管理装置とならないビデオ端末装置20又はテレビ端末装置30の帯域割当部507は、通信管理装置から指示情報を受信することによって非稼動になる。
また、新しい通信管理装置がランダムに決定される場合には、ビデオ端末装置20又はテレビ端末装置30が、所属ネットワークを変更する通信端末装置の中からランダムに1つの通信端末装置を指定するランダム指定部(ランダム指定手段)を備えている。このランダム指定部が自通信端末装置以外の通信端末装置を指定した場合には、送信部502が通信管理装置となるように指示する情報である通信管理指示情報を、指定した通信端末装置に通信部によって送信する。そして、通信管理指示情報を受信した通信端末装置では、受信した通信管理指示情報に基づいて、帯域割当部507を稼動させる。一方、ランダム指定部が自通信端末装置を指定した場合には、ランダム指定部が、帯域割当部507を稼動させる。
また、以下の構成によってランダムに決定してもよい。本構成において、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、乱数を生成するための乱数生成部(乱数生成手段)と、通信管理装置からのビーコンを監視するビーコン監視部と、ビーコンを送信するためのビーコン送信部とを備えている。そして、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がネットワークを移行した後に、各通信端末装置のビーコン監視部は、乱数生成部によって生成された乱数に基づいた期間(時間)だけ、所属ネットワーク内の通信管理装置からのビーコンを監視する。そして、監視期間中にビーコンを受信しなかった場合、ビーコン監視部は、自通信端末装置の帯域割当部507を稼動させるとともに、ビーコン送信部からビーコンを送信させる。
このような構成によれば、例えば、新しいネットワークに移行した場合、移行先のネットワークには通信管理装置がないため、各通信端末装置のビーコン監視部は、ビーコンを受信することがない。よって、監視期間が最も早く終了する通信端末装置が通信管理装置になることになる。ここで、各通信端末装置における監視期間は、乱数に基づいたランダムな時間となっている。よって、最も早く監視期間が終了する通信端末装置は、ランダムに決定されることになる。以上のようにして、新しいネットワークに移行した通信端末装置から通信管理装置をランダムに決定することができる。
また、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が所属ネットワークの変更を行っている間にデータが途切れる可能性があるため、ユーザに対して、所属ネットワークを変更していることを通知してもよい。また、同様にネットワークの移行が完了したことをユーザに通知してもよい。さらに、何らかの理由でネットワークが移動できなかった場合にも、その旨通知してもよい。
また、上記の説明では、所属ネットワークを変更するために、ネットワーク設定としてSSIDを変更したが、チャネル設定及び/又は暗号化方式(WEP)をも同時に変更してもよい。IEEE802.11方式の無線LANでは、少なくともSSIDを元のネットワークと異なる設定にすることによって、異なるネットワーク(新しいネットワーク)として認識されるようになる。そして、移行先のネットワークでは確保されている帯域が存在しないため、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は新しい帯域を確保することができる。この場合、ネットワーク設定を変更するだけでよいので、異なる通信方式を有する通信機器を複数備えたりする必要がなく、コストを抑えることができる。
また、チャネルについては、同じチャネルでも異なるチャネルでもよいが、移行先のネットワークが元のネットワークと同じチャンネルを利用すると、元のネットワークと移行先のネットワークとの間で干渉が生じるおそれがあるため、異なるチャンネルを利用することが望ましい。
また、チャネルの変更を行う際には、変更するチャネルが既に他のネットワークによって使用されていないか否かを確認することが好ましい。全てのチャンネルが利用されて、空きチャネルが残っていないような場合には、そのことをユーザに対して通知し、新しいネットワークへの移行を中断してもよい。
また、暗号化方式を変更することによって、元のネットワークに所属する通信端末装置から送信データを守り、盗聴を防止することができる。
また、これらのネットワーク設定は、予めユーザから指定されたものであってもよいし、その場でランダムに生成されたものであってもよい。ユーザによって予め指定されていた設定に変更するときは、その設定をユーザに通知しなくてもよい。また、ユーザによるネットワーク設定の方法としては、任意の方法を利用できる。例えば、通信開始時に設定してもよいし、以前に通信を行ったときに設定しておいたものでもよいし、電話機の子機登録のように特殊モードで設定を行ってもよい。さらに、それらのネットワーク設定は、AP/HC10から指定されてもよいし、移動する通信機器同士で共通に保持しておいてもよい。
