JP4437003B2 - Evh1ドメインまたはevh1ドメインを有するタンパク質とevh1結合ドメインまたはevh1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節する化合物をスクリーニングする方法およびその相互作用を検出する方法 - Google Patents
Evh1ドメインまたはevh1ドメインを有するタンパク質とevh1結合ドメインまたはevh1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節する化合物をスクリーニングする方法およびその相互作用を検出する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4437003B2 JP4437003B2 JP2002544665A JP2002544665A JP4437003B2 JP 4437003 B2 JP4437003 B2 JP 4437003B2 JP 2002544665 A JP2002544665 A JP 2002544665A JP 2002544665 A JP2002544665 A JP 2002544665A JP 4437003 B2 JP4437003 B2 JP 4437003B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- evh1
- domain
- dixin
- human
- vasp
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/68—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
- G01N33/6803—General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
- G01N33/6845—Methods of identifying protein-protein interactions in protein mixtures
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P29/00—Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P43/00—Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P9/00—Drugs for disorders of the cardiovascular system
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/536—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase
- G01N33/542—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with immune complex formed in liquid phase with steric inhibition or signal modification, e.g. fluorescent quenching
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/53—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
- G01N33/574—Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N2500/00—Screening for compounds of potential therapeutic value
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Immunology (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Pathology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Public Health (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
- Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
- Hospice & Palliative Care (AREA)
- Oncology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Pain & Pain Management (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Cardiology (AREA)
- Rheumatology (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
本発明は、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質とEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用、特にVASPまたはVASP誘導体とジキシンまたはジキシン誘導体との間の相互作用を調節(modulate)し得る化合物を同定する方法、ならびにその相互作用を検出する方法に關する。
【0002】
EVH1ドメインとEVH1結合ドメインを介したタンパク質の相互作用は、特に組織表面に対する細胞の接着および細胞の運動性に関与するシグナル導入経路、細胞の形態変化および細胞の凝集、特に血小板およびリンパ球の活性化に重要な役割を果たしている。このようなプロセスは、多くの疾病、特に、例えば、炎症性疾患、血管、心血管系およびその器官の疾患の場合、または例えば癌のような新生細胞および組織変化の場合での疾病の発病および進行の原因となっているであろう。
【0003】
多くのタンパク質がEVH1ドメインまたはEVH1結合ドメインを含有している。EVH1結合ドメインを有するタンパク質は例えばジキシンであり、これに対して例えばVASPはEVH1ドメインを有するタンパク質である。タンパク質のドメインは、タンパク質の三次元領域であるか、または多数のペプチド鎖のセクションで構成されていて、また独立して折りたたまれているコンパクト領域としてのタンパク質表面である。EVH1(Ena−VASP相同)ドメインは、Ena−VASPファミリーの全てのタンパク質に存在し、また、それぞれのEVH1結合タンパク質との相互作用によって、正確な細胞配置のもとになっている長さが約115個のアミノ酸の高度な保存配列セクションに基づくものである。EVH1ドメインは、7個のβ−プリーツシートおよびC−末端α−ヘリックスからなり、これらは折りたたまれて独特のβ−バレル構造を形成している。これらはプレクストリン相同(PH)ドメイン、またホスホチロシン結合(PTB)ドメインに対して高度な構造類似性を有している。種々のEVH1結合タンパク質において、Ena/VASPタンパク質ファミリーのEVH1ドメインは、タイプIIのポリプロリンヘリックスの形態で折りたたまれているFPPPPコアモチーフ(motive)を有するプロリンリッチなペプチド配列を認識するものである。このようなFPPPP配列モチーフを有するEVH1結合タンパク質は、例えば細胞骨格会合タンパク質ジキシンおよびビンキュリンまたは通性細胞内細菌リステリア(Listeria)単球遺伝子の表面タンパク質ActAである。VASPのEVH1ドメインとジキシンのEVH1結合ドメイン中のFPPPPモチーフとの相互作用によって、ジキシンとVASPとの間に相互作用が存在する。略号VASPとは「血管拡張刺激リンタンパク質」(vasodilator−stimulated phosphoprotein)を意味する。VASPは、ほとんど全ての哺乳動物の細胞でみられ、そこでは、このものはcAMP−およびcGMP−依存プロテインキナーゼの基質である。VASPに相同のタンパク質およびVASPは一緒になってEna/VASPタンパク質ファミリーを形成し、そしてこれらは例えばショウジョウバエ(Drosophila)のEnaタンパク質およびマウスのMenaおよびEvlタンパク質で検出できた。ヒトでは、心血管細胞、特に血小板、内皮細胞、平滑筋細胞および新生内膜細胞(neointima cells)で特に高濃度のVASPが存在する。