JP3235740B2 - 固液分離装置 - Google Patents

固液分離装置

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JP3235740B2
JP3235740B2 JP17573492A JP17573492A JP3235740B2 JP 3235740 B2 JP3235740 B2 JP 3235740B2 JP 17573492 A JP17573492 A JP 17573492A JP 17573492 A JP17573492 A JP 17573492A JP 3235740 B2 JP3235740 B2 JP 3235740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固液分離装置に係り、特
に雨水排水、都市下水、産業排水等を濾材で固液分離す
る高速濾過方式の固液分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高速濾過方式の固液分離装置は、
緩速濾過方式の固液分離装置に比べて濾過速度が速い反
面、濾材の濾過能力がなくなる破過点までの時間が短
い。この為、頻繁に濾材の洗浄を行い濾材の濾過能力を
再生させる必要があるという問題があった。
【0003】この問題の解決策として、特開昭51─8
5257号公報、特開昭60─193508号公報、実
開平2─12405号公報に見られるように、被処理原
水より比重の小さな粒状の濾材で濾材層を形成した上向
流全層濾過型の固液分離装置が知られている。この固液
分離装置は、被処理原水の上向流がこの濾材層を通過す
ることにより被処理原水中の固体成分を濾過する一方、
濾材に固体成分が付着して濾過能力が低下したら、濾材
を濾材再生装置に移動させて洗浄したり、被処理原水の
流れとは逆の下向流で洗浄水を流して濾材洗浄して濾材
の濾過能力を再生する。この時、濾材を被処理原水より
比重の小さな濾材で濾材層を形成したことにより、濾材
を水流で濾材再生装置に移送することができるので、濾
材の再生を容易に行うことができる。また、洗浄水を下
向流で流すことにより、水中に浮いている濾材が振動、
攪拌され濾材に付着した濾滓が剥離され易くなり、濾材
の再生を容易に行うことができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た固液分離装置の場合、濾材の再生操作は以前に比べ容
易になったものの、洗浄排水の発生量は以前と変わら
ず、特に固液分離装置が大型になると大量の洗浄排水が
発生するという欠点がある。また、大量の洗浄排水が発
生すると洗浄排水中の固体成分を除く装置も大きくなり
装置全体が大型化してしまう問題がある。
【0005】このような事情から濾材の再生が容易で且
つ洗浄排水が少ないコンパクトタイプの固液分離装置が
要望されていた。本発明はこのような事情に鑑みてなさ
れたもので、濾材の再生を一層容易に行えると共に濾材
の洗浄排水の少ないコンパクトタイプの固液分離装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、処理槽に流入した被処理原水中の固体成分
を、処理槽内に配置され前記被処理原水より比重の小さ
な多数の粒状の濾材で形成された濾材層で濾過分離して
から処理水を前記処理槽外に排出する固液分離装置に於
いて、上記処理槽の上部に形成され、前記濾材層が配置
される共に濾材層で濾過された処理水の排出口を有する
濾過室と、上記処理槽の下部に形成され、前記濾材の洗
浄排水を貯留すると共に前記洗浄排水中の固体成分を沈
降させる沈降室と、前記処理槽の略中段に設けられ、前
記濾過室と前記沈降室とを仕切る仕切板と、前記沈降室
内に設けられ、一端が前記仕切板に形成された被処理原
水の流入口に連通し他端が原水流入管に連通すると共
に、内部に複数のバッフル板が設けられたフロック形成
管と、前記濾材層の下方に設けられ、被処理原水中に噴
出して前記濾材に付着した固体成分を洗浄剥離するエア
噴出手段と、前記濾過室と前記沈降室とを連通又は遮断
する開閉手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明によれば、被処理原水は、原水流入管か
らフロック形成管を通って濾過室に流入し、濾材層で濾
過された後、処理水として槽外に排出される。この時、
フロック形成管内にバッフル板を設け、旋回しながらフ
ロック形成管内を上昇するようにしたので、被処理原水
中の固体成分は濾過室に流入する前にフロック化され、
濾材層での濾過が容易になる。
