JP2007251655A - 帯域予約型通信サービスにおけるハンドオーバー方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯域保証型通信サービスが受けながらのハンドオーバーを可能とすることにある。
【解決手段】無線端末7とPNCBとの間で、帯域保証付き無線通信サービスを開始する際に、PNCBは、有線ネットワーク19を介して、隣接するエリア16,18のPNCAとPNCCに対して、帯域予約要求を発行する。帯域予約要求を受けたPNCAおよびPNCCは、該帯域予約要求に応じて、無線端末7に提供する帯域保証付き無線通信サービスに必要な帯域を予約する。無線端末7がエリア18へ移動すると、無線端末7の接続先がPNCCへ動的に変更される。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信装置が帯域保証型通信サービスを受けながら、他のエリアに移動することを可能にするためのハンドオーバー方法に関する。
無線LAN規格(IEEE802.11a/b/g等)には、ハンドオーバーについての手法が定められている。このハンドオーバーは、共通のネットワーク識別子(ESSID)を複数のアクセスポイント(AP)に設定し、クライアントがそれらのAP間を移動した際にクライアント側で動的に通信先APの切り替えを行い、無線通信を継続的に利用可能とするものである。しかしながら、この無線LAN規格には、AP切り替え時に発生する通信不能時間について考慮されていない。そのため、帯域保証などのQoS(Quality of Service)対応が必要な無線通信を行う際には、ハンドオーバー時に通信が瞬断するなどの不具合が発生する。よって、このような不具合を解消するために、ハンドオーバー時に移動先であると予測されるAPに対して有線LAN経由で帯域確保要求のための通信を行い、ハンドオーバー時の帯域保証を実現する手法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、IEEE802.11eなどのQoS規格に記載されている通り、QoS実現手法には、大きく分けて帯域優先型と帯域保証型の2つの手法が含まれる。帯域優先型は、各パケットに優先度を設け、その優先度に従って通信を行うものであり、一定時間内の確実な帯域確保を保証するものではない。これに対し、帯域保証型は、通信管理を行う装置(Piconet Coordinator:PNC)から、実際に通信を行う装置に対し、事前に通信に利用可能な時間を通知することによって、一定時間内の確実な通信帯域確保を保証するものである。
ここで、本明細書において述べる帯域保証とは、後者の確実な通信帯域確保を意味する。
特開2004−180123号公報
今後、無線QoS通信における通信ソースは、VoIPなどの音声情報から、VOD(Video On Demand)などによる映像情報へと変遷していくことが予想される。一般的には、音声のQoS通信には、8kbpsから64kbpsの帯域が必要であるとされる。これに対し、映像情報の通信には、音声の通信帯域に比して、はるかに大きい情報量を通信可能な通信帯域(数百kbpsから数十Mbps)が要求されるため、ハンドオーバー発生時の瞬断防止に関しては、より厳密な対策が必要となる。
また、このような高速なQoS対応無線通信手段として、IEEE802.11a(WLAN)の改良版であるIEEE802.11n、また、より近距離をターゲットとしたIEEE802.15.3a(WPAN)などの規格が立案されている。しかし、特にWPANには、ハンドオーバーの仕組み自体が定義されておらず、無線機器の移動に対応することができない。
また、上述したハンドオーバー時の帯域保証を実現する手法の場合、映像情報の通信に関しては、ハンドオーバー時の帯域保証を実現することができない場合が発生することが予想される。
本発明の目的は、帯域保証型通信サービスが受けながらのハンドオーバーを可能とすることにある。
本発明は、上記目的を達成するため、 通信装置が帯域保証型通信サービスを受けながら各管理装置により管理されるエリア間を移動するためのハンドオーバー方法であって、通信装置と接続して帯域保証型通信サービスを提供する管理装置は、他の管理装置に対して帯域保証を要求し、前記要求を受信した前記他の管理装置は、前記要求に応じて帯域を予約し、前記通信装置の前記エリアの移動に伴い前記通信装置が接続する管理装置を前記他の管理装置に変更する場合は、前記他の管理装置は前記予約した帯域を前記通信装置に提供する帯域保証型通信サービス用に割り当てることを特徴とするハンドオーバー方法を提供する。
本発明によれば、帯域保証型通信サービスを受けながらのハンドオーバーを可能とし、帯域保証型通信サービスを受けている場合においても移動することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る帯域予約型ハンドオーバー方式が適用される無線通信システムの構成を示すブロック図である。図2は図1のPNCの構成を示すブロック図である。図3は図1の無線端末の構成を示すブロック図である。
無線通信システムは、図1に示すように、基地局またはアクセスポイントなどの無線通信管理を行う複数のPNC(Piconet Coordinator)A,B,Cを備える。PNCAは、エリア16に対して無線通信サービスPiconetAを提供し、当該サービスの管理を行う。PNCBは、エリア17に対して無線通信サービスPiconetBを提供し、当該サービスの管理を行う。PNCCは、エリア18に対して無線通信サービスPiconetCを提供し、当該サービスの管理を行う。
ここで、各無線通信サービスPiconetA,B,Cを受ける無線端末としては、無線端末7〜15があり、これらの無線端末7〜15のうち、無線端末7は、無線通信サービスを受けながら移動する無線端末とする。また、他の無線端末8〜15は、それぞれ対応するエリアで提供される無線通信サービスを定常的に受ける無線端末である。
各PNCA,B,Cは、有線ネットワーク19を介して、相互に通信可能に接続されている。また、各PNCA,B,Cは、有線ネットワーク19を介して、ネットワークカメラ20と通信可能に接続されている。
上記PNCA,B,Cは、図2に示すように、CPU1000を有する。CPU1000は、メモリ1001に格納されているプログラムに従って、バス1002を介して、有線LAN部1003、PCIブリッジ1004、および無線LAN部1005を制御する。メモリ1001は、また、PNCテーブルおよびQosIDの記録などに用いられる。有線LAN通信部1003は、有線ネットワーク19と接続され、他のPNCと有線通信を行う。PCIブリッジ1004は、バス1002と無線LAN部1005とのブリッジングを行う。無線LAN部1005は、上記無線端末と無線通信を行う。
