JP4436159B2 - 綴具 - Google Patents

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Description

この発明は、綴具に関し、特にたとえば、リングバインダないしファイルとして用いられる綴具に関する。
従来、バインダとして、リングバインダがあるが、リングバインダは、略環状の綴杆が中央で噛み合って閉じられるように形成され、例えばリングを手で開閉する場合、略環状の綴杆を構成する一対の略半円形状の綴杆を、両者が離間するように指で引っ張ることにより、綴杆が開くように形成されている。
特開平10−337988号
しかしながら、この略環状の綴杆を指で閉じるとき、一つの綴杆を指で挟んで閉じた場合、指で閉じられた綴杆以外の綴杆が閉じにくいことがある。
また、この従来のリングファイルの、いわゆる立ち梃子型の綴具は、被綴じ物を略環状の綴杆に数多く閉じたとき、立ち梃子の内側を下方に押して綴杆を開くように構成されているが、立ち梃子を被綴じ物側から外側に向けて押して綴杆を開こうとしたとき、被綴じ物が障害となって、指で立ち梃子を押しにくいという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、綴具の綴杆を手で操作することにより、比較的容易に開閉することができる綴具を提供することである。
この発明の請求項1にかかる綴具は、複数の開閉自在の綴杆と、前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、作動部材に固定された主綴杆と該作動部材に固定された副綴杆とは、円環状またD字状であり、前記主綴杆を構成する半割杆及び副綴杆を構成する半割杆の作動部材の主面への取り付け角度に差が設けられ、閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具である。
この発明の請求項2にかかる綴具は、複数の開閉自在の綴杆と、前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、副綴杆の各半割杆の基部と先端部とを結ぶ線と、各綴杆が固定された作動部材を構成する第1の作動片及び第2の作動片の表面に垂直に交わる線との間の角度θ 1 と、主綴杆の半割杆の基部と先端部とを結ぶ線と第2の作動片及び第1の作動片の表面に垂直に交わる線との間の角度θ 2 との間に差が設けられ、θ 1 の方がθ 2 より0.57°〜1.14°大きく、主綴杆の先端部の方が副綴杆の先端部より外側接線方向に開き、閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具である。
この発明の請求項3にかかる綴具は、複数の開閉自在の綴杆と、前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、主綴杆及び副綴杆は、円環状であり、主綴杆の曲率と副綴杆の曲率との間に差が設けられ、閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具である。
この発明の請求項4にかかる綴具は、複数の開閉自在の綴杆と、前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、前記作動部材は、保持部材内で保持部材の長手方向に移動する一対の作動片からなり、一方の作動片には綴杆の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴杆の他方の基部が固定され、前記綴杆が閉じるときには、保持部材の内面より離れた位置において、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において保持され、前記綴杆が開くときには、保持部材の内面に近づいた方向に向いて保持されるように保持部材に固定され、前記綴杆を開くときに、作動片を保持部材内で保持部材の長手方向に移動させるとともに、保持部材の内面に近づいた方向に保持されるように、綴杆を開く方向に変化させる開閉部材が設けられ、閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具である。
この発明の請求項5にかかる綴具は、副綴杆の曲率は、主綴杆の曲率より大きい、請求項に記載の綴具である。
この発明の請求項6にかかる綴具は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、綴杆が閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆と半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆と半割杆の先端の間に0.5mm〜1mmの間隔が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の綴具である。
この発明の請求項7にかかる綴具は、綴具は、4本の綴杆を備え、主綴杆は、内側の綴杆のうち1本の綴杆により構成された、請求項1ないし6のいずれかに記載の綴具である。
この発明によれば、綴具の主綴杆を手で操作することにより、副綴杆を主綴杆の動きに追従して閉じることができる綴具を得ることができる。
請求項2または3の発明によれば、主綴杆を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴杆が先に係止され始め、更に主綴杆が閉じて係止され始めると、副綴杆の係止が進み主綴杆より先に副綴杆が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴杆が確実に係止された後、直接指で主綴杆が確実に係止される。
請求項の発明によれば、綴杆と、綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、作動部材は、保持部材内で保持部材の長手方向に移動する一対の作動片からなり、一方の作動片には綴杆の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴杆の他方の基部が固定され、綴杆が閉じるときには、保持部材の内面より離れた位置において、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において保持され、綴杆が開くときには、保持部材の内面に近づいた方向に向いて保持されるように保持部材に固定され、綴杆を開くときに、作動片を保持部材内で保持部材の長手方向に移動させるとともに、保持部材の内面に近づいた方向に保持されるように、綴杆を開く方向に変化させる開閉部材が設けられているので、開閉部材によって綴杆を開閉できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
第1図は、本発明にかかる綴具の一例を示す斜視図である。第2図は、閉じた状態における綴具の平面図であり、第3図は、閉じた状態における綴具の底面図であり、第4図は、閉じた状態における綴具の横断面図である。第5図は、開いた状態における綴具の平面図であり、第6図は、開いた状態における綴具の底面図であり、第7図は、開いた状態における綴具の横断面図である。第8図は、閉じかけた状態における綴杆の係止部近傍を示す平面図解図である。第9図は、閉じかけた状態における第1の綴杆の正面図であり、第10図は、閉じかけた状態における第2の綴杆の正面図である。第11図は、綴杆の閉じる作動状況を示す係止部近傍の平面図解図である。第12図および第13図は、綴具の構成を示す図解図である。第14図は、綴具を表紙に取り付けた状態を示す横断面図である。
綴具10は、厚紙その他の比較的硬質なシート材からなる表紙Aの略中央に形成される左右一対の折り線の内側の背表紙の内側表面に固定される。固定する方法としては、綴具10の長手方向の両端に形成された取付孔90(後に詳述する)にボルトとナットやはとめ等の固着具を挿通させて、背表紙と一体となるように固定する方法がある。
なお、ここでは、固着具として、ボルトとナットを用いて説明するが、これに限ることなく、例えば、ビス、はとめ、リベット等を用いてもよい。また、背表紙に対して、例えば、超音波溶着または高周波溶着することにより固着する方法を採用することもできる。
綴具10は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴杆12および第1の綴杆12と一対で第1の綴杆12と略線対称の第2の綴杆14と、前記第1の綴杆12および第2の綴杆14をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材16と、その表面に第1の綴杆12および第2の綴杆14が間隔をおいて第1の綴杆12および第2の綴杆14のそれぞれの基部が固定され、第1の綴杆12および第2の綴杆14が前記保持部材16に固定されるように保持部材16の内側に可動自在に固定された作動部材18とを備える。
この綴具10の綴杆20は、主綴杆たる第1の綴杆12と副綴杆たる第2の綴杆14とからなる開閉自在の2穴タイプである。
第1の綴杆12と第2の綴杆14とは、同一方向に向けて、その係止部50を指で外すことができるように構成されている。
そして、綴杆20を閉じるときは、主綴杆たる第1の綴杆12を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴杆12を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴杆たる第2の綴杆14は追動するように構成されている。
綴杆20は、閉じるとき、主綴杆たる第1の綴杆12の半割杆12aの先端と半割杆12bの先端とが突き当たる前に、副綴杆たる第2の綴杆14の半割杆14aの先端と半割杆14bの先端とが突き当たり係止され始めるように構成されている。
保持部材16は、第1の綴杆12と第2の綴杆14とを所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙Aに取り付ける取付孔90近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材16は、第1の綴杆12および第2の綴杆14を固定する部位より長手方向における外側近傍より内側に向かって、その中央が膨出した断面略半円弧状の被綴じ物載置部22を備え、且つ、被綴じ物載置部22の内側は空間を備え、その空間に作動部材18等を収容するように構成されている。
保持部材16の被綴じ物載置部22の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材18を摺動自在に保持する保持壁が設けられている。この実施の形態においては、保持部材16の長手方向において、第1の綴杆12および第2の綴杆14のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、保持壁24aおよび保持壁24bが連設され、保持壁24aと保持壁24bとは平行で略同一の形状の板状である。さらに、保持壁24aおよび保持壁24bの下端縁より内側に向けて、適宜な間隔をおいて、保持用凸部24cおよび保持用凸部24dが突設されており、第1の作動片30の外側縁30bおよび第2の作動片32の外側縁32bの近傍を保持するように形成されている。
そして、この保持壁24aおよび保持壁24bと被綴じ物載置部22によって囲繞された空間内に、後に詳しく説明する作動部材18等が収容される。
保持部材16の被綴じ物載置部22には、第1の綴杆12と第2の綴杆14とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための第1の貫通孔26と第2の貫通孔28がそれぞれ穿設されている。
第1の貫通孔26と第2の貫通孔28とは、第1の綴杆12を構成する半割杆12aおよび半割杆12bと、第2の綴杆14を構成する半割杆14aおよび半割杆14bとに対応して、保持部材16の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、2つずつ穿設されている。
作動部材18は、平面略長方形状金属製平板からなる一対の第1の作動片30および第2の作動片32からなる。
第1の作動片30と第2の作動片32とは、その長手方向において、保持壁24a及び保持壁24bと平行でその内面と摺動する外側縁30b及び外側縁32bと、該外側縁30b及び外側縁32bと平行に当該一対の第1の作動片30及び第2の作動片32を突き合わせる突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが内側縁に形成され、保持部材16の空間内において各々をその長手方向において並置したとき、各々その内側縁を屈曲自在に係合する。すなわち、その突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aを突き合わせ且つ外側縁30bおよび外側縁32bが保持部材16の保持壁24aおよび保持壁24bの両壁内内側面に接合される。
そして、第1の作動片30および第2の作動片32は、外側から力が加わらないときには、第1の作動片30と第2の作動片32とが綴杆20を上にしたときにおいて谷折り、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面より離れた方向(突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが、第12図図示平面PXYより下側)に向いて、あるいはまた、綴杆20を上にしたときにおいて山折り、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向(突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが第12図図示平面PXYより上側)に向いて、その綴杆20を上にしたときにおいてその谷折りまたはその山折りの状態を維持するように、保持部材16の内側空間部に内設されている。
平面PXYとは、第1の綴杆12と第2の綴杆14それぞれの基部が第1の作動片30と第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(第12図図示)を含む平面である。
作動部材18は、一方の作動片、すなわち第1の作動片30における保持部材16の被綴じ物載置部22の内側面と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴杆12を構成する半割杆12aの基部が固定され、且つ、前記半割杆12aとは一定の間隔をおいて、第2の綴杆14を構成する半割杆14aの基部が固定されている。
また、他方の作動片、すなわち第2の作動片32における保持部材16の被綴じ物載置部22と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴杆12を構成する半割杆12bの基部が固定され、且つ、前記半割杆12bと一定の間隔をおいて、第2の綴杆14を構成する半割杆14bの基部が固定されている。
そして、前記第1の綴杆12および第2の綴杆14が閉じるときには、第4図に示すように、作動部材18を構成する第1の作動片30と第2の作動片32とは、その突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが保持部材16の内面(被綴じ物載置部22の内面)より離れた方向に向いて(すなわち綴杆20を上にしたときにおいて谷折りの状態)、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが突き合わされた状態において保持されるとともに、前記第1の綴杆12および第2の綴杆14を開くときには、第7図に示すように、作動部材18を構成する第1の作動片30と第2の作動片32とは、保持部材16の内面(被綴じ物載置部22の内面)に近づいた方向に向いて(すなわち綴杆20を上にしたときにおいて山折りの状態)、第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが突き合わされた状態に保持されるように保持部材16内の空間において固定される。
また、作動部材18を構成する第1の作動片30と第2の作動片32とは、保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向、すなわち綴杆20を上にしたときにおいて山折りの状態においては、第1の作動片30と第2の作動片32の長手方向、すなわち第1の作動片30と第2の作動片32に固着された半割杆12aと半割杆14aとを結ぶ線(X1(第12図図示))および半割杆12bと半割杆14bとを結ぶ線(X2(第12図図示))と平行な方向に、第1の作動片30と第2の作動片32とを移動させることができるように摺動自在に内設されている。
第1の作動片30と第2の作動片32の下面、すなわち第1の綴杆12と第2の綴杆14の基部が固着された上面とは反対側の面に、第1の綴杆12と第2の綴杆14とを開閉方向に変化させる開閉部材40が設けられている。
開閉部材40は、コイルバネ、トーションバネ、板バネ、細長いゴム、細長いウレタンゴム等のような弾性部材から選ばれたものをもって構成されており、この実施の形態においては、長手方向を有する細長い引張コイルばねが、第1の作動片30と第2の作動片32とを、保持部材16の空間内で保持部材16の長手方向において、第1の作動片30と第2の作動片32とを逆方向に移動させるとともに、保持部材16を構成する第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aが保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向、すなわち綴杆20を上にしたときにおいて山折り状態に保持されるように設けられている。
開閉部材40は、その一端が一方の作動片、すなわち第1の作動片30の下側面に形成された係止凸部30cに固定され、開閉部材40の他端は、他方の作動片、すなわち第2の作動片32の下面に形成された係止凸部32cに固定されている。
係止凸部30cは、第1の作動片30の長手方向の中心より第1の綴杆12及び第2の綴杆14を開くときに第1の作動片30の移動する方向側にずれた位置に形成され、係止凸部32cは、第2の作動片32の長手方向の中心より第1の綴じ杆12及び第2の綴じ杆14を開くときに第2の作動片32の移動する方向側にずれた位置に形成されている。
開閉部材40は、第1の作動片30と第2の作動片32との突き合わせ縁30aおよび突き合わせ縁32aが、綴杆20を上にしたときにおいて谷折り状態(第4図図示)、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面より離れた状態に保持された状態にあるときに、伸展した状態となるように、第1の作動片30と第2の作動片32との間において斜めに架け渡され、この状態において、元の状態に戻ろうとする力が働くように構成されている。
開閉部材40は、第1の作動片30および第2の作動片32のそれぞれの長手方向、すなわち第1の作動片30の半割杆12aを固定する部位と半割杆14aを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X1(第12図図示))および第2の作動片32の半割杆12bを固定する部位と半割杆14bを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X2(第12図図示))と斜めに交差する方向に架け渡されている。
そして、作動部材18を構成する第1の作動片30と第2の作動片32とは、第1の綴杆12と第2の綴杆14を開き始めたとき、すなわち、第1の綴杆12と第2の綴杆14のそれぞれの係止部50を指で外したとき、開閉部材40が元の状態に戻ろうとして、すなわち、伸びていた開閉部材40が縮む方向に作用し、第1の綴杆12の半割杆12aと半割杆12bとが離れる方向(半割杆12aはO1方向で、半割杆12bはO2方向(第2図図示))および第2の綴杆14の半割杆14aと半割杆14bとが離れる方向(半割杆14aはO1方向で、半割杆14bはO2方向(第2図図示))に移動するように作用して、第1の作動片30と第2の作動片32とをそれぞれ逆方向に移動させるように作用する。
すなわち、係止部50を指で外したとき、第1の作動片30は、係止部50を外す方向(O1方向)に移動し、第2の作動片32は、係止部50を外す方向(O2方向)に移動する。
さらに、開閉部材40は、半割杆12aと半割杆12bとをおよび半割杆14aと半割杆14bとを円周方向(第12図 左右軸Y1および左右軸Y2方向)に引き離すように作用する。
作動部材18を構成する第1の作動片30と第2の作動片32は、綴杆20を上にしたときにおいて、谷折りの状態から徐々に平面状態となり、そして平面状態から山折りの状態に変わる。
そして、開閉部材40は、第1の綴杆12と第2の綴杆14とを開いた状態にしたとき、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが綴杆20を上にしたときにおいて山折り状態、すなわち、保持部材16の被綴じ物載置部22の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
作動部材18を構成する第1の作動片30と第2の作動片32は、前記したように作用するが、第1の作動片30と第2の作動片32とがずれることなく突き合わせ縁30aと突き合わせ縁32aとを中心にして回動することができるように、第1の作動片30には、突き合わせ縁30a側より突き合わせ縁32a側に向けてやや下向きに突き出されたずれ防止用突片30eが形成され、第2の作動片32には、突き合わせ縁32a側より突き合わせ縁30a側に向けてやや下向きに突き出されたずれ防止用突片32eが形成されている。
第1の綴杆12は、略円環状となるように、半円弧状の半割杆12aと半割杆12bとから構成され、第2の綴杆14は、略円環状となるように、半円弧状の半割杆14aと半割杆14bとから構成されている。そして、用紙Pに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙Pを綴じることができるように、半割杆12aおよび半割杆12bと、半割杆14aと半割杆14bの先端、すなわち第1の綴杆12および第2の綴杆14の頂部において、係止部50が形成されている。
第1の綴杆12を構成する半割杆12aと半割杆12bとは、半割杆12aの係止部50と、半割杆12bの係止部50とを係止することにより、環状に係合される。
また、第2の綴杆14を構成する半割杆14aと半割杆14bとは、半割杆14aの係止部50と半割杆14bの係止部50とを係止することにより、環状に係合される。
第1の綴杆12と第2の綴杆14とは、それぞれの基部が第1の作動片30と第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(第12図図示)を含む平面PXYと垂直な平面を構成するように、第1の作動片30と第2の作動片32より立設されている。そして、第1の綴杆12の軸Z1(第13図図示)が構成する円形面と第2の綴杆14の軸Z2(第13図図示)が構成する円形面とは、平行で、且つ、第1の綴杆12と第2の綴杆14が第1の作動片30と第2の作動片32と固着された部位を通る平面PXYと垂直となるように構成されている。
前記綴杆20は、第8図〜第11図に示すように、直接指で閉じられる主綴杆たる第1の綴杆12と、該第1の綴杆12の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆たる第2の綴杆14とにより構成され、綴杆20が閉じられるとき、第2の綴杆14を構成する一対の半割杆14aと半割杆14bの先端どうしが突き当たったとき、第1の綴杆12を構成する一対の半割杆12aと半割杆12bの先端の間に間隙(0.5mm〜1mmの間隔)が形成されるように、第1の綴杆12及び第2の綴杆14が形成されている。
この実施の形態においては、主として図9において示すように、第1の作動片30及び第2の作動片32の表面(平面)との取付角度に差が設けられている。すなわち、第2の綴杆14の半割杆14a及び半割杆14bの基部の中心14oと先端部14xとを結ぶ線14Lと第2の作動片32及び第1の作動片30の表面(基部の中心14o)に垂直に交わる線32Lとの間の角度θ1と第1の綴杆12の半割杆12a及び半割杆12bの基部の中心12oと先端部12xとを結ぶ線12Lと第2の作動片32及び第1の作動片30の表面(基部の中心12o)に垂直に交わる線32Lとの間の角度θ2との間に差が設けられ、θ1の方がθ2より0.57°〜1.14°大きく、第1の綴杆12の先端部12xの方が第2の綴杆14の先端部14xより外側(接線方向)に開いている。
θ1とθ2との差が0.57°よりも小さいときは、綴杆20を閉じるときにその差が少なく、主綴杆たる第1の綴杆12と副綴杆たる第2の綴杆14とが係止され始めるときに、第1の綴杆12の半割杆12aの先端と半割杆12bの先端との間隔が短くなって第2の綴杆14が第1の綴杆12に追動せず、第2の綴杆14が確実に係止される前に第1の綴杆12が係止されて第2の綴杆14が確実に係止されないおそれがある。
θ1とθ2との差が1.14°よりも大きいときは、綴杆20を閉じるとき、第2の綴杆14が確実に係止された後にも第1の綴杆12の半割杆12aの先端と半割杆12bの先端との間隔が相当あり、第1の綴杆12が確実に係止される妨げとなるおそれがある。
この実施の形態においては、第1の綴杆12を構成する半割杆12a及び半割杆12bと第2の綴杆14を構成する半割杆14a及び半割杆14bとが同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じもので、第1の作動片30及び第2の作動片32への取付角度に差を設けたが、第1の綴杆12の曲率と第2の綴杆14の曲率との間に差が設けられ、第2の綴杆14の曲率は第1の綴杆12の曲率より大きいようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴杆12を構成する半割杆12aと半割杆12bとの間において取付角度(及び曲率)を同じ構成にしたが、半割杆12aと半割杆12bとの間に差を設けてもよい。
第1の綴杆12を構成する半割杆12aの先端に形成された係止部50を構成する先端の凸部52aとその凸部52aに続く凹部52bと、半割杆12bの係止部50を構成する先端の凸部54aとその先端の凸部54aに続く凹部54bとは、第1の綴杆12を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部52aと凸部54aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁52cと傾斜縁54cを備えており、凸部52aの傾斜縁52cと凸部54aの傾斜縁54cとがすべりながら、第1の綴杆12を開閉することができるように形成されている。
また、第2の綴杆14を構成する半割杆14aの先端に形成された係止部50を構成する凸部56aとその凸部56aに続く凹部56bと、半割杆14bの係止部50を構成する先端の凸部58aとその先端の凸部58aに続く凹部58bとは、第2の綴杆14を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部56aと凸部58aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁56cと傾斜縁58cを備えており、凸部56aの傾斜縁56cと凸部58aの傾斜縁58cとがすべりながら、第2の綴杆14を開閉することができるように形成されている。
また、半割杆12aの係止部50を構成する凸部52aと半割杆14aの係止部50を構成する凸部56aとは、同一方向に向けて突き出し設けられている。
また、半割杆12bの係止部50を構成する凹部54bと半割杆14bの係止部50を構成する凹部58bとは、同一方向に向けて凹み形成されている。
第1の綴杆12を2本の指で挟んで綴杆20を閉じ始めるとき、第1の綴杆12の半割杆12aの凸部52aと第1の綴杆12の半割杆12bのと凹部54bとが当接する前に、第2の綴杆14の半割杆14aの凸部56aと第2の綴杆14の半割杆14bの凸部58aとが当接し、更に第1の綴杆12を閉じるように作動させると、第2の綴杆14の半割杆14aの凸部56aの傾斜縁56c上を第2の綴杆14の半割杆14bの凸部58aの傾斜縁58cが摺動する。
更に、第1の綴杆12を閉じるように作動させると、第1の綴杆12の半割杆12aの凸部52aと第1の綴杆12の半割杆12bの凸部54aとが当接する。更に、第1の綴杆12を閉じるように作動させると、第1の綴杆12の半割杆12aの凸部52aの傾斜縁52c上を第1の綴杆12の半割杆12bの凸部54aの傾斜縁54cが摺動し、一方第2の綴杆14の半割杆14aの凸部56a(半割杆14bの凸部58a)が半割杆14bの凹部58b(半割杆14aの凹部56b)に嵌まり込み始め、第1の綴杆12を更に閉じると第2の綴杆14の半割杆14aの凸部56a(半割杆14bの凸部58a)が半割杆14bの凹部58b(半割杆14aの凹部56b)に嵌まり込む。
第1の綴杆12は、更に閉じると、第2の綴杆14と同様に半割杆12aの凸部52a(半割杆12bの凸部54a)が半割杆12bの凹部54b(半割杆12aの凹部52b)に嵌まり込む。
したがって、主綴杆たる第1の綴杆12を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴杆たる第2の綴杆14が先に係止され始め、更に第1の綴杆12が閉じて係止され始めると、第2の綴杆14の係止が進み第1の綴杆12より先に第2の綴杆14が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴杆が確実に係止された後、直接指で第1の綴杆12が確実に係止される。
凸部52aの先端縁52dと凸部52aの後端縁52e(凹部52bの前壁面に同じ)と凹部52bの後壁面52fとは、第1の作動片30及び第2の作動片32の突き合わせ縁(保持部材16の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部54aの先端縁54dと凸部54aの後端縁54e(凹部54bの前壁面に同じ)と凹部54bの後壁面54fとは、第1の作動片30及び第2の作動片32の突き合わせ縁(保持部材16の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部56aの先端縁56dと凸部56aの後端縁56e(凹部56bの前壁面に同じ)と凹部56bの後壁面56fとは、第1の作動片30及び第2の作動片32の突き合わせ縁(保持部材16の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部58aの先端縁58dと凸部58aの後端縁58e(凹部58bの前壁面に同じ)と凹部58bの後壁面58fとは、第1の作動片30及び第2の作動片32の突き合わせ縁(保持部材16の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
したがって、第1の綴杆12の係止部50を、第1の綴杆12の頂部を指でねじることにより外すことができる。
第1の綴杆12の係止部50を指で外すと、第1の作動片30と第2の作動片32とが、開閉部材40が元の状態に戻ろうとする力、すなわち縮まろうとする力が働くことにより、第1の作動片30と第2の作動片32とが逆方向に移動する。すなわち、第2の綴杆14を構成する半割杆14aの凸部56aと半割杆14bの凸部58aとを引き離す方向に作用して、第1の綴杆12の半割杆12aの凸部52aと半割杆12bの凸部54aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴杆14を構成する半割杆14aの凸部56aと半割杆14bの凸部58aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、第1の綴杆12および第2の綴杆14の頂部を指でねじることにより、第1の綴杆12の半割杆12aおよび半割杆12bの係止部50と、第2の綴杆14の半割杆14aおよび半割杆14bの係止部50を外すことができる。
すなわち、綴杆20を開くとき、第1の綴杆12と第2の綴杆14とは、同一方向に向けて、その係止部50を指で外すことができるように構成されている。
また、第1の綴杆12の半割杆12aと半割杆12bの係止部50および第2の綴杆14の半割杆14aと半割杆14bの係止部50を係合させたとき、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが、綴杆20を上にしたときにおいて谷折り状態になり、第1の作動片30と第2の作動片32とが綴杆20を上にしたときにおいて谷折り状態において、開閉部材40が第1の作動片30と第2の作動片32とを突き合わす方向に向けて収縮するように作用するため、第1の綴杆12の係止部50の係合状態および第2の綴杆14の係止部50の係合状態を維持することができる。
綴具10を表紙Aに取り付けるには、保持壁24aおよび保持壁24bの下端縁を接合して取付孔90,90にボルトナットにより取り付ければよい。さらに、第14図に示すように、適宜空間を設けるためのスペーサ60を介在させて取り付けてもよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴杆12と第2の綴杆14といったように、2穴タイプの綴具について説明したが、綴杆を増やした多穴タイプ、例えば、3穴、4穴、20穴、26穴、30穴といった多くの綴杆を備えた綴具とすることができる。また、綴杆の形状は、円弧状の真円型、楕円型であってもよい。
次に、本発明にかかる別の実施の形態について、主として第15図および第16図に基づいて説明する。
この実施の形態の綴具110は、前記実施の形態の綴具10と略同様の構成であるが、主として、作動部材および開閉部材が異なるので、それらを中心に、以下説明する。
この綴具110を構成する第1の作動片130の突き合わせ縁130aの略中央付近には、切り欠き部130cが形成され、且つ、第2の作動片132の突き合わせ縁132aの略中央付近にも、切り欠き部132cが形成されるとともに、前記切り欠き部130cの一方端には、開閉部材140を係止する第1固定部130dが突設され、且つ、前記切り欠き部132cの一方端には、開閉部材140を係止する第2固定部132dが突設されている。
前記第1固定部130dと前記第2固定部132dとは、第1の作動片130に第1の綴杆112が固定された基部を結ぶ線X1、または第2の作動片132に第2の綴杆114が固定された基部を結ぶ線X2の延びる方向に離れて形成されている。
そして、開閉部材140は、切り欠き部130cの開口部と切り欠き部132cの開口部とが向き合って形成される空間内に添装され、その一端は、第1固定部130dに係止され、その他端は、第2固定部132dに係止される。さらに、開閉部材140の一方の先端140aは、第1固定部130dから延びて、第2の作動片132の裏側に係止されるとともに、開閉部材140の他方の先端140bは、第2固定部132dから延びて第1の作動片130の裏側に係止される。
而して、開閉部材140は、第1の作動片130と第2の作動片132との突き合わせ縁130aおよび突き合わせ縁132aが、綴杆120を上にしたときにおいて谷折り状態、すなわち保持部材116の被綴じ物載置部122の内面より離れた状態に保持された状態にあるときに、第1の作動片130と第2の作動片132を幅方向に引き離そうとするように、第1の作動片130と第2の作動片132との間において斜めに架け渡され、この状態において、伸びようとする力、すなわち弾発力が働くように構成されている。
開閉部材140は、第1の作動片130および第2の作動片132のそれぞれの長手方向、すなわち第1の作動片130の半割杆112aを固定する部位(基部)と半割杆114aを固定する部位(基部)とを結ぶ線(X1(第15図図示))および第2の作動片132の半割杆112bを固定する部位(基部)と半割杆114bを固定する部位(基部)とを結ぶ線(X2(第15図図示))と斜めに交差する方向に架け渡されている。さらに、開閉部材140が閉じた状態にあるときは、開閉部材140の一方の先端140aが第2の作動片132に係止され且つ開閉部材140の他方の先端140bが第1の作動片130に係止されてねじられた状態になる。
そして、開閉部材140の弾性により、作動部材118を構成する第1の作動片130と第2の作動片132とは、第1の綴杆112と第2の綴杆114を手で開き始めたとき、すなわち、第1の綴杆112と第2の綴杆114のそれぞれの係止部150を外したとき、第1の綴杆112の半割杆112aと半割杆112bとが離れる方向(半割杆112aはO1方向で、半割杆112bはO2方向(第16図図示))および第2の綴杆114の半割杆114aと半割杆114bとが離れる方向(半割杆114aはO1方向で、半割杆114bはO2方向(第16図図示))に移動するとともに、ねじられていた開閉部材140が元の状態に戻ろうとして、半割杆112aと半割杆112bとをおよび半割杆114aと半割杆114bとを円周方向(半割杆112aおよび半割杆114aはO3方向、半割杆112bおよび半割杆114bはO4方向)に引き離すように作用する。
すなわち、開閉部材140の弾性により、第1の作動片130は、係止部150を外す方向(O1方向)に移動し、第2の作動片132は、係止部150を外す方向(O2方向)に移動する。
作動部材118を構成する第1の作動片130と第2の作動片132は、綴杆120を上にしたときにおいて、谷折り状態から徐々に平面状態となり、そして平面状態から山折り状態に変わる。
そして、開閉部材140は、第1の綴杆112と第2の綴杆114とを開いた状態にしたとき、第1の作動片130の突き合わせ縁130aと第2の作動片132の突き合わせ縁132aとが綴杆120を上にしたときにおいて山折り状態、すなわち、保持部材116の被綴じ物載置部122の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
次に、本発明にかかるさらに別の実施の形態について、主として第17図および第18図に基づいて説明する。
この実施の形態の綴具210は、前記実施の形態の綴具10と略同様の構成であるが、主として、開閉部材の架け渡し構造が異なるので、それらを中心に、以下説明する。
開閉部材240は、2本の弾性部材(第1の開閉部材242および第2の開閉部材244)からなり、開閉部材240を構成する一方の第1の開閉部材242は、その一端が一方の作動片、すなわち第1の作動片230の下側面に形成された係止凸部230cに固定され、第1の開閉部材242の他端は、他方の作動片、すなわち第2の作動片232を跨いで保持部材216の一方の保持壁224bの下面に形成された係止凸部232dに固定されている。また、開閉部材240を構成する他方の第2の開閉部材244は、その一端が他方の作動片、すなわち第2の作動片232の下側面に形成された係止凸部232cに固定され、第2の開閉部材244の他端は、他方の作動片、すなわち第1の作動片230を跨いで保持部材216の他方の保持壁224aの下面に形成された係止凸部230dに固定されている。
開閉部材240は、第1の作動片230と第2の作動片232との突き合わせ縁230aおよび突き合わせ縁232aが、綴杆220を上にしたときにおいて谷折り状態、すなわち保持部材216の被綴じ物載置部222の内面より離れた状態に保持された状態にあるときに、伸展した状態となるように、第1の作動片230と保持壁224bおよび第2の作動片232と保持壁224aとの間において斜めに架け渡され、この状態において、元の状態に戻ろうとする力が働くように構成されている。
開閉部材240は、第1の作動片230および第2の作動片232のそれぞれの長手方向、すなわち第1の作動片230の半割杆212aを固定する部位(基部)と半割杆214aを固定する部位(基部)とを結ぶ線(X1(第17図図示))および第2の作動片232の半割杆212bを固定する部位(基部)と半割杆214bを固定する部位(基部)とを結ぶ線(X2(第17図図示))と斜めに交差する方向に架け渡されている。
そして、作動部材218を構成する第1の作動片230と第2の作動片232とは、第1の綴杆212と第2の綴杆214を手で開き始めたとき、すなわち、第1の綴杆212と第2の綴杆214のそれぞれの係止部250を外したとき、第1の綴杆212の半割杆212aと半割杆212bとが離れる方向(半割杆212aはO1方向で、半割杆212bはO2方向(第18図図示))および第2の綴杆214の半割杆214aと半割杆214bとが離れる方向(半割杆214aはO1方向で、半割杆214bはO2方向(第18図図示))に移動するとともに、開閉部材240が元の状態に戻ろうとして、すなわち、伸びていた開閉部材240が縮む方向に作用し、半割杆212aと半割杆212bとをおよび半割杆214aと半割杆214bとを引き離すように円周方向(半割杆212aおよび半割杆214aはO3方向、半割杆212bおよび半割杆214bはO4方向)に作用する。
すなわち、開閉部材240の弾性により、第1の作動片230は、係止部250を外す方向(O1方向)に移動し、第2の作動片232は、係止部250を外す方向(O2方向)に移動する。
作動部材218を構成する第1の作動片230と第2の作動片232は、綴杆220を上にしたときにおいて、谷折り状態から徐々に平面状態となり、そして平面状態から山折り状態に変わる。
そして、開閉部材240は、第1の綴杆212と第2の綴杆214とを開いた状態にしたとき、第1の作動片230の突き合わせ縁230aと第2の作動片232の突き合わせ縁232aとが綴杆220を上にしたときにおいて山折り状態、すなわち、保持部材216の被綴じ物載置部222の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
次に、本発明にかかる更に別の実施の形態について、以下に説明する。
第19図は、本発明にかかる更に別の実施の形態の綴具の閉じた状態における底面図であり、第20図は、閉じた状態から開いた状態に移るときにおける綴具の底面図であり、第21図は、開いた状態における綴具の底面図であり、第22図は、閉じた状態における綴具の第19図図示A−A断面図であり、第23図は、開いた状態における綴具の第21図図示A−A断面図である。第24図は、閉じた状態における第19図図示B−B断面図であり、第25図は、開いた状態における綴具の第21図図示B−B断面図である。第26図は、閉じた状態における綴具の平面図であり、第27図は、開いた状態における綴具の平面図である。第28図は、作動片の底面図であり、第29図は、第28図図示A−A断面図である。第30図および第31図は、綴具の構成を示す図解図である。第32図は、閉じかけた状態における綴杆の係止部近傍の平面図解図である。第33図は、閉じかけた状態における第1の綴杆の正面図であり、第34図は、閉じかけた状態における第2の綴杆の正面図であり、第35図は、綴具の閉じる作動状況を示す係止部近傍を示す平面図解図である。
綴具310は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴杆312および第1の綴杆312と一対の第2の綴杆314と、前記第1の綴杆312および第2の綴杆314をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材316と、その表面に第1の綴杆312および第2の綴杆314が間隔をおいて第1の綴杆312および第2の綴杆314のそれぞれの基部が固定され、第1の綴杆312および第2の綴杆314が前記保持部材316に固定されるように保持部材316の内側に可動自在に固定された作動部材318とを備える。綴具310は、保持部材316の取付孔390により、表紙に取り付けられる。
この綴具310の綴杆320は、主綴杆たる第1の綴杆312と副綴杆たる第2の綴杆314とからなる開閉自在の2穴タイプである。
第1の綴杆312と第2の綴杆314とは、同一方向に向けて、その係止部350を指で外すことができるように構成されている。
そして、綴杆320を閉じるときは、主綴杆たる第1の綴杆312を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴杆312を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴杆たる第2の綴杆314は追動するように構成されている。
綴杆320は、閉じるとき、主綴杆たる第1の綴杆312の半割杆312aの先端と半割杆312bの先端とが突き当たる前に、副綴杆たる第2の綴杆314の半割杆314aの先端と半割杆314bの先端とが突き当たり係止され始めるように構成されている。
保持部材316は、第1の綴杆312と第2の綴杆314とを所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙Aに取り付ける取付孔390近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材316は、第1の綴杆312および第2の綴杆314を固定する部位より長手方向における外側近傍より内側に向かって、その中央が膨出した断面略半円弧状の被綴じ物載置部322を備え、且つ、被綴じ物載置部322の内側は空間を備え、その空間に作動部材318等を収容するように構成されている。
保持部材316の被綴じ物載置部322の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材318を摺動自在に保持する保持壁が設けられている。この実施の形態においては、保持部材316の長手方向において、第1の綴杆312および第2の綴杆314のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1保持壁324aおよび第2保持壁324bがそれぞれ適宜な間隔をおいて平行となるように、連設されている。さらに、第1保持壁324aおよび第2保持壁324bの下端縁より内側に向けて、適宜な間隔をおいて、保持用凸部324cおよび保持用凸部324dが突設されており、保持用凸部324cが第1の作動片330の外側縁330bの近傍を、および保持用凸部324dが第2の作動片332の外側縁332bの近傍をそれぞれ保持し、保持部材316から第1の作動片330及び第2の作動片332が抜けないように形成されている。
そして、この第1保持壁324aおよび第2保持壁324bと被綴じ物載置部322によって囲繞された空間内に、後に詳しく説明する作動部材318等が収容される。
保持部材316の被綴じ物載置部322には、第1の綴杆312と第2の綴杆314とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための第1の貫通孔326と第2の貫通孔328がそれぞれ穿設されている。
第1の貫通孔326と第2の貫通孔328とは、第1の綴杆312と第2の綴杆314を構成する半割杆312aおよび半割杆312bと、第2の綴杆314を構成する半割杆314aおよび半割杆314bとに対応して、保持部材316の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、2つずつ穿設されている。
作動部材318は、平面略長方形状金属製平板からなる一対の第1の作動片330および第2の作動片332からなる。
第1の作動片330と第2の作動片332とは、略同一形状で保持部材316の空間内において各々その長手方向において並置したとき、各々その内側縁を屈曲自在に係合するように、第1の作動片330の内側に略直線状の突き合わせ縁330a及び第2の作動片332の内側に略直線状の突き合わせ縁332aが形成され、第1の作動片330の外側に略直線状の外側縁330b及び第2の作動片332の外側に略直線状の外側縁332bが形成されている。
すなわち、その突き合わせ縁330aおよび突き合わせ縁332aを突き合わせ且つ外側縁330bおよび外側縁332bが保持部材316の第1保持壁324aおよび第2保持壁324bの両壁内内側面に接合される。
第1の作動片330の突き合わせ縁330aには、第2の作動片332に向けて、ずれ防止用の突片330eがやや下向きに突設され、且つ第2の作動片332の突き合わせ縁332aには、第1の作動片330に向けて、ずれ防止用の突片332eがやや下向きに突設され、突き合わされた第1の作動片330と第2の作動片332とが突き合わせ縁330a及び突き合わせ縁332aを中心に回動するときにずれないように構成されている。
また、第1の作動片330の突き合わせ縁330aには、第2の作動片332に向けて摺動幅規制用の摺動凸部330fが形成され、且つ摺動凸部330fと適宜な間隔をおいて摺動凹部330gが形成されるとともに、第2の作動片332の突き合わせ縁332aには、第1の作動片330の前記摺動凹部330gに対応する位置に第1の作動片330に向けて摺動凸部332fが形成され、且つ第1の作動片330の前記摺動凸部330fに対応する位置に摺動凹部332gが形成されている。第1の作動片330の摺動凸部330fは、第2の作動片332の摺動凹部332gの長手方向における長さ内にて、第2の作動片332の摺動凸部332fは第1の作動片330の摺動凹部330gの長手方向における長さ内で移動する。
そして、第1の作動片330および第2の作動片332は、外側から力が加わらないときには、第1の作動片330と第2の作動片332とが水平な面に並置された状態、すなわち保持部材316の被綴じ物載置部322の内面より離れた方向(突き合わせ縁330aおよび突き合わせ縁332aが、第30図図示平面PXYと略々同一の位置)に向いて、あるいはまた、綴杆320を上にしたときにおいて山折り、すなわち保持部材316の被綴じ物載置部322の内面に近づいた方向(突き合わせ縁330aおよび突き合わせ縁332aが第30図図示平面PXYより上側)に向いて、その水平面状態または綴杆320を上にしたときにおいてその山折りの状態を維持するように、保持部材316の内側空間部に内設されている。平面PXYとは、第1の綴杆312と第2の綴杆314それぞれの基部が第1の作動片330と第2の作動片332に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(第30図図示)を含む平面のことである。
作動部材318は、一方の作動片、すなわち第1の作動片330における保持部材316の被綴じ物載置部322の内側面と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴杆312を構成する半割杆312aの基部が固定され、且つ、前記半割杆312aとは一定の間隔をおいて、第2の綴杆314を構成する半割杆314aの基部が固定されている。
また、他方の作動片、すなわち第2の作動片332における保持部材316の被綴じ物載置部322と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴杆312を構成する半割杆312bの基部が固定され、且つ、前記半割杆312bと一定の間隔をおいて、第2の綴杆314を構成する半割杆314bの基部が固定されている。
そして、前記第1の綴杆312および第2の綴杆314が閉じるときには、第20図及び第22図に示すように、作動部材318を構成する第1の作動片330と第2の作動片332とは、その突き合わせ縁330aおよび突き合わせ縁332aが保持部材316の内面(被綴じ物載置部322の内面)より離れた方向に向いて(すなわち略水平な面に並置された状態)、第1の作動片330の突き合わせ縁330aと第2の作動片332の突き合わせ縁332aとが突き合わされた状態において保持されるとともに、前記第1の綴杆312および第2の綴杆314を開くときには、第23図及び第25図に示すように、作動部材318を構成する第1の作動片330と第2の作動片332とは、保持部材316の内面(被綴じ物載置部322の内面)に近づいた方向に向いて(すなわち綴杆320を上にしたときにおいて山折り状態、図23において谷折りに図示)、第2の作動片332の突き合わせ縁332aとが突き合わされた状態に保持されるように保持部材316内の空間において固定される。
また、作動部材318を構成する第1の作動片330と第2の作動片332とは、保持部材316の被綴じ物載置部322の内面に近づいた方向、すなわち綴杆320を上にしたときにおいて山折りの状態においては、第1の作動片330と第2の作動片332の長手方向、すなわち第1の作動片330と第2の作動片332に固着された半割杆312aと半割杆314aとを結ぶ線(前後軸X1(第30図図示))および半割杆312bと半割杆314bとを結ぶ線(前後軸X2(第30図図示))と平行な方向に、第1の作動片330と第2の作動片332とを移動させることができるように摺動自在に内設されている。
第1の作動片330と第2の作動片332の下面、すなわち第1の綴杆312と第2の綴杆314の基部が固着された上面とは反対側の面に、第1の綴杆312と第2の綴杆314とを開閉方向に変化させる開閉部材340が設けられている。
開閉部材340は、第1の作動片330と第2の作動片332とを、保持部材316の空間内で保持部材316の長手方向において、第1の作動片330と第2の作動片332とを逆方向に移動させるとともに、作動部材318を構成する第1の作動片330の突き合わせ縁330aと第2の作動片332の突き合わせ縁332aが保持部材316の被綴じ物載置部322の内面に近づいた方向(すなわち綴杆320を上にしたときにおいて山折り状態)に保持されるように設けられている。
前記開閉部材340は、細長いコイルバネからなるが、前記開閉部材340は、その一端が保持部材316の一方の第1保持壁324aの内側の第1固定部325eに固定され、且つその他端は、第1の作動片330及び第2の作動片332の長手方向の中心Cを挟んで同距離R1分をあけて、保持部材316の前記第1保持壁324aと対向し、それと平行な他方の第2保持壁324bの内側の第2固定部325fに固定される(第19図及び第28図参照)。
そして、開閉部材340は、前記一方の第1保持壁324a側に固定された一方の略長方形状の第1の作動片330を跨いで、前記一方の第1の作動片330に突き合わされた他方の第2の作動片332に架け渡され、第1綴杆312及び第2綴杆314の係止部350が外されるときに、該第2の作動片332が移動する方向に、前記第1固定部325eと第1の作動片330及び第2の作動片332の突き合わせ縁330a及び332aと直交する線(移動方向と直交する軸)よりわずかにずらされ、第2の作動片332の第4固定部332dで保持される。更に、前記第4固定部332dより一方の第1の作動片330に、他方の第2の作動片332と一方の第1の作動片330の突き合わせ縁330a及び332aを跨いで架け渡され、第1綴杆312及び第2綴杆314の係止部350が外されるときに、該第1の作動片330が移動する方向に、前記第2固定部325fと第1の作動片330及び第2の作動片332の突き合わせ長手縁330a及び332aと直交する縁(移動方向と直交する軸)よりわずかにずらされ、第1の作動片330の第3固定部330dで保持されている。
開閉部材340は、全体的には、略Z字状に形成されている。
開閉部材340は、第1の作動片330の突き合わせ縁330aと第2の作動片332の突き合わせ縁332aとが、水平面状態(第22図及び第24図図示)、すなわち保持部材316の被綴じ物載置部322の内面より離れた状態に保持された状態にあるときに、伸展した状態となるように、第1の作動片330と第2の作動片332との間において斜めに架け渡され、この状態において、元の状態に戻ろうとする力が働くように構成されている。
開閉部材340は、第1の作動片330および第2の作動片332のそれぞれの長手方向、すなわち第1の作動片330の半割杆312aを固定する部位と半割杆314aを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X1(第30図図示))および第2の作動片332の半割杆312bを固定する部位と半割杆314bを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X2(第30図図示))と斜めに交差する方向に架け渡されている。
そして、作動部材318を構成する第1の作動片330と第2の作動片332とは、第1の綴杆312と第2の綴杆314を開き始めたとき、すなわち、第1の綴杆312と第2の綴杆314のそれぞれの係止部350を指で外したとき、第20図に示すように、開閉部材340が元の状態に戻ろうとして、すなわち、伸びていた開閉部材340が縮む方向に作用し、第1の綴杆312の半割杆312aと半割杆312bとが離れる方向(半割杆312aはO1方向で、半割杆312bはO2方向(第26図図示))および第2の綴杆314の半割杆314aと半割杆314bとが離れる方向(半割杆314aはO1方向で、半割杆314bはO2方向(第26図図示))に移動するように作用して、第1の作動片330と第2の作動片332とをそれぞれ逆方向に移動させるように作用する。
すなわち、係止部350を指で外したとき、第1の作動片330は、係止部350を外す方向(O1方向)に移動し、第2の作動片332は、係止部350を外す方向(O2方向)に移動する。
さらに、開閉部材340は、半割杆312aと半割杆312bとをおよび半割杆314aと半割杆314bとを円周方向(第30図 左右軸Y1および左右軸Y2方向)において引き離すように作用する。
作動部材318を構成する第1の作動片330と第2の作動片332は、水平面状態から徐々に綴杆320を上にしたときにおいて山折り状態に変わる。
そして、開閉部材340は、第1の綴杆312と第2の綴杆314とを開いた状態にしたとき、第1の作動片330の突き合わせ縁330aと第2の作動片332の突き合わせ縁332aとが綴杆320を上にしたときにおいて山折り状態、すなわち、保持部材316の被綴じ物載置部322の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
第1の綴杆312は、略円環状となるように、半円弧状の半割杆312aと半割杆312bとから構成され、第2の綴杆314は、略円環状となるように、半円弧状の半割杆314aと半割杆314bとから構成されている。そして、用紙Pに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙Pを綴じることができるように、半割杆312aおよび半割杆312bと、半割杆314aと半割杆314bの先端、すなわち第1の綴杆312および第2の綴杆314の頂部において、係止部350が形成されている。
第1の綴杆312を構成する半割杆312aと半割杆312bとは、半割杆312aの係止部350と、半割杆312bの係止部350とを係止することにより、環状に係合される。
また、第2の綴杆314を構成する半割杆314aと半割杆314bとは、半割杆314aの係止部350と半割杆314bの係止部350とを係止することにより、環状に係合される。
第1の綴杆312と第2の綴杆314それぞれの基部が第1の作動片330と第2の作動片332に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2および前後軸X1,X2(第30図図示)を含む平面PXYと垂直な平面を構成するように、第1の作動片330と第2の作動片332より立設されている。そして、第1の綴杆312の軸Z1(第31図図示)が構成する円形面と第2の綴杆314の軸Z2(第31図図示)が構成する円形面とは、平行で、且つ、第1の綴杆312と第2の綴杆314が第1の作動片330と第2の作動片332と固着された部位を通る平面PXYと垂直となるように構成されている。
前記綴杆320は、第32図ないし第35図において示すように、直接指で閉じられる主綴杆たる第1の綴杆312と、該第1の綴杆312の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆たる第2の綴杆314とにより構成され、綴杆320が閉じられるとき、第2の綴杆314を構成する一対の半割杆314aと半割杆314bの先端どうしが突き当たったとき、第1の綴杆312を構成する一対の半割杆312aと半割杆312bの先端の間に間隙(0.5mm〜1mm)が形成されるように、第1の綴杆312及び第2の綴杆314が形成されている。
この実施の形態においては、主として図33及び34において示すように、第1の作動片330及び第2の作動片332の表面(平面)との取付角度に差が設けられている。すなわち、第2の綴杆314の半割杆314a及び半割杆314bの基部の中心314oと先端部314xとを結ぶ線314Lと第2の作動片332及び第1の作動片330の表面(基部の中心314o)に垂直に交わる線332Lとの間の角度θ1と第1の綴杆312の半割杆312a及び半割杆312bの基部の中心312oと先端部312xとを結ぶ線312Lと第2の作動片332及び第1の作動片330の表面(基部の中心312o)に垂直に交わる線332Lとの間の角度θ2との間に差が設けられ、θ1の方がθ2より0.57°〜1.14°大きく、第1の綴杆312の先端部312xの方が第2の綴杆314の先端部314xより外側(接線方向)に開いている。
θ1とθ2との差が0.57°よりも小さいときは、綴杆320を閉じるときにその差が少なく、主綴杆たる第1の綴杆312と副綴杆たる第2の綴杆314とが係止され始めるときに、第1の綴杆312の半割杆312aの先端と半割杆312bの先端との間隔が短くなって第2の綴杆314が第1の綴杆312に追動せず、第2の綴杆314が確実に係止される前に第1の綴杆312が係止されて第2の綴杆314が確実に係止されないおそれがある。
θ1とθ2との差が1.14°よりも大きいときは、綴杆320を閉じるとき、第2の綴杆314が確実に係止された後にも第1の綴杆312の半割杆312aの先端と半割杆312bの先端との間隔が相当あり、第1の綴杆312が確実に係止される妨げとなるおそれがある。
この実施の形態においては、第1の綴杆312を構成する半割杆312a及び半割杆312bと第2の杆314を構成する半割杆314a及び半割杆314bとが同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じもので、第1の作動片330及び第2の作動片332への取付角度に差を設けたが、第1の綴杆312の曲率と第2の綴杆314の曲率との間に差が設けられ、第2の綴杆314の曲率は第1の綴杆312の曲率より大きいようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴杆312を構成する半割杆312a及び半割杆312bとの間において取付角度(及び曲率)を同じ構成にしたが、半割杆312aと半割杆312bとの間に差を設けてもよい。
第1の綴杆312を構成する半割杆312aの先端に形成された係止部350を構成する先端の凸部352aとその凸部352aに続く凹部352bと、半割杆312bの係止部350を構成する先端の凸部354aとその先端の凸部354aに続く凹部354bとは、第1の綴杆312を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部352aと凸部354aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁352cと傾斜縁354cを備えており、凸部352aの傾斜縁352cと凸部354aの傾斜縁354cとがすべりながら、第1の綴杆312を開閉することができるように形成されている。
また、第2の綴杆314を構成する半割杆314aの先端に形成された係止部350を構成する凸部356aとその凸部356aに続く凹部356bと、半割杆314bの係止部350を構成する先端の凸部358aとその先端の凸部358aに続く凹部358bとは、第2の綴杆314を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部356aと凸部358aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁356cと傾斜縁358cを備えており、凸部356aの傾斜縁356cと凸部358aの傾斜縁358cとがすべりながら、第2の綴杆314を開閉することができるように形成されている。
また、半割杆312aの係止部350を構成する凸部352aと半割杆314aの係止部350を構成する凸部356aとは、同一方向に向けて突き出し設けられている。
また、半割杆312bの係止部350を構成する凹部354bと半割杆314bの係止部350を構成する凹部358bとは、同一方向に向けて凹み形成されている。
第1の綴杆312を2本の指で挟んで綴杆320を閉じ始めるとき、第1の綴杆312の半割杆312aの凸部352aと第1の綴杆312の半割杆312bのと凹部354bとが当接する前に、第2の綴杆314の半割杆14aの凸部356aと第2の綴杆314の半割杆314bの凸部358aとが当接し、更に第1の綴杆312を閉じるように作動させると、第2の綴杆314の半割杆314aの凸部356aの傾斜縁356c上を第2の綴杆314の半割杆314bの凸部358aの傾斜縁358cが摺動する。
更に、第1の綴杆312を閉じるように作動させると、第1の綴杆312の半割杆312aの凸部352aと第1の綴杆312の半割杆312bの凸部354aとが当接する。更に、第1の綴杆312を閉じるように作動させると、第1の綴杆312の半割杆312aの凸部352aの傾斜縁352c上を第1の綴杆312の半割杆312bの凸部354aの傾斜縁354cが摺動し、一方第2の綴杆314の半割杆314aの凸部356a(半割杆314bの凸部358a)が半割杆314bの凹部358b(半割杆314aの凹部356b)に嵌まり込み始め、第1の綴杆312を更に閉じると第2の綴杆314の半割杆314aの凸部356a(半割杆314bの凸部358a)が半割杆314bの凹部358b(半割杆314aの凹部356b)に嵌まり込む。
第1の綴杆312は、更に閉じると、第2の綴杆314と同様に半割杆312aの凸部352a(半割杆312bの凸部354a)が半割杆312bの凹部354b(半割杆312aの凹部352b)に嵌まり込む。
したがって、主綴杆たる第1の綴杆312を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴杆たる第2の綴杆314が先に係止され始め、更に第1の綴杆312が閉じて係止され始めると、第2の綴杆314の係止が進み第1の綴杆312より先に第2の綴杆314が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴杆が確実に係止された後、直接指で第1の綴杆312が確実に係止される。
凸部352aの先端縁352dと凸部352aの後端縁352e(凹部352bの前壁面に同じ)と凹部352bの後壁面352fとは、第1の作動片330及び第2の作動片332の突き合わせ縁(保持部材316の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部354aの先端縁354dと凸部354aの後端縁354e(凹部354bの前壁面に同じ)と凹部354bの後壁面354fとは、第1の作動片330及び第2の作動片332の突き合わせ縁(保持部材316の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部356aの先端縁356dと凸部356aの後端縁356e(凹部356bの前壁面に同じ)と凹部356bの後壁面356fとは、第1の作動片330及び第2の作動片332の突き合わせ縁(保持部材316の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部358aの先端縁358dと凸部358aの後端縁358e(凹部358bの前壁面に同じ)と凹部358bの後壁面358fとは、第1の作動片330及び第2の作動片332の突き合わせ縁(保持部材316の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
したがって、第1の綴杆312の係止部350を、第1の綴杆312の頂部を指でねじることにより外すことができる。
第1の綴杆312の係止部350を指で外すと、第1の作動片330と第2の作動片332とが、開閉部材340が元の状態に戻ろうとする力、すなわち縮まろうとする力が働くことにより、第1の作動片330と第2の作動片332とが逆方向に移動する。すなわち、第26図及び第27図に示すように、第2の綴杆314を構成する半割杆314aの凸部356aと半割杆314bの凸部358aとを引き離す方向に作用して、第1の綴杆312の半割杆312aの凸部352aと半割杆312bの凸部354aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴杆314を構成する半割杆314aの凸部356aと半割杆314bの凸部358aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、第1の綴杆312および第2の綴杆314の頂部を指でねじることにより、第1の綴杆312の半割杆312aおよび半割杆312bの係止部350と、第2の綴杆314の半割杆314aおよび半割杆314bの係止部350を外すことができる。
すなわち、綴杆320を開くとき、第1の綴杆312と第2の綴杆314とは、同一方向に向けて、その係止部350を指で外すことができるように構成されている。
また、第1の綴杆312の半割杆312aと半割杆312bの係止部350および第2の綴杆314の半割杆314aと半割杆314bの係止部350を係合させたとき、第1の作動片330の突き合わせ縁330aと第2の作動片332の突き合わせ縁332aとが、水平状態になり、第1の作動片330と第2の作動片332とが水平状態において、開閉部材340が第1の作動片330と第2の作動片332とを突き合わす方向に向けて収縮するように作用するため、第1の綴杆312の係止部350の係合状態および第2の綴杆314の係止部350の係合状態を維持することができる。
次に、本発明にかかる別の実施の形態について、図36ないし図40に基づいて説明する。
この実施の形態の綴具410は、前記実施の形態の綴具310と略同様の構成であるが、主として、綴杆の数が増加したことに伴う、作動部材の構成および開閉部材の構成が異なるので、それらを中心に以下説明する。
図36ないし図40に示した綴具410は、図19図示綴具310とは異なり、綴杆420を構成する綴杆の数が4本の4穴タイプである。綴具410は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴杆412および第1の綴杆412と一対の第2の綴杆414と、前記第1の綴杆412および第2の綴杆414をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材416と、その表面に第1の綴杆412および第2の綴杆414が間隔をおいて第1の綴杆412および第2の綴杆414のそれぞれの基部が固定され、第1の綴杆412および第2の綴杆414が前記保持部材416に固定されるように保持部材416の内側に可動自在に固定された作動部材418とを備える。綴具410は、保持部材416の取付孔490により、表紙に取り付けられる。
主綴杆たる第1の綴杆412と該第1の綴杆412の片側に配設された副綴杆たる第2の綴杆414と、更に外側に配設された副綴杆たる第4の綴杆415と、第1の綴杆412のもう一方の側に配設された副綴杆たる第3の綴杆413とからなる。
第1の綴杆412は、半割杆412aおよび半割杆412bを備え、第2の綴杆414は、半割杆414aおよび半割杆414bを備え、第3の綴杆413は、半割杆413aおよび半割杆413bを備え、第4の綴杆415は、半割杆415aおよび半割杆415bを備える。
第1の綴杆412と第2の綴杆414と第3の綴杆413と第4の綴杆415との間は、等間隔に形成されている。
主綴杆たる第1の綴杆412は、4本の綴杆の内長手方向の中央に近い綴杆が選択され、その主綴杆たる第1の綴杆412の両側に配設された第2の綴杆414、第3の綴杆413及び第4の綴杆415との距離を比較的近くとして、第1の綴杆412の閉じる作動に第2の綴杆414、第3の綴杆413及び第4の綴杆415が追動し易いように構成されている。
前記半割杆412a、半割杆413a、半割杆414a、半割杆415aの基部が固定された第1の作動片430と、半割杆412b、半割杆413b、半割杆414b、半割杆415bの基部が固定された第2の作動片432は、前記実施の形態の第1の作動片330および第2の作動片332と比して長く延びて形成され、第1の綴杆412と第2の綴杆414と第3の綴杆413と第4の綴杆415の間を、日本工業規格に規定された適宜な間隔をおいて立設するように構成されている。
保持部材416の被綴じ物載置部422の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材418を摺動自在に保持する保持壁が設けられている。この実施の形態においては、保持部材416の長手方向において、第3の綴杆413および第4の綴杆415のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1保持壁424aおよび第2保持壁424bがそれぞれ適宜な間隔をおいて平行となるように、連設されている。さらに、第1保持壁424aおよび第2保持壁424bの下端縁より内側に向けて、適宜な間隔をおいて、保持用凸部424cおよび保持用凸部424dが突設されており、保持用凸部424cが第1の作動片430の外側縁の近傍を、および保持用凸部424dが第2の作動片432の外側縁の近傍をそれぞれ保持し、保持部材416から第1の作動片430及び第2の作動片432が抜けないように形成されている。
そして、この第1保持壁424aおよび第2保持壁424bと被綴じ物載置部322によって囲繞された空間内に、後に詳しく説明する第1の作動片430及び第2の作動片432からなる作動部材等が収容される。
保持部材416の被綴じ物載置部422には、第1の綴杆412と第2の綴杆414と第3の綴杆413と第4の綴杆415を、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための第1の貫通孔と第2の貫通孔と第3の貫通孔と第4の貫通孔とがそれぞれ穿設されている。
第1の作動片430の突き合わせ縁430aには、第2の作動片432に向けて、ずれ防止用の突片430eがやや下向きに突設され、且つ第2の作動片432の突き合わせ縁432aには、第1の作動片430に向けて、ずれ防止用の突片432eがやや下向きに突設され、突き合わされた第1の作動片430と第2の作動片432とが突き合わせ縁430a及び突き合わせ縁432aを中心に回動するときにずれないように構成されている。
また、第1の作動片430の突き合わせ縁430aには、第2の作動片432に向けて摺動幅規制用の摺動凸部430fが形成され、且つ摺動凸部430fと適宜な間隔をおいて摺動凹部430gが形成されるとともに、第2の作動片432の突き合わせ縁432aには、第1の作動片430の前記摺動凹部430gに対応する位置に第1の作動片430に向けて摺動凸部432fが形成され、且つ第1の作動片430の前記摺動凸部430fに対応する位置に摺動凹部432gが形成されている。第1の作動片430の摺動凸部430fは、第2の作動片432の摺動凹部432gの長手方向における長さ内にて、第2の作動片432の摺動凸部432fは第1の作動片430の摺動凹部430gの長手方向における長さ内で移動する。
開閉部材440は、長手方向の中央近傍において作動部材間に設けられ、第1の綴杆412と第2の綴杆414との間において、第1の作動片430と第2の作動片432との間に架け渡されている。
開閉部材440は、第1の作動片430と第2の作動片432とを、保持部材416の空間内で保持部材416の長手方向において、第1の作動片430と第2の作動片432とを逆方向に移動させるとともに、作動部材418を構成する第1の作動片430の突き合わせ縁430aと第2の作動片432の突き合わせ縁432aが保持部材416の被綴じ物載置部422の内面に近づいた方向、すなわち綴杆420を上にしたときにおいて山折り状態に保持されるように設けられている。
前記開閉部材440は、細長いコイルバネからなるが、前記開閉部材440は、その一端が保持部材416の一方の第1保持壁424aの内側の第1固定部425eに固定され、且つその他端は、第1の作動片430及び第2の作動片432の長手方向の中心Cを挟んで同距離R1分をあけて、保持部材416の前記第1保持壁424aと対向し、それと平行な他方の第2保持壁424bの内側の第2固定部425fに固定される(第37図参照)。
そして、開閉部材440は、前記一方の第1保持壁424a側に固定された一方の略長方形状の第1の作動片430を跨いで、前記一方の第1の作動片430に突き合わされた他方の第2の作動片432に架け渡され、第1綴杆412及び第2綴杆414の係止部450が外されるときに、該第2の作動片432が移動する方向に、前記第1固定部425eと第1の作動片430及び第2の作動片432の突き合わせ縁430a及び432aと直交する線(移動方向と直交する軸)よりわずかにずらされ、第2の作動片432の第4固定部432dで保持される。更に、前記第4固定部432dより一方の第1の作動片430に、他方の第2の作動片432と一方の第1の作動片430の突き合わせ縁430a及び432aを跨いで架け渡され、第1綴杆412及び第2綴杆414の係止部450が外されるときに、該第1の作動片430が移動する方向に、前記第2固定部425fと第1の作動片430及び第2の作動片432の突き合わせ長手縁430a及び432aと直交する縁(移動方向と直交する軸)よりわずかにずらされ、第1の作動片430の第3固定部430dで保持されている。
開閉部材440は、全体的には、略Z字状に形成されている。
前記実施の形態の綴杆は、いずれも円環状のO型であるが、図41ないし図48に示すようにD字型であってもよい。
この綴具510の綴杆520は、略D字状であり、主綴杆たる第1の綴杆512と副綴杆たる第2の綴杆514とからなる開閉自在の2穴タイプである。
綴具510は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴杆512および第1の綴杆512と一対の第2の綴杆514と、前記第1の綴杆512および第2の綴杆514をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材516と、その表面に第1の綴杆512および第2の綴杆514が間隔をおいて第1の綴杆512および第2の綴杆514のそれぞれの基部が固定され、第1の綴杆512および第2の綴杆514が前記保持部材516に固定されるように保持部材516の内側に可動自在に固定された作動部材518とを備える。綴具510は、保持部材516の取付孔590により、表紙に取り付けられる。
この綴具510の綴杆520は、第1の綴杆512と第2の綴杆514とからなるが、第1の綴杆512の半割杆512aと半割杆512b及び第2の綴杆514の半割杆514aと半割杆514bとがそれぞれ線対称ではなく、その形状が異なる。
すなわち、第1の綴杆512の半割杆512a及び第2の綴杆514のは、略コ字型であり、もう一方の(第1の綴杆512の)半割杆512b及び(第2の綴杆514の)半割杆514aは半円弧状である。
第1の綴杆512と第2の綴杆514とは、同一方向に向けて、その係止部550を指で外すことができるように構成されている。
そして、綴杆520を閉じるときは、主綴杆たる第1の綴杆512を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴杆512を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴杆たる第2の綴杆514は追動するように構成されている。
綴杆520は、閉じるとき、主綴杆たる第1の綴杆512の半割杆512aの先端と半割杆512bの先端とが突き当たる前に、副綴杆たる第2の綴杆514の半割杆514aの先端と半割杆514bの先端とが突き当たり係止され始めるように構成されている。
保持部材516の被綴じ物載置部522の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材518を摺動自在に保持する保持壁が設けられている。この実施の形態においては、保持部材516の長手方向において、第1の綴杆512および第2の綴杆514のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1保持壁524aおよび第2保持壁524bがそれぞれ適宜な間隔をおいて平行となるように、連設されている。さらに、第1保持壁524aおよび第2保持壁524bの下端縁より内側に向けて、適宜な間隔をおいて、保持用凸部524cおよび保持用凸部524dが突設されており、保持用凸部524cが第1の作動片530の外側縁の近傍を、および保持用凸部524dが第2の作動片532の外側縁の近傍をそれぞれ保持し、保持部材516から第1の作動片530及び第2の作動片532が抜けないように形成されている。
そして、この第1保持壁524aおよび第2保持壁524bと被綴じ物載置部522によって囲繞された空間内に、後に詳しく説明する作動部材518等が収容される。
保持部材516の被綴じ物載置部522には、第1の綴杆512と第2の綴杆514とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための第1の貫通孔526と第2の貫通孔528がそれぞれ穿設されている。
第1の作動片530の突き合わせ縁530aには、第2の作動片532に向けて、ずれ防止用の突片530eがやや下向きに突設され、且つ第2の作動片532の突き合わせ縁532aには、第1の作動片530に向けて、ずれ防止用の突片532eがやや下向きに突設され、突き合わされた第1の作動片530と第2の作動片532とが突き合わせ縁530a及び突き合わせ縁532aを中心に回動するときにずれないように構成されている。
また、第1の作動片530の突き合わせ縁530aには、第2の作動片532に向けて摺動幅規制用の摺動凸部530fが形成され、且つ摺動凸部530fと適宜な間隔をおいて摺動凹部530gが形成されるとともに、第2の作動片532の突き合わせ縁532aには、第1の作動片530の前記摺動凹部530gに対応する位置に第1の作動片530に向けて摺動凸部532fが形成され、且つ第1の作動片530の前記摺動凸部530fに対応する位置に摺動凹部532gが形成されている。第1の作動片530の摺動凸部530fは、第2の作動片532の摺動凹部532gの長手方向における長さ内にて、第2の作動片532の摺動凸部532fは第1の作動片530の摺動凹部530gの長手方向における長さ内で移動する。
そして、開閉部材540は、前記一方の第1保持壁524a側に固定された一方の略長方形状の第1の作動片530を跨いで、前記一方の第1の作動片530に突き合わされた他方の第2の作動片532に架け渡され、第1綴杆512及び第2綴杆514の係止部550が外されるときに、該第2の作動片532が移動する方向に、前記第1固定部525eと第1の作動片530及び第2の作動片532の突き合わせ縁530a及び532aと直交する線(移動方向と直交する軸)よりわずかにずらされ、第2の作動片532の第4固定部532dで保持される。更に、前記第4固定部532dより一方の第1の作動片530に、他方の第2の作動片532と一方の第1の作動片530の突き合わせ縁530a及び532aを跨いで架け渡され、第1綴杆512及び第2綴杆514の係止部550が外されるときに、該第1の作動片530が移動する方向に、前記第2固定部525fと第1の作動片530及び第2の作動片532の突き合わせ長手縁530a及び532aと直交する縁(移動方向と直交する軸)よりわずかにずらされ、第1の作動片530の第3固定部530dで保持されている。
前記綴杆520は、第41図〜第48図に示すように、直接指で閉じられる主綴杆たる第1の綴杆512と、該第1の綴杆512の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆たる第2の綴杆514とにより構成され、綴杆520が閉じられるとき、第2の綴杆514を構成する一対の半割杆514aと半割杆514bの先端どうしが突き当たったとき、第1の綴杆512を構成する一対の半割杆512aと半割杆512bの先端の間に間隙(0.5mm〜1mmの間隔)が形成されるように、第1の綴杆512及び第2の綴杆514が形成されている。
この実施の形態においては、主として図48に示すように、第1の作動片530及び第2の作動片532の表面(平面)との取付角度に差が設けられている。すなわち、第2の綴杆514の半割杆514a及び半割杆514bの基部の中心514oと先端部514xとを結ぶ線514Lと第2の作動片532及び第1の作動片530の表面(基部の中心514o)に垂直に交わる線532L及び530Lとの間の角度θ1と第1の綴杆512の半割杆512a及び半割杆512bの基部の中心512oと先端部512xとを結ぶ線512Lと第2の作動片532及び第1の作動片530の表面(基部の中心512o)に垂直に交わる線532L及び530Lとの間の角度θ2との間に差が設けられ、θ1の方がθ2より0.57°〜1.14°大きく、第1の綴杆512の先端部512xの方が第2の綴杆514の先端部514xより外側(接線方向)に開いている。
θ1とθ2との差が0.57°よりも小さいときは、綴杆520を閉じるときにその差が少なく、主綴杆たる第1の綴杆512と副綴杆たる第2の綴杆514とが係止され始めるときに、第1の綴杆512の半割杆512aの先端と半割杆512bの先端との間隔が短くなって第2の綴杆514が第1の綴杆512に追動せず、第2の綴杆514が確実に係止される前に第1の綴杆512が係止されて第2の綴杆514が確実に係止されないおそれがある。
θ1とθ2との差が1.14°よりも大きいときは、綴杆520を閉じるとき、第2の綴杆514が確実に係止された後にも第1の綴杆512の半割杆512aの先端と半割杆512bの先端との間隔が相当あり、第1の綴杆512が確実に係止される妨げとなるおそれがある。
この実施の形態においては、第1の綴杆512を構成する半割杆512a及び半割杆512bと第2の綴杆514を構成する半割杆514a及び半割杆514bとが同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じもので、第1の作動片530及び第2の作動片532への取付角度に差を設けたが、第1の綴杆512の曲率と第2の綴杆514の曲率との間に差が設けられ、第2の綴杆514の曲率は第1の綴杆512の曲率より大きいようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴杆512を構成する半割杆512aと半割杆512bとの間において取付角度(及び曲率)を同じ構成にしたが、半割杆512aと半割杆512bとの間に差を設けてもよい。
第1の綴杆512を構成する半割杆512aの先端に形成された係止部550を構成する先端の凸部552aとその凸部552aに続く凹部552bと、半割杆512bの係止部550を構成する先端の凸部554aとその先端の凸部554aに続く凹部554bとは、第1の綴杆512を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部552aと凸部554aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁552cと傾斜縁554cを備えており、凸部552aの傾斜縁552cと凸部554aの傾斜縁554cとがすべりながら、第1の綴杆512を開閉することができるように形成されている。
また、第2の綴杆514を構成する半割杆514aの先端に形成された係止部550を構成する凸部556aとその凸部556aに続く凹部556bと、半割杆514bの係止部550を構成する先端の凸部558aとその先端の凸部558aに続く凹部558bとは、第2の綴杆514を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部556aと凸部558aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁556cと傾斜縁558cを備えており、凸部556aの傾斜縁556cと凸部558aの傾斜縁558cとがすべりながら、第2の綴杆514を開閉することができるように形成されている。
また、半割杆512aの係止部550を構成する凸部552aと半割杆514aの係止部550を構成する凸部556aとは、同一方向に向けて突き出し設けられている。
また、半割杆512bの係止部550を構成する凹部554bと半割杆514bの係止部550を構成する凹部558bとは、同一方向に向けて凹み形成されている。
第1の綴杆512を2本の指で挟んで綴杆520を閉じ始めるとき、第1の綴杆512の半割杆512aの凸部552aと第1の綴杆512の半割杆512bのと凹部554bとが当接する前に、第2の綴杆514の半割杆514aの凸部556aと第2の綴杆514の半割杆514bの凸部558aとが当接し、更に第1の綴杆512を閉じるように作動させると、第2の綴杆514の半割杆514aの凸部556aの傾斜縁556c上を第2の綴杆514の半割杆514bの凸部558aの傾斜縁558cが摺動する。
更に、第1の綴杆512を閉じるように作動させると、第1の綴杆512の半割杆512aの凸部552aと第1の綴杆512の半割杆512bの凸部554aとが当接する。更に、第1の綴杆512を閉じるように作動させると、第1の綴杆512の半割杆512aの凸部552aの傾斜縁552c上を第1の綴杆512の半割杆512bの凸部554aの傾斜縁554cが摺動し、一方第2の綴杆514の半割杆514aの凸部556a(半割杆514bの凸部558a)が半割杆514bの凹部558b(半割杆514aの凹部556b)に嵌まり込み始め、第1の綴杆512を更に閉じると第2の綴杆514の半割杆514aの凸部556a(半割杆514bの凸部558a)が半割杆514bの凹部558b(半割杆514aの凹部556b)に嵌まり込む。
第1の綴杆512は、更に閉じると、第2の綴杆514と同様に半割杆512aの凸部552a(半割杆512bの凸部554a)が半割杆512bの凹部554b(半割杆512aの凹部552b)に嵌まり込む。
したがって、主綴杆たる第1の綴杆512を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴杆たる第2の綴杆514が先に係止され始め、更に第1の綴杆512が閉じて係止され始めると、第2の綴杆514の係止が進み第1の綴杆512より先に第2の綴杆514が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴杆が確実に係止された後、直接指で第1の綴杆512が確実に係止される。
凸部552aの先端縁552dと凸部552aの後端縁552e(凹部552bの前壁面に同じ)と凹部552bの後壁面552fとは、第1の作動片530及び第2の作動片532の突き合わせ縁(保持部材516の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部554aの先端縁554dと凸部554aの後端縁554e(凹部554bの前壁面に同じ)と凹部554bの後壁面554fとは、第1の作動片530及び第2の作動片532の突き合わせ縁(保持部材516の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部556aの先端縁556dと凸部556aの後端縁556e(凹部556bの前壁面に同じ)と凹部556bの後壁面556fとは、第1の作動片530及び第2の作動片532の突き合わせ縁(保持部材516の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部558aの先端縁558dと凸部558aの後端縁558e(凹部558bの前壁面に同じ)と凹部558bの後壁面558fとは、第1の作動片530及び第2の作動片532の突き合わせ縁(保持部材516の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
したがって、第1の綴杆512の係止部550を、第1の綴杆512の頂部を指でねじることにより外すことができる。
第1の綴杆512の係止部550を指で外すと、第1の作動片530と第2の作動片532とが、開閉部材540が元の状態に戻ろうとする力、すなわち縮まろうとする力が働くことにより、第1の作動片530と第2の作動片532とが逆方向に移動する。すなわち、第2の綴杆514を構成する半割杆514aの凸部556aと半割杆514bの凸部558aとを引き離す方向に作用して、第1の綴杆512の半割杆512aの凸部552aと半割杆512bの凸部554aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴杆514を構成する半割杆514aの凸部556aと半割杆514bの凸部558aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、第1の綴杆512および第2の綴杆514の頂部を指でねじることにより、第1の綴杆512の半割杆512aおよび半割杆512bの係止部550と、第2の綴杆514の半割杆514aおよび半割杆514bの係止部550を外すことができる。
すなわち、綴杆520を開くとき、第1の綴杆512と第2の綴杆514とは、同一方向に向けて、その係止部550を指で外すことができるように構成されている。
次に、本発明にかかる更に別の実施の形態について、図49ないし図66に基づいて説明する。
図49は、閉じた状態における綴具の平面図であり、図50は、閉じた状態における綴具の底面図であり、図51は、閉じた状態における綴具の横断面図であり、図52は、閉じた状態における綴具の側面図である。図53は、開いた状態における綴具の横断面図である。図54は、閉じた状態における綴杆と作動部材を示す平面図解図であり、図55は、閉じかけた状態における綴杆の係止部近傍を示す平面図解図であり、図56は、綴杆の綴じる作動状況を示す係止部近傍の平面図解図である。
綴具610は、厚紙その他の比較的硬質なシート材からなる表紙Aの略中央に形成される左右一対の折り線の内側の背表紙の内側表面に固定される。固定する方法としては、綴具610の長手方向の両端に形成された取付孔690(後に詳述する)にボルトとナットやはとめ等の固着具を挿通させて、背表紙と一体となるように固定する方法がある。
なお、ここでは、固着具として、ボルトとナットを用いて説明するが、これに限ることなく、例えば、ビス、はとめ、リベット等を用いてもよい。また、背表紙に対して、例えば、超音波溶着または高周波溶着することにより固着する方法を採用することもできる。
綴具610は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴杆612および(第1の綴杆612とは一対の)第2の綴杆614と、前記第1の綴杆612および第2の綴杆614をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材616と、その表面に第1の綴杆612および第2の綴杆614が間隔をおいて第1の綴杆612および第2の綴杆614のそれぞれの基部が固定され、第1の綴杆612および第2の綴杆614が前記保持部材616に固定されるように保持部材616の内側に可動自在に固定された作動部材618とを備える。
この綴具610の綴杆620は、主綴杆たる第1の綴杆612と副綴杆たる第2の綴杆614とからなる開閉自在の2穴タイプである。
第1の綴杆612と第2の綴杆614とは、同一方向に向けて、その係止部650を指で外すことができるように構成されている。
そして、綴杆620を閉じるときは、主綴杆たる第1の綴杆612を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴杆612を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴杆たる第2の綴杆614は追動するように構成されている。
綴杆620は、閉じるとき、主綴杆たる第1の綴杆612の半割杆612aの先端と半割杆612bの先端とが突き当たる前に、副綴杆たる第2の綴杆614の半割杆614aの先端と半割杆614bの先端とが突き当たり係止され始めるように構成されている。
保持部材616は、第1の綴杆612と第2の綴杆614とを所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙Aに取り付ける取付孔690近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材616は、第1の綴杆612および第2の綴杆614を固定する部位より幅方向における外側近傍から内側に向かって、その中央が膨出した断面略半円弧状の被綴じ物載置部622を備え、且つ、被綴じ物載置部622の内側には空間を備え、その空間に作動部材618等を収容するように構成されている。
保持部材616の被綴じ物載置部622の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材618を可動自在に保持する保持壁が設けられている。この実施の形態においては、保持部材616の長手方向において、第1の綴杆612および第2の綴杆614のそれぞれの外側近傍より略全体において垂下されるように、保持壁624aおよび保持壁624bが連設されている。さらに、保持壁624aおよび保持壁624bの下端縁より内側に向けて、適宜な間隔をおいて、保持用凸部624cおよび保持用凸部624dが突設されており、第1の作動片630の外側縁630bおよび第2の作動片632の外側縁632bの近傍を保持するように形成されている。
更に、保持壁624aの保持用凸部624cの上部及び保持壁624bの保持用凸部624dの上部には、保持用穴部624e及び保持用穴部624fが穿設され、第1の作動片630の外側縁630bに突設された保持用凸部630c及び第2の作動片632の外側縁632bに穿設された保持用凸部632cを該保持用穴部624e及び保持用穴部624fに嵌挿するように形成されている。
したがって、この保持壁624aおよび保持壁624bと被綴じ物載置部622によって囲繞された空間内の最適な位置に、後に詳しく説明する作動部材18等が移動自在に収容される。
保持部材616の被綴じ物載置部622には、第1の綴杆612と第2の綴杆614とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための第1の貫通孔626と第2の貫通孔628がそれぞれ穿設されている。
第1の貫通孔626と第2の貫通孔628とは、第1の綴杆612と第2の綴杆614を構成する半割杆612aおよび半割杆612bと、第2の綴杆14を構成する半割杆614aおよび半割杆614bとに対応して、保持部材616の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、2つずつ穿設されている。
作動部材618は、平面略長方形状金属製平板からなる一対の第1の作動片630および第2の作動片632からなる。
第1の作動片630と第2の作動片632とは、保持部材616の空間内において各々その長手方向において並置したとき、各々その内側縁を回動自在に連結して、すなわち、その突き合わせ縁630aおよび突き合わせ縁632aを突き合わせ、且つ外側縁630bおよび外側縁632bが保持部材616の保持壁624aおよび保持壁624bの両壁内内側面に接合される。
一方の作動片、すなわち第1の作動片630の突き合わせ縁630aには、適宜な間隔をおいて、枢軸部を構成する(枢軸638の枢支部を構成する)3個の円筒状摺動部634a,634b,634cが形成され、且つ、他方の作動片、すなわち第2の作動片632の突き合わせ縁632aには、前記一方の作動片、すなわち第1の作動片630の円筒状摺動部634a,634b,634cの間に遊嵌される枢軸部を構成する(枢軸638の枢支部を構成する)3個の円筒状摺動部636a,636b,636cが形成されている。
そして、円筒状摺動部634a,634b,634cおよび円筒状摺動部636a,636b,636cは、断面円環状に形成され、円筒状摺動部634a,634b,634cおよび円筒状摺動部636a,636b,636cには貫通孔が貫設され、該貫通孔は保持部材616の長手方向の中心線上に位置して、該貫通孔内には、枢軸部638が挿通されている。
そして、前記第1の作動片630の円筒状摺動部634a,634b,634cと第2の作動片632の円筒状摺動部636a,636b,636c間には、空隙部642が形成され、第1の作動片630の円筒状摺動部634a,634b,634cと第2の作動片632の円筒状摺動部636a,636b,636cとは、枢軸部を構成する枢軸638に遊嵌されている。すなわち、枢軸638を中心に第1の作動片630と第2の作動片632が回動するとともに、枢軸638の軸心に沿って第1の作動片630と第2の作動片632とが移動することができるように構成されている。
また、第1の作動片630と第2の作動片632の略中央には、開閉部材640が嵌挿される開閉部材用空隙部644が形成されている。
そして、第1の作動片630の円筒状摺動部634aと第2の作動片632の円筒状摺動部636aとの間には、開閉部材640を嵌挿させるための開閉部材用空隙部44が形成されている。
前記開閉部材用空隙部644には、一方の作動片、すなわち第1の作動片630の円筒状摺動部634aの内端が臨み、且つ前記円筒状摺動部634aとの内端と対向して、他方の作動片、すなわち第2の作動片632の円筒状摺動部636aの内端が臨むように形成されている。
そして、第1の作動片630および第2の作動片632は、外側から力が加わらないときには、第1の作動片630と第2の作動片632とが平面の状態、すなわち保持部材616の被綴じ物載置部622の内面より離れた方向(突き合わせ縁630aおよび突き合わせ縁632aが、図51及び図54図示半割杆612a,半割杆612b,半割杆614a及び半割杆614bのそれぞれの基部を通る平面PXYと略平行面)に向いて、あるいはまた、綴杆620を上にしたときにおいて山折り、すなわち保持部材616の被綴じ物載置部622の内面に近づいた方向(突き合わせ縁630aおよび突き合わせ縁632aが図53及び図54図示平面PXYより上側)に向いて、その平面の状態または綴杆620を上にしたときにおいて山折りの状態を維持するように、保持部材616の内側空間部に内設されている。
作動部材618は、一方の作動片、すなわち第1の作動片630における保持部材616の被綴じ物載置部622の内側面と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴杆612を構成する半割杆612aの基部が固定され、且つ、前記半割杆612aとは一定の間隔をおいて、第2の綴杆614を構成する半割杆614aの基部が固定されている。
また、他方の作動片、すなわち第2の作動片632における保持部材616の被綴じ物載置部622と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴杆612を構成する半割杆612bの基部が固定され、且つ、前記半割杆612bと一定の間隔をおいて、第2の綴杆614を構成する半割杆614bの基部が固定されている。
そして、前記第1の綴杆612および第2の綴杆614が閉じるときには、図51に示すように、作動部材618を構成する第1の作動片630と第2の作動片632とは、その突き合わせ縁630aおよび突き合わせ縁632aが保持部材616の内面(被綴じ物載置部622の内面)より離れた方向で水平面上に並置される方向に向いて(すなわち平面の状態)、第1の作動片630の突き合わせ縁630aと第2の作動片632の突き合わせ縁632aとが突き合わされた状態において保持されるとともに、前記第1の綴杆612および第2の綴杆614を開くときには、図53に示すように、作動部材618を構成する第1の作動片630と第2の作動片632とは、保持部材616の内面(被綴じ物載置部622の内面)に近づいた方向に向いて(すなわち綴杆620を上にしたときにおいて山折り状態)、第2の作動片632の突き合わせ縁632aとが突き合わされた状態に保持されるように保持部材616内の空間において固定される。
また、作動部材618を構成する第1の作動片630と第2の作動片632とは、保持部材616の被綴じ物載置部622の内面に近づいた方向、すなわち綴杆620を上にしたときにおいて山折りの状態においては、第1の作動片630と第2の作動片632の長手方向、すなわち第1の作動片630と第2の作動片632に固着された半割杆612aと半割杆614aとを結ぶ線(X1(図50及び図54図示))および半割杆612bと半割杆614bとを結ぶ線(X2(図50及び図54図示))と平行な方向に、第1の作動片630と第2の作動片632とを移動させることができるように摺動自在に内設されている。
第1の作動片630と第2の作動片632には、第1の綴杆612と第2の綴杆614とを開閉方向に変化させる開閉部材640が設けられている。
開閉部材640は、コイルバネからなり、開閉部材640を構成するコイルバネは、全体的には捩りバネを構成し、中央の平面コ字型の連結係止部662と、前記連結係止部662の両端に形成された一対の略円筒状の圧縮バネ部664aおよび略円筒状の圧縮バネ部664bと、前記圧縮バネ部664aの連結係止部662とは反対側の端部より延びて形成されたバネ係止部666aと、前記圧縮バネ部664bの連結係止部662とは反対側の端部より延びて形成されたバネ係止部666bとが、鋼線をコイル型に巻いて形成されている。
すなわち、開閉部材640は、略円筒状の圧縮バネ部664aおよび略円筒状の圧縮バネ部664bの中央に形成された貫通孔内に枢軸638を貫挿することによって、前記作動部材618の枢軸638に巻装されている。そして、連結係止部662は、第1の作動片630の上面に係止され、他方のバネ係止部666aおよびバネ係止部666bは、第2の作動片632の上面に係止されている。
そして、第1の綴杆612を閉じた状態においては、開閉部材640は、捩られた状態となり、開閉部材640は、第1の作動片630と第2の作動片632を第1の綴杆612を開く方向に付勢している。
作動部材618の枢軸638に巻装された圧縮バネ部664aの一端は、作動部材618の一方の作動片、すなわち第1の作動片630を外側に向けて押圧し、圧縮バネ部664bの他端は、作動部材618の他方の作動片、すなわち第2の作動片632を外側に向けて押圧するように、第1の作動片630の円筒状摺動部634と接し、且つ、第2の作動片632の円筒状摺動部636と接するように設けられている。
そして、圧縮バネ部664aおよび圧縮バネ部664bは、開閉部材用空隙部644内において、第1の綴杆612が閉じられた状態においては、第1の作動片630と第2の作動片632とを枢軸638の長手方向に沿って外方に向けて移動するように円筒状摺動部634および円筒状摺動部636と接している。
而して、第1の綴杆612または第2の綴杆614を指で捩って開いたときには、一旦、連結係止部662が撓み、空隙部642を埋め、そして指の力をゆるめるか、指を離すと開閉部材640の連結係止部662と圧縮バネ部664aおよび圧縮バネ部664bとは、圧縮状態を解放されて、若干伸展し、第1の作動片630と第2の作動片632とを逆方向に移動させるように付勢する。
このように、開閉部材640は、この実施の形態においては、第1の作動片630と第2の作動片632とを、保持部材616の空間内で保持部材616の長手方向において、第1の作動片630と第2の作動片632とを逆方向に移動させるとともに、保持部材616を構成する第1の作動片630の突き合わせ縁630aと第2の作動片632の突き合わせ縁632aが保持部材616の被綴じ物載置部622の内面に近づいた方向、すなわち綴杆620を上にしたときにおいて山折り状態に保持されるように設けられている。
そして、作動部材618を構成する第1の作動片630と第2の作動片632とは、第1の綴杆612と第2の綴杆614を開き始めたとき、すなわち、第1の綴杆612と第2の綴杆614のそれぞれの係止部650を指で外したとき、開閉部材640が元の状態に戻ろうとして、すなわち、圧縮されていた開閉部材640が復元方向に作用し、第1の綴杆612の半割杆612aと半割杆612bとが離れる方向(半割杆612aはO1方向で、半割杆612bはO2方向(図54図示))および第2の綴杆614の半割杆614aと半割杆614bとが離れる方向(半割杆614aはO1方向で、半割杆614bはO2方向(図54図示))に移動するように作用して、第1の作動片630と第2の作動片632とをそれぞれ逆方向に移動させるように作用する。
すなわち、第1の作動片630は、係止部650を外す方向(O1方向)に移動し、第2の作動片632は、係止部650を外す方向(O2方向)に移動する。
さらに、開閉部材640は、捩られていた状態から元の状態に復元しようとして、半割杆612aと半割杆612bとをおよび半割杆614aと半割杆614bとを円周方向(Y1およびY2方向(図54図示))に引き離すように作用する。
作動部材618を構成する第1の作動片630と第2の作動片632は、平面の状態から綴杆620を上にしたときにおいて山折り状態に変わる。
そして、開閉部材640は、第1の綴杆612と第2の綴杆614とを開いた状態にしたとき、第1の作動片630の突き合わせ縁630aと第2の作動片632の突き合わせ縁632aとが綴杆620を上にしたときにおいて山折り状態、すなわち、保持部材616の被綴じ物載置部622の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
第1の綴杆612は、略円環状となるように、半円弧状の半割杆612aと半割杆612bとから構成され、第2の綴杆614は、略円環状となるように、半円弧状の半割杆614aと半割杆614bとから構成されている。そして、用紙Pに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙Pを綴じることができるように、半割杆612aおよび半割杆612bと、半割杆614aと半割杆614bの先端、すなわち第1の綴杆612および第2の綴杆614の頂部において、係止部650が形成されている。
第1の綴杆612を構成する半割杆612aと半割杆612bは、半割杆612aの係止部650と、半割杆612bの係止部650とを係止することにより、環状に係合される。
また、第2の綴杆614を構成する半割杆614aと半割杆614bとは、半割杆612bの係止部650と半割杆614bの係止部650とを係止することにより、環状に係合される。
第1の綴杆612と第2の綴杆614とは、それぞれの基部が第1の作動片630と第2の作動片632に固着された部分(4箇所)を通る軸Y1,Y2および軸X1,X2(図57及び図54図示)を含む平面PXYと垂直な平面を構成するように、第1の作動片630と第2の作動片632より立設されている。そして、第1の綴杆612の軸Z1(図59図示)が構成する円形面と第2の綴杆614の軸Z2(図59図示)が構成する円形面とは、平行で、且つ、第1の綴杆612と第2の綴杆614が第1の作動片630と第2の作動片632と固着された部位を通る平面PXYと垂直となるように構成されている。
前記綴杆620は、第55図及び第56図に示すように、直接指で閉じられる主綴杆たる第1の綴杆612と、該第1の綴杆612の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆たる第2の綴杆614とにより構成され、綴杆620が閉じられるとき、第2の綴杆614を構成する一対の半割杆614aと半割杆614bの先端どうしが突き当たったとき、第1の綴杆612を構成する一対の半割杆612aと半割杆612bの先端の間に間隙(0.5mm〜1mmの間隔)が形成されるように、第1の綴杆612及び第2の綴杆614が形成されている。
この実施の形態においては、主として図57において示すように、第1の作動片630及び第2の作動片632の表面(平面)との取付角度に差が設けられている。すなわち、第2の綴杆614の半割杆614a及び半割杆614bの基部の中心614oと先端部614xとを結ぶ線614Lと第2の作動片632及び第1の作動片630の表面(基部の中心614o)に垂直に交わる線632L及び630Lとの間の角度θ1と第1の綴杆612の半割杆612a及び半割杆612bの基部の中心612oと先端部612xとを結ぶ線612Lと第2の作動片632及び第1の作動片630の表面(基部の中心612o)に垂直に交わる線632L及び630Lとの間の角度θ2との間に差が設けられ、θ1の方がθ2より0.57°〜1.14°大きく、第1の綴杆612の先端部612xの方が第2の綴杆614の先端部614xより外側(接線方向)に開いている。
θ1とθ2との差が0.57°よりも小さいときは、綴杆620を閉じるときにその差が少なく、主綴杆たる第1の綴杆612と副綴杆たる第2の綴杆614とが係止され始めるときに、第1の綴杆612の半割杆612aの先端と半割杆612bの先端との間隔が短くなって第2の綴杆614が第1の綴杆612に追動せず、第2の綴杆614が確実に係止される前に第1の綴杆612が係止されて第2の綴杆614が確実に係止されないおそれがある。
θ1とθ2との差が1.14°よりも大きいときは、綴杆620を閉じるとき、第2の綴杆614が確実に係止された後にも第1の綴杆612の半割杆612aの先端と半割杆612bの先端との間隔が相当あり、第1の綴杆612が確実に係止される妨げとなるおそれがある。
この実施の形態においては、第1の綴杆612を構成する半割杆612a及び半割杆612bと第2の綴杆614を構成する半割杆614a及び半割杆614bとが同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じもので、第1の作動片630及び第2の作動片632への取付角度に差を設けたが、第1の綴杆612の曲率と第2の綴杆614の曲率との間に差が設けられ、第2の綴杆614の曲率は第1の綴杆612の曲率より大きいようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴杆612を構成する半割杆612aと半割杆612bとの間において取付角度(及び曲率)を同じ構成にしたが、半割杆612aと半割杆612bとの間に差を設けてもよい。
第1の綴杆612を構成する半割杆612aの先端に形成された係止部650を構成する先端の凸部652aとその凸部652aに続く凹部652bと、半割杆612bの係止部650を構成する先端の凸部654aとその先端の凸部654aに続く凹部654bとは、第1の綴杆612を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部652aと凸部654aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁652cと傾斜縁654cを備えており、凸部652aの傾斜縁652cと凸部654aの傾斜縁654cとがすべりながら、第1の綴杆612を開閉することができるように形成されている。
また、第2の綴杆614を構成する半割杆614aの先端に形成された係止部650を構成する凸部656aとその凸部656aに続く凹部656bと、半割杆614bの係止部650を構成する先端の凸部658aとその先端の凸部658aに続く凹部658bとは、第2の綴杆614を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。凸部656aと凸部658aとは、それぞれ先端から内側に向けて傾斜縁656cと傾斜縁658cを備えており、凸部656aの傾斜縁656cと凸部658aの傾斜縁658cとがすべりながら、第2の綴杆614を開閉することができるように形成されている。
また、半割杆612aの係止部650を構成する凸部652aと半割杆614aの係止部650を構成する凸部656aとは、同一方向に向けて突き出し設けられている。
また、半割杆612bの係止部650を構成する凹部654bと半割杆614bの係止部650を構成する凹部658bとは、同一方向に向けて凹み形成されている。
第1の綴杆612を2本の指で挟んで綴杆620を閉じ始めるとき、第1の綴杆612の半割杆612aの凸部652aと第1の綴杆612の半割杆612bのと凹部654bとが当接する前に、第2の綴杆614の半割杆614aの凸部656aと第2の綴杆614の半割杆614bの凸部658aとが当接し、更に第1の綴杆612を閉じるように作動させると、第2の綴杆614の半割杆614aの凸部656aの傾斜縁656c上を第2の綴杆614の半割杆614bの凸部658aの傾斜縁658cが摺動する。
更に、第1の綴杆612を閉じるように作動させると、第1の綴杆612の半割杆612aの凸部652aと第1の綴杆612の半割杆612bの凸部654aとが当接する。更に、第1の綴杆612を閉じるように作動させると、第1の綴杆612の半割杆612aの凸部652aの傾斜縁652c上を第1の綴杆612の半割杆612bの凸部654aの傾斜縁654cが摺動し、一方第2の綴杆614の半割杆614aの凸部656a(半割杆614bの凸部658a)が半割杆614bの凹部658b(半割杆614aの凹部656b)に嵌まり込み始め、第1の綴杆612を更に閉じると第2の綴杆614の半割杆614aの凸部656a(半割杆614bの凸部658a)が半割杆614bの凹部658b(半割杆614aの凹部656b)に嵌まり込む。
第1の綴杆612は、更に閉じると、第2の綴杆614と同様に半割杆612aの凸部652a(半割杆612bの凸部654a)が半割杆612bの凹部654b(半割杆612aの凹部652b)に嵌まり込む。
したがって、主綴杆たる第1の綴杆612を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴杆たる第2の綴杆614が先に係止され始め、更に第1の綴杆612が閉じて係止され始めると、第2の綴杆614の係止が進み第1の綴杆612より先に第2の綴杆614が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴杆が確実に係止された後、直接指で第1の綴杆612が確実に係止される。
凸部652aの先端縁652dと凸部652aの後端縁652e(凹部652bの前壁面に同じ)と凹部652bの後壁面652fとは、第1の作動片630及び第2の作動片632の突き合わせ縁(保持部材616の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部654aの先端縁654dと凸部654aの後端縁654e(凹部654bの前壁面に同じ)と凹部654bの後壁面654fとは、第1の作動片630及び第2の作動片632の突き合わせ縁(保持部材616の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部656aの先端縁656dと凸部656aの後端縁656e(凹部656bの前壁面に同じ)と凹部656bの後壁面656fとは、第1の作動片630及び第2の作動片632の突き合わせ縁(保持部材616の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
凸部658aの先端縁658dと凸部658aの後端縁658e(凹部658bの前壁面に同じ)と凹部658bの後壁面658fとは、第1の作動片630及び第2の作動片632の突き合わせ縁(保持部材616の長手方向の中心線)と平行に形成されている。
したがって、第1の綴杆612の係止部650を、第1の綴杆612の頂部を指でねじることにより外すことができる。
第1の綴杆612の係止部650を指で外すと、第1の作動片630と第2の作動片632とが、開閉部材640が元の状態に戻ろうとする力、すなわち伸展しようとする力が働くことにより、第1の作動片630と第2の作動片632とが逆方向に移動する。そして、捩られていた開閉部材640の復元力により、第2の綴杆614を構成する半割杆614aの凸部656aと半割杆614bの凸部658aとを引き離す方向に作用して、第1の綴杆612の半割杆612aの凸部652aと半割杆612bの凸部654aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴杆614を構成する半割杆614aの凸部656aと半割杆614bの凸部658aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、第1の綴杆612および第2の綴杆614の頂部を指でねじることにより、第1の綴杆612の半割杆612aおよび半割杆612bの係止部650と、第2の綴杆614の半割杆614aおよび半割杆614bの係止部650を外すことができる。
すなわち、綴杆620を開くとき、第1の綴杆612と第2の綴杆614とは、同一方向に向けて、その係止部650を指で外すことができるように構成されている。
綴具610を表紙Aに取り付けるには、保持壁624aおよび保持壁624bの下端縁を接合して取付孔690,690にボルトナットにより取り付ければよい。さらに、適宜空間を設けるためのスペーサを介在させて取り付けてもよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴杆612と第2の綴杆614といったように、2穴タイプの綴具について説明したが、綴杆を増やした多穴タイプ、例えば、3穴、4穴、20穴、26穴、30穴といった多くの綴杆を備えた綴具とすることができる。
次に、本発明にかかる別の実施の形態について、図67ないし図72に基づいて説明する。
この実施の形態の綴具710は、前記実施の形態の綴具610と略同様の構成であるが、主として、綴杆の数が増加したことに伴う、作動部材の構成および開閉部材の構成が異なるので、それらを中心に以下説明する。
綴杆720は、4穴タイプのために、第1の綴杆712、第2の綴杆713、第3の綴杆714および第4の綴杆715の4個の綴杆からなる。第1の綴杆712は、半割杆712aおよび半割杆712bを備え、第2の綴杆714は、半割杆714aおよび半割杆714bを備え、第3の綴杆713は、半割杆713aおよび半割杆713bを備え、第4の綴杆715は、半割杆715aおよび半割杆715bを備える。
前記半割杆712a、半割杆713a、半割杆714a、半割杆715aの基部が固定された第1の作動片730と、半割杆712b、半割杆713b、半割杆714b、半割杆715bの基部が固定された第2の作動片732は、前記実施の形態の第1の作動片630および第2の作動片632と比して長く延びて形成され、第1の綴杆712と第2の綴杆714と第3の綴杆713と第4の綴杆715の間を、日本工業規格に規定された適宜な間隔をおいて立設するように構成されている。
第1の作動片730と第2の作動片732とは、その突き合わせ縁730aおよび突き合わせ縁732aとを突き合わせ、第1の作動片730の円筒状摺動部734a,734b,734c,734d,734e,734f内に第2の作動片732の円筒状摺動部736a,736b,736c,736d,736e,736fが嵌装され、直線状に並列された第1の作動片730の円筒状摺動部734a,734b,734c,734d,734e,734fと第2の作動片732の円筒状摺動部736a,736b,736c,736d,736e,736fの貫通孔内に枢軸738が嵌挿され、該枢軸738を中心として回動自在となるように構成されている。
そして、第1の作動片730の円筒状摺動部734b,736cと第2の作動片732の円筒状摺動部736b,736cの間には、空隙部742が形成されるように構成されている。
この綴具710を構成する第1の作動片730の突き合わせ縁730aの略中央付近には、開閉部材用空隙部744が形成され、第2の作動片732の突き合わせ縁732aの略中央付近には、開閉部材用空隙部744が形成されている。
そして、第1の作動片730の突き合わせ縁730aに形成された円筒状摺動部734aは、前記開閉部材用空隙部744に臨み、且つ第2の作動片732の突き合わせ縁732aに形成された円筒状摺動部736aは、前記第1の作動片730に対向して前記開閉部材用空隙部744に臨むように形成されている。
そして、開閉部材740は、前記実施の形態の開閉部材640を構成するコイルバネとはその構成が若干相違し、全体が略円筒状のコイル状である。
開閉部材740は、略円筒状コイル部762の両端には、それぞれ反対方向を向いて連設された係止部764と係止部766とを備え、略円筒状コイル部762内の貫通孔に枢軸738を嵌挿することにより、開閉部材用空隙部744内に巻装されるとともに、一方の係止部764は、第1の作動片730の裏面に係止されるとともに、綴杆が閉じられた状態においては、捩られた状態において、もう一方の係止部766が第2の作動片732の上面に係止されている。
そして、略円筒状コイル部762の一端は、圧縮された状態において、(すなわち伸びようとする弾発力が働くように、)第1の作動片730の円筒状摺動部734aの開閉部材用空隙部744側端縁に当接されるとともに、第2の作動片732の円筒状摺動部736aの開閉部材用空隙部744側端縁に接合された状態において、開閉部材用空隙部744内に嵌挿されている。
このように、この実施の形態においては、第1の綴杆712、第2の綴杆714、第3の綴杆713および第4の綴杆715のうち2つの綴杆の頂部を、例えば両手の指でねじることにより、第1の綴杆712,第2の綴杆714,第3の綴杆713および第4の綴杆715の係止部750を外すことができる。
本発明にかかる一実施の形態である綴具の一例を示す斜視図である。 閉じた状態における綴具の平面図である。 閉じた状態における綴具の底面図である。 閉じた状態における綴具の横断面図であり、(A)図は、図3A−A断面図であり、(B)図は、図3B−B断面図である。 開いた状態における綴具の平面図である。 開いた状態における綴具の底面図である。 開いた状態における綴具の横断面図であり、(A)図は、図6A−A断面図であり、(B)図は、図6B−B断面図である。 閉じかけた状態における綴杆の係止部近傍を示す平面図解図である。 閉じかけた状態における第1の綴杆の正面図である。 閉じかけた状態における第2の綴杆の正面図である。 綴杆の閉じる作動状況を示す係止部近傍を示す平面図解図である。 綴具の構成を示す図解図である。 綴具の構成を示す図解図である。 綴具を表紙に取り付けた状態を示す横断面図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における底面図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における平面図である。 本発明にかかる更に別の実施の形態である綴具の閉じた状態における底面図である。 本発明にかかる更に別の実施の形態である綴具の閉じた状態における平面図である。 本発明にかかる更に別の実施の形態の綴具の閉じた状態における底面図である。 閉じた状態から開いた状態に移るときにおける綴具の底面図である。 開いた状態における綴具の底面図である。 閉じた状態における綴具の第19図図示A−A断面図である。 開いた状態における綴具の第21図図示A−A断面図である。 閉じた状態における第19図図示B−B断面図である。 開いた状態における綴具の第21図図示B−B断面図である。 閉じた状態における綴具の平面図である。 開いた状態における綴具の平面図であり、(A)図は全体の平面図であり、(B)図は綴杆の一部の平面図である。 作動片の底面図である。 第28図図示A−A断面図である。 綴具の構成を示す図解図である。 綴具の構成を示す図解図である。 閉じかけた状態における綴杆の係止部近傍を示す平面図解図である。 閉じかけた状態における第1の綴杆の正面図である。 閉じかけた状態における第2の綴杆の正面図である。 綴杆の閉じる作動状況を示す係止部近傍を示す平面図解図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における平面図解図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における底面図解図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における側面図解図である。 作動部材の構成を示す図解図であり、(A)は第2の作動片の平面図解図であり、(B)は第1の作動片の平面図解図である。 作動部材の構成を示す図解図であり、(A)は第1の作動片の底面図解図であり、(B)は第2の作動片の底面図解図である。 本発明にかかる更に別の実施の形態の綴具の閉じた状態における底面図である。 閉じた状態における綴具の平面図である。 開いた状態における綴具の底面図である。 閉じた状態における正面図解図である。 開いた状態における正面図解図である。 閉じかけた状態における綴杆の係止部近傍を示す平面図解図である。 綴杆の閉じる作動状況を示す係止部近傍を示す平面図解図である。 閉じかけた状態における綴杆の正面図解図であり、(A)は、第1の綴杆の正面図解図であり、(B)は、第2の綴杆の正面図解図である。 閉じた状態における綴具の平面図である。 閉じた状態における綴具の底面図である。 閉じた状態における綴具の横断面図である。 閉じた状態における綴具の側面図である。 開いた状態における綴具の横断面図である。 閉じかけた状態における綴杆と作動部材を示す平面図解図である。 閉じた状態における綴杆の係止部近傍を示す平面図解図である。 綴杆の閉じる作動状況を示す係止部近傍を示す平面図解図である。 閉じかけた状態における綴杆の正面図解図であり、(A)は、第1の綴杆の正面図解図であり、(B)は、第2の綴杆の正面図解図である。 開閉部材を示す図で、(A)は、開閉部材の正面図解図であり、(B)は、開閉部材の側面図解図である。 第2の作動片の右側面図解図である。 第2の作動片の平面図解図である。 第2の作動片の正面図解図である。 第2の作動片の左側面図解図である。 第2の作動片の底面図解図である。 第1の作動片の平面図解図である。 第1の作動片の正面図解図である。 第1の作動片と第2の作動片とを嵌合させる方法を示す図解図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における平面図解図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における底面図解図である。 本発明にかかる別の実施の形態である綴具の閉じた状態における側面図解図である。 作動部材の構成を示す図解図であり、(A)は第2の作動片の平面図解図であり、(B)は第1の作動片の平面図解図である。 作動部材の構成を示す図解図であり、(A)は第1の作動片の底面図解図であり、(B)は第2の作動片の底面図解図である。 開閉部材を示す図であり、(A)はその平面図解図、(B)はその側面図解図である。
符号の説明
A 表紙
P 用紙
10,110,210,310,410,510,610,710 綴具
12,112,212,312,412,512,612,712 第1の綴杆
12a,112a,212a,312a,412a,413a,415a,512a,612a,712a 半割杆
12b,112b,212b,312b,412b,413b,415b,512b,612b,712b 半割杆
12o,312o,512o,612o,14o,314o,514o,614o 基部の中心
12x,312x,512x,612x,14x,314x,514x,614x 先端部
12L,512L,612L,312L 線
413,713 第3の綴杆
713a,713b 半割杆
14,114,214,314,414,514,614,714 第2の綴杆
14a,114a,214a,314a,414a,514a,614a,714a 半割杆
14b,114b,214b,314b,414b,514b,614b,714b 半割杆
14L,314L,514L,614L 線
415,715 第4の綴杆
715a,715b 半割杆
16,116,216,316,416,516,616 保持部材
18,118,218,318,418,518,618 作動部材
20,320,420,520,620,720 綴杆
22,122,222,322,422,522,622 被綴じ物載置部
24a,24b,224a,224b,324a,324b,424a,424b,524a,524b,624a,624b 保持壁
24c,24d,324c,324d,424c,424d,524c,524d,624c,624d,632c 保持用凸部
624e,624f 保持用穴部
325e,425e,525e 第1固定部
325f,425f,525f 第2固定部
26,326,526,626 第1の貫通孔
28,328,528,628 第2の貫通孔
30,130,230,330,430,530,630,730 第1の作動片
30a,130a,230a,330a,430a,530a,630a,730a 突き合わせ縁
30b,330b,430b,530b,630b 外側縁
30c,230c,230d,630c 係止凸部
130c 切り欠き部
130d 第1固定部
330d,430d,530d 第3固定部
30e,330e,430e,530e 突き合わせ縁防止用の突片
530L,630L 線
32,132,232,332,432,532,632,732 第2の作動片
32a,132a,232a,332a,432a,532a,632a,732a 突き合わせ縁
32b,332b,432b,532b,632b 外側縁
32c,232c,232d 係止凸部
132c 切り欠き部
132d 第2固定部
32e,332e,432e,532e ずれ防止用の突片
330f,332f,430f,432f,530f,532f 摺動凸部
330g,332g,430g,432g,530g,532g 摺動凹部
332d,432d,532d 第4固定部
32L,332L,532L,632L 線
634a,634b,634c,734a,734b,734c,734d,734e,734f 円筒状摺動部
636a,636b,636c,736a,736b,736c,736d,736e,736f 円筒状摺動部
638,738 枢軸
40,140,240,340,440,540,640,740 開閉部材
140a 開閉部材の一方の先端
140b 開閉部材の他方の先端
242 第1の開閉部材
642,742 空隙部
244 第2の開閉部材
644,744 開閉部材用空隙部
50,150,250,350,450,550,650,750 係止部
52a,352a,552a,652a 凸部
52b,352b,552b,652b 凹部
54a,354a,554a,654a 凸部
54b,354b,554b,654b 凹部
56a,356a,556a,656a 凸部
56b,356b,556b,656b 凹部
58a,358a,558a,658a 凸部
58b,358b,558b,658b 凹部
52c,54c,56c,58c,352c,354c,356c,358c,552c,554c,556c,558c,652c,654c,656c,658c 傾斜縁
52d,54d,56d,58d,352d,354d,356d,358d,552d,554d,556d,558d,652d,654d,656d,658d 先端縁
52e,54e,56e,58e,352e,354e,356e,358e,552e,554e,556e,558e,652e,654e,656e,658e 後端縁
52f,54f,56f,58f,352f,354f,356f,358f,552f,554f,556f,558f,652f,654f,656f,658f 後壁面
60 スペーサ
662 連結係止部
664a,664b 圧縮バネ部
666a,666b バネ係止部
764,766 係止部
90,390,490,590,690 取付孔
θ1,θ2 角度

Claims (7)

  1. 複数の開閉自在の綴杆と、
    前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、
    各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、
    前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、
    作動部材に固定された主綴杆と該作動部材に固定された副綴杆とは、円環状またD字状であり、
    前記主綴杆を構成する半割杆及び副綴杆を構成する半割杆の作動部材の主面への取り付け角度に差が設けられ、
    閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具。
  2. 複数の開閉自在の綴杆と、
    前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、
    各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、
    前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、
    副綴杆の各半割杆の基部と先端部とを結ぶ線と、各綴杆が固定された作動部材を構成する第1の作動片及び第2の作動片の表面に垂直に交わる線との間の角度θ 1 と、
    主綴杆の半割杆の基部と先端部とを結ぶ線と第2の作動片及び第1の作動片の表面に垂直に交わる線との間の角度θ 2 との間に差が設けられ、
    θ 1 の方がθ 2 より0.57°〜1.14°大きく、
    主綴杆の先端部の方が副綴杆の先端部より外側接線方向に開き、
    閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具。
  3. 複数の開閉自在の綴杆と、
    前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、
    各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、
    前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、
    主綴杆及び副綴杆は、円環状であり、
    主綴杆の曲率と副綴杆の曲率との間に差が設けられ、
    閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具。
  4. 複数の開閉自在の綴杆と、
    前記綴杆を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、
    各綴杆がその基部において間隔をおいてその表面に固定され、綴杆が保持部材に固定されるように保持部材の内側に可動自在に固定された作動部材とを備えた、綴具であって、
    前記綴杆は、直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、
    前記作動部材は、保持部材内で保持部材の長手方向に移動する一対の作動片からなり、
    一方の作動片には綴杆の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴杆の他方の基部が固定され、
    前記綴杆が閉じるときには、保持部材の内面より離れた位置において、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において保持され、
    前記綴杆が開くときには、保持部材の内面に近づいた方向に向いて保持されるように保持部材に固定され、
    前記綴杆を開くときに、作動片を保持部材内で保持部材の長手方向に移動させるとともに、保持部材の内面に近づいた方向に保持されるように、綴杆を開く方向に変化させる開閉部材が設けられ、
    閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆の先端の間に間隙が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成された、綴具。
  5. 副綴杆の曲率は、主綴杆の曲率より大きい、請求項3に記載の綴具。
  6. 直接指で閉じられる主綴杆と、該主綴杆の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆とにより構成され、綴杆が閉じられるとき、副綴杆を構成する一対の半割杆と半割杆の先端どうしが突き当たったとき、主綴杆を構成する一対の半割杆と半割杆の先端の間に0.5mm〜1mmの間隔が形成されるように、主綴杆及び副綴杆が形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載の綴具。
  7. 綴具は、4本の綴杆を備え、
    主綴杆は、内側の綴杆のうち1本の綴杆により構成された、請求項1ないし6のいずれかに記載の綴具。
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