【0008】また、濾材の濾過能力が低下したら被処理
原水を濾過室に供給するのを止め、濾材層下方に設けた
エアノズルから圧縮エアを前記濾材層に向けて噴出させ
て被処理原水をバブリングする。これにより、被処理原
水より比重が小さい濾材は、被処理原水中に浮いた状態
で被処理原水中を激しく動き回り、濾材同志が摩擦しあ
うので、濾材に付着した固体成分が剥離される。この
時、複数のエアノズルに夫々弁を設けたので、圧縮エア
を噴出するエアノズルを色々変えることができる。これ
により、濾過室内の水流を旋回流、渦巻き流、層流等に
変えることができるので、濾材に付着した固体成分の剥
離効果を更に向上させることができる。
【0009】濾材から固体成分を剥離し終わったら、濾
材層全体に圧縮エアを吹き付けながら前記開閉手段を作
動させて濾過室と沈降室とを連通させ、濾材を洗浄して
固形成分の混ざった濾過室の洗浄排水を沈降室に移す。
この時、濾過室の底部から沈降室の底部まで移送管を設
けて濾過室と沈降室とを連通させるようにしたので、洗
浄排水が沈降室の底部に勢いよく落下しない。これによ
り、洗浄排水が勢いよく落下することに伴う発泡、空気
の巻き込みを防止することができるので、洗浄排水中の
固体成分が懸濁したり乳化したりすることがなく、沈降
室で短い時間静置するだけで洗浄排水中の固体成分を沈
降分離することができる。
【0010】また、濾材の洗浄を更に念入りに行う必要
がある場合には、前記濾材層の上方に清浄水を濾材にシ
ャワリングする清浄水噴出ノズルを設け、前記洗浄排水
を濾過室から沈降室に抜く時に、濾材に清浄水を吹き付
けるようにすればよい。以上のように、本発明の固液分
離装置は、濾材層下方に圧縮エアの噴出ノズルを設け、
被処理原水をバブリングさせて濾材に付着した固体成分
を剥離するようにしたので、従来の固液分離装置のよう
に清浄水を流しながら濾材を洗浄する方式に比べ、濾材
の洗浄が容易になると共に洗浄排水の発生量をはるかに
減らすことができる。
【0011】また、洗浄排水の発生量は濾過室の容積程
度と少ないので、被処理原水を濾過する濾過機能と、洗
浄排水を処理する処理機能と、を兼ね備えた一体構造に
することができる。これにより、濾過機能と処理機能と
を別々に備えた従来の固液分離装置に比べ、はるかにコ
ンパクト化することができる。更に、沈降室を濾過室の
下方に設けたことにより、位置エネルギを利用できるの
で、濾過室内の洗浄排水を沈降室に移すのに何ら動力源
を必要としない為、省エネにもなる。
【0012】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る固液分離
装置10の好ましい実施例について詳説する。図1に本
発明の固液分離装置10を単基で用いた場合の第1の実
施例を示す。固液分離装置10は、汚水処理槽12の上
部に設けられ被処理原水を濾過する濾過室14と、下部
に設けられ後記する濾材16の洗浄排水18を貯留する
と共に洗浄排水18中の固体成分を沈降させる沈降室2
0とが上下一体構造に形成され、前記汚水処理槽12の
略中段に濾過室14と沈降室とを仕切る仕切板22が設
けられている。また、前記仕切板22の略中央に形成さ
れた開口部24から汚水処理槽12の底部、即ち沈降室
20の底まで垂直な移送管26が設けられ、移送管26
の両端は前記開口部24周縁と前記分離槽12の底部に
固着され、更に前記移送管26の下端周囲には複数の長
穴28、28…が形成されている。これにより、濾過室
14と沈降室20とは移送管26を介して連通されると
共に、濾過室14の底板22に加わる重量を移送管26
で支持するようになっている。
【0013】また、前記開口部24には排水栓30が着
脱自在に設けられ、この排水栓30は濾過室14上部に
設けられたシリンダ34にピストンロッド36を介して
連結され、前記シリンダ34は網形状の濾材支持板32
に固定されている。更に、前記シリンダ34にはシリン
ダ用エア配管38が接続され、前記エア配管38は第1
作動弁40と第2作動弁42を夫々介して図示していな
いコンプレッサに接続している。これにより、コンプレ
ッサを作動させると、ピストンロッド36は伸縮するの
で、前記排水栓30が上下して濾過室14と静置室20
とを遮断したり連通したりするようになっている。
【0014】また、被処理原水の原水流入管44が、原
水弁46を介し、前記分離槽12の下部側壁を貫通して
沈降室20内に引き込まれ、前記移送管26を内管とす
る2重管構造のフロック形成管48の下端に接続されて
いる。このフロック形成管48は、濾過室14の前記仕
切板22近傍まで垂直に延びた後、水平に拡がって分離