さらに、上記の説明では、ネットワーク設定を変更することによって新規のネットワークを作成する場合について説明しているが、既に作成されているネットワークのうち、確保したい帯域が空いているものがあれば、そのネットワークに移行してもよい。この場合、既に作成されているネットワークとの通信をする方法は、任意の方法を利用できる。
また、上記の説明では、ビデオ端末装置20のネットワーク設定部510が新しいネットワーク設定を生成し、生成したネットワーク設定をテレビ端末装置30に送信したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、以下の2つの変形例が挙げられる。テレビ端末装置30の受信部503が所属ネットワークの変更の通知を受信する(ステップS5)と、テレビ端末装置30のネットワーク設定部510が新しいネットワーク設定を生成し、生成したネットワーク設定をビデオ端末装置20に通知してもよい。この場合、テレビ端末装置30のネットワーク設定部510と、ビデオ端末装置20のネットワーク設定部510とは、双方とも、テレビ端末装置30が生成した新しいネットワーク設定を設定する。
あるいは、AP/HC10が新しいネットワーク設定を生成し、それをビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30に送信してもよい。新しいネットワーク設定の生成は、帯域確保の失敗を知ることができる通信端末装置によって行うことができる。この場合、新しいネットワーク設定を生成する通信端末装置は、上述したビデオ端末装置20の通信処理部500と同様の部材を有していればよい。
また、上記の説明では、所属ネットワークの変更の通知(ステップS4)と新しいSSIDの通知(ステップS7)とを別々に行ったが、同時に行ってもよい。
また、ステップS7及びステップS9におけるSSIDの送受信を行わないように構成することもできる。この場合、複数のSSIDの情報に優先度を設定し、この優先度の設定されたSSIDのリストをビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の図示しない記憶部に格納する。このリストは、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とで同じ内容となっている。そして、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、所属ネットワークを変更する際に、格納されたSSIDを優先度の高い順に使用する。これにより、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、SSIDの通知を行うことなく、同じネットワークに移行することができる。なお、優先度の付け方としては、任意の方法を用いることができる。例えば、SSIDの登録順やSSIDの情報の多さ(SSIDの長さ)の順等に基づいて優先度を設定してもよい。
以上のように、本実施形態の通信システム1は、帯域が確保できなかったことを認識した場合に、ビデオ端末装置20のネットワーク変更判断部509が所属ネットワークの移行を判断し、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30のネットワーク設定部510がネットワーク設定を変更するように構成されている。これにより、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、帯域を確保できる新たなネットワークに自動的に移行することができる。そして、移行先のネットワークで帯域を確保し、通信を開始することで、ユーザによる複雑な設定を必要とすることなく、映像の視聴が可能となる。
次に、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が元のネットワーク100aに戻るための構成について説明する。元のネットワーク100aに戻る条件としては、例えば、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間におけるAVデータの通信が完了したときなどが挙げられる。この場合、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間で帯域を確保する必要はなくなるため、他の通信端末装置と通信を行うために元のネットワーク100aに戻ることが好ましい。また、必要のなくなったネットワークの利用を停止することによって、他の通信端末装置が新たなネットワークに移行する際に、利用できるチャンネル数などを増やすことができる。
ビデオ端末装置20のAVデータ転送部402は、記憶部401からAVデータの読み出しが完了したり、あるいは、ユーザが中断を指示したりした際に、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が移行先のネットワーク100bから元のネットワーク100aに戻るために以下の処理を行う。
