JP4436847B2 - スプリンクラーヘッド固定金具 - Google Patents

Description

本発明は共同住宅の火災時に作動する自動消火用スプリンクラーヘッドの取付け（固定）金具に関するものである。

従来、共同住宅の天井スラブと天井板との間の空間又は間隔は一定ではないため天井板水準に設置するスプリンクラーヘッドを予めＬ形取付け金具の下端に設けるに当たり、Ｌ形金具に対するヘッドの取り付け位置及びＬ型金具のスラブへの水平方向の取り付け位置を調整する必要がある。

このため、天井スラブへの縦長取付け金具に１条又は２条の縦長孔案内ガイドを穿設してヘッドの高さ調整を可能としたものが提案されているが、スラブ〜天井板の間隔の相違への適応に限度があった（例えば特許文献１〜４）。

また、天井板の水平方向に比較的広範囲位置にスプリンクラーヘッドを装着することは比較的困難であり、上下方向取付け管にベローズ管を用いたとしても大径垂直固定筒の範囲内で範囲は狭い（例えば特許文献１，５）。

さらに天井板直上に２条の形鋼材による天井材２ａ，２ａ上に任意位置に架設した固定材２にスプリンクラーヘッドを取付けたため多量の形鋼材の枠を要した（例えば特許文献５）。

特開２００５−３１９２７８号 特開２００２−２３９０２４号 特開平１１−５１２７５号 特開平１１−３４４１６０号 特開平９−１１７５２６号

本発明は天井スラブと天井板との間の空間又は間隔にそれぞれ狭広相違があるにも拘わらず、１個のＬ形金具のみで天井板の広範囲の高低にスプリンクラーヘッド位置を対応させることを可能とするスプリンクラーヘッド固定金具を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため本発明は、
第１に、長短直交腕にそれぞれ長孔案内ガイドを穿設してなるＬ形金具の両端に該金具の内側に向う該両端とそれぞれ直交する直交小片を屈曲形成し、これらの直交小片にそれぞれ雌螺孔を穿設し、上記何れかの雌螺孔に螺杆を螺合し、該螺杆の外端に介挿して該螺杆の外端に設けたネジ頭でスプリンクラーヘッドの送水筒端部を昇降自在に支持し、上記送水筒の他端部を上記螺杆螺合側の上記腕の長孔案内ガイドに摺動自在に係合し、上記螺杆螺合側の上記腕と直交する他方の腕に穿設した長孔案内ガイドを経て天井スラブに上記Ｌ形金具を支持するよう形成してなるスプリンクラーヘッド固定金具により構成される。
第２に、上記両腕のそれぞれ先端において上記案内ガイドがそれぞれ直交小片の基部に開口し、該開口から上記送水筒の上端部を上記ガイドに出入させるよう形成した上記第１発明記載のスプリンクラーヘッドの固定金具により構成される。
第３に、上記天井スラブに防振材取付け枠をアンカーボルトで固定し、該取付け枠の内部に防振材を設け、該防振材を介して上記取付け枠の下部に配設した上記Ｌ形金具を支持してなる上記第１又は第２発明記載のスプリンクラーヘッド固定金具により構成される。
第４に上記Ｌ形金具の一方の腕を天井スラブに支持し、他方の腕の上部に防振材取付け枠を介設し、該枠の内部に防振材を設け、該防振材を介して上記他方の腕の下部を上記取付け枠に垂設した上記第１〜第３発明のいずれかに記載のスプリンクラーヘッド固定金具により構成される。

従って、天井スラブと天井板との空間が高い場合はＬ形金具の短い腕をスラブ下面に当接し、短い長孔案内ガイドを経て釘又はボルトをスラブに打設又は螺入してＬ形金具をスラブに固定し長い腕を下方に垂下固定することができ、長い腕の下端部に送水筒を螺杆のネジ頭及び長孔案内ガイドに摺動自在に係合して該送水筒を昇降調整し、送水筒下端に設けたスプリンクラーヘッドを天井板の適位置に配置固定することができる。

