JP5925380B2 - 綴じ具 - Google Patents

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Description

この発明は、綴じ具に関し、特にたとえば、リングバインダないしファイルとして用いられる綴じ具に関する。
この発明の背景となる従来の綴じ具として、特開2001−277770号に開示された綴じ具がある。
この綴じ具は、上板と、前記上板で支えられた1対の回動リーフと、前記回動リーフに取付けられ、それと共に移動可能な複数のリングと、前記リングが閉じた第1の位置から前記リングが開いた第2の位置に前記回動リーフを移動させるための少なくとも1の枢動可能な作動レバーと、を備え、この作動レバーは、溝を含むその上部にタブを有し、更に、前記タブ上を延びかつ囲み、前記作動レバーに固定されるクッション部材を備え、このクッション部材は、前記溝内に収容されかつ固着される舌部を含む。
1対の回動リーフが、湾曲した上板12で支えられる。湾曲した上板は、回動リーフに付勢力を作用し、この結果、回動リーフは、センターを越えた態様で移動する。複数のリング部材が、回動リーフに固着され、リングバインダで保持された材料シートの対応する孔に係合する。
作動レバーが、湾曲した上板の各端部に配置され、回動リーフを作動してリング部材を開閉する。
特開2001−277770号公報
しかしながら、従来の綴じ具は、湾曲した上板の付勢力を回転リーフに作用させることによって、複数のリングを閉じるように構成されている。そして回動リーフは、リングを開閉するときセンターを越えた様態で移動する。そのために、開いているリングを閉じるときに、大きな力でリングを指で押す必要があり、開いていたリングの先端が急激に当接して閉じる。
かかる構造の従来の綴じ具は、リングの開閉動作が円滑ではなく、特にリングを閉じるときに閉じるリングの先端の間に指等を挟まれないかという不安を与える。
それゆえに、この発明の主たる目的は、綴環の開閉を円滑にできる、綴じ具を提供することを可能にすることである。
請求項1の発明にかかる綴じ具は、環状の綴杆を構成する複数の開閉自在の綴環と、前記綴環を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、各綴環が間隔をおいてその表面に並列して固定され、綴環が保持部材に固定されるように保持部材の内側に固定された作動部材と、前記綴環を開く方向に付勢する開閉部材とを備えた、綴じ具であって、前記作動部材は、一対の作動片からなり、一方の作動片には綴環の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴環の他方の基部が固定され、前記綴環が閉じるときには、保持部材の内面より離れた位置において、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において保持され、前記綴環が開くときには、保持部材の内面に近づいた方向に向いて保持されるように、保持部材に固定され、作動部材の一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材を移動させるためのボタン部材を有し、前記ボタン部材は、綴環が並列する方向に作動部材を作動させて綴環を開くように、一方の作動片と他方の作動片とを反対方向に移動させるための、第1の腕部と第2の腕部とを有し、第1の腕部は、一方の作動片を第1の腕部側に移動させ、第2の腕部は、他方の作動片を第2の腕部とは反対側に移動させるように構成された、綴じ具である。
請求項2の発明にかかる綴じ具においては、ボタン部材は、保持部材に、綴環が並列する方向に回転するように、枢軸によって取り付けられ、回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向における中央から離れる側に指で押すための押圧部を形成され、回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向の中央側に第1の腕部及び第2の腕部を形成され、押圧部を押すことにより、第1の腕部は、一方の作動片を第1の腕部側に移動させ、第2の腕部は、他方の作動片を第2の腕部とは反対側に移動させるように構成された、請求項1に記載の綴じ具である。
請求項3の発明にかかる綴じ具においては、ボタン部材は、保持部材の一方の端部及び/又は他方の端部に、綴環が並列する方向に回転するように、枢軸によって取り付けられ、回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向における中央より離れる側に指で押すための押圧部を形成され、枢軸より上方を経て、綴環の綴杆係止部を離間させる方向とは反対側にのびる第1の腕部を押圧部に連設され、枢軸より下方を経て綴環の綴杆係止部を離間させる方向側にのびる第2の腕部を押圧部に連設され、押圧部を押すことにより、第1の腕部に連設された一方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させ、且つ、第2の腕部に連設された他方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させる、請求項1又は請求項2に記載の綴じ具である。
請求項4の発明にかかる綴じ具においては、ボタン部材は、保持部材の一方の端部及び/又は他方の端部に、綴環が並列する方向に回転するように、枢軸によって取り付けられ、回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向における中央から離れる側に指で押すための押圧部を形成され、枢軸より上方を経て、綴環の綴杆係止部を離間させる方向とは反対側にのびる第1の腕部を押圧部に連設され、枢軸より下方を経て綴環の綴杆係止部を離間させる方向側にのびる第2の腕部を押圧部に連設され、第1の腕部は、枢軸より上方にのびる第1作用部と、該第1作用部より一方の作動片に向いて枢軸より上方ないし下方においてのびる略直線状の第1の連結部とを有し、第2の腕部は、枢軸より下方にのびる第2作用部と、該第2作用部より他方の作動片に向いてのびる略々直線状の第2の連結部とを有し、押圧部を押すことにより、第1の腕部に連設された一方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させ、且つ、第2の腕部に連設された他方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させ、押圧部を指で押していないときには、綴環を閉じる位置に一方の作動片及び他方の作動片を位置させるように復元するように構成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の綴じ具である。
請求項5の発明にかかる綴じ具においては、第1の腕部は、一方の作動片を、綴環を開閉させるように移動可能にできるように、一方の作動片に取り付けられ、第2の腕部は、他方の作動片を、綴環を開閉させるように移動可能にできるように、他方の作動片に取り付けられている、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の綴じ具である。
請求項6の発明にかかる綴じ具においては、ボタン部材は、第1の腕部側に、押圧部とは反対側に一方の作動片に取り付けるための軸を突設され、該軸が、一方の作動片を綴環を開閉させるように移動可能にできるように、一方の作動片に穿設された取り付け孔に緩挿され、第2の腕部側に、押圧部とは反対側に他方の作動片に取り付けるための軸を突設され、該軸が、他方の作動片を綴環を開閉させるように移動可能にできるように、他方の作動片に穿設された取り付け孔に緩挿された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の綴じ具である。
請求項7の発明にかかる綴じ具においては、保持部材は、一方の端部及び/又は他方の端部に、作動部材を移動させるためのボタン部材を取り付ける空所が形成され、該空所は、ボタン部材が綴環の並列する方向に回転するように取り付けられ、保持部材は、該空所に続いてボタン部材の回転角度を規制するための回転角度規制部を形成され、ボタン部材は、回転角度規制部によって、適宜な角度で停止するように構成された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の綴じ具である。
請求項1の発明によれば、綴環の開閉を円滑にできる綴じ具を提供することを可能にすることができる。
請求項2の発明によれば、ボタン部材を操作することにより、綴環の開閉を円滑にできる。
請求項3の発明によれば、ボタン部材を操作することにより、一方の作動片と他方の作動片とを互い違いに移動させて、一方の作動片に固定された一方の綴環と他方の作動片に固定された他方の綴環とを互い違いに移動させることにより綴環の開閉を円滑にできる。
請求項4の発明によれば、ボタン部材を操作することにより、一方の作動片と他方の作動片とを互い違いに移動させて、一方の作動片に固定された一方の綴環と他方の作動片に固定された他方の綴環とを互い違いに移動させることにより綴環の開閉を円滑にできる。
請求項5の発明によれば、ボタン部材を操作することにより、一方の作動片と他方の作動片とを互い違いに移動させて、一方の作動片に固定された一方の綴環と他方の作動片に固定された他方の綴環とを互い違いに移動させることにより、綴環の開閉を円滑にできる。
請求項6の発明によれば、ボタン部材を操作することにより、一方の作動片と他方の作動片に固定された綴環を円滑に開閉できる。
請求項7の発明によれば、ボタン部材を押圧したときの押圧部の回転角度を適宜な角度に規制して、ボタン部材の操作を円滑にすることができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明にかかる一実施の形態である綴じ具を用いたファイルを示す斜視図で ある。 本発明にかかる一実施の形態である綴じ具の一例を示す斜視図である。 保持部材の斜視図である。 作動部材及び開閉部材の斜視図解図である。 開閉部材の平面図である。 開閉部材の側面図解図で、(A)は元の状態の側面図解図であり、(B)は 巻線部の円周方向に力を加えて作動片に固定された状態の側面(図5A方向矢視)図 解図であり、(C)は巻線部の円周方向に力を加えて作動片に固定された状態の側面 (図5B方向矢視)図解図である。 綴杆及び作動部材の図解図であり、(A)は閉じた状態における綴杆と作動 部材を示す平面図解図であり、(B)は第2の作動片の左側図解図である。 閉じた状態における綴じ具の平面図解図である。 閉じた状態における綴じ具の底面図である。 閉じた状態における綴じ具の横断面図であり、(A)は図9A−A断面図 であり、(B)は図9B−B断面図である。 綴杆を開く状態を示す綴じ具の底面図である。 綴杆を開く状態を示す綴じ具の綴杆の図解図である。 開いた状態における綴じ具の平面図解図である。 開く状態を示す綴じ具の底面図解図であり、(A)はほぼ開いた綴じ具の 底面図解図であり、(B)は開き終わった底面図解図である。 開いた状態における綴じ具の横断面図であり、(A)は図14A−A断面 図であり、(B)は図14B−B断面図である。 綴杆の係止部を示す図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は (A)のA−A断面図解図であり、(C)は正面図解図である。 綴杆の係止部を示す図解図であり、(A)は側面図解図であり、(B)は (A)のB−B断面図解図である。 綴杆を綴じる状態を示す綴杆の図解図であり、(A)は綴じ具の平面図解 図であり、(B)は綴杆の平面図解図である。 綴杆を綴じる状態を示す綴杆の図解図であり、(A)は綴じ具の平面図解 図であり、(B)は綴杆の平面図解図である。 綴杆を綴じる状態を示す綴杆の図解図であり、(A)は綴じ具の平面図解 図であり、(B)は綴杆の平面図解図である。 綴杆を綴じる状態を示す綴杆の図解図であり、(A)は綴じ具の平面図解 図であり、(B)は綴杆の平面図解図である。 保持部材の形成方法を示す図解図であり、(A)は保持部材の側面図解図 であり、(B)は底面図解図である。 保持部材の形成方法を示す底面図解図である。 保持部材の変形例の形成方法を示す底面図解図である。 図24A方向矢視図である。 作動部材の変形例を示す底面図解図である。 作動部材の変形例を示す断面図解図である。 表紙を閉じた状態における斜視図解図である。 表紙を閉じた状態における側面図解図である。 表紙を閉じた状態における横断図解図である。 綴杆の変形例を示す図解図であり、(A)は平面図解図であり、(B)は 正面図解図である。 別の実施の形態である綴じ具の一例を示す斜視図である。 別の実施の形態である綴じ具の一例を示す平面図である。 図32図示綴じ具の全体の底面図である。 (A)(B)は図34の一部を拡大した底面図である。 (A)は図32図示綴じ具の側面図であり、(B)は図32図示綴じ具の 綴杆の断面図である。 別の実施の形態である綴じ具の一例を示す斜視図である。 別の実施の形態である綴じ具の一例を示す平面図である。 図37図示綴じ具の全体の底面図である。 (A)(B)は図39の一部を拡大した底面図である。 (A)は図37図示綴じ具の側面図であり、(B)は図37図示綴じ具の 綴杆の断面図である。 ボタン部材の斜視図解図である。 ボタン部材の平面図解図である。 ボタン部材の底面図解図である。 ボタン部材の右側面図解図である。 ボタン部材の縦断面図解図である。 ボタン部材の正面図解図である。 ボタン部材の背面図解図である。 ボタン部材を保持部材及び作動部材に取り付けた状態を示す平面図解図で ある。 ボタン部材を保持部材及び作動部材に取り付けた状態を示す底面図解図で ある。 ボタン部材を保持部材及び作動部材に取り付けた状態を示す横断面図解図 である。 ボタン部材を保持部材及び作動部材に取り付けた状態を示す横断面図解図 である。 ボタン部材を作用させる方法を示す縦断面図解図である。 ボタン部材を作用させる方法を示す縦断面図解図である。 ボタン部材の変形例の斜視図解図である。 ボタン部材の変形例の平面図解図である。 ボタン部材の変形例の底面図解図である。 ボタン部材の変形例の右側面図解図である。 ボタン部材の変形例の縦断面図解図である。 ボタン部材の変形例の正面図解図である。 ボタン部材の変形例の背面図解図である。 ボタン部材の変形例を保持部材及び作動部材に取り付けた状態を示す平面 図解図である。 ボタン部材の変形例を保持部材及び作動部材に取り付けた状態を示す底面 図解図である。 ボタン部材の変形例を作用させる方法を示す縦断面図解図である。 ボタン部材の変形例を作用させる方法を示す縦断面図解図である。 ボタン部材の別の変形例の右側面図解図である。 ボタン部材の別の変形例の縦断面図解図である。 ボタン部材の別の変形例を作用させる方法を示す縦断面図解図である。 ボタン部材の別の変形例を作用させる方法を示す縦断面図解図である。 保持部材の回転角度規制部の変形例の斜視図解図である。 保持部材の回転角度規制部の変形例の斜視図解図である。 保持部材の回転角度規制部の変形例の斜視図解図である。 保持部材の回転角度規制部の変形例の斜視図解図である。 保持部材の回転角度規制部の変形例の斜視図解図である。