ビデオ端末装置20のAVデータ転送部402は、通信処理部500内のネットワーク変更判断部509に、AVデータの送信が終了することを通知する。この通知を受けたネットワーク変更判断部509は、所属ネットワークを元のネットワーク100aに戻すよう決定し、その旨ネットワーク設定部510に通知する。あるいは、ビデオ端末装置20のAVデータ転送部402が、通信処理部500内のネットワーク設定部510に、所定の帯域が必要なくなったことを通知する情報を送信する。この情報を受信したネットワーク設定部510は、ネットワーク100aを指定するネットワーク設定データを記憶部511に格納する。
ここで、ネットワーク100aを指定するネットワーク設定データは、ビデオ端末装置20が、ネットワーク100bに移行する際に、図示しない記憶部に予めバックアップしておいてもよい。これにより、ネットワーク設定部510は、元のネットワークがどのネットワークであったかを認識することができる。
なお、上記の説明では、元のネットワークに戻るタイミングは、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の間で帯域を確保する必要がなくなったときであったが、元のネットワーク100aに所属する他の通信端末装置がネットワーク100bに移動し、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30に戻るように指示してもよい。ただし、その場合は、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の通信が、ユーザの意図しないタイミングで中断又は終了することになるので、前もってユーザに通知し、さらには、ユーザに許可を求めることが望ましい。
ところで、上記の説明では、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がネットワーク100aからネットワーク100bに移行する場合について説明した。ここで、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がネットワーク100aからネットワーク100bに移行した場合、元のネットワーク100aに所属するAP/HC10、PC(Personal Computer、第1の通信端末装置)40・50、及びその他の通信端末装置60〜80は、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がどのネットワークに移行したのかを認識することができない。
そこで、本実施形態の通信システム1の各通信装置10〜80は、通信処理部500内に、対応情報格納読取部(対応情報格納手段)512と、端末所属ネットワークテーブルを格納するための記憶部(端末所属情報記憶部)513とをさらに備えている。
対応情報格納読取部512は、記憶部513に端末所属ネットワークテーブルを格納したり、格納された端末所属ネットワークテーブルを読み取ったりするものである。
端末所属ネットワークテーブルには、所属ネットワークを変更した通信端末装置の識別情報と、移行先のネットワークのネットワーク設定とが関連付けられて保存されている。通信端末装置の識別情報としては、IP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control)アドレス等を用いることができる。また、移行先のネットワークのネットワーク設定としてはSSIDが用いられ、さらにチャネルやWEP(Wired Equivalent Privacy)が含まれていてもよい。
図9(a)は、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がネットワーク100bに移行したときの端末所属ネットワークテーブルを示す図である。なお、ネットワーク100bのSSIDは「net02」であるとする。図9(a)に示すように、左の欄にはネットワーク100bのSSIDが格納され、右の欄には、ネットワーク100bに所属する通信端末装置の識別情報が格納される。なお、図中では「テレビ」、「ビデオ」となっているが、ここには、それぞれテレビ端末装置30、ビデオ端末装置20のIPアドレス等が格納される。
端末所属ネットワークテーブルの変更処理について、上述したビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がネットワーク100aからネットワーク100bに移行する場合を用いて説明する。図7のステップS6において新しいSSIDを生成したビデオ端末装置20のネットワーク設定部510は、ステップS6とステップS7との間、あるいはステップS7とステップS8との間のタイミングで、送信データ作成部504及び送信部502を介して、新しいSSID及び移行する通信端末装置の識別情報をAP/HC10及び他の通信端末装置40〜80に送信する。
この新しいSSID及び移行する通信端末装置の識別情報を受信した後の処理についてAP/HC10を用いて説明するが、他の通信端末装置40〜80についても同様の処理を行うものとする。