培養細胞では、VASPは、細胞−マトリックス接触部位(フォーカルアドヒージョンポイント)、細胞−細胞接触、アクチンフィラメント系およびダイナミック膜構造、例えば運動性細胞のリーディングエッジと関連があることが見出されている。多数の実験データから、VASPはアダプター分子としてプロフィラクチンを細胞骨格タンパク質ジキシンおよびビンキュリンを有するか、またはリステリア(Listeria)種で感染させた細胞中の表面タンパク質ActAを有する部位に供給することが確認された。タンパク質ジキシン、ビンキュリンおよびActA中のFPPPPモチーフを結合しているEVH1ドメインおよびVASP中のEVH1ドメインは機能的にまたNMR構造解析により構造的にも特徴付けされている。機能的研究により、VASPはアクチンフィラメントの局在的な形成を増進させる決定的な因子であり、また細胞接着および細胞運動性を調節する重要な因子であることが確認されている。ここでは、VASPは例えばジキシン、ビンキュリンまたはプロフィリンのようなその他のタンパク質と直接相互作用する。これは例えばVASP−ジキシン相互作用の結合モチーフを含有するペプチドのマイクロインジェクションによって実証された[この分野の総説は以下の文献にみられる:Reinhard M, Jarchau T, Reinhard K, and Walter U. (1999)VASP:Guidebook to the Cytoskeletal and Motor Proteins (Eds., Kreis, T., and Vale, R.), Oxford University Press, Oxford, pp. 168-171]。これらの理由から、VASPとジキシンとの複合体は新規な可能性のある標的構造体であるものと考えられ、このものは、この相互作用を調節するのに適切な医薬を開発することによって、細胞接着および細胞運動性における病理学的変化を伴う疾患、例えば動脈硬化症および血液凝固疾患および関連する心血管系疾患に好ましい影響を与えるのに使用し得る。従って、VASPおよびジキシンまたは互いに相互作用をするこれらのタンパク質の同族体または誘導体は、就中、心血管系疾患を治療するための治療上有効な化合物として使用し得る化学物質を同定するのに使用し得る。
【0004】
EVH1結合ドメイン例えばジキシンに含まれる結合ドメインとEVH1ドメイン例えばVASPに含まれるドメインとの間の相互作用を、放射性標識されたVASPによる放射性固相アッセイまたはオーバーレイアッセイ(overlay assay)(この場合、事前のゲル電気泳動分離を伴うかまたは伴わずして固相に移送され、次いでジキシンが検出される)を使用して検出する方法が知られている(Reinhard等、PNAS 92, 7956-7960, 1995;Reinhard等、FEBS Lett. 399, 103-107, 1996)。そのフォーマットおよび放射性検出のために、この方法は大量迅速処理スクリーニング(HTS)による検出方法には適していない。使用される放射性標識方法はその使用範囲が限定され、また、複雑な分離工程のために、ゲル電気泳動分離法は自動化スクリーニング方法に使用することができず、さらには検出の特異性に関して問題がある。
【0005】
WO 98/01755には、ヒト以外のVASP様タンパク質(Mena,Evl)が開示されている。これらのタンパク質は、スクリーニングモデルを構築するための適合性に制約がある。その理由は、これらのタンパク質は、医薬スクリーニングのために構築されるべき、好ましくはヒトの成分の、標的構造をある程度までしか示していないからである。
【0006】
蛍光標識としてのランタニドキレートの使用、および例えばHTS(High Throughput Screening)のためのこれらの蛍光標識を使用する時間分解蛍光測定法(time−resolved fluorescence measurement)の使用は、WO 97/29373およびWO 98/15830にWallac Oy(フィンランド)によって開示されている。特にスクリーニング方法に使用するのに適当であるEVH1結合ドメイン例えばジキシンに含まれる結合ドメインとEVH1ドメイン例えばVASPに含まれるドメインとの間の相互作用を分析するための蛍光標識の使用については、これまでには結果が何も公表されていない。
【0007】
従って、本発明の目的は、EVH1結合ドメイン例えばジキシンに含まれる結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメイン例えばVASPに含まれるドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節し得る化合物を同定するためのスクリーニング方法を開発するところにある。このスクリーニング方法は大量迅速処理スクリーニングに適したものでなければならず、また自動的に操作しても安全で、迅速で、極めて特異的で、かつ信頼性がなければならない。さらには、このスクリーニング方法では、好ましくはヒトの成分を用いる医薬のスクリーニングに適切な標的構成体が構築されなければならない。
【0008】
本発明は、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との間の相互作用を調節し得る化合物を同定する方法に関し、この方法は以下のプロセス工程からなるものである:
a)EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質をEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質と試験すべき化合物の存在下に接触させ[ここで、「接触させる」とは、支持体をドメインでコーティングし、ブロックし/洗浄し、他のドメインを加え(試験物質と共にまたはなしで)、洗浄に至るまでインキュベーションし、および洗浄を包含するインキュベーションをする工程順序を特に意味するものと解すべきである];
b)a)による混合物を、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質またはEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質に特異的に結合する抗体、またはこれらのドメインまたはタンパク質と融合されているかまたは化学的に結合されている抗原を有する抗体と共に、インキュベーションするのに使用し;
c)b)による混合物を、混合物b)からの抗体と特異的に結合することができ、かつ生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識を付けた抗体と共に、インキュベーションするのに使用し;
d)c)に従ってインキュベーションした後、c)からの抗体上の標識を生化学的にまたは物理化学的に検出する。
【0009】
相互作用の調節は、結合パートナーの結合をさらに強くするかまたはこの結合を弱める結果をもたらすことになる。結合パートナーの結合がさらに強くなるのは、例えば関与するドメインまたはタンパク質の親和性が相互に増大することから明らかである。親和性の増大は、関与する結合パートナーの親和定数の低減によって認められる。親和定数は生化学での標準的な方法を使用して測定することができる。このような方法は例えば以下のような文献に開示されている:「Pingoud, A., Urbanke, K., Arbeitsmethoden der Biochemie;1997;Gruyter Lehrbuch」または「Wilson, K., Goulding, K. H., Methoden der Biochemie;1991;Thieme flexible Taschenbucher」。このことは結合パートナーの結合が弱くなることにも同様に適用される。EVH1結合ドメインを有するタンパク質はEVH1結合ドメインを含有するタンパク質である。同様に、EVH1ドメインを有するタンパク質はEVH1ドメインを含有するタンパク質である。
【0010】