槽12側壁に固定されており、前記フロック形成管48
の水平部分と前記仕切板22との間に被処理原水の分散
域50を形成している。また、前記フロック形成管48
の垂直部分には段違いにバッフル板52、52…が複数
設けられている。また、前記濾過室14の仕切板22に
は、被処理原水を濾過室14内に流入する複数の流入口
54、54…が形成され、更に、前記流入口54の濾過
室14側には夫々分配板56、56…が設けられてい
る。これにより、被処理原水は、原水流入管44からフ
ロック形成管48に流入した後、前記バッフル板52に
より旋回しながらフロック形成管48内部を上昇して前
記分散域50で分散される。そして、前記流入口54か
ら均等に濾過室14内に流入し、前記分配板56により
濾過室14全域に分配される。
【0015】また、濾過室14内には、被処理原水より
比重の小さい多数の粒状の濾材16が、前記濾材支持板
32に係止されて被処理原水中に浮いた状態で濾材層5
8を形成している。前記濾材16は図2に示すように、
周囲が網目構造をした円筒形状をしており、前記円筒内
面には図2、図3に示すような多数の突起60、60…
が形成され、被処理原水中の固体成分をこの突起60に
捕捉するようになっている。また、突起60形状は前記
固体成分の形状に応じて針状あるいは半球状等に形成さ
れる。これにより、濾過室14内に流入した被処理原水
は、上向流となって濾過室14内を上昇し、前記濾材層
58を通過して濾過され、濾過された処理水は前記分離
層12の上端外周に設けられたトラフ62に溢流するよ
うになっている。また、前記トラフ62には処理水を槽
外に排出する処理水配管64が接続されている。
【0016】また、前記濾過室14の下方には複数のエ
アノズル66、66…が前記濾材層58に向いて設けら
れ、前記エアノズル66はエア配管68で図示しない前
記コンプレッサに接続されている。このエア噴出機構を
図4、図5で更に詳しく説明すると、前記エア配管68
には夫々エアノズル弁が設けられ、例えば、濾過室14
の側面側のエアノズル66Aのみから圧縮エアを噴出さ
せるようにエアノズル弁70を開くと、図4に示すよう
に濾過室14内の被処理原水に旋回流を発生させること
ができる。また、前記エアノズル弁70以外のエアノズ
ル弁72、72…も同時に開くと、図5に示すように濾
過室14内の被処理原水をバブリングさせながら濾材1
6を激しく上下運動させることができる。このように、
濾材16に色々な動きをさせることにより濾材16同志
を摩擦させて、濾材16に付着した固体成分の剥離効果
を上げるようになっている。
【0017】また、図1の沈降室20の底部は中央が窪
んでおり、この窪み部分の側壁を貫通して抜取配管74
が配設され、この抜取配管74は抜取弁76、ポンプ7
8を経た後、二方に分岐し、一方は汚泥用弁80を介し
て汚泥処理工程に繋がり、他方は上澄水用弁82を介し
て前記処理水と合流するようになっている。また、沈降
室20内の上方には沈降室20内のエアを抜くエア抜配
管84が汚水処理槽12の側壁を貫通し、エア抜き弁8
6を介して大気に開放されている。
【0018】次に、上記の如く構成された本発明の固液
分離装置10の作用を説明する。被処理原水は、前工程
で凝集剤を添加された状態で原水流入管44からフロッ
ク形成管48に流入し、フロック形成管48内で旋回流
となって上昇することにより、被処理原水中の固体成分
はフロック化する。これにより、被処理原水を濾材層5
8で濾過する時に被処理原水中の固体成分が濾材16に
捕捉され易くなる。次に、被処理原水は前記分散域50
で分散され、前記仕切板22に形成された取込口54か
ら濾過室14内に均一に流入し、分配板56で分配され
て濾過室14内全域に上向流となって上昇する。次に、
被処理原水の上向流は前記濾材層58を通過し、被処理
原水中の固体成分は濾材16に捕捉されて除かれる。濾
材層58を通過して固体成分が除去された処理水は、ト
ラフ62に溢流し、処理水配管64を通って槽12外に
排出される。
【0019】濾過を継続しているうちに、前記濾材16
に付着する被処理原水中の固体成分が多くなり、濾材1
6の濾過能力が次第に低下する。この場合は、次のよう
に濾材16の再生及び濾材16を再生する時に発生する
洗浄排水18の処理を行う。先ず、原水流入管44の原
水用弁46を閉じて、濾過室14への被処理原水の流入
を止める。次に、コンプレッサを作動させてから前記第
2の作動弁42を開いて、ピストンロッド36を縮作動
させて前記排水栓30を上昇し、濾過室14と沈降室2
0とを連通させると共に、エア抜き弁86を開いて沈降