この発明にかかる実施の形態である2穴真円型リング綴じ具について説明する。
図1は、本発明にかかる一実施の形態である綴じ具を用いたファイルを示す斜視図である。図2は、本発明にかかる一実施の形態である綴じ具の一例を示す斜視図であり、図3は、保持部材の斜視図である。図4は、作動部材及び開閉部材の斜視図解図である。図5は、開閉部材の平面図である。図6は、開閉部材の側面図解図で、(A)は元の状態の側面図解図で(B)(C)は巻線部の円周方向に力を加えた状態の側面図解図である。図7は、綴杆及び作動部材の図解図であり、(A)は閉じた状態における綴杆と作動部材を示す平面図解図であり、(B)は第2の作動片の左側図解図である。図8は、閉じた状態における綴じ具の平面図である。図9は、閉じた状態における綴じ具の底面図である。図10は、閉じた状態における綴じ具の横断面図であり、(A)は図9A−A断面図であり、(B)は図9B−B断面図である。図11は、綴杆を開く状態を示す綴じ具の底面図である。図12は、綴杆を開く状態を示す綴じ具の綴杆の図解図である。
図1ないし2に示す綴じ具10は、厚紙その他の比較的硬質なシート材からなる表紙Aの略中央に形成される左右一対の折り線の内側の背表紙の内側表面に固定される。固定する方法としては、綴じ具10の長手方向に間隔を置いて形成された取付孔20(後に詳述する)にボルトとナットやはとめ等の固着具を挿通させて、背表紙と一体となるように固定する方法がある。
なお、固着具は、例えば、ボルトとナット、ビス、はとめ、リベット等の棒状体のものを用いるとよい。
綴じ具10は、環状の綴杆を構成する一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴環12及び第1の綴環12と一対の第2の綴環14と、前記第1の綴環12及び第2の綴環14をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材16と、その表面に第1の綴環12及び第2の綴環14が間隔をおいて並列して第1の綴環12及び第2の綴環14のそれぞれの基部が固定され、第1の綴環12及び第2の綴環14が前記保持部材16に固定されるように保持部材16の内側に可動自在に固定された作動部材18と、第1の綴環12及び第2の綴環14を開くために保持部材16の一端に設けられたボタン部材80とを備える。
この綴じ具10の綴杆は、主綴杆たる第1の綴環12と副綴杆たる第2の綴環14とからなる開閉自在の2穴タイプである。
第1の綴環12と第2の綴環14とは、ボタン部材80によって又は指で捻って、その綴杆係止部50を外すことができるように構成されている。
そして、綴杆を閉じるときは、主綴杆たる第1の綴環12を、例えば親指と人差し指で直接挟んで閉じるように構成されており、第1の綴環12を2本の指で挟んで閉じる方向に作動させると、副綴杆たる第2の綴環14は追動するように構成されている。
[保持部材]
保持部材16は、第1の綴環12と第2の綴環14とを所定の間隔をおいて並列して設けることができる長さを備える平面視略長方形である。
保持部材16は、第1の綴環12及び第2の綴環14を固定する部位より長手方向における外側近傍より内側に向かって、その中央が膨出した断面略半円弧状の被綴じ物載置部22を備え、且つ、被綴じ物載置部22の内側は保持空間を備え、その保持空間に作動部材18等を収容するように構成されている。
保持部材16の被綴じ物載置部22の両端には、その長手方向に略その一端から他端に亘って、作動部材18を摺動自在に保持する保持壁24が設けられている。この実施の形態においては、保持壁24は、保持部材16の長手方向において、第1の綴環12及び第2の綴環14のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bが連設され、第1の保持壁24aと第2の保持壁24bとは平行で略同一の形状の板状である。
そして、この第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bと被綴じ物載置部22によって囲繞された保持空間内に、後に詳しく説明する作動部材18、開閉部材40等が収容される。
保持部材16の被綴じ物載置部22には、第1の綴環12と第2の綴環14とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための第1の貫通孔26と第2の貫通孔28がそれぞれ穿設されている。
第1の貫通孔26と第2の貫通孔28とは、第1の綴環12を構成する第1の半割杆12a及び第2の半割杆12bと、第2の綴環14を構成する第3の半割杆14a及び第4の半割杆14bとに対応して、保持部材16の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、2つずつ穿設されている。
[作動部材]
作動部材18は、平面視略長方形状金属板からなる一対の第1の作動片30及び第2の作動片32からなる。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、その長手方向において、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bと平行でその内面に摺動する外側端縁30b及び外側端縁32bが形成され、該外側端縁30b及び外側端縁32bと平行に当該一対の第1の作動片30及び第2の作動片32を突き合わせる突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが内側縁に形成されている。第1の作動片30及び第2の作動片32は、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7及び図9図示)を対称の中心とする点対称形で、保持部材16の保持空間内において各々をその長手方向において並置したとき、各々その内側縁において屈曲自在に係合する。
そして、第1の作動片30及び第2の作動片32は、外側から力が加わらないときには、第1の作動片30と第2の作動片32とが谷折り、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面より離れた方向(突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが、図7図示平面Pxyより下側)に向いて、あるいはまた、山折り、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向(突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが図7図示平面Pxyより上側)に向いて、その谷折りまたは山折りの状態を維持するように、保持部材16の内側の保持空間部に内設されている。
平面Pxyとは、第1の綴環12と第2の綴環14それぞれの基部が第1の作動片30と第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2及び前後軸X1,
X2(図7図示)を含む平面である。
作動部材18は、一方の作動片、すなわち第1の作動片30における保持部材16の被綴じ物載置部22の内側面と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴環12を構成する第1の半割杆12aの基部が固定され、且つ、前記第1の半割杆12aとは一定の間隔をおいて、第2の綴環14を構成する第3の半割杆14aの基部が固定されている。
また、他方の作動片、すなわち第2の作動片32における保持部材16の被綴じ物載置部22と対向する表面(すなわち上面)には、第1の綴環12を構成する第2の半割杆12bの基部が固定され、且つ、前記第2の半割杆12bと一定の間隔をおいて、第2の綴環14を構成する第4の半割杆14bの基部が固定されている。
一方の作動片、すなわち第1の作動片30は、前記保持部材16に形成された第1の貫通孔26に通される突出部30c1(第1の半割杆12aの近傍に形成)及び前記保持部材16に形成された第2の貫通孔28に通される突出部30c2(第3の半割杆14aの近傍に形成)が形成されている。
第2の作動片32は、前記保持部材16に形成された第1の貫通孔26に通される突出部32c1(第2の半割杆12bの近傍に形成)及び前記保持部材16に形成された第2の貫通孔28に通される突出部32c2(第4の半割杆14bの近傍に形成)が形成されている。
そして、一対の第1の作動片30及び第2の作動片32は、前記突出部30c1と突出部30c2及び突出部32c1と突出部32c2が第1の貫通孔26と第1の貫通孔26及び第2の貫通孔28と第2の貫通孔28に通された状態で、突き合わされている。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが、綴杆、すなわち第1の綴環12及び第2の綴環14を開いた際には前記保持部材16の内面に近づき且つ前記第1の綴環12及び第2の綴環14を閉じた際には前記保持部材16の内面から離れるように、前記第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉する方向に揺動可能に、前記保持部材16に保持される。
第1の作動片30は、一対の作動片が突き合わされる略直線状の突き合わせ縁30aが内側に形成され、前記突き合わせ縁30aと略平行な略直線状の外側端縁30bが外側に形成されている。
第2の作動片32は、一対の作動片が突き合わされる略直線状の突き合わせ縁32aが内側に形成され、前記突き合わせ縁32aと略平行な略直線状の外側端縁32bが外側に形成されている。
第1の作動片30の外側端縁30bは、突出部30c1及び突出部30c2が、形成されている。
第2の作動片32の外側端縁32bは、突出部32c1及び突出部32c2が、形成されている。
すなわち、その突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが突き合わされ且つ外側端縁30b及び外側端縁32bが保持部材16の第1の保持壁24aと第2の保持壁24bとの両壁内内側面に接近する。
前記突出部30c1と突出部30c2とは、第1の半割杆12aと第3の半割杆14aの基部の取付け位置に近い位置である第1の作動片30の幅方向において外側で、それぞれ前後に間隔をあけて一対形成され、且つ、突出部32c1と突出部32c2とは、第2の半割杆12bと第4の半割杆14bの基部の取付け位置に近い位置である第2の作動片32の幅方向において外側で、それぞれ前後に間隔をあけて一対形成され、第1の綴環12及び第2の綴環14の開閉ができるように、保持部材16の第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bより外側に突出している。
突出部30c1と突出部30c2とは、保持部材16の第1の保持壁24aの第1の貫通孔26及び第1の貫通孔26より外側に突き出る長さを備え、また、突出部32c1と突出部32c2とは、保持部材16の第2の保持壁24bの第2の貫通孔28及び第2の貫通孔28より外側に突き出る長さを備え、且つ、作動部材18が綴杆の開閉時に保持部材16の長手方向に移動可能な幅を有する舌状である。
作動片30及び作動片32は、金属またプラスチックの薄板からなり、作動片30及び作動片32と突出部30c1、突出部30c2、突出部32c1及び突出部32c2とは一体成形されてなる。
取付孔20は、保持部材16の被綴じ物載置部22並びに第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2作動片32の突き合わせ縁32aに形成されている。
取付孔20は、保持部材16並びに第1の作動片30及び第2の作動片32の長手方向において適宜な間隔をあけて2個ないし複数個形成されている。
保持部材16に形成されている取付孔20は、表紙Aに取り付けるための固着具によって、綴じ具10を堅固に固定するに適する形状に形成されている。
第1の作動片30及び第2の作動片32に形成された取付孔20は、第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉するときに、第1の作動片30及び第2の作動片32が移動するに適する形状に形成されている。例えば、取付孔20は、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとに形成された半円形の孔が合わさって一つの円形に形成され、その径は、固着具との間に移動するための間隙が形成される長さとする。
この実施の形態においては、取付孔20は、保持部材16の被綴じ物載置部22に形成された第1の取付孔20aと、第1の作動片30及び第2の作動片32に形成された第2の取付孔20bとを備える。
第1の取付孔20aは、被綴じ物載置部22より垂下された筒状部を備え、筒状部の貫通孔内に固着具が貫挿される。
第2の取付孔20bは、前記取付孔20aの筒状部の外側面との間に第1の作動片30及び第2の作動片32を移動するための空間を設けるように、取付孔20aより大きな平面視六角形ないしは楕円形の孔を形成されている。
[ボタン部材]
作動部材18は、一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32を移動させるためのボタン部材80を備える。
次に、ボタン部材80について、主として図42ないし図54に基づいて説明する。
前記ボタン部材80は、第1の綴環12と第2の綴環14とが並列する方向すなわち作動部材の長手方向に作動部材18を作動させて該第1の綴環12及び第2の綴環14を開くように、一方の作動片(第1の作動片30)と他方の作動片(第2の作動片32)とを反対方向に移動させるための、第1の腕部800と第2の腕部820とを有している。
第1の腕部800は、一方の作動片(第1の作動片30)を第1の腕部800の側に移動させ、第2の腕部820は、他方の作動片(第2の作動片32)を第2の腕部820とは反対側に移動させるように構成されている。
ボタン部材80は、保持部材16の一方の端部及び/又は他方の端部に、第1の綴環12と第2の綴環14とが並列する方向に回転するように、枢軸82a及び枢軸82bによって取り付けられている。
ボタン部材80は、回転の中心となる枢軸82a及び枢軸82bより保持部材16の長手方向における中央及び第2の綴環14から離れる側に、指で押すための押圧部84を形成されている。
ボタン部材80は、枢軸82a及び枢軸82bより保持部材16の長手方向の中央側及び第2の綴環14側に、第1の腕部800及び第2の腕部820を形成されている。