好ましい実施態様では、上記の化合物同定方法は、固体からなる表面で実施される。従って、この方法は固相アッセイとも言われている。好ましい実施態様では、固体の表面を、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質と相互作用するEVH1結合ドメインで、またはEVH1結合ドメインを有するタンパク質でコーティングする。さらに好ましい実施態様では、固体の表面を、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質と相互作用するEVH1ドメインで、またはEVH1ドメインを有するタンパク質でコーティングする。このようにしてコーティングされた表面を次いで試験する相互作用について不活性な試薬またはタンパク質、例えばウシ血清アルブミンでコーティングする。次に、水性有機溶媒に溶解し得る検査すべき化合物をこのような方法でコーティングされた表面に適用する。固体は様々な材料例えばプラスチック、ガラスまたは金属で作られていてよい。好ましくは、固体は有機ポリマーからなる。さらに他の実施態様では、固体は有機溶媒、酸、塩基または水溶液に対して不溶であるかまたは耐性である化学物質で作られている。固体は様々な形状であってよい。例えば、好ましい変形では、このものはマイクロタイタープレートとして存在し、またEppenndorf容器、ガラス管、フィルムまたはマイクロチップとして存在していてもよい。固体はただ一種の材料または成分からなっていてもよいし、多数の材料または成分からなっていてもよい。EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質と相互作用するEVH1結合ドメインで、またはEVH1結合ドメインを有するタンパク質で、固体表面をコーティングするのは、固体に直接実施することができる。異なった材料からなる固体の場合、固体ベースとは別個に担体材料をコーティングし、この固体ベースにコーティングした後担体材料を適用し、次いで担体材料と固体ベースとを一緒にして固体を形成させることも可能である。表面のコーティングは最初EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質のみで実施してもよい。次に、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との相互作用は、第二の工程で、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質でコーティングされた表面にEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質を添加することによって確立される。さらにその他の実施態様では、表面を最初EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質のみでコーティングする。次に、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用は、第二の工程で、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質でコーティングされた表面にEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質を添加することによって、確立される。固体の表面をEVH1結合ドメイン、EVH1結合ドメインを有するタンパク質、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質でコーティングするためには、固体の表面をこれらのドメインまたはタンパク質の一種と共にインキュベーションする。同様に、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との間の相互作用を確立するためには、一つのドメインまたはこのドメインを有するタンパク質をその他のドメインまたはこのその他のドメインを有するタンパク質と共にインキュベーションする。次に、相互作用しないドメインまたはこれらのドメインを有するタンパク質の過剰量を洗浄により除去する。インキュベーションとは、タンパク質および表面が、一定の温度で一定の緩衝液およびイオン濃度で一定時間の間互いに接触されることを意味する。このために、タンパク質は、化学添加物を含む緩衝化された水性媒体に溶解または懸濁されて存在する。
【0011】
EVH1結合ドメインを有するタンパク質は好ましくはジキシンまたはジキシン誘導体である。原則的には、EVH1結合ドメインを有するいずれのタンパク質も本発明の方法に使用することができる。EVH1結合ドメインは、単離ドメインとしてまたはEVH1結合ペプチドとして、タンパク質のその他の成分から物理的に分離して使用することもできる。使用されるEVH1結合ドメインは例えばジキシンまたはジキシン誘導体に含まれているとおりのEVH1結合ドメインであってよい。EVH1ドメインを有するタンパク質は好ましくはVASPまたはVASP誘導体である。原則的には、EVH1ドメインを有するいずれのタンパク質も使用することができる。EVH1ドメインは、単離ドメインとして、タンパク質のその他の成分から物理的に分離して存在することもできる。使用されるEVH1ドメインは例えばVASPに含まれているとおりのEVH1ドメインであってよい。
【0012】
VASPまたはVASP誘導体、ジキシンまたはジキシン誘導体は原則的にはいずれの種からの対応するタンパク質またはその一部であってよい。例えばマウスのような脊椎動物のVASPおよびジキシンまたはその一部を使用するのが好ましく、ヒトのものが特に好ましい。VASPのアミノ酸配列はP50552(ヒト)でSwissprotに、またX98475.1(マウス)でEMBLに開示されている。ジキシンのアミノ酸配列はQ15942(ヒト)またQ62523(マウス)でSwissprotに開示されている。所要のタンパク質は相当する脊椎動物の組織または細胞例えば血小板から単離することができるし、または宿主細胞または微生物例えば昆虫細胞または大腸菌細胞で遺伝子組換えによって調製し、そして精製することもできる。「Jarchau, T., Mund, T., Reinhard, M., U. Walter(1998), Purification and Assays of Vasodilator-Stimulated Phosphoprotein. Methods in Enzymology, Vol. 298, 103-113」に詳述されている通り、組換えVASPは例えば昆虫細胞からイムノアフィニティクロマトグラフィーを使用して精製する。「Current Protocols in Molecular Biology, ed.:F. M. Ausubel, Wiley-Interscience (1987)」に詳述されている通り、VASPのEVH1ドメインまたはジキシンのEVH1結合ドメインは例えば大腸菌からグルタチオンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質として遺伝子組換えで精製する。
【0013】
好ましい実施態様では、EVH1結合ドメインを有するタンパク質をジキシン誘導体として使用する。好ましい実施態様では、ジキシン誘導体は、そのC末端に融合されたジキシンのN−末端での最初の142個のアミノ酸を有するグルタチオンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質からなる。原則的には、使用されるグルタチオンS−トランスフェラーゼはいずれの種のアミノ酸配列であってよい。ヒト、マウス、ラットまたは日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)からの配列を使用するのが好ましい。このような配列は例えばP08263(ヒト)、P24472(マウス)、P04904(ラット)でSwissprotに開示されている。ジキシンの最初の142個のC−末端アミノ酸に適当な融合パートナーは、グルタチオンS−トランスフェラーゼに加えて、例えばヘキサヒスチジン、チオレドキシンまたはマルトース結合タンパク質である。
【0014】
好ましい実施態様では、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との間の相互作用を調節する化合物を同定する方法は、上記の通りドメインまたはタンパク質でコーティングし、かつマイクロタイタープレートの一部を形成している固体からなる表面を使用して実施する。
【0015】
EVH1結合ドメイン、EVH1結合ドメインを有するタンパク質、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質の特異的検出のための本発明の方法を実施するためには、モノクローナルまたはポリクローナル抗体を使用することができる。モノクローナルまたはポリクローナル抗体は、EVH1結合ドメイン、EVH1結合ドメインを有するタンパク質、EVH1ドメイン、EVH1ドメインを有するタンパク質またはこれらのドメインまたはタンパク質と融合されているかまたは化学的に結合されている抗原に対して結合特異性を有していなければならない。
【0016】