室20内のエアを一定量抜く。これにより、沈降室20
から抜かれたエア体積相当の被処理原水が濾過室14か
ら沈降室20に吸引され濾過室14の水面を下げる。濾
過室14内の水面が下がったら、第2のエア弁42を閉
じると共に第1のエア弁40を開いて、再び前記シリン
ダロッド36を伸作動させて濾過室14と沈降室20と
を遮断する。濾過室14内の水面を下げる理由は、次に
行う濾材16洗浄時濾材16から剥離した固体成分が処
理水と共にトラフ62に溢流しない為である。
【0020】次に、エアノズル弁70、72とを適宜開
閉して、濾過室14内の被処理原水をエアバブリングさ
せると共に、旋回流等の水流を発生させて濾材16に付
着した固体成分を剥離する。濾材16から固体成分の剥
離が終了したら、エアノズル弁70、72の全ての弁を
開いて、濾材16全体に曝気しながら、前記シリンダロ
ッド36を縮作動させて濾過室14と沈降室20とを連
通し、濾材16を洗浄した濾過室14内の洗浄排水18
を全て沈降室20に移す。この時、前記開口部24から
沈降室20の底まで移送管26を設け、濾過室14の洗
浄排水18が前記移送巻26の下端の長穴28から沈降
室20に流出するようにした。これにより、洗浄排水1
8の落下に伴う発砲や空気の巻き込みによる洗浄排水1
8の懸濁や乳化を防止することができるので、洗浄排水
18中の固体成分が分離し易い状態で、沈降室20に移
送することができる。
【0021】洗浄排水18を沈降室20に移し終わった
ら、前記ピストンロッド36を伸作動させて濾過室14
と沈降室20とを遮断し、前記原水用弁46を開いて再
び濾過操作を開始する。一方、濾過を行っている間、沈
降室20の洗浄排水18を適当な時間静置させて、洗浄
排水18中の固体成分を沈降させる。固体成分が沈降し
たら、先ず、抜取弁76、汚泥用弁80を開いて(この
時、上澄み水用弁82は閉じておく)から、前記排出ポ
ンプ78を作動させて、沈降汚泥を排出する。次に、抜
取弁76、上澄み水用弁82を開いて(この時、汚泥用
弁80は閉じておく)上澄み水を排出する。
【0022】尚、図には示さないが、前記濾材層58の
上方全体に工業用水配管を配設し、工業用水を下方に噴
出させるノズルを設けてもよい。これにより、洗浄排水
18を濾過室14から沈降室20に移しながら被処理原
水から露出した濾材16に工業用水をシャワリングして
濯ぎ洗浄をすることができる。このように、本発明の固
液分離装置10は、濾材層58下方に圧縮エアの噴出ノ
ズル66を設け、被処理原水をエアバブリングして濾材
16に付着した固体成分を剥離するようにした。これに
より、従来の固液分離装置のように清浄水を流しながら
濾材を洗浄する方式に比べ、はるかに洗浄排水18の発
生量を減らすことができる。
【0023】また、洗浄排水の発生量は濾過室14の容
積程度と少ないので、汚水処理槽12の上部を濾過室1
4、下部を沈降室20とした上下一体構造とすることが
できる。これにより、本発明の固液分離装置10は、被
処理原水の濾過機能と濾材の洗浄排水処理機能とを兼ね
備えているので、従来の濾過機能と洗浄排水処理機能と
が別々な従来の固液分離装置に比べ、コンパクト化する
ことができる。
【0024】更に、沈降室20を濾過室14の下方に設
けたことにより、位置エネルギを利用できるので、濾過
室14内の洗浄排水18を沈降室20に移すのに何ら動
力源を必要としない為、省エネにもなる。また、移送管
26を設け、洗浄排水18を濾過室14から沈降室20
に移す時に発泡や空気の巻き込みをなくし、洗浄排水1
8中の固体成分の懸濁や乳化を防止するようにしたの
で、沈降室20で短時間静置させるだけで、洗浄排水1
8中の固体成分を簡単に沈降させることができる。
【0025】また、図6に本発明の第2の実施例を示し
たように、濾過室14と沈降室20とを仕切る仕切板2
2を分配水路88で形成するようにした。この分配水路
88は図7に示したような構造をしており、フロック形
成管48から分配水路88に流入した被処理原水は、主
路37Aから分岐した先細り形状の分岐路37Bに流
れ、実戦矢印90方向に流入する。また、洗浄排水18
は破線矢印92に流入して移送管26に集まる。
【0026】これにより、被処理原水は分配水路88に
より分配されて濾過室内全域により均一に流入させるこ
とができると共に、濾材16の洗浄排水を濾過室14か
ら沈降室20に移す時には洗浄排水18を前記移送管2
6の入口に集め易くすることができる。尚、第2実施例
の固液分離装置の上記分配水路以外の構造は第1の実施
例と同様である。
【0027】前述した第1の実施例では本願発明の固液