AP/HC10の受信部503によって受信された新しいSSID及び移行する通信端末装置の識別情報は、受信データ解析部505、プロトコル処理部506を介して対応情報格納読取部512に送信される。対応情報格納読取部は、新しいSSID(ここでは「net02」)と移行する通信端末装置の識別情報(ここではビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30のIPアドレス等)とを対応付けて、端末所属ネットワークテーブルとして記憶部513に格納する。これにより、図9(a)のようなテーブルが作成される。
そして、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の移行先のネットワークを知りたい場合は、対応情報格納読取部512が記憶部513に格納された端末所属ネットワークテーブルを参照する。これにより、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の移行先のネットワークのSSIDを検索することができる。
また、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が移行先のネットワーク100bから元のネットワーク100aに戻ってきたときは、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が戻ってきたことをAP/HC10等に通知する。この通知を受けたAP/HC10の対応情報格納読取部512は、端末所属ネットワークテーブルから、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30に関する情報を削除する。
次に、この端末所属ネットワークテーブルの利用方法について説明する。通信システム1では、図8に示すように、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30がネットワーク100bに移行し、AP/HC10、PC40・50、及び残りの通信端末装置60〜80がネットワーク100aに残っているものとする。このとき、端末所属ネットワークテーブルは、図9(a)のようになっている。
ここで、ネットワーク100aに所属するPC40及びPC50が、ビデオ端末装置20と通信を行う必要ができたとする。この場合、ビデオ端末装置20はネットワーク100a内に存在しないので、PC40のプロトコル処理部506が、対応情報格納読取部512に、記憶部513に格納されている端末所属ネットワークテーブルを確認するよう指示する。そして、端末所属ネットワークテーブルを参照した対応情報格納読取部512は、ビデオ端末装置20の所属するネットワーク100bのSSIDをプロトコル処理部506に送信する。
ネットワーク100bのSSIDを受信したプロトコル処理部506は、PC40がネットワーク100bに移行することを、AP/HC10及びその他の通信端末装置に通知する。具体的には、プロトコル処理部506は、ネットワーク100bのSSIDと、PC40の識別情報とを送信データ作成部504に送信する。送信データ作成部504は、ネットワーク100bのSSIDと、PC40の識別情報とを含むパケットを作成し、作成されたパケットは、送信部502を介してAP/HC10及び残りの通信端末装置50〜80に送信される。
ここで、送信されたパケットを受信したAP/HC10及び他の通信端末装置50〜80の対応情報格納読み取り部512は、上述した方法に従って、端末所属ネットワークテーブルに、PC40の識別情報と、ネットワーク100bのSSIDとを対応付けて記憶部513に格納する。
一方、PC40のプロトコル処理部506は、受信したSSIDをネットワーク設定部510に送信し、ネットワーク設定をそのSSIDに変更するよう指示する。そして、ネットワーク設定部510は、受信したSSIDを、新しいネットワーク設定データとして記憶部511に格納する。これにより、PC40は、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が所属するネットワーク100bに移行することができる。また、PC50も上記と同様の処理を行うことによって、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が所属するネットワーク100bに移行することができる。
図10は、PC40・50がネットワーク100bに移行したときの通信システム1を示す図である。なお、ネットワーク100bでは、ビデオ端末装置20が通信管理装置として機能していることとする。また、PC40・50がネットワーク100bに移行したときの、AP/HC10及び通信端末装置60〜80の端末所属ネットワークテーブルを図9(b)に示す。図中で、PC40、PC50となっている箇所には、それぞれPC40及びPC50のIPアドレス等が格納される。
次に、図10に示すネットワーク100bに所属するPC40とPC50とが帯域を確保して通信を行う必要ができた場合について説明する。
ネットワーク100bでは、ビデオ端末装置20が通信管理装置(AP/HC)として機能している。従って、実施形態1で説明したのと同じ手順で、PC40又はPC50が、ビデオ端末装置20に対して帯域の確保を要求する。