好ましい実施態様では、VASPまたはジキシンに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体を本発明の方法を実施するのに使用する。この抗体はハイブリドーマ細胞を使用して合成し、次いで濃縮し、精製することができる。ハイブリドーマ細胞の培養、ハイブリドーマ細胞を用いた抗体の産生、これらの抗体の精製および濃縮は、例えば、「Current Protocols in Immunology, ed.:J. E. Coligan, Wiley-Interscience (1991)」に記載されている通り、標準的な方法で実施される。この文献は抗原に対する結合特異性を測定する方法も教示している。本発明の方法の目的には、使用する抗原は、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質例えばジキシンまたはジキシン誘導体であり、そしてEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質例えばVASPまたはVASP誘導体、またはこれらのドメインまたはタンパク質と融合されている抗原例えばグルタチオンS−トランスフェラーゼ、ヘキサヒスチジン、チオレドキシンまたはマルトース結合タンパク質または化学的に結合されている抗原であってよい。
【0017】
さらに他の好ましい実施態様では、本発明の方法を実施するのに使用される抗体は、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質例えばジキシンまたはジキシン誘導体、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質例えばVASPまたはVASP誘導体、またはこれらのドメインまたはタンパク質と融合された抗原例えばグルタチオンS−トランスフェラーゼ、ヘキサヒスチジン、チオレドキシンまたはマルトース結合タンパク質または化学的に結合されている抗原に対して結合特異性を有するポリクローナル抗体である。ポリクローナル抗体の調製、精製、試験および使用については、「Current Protocols in Immunology, ed.:J. E. Coligan, Wiley-Interscience (1991)」に詳述されている。
【0018】
本発明の方法の好ましい実施態様では、使用するVASPに対して結合特異性を有する抗体はモノクローナル抗体mAB IE245であり、そしてさらに他の好ましい実施態様では、モノクローナル抗体はmAB IE273である。
【0019】
EVH1結合ドメイン、EVH1結合ドメインを有するタンパク質、EVH1ドメイン、EVH1ドメインを有するタンパク質、またはこれらのドメインまたはタンパク質と融合されている抗原または化学的に結合されている抗原に対して結合特異性を有する本発明の方法での抗体に特異的に結合する抗体は、生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識を担持していてよい。生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識は、例えば酵素、放射性同位元素または蛍光標識である。好ましい実施態様では、生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識は、特にアルカリホスファターゼまたはβ−ガラクトシダーゼであり、またさらに好ましい実施態様では、生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識は同位元素例えば放射性同位元素であり、またさらに好ましい実施態様では、生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識は蛍光標識特にランタニド錯体例えばユウロピウム錯体である。
【0020】
好ましい実施態様では、本発明の方法は上記の如く医薬を同定するのに使用することができる。このような医薬は、就中、心血管系疾患、炎症性疾患、血管の疾患または新生細胞および組織変化例えば癌などを治療するのに使用することができる。
【0021】
本発明は、さらには、上記の通り本発明の方法で同定されたEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節する化合物に關する。このような化合物は、好ましくはペプチド、特に配列FPPPPまたはWPPPPを有するペプチド、またはそれらの化学的誘導体およびプロリンリッチな同族体である。このような化合物は例えば心血管系疾患、炎症性疾患、血管の疾患または新生細胞および組織変化例えば癌などを治療するための医薬となり得る。
【0022】
好ましい実施態様では、本発明は、VASPに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体mAB IE245、およびモノクローナル抗体mAB IE245を産生し得るハイブリドーマ細胞に關する。さらに他の好ましい実施態様では、モノクローナル抗体mAB IE245を産生し得るハイブリドーマ細胞は菌株DSM ACC2444から由来するものである。さらに他の好ましい実施態様では、本発明は、VASPに対して結合特異性を有するモノクローナル抗体mAB IE273、およびモノクローナル抗体mAB IE273を産生し得るハイブリドーマ細胞に關する。さらに他の好ましい実施態様では、モノクローナル抗体mAB IE273を産生し得るハイブリドーマ細胞は菌株DSM ACC2445から由来するものである。
【0023】
ハイブリドーマ細胞DSM ACC2444およびハイブリドーマ細胞DSM ACC2445はDeutsche Stammsammlung fur Mikroorganismen[German collection of microorgnism strains]に寄託されている。
【0024】
さらには、本発明は、固体からなり、かつEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質で、またはEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質でコーティングされている表面に關する。
【0025】
EVH1結合ドメインを有するタンパク質は好ましくはジキシンまたはジキシン誘導体である。さらに、ジキシン誘導体は好ましくはジキシンまたはジキシンフラグメントおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼの融合タンパク質、またはジキシンまたはジキシンフラグメントおよびマルトース結合タンパク質の融合タンパク質またはジキシンまたはジキシンフラグメントおよびヘキサヒスチジンの融合タンパク質により形成される。EVH1ドメインを有するタンパク質は好ましくはVASPまたはVASP誘導体、またはVASPまたはVASPフラグメントおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼまたはマルトース結合タンパク質またはヘキサヒスチジンの融合タンパク質である。
【0026】
好ましい実施態様では、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質は、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質と相互作用する。EVH1結合ドメインを有するタンパク質について、この相互作用を確立するには、ジキシンまたは、例えばジキシンまたはジキシンフラグメントおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼの融合タンパク質またはジキシンまたはジキシンフラグメントおよびマルトース結合タンパク質の融合タンパク質としてのジキシン誘導体を使用するのが好ましい。EVH1ドメインを有するタンパク質については、VASPまたはVASP誘導体またはVASPまたはVASPフラグメントおよびグルタチオンS−トランスフェラーゼまたはマルトース結合タンパク質の融合タンパク質が好ましい。
【0027】
使用されるVASPまたはVASP誘導体、ジキシンまたはジキシン誘導体は原則的にはいずれの種由来の相当するタンパク質またはその一部であってよい。例えばマウスのような脊椎動物のVASPおよびジキシンまたはその一部を使用するのが好ましく、ヒトのものが特に好ましい。VASPのアミノ酸配列はP50552(ヒト)でSwissprotに、またX98475.1(マウス)でEMBLに開示されている。ジキシンのアミノ酸配列はQ15942(ヒト)またQ62523(マウス)でSwissprotに開示されている。
【0028】