ボタン部材80は、保持部材16の保持壁24の内側面に対向する平面を有する突出部86a及び突出部86bを備えており、該突出部86a及び突出部86bの保持部材16の第1の保持壁24a及び第2の保持壁24b側の平面に、枢軸82a及び枢軸82bを側方に向けて突設されている。
枢軸82aは、略円柱状であり、保持部材16の一方の保持壁たる第1の保持壁24aに対向する突出部86aの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82bは、略円柱状であり、保持部材16の他方の保持壁たる第2の保持壁24bに対向する突出部86bの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82aと枢軸82bとは、反対方向に向いて突設されている。
ボタン部材80は、ポリアセタール等の弾力性を有する合成樹脂で一体成形されている。
第1の腕部800及び第2の腕部820は、押圧部84より比較的薄い帯状体として形成され、弾力性及び復元性を有している。
枢軸82aは、保持部材16の第1の保持壁24aに穿設された第1の枢支孔88aに回動自在に貫挿されている。
枢軸82bは、保持部材16の第2の保持壁24bに穿設された第2の枢支孔88bに回動自在に貫挿されている。
第1の枢支孔88aと第2の枢支孔88bとは、反対方向に向いた枢軸82a及び枢軸82bに対応して、対向している。
ボタン部材80は、枢軸82aより上方を経て、第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の綴環14の第3の半割杆14aの綴杆係止部50を離間させる方向(すなわち手前側)とは反対側、すなわち向こう側にのびる、第1の腕部800を、押圧部84に連設されている。
ボタン部材80は、枢軸82bより下方を経て、第1の綴環12の第2の半割杆12b及び第2の綴環14の第4の半割杆14bの綴杆係止部50を離間させる方向すなわち向こう側にのびる第2の腕部820を押圧部84に連設されている。
押圧部84は、第1の作動片30及び第2の作動片32に立設された第1の綴環12及び第2の綴環14の円形面と略々同じ方向にのびる、すなわち、第1の作動片30及び第2の作動片32に立設された第1の綴環12及び第2の綴環14の立設方向と略々同じ方向にのびる、舌状である。
押圧部84は、指で押す面である表面が第1の綴環12及び第2の綴環14側に向き、背面が第1の綴環12及び第2の綴環14とは反対側に向く。
押圧部84の背面の下方領域は、枢軸82a及び枢軸82bの高さ位置から下方が切り欠かれており、押圧部84を押し下げたとき、枢軸82a及び枢軸82bを中心として、ボタン部材80が背面側に回転するように構成されている。
突出部86aは、押圧部84の右端側の下端部より第1の作動片30側に向けて突き出された板状体であって、第1の保持壁24a側に平面を備える。
突出部86bは、押圧部84の左端側の下端部より第2の作動片32側に向けて突き出された板状体であって、第2の保持壁24b側に平面を備える。
枢軸82aは、突出部86aの第1の保持壁24a側と対向する平面において、第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分を通る前後軸X1及びX2(図7図示)に直交する方向に突設された、円柱状体である。
枢軸82bは、突出部86bの第2の保持壁24b側と対向する平面において、第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分を通る前後軸X1及びX2(図7図示)に直交する方向に突設された、円柱状体である。
第1の腕部800及び第2の腕部820は、突出部86aと突出部86bとの間において、押圧部84の下端部より第1の作動片30及び第2の作動片32側に向けて突き出されている。
第1の腕部800は、押圧部84の右端寄りの下端部近傍より枢軸82aの上方を経て第1の作動片30側に向けてのびる、弾力性を有する帯状体である。
第2の腕部820は、押圧部84の左端寄りの下端部近傍より枢軸82bの下方を経て第2の作動片32側に向けてのびる、弾力性を有する帯状体である。
第1の腕部800は、枢軸82aより上方においてのびる第1作用部802と、該第1作用部802より第1の作動片30側に向いて枢軸82aの向こう側において同じ高さ位置において、第1の綴環12及び第2の綴環14側に向いてのびる略直線状の第1の連結部804とを有している。
第1作用部802は、第1の作動片30を移動させるようにわん曲して作用する。
第1作用部802と第1の連結部804とは、枢軸82aより第1の作動片30側において、連結されている。
ここに、上方とは、第1の綴環12の軸Z1及び第2の綴環14の軸Z2(図7図示)が構成する円形面ののびる方向をいう。
第2の腕部820は、枢軸82bより下方に凹んだわん曲してのびる第2作用部822と、該第2作用部822より第2の作動片32に向いてのびる略々直線状の第2の連結部824とを有している。
第2作用部822と第2の連結部824とは、枢軸82bより第2の作動片32側において、連結されている。
ここに、下方とは、第1の綴環12の軸Z1及び第2の綴環14の軸Z2(図7図示)が構成する円形面ののびる方向とは反対側の方向をいう。
第1作用部802及び第2作用部822は、弾力性を有し、押圧部84を指で押していないときには、第1の綴環12及び第2の綴環14を閉じる位置に第1の作動片30及び第2の作動片32を位置させるように復元するように構成されている。
ボタン部材80の枢軸82a及び枢軸82bは、作動部材18の長手方向に間隔をおいて並列して設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)と直交する方向にのびる。
ボタン部材80の第1の腕部800及び第2の腕部820は、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に略々沿う方向にのびる。
ボタン部材80の突出部86a及び突出部86bは、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に略々沿う方向にのびる。
ボタン部材80の第1の腕部800と第2の腕部820とは、その間にスリットが形成されており、別々の作用をする。該スリットは、押圧部84の下端近傍に食い込む。
第1の腕部800は、隣接する突出部86aとはその間にスリットが形成されており、第2の腕部820は、隣接する突出部86bとはその間にスリットが形成されている。該スリットは、押圧部84の下端近傍に食い込む。
第1の腕部800は、一方の作動片(第1の作動片30)を、第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動可能にできるように、一方の作動片(第1の作動片30)に取り付けられている。
第2の腕部820は、他方の作動片(第2の作動片32)を、第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動可能にできるように、他方の作動片(第2の作動片32)に取り付けられている。
ボタン部材80を操作しないときは、第1の綴環12及び第2の綴環14が閉じた状態に保たれており、第1の腕部800の第1の連結部804が第1の作動片30と略平面状に並列し、第2の腕部820の第2の連結部824が第2の作動片32と略平面に並列する。
ボタン部材80は、押圧部84の自由端側を下方に押すことにより、第1の腕部800に連設された第1の作動片30を第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の綴環14の第3の半割杆14aの綴杆係止部50を離間させる側すなわち手前側に移動させ、且つ、第2の腕部820に連設された第2の作動片32を第1の綴環12の第2の半割杆12b及び第2の綴環14の第4の半割杆14bの綴杆係止部50を離間させる側すなわち向こう側に移動させる。
第1の貫挿軸806は、第1の連結部804の下面より下方に向いて、すなわち、第1の作動片30の第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が固着された表面及びそれと背中合わせの背面と直交する方向に、突設された円柱状である。
第2の貫挿軸826は、第2の連結部824の上面より上方に向いて、すなわち、第2の作動片32の第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が固着された表面及びそれと背中合わせの背面と直交する方向に、突設された円柱状である。
ボタン部材80は、第1の腕部800側に、押圧部84とは反対側に一方の作動片(第1の作動片30)に取り付けるための第1の貫挿軸806を突設されている。
該第1の貫挿軸806は、一方の作動片(第1の作動片30)を第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動できるように、一方の作動片(第1の作動片30)の手前に穿設されたボタン部材取り付け孔830に緩挿されている。
ボタン部材80は、第2の腕部820側に、押圧部84とは反対側に他方の作動片(第2の作動片32)に取り付けるための第2の貫挿軸826を突設されている。
該第2の貫挿軸826が、他方の作動片(第2の作動片32)を第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動できるように、他方の作動片(第2の作動片32)の手前に穿設されたボタン部材取り付け孔832に緩挿されている。
第1の腕部800は、第1の連結部804が第1の作動片30の手前側の上面に当接され、第1の貫挿軸806が第1の作動片30の手前側に穿設されたボタン部材取り付け孔830に貫挿されている。
第2の腕部820は、第2の連結部824が第2の作動片32の手前側の下面に当接され、第2の貫挿軸826が第2の作動片32の手前側に穿設されたボタン部材取り付け孔832に貫挿されている。
ボタン部材取り付け孔830の径は、第1の貫挿軸806の径より長く、ボタン部材取り付け孔830と第1の貫挿軸806との間に隙間がある。
ボタン部材取り付け孔832の径は、第2の貫挿軸826の径より長く、ボタン部材取り付け孔832と第2の貫挿軸826との間に隙間がある。
第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉するとき、第1の作動片30及び第2の作動片32は、揺動して、第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2の作動片32の突き合わせ縁32aが保持部材16の被綴じ物載置部22側に接近したり離間したりすることができる。
第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉するとき、第1の作動片30及び第2の作動片32は、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に移動して、第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2の作動片32の突き合わせ縁32aが保持部材16の被綴じ物載置部22側に接近したり離間したりすることができる。
保持部材16は、一方の端部及び/又は他方の端部に、作動部材18を移動させるためのボタン部材80を取り付ける空所76が形成されている。
空所76は、ボタン部材80が第1の綴環12と第2の綴環14とが並列する方向、すなわち、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に回転するように取り付けられている。
保持部材16は、該空所76に続いてボタン部材80の回転角度を規制するための回転角度規制部78を形成されている。
回転角度規制部78は、保持部材16の一方の端部(手前側の端部)において、保持部材16及び作動部材18の幅方向にのびる棒状であって、ボタン部材80の押圧部84の手前側面(指で押圧する面の裏側)が、ボタン部材80の押圧部84を押し下げて傾けたときに当接するように構成されている。
ボタン部材80は、回転角度規制部78によって、適宜な角度で停止するように構成されている。
該空所76に続いて形成された、回転角度規制部78は、ボタン部材80の押圧する距離を規制するために、保持部材16の幅方向にのびる棒状の押圧距離規制部を構成する。
作動部材18の一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に移動するように、作動部材18を移動させるためのボタン部材80を備えている。
ボタン部材80は、第1の綴環12及び第2の綴環14を開くために、押圧部84の表面を指で押し下げると、押圧部84の下部領域より第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第1の作動片30及び第2の作動片32寄りにある枢軸82a及び枢軸82bを中心として回転して、押圧部84の先端(自由端)が下方に下がる。
このとき、第1の腕部800は、第1作用部802が少し上方にわん曲しているので、枢軸82aに沿って第1作用部802が引かれて第1の連結部804が第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第1の作動片30とは離れる方向に引かれる。
第1の腕部800は、第1作用部802の押圧部84側が枢軸82aを中心として回転して、第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第1の作動片30とが離れる方向に引かれることにより、第1の連結部804によって第1の作動片30をボタン部材80側に引く。
一方、第2の腕部820は、第2作用部822が少しのびるようにして、第2の連結部824を第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第2の作動片32に向いてスライドする。
第2の腕部820は、第2作用部822の押圧部84側が、枢軸82bを中心として回転して、第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第2の作動片32に向いて移動することにより、第2の連結部824によって第2の作動片32を、ボタン部材80が位置する側とは反対側の保持部材16の端部に向けて、押す。
ボタン部材80を指で押して、第1の綴環12及び第2の綴環14を開き始めると、1対の前記第1の作動片30及び第2の作動片32は、前記保持部材16の長手方向において互いに逆方向に移動させることにより、前記半割杆の組み合わせによる前記第1の綴環12及び第2の綴環14が分離され、前記第1の綴環12及び第2の綴環14が分離されたときに、前記開閉部材40は、前記第1の作動片30と第2の作動片32とを付勢して、前記第1の半割杆12aと第2の半割杆12b及び第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとを開放させる。