ここで、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とが既に帯域を確保しており、PC40とPC50とが通信を行うための帯域を確保できない場合、PC40及びPC50は、実施形態1におけるビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30と同様にして、図11に示す新たなネットワーク100cに移行する。
また、PC40及びPC50は、ネットワーク100cに移行するに先立って、テレビ端末装置30及びビデオ端末装置20に対して、移行先のネットワーク100cのSSIDを通知する。通知を受けたビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、端末所属ネットワークテーブルとして、PC40・50とネットワーク100cのSSIDとを対応付けて記憶部513に格納する。図9(c)は、このときのビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30の記憶部513に格納されている端末所属ネットワークテーブルを示す図である。なお、ネットワーク100cのSSIDは「net03」であるとする。
このようにして、本実施形態の通信システム1は、通信に必要な帯域が不足する場合に、新しいネットワークを次々に作成し、そこに移行することによって、通信に必要な帯域を確保する。
図11に示す通信システム1において、例えば、ネットワーク100aに所属する通信端末装置60がPC40と通信を行う必要がある場合、通信端末装置60は、端末所属ネットワークテーブルを参照して、PC40が所属するネットワークのSSIDを検索する。ここで、通信端末装置60の端末所属ネットワークテーブルは、図9(b)に示すように、PC40がネットワーク100bに所属していることを示している。しかし、通信端末装置60が実際にネットワーク100bに移行すると、PC40は既にネットワーク100cに移行した状態となっている。ここで、通信端末装置60は、ネットワーク100bの通信管理装置であるビデオ端末装置20に問い合わせることによって、PC40の移行先のネットワークのSSIDを取得し、ネットワーク設定部510が取得したSSIDを新たなネットワーク設定データとして記憶部511に格納することにより、ネットワーク100cに移行することができる。
このように、新しいネットワークが順次形成されると、元のネットワークに所属する通信端末装置は、目的の通信端末装置と通信を行うためにネットワークを順次移行していく必要があり、目的の通信端末装置と通信を行うまでに時間を要してしまう。
そこで、本実施形態の通信システム1では、ネットワーク100aに所属する通信端末装置のうち、データの送受信を行う必要のない通信端末装置が、ネットワークを定期的に順次移行する。そして、順次移行する通信端末装置は、各ネットワークの通信管理装置に問い合わせを行うことによって自身の端末所属ネットワークテーブルを更新するとともに、各ネットワークにおける通信端末装置に対して、更新した端末所属ネットワークテーブルを通知する。図9(d)は、更新後の端末所属ネットワークテーブルを示す図である。
これにより、各ネットワークに所属する各通信端末装置は、異なるネットワークに所属する通信端末装置がどのネットワークに所属するかを認識することができる。
なお、上記の説明では、ネットワーク変更判断部509は、通信に必要な帯域の確保が不可能である場合に、ネットワークの変更を決定するものであった。
ネットワーク変更判断部509の変形例としては、ビデオ端末装置とテレビ端末装置とが所定の帯域を確保して通信を行う際に、ネットワーク100aにおいて帯域の確保が可能か不可能かに関わらず、常にネットワークの変更を決定するものであってもよい。すなわち、ビデオ端末装置20のネットワーク変更判断部509は、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とが所定の帯域を確保して通信を行う必要が生じた際に、AP/HC10に対して帯域確保の要求を行うことなく、ネットワークを変更するよう判断してもよい。この場合、ネットワークの変更の詳細については、上記と同様である。
これにより、ネットワーク100aは、帯域を確保する必要のない通信端末装置同士が通信するためのネットワークにすることができる。
また、ネットワーク変更判断部509は、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間の通信経路においてセキュリティが求められるデータが送受信される場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。セキュリティが求められるデータとしては、例えば、コピーワンスやコピーネバーのAVストリームのデータ、個人情報が含まれているデータ等が挙げられる。ネットワーク変更判断部509は、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間でこのようなデータが送受信される際に、所属ネットワークの変更を決定してもよい。この場合、ネットワークの変更の詳細については、上記と同様であるが、ネットワーク設定部は、SSIDとともに暗号化方式をも変更することが好ましい。暗号化方式の具体的な変更方法としては、上述したWEPを変更する方法が挙げられる。また、この場合、移行先のネットワークのネットワーク設定情報を他の通信端末装置に通知しないほうが望ましい。