さらに、本発明はEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質およびEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質、特にジキシン、ジキシン誘導体またはVASPまたはVASP誘導体でコーティングされた表面を含むマイクロタイタープレートに関する。マイクロタイタープレートは様々な数のウエルを有することができる。例えば、マイクロタイタープレートは3、6、12、24、48、96、192、384、768、1536、3072またはそれ以上のウエルを有していてよい。好ましい実施態様では、マイクロタイタープレートは384のウエルを有し、特に好ましい実施態様では、768のウエル、正に特に好ましい実施態様では、1536のウエルを有している。また、記載された実施態様では、本発明の表面はその他の装置、容器またはデバイスの構成要素、例えばEppendorf容器、様々な材料のチューブ、特にプラスチックまたはガラスのチューブの構成要素、チップ様デバイスおよびその他の装置、デバイスまたは容器の構成要素であってもよい。
【0029】
さらに、本発明は、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との間の相互作用を調節し得る化合物を同定する方法に関し、この方法は以下のプロセス工程からなるものである:
【0030】
a)EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質をEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質と検査すべき化合物少なくとも一種の存在下で接触させ、ここで、それぞれの場合に、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との間でエネルギー伝達を可能とする蛍光染料を、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質および/またはEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質にカップリングさせ;
b)a)に従ってインキュベーションした後分光測定する。
【0031】
この方法では、使用する蛍光染料は好ましくはAPC、Cy5またはランタニド錯体、ここでは特にユウロピウム錯体である。
この方法では、使用するEVH1ドメインを有するタンパク質は好ましくはVASPまたはVASP誘導体である。使用するEVH1結合ドメインを有するタンパク質は好ましくはジキシンまたはジキシン誘導体である。さらに他の好ましい実施態様では、使用するジキシン誘導体はジキシンまたはジキシンフラグメントとグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質またはジキシンまたはジキシンフラグメントとマルトース結合タンパク質との融合タンパク質である。
【0032】
EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質、特にVASPまたはVASP誘導体とEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質、特にジキシンまたはジキシン誘導体との相互作用は、ある種の蛍光染料をEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質、特にVASPまたはVASP誘導体と、またEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質、特にジキシンまたはジキシン誘導体とカップリングさせたときに、分光法で測定できる。蛍光染料がカップリングしているタンパク質の複合体形成によって、染料が相互に十分に接近した空間的近接位置におかれた場合に、これらの蛍光染料によるエネルギー伝達が可能となる。使用する蛍光染料は、エネルギー供与体およびエネルギー受容体として相互に補完し合う化合物であってよい。特定の波長の電磁波放射を使用すると、エネルギー供与体が励起される。励起エネルギーは、エネルギー供与体と接近した近接位置に存在しているときは、エネルギー受容体に無放射で伝達できる。特定の波長の電磁波放射を放出すると、エネルギー受容体は基底状態にもどる。このエネルギー放出はエネルギー供与体の励起波長とは異なった波長で生じる。エネルギー供与体およびエネルギー受容体を適切に選択すると、エネルギー伝達が、電磁波放射の分光法で検出可能な波長、好ましくは可視光線の範囲内で生じる。エネルギー供与体およびエネルギー受容体がEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質、特にVASPまたはVASP誘導体と、またEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質、特にジキシンまたはジキシン誘導体とカップリングすると、これらのタンパク質またはタンパク質誘導体の相互反応を分光法の手段によって直接検出することができる。EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質と、EVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節する試験すべき化合物は、相互作用するタンパク質と接触すると直ちにエネルギー伝達での分光法で検出し得る変化によりそれ自体の本性を示す。使用するエネルギー供与体は、ある種の蛍光染料例えばランタニド錯体、特にユウロピウム錯体であってよい。使用するエネルギー受容体はある種の蛍光染料例えばAPCまたはCy5でよい。各々のエネルギー供与体またはエネルギー受容体を、EVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質、特にVASPまたはVASP誘導体と、またEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質、特にジキシンまたはジキシン誘導体とカップリングさせることができる。本発明の方法を実施する場合、相互作用するドメインまたは異なったドメインを含有する相互作用するタンパク質は、それぞれの場合、補完し合うエネルギー供与体またはエネルギー受容体が提供される事実に留意すべきである。相互作用を分光法で測定するためには、エネルギー供与体およびエネルギー受容体は、相互作用を調節する分子錯体中に同時に存在していなければならない。エネルギー供与体またはエネルギー受容体のカップリングは各々の場合共有結合を介して直接に生成されるか、または抗体またはビオチン−ストレプトアビジンを介して間接的に生成される。これらの抗体は市販されている。
【0033】
VASPまたはVASP誘導体、ジキシンまたはジキシン誘導体は原則的にはいずれの種からの対応するタンパク質またはその一部であってよい。例えばマウスのような脊椎動物のVASPおよびジキシンまたはその一部を使用するのが好ましく、ヒトのものが特に好ましい。VASPのアミノ酸配列はP50552(ヒト)でSwissprotに、またX98475.1(マウス)でEMBLに開示されている。ジキシンのアミノ酸配列はQ15942(ヒト)またQ62523(マウス)でSwissprotに開示されている。
【0034】
本発明はEVH1結合ドメインまたはEVH1結合ドメインを有するタンパク質とEVH1ドメインまたはEVH1ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節するための医薬製剤を製造する方法に關し、この方法では本発明の方法の一または二以上を使用して化合物を同定し、そしてこの化合物を医薬賦形剤および/または医薬担体と混合し、次に適宜医薬投与形態とする。
【実施例】
実施例1:固相アッセイ(DELFIA)を使用するVASPとジキシンまたはジキシン誘導体との相互作用の測定
固相アッセイにおいて、結合パートナー(VASPまたはジキシン)をマイクロタイタープレート(MTP)の表面に固定化する(=コーティング)。プラスチック表面の不飽和結合部位をブロックし、次いで表面をそれぞれの他の結合パートナーと共にインキュベーションする。インキュベーション後に、過剰の未付着タンパク質を洗浄工程で除去する。適当な抗体を使用すると、特異的に結合したタンパク質を検出し、定量化することがここに可能となる。ここでは、抗体に対する蛍光標識としてランタニドキレートを用い、そして時間分解蛍光測定法を使用することによりシグナル−ノイズ(S/N)比をかなり改善することが可能である。
【0035】