[作動部材]
前記作動部材18は、前記開閉部材40を収容するために、開閉部材収容部36が、第1の綴環12及び第2の綴環14が固定された表面とは反対側の裏面側より表面側に向けて凹設されている。
前記作動部材18は、第1の作動片30の突き合わせ縁30aの近傍が第1の綴環12の突き出る方向に向けて凹まされ且つ第2の作動片32の突き合わせ縁32aの近傍が第2の綴環14の突き出る方向に向けて凹まされることにより、第1の作動片30に形成された凹み36aと第2の作動片32に形成された凹み36bとを形成されてなる開閉部材収容部36が形成されている。
凹み36aは、突き合わせ縁30a側が深く凹まされ、第1の綴環12側の上縁及び第2の綴環14側の下縁は略平行で、突き合わせ縁30aと略直交する平面視略方形状である。
凹み36bは、突き合わせ縁32a側が深く凹まされ、第1の綴環12側の上縁及び第2の綴環14側の下縁は略平行で、突き合わせ縁32aと略直交する平面視略方形状である。
前記開閉部材収容部36は、第1の作動片30に形成された凹み36aと第2の作動片32に形成された凹み36bとが、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを軸として線対称形に形成されて構成されている。
前記開閉部材40は、第1の綴環12及び第2の綴環14が固定された表面とは反対側の裏面側において、作動部材18の前記開閉部材収容部36に固定され、前記第1の綴環12及び第2の綴環14を開くときに、保持部材16内で、前記作動片30及び作動片32を保持部材16の長手方向に移動させるとともに保持部材16の内面に近づいた方向に保持されるように、第1の綴環12及び第2の綴環14を開く方向に変化させるように形成されているので、開閉部材収容部36は、開閉部材40を収容し、開閉部材40の作用により第1の作動片30と第2の作動片32とが低背化を図るように構成されている。
前記第1の作動片30は、一対の作動片を係合させるための係合部30d及び係合部30eが、第1の作動片30の突き合わせ縁30aから第2の作動片32の突き合わせ縁32aに向けて突き出し設けられ、且つ、一対の作動片を係合させるための係合部32d及び係合部32eが、第2の作動片32の突き合わせ縁32aから第1の作動片30の突き合わせ縁30aに向けて突き出し設けられている。
係合部30d及び係合部30eと係合部32d及び係合部32eは、対向する第1の作動片30及び第2の作動片32の上側に向けて延びて突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを中心にして第1の作動片30と第2の作動片32とが揺動するように形成されている。
係合部30d及び係合部30eと係合部32d及び係合部32eは、保持部材16の被綴じ物載置部22の内面側に向けて、作動部材18の厚み分を突き出された基部と、前記基部の先端より突き出された押さえ部とを備えた平面視略U字状に形成されている。そして、押さえ部は、一対の作動片たる第1の作動片30及び第2の作動片32のうちの片一方の作動片たる第1の作動片30または第2の作動片32のはずれ止めの機能を備え、係合部30d及び係合部30eと係合部32d及び係合部32eは、保持部材16の被綴じ物載置部22の内面側に向けて突き出されて、一対の作動片たる第1の作動片30及び第2の作動片32の片一方の作動片、すなわち第1の作動片30または第2の作動片32の保持部材16の被綴じ物載置部22の内面側において接近している。
最も外側の係合部30d及び係合部32dは、第1の作動片30と第2の作動片32を逆方向に移動させたときにおいても作動部材18の端縁より内側に位置する幅を備えている。
最も外側の係合部30d及び32dと内側の係合部30e及び32eとは、第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が取付けられた部位を挟んで適宜な間隔をおいて形成されている。
そして、前記第1の綴環12及び第2の綴環14が閉じるときには、図10に示すように、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、その突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが保持部材16の内面(被綴じ物載置部22の内面)より離れた方向に向いて(すなわち谷折りの状態)、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが突き合わされた状態において保持されるとともに、前記第1の綴環12及び第2の綴環14を開くときには、図15に示すように、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、保持部材16の内面(被綴じ物載置部22の内面)に近づいた方向に向いて(すなわち山折り状態)、第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが突き合わされた状態に保持されるように保持部材16内の空間において固定される。
また、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、保持部材16の被綴じ物載置部22の内面に近づいた方向、すなわち山折りの状態においては、第1の作動片30と第2の作動片32の長手方向、すなわち第1の作動片30と第2の作動片32に固着された第1の半割杆12aと第3の半割杆14aとを結ぶ線(X1(図7図示))及び第2の半割杆12bと第4の半割杆14bとを結ぶ線(X2(図7図示))と平行な方向に、第1の作動片30と第2の作動片32とを移動させることができるように摺動自在に内設されている。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、開閉部材収容部36の外側近傍において、第1の作動片30及び第2の作動片32の長手方向への移動を規制する移動規制部が形成される。
移動規制部は、第1の作動片30の突き合わせ縁30aに形成された規制凹部30f及び規制凸起30gと、第2の作動片32の突き合わせ縁32aに形成された規制凹部32f及び規制凸起32gとから形成される。
規制凹部30fは、凹み36aの外側近傍において、突き合わせ縁30aより幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸起32gは、前記規制凹部30fと遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部30fに規制凸起32gが遊嵌されて、規制凹部30f内において第1の作動片30及び第2の作動片32がその長手方向に互い違いに移動するように形成されている。
規制凹部32fは、凹み36bの外側近傍において、突き合わせ縁32aより幅方向において凹んだ平面視コ字型の欠きであり、規制凸起30gは、前記規制凹部32fと遊嵌するように形成された平面視コ字型の凸起であり、規制凹部32fに規制凸起30gが遊嵌されて、規制凹部32f内において第1の作動片30及び第2の作動片32がその長手方向に互い違いに移動するように形成されている。
[開閉部材]
第1の作動片30の凹み36a内で突き合わせ縁30a側及び第2の作動片32の凹み36b内で突き合わせ縁32a側において、第1の綴環12と第2の綴環14とを開閉方向に変化させる開閉部材40が設けられている。
前記開閉部材40は、前記作動部材18を構成する一対の作動片すなわち作動片30と作動片32との間において、一対の作動片30と作動片32をそれぞれ逆方向に移動させるとともに、綴杆すなわち第1の綴環12及び第2の綴環14の開閉状態を保持させるように、第1の作動片30に間隔をおいて固定された綴杆すなわち第1の半割杆12a及び第3の半割杆14aの基部を結ぶ方向と斜めに交差する方向であり、且つ作動片32に間隔をおいて固定された綴杆すなわち第2の半割杆12b及び第4の半割杆14bの基部を結ぶ方向と斜めに交差する方向に、架け渡されている。
開閉部材40は、引っ張りコイルバネからなり、巻線部44と、巻線部44の両端から巻線部44を巻き起こしてフックとした固定先端部42a及び固定先端部42bとを備える。開閉部材40は、図6(A)に示すように、巻線部44の円周方向に規制腕部46aと規制腕部46bとが平行に突き出されている。
前記開閉部材40は、第1の綴環12と第2の綴環14とが閉じた状態において、無負荷時には密着していた巻線部44がのびるように引っ張られた引っ張り荷重を受けた状態で、荷重を受ける固定先端部42aが第1の作動片30に、固定先端部42bが第2の作動片32に固定されている。
更に、第1の綴環12と第2の綴環14とが閉じた状態において、開いた状態から閉じた状態への方向に向けて第1の作動片30と第2の作動片32とを突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを中心に回動させる方向に、巻線部44(コイル)の中心軸まわりにねじりモーメントを受け、ばねに荷重が加わり、素線に曲げ応力を発生させて、固定先端部42aが第1の作動片30に、固定先端部42bが第2の作動片32に固定されている。
この場合、開閉部材40は、巻線部44にねじりモーメントなどの負荷が加わっていない状態(図6(A)図示)からみて、巻線部44の巻き数が1巻以上増えるように巻線部44を1回転以上ねじった状態(固定先端部42a及び規制腕部46aがR方向、固定先端部42b及び規制腕部46bがQ方向(図5及び図6(A)図示))で、固定先端部42a及び42bが開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bにそれぞれ固定される。
ばねに荷重を加える荷重の方向としては、巻線部44(コイル)を巻き込む方向に向くように構成されている。
規制腕部46a及び規制腕部46bは、固定先端部42a及び固定先端部42bの第1の作動片30及び第2の作動片32に固定される側から巻線部44の中心軸と直交する方向にのび、一方の規制腕部46aと他方の規制腕部46bとは、ねじりモーメントが発生しない元の状態は、図5及び図6(A)に示すように、巻線部44の円周方向に略平行に突き出され、互いに反対向きにのびる。
一方の規制腕部46aは、固定先端部42aが第1の作動片30の開閉部材固定部38aに固定されたとき、第1の作動片30の裏面にその先端が突き当たり、他方の規制腕部46bは、固定先端部42bが第2の作動片32の開閉部材固定部38bに固定されたとき、第2の作動片32の裏面(下面)にその先端が突き当たり、丸フックの固定先端部42a及び固定先端部42bが大きく傾くことなく、常に正規の状態にて開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bに固定されるように構成されている。
ねじりモーメントが発生しない元の状態においては、一方の規制腕部46aともう一方の規制腕部46bとは平行になるように形成されている。
開閉部材40は、その固定先端部42aの一端が一方の作動片、すなわち第1の作動片30の裏面(下面)に形成された開閉部材固定部38aに係止固定され、開閉部材40の固定先端部42b一端が、他方の作動片、すなわち第2の作動片32の裏面(下面)に形成された開閉部材固定部38bに係止固定されている。
開閉部材固定部38aは、開閉部材収容部36の凹み36aの裏面(下面)であって、第1の作動片30の長手方向の中心C(図7及び図9図示)より第1の綴環12及び第2の綴環14を開くときに第1の作動片30の移動する方向側にずれた位置に形成され、開閉部材固定部38bは、開閉部材収容部36の凹み36bの裏面(下面)であって、第2の作動片32の長手方向の中心C(図7及び図9図示)より第1の綴じ杆12及び第2の綴じ杆14を開くときに第2の作動片32の移動する方向側にずれた位置に形成されている。
開閉部材固定部38aは、第1の作動片30の裏面に続く係止基部38a1と、係止基部38a1の先端(下端)に開閉部材40とは反対側に向けてのびる係止外れ止め部38a2が突設された、側面L字形である。
開閉部材固定部38bは、第2の作動片32の裏面に続く係止基部38b1と、係止基部38b1の先端(下端)に開閉部材40とは反対側に向けてのびる係止外れ止め部38b2が突設された、側面L字形である。
開閉部材固定部38aと開閉部材固定部38bとは、第1の作動片30及び第2の作動片32の長手方向の中心Cを中心として、点対称に形成されている。
開閉部材40は、第1の作動片30と第2の作動片32との突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aが、谷折り状態(図10図示)、すなわち保持部材16の被綴じ物載置部22の内面より離れた状態に保持された状態にあるときに、伸展した状態となるように、第1の作動片30と第2の作動片32との間において斜めに架け渡され、この状態において、元の状態に戻ろうとする力が働くように構成されている。
開閉部材40は、第1の作動片30及び第2の作動片32のそれぞれの長手方向、すなわち第1の作動片30の半割杆12aを固定する部位と半割杆14aを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X1(図7図示))及び第2の作動片32の半割杆12bを固定する部位と半割杆14bを固定する部位とを結ぶ線(前後軸X2(図7図示))と斜めに交差する方向に架け渡されている。
第1の作動片30の開閉部材固定部38aと第2の作動片32の開閉部材固定部38bとは、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7及び図9図示)を回転軸として点対称となるように形成され、開閉部材40が突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図7及び図9図示)より均一な長さによって固定先端部42aが開閉部材固定部38aに、固定先端部42bが開閉部材固定部38bに係止されて、均一な力が第1の作動片30及び第2の作動片32にかかるように構成されている。
第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2の作動片32の突き合わせ縁32aにおいて突き合わされた第1の作動片30と第2の作動片32との間における距離を、一定に保ち、第1の作動片30と第2の作動片32とを引き寄せてそれぞれの位置関係を最適な状態に保つ。