上記無線端末7〜15は、図3に示すように、CPU2000を有する。CPU2000は、メモリ2001に格納されているプログラムに従って、バス2002を介して、PCIブリッジ2003および無線LAN部2004を制御する。メモリ2001は、また、QosIDの管理などに用いられる。PCIブリッジ2003は、バス2002と無線LAN部2004のブリッジングを行う。無線LAN部2005は、上記PNCと無線通信を行う。
次に、本無線通信システムにおける帯域予約型ハンドオーバー方式について図4〜図6を参照しながら説明する。図4は図1の各PNCA,B,Cにそれぞれ保持されている、PNCに関する情報が記述されているPNCテーブルの一例を示す図である。図5はIEEE802.15.3のビーコン信号とスーパーフレーム(Superframe)の関係を示す図である。図6は無線端末7がエリア17からエリア18へ移動した際の帯域保証付き無線通信サービスの遷移を示すシーケンス図である。ここでは、現在エリア17内にある無線端末7が、IEEE802.15.3の規格に準拠した帯域保証付き無線通信サービスを受けながら、エリア18へ移動する場合について説明する。また、他の無線端末8〜15は、対応するエリアにおいて提供される無線通信サービス毎に異なる周波数チャネルを用いて、帯域保証を必要としない無線通信サービスを受けているものとする。
各PNCA,B,Cは、それぞれの無線通信サービスPiconetA,B,Cが提供されるエリア16,17,18に隣接するPNCに関する情報が記述されているPNCテーブルを保持する。このPNCテーブルには、図4に示すように、隣接するPNCに関する情報として、隣接するPNCの名称と、そのIPアドレス情報が記述されている。本例の場合、PNCAは、図4(a)に示すようなPNCテーブルを保持する。このPNCテーブルには、PNCAに隣接するPNCの名称である「PNCB」と、そのIPアドレス情報である「192.168.05」が記述されている。PNCBは、図4(b)に示すような、PNCAとPNCCのそれぞれの関する情報が記述されているPNCテーブルを保持する。PNCCは、図4(c)に示すような、PNCBに関する情報が記述されているPNCテーブルを保持する。
次に、無線端末7が、帯域保証付き無線通信サービスを用いて、ネットワークカメラ20からの映像ストリームを、有線ネットワーク19およびPNCBを経由して、受信し、受信した映像ストリームを視聴する場合について説明する。
無線端末7は、エリア17において、PNCBと接続されている。このとき、無線端末7は、PNCBのビーコン(Beacon)信号を受信し、このビーコン信号を分析して無線通信に参加している。
一般に、ビーコン信号は、図5に示すように、スーパーフレーム(Superframe)と呼ばれる周期で繰り返し発生される。このビーコン信号とスーパーフレーム(Superframe)の関係は、IEEE802.15.3に規定されている。無線端末7は、PNCBから発信されたビーコン信号を受信し、このビーコン信号に含まれるスーパーフレームの構成(動作時間やルール)を解析する。特に、帯域保証が必要ない無線通信を行う際、無線端末7は、どの無線端末も利用可能なタイムスロットを用いて通信する。このタイムスロットは、CAP(Contention Access Period)またはMCTA(Management Channel Time Allocation Period)のいずれかの時間を用いることができる。
無線端末7がネットワークカメラ20の映像を視聴しながらエリア17からエリア18へ移動する際には、無線端末7は、IEEE802.15.3の規格に準拠した帯域保証付き無線通信サービスを受けながら、エリア17からエリア18へ移動する。
具体的には、図6に示すように、まず、無線端末7はエリア17内においてビーコン信号のサーチを行う(100)。このエリア17においては、PNCBが無線通信サービスPiconetBを提供しているので、無線端末7は、PNCBが発信するビーコン信号を受信する。そして、無線端末7は、ビーコン信号に含まれる情報に従ってPNCBと無線接続する(101)。
PNCBと接続した無線端末7が有線ネットワーク19を介してネットワークカメラ20の存在を知り、このネットワークカメラ20の映像を視聴する場合、無線端末7は、帯域保証付き通信サービスをPNCBへ要求する(102)。この要求は、PNCBが発信するビーコン信号により明示されるCAPまたはMCTAのタイムスロットを用いて、無線端末7からPNCBへ通知される。この要求を受信したPNCBは、図4(b)に示すPNCテーブルを参照して周辺のPNCを特定し、有線ネットワーク19を介して、特定した周辺のPNCに対して帯域保証予約要求を送信する(103,105)。ここでは、図4(b)に示すPNCテーブルには、PNCAとPNCCのそれぞれのIPアドレス情報が記載されているので、これらのIPアドレスに対して上記帯域保証予約要求のIPパケットが送信されることになる。すなわち、各PNCA,Cに対して帯域保証予約要求が送信される。これ以降のPNC間の通信は、全て有線ネットワーク19を介して行われる。
次いで、PNCBは、送信した帯域保証予約要求に対するPNCAとPNCCからの回答を待つ。PNCBは、PNCAとPNCCのそれぞれから帯域予約了承を示す回答を受信すると、PNCBは、無線端末7に対して帯域保証付き無線通信サービス許可を示す返答を送信する(107)。この帯域保証付き無線通信サービス許可を示す返答には、PNCBから発行された一意のQoSIDが付与される。
これに対し、PNCAとPNCCの両方またはいずれか一方から帯域保証予約不可の回答が返された場合、PNCBは、帯域保証付き無線通信サービスのハンドオーバーを利用することができないことを無線端末7へ通知する。ただし、無線端末7とPNCB間のQoS通信サービスは実行される。
以上のプロセス100〜107を経て無線端末7とネットワークカメラ20との間で帯域保証付き通信サービスが開始される(108)。この帯域保証付き通信サービスは、無線上では、図5に示すCTAタイムスロットの一部を無線端末7とPNCB間の無線通信に割り振ることで実現される。すなわち、無線端末7とPNCBは、両者間の無線通信のために、一定期間毎に繰り返されるスーパーフレーム内の一定時間を占有することができる。無線端末7は、PNCBから指定された帯域保証付き無線通信占有時間以外の時間帯には、通信チャネルを切り替えて、その他のPNCが存在するか否かのチェックを行う(109,110)。
ここで、無線端末7が無線通信サービスPiconetBの提供エリア17から移動しなければ、その他のPNCA,PNCCとは通信することができない。そのため、無線端末7は、スーパーフレーム毎に帯域保証付き無線通信とその他のPNCの捜索(109,110)を繰り返し実行することになる(111)。