固相アッセイについては、まず、最善のコーティングおよびインキュベーション条件の特徴を定めた。ジキシン成分(GST−ジキシン(1−142)またはジキシン(1−142))が、マイクロタイタープレート(MTP)をコーティングするのに非常に適していることがわかった。固定化したジキシンに特異的に結合したVASPを検出するためには、マウスIgGsに対するランタニド標識抗体を使用してそれらの部分について検出できるVASPに対するモノクローナル抗体を使用することができる(Wallac:DELFIA抗マウス−Eu(N1))。
【0036】
現行のアッセイプロトコールはインキュベーション工程五工程および洗浄工程三工程からなる:
1.空のMTPをGST−ジキシン(1−142)(コーティング)と共にインキュベーションする
2.BSA(ウシ血清アルブミン)でブロックする
3.PBS(洗浄緩衝液)で洗浄する
4.VASP(リガンド)と共に(試験物質と共にまたはなしで)インキュベーションする
5.PBSで洗浄する
6.検出ミックス:α−VASP(モノクローナル抗VASP抗体)+α−マウス−Eu(=Wallacからのユウロピウム標識抗マウス抗体)と共にインキュベーションする
7.DELFIA洗浄溶液で洗浄する
8.結合ランタニド錯体を遊離させ、蛍光定量測定する。
【0037】
試薬/タンパク質が選択されると、昆虫細胞(バキュロVASP)から得られた完全アミノ酸配列を有する組換えヒトVASPタンパク質は、大腸菌(E.coli)で発現され、そこから得られたVASPまたはVASPドメインよりも、顕著に一層優れたシグナル/ノイズ(S/N)比を有することがわかった。
【0038】
実施例2:VASP−ジキシン固相(DELFIA)アッセイの特性
コーティング(GST−ジキシン(1−142))およびリガンドインキュベーション(VASP)の最適条件を試薬の滴定により定めた。GST−ジキシン(1−142)によるMTPの飽和コーティングは5μg/mlのコーティング溶液濃度で達成される(図1a)。使用する容量/ウエルは選択されたMTP形式(96ウエルプレートに対して50μlまたは100μl、384ウエルプレートに対して20μl)に左右される。使用するリガンドがVASPである場合のインキュベーションについては、5μl/mlの濃度が同様に最善のS/N比を有する数値であることがわかった(図1b)。
【0039】
実施例3:検出
アッセイをさらに最適化する過程で、モノクローナル抗体の選択が結合VASPの検出にとって非常に重要であることがわかった。抗VASP抗体mAB IE245と比較して、抗体IE273を使用した場合は、マグニチュード約1オーダでの一層よいS/N比が得られた。IE273抗体の使用量を最適化すると、この量は先に使用したVASPの量に左右されることがわかった。最適S/N比はIE273対VASP1:16のモル比(質量比1:4)であることがわかった。VASP5μg/mlの濃度でのインキュベーションについて、検出をIE273の1.25μg/mlを使用して実施すると、最良のシグナルが結果として得られた。このことはまた洗浄工程の最適化または減少に関連して重要なことである。それは、VASPとのインキュベーションと検出との間の洗浄工程が重要であり、省略してはならないことがわかったからである。
【0040】
実施例4:ペプチド作用性阻害剤による競合実験
これまでは、VASP/ジキシン相互作用の非ペプチド作用性阻害剤は知られていない。可能性のある阻害剤の作用を刺激するために、ジキシンのVASP結合モチーフ(motive)(FPPPP)を含んだ競合ペプチドを使用して阻害試験を実施した。初期の研究(Niebuhr et al.(1997)EMBO J.16,5433)では,このモチーフでの突然変異およびVASP/ActA相互作用(同様にActAでのFPPPPモチーフに対するVASPの結合に基づく)の阻害に対するそれらの効果が検討されていた。野生型配列FPPPPと比較して、APPPPモチーフを有するペプチドはかなり劣る阻害を示したのに対して、WPPPPモチーフを有するペプチドは野生型モチーフよりもさらに良い阻害を示すことがわかった(阻害:WPPPP>FPPPP>APPPP)。相当する突然変異を有するジキシンペプチドを使用してVASP/ジキシン相互作用と競合させた。ペプチドの見掛けの阻害定数については、VASP/ActA相互作用についての順列と同じ順列がみられた(図2):WPPPP>FPPPP>APPPP。
【0041】
このことから、競合物質の使用そしてまたおそらくは異なったタイプの阻害剤の使用により、記載したアッセイによって検出し得るVASP/ジキシン相互作用に影響を及ぼし得ることを示している。
【0042】
実施例5:溶剤耐性
このアッセイがHTSに使用しうることを確実にするために、このアッセイは物質ライブラリーの標準溶剤に対して十分耐性でなければならない。一般には、これらの標準溶剤はジメチルスルホキシド(DMSO)およびメタノールである。これらの二種の溶剤に対するアッセイの耐性を試験するために、メタノールおよびDMSOの濃度を増加させてインキュベーション(一定のコーティングおよび一定のリガンド濃度(VASP)での)を実施した。25%の濃度まで、メタノールは実際のところアッセイに対して効果がなく(図3a)、これに対してDMSO25%ではシグナルはほぼ半分に減少した(図3b)ことがわかった。しかしながら、通常スクリーニングに使用されている1〜5%のDMSO濃度では、シグナルの減少は僅か15%までであり、これはHTSアッセイに許容し得るものである。
【0043】
実施例6:小型化
上記の方法で、アッセイを最初96ウエルプレートで実施した。ここで、アッセイ容量を100μl/ウエルから50μl/ウエルに低減することができた。HTSで使用するためにアッセイをさらに小型化するのに、アッセイを384ウエルプレートに適合させた。このために、異なった表面および色を有する様々な製造業者の384ウエルプレートを試験した。試験したプレートのうち、Greinerからの384ウエルプレートについて最も良い数値が見られた。ここで、黒色のプレートのバックグラウンドが特に低くても、白色および黒色のプレートは極めて類似した様式で作動する。試験した表面(低度の結合、未処理、高度の結合)のうち、未処理表面で最も良い結果が得られた。
【0044】
384ウエルプレートを使用することにより、アッセイ容量をさらに20μl/ウエルに減少させることができた。幸いにも、小型化の追加の効果として、S/N比が約100にさらに改善された。
【0045】
実施例7:チャート:アッセイプロトコール(384ウエルプレートについて)
【表1】
【0046】
実施例8:蛍光標識したVASPおよびジキシンまたはジキシン誘導体のエネルギー伝達を使用する均一なアッセイ:
均一なアッセイのために、昆虫細胞から単離した、完全なアミノ酸配列を有するヒトのVASP(SF21)を使用し、特異的抗体を介して間接的に蛍光標識を付けた。使用した結合パートナーは、初めは、結合されたビオチンを介して、エネルギー伝達のために他の発蛍光団に同様に結合し得るVASP結合モチーフFPPPPを有するペプチドであった(ストレプトアビジンーAPC)。しかしながら、次の実験では、使用したVASP結合パートナーは、ペプチドに代わって、これらのFPPPPモチーフを数個含有しているジキシンのN−末端とのGST融合タンパク質(GST−ジキシン(1−142))であった。この目的には、GST−ジキシン(1−142)を大腸菌で発現し、精製しそしてビオチンで共有結合修飾した。それで、蛍光標識した結合パートナー間のエネルギーの伝達を測定することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 GST−ジキシン(1−142)によるMTPのコーティング:飽和は5μg/mlのコーティング溶液濃度で達成される。
【図1b】 VASPによるMTPのコーティング:使用するリガンドがVASPである場合のインキュベーションについては、5μg/mlの濃度が最も良いS/N比を生じることがわかった。
【図2】 APPPP、FPPPPまたはWPPPPモチーフを含有するペプチドを競合させることによるVASP/ジキシン相互作用の抑制。
【図3a】 メタノール耐性の測定:一定のコーティングおよび一定のリガンド濃度(VASP)での増加メタノール濃度によるインキュベーション;25%の濃度まで、メタノールは実質的にはアッセイに効果を有していない。
【図3b】 DMSO耐性の測定:一定のコーティングおよび一定のリガンド濃度(VASP)での増加DMSO濃度によるインキュベーション;DMSOは25%でシグナルをほぼ半分までに低減させる。
Claims (14)
- ヒトジキシンまたはその誘導体のEVH1結合ドメインとヒトVASPまたはその誘導体のEVH1ドメインとの間の相互作用を調節する化合物であって、心血管系疾患、炎症性疾患または血管の疾患の治療に用いられる化合物を同定する方法において、以下のプロセス工程:
a)EVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質、および、EVH1ドメインを含むヒトVASPを試験すべき化合物とを接触させ;
b)a)による混合物を、EVH1ドメインを含むヒトVASPに特異的に結合する抗体と共に、インキュベーションに使用し、ここで該抗体はハイブリドーマ細胞DSM ACC2444により産生されるモノクローナル抗体mAB IE245、またはハイブリドーマ細胞DSM ACC2445により産生されるモノクローナル抗体mAB IE273であり;
c)b)による混合物を、混合物b)からの抗体と特異的に結合することができ、かつ生化学的にまたは物理化学的に検出し得る標識を付けた抗体と共に、インキュベーションに使用し;
d)c)に従ってインキュベーションした後、c)からの抗体上の標識を生化学的にまたは物理化学的に検出する
ことからなる、上記方法。 - プロセス工程a)による化合物との接触が、固体からなり、そしてEVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質でコーティングされている表面で生じ、ここでこのEVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質はEVH1ドメインを含むヒトVASPと相互作用する、請求項1記載の方法。
- 固体からなる表面がマイクロタイタープレートの一部を形成している請求項2記載の方法。
- 生化学的にまたは物理化学的に検出可能な標識が放射性同位元素、蛍光染料または酵素である抗体をプロセス工程c)によるインキュベーションに使用する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 酵素がアルカリホスファターゼまたはβ−ガラクトシダーゼである抗体を使用する請求項4記載の方法。
- 蛍光染料がランタニド錯体である抗体を使用する請求項4記載の方法。
- 使用するランタニド錯体がユウロピウム錯体である請求項6記載の方法。
- 医薬を同定するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 化合物が、配列WPPPPを有するペプチドである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法によって同定可能な化合物。
- EVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質でコーティングされている表面を有する固体。
- EVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質がEVH1ドメインを含むヒトVASPと相互作用する請求項10に記載の固体。
- マイクロタイタープレートである請求項10または11に記載の固体。
- ヒトジキシンまたはその誘導体のEVH1結合ドメインとヒトVASPまたはその誘導体のEVH1ドメインとの間の相互作用を調節し得る化合物を同定する方法において、以下のプロセス工程:
a)EVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質をEVH1ドメインを含むヒトVASPと試験すべき化合物少なくとも一種の存在下で接触させ、ここで、それぞれの場合に、EVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質とEVH1ドメインを含むヒトVASPとの間でエネルギー伝達を可能とする蛍光染料を、EVH1結合ドメインを含むヒトジキシン(1−142)またはヒトジキシン(1−142)とグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質および/またはEVH1ドメインを含むヒトVASPに結合させ;
b)a)に従ってインキュベーションした後に分光測定する
ことからなる上記方法。 - 使用する蛍光染料がAPC、Cy5またはランタニド錯体、特にユウロピウム錯体である請求項13記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE10058596A DE10058596A1 (de) | 2000-11-25 | 2000-11-25 | Verfahren zum Screening von chemischen Verbindungen zur Modulierung der Wechselwirkung einer EVH1-Domäne oder eines Proteins mit einer EVH1-Domäne mit einer EVH1-Bindedomäne oder einem Protein mit einer EVH1-Bindedomäne sowie ein Verfahren zum Nachweis besagter Wechselwirkung |
PCT/EP2001/013592 WO2002042777A2 (de) | 2000-11-25 | 2001-11-22 | Modulierung der wechselwirkung zwischen evh1-domänen |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004536277A JP2004536277A (ja) | 2004-12-02 |
JP2004536277A5 JP2004536277A5 (ja) | 2005-12-22 |
JP4437003B2 true JP4437003B2 (ja) | 2010-03-24 |
Family
ID=7664666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002544665A Expired - Fee Related JP4437003B2 (ja) | 2000-11-25 | 2001-11-22 | Evh1ドメインまたはevh1ドメインを有するタンパク質とevh1結合ドメインまたはevh1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節する化合物をスクリーニングする方法およびその相互作用を検出する方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7563582B2 (ja) |
EP (1) | EP1405079B1 (ja) |
JP (1) | JP4437003B2 (ja) |
AU (1) | AU2002224875A1 (ja) |
DE (1) | DE10058596A1 (ja) |
WO (1) | WO2002042777A2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100478689C (zh) * | 2002-08-30 | 2009-04-15 | 肿瘤疗法科学股份有限公司 | 多肽及其用途 |
CN106442441B (zh) * | 2016-09-06 | 2019-04-02 | 中国科学院南京地理与湖泊研究所 | 基于荧光光谱积分比值判定有色可溶性有机物来源的方法 |
CN110058015A (zh) * | 2019-04-08 | 2019-07-26 | 深圳优普生物技术有限公司 | 试剂、试剂盒、血小板反应指数的测定方法及应用 |
CN110135354B (zh) * | 2019-05-17 | 2022-03-29 | 武汉大势智慧科技有限公司 | 一种基于实景三维模型的变化检测方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8927503D0 (en) * | 1989-12-04 | 1990-02-07 | Kronem Systems Inc | Enzyme-amplified lanthanide chelate luminescence |
FI100276B (fi) | 1996-02-06 | 1997-10-31 | Orion Yhtymae Oy | Menetelmä analyyttien ei-kilpailevaa määritystä varten |
EP0795334B1 (de) * | 1996-03-12 | 2006-02-01 | Sanofi-Aventis Deutschland GmbH | Neuartige Prodrugs für die Therapie von Tumoren und entzündlichen Erkrankungen |