したがって、綴杆を構成する第1の綴環12及び第2の綴環14の開閉時において、第1の作動片30及び第2の作動片32が突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを枢軸として揺動するときにおいて、第1の作動片30の幅と第2の作動片32の幅との和が最大になったとき、すなわち、第1の作動片30と第2の作動片32とが平面状態(中立状態)になったときにおいても、第1の作動片30の最も外側の縁(外側端縁30b)と保持部材16の第1の保持壁24aとの間及び第2の作動片32の最も外側の縁(外側端縁32b)と保持部材16の第2の保持壁24bとの間に適宜な間隙が生じ、保持部材16の保持空間内において作動部材18の第1の作動片30及び第2の作動片32が円滑に移動できる。
そして、1対の前記第1の作動片30及び第2の作動片32は、前記保持部材16の長手方向において互いに逆方向に移動させることにより、前記半割杆の組み合わせによる前記第1の綴環12及び第2の綴環14が分離され、前記第1の綴環12及び第2の綴環14が分離されたときに、前記開閉部材40は、前記第1の作動片30と第2の作動片32とを付勢して、前記第1の半割杆12aと第2の半割杆12b及び第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとを開放させる。
そして、開閉部材40の弾性により、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32は、ボタン部材80を押して第1の綴環12と第2の綴環14とを開き始めたとき又は第1の綴環12と第2の綴環14を手で開き始めたとき、すなわち、第1の綴環12と第2の綴環14のそれぞれの綴杆係止部50を外したとき、伸びていた開閉部材40の巻線部44を更に伸ばす方向に作用させ、第1の綴環12の第1の半割杆12aと第2の半割杆12bとが離れる方向(第1の半割杆12aはO1方向で、第2の半割杆12bはO2方向(図7図示))及び第2の綴環14の第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとが離れる方向(第3の半割杆14aはO1方向で、第4の半割杆14bはO2方向(図7図示))に移動し、第1の作動片30と第2の作動片32とをそれぞれ逆方向(第1の作動片30はO1方向で、第2の作動片32はO2方向(図7図示))に移動させるように作用する(図11参照)。
さらに、開閉部材40は、第1の半割杆12aと第2の半割杆12bとを及び第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとを円周方向(図7図示の左右軸Y1及び左右軸Y2方向)に引き離すように作用する。ねじられていた開閉部材40は、図6(B)(C)の矢印方向に示すように元の状態に戻ろうとして、第1の半割杆12aと第2の半割杆12bとを及び第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとを第1の綴環12及び第2の綴環14の円周方向(第1の半割杆12a及び第3の半割杆14aはO3方向、第2の半割杆12b及び第4の半割杆14bはO4方向(図7図示))に引き離すように作用する(図14(A)参照)。
そして、開閉部材40は、開閉部材40の弾性により伸びていた巻線部44が縮む方向に作用して、作動部材18を構成する第1の作動片30は、綴杆係止部50を閉じる位置の方向(O1とは反対の方向(図7図示))に移動し、且つ、第2の作動片32は、綴杆係止部50を閉じる位置の方向(O2とは反対の方向(図7図示))に移動する。(図14(B)及び15参照)。
すなわち、第1の作動片30及び第2の作動片32は、谷折り状態から徐々に平面状態(中立状態)となり、更に平面状態(中立状態)から山折り状態に変わる。第1の綴環12及び第2の綴環14は、開く方向(第1の半割杆12a及び第3の半割杆14aはO3方向、第2の半割杆12b及び第4の半割杆14bはO4方向)に回転して開く。
開閉部材40は、第1の綴環12と第2の綴環14とを開いた状態にしたとき、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが山折り状態、すなわち、保持部材16の被綴じ物載置部22の内側面に近づいた状態に保持するように作用する。
[保持部材]
保持部材16の被綴じ物載置部22には、被綴じ物載置部22の長手方向に延びる膨出部22aが形成され、膨出部22aは、作動部材18の係合部30d及び32eが上側に向いて回転し且つ係合部30e及び32dが上側に向いて回転するとともに、開閉部材40が上側に向いて移動したときに、被綴じ物載置部22の内面と当接しないようにするために、被綴じ物載置部22の長手方向に延びて形成されている。
そして、前記保持部材16は、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12及び第2の綴環14の基部を結ぶ方向に近い方向にのびる保持壁24及び被綴じ物載置部22を有し、前記保持部材16の保持壁24及び被綴じ物載置部22により、作動部材18を保持部材16の内側に保持するための保持部が形成され、前記作動部材16及び開閉部材40は、前記第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉するとき、前記保持空間内において移動するように構成されている。
前記保持部材16は、前記したように、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる、第1の保持壁24aと第2の保持壁24bとからなる保持壁24を有し、前記保持壁24は、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12と第2の綴環14の基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)と交差する方向にのびて、保持壁24の外側に向いて突出する第1の作動片30の突出部30c1と突出部30c2及び第2の作動片32の突出部32c1と突出部32c2を保持する保持部、すなわち第1の保持壁24aに形成された第1の保持部60及び第1の保持部62と、第2の保持壁24bに形成された第2の保持部64及び第2の保持部66とを有している。
該第1の保持部60及び第1の保持部62は、前記保持壁24の一部を作動部材18の突出部30c1と突出部30c2より外側に打ち出された第1の保持部60及び第1の保持部62が、保持部材16の内側に嵌装された作動部材18の突出部30c1と突出部30c2を保持するように、保持壁24(第1の保持壁24a)の内側に向けて凹まされてなる。
また、第2の保持部64及び第2の保持部66は、前記保持壁24の一部を作動部材18の突出部32c1と突出部32c2より外側に打ち出された第2の保持部64及び第2の保持部66が、保持部材16の内側に嵌装された作動部材18の突出部32c1と突出部32c2を保持するように、保持壁24(第2の保持壁24b)の内側に向けて凹まされてなる。
前記第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66は、前記作動部材18の第1の作動片30及び第2の作動片32の下面に沿って、前記保持壁24の下縁との間に間隔をおいて細い切り込み68aと切り込み70a及び切り込み72aと切り込み74aが形成され、該切り込み68aと切り込み70a及び切り込み72aと切り込み74aと保持壁24の下縁との間における保持壁24の外方に向けて打ち出された領域により、第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66が形成されている(図22(A)(B)参照)。
そして、第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66を構成する該領域が、保持部材16の内側に嵌装された作動部材18の突出部30c1と突出部30c2及び突出部32c1と突出部32c2の下面を保持するように内側に向けて打ち出され、保持壁24の該切り込み68aと切り込み70a及び切り込み72aと切り込み74aと保持壁24の下縁との間の領域以外の領域より内側に向けて凹まされて、第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持部64及び第2の保持部66が形成されている(図23(A)(B)参照)。
[綴環]
第1の綴環12は、略円環状の綴杆となるように、半円弧状の第1の半割杆12aと第2の半割杆12bとから構成され、第2の綴環14は、略円環状の綴杆となるように、半円弧状の第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとから構成されている。そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の半割杆12a及び第2の半割杆12bと、第3の半割杆14aと第4の半割杆14bの先端、すなわち第1の綴環12及び第2の綴環14の頂部において、綴杆係止部50が形成されている。
前記綴杆を構成する第1の綴環12及び第2の綴環14は、断面円形状金属製線材を、綴杆係止部50を外す方向(図7のO1及びO2の方向)にのばし、且つ中央部分を押さえることによって綴杆を閉じる方向に対してわん曲させて形成されている。そして、第1の綴環12及び第2の綴環14は、中央が綴杆を開く方向(第1の半割杆12a及び第3の半割杆14aは、図7のO3方向、第2の半割杆12b及び第4の半割杆14bは、図7のO4方向)に膨み且つ両端が綴杆を閉じる方向にわん曲した断面略空豆(ビーンズ)型の形状に形成されている。
すなわち、環状の第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉方向に見て、第1の綴環12及び第2の綴環14の内側は波状起伏面が形成され、第1の綴環12及び第2の綴環14の外側は半円弧状に形成されている。そして、第1の綴環12及び第2の綴環14は、綴杆を外す方向に見て、両外側が、半円弧状に形成されている。
従来の断面形状丸型の綴杆は、小径だと変形に弱く、大径にすれば断面積が増して材料費がかさみ、従来の断面形状略長方形の綴杆は、用紙にあける綴じ穴には丸穴が多いので、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴に対応しにくく、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴を傷つけるおそれがある。
ところが、綴杆を構成する第1の綴環12及び第2の綴環14は、細いならば綴杆係止部50の嵌合がうまくゆかないときがある。
そのために、第1の綴環12及び第2の綴環14の幅を広げたいが、元の線材として断面積の小さいものを使用しても、元の金属製線材を加工することにより綴杆としては必要な幅が確保されるようにしたい。
そこで、本願発明にかかる綴杆は、それを形成する線材の中央部分を押さえて線材を空豆(ビーンズ)型につぶすことにより全体としての幅を広げ、すなわち、綴杆の全体の幅を綴杆係止部50を外す方向に広げて、綴杆係止部50の嵌合を完全にできるように形成している。
この実施の形態においては、第1の綴環12を構成する第1の半割杆12a及び第2の半割杆12bと第2の綴環14を構成する第3の半割杆14a及び第4の半割杆14bとは、同じ形状、すなわち曲率(曲率半径)が同じものである。
第1の綴環12を構成する第1の半割杆12a及び第2の半割杆12bは、第1の半割杆12aの自由端の綴杆係止部50と、第2の半割杆12bの自由端の綴杆係止部50とを係止することにより、環状に連結される。
また、第2の綴環14を構成する第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとは、第3の半割杆14aの自由端の綴杆係止部50と、第4の半割杆14bの自由端の綴杆係止部50とを係止することにより、環状に連結される。
第1の綴環12及び第2の綴環14は、それぞれの基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分(4箇所)を通る左右軸Y1,Y2及び前後軸X1,X2(図7図示)を含む平面Pxyと垂直な平面を構成するように、第1の作動片30と第2の作動片32より立設されている。そして、第1の綴環12の軸Z1(図7図示)が構成する円形面と第2の綴環14の軸Z2(図7図示)が構成する円形面とは、平行で、且つ、第1の綴環12と第2の綴環14が第1の作動片30と第2の作動片32と固着された部位を通る平面Pxyと垂直となるように構成されている。
前記綴杆は、図16〜図21に示すように、直接指で閉じられる主綴杆たる第1の綴環12と、該第1の綴環12の閉じる方向に向けての作動に追動する副綴杆たる第2の綴環14とにより構成されている。
そして、第1の綴環12と第2の綴環14とは、同一方向(図11のO1及びO2方向)に向けて、その綴杆係止部50を指で外すことができるように構成されている。
第1の綴環12を構成する第1の半割杆12aの先端に形成された綴杆係止部50を構成する先端の凸部52a及びその凸部52aに続く凹部52bと、第2の半割杆12bの綴杆係止部50を構成する先端の凸部54a及びその先端の凸部54aに続く凹部54bとは、第1の綴環12を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
凸部52a及び凸部54aは、それぞれ先端から内側に向けて湾曲凸面を有する傾斜対向面52c及び湾曲凸面を有する傾斜対向面54cと、傾斜対向面52c及び傾斜対向面54cに続き、凸部52a及び凸部54aの後端(基部側)から除々に先端側(すなわち閉じる方向)に入り込んだ傾斜対向面52d及び傾斜対向面54dが形成され、後端近傍が鉤状で、全体として鉤鼻状に形成されている。
凹部52bは、基部側から先端に向けて湾曲凹面を有する傾斜対向面を備え、凹部54bは、同様に基部側から先端に向けて湾曲凹面を有する傾斜対向面を備えている。
また、第2の綴環14を構成する第3の半割杆14aの先端に形成された綴杆係止部50を構成する凸部56a及びその凸部56aに続く凹部56bと、第4の半割杆14bの綴杆係止部50を構成する先端の凸部58a及びその先端の凸部58aに続く凹部58bとは、第2の綴環14を閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
凸部56a及び凸部58aは、それぞれ先端から内側に向けて湾曲凸面を有する傾斜対向面56c及び湾曲凸面を有する傾斜対向面58cと、傾斜対向面56c及び傾斜対向面58cに続き、凸部56a及び凸部58aの後端(基部側)から除々に先端側(すなわち閉じる方向)に入り込んだ傾斜対向面56d及び傾斜対向面58dが形成され、後端近傍が鉤状で、全体として鉤鼻状に形成されている。
凹部56bは、基部側から先端に向けて湾曲凹面を有する傾斜対向面を備え、凹部58bは、同様に湾曲凹面を有する傾斜対向面を備えている。
