JP4436942B2 - 微細作業用マイクロマニピュレーション装置及び微細作業用マイクロプローブ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、極めて微細な顕体加工試料を、光学または電子顕微鏡の視野の中に捉えて、その画像を観察しながら加工や移動等のハンドリングを行なうためのツールを搭載する装置に関するものであり、更に詳しくは、顕体加工試料の顕微鏡観察方位、位置合わせとマニピュレータ作業の最適化を実現するための装置に係わる。
【0002】
【従来技術】
従来より、微小な顕体加工試料を、単に顕微鏡で観察するのではなく、顕微鏡下で極めて微細な加工を行なうという所謂微細作業は一般的に行なわれていた。しかしながら、特に近年、マイクロマシンの開発あるいはバイオ関連の技術の発達に伴い、顕体加工試料を顕微鏡視野の中に捉えてマニピュレータを用いて何らかの高度な加工を加えることに対する要求と重要性は、その精度の向上とともにいままで以上に高度化しつつある。この技術は、単に対象となる顕体加工試料の微小化に伴なう運動分解能の高精度化を要求するのみならず、極微小な顕体加工試料を顕微鏡視野の中で、特定部位を操作するハンドリング技術の高精度化と簡易化を要求するものであり、顕体加工試料側の動きの自由度を多くした上で微小作業の操作性、確実性を確保したものでなければならない。
【0003】
微小な作業に必要とされる動きは、顕体加工試料あるいはマニピュレータのX軸、Y軸及びZ軸方向への直線移動、およびZ軸回りの回転運動に集約される。各軸方向の直線移動は、例えば数10μmレベルでの微小な移動であれば、従来よりピエゾ素子にフィードバック用の変位検出機能を付加したものが一般的に用いられており、これによれば、変位検出手段にもよるが、極めて高い分解能も比較的容易に実現することが可能である。
【0004】
また、回転運動については、一つの固定点を定めた上でその固定点回りの回転自由度を考慮した動きが可能であり、顕体加工試料を載置する試料ステージおよびマニピュレータを設置した駆動台を各々別個に回転することにより正確な回転を分解能高く行なうことができる。この場合回転中心は固定されており、微細加工作業においてはマニピュレータのプローブの先端が常に固定されているという利点を有する。また、本発明者等はすでに特願平10−62605において、回転中心を任意の位置に設定可能な微細作業用の作業台について提案を行なっている。
【0005】
実際の微細加工作業、特にバイオテクノロジー分野においては顕体加工試料が生体であり、その形態は複雑な3次元構造をとる。そのため、顕微鏡視野下においてまず顕体加工試料を捉え、その加工作業を行なう特定加工部位及び加工方位を確定し観察顕微鏡光軸に固定した上で、その部位を自在に回転しあるいは傾斜転動し、同時にマニピュレータのプローブも同様に位置を変位させながら微細加工作業を行なうという3次元的な動きをさせることが極めて重要である。しかしながら、従来の微細作業用装置においては、顕微鏡下の微細加工作業は主として2次元をベースとした動きであり、顕体加工試料あるいはマニピュレータを傾斜転動させて観察および作業を行なうという3次元的な機能は具備されておらず、それを行なうには顕体加工試料の載置位置や角度を変えたり、マニピュレータのプローブを変更しなければならず、極めて煩雑さを伴なう作業であった。
【0006】
また、従来のこの種のマイクロマニピュレーション装置の場合、実際の微細加工作業を行なうには先端に加工用のプローブを搭載したマニピュレータを用いるものである。マニピュレータを動かすことによりその先端のプローブで顕体加工試料の加工を行なうのであるが、上述の複雑な動きをするマニピュレータの個数は通常1個であり、また加工用のツールとしては針状のプローブを用いることがほとんどである。また、顕体加工試料の動きと、プローブの動きは独立したものとして設計されている。更に、加工作業における加工点の確認は、比較的視野が狭くまた焦点深度の浅い顕微鏡画像の中で行なうのであるから、制限が多く難度の高いものであった。従って、従来のこのようなマイクロマニピュレーション装置では特に生体を顕体加工試料とした複雑な微細加工作業への対応が難しく、より高度なバイオ関連技術発展のためには、より高度のマイクロマニピュレーション装置の開発が待たれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は上述のマニピュレータの持つ問題点に鑑み、サブミクロンオーダーの精度での平面移動運動、回転運動および傾斜転動運動の可能な手段の実現について鋭意研究を行なった結果、従来の顕体加工試料ステージとマニピュレータ駆動台が相互に拘束を受けず、別個の駆動系にて各々独立した動きをする限り、微細作業はその操作性および確実性に欠けることを見出したものである。