無線端末7が、PNCCにより無線通信サービスPiconetCが提供されるエリア18へ移動すると、無線端末7は、PNCCからのビーコン信号を見つける(113)。そして、無線端末7は、このビーコン信号に含まれる情報に従ってPNCCと接続する(114)。PNCCは、PNCBから要求された帯域保証予約要求(105)によって無線端末7のための無線帯域を既に確保している。無線端末7とPNCCとの間で無線接続が確立すると、無線端末7は、PNCCからのビーコン信号により示されたCAPまたはMCTAタイムスロットを用いて、QoSIDをPNCCへ送信する(115)。このQoSIDは、帯域保証付き無線通信サービス許可時(107)にPNCBから付与されたQoSIDである。
次いで、PNCCは、保持するPNCテーブルに記述されたPNCBに対して、QoSIDの問い合わせを行う(116)。このQoSIDの問い合わせは、問い合わせを行うPNCに保持されているPNCテーブルに記述されたPNCの数分行われる。本例の場合は、図4(c)に示すように、PNCCが保持するPNCテーブルには、PNCBに関する情報のみが記述されているので、PNCBのみに対して、QoSIDの問い合わせが行われることになる。
このQoSIDの問い合わせを受けたPNCBは、QoSIDによる帯域保証付き無線通信サービスを無線端末7に対して提供していたことを確認し、QoSIDの問い合わせを行ったPNCCに対して、QoSIDの確認応答を返す(117)。また、PNCBは、無線端末7へ提供していた帯域保証付き無線通信サービスを無効化する。さらに、PNCBは、保持するPNCテーブルに記載されたPNCに対して帯域保証予約破棄要求を送信する(118)。ここで、QoSIDの問い合わせを行ったPNCであるPNCCに対しては、上記同帯域保証予約破棄要求は送信されない。また、同時にPNCBが無線端末7向けに提供する帯域は、無線端末7が再度PNCBの無線通信サービスPiconetBの提供エリア17内へ移動することに備えるために、継続的に確保される。
無線端末7への帯域保証付き無線通信サービスを新たに提供するPNCCは、PNCテーブルに記述されたPNCでかつQoSIDの確認応答(117)を返さないPNCが存在する場合は、有線ネットワーク19を介して当該PNCに帯域保証予約要求を行う。本例の場合は、該当するPNCが存在しないため、帯域保証予約要求は、行われない。
この後、無線端末7は、PNCCが提供する無線通信サービスPiconetCの下で、帯域保証付き無線通信サービスを受ける(119)。無線端末7は、無線通信サービスPiconetBのサービスを受けていた場合と同様に、PNCCから指定された帯域保証付き無線通信占有時間以外の時間帯には、通信チャネルを切り替えて、他のPNCが存在するか否かのチェックを行う(120)。このチェックは、スーパーフレーム毎に繰り返し行われる(121)。ここで、PNCCに対しては、既にQoS予約が行われているので、PNCCから無線端末7へのハンドオーバー許可通知は省かれている。これは、ハンドオーバー処理におけるPNCと無線端末間のハンドシェイク手順を簡略化することにより、無通信時間を削減するためである。
無線端末7においてネットワークカメラ20からの映像の視聴が終了される際には、無線端末7から帯域保証付き無線通信サービスの終了要求(QoS通信終了要求)がPNCCに対して送信される(122)。この終了要求を受けたPNCCは、無線端末7に対して提供する帯域保証付き無線通信サービスを無効化し、さらに、PNCCが保持するPNCテーブルに記述された全てのPNCに対して帯域保証予約破棄要求を送信する(123)。本例の場合、PNCCのPNCテーブルに記述されたPNCは、PNCBのみであるので、PNCBのIPアドレスを用いて有線ネットワーク19を介して帯域保証予約破棄要求をPNCBへ送信する。PNCCは、全てのPNCに対する帯域保証予約破棄要求の送信が完了すると、無線端末7へ帯域保証付き無線通信サービスが完了したことを通知する(124)。
次に、PNCの処理について図7〜図9を参照しながら説明する。図7〜図9は図1のPNCの処理手順を示すフローチャートである。図7〜図9のフローチャートにより示される手順は、メモリ1002に格納されているプログラムに従って、CPU1001により実行される。
PNCは、図7に示すように、まず、周辺のPNCに関する情報が記載されたPNCテーブルの初期化、各PNCが使用する無線チャネルの初期化などを実施する(ステップS300)。次いで、PNCは、帯域保証を必要としない通常の無線サービスを開始する(ステップS301)。そして、PNCは、自身が設定したスーパーフレームのCAPスロットまたはMCTAスロット(図5に示す)において、管理下の無線端末からのQoS通信要求の有無を判定する(ステップS302)。ここで、管理下の無線端末からのQoS通信要求がなければ、PNCは、後述するステップS319へ進む。
上記ステップS302において管理下の無線端末からのQoS通信要求があると判定された場合、PNCは、このQoS通信要求にQosIDが付加されているか否かを判定する(ステップS303)。QoS通信要求にQosIDが付加されていない場合、PNCは、新規にQoS通信が要求されていると見なす。そして、PNCは、図8に示すように、PNC自身が管理する無線通信エリアにおいて新たなQoS通信帯域確保が可能か否かを判定する(ステップS305)。この判定結果、要求されたQoS通信帯域を確保することができない場合、PNCは、QoS通信が不可能である旨を、QoS通信要求元の無線端末へ通知する(ステップS307)。そして、PNCは、後述するステップS319へ進む。
これに対し、上記要求されたQoS通信帯域が確保可能な場合は、PNCテーブルに基づいて周辺のPNCに対するQoS帯域予約要求を行う(ステップS306)。そして、PNCは、QoS帯域予約要求先のPNCからの応答に基づいて、上記要求されたQoS通信帯域が予約可能か否かを判定する(ステップS309)。ここで、周辺のPNCのいずれかからQoS通信帯域の予約が不可能である旨の応答を得た場合は、上記要求されたQoS通信帯域が予約不可能であると判定する。これに対し、周辺に存在する全てのPNCからQoS通信帯域の予約が可能である旨の応答を得た場合は、上記要求されたQoS通信帯域が予約可能であると判定する。
上記ステップS309において上記要求されたQoS通信帯域が予約不可能であると判定された場合、PNCは、QoS通信要求元の無線端末に対してQoS通信を許可する(ステップS314)。この場合、QoSハンドオーバーが不可能である旨(無線端末のエリア間移動通信は不可能であり、エリア間の移動時にはQoS通信を行うことができない旨)がQoS通信要求元の無線端末に対して通知される。そして、PNCは、後述するステップS319へ進む。