第1の半割杆12aの綴杆係止部50を構成する凸部52a及び第3の半割杆14aの綴杆係止部50を構成する凸部56aは、同一方向に向けて突き出し設けられ、先端部から基部側にかけて形成された湾曲凸面を備え、両方が同一形状に形成されている。
また、第1の半割杆12aの綴杆係止部50を構成する凹部52b及び第3の半割杆14aの綴杆係止部50を構成する凹部56bは、同一方向に向けて凹み形成され、凸部54a及び凸部56aの後端から基部側にかけて形成された湾曲凹面を備え、両方が同一形状に形成されている。
第2の半割杆12bの綴杆係止部50を構成する凸部54a及び第4の半割杆14bの綴杆係止部50を構成する凸部58aは、同一方向に向けて突き出し設けられ、先端部から基部側にかけて形成された湾曲凸面を備え、両方が同一形状に形成されている。
また、第2の半割杆12bの綴杆係止部50を構成する凹部54b及び第4の半割杆14bの綴杆係止部50を構成する凹部58bは、同一方向に向けて凹み形成され、凸部54a及び凸部58aの後端から基部側にかけて形成された湾曲凹面を備え、両方が同一形状に形成されている。
第1の半割杆12aの凸部52a及び凹部52bと第2の半割杆12bの凸部54a及び凹部54bとは点対称に形成され、第3の半割杆14aの凸部56a及び凹部56bと第4の半割杆14bの凸部58a及び凹部58bとは点対称に形成されている。
第1の綴環12の凸部52aの傾斜対向面52c及び凹部54bの傾斜対向面は、第1の綴環12の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには、傾斜対向面52cと凹部54bの傾斜対向面とが一点を共有し合う内接関係で接する。
第1の綴環12の凸部52aの傾斜対向面52c及び凸部54aの傾斜対向面54cは、第1の綴環12の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには、傾斜対向面52cと傾斜対向面54cとが一点を共有し合う外接関係で接する。
第2の綴環14の凸部56aの傾斜対向面56c及び凹部58bの傾斜対向面は、第2の綴環14の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには、傾斜対向面56cと凹部58bの傾斜対向面とが一点を共有し合う内接関係で接する。
第2の綴環14の凸部56aの傾斜対向面56c及び凸部58aの傾斜対向面58cは、第2の綴環14の軸方向とは斜交するように形成され、開閉するときには傾斜対向面56cと傾斜対向面58cとが一点を共有し合う外接関係で接する。
[綴環の開閉]
主綴杆たる第1の綴環12を2本の指で挟んで綴杆を閉じ始めるとき、第2の綴環14の第3の半割杆14aの凸部56aと第2の綴環14の第4の半割杆14bの凹部58bとが当接する前に(図19参照)、第1の綴環12の第1の半割杆12aの凸部52aと第1の綴環12の第2の半割杆12bの凸部54aとが当接し、更に第1の綴環12を閉じるように作動させると、第1の綴環12の第1の半割杆12aの凹部52bが第2の半割杆12bの凸部54a上を摺動するとともに、第1の綴環12の第1の半割杆12aの凸部52aが第2の半割杆12bの凹部54bに嵌合される正規の係止位置を通り過ぎて、第1の半割杆12aの凸部52aが第2の半割杆12bの凹部54bの傾斜対向面上を摺動してずり上がる(図20参照)。
このように、第1の綴環12を閉じる方向に作動させると、第2の綴環14の第3の半割杆14aの凸部56aと第2の綴環14の第4の半割杆14bの凸部58aとが当接し、更に、第1の綴環12を閉じるように作動させると、第2の綴環14の第3の半割杆14aの凸部56aが第4の半割杆14bの凸部58aの傾斜対向面58c上を摺動し(図19参照)、更に第1の綴環12の第1の半割杆12aの凸部52aが第2の半割杆12bの凹部54bの傾斜対向面をずり上がると、第2の綴環14の第3の半割杆14aの凸部56a(第4の半割杆14bの凸部58a)が第4の半割杆14bの凹部58b(第3の半割杆14aの凹部56b)に嵌まり込み嵌合する(図20参照)。
その後、第1の綴環12から指を離し閉じる力を解放すると、開閉部材40の作用により第1の綴環12はわずかに開く方向に逆戻りして、第1の綴環12は、第2の綴環14と同様に、第1の半割杆12aの凸部52a(第2の半割杆12bの凸部54a)が第2の半割杆12bの凹部54b(第1の半割杆12aの凹部52b)に嵌まり込み嵌合する(図21参照)。
綴杆を閉じるとき、第1の作動片30及び第2の作動片32は、山折り状態(図15参照)から徐々に平面状態(中立状態)となり、更に平面状態(中立状態)から谷折り状態(図10参照)に変わるとともに、同列に並んだ状態から、一旦綴杆係止部50の外れる方向(第1の作動片30はO1方向、第2の作動片32はO2方向)に移動して、たがいちがいに並んだ状態となり(図20参照)、その後逆戻りして同列に並ぶ。
それによって、移動規制部を構成する第1の作動片30の規制凸起30gが第2の作動片32の規制凹部32f内を移動して、規制凹部32fにおける綴杆係止部50の外れる方向とは反対側の端縁に当接し、且つ移動規制部を構成する第2の作動片32の規制凸起32gが第1の作動片30の規制凹部30f内を移動して、規制凹部30fにおける綴杆係止部50の外れる方向とは反対側の端縁に当接する(図11参照)。そのために、綴杆を閉じるとき、第1の綴環12の第1の半割杆12aの凸部52aが第2の半割杆12bの凹部54bに嵌合される正規の停止位置を通り過ぎて、第1の半割杆12aの凸部52aが第2の半割杆12bの凹部54bの傾斜対向面上を摺動してずり上がりオーバーランするとき、第1の綴環12の移動距離を規制して適宜な位置でオーバーランが停止され、第1の綴環12の綴杆係止部50から指を外せば開閉部材40の元の状態に戻ろうとする力が作用して、第1の作動片30及び第2の作動片32は、一旦綴杆係止部50の外れる方向(第1の作動片30はO1方向、第2の作動片32はO2方向)に移動してたがいちがいに並んだ状態から、逆戻りして同列に並び、綴杆係止部50が嵌合する(図9、10、19、20及び21参照)。
このように、主綴杆たる第1の綴環12を閉じ始めると、直接指で閉じられない副綴杆たる第2の綴環14が閉じる方向に移動を始め、更に第1の綴環12が閉じて正規の係止位置を通り過ぎるまで移動すると、第2の綴環14の係合が進み第1の綴環12より先に第2の綴環14が完全に係止されるので、直接指で閉じられない副綴杆たる第2の綴環14が確実に係止された後、主綴杆たる第1の綴環12が確実に係止される。
したがって、第1の綴環12を指で摘んで先に閉じる方向に移動させたときに、オーバーランするように第1の綴環12を摘まめば、確実に第2の綴環14を正規の位置に係止でき、第1の綴環12の操作のみで、閉じることができる。
このように、第1の綴環12を指で操作することにより第2の綴環14を閉じることができるので、ワンタッチ綴じ具としての利便性が高い。
また、ボタン部材80の押圧部84を指で押し下げて第1の綴環12及び第2の綴環14を開くことにより又は第1の綴環12の頂部を指でねじることにより、第1の綴環12の綴杆係止部50を外したとき、第1の作動片30と第2の作動片32には、ねじられていた開閉部材40が元の状態に戻ろうとする力、すなわち一方の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとが、図6(B)(C)矢印方向に示すように、巻線部44の円周方向に回転して元の状態に戻ろうとするように力が働くことにより、第1の綴環12は開く。
そして、第1の綴環12及び第2の綴環14は、その綴杆係止部50が外され(図11参照)、第1の作動片30及び第2の作動片32は、谷折り状態から徐々に平面状態(中立状態)となり更に平面状態から山折り状態に変わるとともに、綴杆係止部50の外れる方向(第1の作動片30はO1方向、第2の作動片32はO2方向)に移動する(図14(A)参照)。それによって、移動規制部を構成する第1の作動片30の規制凸起30gが第2の作動片32の規制凹部32f内を移動して、規制凹部32fにおける綴杆係止部50の外れる方向とは反対側の端縁に突き当たり、且つ移動規制部を構成する第2の作動片32の規制凸起32gが第1の作動片30の規制凹部30f内を移動して、規制凹部30fにおける綴杆係止部2方向とは反対側の端縁に突き当たる(図14(B)参照)。
第1の綴環12から手を離すと、第1の綴環12及び第2の綴環14は、開閉部材40の一方の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとが、図6(B)(C)矢印方向に示すように、巻線部44の円周方向に回転して元の状態に戻ろうとするように第1の作動片30及び第2の作動片32に力を働かせることにより、更に開き(第1の半割杆12a及び第3の半割杆14aはO3方向、第2の半割杆12b及び第4の半割杆14bはO4方向)、且つ、開閉部材40の巻線部44が縮むことにより開閉部材40の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとを平面視反対方向に移動するように力が働くことにより、第1の作動片30と第2の作動片32とは、逆方向に移動する(図14(A)(B)参照)。
すなわち、作動部材18及び開閉部材40は、第2の綴環14を構成する第3の半割杆14aの凸部56aと第4の半割杆14bの凸部58aとを開く方向に作用し、そして、第1の綴環12の第1の半割杆12aの凸部52aと第2の半割杆12bの凸部54aとを引き離す方向に作用するとともに、第2の綴環14を構成する第3の半割杆14aの凸部56aと第4の半割杆14bの凸部58aとを引き離すように作用する。
このように、この実施の形態においては、ボタン部材80の押圧部84を指で押し下げて第1の綴環12及び第2の綴環14を開くことにより又は第1の綴環12又は第2の綴環14の頂部を指でねじることにより、第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の半割杆12bの綴杆係止部50と、第2の綴環14の第3の半割杆14a及び第4の半割杆14bの綴杆係止部50を外すことができる。
また、第1の綴環12の第1の半割杆12aと第2の半割杆12bの綴杆係止部50及び第2の綴環14の第3の半割杆14aと第4の半割杆14bの綴杆係止部50の係合を解除したとき、作動部材18は、開閉部材40の一方の固定先端部42aと他方の固定先端部42bとが巻線部44の円周方向において近づこうとする力が働くことにより、第1の作動片30の突き合わせ縁30aと第2の作動片32の突き合わせ縁32aとが、山折り状態になる。
[作動部材の装填方法]
次に、作動部材18を保持部材16の保持空間内に装填する方法について、主として図22及び図23に基づいて説明する。
保持部材16は、第1の作動片30と第2の作動片32を装填する前には、第1の保持壁24aの第1の保持部60及び第1の保持部62と第2の保持壁24bの第2の保持部64及び第2の保持部66とが、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの他の領域より外側に向けて膨出している(図22(B)参照)。
すなわち、第1の保持壁24aは、第1の貫通孔26の近傍において第1の保持部60及び第1の保持部62を形成するための第1の保持壁24aの下縁との間に間隔をおいて細い切り込み68a及び切り込み70aが形成され、該切り込み68a及び切り込み70aと第1の保持壁24aの下縁との間における領域が第1の保持壁24aより外側に向けて打ち出されて、第1の保持部60及び第1の保持部62が形成される(図22(B)参照)。
また、第2の保持壁24bは、第2の貫通孔28の近傍において第2の保持部64及び第2の保持部66を形成するための第2の保持壁24bの下縁との間に間隔をおいて細い切り込み72a及び切り込み74aが形成され、該切り込み72a及び切り込み74aと第2の保持壁24bの下縁との間における領域が第2の保持壁24bより外側に向けて打ち出されて、第2の保持部64及び第2の保持部66が形成される(図22(A)参照)。
作動部材18を保持部材16の保持空間内に装填するときは、まず、第1の作動片30を保持部材16内に装填し、次に、第2の作動片32を保持部材16内に装填する(図23(A)参照)。
このとき、第1の作動片30の突出部30c1が第1の保持部60の内側に、第1の作動片30の突出部30c2が第1の保持部62の内側に位置し、第2の作動片32の突出部32c1が第2の保持部64の内側に、第2の作動片32の突出部32c2が第2の保持部66の内側に位置する。
次に、第1の保持部60、第1の保持部62、第2の保持部64及び第2の保持部66を、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの内側に向けて打ち込み、平面円弧状の第1の保持部60、第1の保持部62、第2の保持部64及び第2の保持部66を形成する(図23(B)参照)。
而して、第1の保持部60が突出部30c1の下面を、第1の保持部62が突出部30c2の下面を、第2の保持部64が突出部32c1の下面を、第2の保持部66が突出部32c2の下面をそれぞれ保持するように形成される。そして、突出部30c1は第1の貫通孔26より外側に、突出部30c2は第2の貫通孔28より外側に、突出部32c1は第1の貫通孔26より外側に、突出部32c2は第2の貫通孔28より外側に突き出る。
[開閉部材の装填方法]
次に、開閉部材40を作動部材18に装填する方法について、図4ないし図6に基づいて説明する。
第1の綴環12と第2の綴環14とが閉じた状態において、開いた状態から閉じた状態への方向に向けて第1の作動片30と第2の作動片32とを突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aを中心に回動させる方向にばねに荷重を加えて、巻線部44(コイル)の中心軸まわりにねじりモーメントを受け、素線に曲げ応力を発生させるようにして、開閉部材40を固定先端部42aが第1の作動片30に、固定先端部42bが第2の作動片32に固定する。
この場合、開閉部材40は、巻線部44にねじりモーメントなどの負荷が加わっていない状態(図6(A)図示)からみて、巻線部44の巻き数が1巻以上増えるように巻線部44を1回転以上ねじった状態(固定先端部42a及び規制腕部46aがR方向、固定先端部42b及び規制腕部46bがQ方向(図5及び図6(A)図示))で、固定先端部42a及び42bが開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bにそれぞれ固定する。
ばねに荷重を加える荷重の方向としては、巻線部44(コイル)を巻き込む方向に向くように構成されている。