更に、顕体加工試料ステージとマニピュレータ駆動台の主たる動きを基本的には結合させた上で、各々の微細な動作は主たる動きとは別に独立で可能な構造とすることで作業の操作性および確実性を格段に向上することができることを見出し、本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置を開発するに至ったものであり、その目的とする所は、極微細領域の観察、加工、確認を円滑かつ確実に行なうための位置、方位、角度の設定と加工作業更には確認が容易に可能な微細作業用マイクロマニピュレーション装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的は、X軸及びY軸方向への任意の移動が可能でかつ顕体加工試料3の表面上に引かれ、顕微鏡10の光軸A−A’と交差する仮想直線B−B’軸を回転中心とする傾斜回転駆動が可能な可動ベース1と、X軸、Y軸及びZ軸方向への任意の移動が可能でかつ回転駆動が可能な顕体加工試料載置用の顕体加工試料ステージ2と、少なくとも1台のマニピュレータ駆動ユニット7を載置してなり、顕微鏡10の光軸A−A’を回転中心として回転駆動が可能なマニピュレータベース5とから構成され、前記可動ベース1の上には、前記顕体加工試料ステージ2が設置され、更にマニピュレータベース支持体4を介して前記可動ベース1の上に、前記マニピュレータベース5が設置されていることを特徴とする微細作業用マイクロマニピュレーション装置によって達成される。更に本発明は、前述の微細作業用マイクロマニピュレーション装置を含む微細作業用マイクロプローブであって、前記微細作業用マイクロマニピュレーション装置を構成するマニピュレータ駆動ユニットの先端には針状プローブ、マイクロピペット用プローブおよび静電プローブよりなる微細加工用のプローブのうちのいずれかを取り付けることが効果的である。
【0009】
また、マニピュレータベース5上に載置されたマニピュレータ駆動ユニット7は以下の如き構成であることが好ましい。すなわち、まず、マニピュレータベース5上にはマニピュレータ粗動ステージ6が設置されており、その上にマニピュレータ駆動台8が載置固定されていて、その駆動台上には微細作業用マニピュレータ9が設置できるようになっている。そして、マニピュレータ粗動ステージ6も、マニピュレータ駆動台8もいずれもX軸、Y軸及およびZ軸方向への任意の移動が可能な構造を有するものであるが、このうち、マニピュレータ粗動ステージ6の動きは最初の精度の粗い位置合わせを目的としたものであって、その駆動手段としては例えば微動ネジ等を使用したマニュアル駆動をあげることができる。また、マニピュレータ駆動台8の動きは実際の微細作業を行なうためのものであるから、例えば、ピエゾ圧電素子の電圧印加時の変化量を圧電素子に直結する材料の弾性変形を利用して機構的に拡大し、その変位量をひずみ計測し、マニピュレータの必要移動量にフィードバックし制御することにより極めて微小な変位量を極めて高い精度で具現化されるものであることが好ましい。
【0010】
本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置においては、例えば、任意の方向への平面移動と試料上の直線を中心とした回転が可能なベース上に、作業台と少なくとも1台のマニピュレータを置くことによって、作業台とマニピュレータの動きを基本的に結合し、加工点すなわち試料表面とプローブ先端が顕微鏡の視野から外れることを防止し、しかも微細作業に必要な作業台とマニピュレータの微細な動きは、各々の位置で独立に行なえるようにしたものである。本発明においては、上述のマニピュレータ駆動ユニットは複数台設けることが好ましい。複数台のマニピュレータ駆動ユニットを設けることにより、複数台のマニピュレータあるいは異なったプローブを持ったマニピュレータが設置可能であり、それにより複雑な作業をより確実に精度よく行なうことが可能となる。複数台のマニピュレータには同等のプローブを取り付けてもよいし、また異目的のプローブを組み合わせて取り付けてもよく、本発明においては、針状プローブ、マイクロピペット用プローブおよび静電プローブのいずれかであることが好適である。そしてその先端は、極小R加工を施したものが微細加工用のツールとして好ましく、また、マイクロピペット用プローブは試料面に対して30〜45度の傾斜をもって接触するようにマニピュレータに取り付けられていることが好ましく、更にまた各マニピュレータには歪センサーが取り付けられていることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置の全体を示す説明図であり、図2はその主要部分を拡大して示したものである。また、図3はその主要部分の断面を示す説明図である。これらの図面から明らかなように、本発明になる微細作業装置は一体構造のものとして顕微鏡に付属するチャンバー15内に収納されてなり、またこれと独立して顕微鏡10が設置されている。チャンバー15と顕微鏡10の位置は常時固定されており、通常の作業の中では変更されることはない。