分離装置を単基で用いた場合を説明したが、図8に示す
第2の実施例では前記固液分離装置10を複数で並列に
用いた場合の大型固液分離装置について説明する。尚、
第1の実施例と同じ部材については同じ符号を付して説
明する。以上第1及び第2の実施例は本発明の固液分離
装置を単基で用いた場合を説明したが、第3の実施例と
して本発明の固液分離装置を複数で用いた場合の大型固
液分離装置を図8に示す。大型固液分離装置94は第1
の固液分離装置96、第2の固液分離装置98、第3の
固液分離装置100の合計3基の固液分離装置が並列に
配設され、各固液分離装置96、98、100の構造は
第1実施例で説明した固液分離装置10の分配水路88
を設けたものと同じ構造である。また、大型固液分離装
置94の中央上部に被処理原水の原水流路102が配設
され、この原水流路102は前記原水流入管44に繋が
り、各固液分離装置96、98、100の前記フロック
形成管48に接続されている。また、前記原水流入管4
4には第1の三方弁104設けられ、第1の固液分離装
置96と第2、第3の固液分離装置98、100とに分
流されるようになっている。また、第2の三方弁106
により第2の固液分離装置98と第3の固液分離装置1
00とに分流されるようになっている。そして、各濾材
槽108、110、112で濾過された処理水はトラフ
114に溢流した後、処理水水路116を通って槽外に
排出される。
【0028】これにより、大型固液分離装置94の場合
にも第1及び第2の実施例の効果と同様に大容量の被処
理原水のわりに装置をコンパクト化することができると
共に濾材の洗浄排水を少なくすることができる。更に、
第1、第2、第3の各固液分離装置96、98、100
の濾材の洗浄時期をずらすように運転すれば、被処理原
水の処理能力を殆ど低下させることなく、連続濾過する
ことができる。
【0029】尚、上記大型固液分離装置94では、固液
分離装置を3基用いたが、これに限ったものではなく、
被処理原水の固体成分の濃度、被処理原水の処理量等に
より任意に増減することができる。 〔実例〕本発明の固液分離装置を用いて、都市下水の第
1沈澱池流入水を処理した一例を以下に説明する。
【0030】固液分離装置は直径1m、高さ4mの下面
が閉塞された円筒形の分離槽で、高さ2mの位置に濾過
室の底板を設けて上部の濾過室と下部の静置室に仕切っ
た。また、濾過槽室上部に張った金網の下に0.4mの
厚さで濾材層を形成した。濾材は直径30mm、長さ3
0mmの円筒形で、材質はポリプロピレンとした。被処
理原水は150〜200mg/lの固体成分を含んでお
り、固液分離装置で処理する前にカチオン系ポリマー凝
集剤を1.5mg/l添加した。また、濾過速度は10
00m/日で通水した。
【0031】その結果、処理水の固体成分濃度は10〜
30mg/lに低減した。濾過時間5時間で濾材の洗浄
操作に切り換え、圧縮空気吹き込み開始から濾材に付着
した固体成分を略完全に剥離し、静置室に洗浄排水を移
すまでの所要時間は約5分間であった。即ち、被処理原
水の流入を止めてから5分後には再び濾過を継続するこ
とができた。静置室に移した洗浄排水は30分間静置し
て固体成分を沈降させた後、沈降汚泥と上澄み液を分別
排出した。この時の上澄み液の固体成分濃度は100m
g/lであった。また沈降した汚泥の固体成分の濃度は
20000mg/lであった。このように、短時間で濾
材の洗浄排水の固体成分を沈降させることができた。
【0032】また、濾材に付着した固体成分が粘着性等
があり完全に剥離するのが難しい場合には、濾過室から
洗浄排水を抜く時に濾過室の上方に配設した工業用水噴
出ノズルから工業用水を濾材に吹き付けるようにしたと
ころ、完全に剥離することができた。上記結果から分か
るように、本発明の固液分離装置は、濾材の再生を短時
間で確実に行うことができるので、濾過操作に速やかに
戻すことができる。また濾材の洗浄排水中の固体成分も
短時間で沈降させることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固液分離
装置によれば、濾材層下方に圧縮エアの噴出ノズルを設
け、被処理原水をエアバブリングして濾材に付着した固
体成分を剥離するようにしたので、従来の固液分離装置
のように清浄水を流しながら濾材を洗浄する方式に比
べ、濾材の洗浄が容易になると共に洗浄排水の発生量を
はるかに減らすことができる。
【0034】また、洗浄排水の発生量は濾過室の容積程
度と少ないので、汚水処理槽の上部を濾過室、下部を沈
降室としたので、被処理原水を濾過する濾過機能と、洗