前記実施の形態によれば、一対の作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)には、保持部材16に形成された貫通孔(第1の貫通孔26及び第2の貫通孔28)に通される突出部(突出部30c1、突出部30c2、突出部32c1、及び突出部32c2)が形成されているので、作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)に綴杆(第1の綴環12、第2の綴環14)の基部を例えばカシメ止めをしても作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)にかかるストレスを少なくするために面積を大きくすることができる。そのために、作動片(第1の作動片30及び第2の作動片32)全体の強度を増すことができる。
[変形例]
前記実施の形態の保持部とは異なり、図24及び図25において示すように、保持壁の下端縁より突き出し設けられた方形凸部を内側に向けて折り曲げて、第1の保持壁24aに第1の保持部160及び第1の保持部162が、第2の保持壁24bに第2の保持部164及び第2の保持部166が形成され、作動部材18の第1の作動片30及び第2の作動片32に形成された(第1の綴環12及び第2の綴環14が突出する方向とは反対側に向けて突設されている)突条230h及び突条232hの下端縁を、第1の保持壁24aの第1の保持部160及び第1の保持部162、第2の保持壁24bの第2の保持部164及び第2の保持部166により保持するように構成してもよい。
第1の作動片30及び第2の作動片32は、その長さ方向に、第1の保持壁24aの第1の保持部160と第1の保持部162及び第2の保持壁24bの第2の保持部164と第2の保持部166の上面を摺動して移動することができる。
前記実施の形態とは異なり、作動部材を、図26及び図27に示すように変更してもよい。
図26及び図27図示第1の作動片30は、突き合わせ縁30aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部とを結ぶ方向(図26図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条230hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部とを結ぶ方向と平行で第1の作動片30の長さ方向にのびる。
前記突条230hは、間隔をおいて設けられた第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部の間で外側端縁30bの突出部30c1と突出部30c2との間において、連続して、第1の綴環12及び第2の綴環14が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条230hは、第1の作動片30を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
また、図26及び図27図示第2の作動片32は、突き合わせ縁32aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部とを結ぶ方向(図26図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条232hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部とを結ぶ方向と平行で第2の作動片32の長さ方向にのびる。
前記突条232hは、間隔をおいて設けられた第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部の間で外側端縁32bの突出部32c1と突出部32c2との間において、連続して、第1の綴環12及び第2の綴環14が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条232hは、第2の作動片32を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
したがって、第1の作動片30及び第2の作動片32は、第1の綴環12の基部と第2の綴環14の基部間におけるしなりが、突条230h及び突条232hにより防止される。
図26及び図27図示第1の作動片30は、基部で固定された第1の半割杆12a及び第3の半割杆14aの基部の近傍に、第1の作動片30を補強してしなりを少なくするために、ビード234a及びビード234bが上面に向けて突設されている。
図26及び図27図示第2の作動片32は、基部で固定された第2の半割杆12b及び第4の半割杆14bの基部の近傍に、第2の作動片32を補強してしなりを少なくするために、ビード234c及びビード234dが上面に向けて突設されている。
ビード234aは、第1の半割杆12aの基部と突出部30c1との間において第1の作動片30の長手方向にのびる第1直線部234a1と、突条230hの内側(第1の作動片30の幅方向における略々中央において)で第1の半割杆12aの基部の近傍から第1の作動片30の長手方向にのびる第2直線部234a2と、第1直線部234a1の内側端と第2直線部234a2の外側端との間を結ぶ斜線部234a3とを備え、第1の作動片30の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード234bは、第3の半割杆14aの基部と突出部30c2との間において第1の作動片30の長手方向にのびる第1直線部234b1と、突条230hの内側(第1の作動片30の幅方向における略々中央において)で第3の半割杆14aの基部の近傍から第1の作動片30の長手方向にのびる第2直線部234b2と、第1直線部234b1の内側端と第2直線部234b2の外側端との間を結ぶ斜線部234b3とを備え、第1の作動片30の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード234cは、第2の半割杆12bの基部と突出部32c1との間において第2の作動片32の長手方向にのびる第1直線部234c1と、突条232hの内側(第2の作動片32の幅方向における略々中央において)で第2の半割杆12bの基部の近傍から第2の作動片32の長手方向にのびる第2直線部234c2と、第1直線部234c1の内側端と第2直線部234c2の外側端との間を結ぶ斜線部234c3とを備え、第2の作動片32の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード234dは、第4の半割杆14bの基部と突出部32c2との間において第2の作動片32の長手方向にのびる第1直線部234d1と、突条232hの内側(第2の作動片32の幅方向における略々中央において)で第3の半割杆14bの基部の近傍から第2の作動片32の長手方向にのびる第2直線部234d2と、第1直線部234d1の内側端と第2直線部234d2の外側端との間を結ぶ斜線部234d3とを備え、第2の作動片32の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
前記実施の形態の綴じ具は、次のように変形してもよい。
例えば、ボタン部材80は、図55ないし図65に示すように、次のように変形してもよい。
[ボタン部材の変形例]
作動部材18は、一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材18を構成する第1の作動片30及び第2の作動片32を移動させるためのボタン部材80を備える。
前記ボタン部材80は、第1の綴環12と第2の綴環14とが並列する方向に作動部材18を作動させて該第1の綴環12及び第2の綴環14を開くように、一方の作動片(第1の作動片30)と他方の作動片(第2の作動片32)とを反対方向に移動させるための、第1の腕部800と第2の腕部820とを有している。
第1の腕部800は、一方の作動片(第1の作動片30)を第1の腕部800の側に移動させ、第2の腕部820は、他方の作動片(第2の作動片32)を第2の腕部820とは反対側に移動させるように構成されている。
ボタン部材80は、保持部材16の一方の端部及び/又は他方の端部に、第1の綴環12と第2の綴環14とが並列する方向に回転するように、枢軸82a及び枢軸82bによって取り付けられている。
ボタン部材80は、回転の中心となる枢軸82a及び枢軸82bより保持部材16の長手方向における中央及び第2の綴環14から離れる側に、指で押すための押圧部84を形成されている。
ボタン部材80は、枢軸82a及び枢軸82bより保持部材16の長手方向の中央側及び第2の綴環14側に、第1の腕部800及び第2の腕部820を形成されている。
ボタン部材80は、保持部材16の保持壁24の内側面に対向する平面を有する突出部86a及び突出部86bを備えており、該突出部86a及び突出部86bの保持部材16の第1の保持壁24a及び第2の保持壁24b側の平面に、枢軸82a及び枢軸82bを側方に向けて突設されている。
枢軸82aは、略円柱状であり、保持部材16の一方の保持壁たる第1の保持壁24aに対向する突出部86aの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82bは、略円柱状であり、保持部材16の他方の保持壁たる第2の保持壁24bに対向する突出部86bの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82aと枢軸82bとは、反対方向に向いて突設されている。
ボタン部材80は、ポリアセタール等の弾力性を有する合成樹脂で一体成形されている。
第1の腕部800及び第2の腕部820は、押圧部84より比較的薄い帯状体として形成され、弾力性及び復元性を有している。
枢軸82aは、保持部材16の第1の保持壁24aに穿設された第1の枢支孔88aに回動自在に貫挿されている。
枢軸82bは、保持部材16の第2の保持壁24bに穿設された第2の枢支孔88bに回動自在に貫挿されている。
第1の枢支孔88aと第2の枢支孔88bとは、反対方向に向いた枢軸82a及び枢軸82bに対応して、対向している。
ボタン部材80は、枢軸82aより上方を経て、第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の綴環14の第3の半割杆14aの綴杆係止部50を離間させる方向(すなわち手前側)とは反対側、すなわち向こう側にのびる、第1の腕部800を、押圧部84に連設されている。
ボタン部材80は、枢軸82bより下方を経て、第1の綴環12の第2の半割杆12b及び第2の綴環14の第4の半割杆14bの綴杆係止部50を離間させる方向すなわち向こう側にのびる第2の腕部820を押圧部84に連設されている。
押圧部84は、第1の作動片30及び第2の作動片32に立設された第1の綴環12及び第2の綴環14の円形面と略々同じ方向にのびる、すなわち、第1の作動片30及び第2の作動片32に立設された第1の綴環12及び第2の綴環14の立設方向と略々同じ方向にのびる、舌状である。
押圧部84は、指で押す面である表面が第1の綴環12及び第2の綴環14側に向き、背面が第1の綴環12及び第2の綴環14とは反対側に向く。
押圧部84の背面の下方領域は、枢軸82a及び枢軸82bの高さ位置から下方が切り欠かれており、押圧部84を押し下げたとき、枢軸82a及び枢軸82bを中心として、ボタン部材80が背面側に回転するように構成されている。
突出部86aは、押圧部84の右端側の下端部より第1の作動片30側に向けて突き出された板状体であって、第1の保持壁24a側に平面を備える。
突出部86bは、押圧部84の左端側の下端部より第2の作動片32側に向けて突き出された板状体であって、第2の保持壁24b側に平面を備える。
枢軸82aは、突出部86aの第1の保持壁24a側と対向する平面において、第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分を通る前後軸X1及びX2(図7図示)に直交する方向に突設された、円柱状体である。
枢軸82bは、突出部86bの第2の保持壁24b側と対向する平面において、第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が第1の作動片30及び第2の作動片32に固着された部分を通る前後軸X1及びX2(図7図示)に直交する方向に突設された、円柱状体である。
第1の腕部800及び第2の腕部820は、突出部86aと突出部86bとの間において、押圧部84の下端部より第1の作動片30及び第2の作動片32側に向けて突き出されている。
第1の腕部800は、押圧部84の右端寄りの下端部近傍より枢軸82aの上方を経て第1の作動片30側に向けてのびる、弾力性を有する帯状体である。
第2の腕部820は、押圧部84の左端寄りの下端部近傍より枢軸82bの下方を経て第2の作動片32側に向けてのびる、弾力性を有する帯状体である。
第1の腕部800は、枢軸82aより上方にせりあがったわん曲してのびる第1作用部802と、該第1作用部802より第1の作動片30側に向いて枢軸82aの向こう側より下方において、第1の綴環12及び第2の綴環14側に向いてのびる略直線状の第1の連結部804とを有している。
第1作用部802は、第1の作動片30を移動させるようにわん曲して作用する。
第1作用部802と第1の連結部804とは、枢軸82aより第1の作動片30側において、連結されている。
ここに、上方とは、第1の綴環12の軸Z1及び第2の綴環14の軸Z2(図7図示)が構成する円形面ののびる方向をいう。
第2の腕部820は、枢軸82bより下方に凹んだわん曲してのびる第2作用部822と、該第2作用部822より第2の作動片32に向いてのびる略々直線状の第2の連結部824とを有している。
第2作用部822と第2の連結部824とは、枢軸82bより第2の作動片32側において、連結されている。
ここに、下方とは、第1の綴環12の軸Z1及び第2の綴環14の軸Z2(図7図示)が構成する円形面ののびる方向とは反対側の方向をいう。
第1作用部802及び第2作用部822は、弧型で、弾力性を有し、押圧部84を指で押していないときには、第1の綴環12及び第2の綴環14を閉じる位置に第1の作動片30及び第2の作動片32を位置させるように復元するように構成されている。
ボタン部材80の枢軸82a及び枢軸82bは、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)と直交する方向にのびる。
ボタン部材80の第1の腕部800及び第2の腕部820は、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に略々沿う方向にのびる。
ボタン部材80の突出部86a及び突出部86bは、作動部材18に間隔をおいて設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に略々沿う方向にのびる。
ボタン部材80の第1の腕部800と第2の腕部820とは、その間にスリットが形成されており、別々の作用をする。該スリットは、押圧部84の下端近傍に食い込む。