天井スラブと天井板との空間が低い場合はＬ形金具の長い腕をスラブ下面に当接し、長い長孔案内ガイドを経て釘又はボルトをスラブに打設又は螺入してＬ形金具をスラブに固定し、短い腕を下方に垂下固定することができ、短い腕の下端部に送水筒を螺杆のネジ頭及び長孔案内ガイドに摺動自在に係合して該送水筒を昇降調整し、送水筒下端に設けたスプリンクラーヘッドを天井板の適位置に配置固定することができる。

本発明は上述のように構成したので、長短直交腕のどちらの側であっても、スラブへの固定、スプリンクラーヘッドの取り付けが可能であるため、天井スラブ下面に沿って長孔案内ガイドを摺動調整し得て、スプリンクラーヘッドの位置を広範囲に水平方向に調整し釘又はネジでこれをスラブに適位置に固定し得るばかりでなく、該適位置においてスプリンクラーヘッドを上下方向に高く又は低く天井板水準位置に広範囲に調整し得る効果がある。

Ｌ形金具１は長方形板を長手方向に直角に屈曲ａし、かつ両縁１ａ，１ａを同方向に起立状態で屈曲し、該屈曲縁１ａ，１ａを上記直角屈曲部ａにおいて１体に溶着することによって断面下向コ形直交長短腕１’，１”となす。

上記腕１’，１”の先端にはそれぞれ屈曲縁１ａ，１ａ側（内側）に上記長方形板を直角に屈曲して直交小片２，２を形成し、該小片２の屈曲部に上向コ形切欠開口部２’（図３（ニ））を形成し、かつ上記長方形板にそれぞれ該切欠部２’，２’に開口する長孔案内ガイド８，８を形成する。

上記長孔案内ガイド８，８の長さは上記直交長短腕１’，１”の長さに相応して長短に形成され、上記直交小片２，２にはそれぞれ雌螺孔３を穿設する。

上記何れかの雌螺孔３（上下方向螺孔）には螺杆４を外側（下側）から上記長孔案内ガイド８に沿って螺入するが、該螺杆４の外端（下端）に設けたネジ頭５と上記小片２との間に、スプリンクラーヘッド６の直立送水筒７の下端部（端部）に突設した横向突起７’を介挿し、該横向突起７’に穿設した透孔１０に上記螺杆４を挿通して該突起７’を上記小片２と上記ネジ頭５との間に挟持する。

又上記直立送水筒７の上端部（他端部）には上記案内ガイド８との係合用突起７”を設け、該突起７”の両側に形成した縦溝７ａ，７ａを上記長孔案内ガイド８の縦縁８’，８’に昇降摺動自在に係合させる。上記突起７”（上記送水筒７の上端部）は上記小片２の上記開口部２’から上記案内ガイド８に沿って出入させる。

上記送水筒７の下端にはスプリンクラーヘッド６を設け、上端には横向送水口７ｂを開口し、上記ネジ頭５の左右回動によって上記送水筒７及びスプリンクラーヘッド６は横向突起７’を介して昇降調整することができる（図１、図２の二点鎖線参照）。

スプリンクラーヘッド６の位置は図１に示すように長腕１’の案内ガイド８に沿って昇降調整され、又は図２に示すように短腕１”の案内ガイド８に沿って昇降調整される。

又スラブ９と天井板１１との間隔Ｔが長い場合は図１に示され、短い場合は図２に示され、スプリンクラーヘッド６の水準はＬ形金具１を図１、図２に示すように直角にスラブ９に支持することにより調整されるばかりでなく、天井板１１の水準へのスプリンクラーヘッド６の細調整や微調整は図１、２の場合の何れにしてもネジ頭５の左右回動によって行うことができる。

水平長短腕１’，１”を天井スラブ９の下面に固定するに当たっては長孔案内ガイド８を経て釘又はネジ１２をスラブ９に打設又は螺着することによって行う（図１、図２）。

その際水平長短腕１’又は１”の長孔案内ガイド８を天井スラブ９の下面に沿って摺動調整又は回動調整し、スプリンクラーヘッド６の設定位置に符合させ、その状態で釘又はネジ１２を上記長孔案内ガイド８を介して天井スラブ９に打設又は螺着することができる。