WO1998001755A1 (en) | 1996-07-05 | 1998-01-15 | Fred Hutchinson Cancer Research Center | Screening method for mena protein involved in microfilament dynamics |
FI963989A (fi) | 1996-10-04 | 1998-04-05 | Wallac Oy | Homogeenisiä määritysmenetelmiä, jotka perustuvat luminesenssienergiasiirtoon |
WO2001074858A2 (en) | 2000-04-03 | 2001-10-11 | Massachusetts Institute Of Technology | Methods for altering t cell activation |
DE10029210A1 (de) | 2000-06-14 | 2002-01-31 | Vasopharm Biotech Gmbh & Co Kg | Testsystem sowie dessen Verwendung |
-
2000
- 2000-11-25 DE DE10058596A patent/DE10058596A1/de not_active Ceased
-
2001
- 2001-11-21 US US09/989,188 patent/US7563582B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2001-11-22 AU AU2002224875A patent/AU2002224875A1/en not_active Abandoned
- 2001-11-22 EP EP01994703A patent/EP1405079B1/de not_active Expired - Lifetime
- 2001-11-22 JP JP2002544665A patent/JP4437003B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2001-11-22 WO PCT/EP2001/013592 patent/WO2002042777A2/de active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE10058596A1 (de) | 2002-06-06 |
WO2002042777A3 (de) | 2004-01-15 |
JP2004536277A (ja) | 2004-12-02 |
EP1405079B1 (de) | 2012-05-30 |
US20020136717A1 (en) | 2002-09-26 |
US7563582B2 (en) | 2009-07-21 |
WO2002042777A2 (de) | 2002-05-30 |
AU2002224875A1 (en) | 2002-06-03 |
EP1405079A2 (de) | 2004-04-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9778252B2 (en) | Analyte detection | |
US7063946B2 (en) | Methods, reagents, kits and apparatus for protein function analysis | |
KR20120116396A (ko) | 교정 시약 및 이의 용도 | |
JP2000508075A (ja) | 発光特異的結合アッセイ | |
JP2006503552A (ja) | キナーゼ活性及びホスファターゼ活性の測定方法 | |
WO2006031815A2 (en) | Methods and compositions for proximity assays | |
US6127136A (en) | Detection of dioxin-like compounds by detection of transformed Ah receptor/ARNT complex | |
US20070054338A1 (en) | Single receptor assays for immunosuppressive drugs | |
KR101548284B1 (ko) | 신규한 시료 내 검출대상물의 검출방법 및 그를 이용한 검출키트 | |
JP4437003B2 (ja) | Evh1ドメインまたはevh1ドメインを有するタンパク質とevh1結合ドメインまたはevh1結合ドメインを有するタンパク質との相互作用を調節する化合物をスクリーニングする方法およびその相互作用を検出する方法 | |
US20070238143A1 (en) | Metal ion mediated fluorescence superquenching assays, kits and reagents | |
WO2009000965A1 (en) | Homogeneous assay for kinase and phosphatase activity | |
CA2426446C (en) | Detection of binding species with colloidal and non-colloidal structures | |
CN102628871B (zh) | 甲状腺激素固定载体的液体试剂及其用途 | |
JP7058081B2 (ja) | サイクリン依存性キナーゼ基質 | |
JP4455688B2 (ja) | 分析物遊離段階を可能にするアッセイ用表面 | |
EP0682254A1 (en) | Enzyme linked chemiluminescent assay | |
US20050064446A1 (en) | Detection of binding species with colloidal and non-colloidal structures | |
WO2006006456A1 (ja) | 亜鉛キレート剤を用いたsprによるリン酸化検出方法 | |
JP2002014102A (ja) | タンパク質の検出方法、プローブペプチドおよびインシュリンの検出方法 | |
JPH08166382A (ja) | 尿中の被検出物質の検出方法およびそれに用いる検出用キット | |
GB2402743A (en) | Inositol 1, 4, 5 trisphosphate assays | |
JP2007010433A (ja) | 新規リン酸化検出方法 | |
WO1999038012A1 (en) | Assay for detection of phosphate or carbohydrate groups on serine residues | |
JP2003254966A (ja) | 抗カルパスタチン抗体の測定法及び測定キット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041112 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080603 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080716 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090225 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090310 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090708 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20090804 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090915 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091030 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091208 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100104 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |