JP4437032B2 - 水圧転写装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性フィルムの片面に図柄の印刷層が形成された水圧転写用フィルムを水面に浮かべ、その印刷層に被転写物を押し当てて水没させることにより図柄を転写する水圧転写装置に係り、特に、水圧転写用フィルムとして、水溶性フィルムと図柄の印刷層との間に活性エネルギー線の照射もしくは加熱により硬化させて表面保護コートとする硬化性樹脂層が形成された多層フィルムを用いる水圧転写装置に関する。
水圧転写によって柄付けした被転写物は、水圧転写の媒体としての役目を果たして不要となった水溶性フィルムを水洗洗浄により除去して、表面に付着した水分を乾燥させた後、最終仕上げとして表面保護のためのトップコートをクリア塗装によって施すのが一般的であるが、例えば自動車の内装部品や外装部品のように様々な三次元形状を有する被転写物に全体的に均一な表面保護コートを施すクリア塗装は高度な技術が要求され、その塗装作業を自動的に行なう塗装装置は煩雑な制御が必要となるので、トップコートを施すための加工コストや設備費が著しく嵩むという問題があった。
そこで、高度な技術や煩雑な制御を要しない簡易な手段によって被転写物に均一な表面保護コートを施すことができる水圧転写用フィルムが提案されている。この水圧転写用フィルムは、水溶性フィルムとその片面に形成した図柄の印刷層との間に、紫外線等の活性エネルギー線の照射もしくは加熱により硬化させて表面保護コートとする硬化性樹脂層が形成された多層フィルムで成り、該フィルムの印刷層を硬化性樹脂層と共に被転写物の表面に水圧転写した後、その硬化性樹脂層が紫外線硬化型樹脂で形成されている場合は紫外線を照射し、また、硬化性樹脂層が熱硬化型樹脂で形成されている場合はその硬化温度に加熱するだけの簡単な加工によって、被転写物の表面に均一な表面保護コートを施すことができるようになっている(特許文献1参照)。
しかし、この種の水圧転写用フィルムを使用すると、水圧転写槽内で被転写物に転写されなかった印刷層のインキもしくは塗料と共に硬化性樹脂層の滓が槽内に残り、この硬化性樹脂層の残滓は、非水溶性で比重が軽いため、水圧転写槽の水面近くを浮遊して、水圧転写槽内に入槽する後続の被転写物に付着し、その被転写物の表面にブツ等を生じさせるおそれがある。
つまり、水圧転写槽の水面に浮かべた水圧転写用フィルムは、被転写物を図柄の印刷層に押し当てる前にその印刷層を形成するインキ皮膜もしくは塗料皮膜を再ウェット化する活性剤が吹き付けられるが、この活性剤の作用によりフィルムがシート状から粒子状に変化して被転写物の表面に転写されなかったフィルムの残滓が水圧転写槽内に残る。そのため、従来は、水圧転写用フィルムを浮かべる水面の水をフィルムに皺が生じない程度の流速で一方向に流すように水圧転写槽内の水を常時循環させることとしているが(特許文献2)、このような手段によっては、水圧転写槽の水面近くを浮遊する硬化性樹脂層の残滓を短時間で効果的に取り除くことが困難であるため、水圧転写の生産タクトを早めて生産効率を高めようとすると、先行の被転写物に転写されなかった硬化性樹脂層の残滓が後続の被転写物に付着してその表面にブツを生ずるおそれがある。
特開2003−200698号公報 特開2003−261122号公報
本発明は、水溶性フィルムとその片面に形成した図柄の印刷層との間に活性エネルギー線の照射もしくは加熱により硬化させて表面保護コートとする硬化性樹脂層が形成された水圧転写用フィルムを用いたときに、水圧転写槽内で被転写物の表面に転写されなかった硬化性樹脂層の残滓が後続の被転写物に付着してその表面にブツが生ずることを確実に防止し、また、公害防止と省資源に資するために、水圧転写用フィルムの残滓を含む排水中からその残滓を確実に除去すると共に、硬化性樹脂層の残滓を高濃度回収してその硬化性樹脂を再生利用可能とすることを技術的課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、水溶性フィルムとその片面に形成した図柄の印刷層との間に活性エネルギー線の照射もしくは加熱により硬化させて表面保護コートとする硬化性樹脂層が形成された水圧転写用フィルムを水圧転写槽の水面に浮かべ、その水圧転写用フィルムの印刷層に被転写物を押し当てて水没させることにより図柄を転写する水圧転写装置において、水圧転写槽に被転写物が入出槽される度に、水圧転写槽の水位を急上昇させてその槽内の表層水を槽外へ一挙にオーバーフローさせ得る分量の水もしくは温水を水圧転写槽の水面を下方から押し上げるように供給することにより、水圧転写槽内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムの残滓をその槽内の表層水と共に槽外に排出するスラッジ排出機構が設けられ、当該スラッジ排出機構が、水圧転写槽に供給する水もしくは温水を貯留する給水槽と、該給水槽に貯留された水もしくは温水を高低差を利用して水圧転写槽の槽内に供給する給水管と、水圧転写槽内からその槽外へ排出された表層水を回収する回収槽とを備え、前記給水槽から前記給水管を通じて水圧転写槽に供給する水もしくは温水が水圧転写槽の槽底側から水面に向かって放出されると共に、その放出された水もしくは温水の流れを分散させる整流板が水圧転写槽の槽中に設置されていることを特徴とする。
本発明によれば、水圧転写槽内に被転写物が入出槽される度に、水圧転写槽内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムの残滓が、水圧転写槽内の表層水と共にその槽外へ一挙に排出されるので、水圧転写槽内で水圧転写する被転写物の表面に硬化性樹脂槽の残滓が付着してその表面にブツを生ずるおそれが解消される。なお、請求項2の如く、水圧転写槽が、その槽内から槽外へ流出する表層水と共に水圧転写用フィルムの残滓を槽外に滑落させる水流板を備えていれば、水圧転写用フィルムの残滓が、細かく千切れることなくフィルム状態を保ったまま表層水と共に水圧転写槽の槽外へ円滑に排出されるので、その残滓を効率良く回収することができると同時に、その残滓を水圧転写槽の槽外に排出させるための表層水の流出量が少なくて足りるので、水圧転写槽への給水量を低減することができる。
また、スラッジ排出機構が、水圧転写槽の水位を急上昇させてその槽内の表層水を槽外へ一挙にオーバーフローさせ得る分量の水もしくは温水を水圧転写槽の水面を下方から押し上げるように供給することにより、水圧転写槽内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムの残滓をその槽内の表層水と共に槽外へ排出させるように構成されているから、水圧転写槽の水面近くを浮遊する硬化性樹脂層の残滓を水圧転写槽の槽外へ迅速且つ円滑に排出することができると同時に、その排出後の水面を速やかに安定させることができる。。
また、スラッジ排出機構が、水圧転写槽に供給する水もしくは温水を貯留する給水槽と、該給水槽に貯留された水もしくは温水を高低差を利用して水圧転写槽の槽内に供給する給水管と、水圧転写槽内からその槽外へ排出された表層水を回収する回収槽とを備えているから、給水槽に貯留された水もしくは温水を水圧転写槽の槽内に所定のタイミングで瞬時に大量供給して、水圧転写槽内の表層水と共に水圧転写用フィルムの残滓を槽外へ確実に排出することができると同時に、水圧転写槽の槽外へ排出された水圧転写用フィルムの残滓を含む水を一括回収して排水処理することができる。
更に、給水槽から給水管を通じて水圧転写槽に供給する水もしくは温水が水圧転写槽の槽底側から水面に向かって放出されると共に、その放出された水もしくは温水の流れを分散させる整流板が水圧転写槽の槽中に設置されることにより、水圧転写槽の水面が局部的に盛り上がるように押し上げられて大きなうねりを生ずることがなく、その水面全体が均等に押し上げられるように水位が上昇するので、水面近くを浮遊する水圧転写用フィルムの残滓を水中に沈めることなく水圧転写槽内の表層水と共に横滑りさせて槽外へ確実にオーバーフローさせることができると同時に、オーバーフロー後は、水圧転写槽の水面が、その水面に浮かべる新たな水圧転写用フィルムに皺が生じない程度まで速やかに安定するので、生産性も向上する。