【0012】
可動ベース1の上に顕体加工試料ステージ2が設置されており、その頂部に顕体加工試料3を載置することができ、その載置位置は顕微鏡10の光軸A−A’と交差する位置にある。マニピュレータベース支持体4は可動ベース1上に固定され、その上に円盤状のマニピュレータベース5が載置されている。マニピュレータベース5の開孔部に顕体加工試料3が突出して位置するように配置されている。可動ベース1はX軸及びY軸方向への任意の移動が可能であると同時に加工試料表面上に引いた仮想直線B−B’を回転中心として約45度を限度とする角度で傾斜回転駆動が可能である。この可動ベース1のX軸及びY軸方向への駆動は加工顕体加工試料3の作業部位の顕微鏡光軸A−A’への位置あわせに必要なものであり、直線B−B’を回転中心とした傾斜回転駆動は、顕体加工試料3の観察方位及び角度の設定に必要なものである。可動ベース1のX軸及びY軸方向への駆動および直線B−B’を回転中心とした傾斜回転駆動は、変位量等を考慮して、例えばマイクロモーター等を使用して行なうことができる。また、可動ベース1のX軸方向への駆動および直線B−B’を回転中心とした傾斜回転駆動はチャンバー15の外部に設置された可動ベース操作用つまみ14を操作することにより行なうことも可能である。
【0013】
マニピュレータベース5は顕微鏡10の光軸A−A’を中心とした任意の回転駆動が可能な構造を有する。このマニピュレータベース5の回転はマニピュレータ9、9’の作業方位の設定に必要なものであり、その駆動は例えばマイクロモーター等を使用して行なうものである。更に、マニピュレータ駆動台8、8’はこれをX軸、Y軸あるいはZ軸の任意の方向へ正確に作動することにより、マニピュレータプローブによる実際の微細作業を行なうものであるから、極めて高い精度での微小駆動が必要である。従って、マニピュレータ駆動台8、8’の駆動は、微小でかつ正確な動きが必要であることから、ピエゾ圧電素子の電圧印加時の変化量を圧電素子に直結する材料の弾性変形を利用して機構的に拡大し、その変位量をひずみ計測し、マニピュレータの必要移動量にフィードバックし制御する方法を採ることがもっとも好ましい。
【0014】
上述の通り、加工顕体加工試料3およびマニピュレータ9、9’は可動ベースに従動して一緒に動くのであるから、その相対的位置は変化せず、試料の加工部位とマニピュレータプローブ11,11’の先端との位置ズレは起こることはない。一方、微細加工作業に必要とされる微細かつ精度の優れた動きは、個々のマニピュレータ駆動台8、8’および顕体加工試料ステージ2に別個に取り付けられた駆動装置により任意に可能である。すなわち、マニピュレータ駆動ユニット7、7’と、顕体加工試料ステージ2はそれぞれ独立に動作可能な状態を保持しながら剛的に結合されているのである。
【0015】
本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置においては、マニピュレータ粗動ステージ6及び6’の駆動が例えばマニュアルで行われる以外は、全ての駆動は、各々独立した駆動回路を有しCPU制御されて行われる。これは各々の駆動部、就中、各マニピュレータ駆動ユニット7、7’が独立した駆動を可能とすることにより、試料加工の容易性、確実性を高めると同時に、加工の自由度を増加せしめることが可能となる。
【0016】
本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置は、その微細作業が数十倍から数千倍程度の倍率の顕微鏡視野下で行なわれることを大前提としているのであるから、その微細作業における標準的変位量は特に限定を受けるものではないが、大略200μmをその上限とするものである。この変位量は本発明のマニピュレータ駆動台の駆動がピエゾ圧電素子の電圧印加時の変化量を圧電素子に直結する材料の弾性変形を利用して機構的に拡大しそれを駆動源としていることから、十分に追随できる領域である。
【0017】
マニピュレータ9、9’のプローブ支持部の板バネ状のアーム12および12’には図4のマニピュレータプローブ拡大図に示すように歪センサー13、13’が取り付けられており、微細加工用プローブの顕体加工試料との接触あるいはその押圧力の強さ、あるいは離脱を検知することを可能にしている。ここで検知された信号は制御用コンピュータに送られ、マニピュレータおよび作業台の動きを必要に応じてコントロールすることができる。
【0018】
マニピュレータ9、9’に取り付けられる微細作業用のプローブ11,11’の形状については、特に限定を受けるものではないが、例えば顕体加工試料の切断、切開、一部切除、穿孔、接合、接着あるいは付加等の微細加工を行なう針状プローブ、ガスまたは液体の注入を行なうマイクロピペット用プローブ、あるいはプローブ先端と顕体加工試料との距離や形状の計測を行なう静電プローブであることが好ましい。針状プローブの場合は、その先端は最小で10nm程度の曲率で極小R加工したものであることが好ましく、先端Rを極小にするための加工性に優れていること並びに、強度、剛性、耐腐食性等の面からタングステン材が選択的に用いられる。また、その先端は金または白金でメッキしたものであってもよい。
【0019】
また、マイクロピペット用プローブは顕体加工試料にある種の気体または液体の注入を目的としたものでありガラス、石英あるいはステンレス等の金属製のものであって、その先端は針状で極小R加工したものであることが好ましい。さらに、注入用の液体がその先端で玉状になることを避けるために、その先端をテフロン加工することもできる。顕体加工試料が例えば、生体であるような場合、マイクロピペットの先端を試料内に生体の損傷を極力少なくし抵抗なく刺通するに適した角度は試料面に対して30〜45度とすることが好ましく、この範囲を外れると、刺通が円滑に行かなかったり、あるいは試料側の損傷が大きくて注入の効率が悪く適切ではない。
【0020】
さらに、試料が湿潤状態にない場合、プローブ先端に分子吸着や粉体の静電吸着が起こり、微細加工作業に支障を来たす場合があるので、この場合は図5に示すような試料接触先端部に電圧印加可能な配線を配した静電プローブを用い、先端部の電圧印加を行なわしめることが有効である。電圧印加は±電荷の切り替えが可能であり、プローブ支持部とは電気的に絶縁されている。このようにすることにより、プローブ先端は常時清澄に保たれており、微細作業の効率を妨げることはない。さらに、静電プローブの場合は試料との距離の検知、あるいは試料との接触の検知の機能を有するものである。
【0021】
微細作業の実行にあたっては、二本のマニピュレータの先端に取り付けるプローブの種類を、一方を針状プローブとし、他方を同一あるいはその他の種類のプローブとすることが有効である。このようにすることにより、針状プローブを取り付けたマニピュレータを試料押え用として用い、もう一方のプローブでの実際の微細加工をやり易く、またより確実にすることが可能である。この際、押えの程度を制御するためには、図6の例に示すようにプローブ支持部の板バネ状のアーム12に取り付けた歪センサー13の信号を制御コンピュータに入力しそれによりその力を加減することが有効である。また、2本の針状プローブを利用して、試料の挟み込み、移動、位置変更等が任意に可能である。
【0022】
本発明に使用される顕微鏡としては、高性能の種々の光学顕微鏡の他に、電子顕微鏡を挙げることができるが、特に、電子線による像観察を行なうタイプの顕微鏡においては試料を含めた全装置を高真空状態において観察し作業を行なうことが必要であるので、装置全体を高真空タイプのものとすることが必要となる。さらにこの場合は顕体加工試料作業台、マニピュレータを含んだ部材が例えばアルミ、燐青銅、タングステン、セラミックス、ガラス等の非磁性材料で構成されることが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下実施例に従い、本発明の微細作業用マイクロプローブによる試料のセッティングからプローブ操作に至るまでの微細作業の操作手順の一例を図面に従って説明するが、これにより特に限定を受けるものではない。
【0024】
実施例
まず、顕微鏡外での顕体加工試料とプローブのプリセットについて説明する。図3において、マニピュレータ回転中心点にプローブ11の先端を、マニピュレータ粗動ステージ6を駆動して合わせる。この際、Z方向の位置は標準試料位置(可動ベース1の傾斜回転センター)に合わせるようにする。次いで、顕体加工試料作業台2をZ方向に下げるように移動してその上に顕体加工試料3をセット、装置全体を顕微鏡に付属するチャンバー15にセットする。
【0025】
可動ベース1を駆動して、プローブ11の先端を顕微鏡の光軸に合わせ、次いでプローブ11の先端に顕微鏡の焦点を合わせる。この位置をフォーカスレベルとして顕微鏡焦点位置を固定する。マニピュレータ駆動台8を駆動してプローブ11をZ軸方向上方に移動したのち、顕体加工試料作業台2を駆動してZ軸方向上方に移動し、加工試料表面上の加工を行なうレベルが顕微鏡焦点、即ちフォーカスレベルに一致するようにする。次いで、X軸、Y軸を駆動し顕体加工試料の加工位置を設定し、更に試料を回転して加工方位を設定する。然る後、可動ベースを傾斜回転して加工角度を設定する。
【0026】