上記スプリンクラーヘッド６の天井板１１への配置範囲（水平方向の調整範囲）は図１の場合において図４の範囲ｓであり、図２の場合において図４の範囲ｍである。即ち、短腕１”をスラブ９に取り付けた図１の場合は、スプリンクラーヘッド６を図４の中心位置に設定するためには上記短腕１”を同図の範囲ｓ内のどの位置に設けても良い。さらに、長腕１’をスラブ９に取り付けた図２の場合は、スプリンクラーヘッド６を図４の中心位置に設定するためには上記長腕１’を同図の範囲ｍ内のどの位置に設けても良い。

さらに上記天井スラブ９の下面に防振材取付け枠１３をアンカーボルト１２’，１２”で固定し、該取付け枠１３の内部に防振ゴム材１４を設け、該ゴム材１４を介して上記取付け枠１３の下部に上記Ｌ形金具１をボルト１５で支持することができる（図５（ロ）（ハ））。

天井スラブ９にボルト１２’で直接支持したＬ形金具１の一方の垂直腕１’の上部に防振材取付け枠１３を介設固定し（図５（イ））、該枠１３の内部に防振ゴム材１４を設け、該ゴム材１４を介して上記他方の垂直腕１’の下部を上記取付け枠１３に垂設することができる。

尚図１、図２中ｔはスプリンクラーヘッド６の昇降調整代、図５中（ハ）図１２”で示すものは後打アンカーボルト、１２ａはそのインサートである。

本発明では図１、図２に示す場合、天井板１１と天井スラブ９との間隔Ｔの大小や、図４に示す天井板１１のスプリンクラーヘッド６の取付け位置の比較的広い範囲ｓ又はｍに充分対応し得るものである。

本発明のスプリンクラーヘッド固定金具の取付け状態側面図である。 上記取付け状態の他側の側面図である。 （イ）図は図１Ａ−Ａ線による平面図、（ロ）図は（イ）図の左側面図、（ハ）図は（イ）図の側面図、（ニ）図は（イ）図の右側面図である。 スプリンクラーヘッドの設置範囲を示す平面図である。 （イ）（ロ）図は防振取付け枠を介在させた状態を示す側面図、（ハ）図は防振取付け枠の拡大正面図である。

符号の説明

１ Ｌ形金具
１’ 腕
１” 腕
２ 直交小片
３ 雌螺孔
４ 螺杆
５ ネジ頭
６ スプリンクラーヘッド
７ 送水筒
７’ 上端部
８，８’ 長孔案内ガイド
９ 天井スラブ

Claims (4)

1. 長短直交腕にそれぞれ長孔案内ガイドを穿設してなるＬ形金具の両端に該金具の内側に向う該両端とそれぞれ直交する直交小片を屈曲形成し、
   これらの直交小片にそれぞれ雌螺孔を穿設し、
   上記何れかの雌螺孔に螺杆を螺合し、該螺杆の外端に介挿して該螺杆の外端に設けたネジ頭でスプリンクラーヘッドの送水筒端部を昇降自在に支持し、
   上記送水筒の他端部を上記螺杆螺合側の上記腕の長孔案内ガイドに摺動自在に係合し、
   上記螺杆螺合側の上記腕と直交する他方の腕に穿設した長孔案内ガイドを経て天井スラブに上記Ｌ形金具を支持するよう形成してなるスプリンクラーヘッド固定金具。
2. 上記両腕のそれぞれ先端において上記案内ガイドがそれぞれ直交小片の基部に開口し、該開口から上記送水筒の上端部を上記ガイドに出入させるよう形成した請求項１記載のスプリンクラーヘッドの固定金具。
3. 上記天井スラブに防振材取付け枠をアンカーボルトで固定し、該取付け枠の内部に防振材を設け、該防振材を介して上記取付け枠の下部に配設した上記Ｌ形金具を支持してなる請求項１又は２記載のスプリンクラーヘッド固定金具。
4. 上記Ｌ形金具の一方の腕を天井スラブに支持し、他方の腕の上部に防振材取付け枠を介設し、該枠の内部に防振材を設け、該防振材を介して上記他方の腕の下部を上記取付け枠に垂設した請求項１〜３のいずれかに記載のスプリンクラーヘッド固定金具。

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