また、請求項の如く、回収槽の排水を浄化処理した処理済水を前記給水槽に戻す還流管が設けられていれば、給水槽から水圧転写槽に供給した水を循環使用してその水の使用量を低減することができると同時に、給水槽に貯留された水を絶えず水圧転写槽内に少量供給して水圧転写槽内の水を回収槽へ常時オーバーフローさせるように循環させて、水圧転写槽の水面に回収槽へ向かって流れる表面流を定常的に生じさせることにより、水圧転写槽の水位を急上昇させて槽内の表層水を一挙にオーバーフローさせた際に波立った水面を速やかに安定させて、その水面に浮かべる新たな水圧転写用フィルムに皺が寄ることを防止することもできる。
また、請求項の如く、回収槽の排水を浄化処理した処理済水を前記給水槽に戻す還流管が設けられ、更に、請求項の如く、給水槽から水圧転写槽に供給される水もしくは温水の温度を調節する温度調節器が設けられていれば、水圧転写槽の水温を水圧転写用フィルムの膨潤に適した温度(例えば30〜35℃)に調整することができると同時に、その温調に必要なエネルギーを低減して省エネに資することができる。
また、請求項の如く、回収槽の上面側に、水圧転写槽内からその槽外へ排出される表層水に含まれた水圧転写用フィルムの残滓を濾し取るストレーナが設けられていれば、硬化性樹脂層の残滓を高濃度回収することができると同時に、回収槽の排水処理も容易になって、その処理負担が著しく軽減され、更に、請求項の如く、ストレーナがネットコンベアで成り、また、請求項の如く、ストレーナで濾し取られた水圧転写用フィルムの残滓を吸引して回収する装置が設けられていれば、その残滓の回収作業が容易になる。
更に、請求項の如く、回収槽の排水中に含まれた水性分と非水性分を分離回収する油水分離装置が設けられていれば、水圧転写用フィルムの基材となる水溶性フィルムを形成する高分子物質や、印刷層を形成するインキや塗料の成分、硬化性樹脂層を形成する樹脂成分を確実に回収することができる。
本発明によれば、水圧転写槽内で被転写物の表面に転写されなかった水圧転写用フィルムの残滓を水圧転写槽の槽外へ一挙に排出させて、その残滓に含まれた硬化性樹脂を高濃度回収することができると同時に、水圧転写槽内で水圧転写する被転写物の表面に硬化性樹脂層の残滓が付着してその表面にブツを生ずることが確実に防止されるという優れた効果がある。
本発明に係る水圧転写装置の最良の実施形態は、水圧転写槽に被転写物が入槽してから出槽するまでの間もしくは出槽直後に、水圧転写槽の水位を急上昇させてその槽内の表層水を槽外へ一挙にオーバーフローさせ得る分量の水もしくは温水を水圧転写槽の水面を下方から押し上げるように供給して、水圧転写槽内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムの残滓をその槽内の表層水と共に槽外へ排出させるスラッジ排出機構が設けられ、そのスラッジ排出機構が、水圧転写槽に供給する水もしくは温水を貯留する給水槽と、該給水槽に貯留された水もしくは温水を高低差を利用して水圧転写槽の槽内に供給する給水管と、水圧転写槽の槽内からオーバーフローして排出された水を回収する回収槽とで構成され、給水槽から給水管を通じて水圧転写槽に供給する水もしくは温水が水圧転写槽の槽底側から水面に向かって放出されると共に、その放出された水もしくは温水の流れを分散させる整流板が水圧転写槽の槽中に設置され、更に、水圧転写槽が、その槽内から槽外へ流出する表層水と共に水圧転写用フィルムの残滓を槽外に滑落させる水流板を備えたものである。
図1は本発明に係る水圧転写装置の一例を示す全体図、図2はその水圧転写装置で使用する水圧転写用フィルムの構成を概略的に示す断面図である。
図2の水圧転写用フィルムFは、ポリビニルアルコール等で成る水溶性フィルム1とその片面に形成した図柄の印刷層2との間に、紫外線の照射により硬化させて表面保護コートとする透明な紫外線硬化型樹脂で成る硬化性樹脂層3が形成されている。また、この水圧転写用フィルムFを使用する図1の水圧転写装置は、水圧転写槽4に被転写物が入出槽される度に、水圧転写槽4の水位を急上昇させてその槽内の表層水Wを槽外へ一挙にオーバーフローさせ得る分量の水もしくは温水を水圧転写槽4の水面Sを下方から押し上げるように供給して、水圧転写槽4内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムFの残滓をその槽内の表層水Wと共に槽外へ排出させるスラッジ排出機構が設けられている。
このスラッジ排出機構は、水圧転写槽4に供給する水もしくは温水を貯留する給水槽5と、該給水槽5に貯留された水もしくは温水を高低差を利用して水圧転写槽4の槽内に供給する給水管6と、水圧転写槽4の槽内からオーバーフローする水を落とし込んで回収する回収槽7とで構成され、給水槽5から給水管6を通じて水圧転写槽4に供給する水もしくは温水が水圧転写槽4の槽底側から水面Sに向かって放出されるようになっている。
なお、水圧転写槽4は、その槽内の水をオーバーフローさせる回収槽7側の槽壁が他の槽壁よりも低い立方形のタンクで成り、給水管6で水圧転写槽4に供給される水もしくは温水は、水圧転写槽4内の水をオーバーフローさせる回収槽7側の槽壁と対向する槽壁の下方側から水面Sに向かって放出されるようになっている。
給水槽5は、水面の面積が水圧転写槽4のそれと同一もしくはそれ以上の大きささに選定され、水面の高さが水圧転写槽4の水面Sよりも一定以上高く保持されるされると共に、温度調節器8によって槽内の水温が一定に保持されるようになっている。また、給水管6は、その管路を開放・閉鎖して給水槽5から水圧転写槽4への給水を開始・停止させる給水用バルブ9と、給水量を調節する流量調整用バルブ10とが介装されている。
回収槽7の上面側には、水圧転写槽4の槽内から回収槽7に落とし込まれるオーバーフロー水に含まれた水圧転写用フィルムFの残滓を濾し取るストレーナ11が設けられると共に、該ストレーナ11で濾し取られた水圧転写用フィルムFの残滓fをバキューム管12で吸引して回収する装置が設けられている。なお、ストレーナ11は、オーバーフロー水に含まれた硬化性樹脂層3の残滓が効果的に濾し取れるメッシュ数のネットで形成され、バキューム管12には、エア配管13を通じて供給される高圧エアをノズルから噴射させて生ずる吸引力により、ストレーナ11で濾し取られた水圧転写用フィルムFの残滓fを吸込口14から吸い込んで吐出口15から排出させるエジェクタ16が介装されている。
また、水圧転写槽4からオーバーフローして回収槽7に落とし込まれた水を排水するドレーン管17には、排水バルブ18と排水ポンプ19が介装されると共に、その排水中に含まれた水性分と非水性分を分離回収する油水分離装置20、21が介装され、該油水分離装置20、21で排水処理した処理済水を給水槽5に戻す還流管22が設けられている。
以上が、図1に示す水圧転写装置の構成であり、次にその動作と作用効果について説明する。水圧転写装置の稼動中は、給水槽6内に貯留された水もしくは温水の温度を温度調節器8によって一定に調整すると共に、給水管6に介装された給水用バルブ9を開放し、給水槽6内の水もしくは温水を絶えず少量ずつ水圧転写槽4に供給するように流量調整用バルブ10の開度を調整して、水圧転写槽4内の水を回収槽7へ常時オーバーフローさせることにより、水圧転写槽4の水面Sに回収槽7へ向かって緩やかに流れる表面流を定常的に生じさせておく。また、給水槽6には、その槽内に水を供給する給水管23から水圧転写槽4へ供給する分量の水が自動的に補給されるようになっている。
この状態で、水圧転写槽4の水面に水圧転写用フィルムFを浮かべて該フィルムFに形成された図柄の印刷層2に活性剤を吹き付け、被転写物をその印刷層2に押し当てて水圧転写槽4に水没させるように入槽させることにより、被転写物の表面に図柄を転写する。そして、被転写物が水圧転写槽4に入槽してから出槽するまでの間もしくは出槽後に、流量調整用バルブ10を一定時間だけ全開して、給水槽6内に貯留された水もしくは温水を水圧転写槽4内に瞬時に大量供給する。