これにより、移行先のネットワーク100bに所属するビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、ネットワーク100aに所属する通信端末装置から隔絶されるため、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間の通信経路においてセキュリティを高めることができる。
また、ネットワーク変更判断部509は、ネットワークに所属する通信端末装置が所定の数以上になった場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。これにより、ネットワーク100aが混雑するのを防ぐことができる。
また、ネットワーク変更判断部509は、ビデオ端末装置がテレビ端末装置以外の通信端末装置と通信を行う必要がない場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。例えば、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が、PC40・50とアプリケーションによって通信できないような構成になっている場合には、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、PC40・50と同じネットワークに所属する必要がない。よって、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が他のネットワークに移行するように、ネットワークを分割してもよい。また、例えば、ビデオ端末装置20から送信される映像をテレビ端末装置30にて視聴する際には、ビデオ端末装置20からAVデータを受信する以外は、他の通信端末装置と通信を行う必要がない場合もある。そのような場合には、ネットワークにいる他の機器に迷惑がかからないように、帯域が取得できるような場合であっても所属ネットワークを変更してもよい。
また、その逆で、ビデオ端末装置から送信される映像をテレビ端末装置30にて視聴しながら、同時にインターネットの情報を見る場合には、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、AP/HC10の所属するネットワーク100aから出ていくということができない。そのような場合には、インターネットを見ることのない他の通信端末装置が所属ネットワークを変更してもよい。
また、ネットワーク変更判断部509は、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間で通信するのに必要な電力が、ビデオ端末装置20とAP/HC10との間で通信するのに必要な電力よりも小さい場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するものであってもよい。
一般的に無線LANでは、遠い機器と通信するほど大きな電力を使用する。例えば、図5のビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とが通信を行うとする。この際、両端末装置の通信経路は、AP/HC10を経由する。ここで、ビデオ端末装置20とAP/HC10との間の距離が、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30との間の距離よりも大きい場合は、ビデオ端末装置20は、AP/HC10と通信を行うために大きな送信出力を必要とする。このような場合に、ネットワーク変更判断部509が所属ネットワークの変更を決定し、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とが他のネットワークに移行すれば、移行先のネットワークでは、ビデオ端末装置20とテレビ端末装置30とは、何れか一方が通信管理装置(AP/HC)になることによって直接通信できるようになる。よって、通信に必要な電力の消費を低減させることができる。
なお、本実施形態では、無線LANがIEEE802.11eに基づいているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、任意の無線LANであってもよいのはいうまでもないが、無線LANの代わりに有線LANであってもよい。
他の無線LANとしては、例えば、Bluetooth(登録商標)が挙げられる。この場合、ホッピングパターンを変更するなどの方法が考えられる。また、通信処理部を複数持ってその通信処理部に応じたチャンネル設定を行うような方法を用いてもよい。