上記ステップS309において上記要求されたQoS通信帯域が予約可能であると判定された場合、PNCは、QoS通信に対応するQosIDを発行し、周辺のPNCに対してQosIDの通知とともに帯域予約を行う(ステップS311)。さらに、PNCは、QosIDを、確保した帯域に関連づけて保存する。そして、PNCは、ハンドオーバーに対応した(無線端末の移動通信が可能である)QoS通信が開始可能である旨と、発行したQosIDとを、QoS通信要求元の無線端末へ通知する(ステップS313)。次いで、PNCは、後述するステップS319へ進む。
上記ステップS303においてQoS通信要求にQosIDが付加されていると判定された場合、PNCは、既存のQoS通信のハンドオーバー処理であると見なす。そして、PNCテーブルに記載されている周辺のPNCの全てに対して、QosIDの確認を行う(ステップS304)。
次いで、PNCは、上記QosIDの確認先のPNCからQoSID応答が返されたか否かを判定する(ステップS308)。ここでは、QosID付きのQoS通信要求がなされた場合は、既存のQoS通信のハンドオーバー処理であるため、QoS通信サービスを提供していたPNCのみから上記QoSID応答が返されることになる。また、他のPNCからは、上記QoSID応答は返されない。PNCは、上記QoSID応答を返えさないPNCに対しては、QosIDを通知して、QoS帯域予約要求を実施する(ステップS310)。次いで、PNCは、QoS帯域予約要求先のPNCからの応答に基づいて、上記要求されたQoS通信帯域が予約可能か否かを判定する(ステップS312)。ここで、帯域周辺のPNCのいずれかから帯域予約が不可能である旨の応答を得た場合は、上記要求されたQoS通信帯域が予約不可能であると判定する。これに対し、周辺に存在する全てのPNCから帯域予約が可能である旨の応答を得た場合は、上記要求されたQoS通信帯域が予約可能であると判定する。
上記ステップS312において上記要求されたQoS通信帯域が予約不可能であると判定された場合、PNCは、QoS通信要求元の無線端末に対してQoSハンドオーバーが不可能である旨を通知する(ステップS315)。すなわち、無線端末のエリア間移動通信は不可能であり、エリア間移動時にはQoS通信を行うことができない旨が、QoS通信要求元の無線端末に対して通知される。
上記ステップS312において上記要求されたQoS通信帯域が予約可能であると判定された場合、PNCは、周辺のPNCに対してQosIDの通知とともに帯域予約を行う(ステップS316)。この際、周辺に存在する全てのPNCが帯域予約可能であった場合は、継続的にハンドオーバーに対応した(無線端末の移動通信が可能である)QoS通信が可能であるため、QoS通信要求元の無線端末への通知は行われない。
このようにして周辺の全てのPNCからのQoSID応答の有無に対する確認が終了すると(ステップS317)、新たにQoS通信サービスを行うPNCは、QoS通信要求元の無線端末に対して、当該PNCとのQoS通信を許可する(ステップS318)。そして、PNCは、後述するステップS319へ進む。
ステップS319においては、PNCは、周辺のPNCからQosIDの確認要求の有無を判定する。ここで、周辺のPNCからのQosIDの確認要求が無い場合、PNCは、後述するステップS340へ進む。これに対し、周辺のPNCからQosIDの確認要求があると、PNCは、現在サービス中のQosIDに基づいて、確認要求のQosIDに対応するQoS通信をサービス中であるか否かを判定する(ステップS320)。ここで、確認要求のQosIDに対応するQoS通信がサービス中でない場合、PNCは、後述するステップS340へ進む。これに対し、確認要求のQosIDに対応するQoS通信がサービス中である場合、PNCは、確認要求元のPNCに対して、QoSID応答を返す(ステップS321)。対応するQosIDに対応するQoS通信をサービス中のPNCは、確認要求がされたQosIDに対応するQoS通信サービスを停止する(ステップS322)。そして、PNCは、PNCテーブルに記載された周辺のPNCの全てに対して、帯域予約の破棄を要求する(ステップS323)。ただし、PNCは、自身の帯域予約分については、再度無線端末が移動してきた場合に備えて保持する。
次いで、PNCは、周辺のPNCからの帯域予約要求の有無を判定する(ステップS340)。ここで、周辺のPNCからの帯域予約要求がない場合、PNCは、後述するステップS324へ進む。これに対し、上記帯域予約要求がある場合、PNCは、この帯域予約要求に添付されたQosIDを参照して、当該QosIDに対応する帯域予約が既に行われているか否かを判定する(ステップS341)。ここで、上記QosIDに対応する帯域予約が行われている場合、PNCは、帯域予約要求元のPNCに対して、帯域予約が可能である旨の応答を返す(ステップS345)。そして、PNCは、後述するステップS324へ進む。これに対し、帯域予約要求に添付されたQosIDに対応する帯域予約が存在しない場合、PNCは、当該PNCの管理下において要求された帯域分の新たな帯域予約が可能か否かを判定する(ステップS342)。
上記ステップS342において帯域予約が不可能であると判定された場合、PNCは、帯域予約要求元のPNCに対して、帯域予約が不可能である旨の応答を返す(ステップS344)。そして、PNCは、後述するステップS324へ進む。上記ステップS342において帯域予約が可能であると判定された場合、PNCは、帯域予約要求に相当する帯域の確保とそれに対応するQosIDの保存を行う(ステップS343)。そして、PNCは、帯域予約要求元のPNCに対して、帯域予約が可能である旨の応答を返す(ステップS345)。
次いで、PNCは、周辺のPNCからの帯域予約破棄要求の有無を判定する(ステップS324)。ここで、帯域予約破棄要求がない場合、PNCは、後述するステップS327へ進む。これに対し、帯域予約破棄要求がある場合、PNCは、この帯域予約破棄要求に添付されたQosIDを参照し、当該QosIDに対応する帯域予約が既にあるか否かを判定する(ステップS3325)。上記QosIDに対応する帯域予約が既にある場合、PNCは、帯域予約破棄要求に添付されたQosIDに対応する予約帯域の破棄を行うとともに、このQosIDをメモリから消去する(ステップS326)。そして、PNCは、後述するステップS327へ進む。これに対し、上記帯域予約破棄要求に添付されたQosIDに対応する帯域予約がない場合、PNCは、後述するステップS327へ進む。
ステップS327において、PNCは、PNC自身の管理下でサービスを提供中の無線端末から、QoS通信サービスの終了要求が行われたか否かを判定する。ここで、QoS通信サービスの終了要求がない場合、PNCは、上記ステップS302へ戻る。これに対し、QoS通信サービスの終了要求が行われた場合、PNCは、終了要求がされたQosIDに対応するサービス中のQoS通信サービスを停止する(ステップS328)。次いで、PNCは、周辺のPNCに対する帯域予約破棄要求とともにPNC自身の帯域予約の無効化を行う(ステップS329)。そして、PNCは、停止したQoS通信サービスに対応するQosIDをメモリから消去し(ステップS330)、上記ステップS302へ戻る。
このように、本実施の形態によれば、映像情報などの大容量な帯域保証付き無線通信サービスが要求されるような場合においても、PNC間のハンドオーバーを可能とし、場所を選ばずに、高品位な映像ストリーミングをユーザに提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について図10〜図12を参照しながら説明する。図10は本発明の第2の実施の形態に係る帯域予約型ハンドオーバー方式が適用される無線通信システムの構成を示すブロック図である。図11は無線端末27がエリア28からエリア29へ移動した際の帯域保証付き無線通信サービスの遷移を示すシーケンス図である。図12は各PNCD、PNCE、PNCFがそれぞれ保持するQosテーブルの一例を示す図である。
無線端末7がエリア17からエリア18へ移動することに伴いハンドオーバーが発生すると、上記第1の実施の形態で述べた手順に従って、無線端末7の接続先がPNCBからPNCCへ切り替えられる。ここで、エリア17とエリア18が重複する程度(例えば重複領域の大きさ、形状など)に応じて、PNCBからPNCCへの切り替えタイミングを遅らせることが望ましい場合がある。
本実施の形態においては、無線端末が隣接するエリアへ移動する際に、現在のエリアと移動先エリアが重複する程度(例えば重複領域の大きさ、形状など)に応じて、PNCへの切り替えタイミングを遅らせるハンドオーバーの手順について説明する。
本実施の形態においては、図10に示すような、基本的には、上記第1の実施の形態と同様の構成を有する無線通信システムが構築されている。この無線通信システムは、具体的には、複数のPNCD,E,Fを備える。PNCDは、エリア28に対して無線通信サービスPiconetDを提供し、当該サービスの管理を行う。PNCEは、エリア29に対して無線通信サービスPiconetEを提供し、当該サービスの管理を行う。PNCFは、エリア30に対して無線通信サービスPiconetFを提供し、当該サービスの管理を行う。各PNCD,E,Fは、有線ネットワーク31を介して、相互に通信可能に接続されている。また、各PNCD,E,Fは、有線ネットワーク31を介して、ネットワークカメラ32と通信可能に接続されている。また、各PNCD,E,Fは、上記第1の実施の形態と同様に、それぞれに隣接するPNCに関する情報が記述されたPNCテーブルを保持する。
ここでは、無線端末27がネットワークカメラ32からの映像ストリーム視聴するために、帯域保証付き無線通信サービスを、無線通信サービスPiconetDの提供エリア28において開始するものとする。その後、無線端末27は、無線通信サービスPiconetEの提供エリア29へ移動するものとする。
詳細には、図11に示すように、無線端末27は、エリア28において、ビーコン信号のサーチを行う(200)。このエリア28において、PNCDが無線サービスを提供中であるので、無線端末27は、PNCDが発信するビーコン信号を受信し、このビーコン信号に含まれる情報に従ってPNCDと接続する(201)。PNCDと接続した無線端末27は、有線ネットワーク31を介して、ネットワークカメラ32の存在を知る。そして、無線端末27は、ネットワークカメラ32のストリーム映像を視聴するために、カメラ32との帯域保証付き無線通信サービスをPNCDへ要求する(202)。この要求は、PNCDが発信するビーコン信号にて明示されるCAPまたはMCTAのタイムスロットを用いて、無線端末27からPNCDへ送信される。
この要求を受信したPNCDは、この帯域保証付き無線通信サービスに対して一意のQoSIDを生成する。そして、PNCDは、自身の無線通信利用状況を調べ、無線端末27からの帯域保証付き無線通信サービスに対応可する帯域が確保可能な場合は、その結果と生成されたQoSIDをQoSサービステーブルに保存する。
上記Qosテーブルは、PNC毎に保持されるものである。このQosテーブルには、図12に示すように、「Qos ID」、「In Service」、「Reservation」、「Bandwidth」のそれぞれの項目に関するデータが記述されている。ここで、「QoS ID」は、帯域保証付き無線通信サービスを開始するPNCが生成する一意のQosIDである。なお、複数のPNCにより帯域保証付き無線通信サービスが開始される可能性がある場合は、QosIDの重複を防ぐために、各PNCで生成可能なQosIDの範囲を初期設定すればよい。また、PNC間で有線通信を行い、相互に重複しないQosIDを生成するようにすればよい。
「In Service」は、帯域保証付き無線通信サービスを現在サービス中であるか否かを示す。「Reservation」は、帯域保証付き無線通信サービスのハンドオーバーに使用する帯域の予約が行われているか否かを示す。「Bandwidth」は、対応するQoSIDによる帯域保証付き無線通信サービスが必要とする帯域幅を示す。図12(a)に示すテーブルは、PNCDが保持するQosテーブルである。図12(b)に示すテーブルは、PNCEが保持するQosテーブルである。図12(c)に示すテーブルは、PNCFが保持するQosテーブルである。
次いで、PNCDは、有線ネットワーク31を介して、周辺のPNCに対してQoSID付き帯域保証予約要求を送信する(203)。本例の場合、この要求は、PNCDが保持するPNCテーブルに基づいてPNCEへ送信される。そして、PNCDは、送信した帯域保証予約要求に対するPNCEからの回答を待つ(204)。ここで、PNCEから帯域保証予約要求に対する帯域確保を示す回答が返されると、PNCDは、無線端末27に対して、帯域保証付き無線通信サービス許可を示す返答を行う(205)。この返答には、PNCDによりQoSサービスに対して発行された一意のQoSIDが付与される。この返答の際に、PNCD,PNCEのそれぞれのQoSサービステーブルは、図12(a),(b)に示す状態となる。すなわち、PNCDのQoSサービステーブルには、QoSID=0001の帯域保証付き無線通信サービス(2Mbps)がサービス中であることが示されている。また、PNCEのQoSサービステーブルには、QoSID=0001の帯域保証付き無線通信サービス(2Mbps)が予約中であることが示されている。ここで、関与しないPNCFのQoSサービステーブルには、帯域保証付き無線通信サービスがサービスでないことおよび予約されていないことが示している。
また、PNCEから帯域保証予約不可の回答を得た場合、PNCDは、帯域保証付き無線通信サービスのハンドオーバーが利用することができないことを無線端末27へ通知する。この場合、上記第1の実施の形態と同じく、無線端末27とPNCD間のQoS通信サービスは実行される。ただし、ハンドオーバーは不可能である。
以上のプロセス(200〜205)を経て無線端末27とネットワークカメラ32の間で帯域保証付き無線通信サービスが開始される(206)。この際、無線端末27は、ハンドオーバー処理の実行可否を判定するために、PNCDとの無線通信におけるエラー率を計測する。このエラー率の計測は、受信したパケットのFCS(Frame Check Sequence)を検査することにより、行われる。無線端末27は、PNCDとの無線通信におけるエラー率がある一定の割合(例えば、50%)を超えるまでは、継続的にプロセスを繰り返す(208)。
無線端末27は、上記第1の実施の形態と同様に、PNCDからビーコン信号によって指定された帯域保証付き無線通信サービス占有時間以外の時間帯には、通信チャネルを切り替えて、その他のPNCが存在するか否かのチェックを行う(207)。ここで、仮に無線端末27がPiconetDのサービス提供エリア28(エリア33を除く)から移動しなければ、他のPNCE,Fと通信を行うことができない。そのため、無線端末27は、スーパーフレーム毎に帯域保証付き無線通信サービス(206)と他のPNCの捜索(207)を繰り返し実施する(208)。
ここで、PNCDを経て帯域保証付き無線通信サービスを受けている無線端末27がPNCDとPNCEの2つのPNCによるサービス提供可能エリア33へ移動すると(20)、無線端末27は、PNCEからのビーコン信号を見つける(210)。この際、上記エラー率が一定の割合を超えた場合、無線端末27は、帯域保証付き無線通信サービスの通信先を、ビーコン信号を受信し(210)かつQoSIDを送信する(211)PNCEへ変更する(218)。そして、無線端末27は、ビーコン信号に含まれる情報に従ってPNCEと通信することが可能となる。PNCEは、PNCDから要求されたQoSID付きの帯域保証予約要求(203)により、無線端末27のための無線帯域(2Mbps)を既に確保している。無線端末27は、PNCEからのビーコン信号によって明示されたCAPまたはMCTAタイムスロットを用いて、帯域保証付き無線通信サービス許可(205)時にPNCDから付与されたQoSIDをPNCEへ送信する(211)。
QoSIDを受信したPNCEは、無線端末27の次のハンドオーバーに備えるために、PNCテーブルに記述されているPNCの全てに対して、QoSID付きの帯域保証予約要求を送信する(212,214)。本例の場合、PNCEが保持するPNCテーブルには、PNCDとPNCFに関する情報が記述されているので、PNCEは、有線ネットワーク31を介して、PNCD、PNCFのそれぞれに対してQosID付きの帯域保証予約要求を送信する。そして、PNCEは、PNCD、PNCFのそれぞれからのQosID付きの帯域保証予約要求に対する回答を待つ。
QoSID付きの帯域保証予約要求を受けたPNCFは、QoSサービステーブルを参照し、通知されたQoSIDに対応する帯域予約がなされているか否かを調べる。ここでは、図12(c)に示す通り、PNCFのQoSサービステーブルには、QoSIDに対応する帯域予約がなされていないため、PNCFは、自身の無線通信利用状況を調べる。ここで、帯域保証予約要求された帯域保証付き無線通信サービスに対応可能な帯域を確保可能な場合は、その結果とQoSIDおよび予約帯域とがPNCFのQoSサービステーブルに保存される。また、帯域予約が可能なことを示す返答がPNCEへ返される(213)。
QoSID付きの帯域保証予約要求を受けたPNCDは、QoSサービステーブルを参照し、通知されたQoSIDに対応する帯域予約がなされているか否かを調べる。図12(a)に示す通り、PNCDのQoSサービステーブルには、このQoSIDに対応するサービスを提供中であることが示されている。そのため、このQoSIDに対応する帯域予約が可能と判定し、PNCDは、帯域予約が可能なことをPNCEに対して返答する(215)。
PNCEは、いずれかのPNCD、PNCDFから帯域保証予約不可の回答を得た場合、帯域保証付き無線通信サービスのハンドオーバーを利用することができないことを無線端末27へ通知する。これに対して、両方のPNCD、PNCFから帯域保証予約可能の回答を得た場合、PNCEは、無線端末27が予約した帯域を利用しての無線通信を実際に開始する(220)までの期間、上記プロセス209〜215を繰り返し実施する(219)。この繰り返しは、無線端末27がPNCEのサービス提供エリア29を離れたか否かを検出するために、スーパーフレーム毎に行われる。この繰り返し期間中に、無線端末27からのQoSIDの送信(211)がなくなると、PNCEは、無線端末27がPNCEのサービス提供エリア29を離れたと見なされる。この場合、PNCEは、帯域保証予約要求を行ったPNCFへ対して帯域保証予約破棄要求を行い、無駄な帯域予約を無効化する。また、この繰り返しは、3つ以上のPNCによるサービス提供エリアが重なった場合に、第3のPNCが誤って帯域予約破棄を行うことを防止するためである。
ここで、上記帯域予約破棄要求は、それぞれのPNCが保持するPNCテーブルに記載されたPNCに対して行われる。しかし、現在無線端末27に対して帯域保証付き無線通信サービスを提供しているPNCは、同帯域予約破棄要求が行われても、この要求を無視し、帯域保証付き無線通信サービスを継続する。これは、QoSサービステーブルの「In Service」が「True」であるか否かに基づいて容易に判断することが可能である(図12を参照)。
無線端末27は、上記プロセスを繰り返す期間中(219)、有線ネットワーク31およびPNCD22を介して、ネットワークカメラ32の映像の視聴を継続する。これと同時に、無線端末27は、PNCDとの無線通信におけるエラー率の計測を実施する。無線端末27は、PNCDとの無線通信におけるエラー率がある一定の割合(例えば、50%)を超えるまでは、継続的にプロセスを繰り返す(219)。ここで、上記エラー率が一定の割合を超えた場合、無線端末27は、帯域保証付き無線通信サービスの通信先を、ビーコン信号を受信し(210)かつQoSIDを送信する(211)PNCEへ変更する(218)。これにより、帯域保証付き無線通信サービスの新たな提供元となったPNCEは、PNCテーブルに記載されているPNCDとPNCFに対してQoSサービスの提供元の変更を通知する(221,222)。また、PNCEは、QoSサービステーブルの「In Service」を「True」に、「Reservation」を「Not True」にそれぞれ書き換える。
PNCEからのサービス提供元変更通知を受けたPNCDは、QoSサービステーブルの「In Service」を「Not True」に、「Reservation」を「True」にそれぞれ書き換える。また、無線端末27は、再度PNCDのサービス提供エリア28内へ移動することに備えて帯域予約を継続する。さらに、PNCEからのサービス提供元変更通知を受けたPNCFは、QoSサービステーブルの「In Service」が「Not True」で、「Reservation」が「True」であることを確認する。確認の結果、状態が異なる場合は、それぞれを上記状態に修正する。
この後、無線端末27は、PNCEが管理する無線通信サービスPiconetEの下で帯域保証付き無線通信サービスを受ける(223)。この際、無線端末27は、PNCEからのビーコン信号によって指定された帯域保証付き無線通信サービス占有時間以外の時間帯には、通信チャネルを切り替えて、他のPNCの存在をチェックする(224,225)。そして、上記プロセス223〜225が、スーパーフレーム毎に繰り返し行われる(226)。
無線端末27においてネットワークカメラ32の映像の視聴が終了される際には、無線端末27から帯域保証付き無線通信サービスの終了要求がPNCEに対して送信される(227)。この終了要求を受けたPNCEは、無線端末27に対する帯域保証付き無線通信サービスを無効化する。PNCEは、さらに、保持するPNCテーブルに記載された全てのPNCに対して帯域保証予約破棄要求を送信する(227,228)。本例の場合、PNCEのPNCテーブルには、PNCDとPNCFの2つのPNCが記載されているため、PNCEは、有線ネットワーク31を介して、帯域保証予約破棄要求をPNCD、PNCFのそれぞれへ送信する(228,229)。この帯域保証予約破棄要求を受信したPNCDとPNCFは、それぞれのQoSサービステーブルの指定されたQoSIDに対応する「Reservation」に「Not True」を設定し、対応する予約帯域を破棄する。PNCEは、全てのPNCに対する帯域保証予約破棄要求の送信が完了すると、無線端末27に対して、帯域保証付き無線通信サービスが完了したことを通知する(230)。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について図13および図14を参照しながら説明する。図13は本発明の第3の実施の形態に係る帯域予約型ハンドオーバー方式が適用される無線通信システムの構成を示すブロック図である。図14は各PNCのスーパーフレームのタイミングテーブルの一例を示す図である。
本実施の形態においては、ハンドオーバー時の接続不能時間を削減するための方法について説明する。
本実施の形態は、図13に示すよう構成を有する無線通信システムを構築する。この無線通信システムは、複数のPNCa〜iを備える。各PNCa〜iは、帯域保証付き無線通信サービスを含む無線通信サービスを対応するエリア60〜68に提供するとともに、その管理を行う。各エリア60〜68は、隣接するエリアと重複する領域を有する。各PNCa〜iは、有線ネットワーク70を介して、相互に通信可能に接続される。
各PNCは、IEEE802.15.3のTDMA形式に準拠した無線通信を行う。各PNCa〜iにおいては、以下に示すようなチャネル設定が行われる。
PNCa,PNCc,PNCg,PNCi:Channel1
PNCb,PNCh:Channel2
PNCd,PNCf:Channel3
PNCe:Channel4
それぞれの通信チャネルを利用する各PNCのスーパーフレーム(Superframe)構成は、図14に示すような構成に設定される。ここで、図14中の横軸は、絶対時間を示しており、Channel1のスーパーフレームとChannel2のスーパーフレームは、それぞれ、ビーコン信号の時間分遅れたタイミングで動く。また、同様にChannel2とChannel3およびChannel3とChannel4も、それぞれビーコン信号の時間分遅れたタイミングで動く。
本実施の形態においては、上記第1および第2の実施の形態と同様に、無線端末71は、帯域保証付き無線通信サービスを受けながら、帯域保証付き無線通信サービス以外の時間帯には、他のPNCから発信されるビーコン信号の捜索を行う。ここで、無線端末71がPNCdから帯域保証付き無線通信サービスを受ける場合、PNCdから指定されるサービスタイムスロットを用いて帯域保証付き無線通信サービスを受ける。このサービスタイムスロットと他のPNC(PNCeなど)のビーコン信号のタイムスロットとが一致すると、無線端末71は、他のPNCからのビーコン信号を受信することができない。
このような不具合をさけるため、各PNCa〜iは、有線ネットワーク70を介して、相互にそれぞれが利用する通信チャネルに従って同期を取る。Channel1を利用するPNCa,PNCc,PNCg,PNCiは、図14に示すChannel1と同一のタイミングで動作する。Channel2を利用するPNCb,PNChは、図14に示すChannel2と同一のタイミングで動作する。Channel3を利用するPNCd,PNCfは、Channel3と同一のタイミングで動作する。Channel4を利用するPNCeは、Channel4と同一のタイミングで動作する。このように同期を相互にとることで、同一のチャネルで動作するPNC間には、重複するサービス提供エリアが存在しないことになる。そのため、無線端末71は、帯域保証付き無線通信サービスを受けた後に、他のPNCから発信されるビーコン信号を効率よく監視することができる。
次に、帯域保証付き無線通信サービスのために利用または予約するタイムスロットについて説明する。
図13に示すように、PNCdのエリア63において無線端末71が帯域保証付き無線通信サービスを開始する際に、エリア63に隣接する各エリアのPNCa,PNCe,PNCg(PNCb,PNCh)は、無線端末71のハンドオーバーに備える。すなわち、各PNCa,PNCe,PNCg(PNCb,PNCh)は、有線ネットワーク70を介して同等の無線通信帯域を確保する。ここで、帯域確保とは、帯域保証付き無線通信サービスを行うために必要十分な時間(タイムスロット)を、無線端末とPNCに占有させることで実現されるものである。
本例では図14のように、各無線通信チャネルのスーパーフレームがオフセット付きで同期され、更に帯域保証付き無線通信サービスのためのタイムスロット確保、及びハンドオーバー対応の帯域予約のためのタイムスロット確保が、表1に示すように行われる。
Figure 2007251655
すなわち、絶対時間で同一のタイムスロット(図14のQoS Handover 1およびQoS Handover 2)が帯域保証付き無線通信サービスの提供および予約のために利用される。このようなタイムスロット構成を採用することにより、無線端末71は、帯域保証付き無線通信サービスを受ける際に、どのPNCと接続しても、同一の物理時間を自身の占有通信タイムスロットとして利用することができる。そのため、映像データなどを遅滞無く受信することができる。
図14に示すタイムスロット構成の場合、占有型タイムスロットであるCTA1a,b,c、CTA2a,b,e、CTA3a,d,e、CTA4c,d,eの各タイムスロットを確保することが必要不可欠である。しかし、CTA1a,b,c、CTA2a,b、CTA3aの各タイムスロットは、必ず占有スロットとする必要はない。これは、これらのタイムスロットが、占有スロットである必要があるQoS Handover 1のタイミングより以前のスロットであるためである。これにより、これらのタイムスロットは、CAPまたはMCTAとして有効利用することができる。また、それ以外のCTA2e、CTA3d,e、CTA4c,d,eのタイム各スロットも、この占有スロットを利用可能な複数の端末を定義することにより、有効利用可能である。
また、さらなる帯域保証付き無線通信サービスが要求されたときには、ダイナミックに同通信サービスに関係するPNCでスーパーフレームを変更し、QoS Handover 2などの共通占有タイムスロット領域を増すことにより、対応可能である。このようなダイナミックなスーパーフレーム構成が難しい場合、図13のような構成において、帯域保証付き無線通信サービスを行う最大数を想定し、共通占有タイムスロットを想定された最大数分確保可能なようにスーパーフレームを決定すればよい。
本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードを、ネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
本発明の第1の実施の形態に係る帯域予約型ハンドオーバー方式が適用される無線通信システムの構成を示すブロック図である。 図1のPNCの構成を示すブロック図である。 図1の無線端末の構成を示すブロック図である。 図1の各PNCA,B,Cにそれぞれ保持されている、PNCに関する情報が記述されているPNCテーブルの一例を示す図である。 IEEE802.15.3のビーコン信号とスーパーフレーム(Superframe)の関係を示す図である。 無線端末7がエリア17からエリア18へ移動した際の帯域保証付き無線通信サービスの遷移を示すシーケンス図である。 図1のPNCの処理手順を示すフローチャートである。 図1のPNCの処理手順を示すフローチャートである。 図1のPNCの処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る帯域予約型ハンドオーバー方式が適用される無線通信システムの構成を示すブロック図である。 無線端末27がエリア28からエリア29へ移動した際の帯域保証付き無線通信サービスの遷移を示すシーケンス図である。 各PNCD、PNCE、PNCFがそれぞれ保持するQosテーブルの一例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る帯域予約型ハンドオーバー方式が適用される無線通信システムの構成を示すブロック図である。 各PNCのスーパーフレームのタイミングテーブルの一例を示す図である。
符号の説明
A〜F PNC(無線通信管理装置)
a〜i PNC
7〜15,27,71 無線端末
16〜18,28〜30,60〜68 エリア
19,31,70 有線ネットワーク
1000,2000 CPU
1001,2001 メモリ
1003 有線LAN部
1005,2004 無線LAN部

Claims (12)

  1. 通信装置が帯域保証型通信サービスを受けながら各管理装置により管理されるエリア間を移動するためのハンドオーバー方法であって、
    通信装置と接続して帯域保証型通信サービスを提供する管理装置は、他の管理装置に対して帯域保証を要求し、
    前記要求を受信した前記他の管理装置は、前記要求に応じて帯域を予約し、
    前記通信装置の前記エリアの移動に伴い前記通信装置が接続する管理装置を前記他の管理装置に変更する場合は、前記他の管理装置は前記予約した帯域を前記通信装置に提供する帯域保証型通信サービス用に割り当てることを特徴とするハンドオーバー方法。
  2. 前記管理装置は、前記通信装置との間で前記帯域保証型通信サービスを開始する際に、前記他の管理装置に対して帯域保証を要求することを特徴とする請求項1記載のハンドオーバー方法。
  3. 前記管理装置は、隣接する他の管理装置に対して前記帯域保証を要求することを特徴とする請求項1又は2記載のハンドオーバー方法。
  4. 前記管理装置は、前記帯域保証を要求する管理装置に関する情報を記憶することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
  5. 前記要求を受信した前記他の管理装置は、前記要求に基づく帯域の予約が可能か否かを判定し、該判定の結果に基づいて前記要求に対する応答を前記管理装置に通知することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
  6. 前記管理装置は、前記帯域保証の要求に対する前記帯の管理装置からの応答に基づいて、前記通信装置対して帯域保証型ハンドオーバーを提供可能か否かを判定することを特徴とする請求項5記載のハンドオーバー方法。
  7. 前記管理装置は、前記通信装置に対する帯域保証型通信サービスの提供を終了する際に、前記他の管理装置による帯域予約の破棄を前記他の管理装置に指示することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
  8. 前記管理装置により管理されるエリアから前記他の管理装置により管理されるエリアに前記通信装置が移動した場合に、前記管理装置は前記通信装置に提供する帯域保証型通信サービスのための帯域を予約することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
  9. 前記他の管理装置は、前記通信装置の移動に応じて、隣接する管理装置に対して帯域の予約を要求することを特徴とする請求項8記載のハンドオーバー方法。
  10. 前記通信装置は、接続する管理装置との通信エラーレートが一定値を超えた場合に、接続先の管理装置を変更することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
  11. 互いにエリアが重複する管理装置には、異なる利用チャネルを割り当て、さらに、異なるタイミングで制御信号を送信するようにしたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
  12. 帯域保証型通信サービスを提供している管理装置が該通信サービスにために占有している占有時間と、隣接ずる管理装置が予約している時間とを同期させることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のハンドオーバー方法。
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