マニピュレータ駆動台8’を駆動してもう一方のマニピュレータ9’に取り付けられたプローブ11’をフォーカスレベルにまで移動し、プローブ操作により顕体加工試料3の微細加工作業を行なう。加工は、マニピュレータ駆動台8および8’のX、Y、Z軸方向の駆動とマニピュレータベース5の回転駆動によって行われる。また、これらのプローブ操作は顕微鏡画像を観察することによって、オペレーターが自在に行なうことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置によれば、光学または電子顕微鏡の視野の中に顕体加工試料を捉えて、その試料を見ながら顕微鏡視野下での顕体加工試料のマニピュレータによる加工を行なうという所謂微細作業において、その操作の確実性、迅速性を確立することが可能になった。就中、顕体加工試料を顕微鏡視野の中に捉えての上での顕体加工試料の変位、回転、転動を可能とし、更にまた加工用のツールであるマニピュレータプローブの微細かつ確実な動きを可能としたものである。すなわち、従来極めて不十分であった顕体加工試料の顕微鏡観察方位、位置合わせとマニピュレータ加工の最適化が本発明により初めて達成されたものであり、特に顕微解剖等を目的とするバイオ分野、ミクロンオーダーの機械の組立て加工、顕微鏡下での化学反応のダイナミック追跡あるいはトライボロジーの分野等においてその効果は極めて顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置の全体説明図である。
【図2】本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置の要部拡大説明図である。
【図3】本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置の要部の断面図である。
【図4】本発明になる微細作業用マイクロマニピュレーション装置のマニピュレータ駆動ユニットの説明図である。
【図5】針状プローブを示す説明図である。
【図6】マイクロピペット状プローブを示す説明図である。
【図7】静電プローブを示す説明図である。
【図8】歪センサーによるマニピュレータの制御の一例を示す図面である。
【符号の説明】
1:可動ベース、 2:顕体加工試料ステージ、 3:顕体加工試料、
4:マニピュレータベース支持体、 5:マニピュレータベース、
6、6’:マニピュレータ粗動ステージ、
7、7’:マニピュレータ駆動ユニット、
8、8’:マニピュレータ駆動台、
9、9’:マニピュレータ、 10:顕微鏡、
11,11’:微細作業用プローブ、
12,12’:プローブ支持部用アーム、
13,13’:歪センサー、
14:可動ベース操作用つまみ、 15:チャンバー、
16:絶縁素材、 17:ピエゾ素子+変位拡大機構、
A−A’:顕微鏡光軸、
B−B’:顕体加工試料上の仮想直線、
X、Y、Z:X軸、Y軸、Z軸方向を示すマーク
Claims (3)
- X軸及びY軸方向への任意の移動が可能でかつ顕体加工試料3の表面上に引かれ、顕微鏡10の光軸A−A’と交差する仮想直線B−B’軸を回転中心とする傾斜回転駆動が可能な可動ベース1と、X軸、Y軸及びZ軸方向への任意の移動が可能でかつ回転駆動が可能な顕体加工試料載置用の顕体加工試料ステージ2と、少なくとも1台のマニピュレータ駆動ユニット7を載置してなり、顕微鏡10の光軸A−A’を回転中心として回転駆動が可能なマニピュレータベース5とから構成され、前記可動ベース1の上には、前記顕体加工試料ステージ2が設置され、更にマニピュレータベース支持体4を介して前記可動ベース1の上に、前記マニピュレータベース5が設置されていることを特徴とする微細作業用マイクロマニピュレーション装置。
- マニピュレータ駆動ユニットが、マニピュレータ粗動ステージ6の上にマニピュレータ駆動台8が載置された構造であって、かつ前記マニピュレータ粗動ステージ6および前記マニピュレータ駆動台8が各々独自にX軸、Y軸及びZ軸方向への任意の移動が可能であることを特徴とし、前記粗動ステージの駆動は微動ネジによるマニュアル駆動で行われ、かつ前記粗動ステージはマニピュレータ駆動ユニットの微細作業に先立つ位置合わせを行なうことを特徴とする請求項第1項記載の微細作業用マイクロマニピュレーション装置。
- マニピュレータ駆動台8のX軸、Y軸及びZ軸方向への移動が、ピエゾ圧電素子の電圧印加時の変化量を圧電素子に直結する材料の弾性変形を利用して機構的に拡大し、その変位量をひずみ計測し、マニピュレータの必要移動量にフィードバックし制御することにより駆動されるものであることを特徴とする請求項第2項記載の微細作業用マイクロマニピュレーション装置。
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