これにより、水圧転写槽4の水面Sが図1鎖線図示の状態から同図実線図示の如く下方から押し上げられるように水位が急上昇し、水圧転写槽4内の表層水Wが槽外へ一挙にオーバーフローして回収槽7に落とし込まれる。このとき、水圧転写槽4内で被転写物に転写されなかった水圧転写フィルムFの残滓が、水圧転写槽4内の表層水Wと共にオーバーフローして回収槽7の上面側に設けたストレーナ11で濾し取られ、該ストレーナ11で濾し取られた水圧転写フィルムFの残滓fが、バキューム管12で吸い取られてその残滓fに含まれた硬化性樹脂が高濃度回収される。
そして、上記の如く水圧転写槽4内の表層水Wを槽外へ一挙にオーバーフローさせた後、流量調整用バルブ10の開度を全開状態から定常時の開度に戻して水圧転写槽4の水面Sに緩やかな表面流を生じさせることにより、オーバーフローの際に波立った水面Sを速やかに安定させて、その水面Sに新たな水圧転写用フィルムFを浮かべることができる状態とする。このようにすれば、水圧転写槽4の水面近くを浮遊する水圧転写用フィルムFの残滓を短時間で効果的に取り除くことができるのみならず、水圧転写の生産タクトを早めて生産効率を高めることもできる。
また、回収槽7に落とし込まれた水は、ドレーン管17に介装された排水バルブ18を開放して排水ポンプ19で排水し、その排水中から水性分と非水性分を分離回収する油水分離装置20、21で浄化処理し、その処理済水を還流管22で給水槽6へ戻して循環使用することにより、水の使用量を低減し、温度調節器8の消費エネルギーも低減して、ランニングコスト削減に資することができると同時に、水圧転写用フィルムFの水溶性フィルム1を形成するポリビニルアルコール等や、印刷層2を形成するインキもしくは塗料成分、硬化性樹脂層3を形成するアクリル樹脂成分等の各物質で成るスラッジが、多段に配した油水分離装置20、21で効果的に回収されるので、それら各物質を再生利用して省資源に資することができる。
なお、給水管6で水圧転写槽4に供給される水もしくは温水が、水圧転写槽4内の水をオーバーフローさせる回収槽7側の槽壁と対向する槽壁の下方側から水面Sに向かって放出されるようになっていると、その水もしくは温水を瞬時に大量供給したときに、回収槽7から最も遠い位置で水圧転写槽4の水面Sが図1の如く局部的に盛り上がるように押し上げられて、その位置から回収槽7の方向へ向かう大きな波が生ずるので、水圧転写槽4内の表層水Wを瞬時に回収槽7に落とし込むことができるという利点がある反面、その波のうねりによって、水圧転写槽4の水面S近くを浮遊する水圧転写用フィルムFの残滓の一部が水中に沈み込み、水圧転写槽4内の表層水Wと共に槽外へオーバーフローせずに槽内に残ってしまうおそれがあると同時に、表層水Wをオーバーフローさせた後、水面Sを安定させるまでに時間が掛かるという難点がある。
図3は上記難点を解消する工夫が講じられた本発明に係る水圧転写装置の例を示す図であって、図1の水圧転写装置との違いは、給水管6を通じて水圧転写槽4に供給されてその水圧転写槽4の槽底側から水面Sに向かって放出された水もしくは温水の流れを分散させる例えば開口率25〜50%程度の多孔板で成る整流板24が、水圧転写槽4の槽中に設置されている点である。
この整流板24が設置されていれば、給水管6を通じて大量の水もしくは温水が水圧転写槽4に一挙に供給されても、水圧転写槽4の水面Sが図1の如く局部的に盛り上がるように押し上げられてその水面Sに大きなうねりを生ずることがなく、図3鎖線図示の状態から実線図示の如く水面S全体が均等に押し上げられるように水位が上昇するので、水面近くを浮遊する水圧転写用フィルムFの残滓を水中に沈めることなく水圧転写槽4内の表層水Wと共に横滑りさせて槽外へ確実にオーバーフローさせることができ、また、オーバーフロー後は、水圧転写槽4の水面Sが、その水面Sに浮かべる新たな水圧転写用フィルムに皺が生じない程度まで速やかに安定するので、生産タクトを早めて生産性を向上させることができる。
また、図1では図示を省略したが、水圧転写槽4は、その槽内から槽外へ流出する表層水Wと共に水圧転写用フィルムFの残滓を槽外に滑落させる水流板26を備えている。この水流板26は、水圧転写槽4内からオーバーフローする表層水Wを水膜状にして流出させることにより、その表層水Wの流れに乗って運ばれる水圧転写用フィルムFの残滓をフィルム状態を保ったまま水圧転写槽4の槽外へ円滑に排出させて回収槽7内のストレーナ11で効率良く捕集・回収することができると同時に、水圧転写槽4の槽内から水圧転写用フィルムFの残滓を排出するために流出させる表層水Wの水量を少なくして、給水槽から水圧転写槽4への給水量を低減することができる
図4の水圧転写装置は、回収槽7の上面側に設けられたストレーナが、ネットコンベア25で成ると共に、水圧転写槽4からオーバーフローする水をネットコンベア25上に流下させる水流板26が設けられ、ネットコンベア25の退出側には、該ネットコンベア25で濾し取られた水圧転写フィルムの残滓を吸引するバキューム管12の吸込口14が配置されている。
図5の水圧転写装置は、水圧転写槽4の回収槽7側に水圧転写槽4内の表層水Wを堰き止める堰板27が設けられ、該堰板27を油圧シリンダ28等の開閉機構で開放して、水圧転写槽4内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムの残滓をその槽内の表層水Wと共に槽外へ排出させるスラッジ排出機構が設けられている。
本発明に係る水圧転写装置の一例を示す全体図 本発明の水圧転写装置で使用する水圧転写用フィルムの例を示す断面図 本発明に係る水圧転写装置の他の例を示す部分拡大図 本発明の水圧転写装置に設けるストレーナの例を示す図 本発明に係る水圧転写装置の変形例を示す図
符号の説明
F 水圧転写用フィルム
1 水溶性フィルム
2 印刷層
3 硬化性樹脂層
4 水圧転写槽
5 給水槽
6 給水管
7 回収槽
11 ストレーナ
12 バキューム管
17 ドレーン管
20 油水分離装置
21 油水分離装置
22 還流管
24 整流板
25 ネットコンベア(ストレーナ)
26 水流板
27 堰板

Claims (7)

  1. 水溶性フィルムとその片面に形成した図柄の印刷層との間に活性エネルギー線の照射もしくは加熱により硬化させて表面保護コートとする硬化性樹脂層が形成された水圧転写用フィルムを水圧転写槽の水面に浮かべ、その水圧転写用フィルムの印刷層に被転写物を押し当てて水没させることにより図柄を転写する水圧転写装置において、水圧転写槽に被転写物が入出槽される度に、水圧転写槽の水位を急上昇させてその槽内の表層水を槽外へ一挙にオーバーフローさせ得る分量の水もしくは温水を水圧転写槽の水面を下方から押し上げるように供給することにより、水圧転写槽内で被転写物に転写されない水圧転写用フィルムの残滓をその槽内の表層水と共に槽外に排出するスラッジ排出機構が設けられ、当該スラッジ排出機構が、水圧転写槽に供給する水もしくは温水を貯留する給水槽と、該給水槽に貯留された水もしくは温水を高低差を利用して水圧転写槽の槽内に供給する給水管と、水圧転写槽内からその槽外へ排出された表層水を回収する回収槽とを備え、前記給水槽から前記給水管を通じて水圧転写槽に供給する水もしくは温水が水圧転写槽の槽底側から水面に向かって放出されると共に、その放出された水もしくは温水の流れを分散させる整流板が水圧転写槽の槽中に設置されていることを特徴とする水圧転写装置。
  2. 水圧転写槽が、その槽内から槽外へ流出する表層水と共に前記水圧転写用フィルムの残滓を槽外に滑落させる水流板を備えている請求項1記載の水圧転写装置。
  3. 前記回収槽の排水を浄化処理した処理済水を前記給水槽に戻す還流管が設けられている請求項1又は2記載の水圧転写装置。
  4. 前記給水槽から水圧転写槽に供給される水もしくは温水の温度を調節する温度調節器が設けられている請求項1、2又は3記載の水圧転写装置。
  5. 前記回収槽の上面側に、水圧転写槽内からその槽外へ排出される表層水に含まれた水圧転写用フィルムの残滓を濾し取るストレーナが設けられている請求項1、2、3又は4記載の水圧転写装置。
  6. 前記ストレーナが、ネットコンベアで成る請求項記載の水圧転写装置。
  7. 前記ストレーナで濾し取られた水圧転写用フィルムの残滓を吸引して回収する装置が設けられている請求項5又は6記載の水圧転写装置。
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