浄排水を処理する処理機能と、を兼ね備えた一体構造に
することができる。これにより、従来の濾過機能と処理
機能とを別々に備えた従来の固液分離装置に比べ、はる
かにコンパクト化することができる。
【0035】更に、沈降室を濾過室の下方に設けたこと
により、位置エネルギを利用できるので、濾過槽内の洗
浄排水を静置槽に移すのに何ら動力源を必要としない
為、省エネにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固液分離装置の第1実施例を示し
た断面図
【図2】本発明に係る固液分離装置に使用する濾材の一
例を示す正面図
【図3】本発明に係る固液分離装置に使用する濾材の一
例を示す下面図
【図4】本発明に係る固液分離装置において濾材を洗浄
している説明図
【図5】本発明に係る固液分離装置において濾材を洗浄
している説明図
【図6】本発明に係わる固液分離装置の第2実施例を示
した断面図
【図7】本発明に係る第2実施例の分配水路の説明図
【図8】本発明に係わる固液分離装置を複数用いた第3
実施例を示した断面図
【符号の説明】
10…固液分離装置 12…汚水処理槽 14…濾過室 16…濾材 20…沈降室 22…仕切板 26…移送管 30…排水栓 32…濾材支持板 34…シリンダ 36…シリンダロッド 48…フロック形成管 58…濾材層 70、72…エアノズル弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒 方 孝 次 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号 東 京都下水道局内 (72)発明者 宮 島 潔 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号 東 京都下水道局内 (72)発明者 小 島 正 行 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (72)発明者 川 尻 斉 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (72)発明者 山 本 博 文 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−17908(JP,A) 特開 平3−254894(JP,A) 特開 平3−193193(JP,A) 実開 昭54−177761(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 24/00 B01D 24/02 B01D 36/04 C02F 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理槽に流入した被処理原水中の固体成分
    を、処理槽内に配置され前記被処理原水より比重の小さ
    な多数の粒状の濾材で形成された濾材層で濾過分離して
    から処理水を前記処理槽外に排出する固液分離装置に於
    いて、 上記処理槽の上部に形成され、前記濾材層が配置される
    共に濾材層で濾過された処理水の排出口を有する濾過室
    と、 上記処理槽の下部に形成され、前記濾材の洗浄排水を貯
    留すると共に前記洗浄排水中の固体成分を沈降させる沈
    降室と、 前記処理槽の略中段に設けられ、前記濾過室と前記沈降
    室とを仕切る仕切板と、 前記沈降室内に設けられ、一端が前記仕切板に形成され
    た被処理原水の流入口に連通し他端が原水流入管に連通
    すると共に、内部に複数のバッフル板が設けられたフロ
    ック形成管と、 前記濾材層の下方に設けられ、被処理原水中に噴出して
    前記濾材に付着した固体成分を洗浄剥離するエア噴出手
    段と、 前記濾過室と前記沈降室とを連通又は遮断する開閉手段
    と、を備えたことを特徴とする固液分離装置。
  2. 【請求項2】前記濾過室の底部から前記沈降室の低部ま
    で前記濾過室と前記沈降室とを連通させる移送管を設け
    ると共に前記開閉手段で前記移送管を連通又は遮断する
    ことを特徴とする請求項1の固液分離装置。
  3. 【請求項3】前記複数のエアノズルには弁を夫々備えて
    いることを特徴とする請求項1の固液分離装置。
  4. 【請求項4】前記濾材層の上方に清浄水を前記濾材にシ
    ャワリングして濯ぎ洗浄する清浄水噴出手段を設けたこ
    とを特徴とする請求項1の固液分離装置。
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