また、有線LANの場合は、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30は、それぞれLANカードを2枚備え、条件に応じて使用するLANカードを自動的に切り換える方法などが考えられる。
LANを形成するための通信媒体としては、電波、光、ケーブル等、あらゆる媒体を用いることができる。その際のネットワーク設定は、その物理媒体のネットワークプロトコルに準ずるものとする。
また、通信システム1は、ネットワークに接続されている通信端末装置の全てをユーザが確認でき、また、全ての通信端末装置と接続できるようになっていることが望ましい。また、ユーザがネットワーク設定の状態を気にすることなく、簡易な操作を行うことによって、通信システム1が自動的に上記のような処理を行うことが望ましい。
〔実施形態2〕
本実施形態では、実施形態1の変形例について説明する。上述した実施形態1では、ネットワーク100bに所属したPC40・50が、さらにネットワーク100cに移行する際に、ネットワーク100bからネットワーク100cに直接移行した。しかしながら、本実施形態において、PC40・50は、ネットワーク100cに移行する際にネットワーク100aを経由する。そして、ネットワーク100aに所属するAP/HC10及び他の通信端末装置60〜80に対して、ネットワーク100cに移行することを通知する。これにより、ネットワーク100aに存在するAP/HC10及び他の通信端末装置60〜80は、PC40・50がさらにネットワークを移行しても、移行先のネットワークがどのネットワークであるかを認識することができる。その手順について、以下に説明する。
帯域確保が不可能であることをビデオ端末装置20から通知された後、PC40は、PC50に対して、帯域確保に失敗したことを通知する。また、PC40のネットワーク設定部510は新しいSSIDを生成する。ここで、ネットワーク設定部510は、現在所属するネットワークが大元のネットワーク(本実施形態では、ネットワーク100a)であるか否かを判断する。そして、現在所属するネットワークが大元のネットワークでない場合には、ネットワーク設定部510は、ネットワーク100aのSSIDをネットワーク設定データとして記憶部511に格納する。なお、ネットワーク100aのSSIDは、PC40がネットワーク100aからネットワーク100bに移行する際に、図示しない記憶部などに予めバックアップしておいてもよい。また、現在所属するネットワークが大元のネットワークである場合は、ネットワーク100aからネットワーク100bに移行するときと同様に所属するネットワークを変更する。
PC40は、ネットワーク100aのSSIDをネットワーク設定データとして記憶部511に格納することにより、大元のネットワークであるネットワーク100aに復帰する。そして、PC40は、ネットワーク設定部で生成された新しいSSIDを、実施形態1と同様にして、AP/HC10及びその他の通信端末装置60〜80に通知する。
新しいSSIDを通知されたAP/HC10及びその他の通信端末装置60〜80は、通知された新しいSSIDを端末所属ネットワークテーブルとして記憶部513に格納する。図9(d)は、このときの端末所属ネットワークテーブルを示す図である。
そして、PC40のネットワーク設定部510は、生成した新しいSSIDをネットワーク設定データとして記憶部511に格納する。これにより、PC40は、ネットワーク100cに移行する。また、PC50も同様の処理を行うことによって、ネットワーク100cに移行する。
以上により、ネットワーク100aに所属する通信端末装置がネットワークを順次移行して、端末所属ネットワークテーブルを更新する必要がなくなるため、通信端末装置の管理が容易になる。
〔実施形態3〕
本実施形態では、実施形態1の変形例について説明する。上述した実施形態1では、帯域の確保が不可能であった場合に、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が別のネットワークであるネットワーク100bに移行した。これに対して、本実施形態では、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30以外の全通信装置、すなわち、AP/HC10及び通信端末装置40〜80が他のネットワークであるネットワーク100bに移行する。
この場合、AP/HC10が、通信処理部500内に実施形態1と同様のネットワーク変更判断部509を備えている。また、AP/HC10及び通信端末装置40〜80は、通信処理部500内にネットワーク設定部510を備えている。
ビデオ端末装置20からの帯域確保の要求を受けたAP/HC10は以下の処理を行う。まず、上述した実施形態1と同様に、帯域割当部507が記憶部508に格納されている帯域割当データを参照して、帯域確保が可能であるか否かを判断する。
帯域割当部507は、帯域確保が不可能であった場合、プロトコル処理部506を介して、ネットワーク変更判断部509に、その旨通知する。
帯域確保が不可能であったことを通知されたネットワーク変更判断部509は、所属ネットワークを変更するよう判断する。そして、上述した実施形態1と同様に、ネットワーク設定部510が、新しいSSIDを生成する。
そして、ネットワーク設定部510は、生成した新しいSSIDを送信データ作成部504に送信し、送信データ作成部504は、新しいSSIDを含むパケットを作成する。作成されたパケットは、送信部502、アンテナ501を介して、通信端末装置40〜80に送信される。
パケットを送信したAP/HC10では、ネットワーク設定部が、新しいSSIDをネットワーク設定データとして記憶部511に格納する。これにより、AP/HC10は、新しいネットワークに移行する。
一方、新しいSSIDを含むパケットを受信した各通信端末装置40〜80において、受信されたパケットは、受信部503、受信データ解析部505を介して、プロトコル処理部506に送信される。プロトコル処理部506は、受信したパケットの中から、新しいSSIDを取り出し、ネットワーク設定部510に送信する。
そして、ネットワーク設定部510は、新しいSSIDをネットワーク設定データとして記憶部511に格納する。これにより、通信端末装置40〜80も、AP/HC10が移行したネットワークと同じネットワークに移行する。
その結果、ビデオ端末装置20及びテレビ端末装置30が、元のネットワーク100aに残ることになる。ネットワーク100aには、他の通信端末装置が所属していないので、ビデオ端末装置20又はテレビ端末装置30の何れかが通信管理装置(AP/HC)となることによって、必要な帯域を確保することができるようになる。
なお、元のネットワークに残された通信端末装置から通信管理装置になる通信端末装置を決定する方法としては、どのようなものであってもよい。例えば、AP/HC10が所属ネットワークを移行するに先立って指定してもよいし、ランダムに決定されてもよいし、予め決められた規則に則って決定されてもよい。
なお、上記各実施形態の各通信端末装置の各部や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、上記各実施形態の通信端末装置の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、本発明に係る通信端末装置は、通信システムに含まれる通信端末装置が所定の数以上になった場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するネットワーク変更判断手段を備えてもよい。また、本発明に係る通信端末装置は、中継装置を経由して相手側の通信端末装置と通信する通信部と、上記通信部と中継装置との間で通信するのに必要な電力が、上記通信部と相手側の通信端末装置との間で通信するのに必要な電力よりも小さい場合に、所属ネットワークを変更するよう判断するネットワーク変更判断手段を備えてもよい。また、本発明に係る通信システムは、ネットワークに所属する少なくとも第1から第3の通信端末装置を含んだ通信システムであって、第1及び第2の通信端末装置は、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報が含まれるネットワーク指定情報を設定するネットワーク設定手段と、当該ネットワーク設定手段によって設定されたネットワーク指定情報に基づいて通信を行う通信手段とを備え、第1の通信端末装置は、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断手段をさらに備え、第1及び第2の通信端末装置のネットワーク設定手段は、第1の通信端末装置のネットワーク変更判断手段が所属ネットワークを変更すると判断した際に、上記ネットワーク指定情報を変更し、変更されたネットワーク指定情報が、第1及び第2の通信端末装置において同一であり、さらに上記第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置のネットワーク設定装置は、所定の帯域が必要となることによってネットワーク指定情報を変更した後、上記所定の帯域が不要になった場合に、ネットワーク指定情報として変更前のネットワーク指定情報を設定するものであってもよい。また、本発明に係るネットワーク分割方法は、少なくとも第1から第3の通信端末装置が所属するネットワークを分割するネットワーク分割方法であって、所定の条件に応じて所属ネットワークを変更するか否かを判断するネットワーク変更判断装置と、上記ネットワーク変更判断装置が所属ネットワークを変更すると判断した際に、通信端末装置の所属ネットワークを指定するための情報であるネットワーク指定情報を、第1及び第2の通信端末装置について変更するネットワーク設定装置とを用いて、上記所定の条件に応じて、第1及び第2の通信端末装置の所属ネットワークを、第1及び第2の通信端末装置が同じネットワークに所属するように自動的に変更し、上記第1及び第2の通信端末装置以外の通信端末装置のネットワーク設定装置は、所定の帯域が必要となることによってネットワーク指定情報を変更した後、上記所定の帯域が不要になった場合に、ネットワーク指定情報として変更前のネットワーク指定情報を設定するものであってもよい。