第1の腕部800は、隣接する突出部86aとはその間にスリットが形成されており、第2の腕部820は、隣接する突出部86bとはその間にスリットが形成されている。該スリットは、押圧部84の下端近傍に食い込む。
第1の腕部800は、一方の作動片(第1の作動片30)を、第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動可能にできるように、一方の作動片(第1の作動片30)に取り付けられている。
第2の腕部820は、他方の作動片(第2の作動片32)を、第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動可能にできるように、他方の作動片(第2の作動片32)に取り付けられている。
ボタン部材80を操作しないときは、第1の綴環12及び第2の綴環14が閉じた状態に保たれており、第1の腕部800の第1の連結部804が第1の作動片30と略平面状に並列し、第2の腕部820の第2の連結部824が第2の作動片32と略平面に並列する。
ボタン部材80は、押圧部84の自由端側を下方に押すことにより、第1の腕部800に連設された第1の作動片30を第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の綴環14の第3の半割杆14aの綴杆係止部50を離間させる側すなわち手前側に移動させ、且つ、第2の腕部820に連設された第2の作動片32を第1の綴環12の第2の半割杆12b及び第2の綴環14の第4の半割杆14bの綴杆係止部50を離間させる側すなわち向こう側に移動させる。
第1の貫挿軸806は、第1の連結部804の上面より上方に向いて、すなわち、第1の作動片30の第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が固着された表面及びそれと背中合わせの背面と直交する方向に、突設された円柱状である。
第2の貫挿軸826は、第2の連結部824の上面より上方に向いて、すなわち、第2の作動片32の第1の綴環12及び第2の綴環14の基部が固着された表面及びそれと背中合わせの背面と直交する方向に、突設された円柱状である。
ボタン部材80は、第1の腕部800側に、押圧部84とは反対側に一方の作動片(第1の作動片30)に取り付けるための第1の貫挿軸806を突設されている。
該第1の貫挿軸806は、一方の作動片(第1の作動片30)を第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動できるように、一方の作動片(第1の作動片30)の手前に穿設されたボタン部材取り付け孔830に緩挿されている。
ボタン部材80は、第2の腕部820側に、押圧部84とは反対側に他方の作動片(第2の作動片32)に取り付けるための第2の貫挿軸826を突設されている。
該第2の貫挿軸826が、他方の作動片(第2の作動片32)を第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉させるように移動できるように、他方の作動片(第2の作動片32)の手前に穿設されたボタン部材取り付け孔832に緩挿されている。
第1の腕部800は、第1の連結部804が第1の作動片30の手前側の下面に当接され、第1の貫挿軸806が第1の作動片30の手前側に穿設されたボタン部材取り付け孔830に貫挿されている。
第2の腕部820は、第2の連結部824が第2の作動片32の手前側の下面に当接され、第2の貫挿軸826が第2の作動片32の手前側に穿設されたボタン部材取り付け孔832に貫挿されている。
ボタン部材取り付け孔830の径は、第1の貫挿軸806の径より長く、ボタン部材取り付け孔830と第1の貫挿軸806との間に隙間がある。
ボタン部材取り付け孔832の径は、第2の貫挿軸826の径より長く、ボタン部材取り付け孔832と第2の貫挿軸826との間に隙間がある。
第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉するとき、第1の作動片30及び第2の作動片32は、揺動して、第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2の作動片32の突き合わせ縁32aが保持部材16の被綴じ物載置部22側に接近したり離間したりすることができる。
第1の綴環12及び第2の綴環14を開閉するとき、第1の作動片30及び第2の作動片32は、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に移動して、第1の作動片30の突き合わせ縁30a及び第2の作動片32の突き合わせ縁32aが保持部材16の被綴じ物載置部22側に接近したり離間したりすることができる。
保持部材16は、一方の端部及び/又は他方の端部に、作動部材18を移動させるためのボタン部材80を取り付ける空所76が形成されている。
空所76は、ボタン部材80が第1の綴環12と第2の綴環14とが並列する方向、すなわち、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた第1の綴環12と第2の綴環14との基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に回転するように取り付けられている。
保持部材16は、該空所76に続いてボタン部材80の回転角度を規制するための回転角度規制部78を形成されている。
回転角度規制部78は、保持部材16の一方の端部(手前側の端部)において、保持部材16及び作動部材18の幅方向にのびる棒状であって、ボタン部材80の押圧部84の手前側面(指で押圧する面の裏側)が、ボタン部材80の押圧部84を押し下げて傾けたときに当接するように構成されている。
ボタン部材80は、回転角度規制部78によって、適宜な角度で停止するように構成されている。
該空所76に続いて形成された、回転角度規制部78は、ボタン部材80の押圧する距離を規制するために、保持部材16の幅方向にのびる棒状の押圧距離規制部を構成する。
作動部材18の一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材18に間隔をおいて並列して設けられた綴杆の基部を結ぶ方向(図7図示X1及びX2方向)に移動するように、作動部材18を移動させるためのボタン部材80を備えている。
ボタン部材80は、第1の綴環12及び第2の綴環14を開くために、押圧部84の表面を指で押し下げると、押圧部84の下部領域より第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第1の作動片30及び第2の作動片32寄りにある枢軸82a及び枢軸82bを中心として回転して、押圧部84の先端(自由端)が下方に下がる。
このとき、第1の腕部800は、第1作用部802が少し上方にわん曲しているので、枢軸82aに沿って第1作用部802が引かれて第1の連結部804が第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第1の作動片30とは離れる方向に引かれる。
第1の腕部800は、第1作用部802の押圧部84側が枢軸82aを中心として回転して、第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第1の作動片30とが離れる方向に引かれることにより、第1の連結部804によって第1の作動片30をボタン部材80側に引く。
一方、第2の腕部820は、第2作用部822が少しのびるようにして、第2の連結部824を第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第2の作動片32に向いてスライドする。
第2の腕部820は、第2作用部822の押圧部84側が、枢軸82bを中心として回転して、第1の綴環12及び第2の綴環14並びに第2の作動片32に向いて移動することにより、第2の連結部824によって第2の作動片32を、ボタン部材80が位置する側とは反対側の保持部材16の端部に向けて、押す。
ボタン部材80を指で押して、第1の綴環12及び第2の綴環14を開き始めると、1対の前記第1の作動片30及び第2の作動片32は、前記保持部材16の長手方向において互いに逆方向に移動させることにより、前記半割杆の組み合わせによる前記第1の綴環12及び第2の綴環14が分離され、前記第1の綴環12及び第2の綴環14が分離されたときに、前記開閉部材40は、前記第1の作動片30と第2の作動片32とを付勢して、前記第1の半割杆12aと第2の半割杆12b及び第3の半割杆14aと第4の半割杆14bとを開放させる。
ボタン部材80は、前記第1作用部802及び第2作用部822に代えて、薄肉状で曲がるヒンジ状部にしてもよい。
ボタン部材80の別の変形例について、主として図66ないし図69に基づいて説明する。
第1作用部802は、枢軸82aの側が開口した逆V字状の薄肉部を形成されている。
第2作用部822は、枢軸82bの側が開口したV字状の薄肉部を形成されている。
而して、第1作用部802及び第2作用部822は、前記実施の形態の第1作用部802及び第2作用部822と同様に作用する。
[表紙]
表紙は、第1の綴環12及び第2の綴環14に綴じられた用箋等の被綴じ物Sが多くなったとき、第1の綴環12及び第2の綴環14がたわむことを防止するために、次のような表紙310としてもよい。
表紙310は、前記綴じ具の保持部材を固定する背表紙316と、前記背表紙316の両端に、開閉自在に延設された表表紙312及び裏表紙314とを備え、図28ないし図30に示すように、表表紙312と裏表紙314が背表紙316に対して立設状態となるように連設されている。
そして、表表紙312及び裏表紙314は、背表紙316寄りに開閉用の薄肉ヒンジ部318A,318Bが設けられている。表表紙312及び裏表紙314と背表紙316との連設部の構成としては、プラスチック型表紙体に略V字溝からなる連設部320を形成してその溝底で折り曲げる構成を採用している。すなわち、図30に示す通り、表表紙312及び裏表紙314と背表紙316との連設部320となる略V字溝を設け、この連設部320の溝底で折り曲げて背表紙316に対し表表紙312及び裏表紙314が立設状態に連設されるようにしたものである。連設部320を利用した場合、この連設部320の開き角度を変えることによって背表紙316の構造を変更することができる。
表表紙312及び裏表紙314の開閉を可能にする薄肉ヒンジ部318A,318Bは、断面略V字溝であり、連設部320から若干小口寄りの位置において表表紙312及び裏表紙314に設けられる。
このような表紙310を熱可塑性樹脂製シート材からなる表紙体を用いて成形する一例たる製造としては、例えば熱可塑性樹脂のシート材からなる表紙体に互いに平行な2本の略V字溝からなる連設部320を形成し、この連設部320のやや内側寄りの位置において互いに平行な略V字溝からなる連設部320をヒートプレス成形すると同時に表紙体に略V字溝からなる連設部320を閉塞する方向の加圧力を加えて互いの溝底を折り曲げるようにしている。熱可塑性樹脂製のシート材単体以外に、熱可塑性樹脂製シート材と表装材との2層構造も利用し得る。また、この2層構造において、厚紙とクロスの2層構造とすれば、略V字溝からなる連設部320の溝壁同志を接着剤で接着する構成も採用し得る。
前記表表紙312及び/又は裏表紙314は、前記閉じられた第1の綴環12及び第2の綴環14と対向する領域に、綴じ具10の一部分を挿入して第1の綴環12及び第2の綴環14の移動を規制する綴杆固定手段322,324が設けられている。
綴杆固定手段322,324は、第1の綴環12及び第2の綴環14の移動側の側面と対向するように、第1の綴環12及び第2の綴環14が嵌挿又は緩挿される貫通孔又は段差によって構成されている。
この綴杆固定手段322,324は、第1の綴環12及び第2の綴環14の回転方向に伸びる長孔であり、長孔は、第1の綴環12及び第2の綴環14の嵌挿又は緩挿される部位の長さ及び幅に対応した長さ及び幅を有する上下一対の直線状孔縁と、該直線状孔縁の両左端及び両右端の間に連設された円弧状孔縁とを有する長孔によって形成されている。
閉じた第1の綴環12及び第2の綴環14の幅は、表紙310の背表紙316の背幅及び平行に対向した表表紙312と裏表紙314との間の幅よりも広く形成されている。
第1の綴環12及び第2の綴環14は、第1の作動片30及び第2の作動片32に取り付けられた基部よりやや上部から綴杆係止部50のやや外側に至るまで、略平行に閉じられた表表紙312と裏表紙314に形成された綴杆固定手段322,324を構成する長孔の中に嵌挿される。長孔の上下一対の直線状孔縁は、第1の綴環12及び第2の綴環14の上下側面に当接し、円弧状孔縁は、第1の綴環12及び第2の綴環14の左右の円周面に当接する。
そして、ファイル・バインダ300の表表紙312と裏表紙314とを平行に閉じた状態で第1の綴環12を天側とし第2の綴環14を地側にしてファイル・バインダ300を立てたとき、第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の綴環14の第3の半割杆14a側に綴じられた用箋等の被綴じ物Pが偏っているときに衝撃が加わったりして、第1の綴環12の第1の半割杆12a及び第2の綴環14の第3の半割杆14aが第1の綴環12の第2の半割杆12b及び第2の綴環14の第4の半割杆14bと外れる下向きに移動したとしても、第1の綴環12及び第2の綴環14の移動が綴杆固定手段324で規制され、綴杆固定手段324の下側の孔縁に係止されて、第1の綴環12の第1の半割杆12aと第1の綴環12の第2の半割杆12b及び第2の綴環14の第3の半割杆14aと第2の綴環14の第4の半割杆14bとが綴杆係止部50で外れることがない。
綴じ具10を表紙Aに取り付けるには、第1の保持壁24a及び第2の保持壁24bの下端縁を接合して取付孔20,20にボルトナットや鋲により取り付ければよい。
また、前記実施の形態においては、第1の綴環12と第2の綴環14といったように、2穴タイプの綴じ具について説明したが、綴杆を増やした多穴タイプ、例えば、3穴、4穴、20穴、26穴、30穴といった多くの綴杆を備えた綴じ具とすることができる。
綴杆の数に対応して、保持部材及び作動部材の長さがのびるとともに保持部材の第1の貫通孔及び第2の貫通孔の間に1または複数の第1の貫通孔及び第2の貫通孔と同様な貫通孔を形成し、作動部材に固定された綴杆を貫挿できるようにすればよい。
また、綴杆の形状は、略Oの字型ではなく、図31において示すように、略Dの字型にしてもよい。略Dの字型の第1の綴環412及び第2の綴環414を形成するには、第2の半割杆412b及び第4の半割杆414bは、前記実施の形態と比較的近い略Cの字型に形成し、第1の半割杆412a及び第3の半割杆414aは略倒L字型に形成し、第1の半割杆412aと第2の半割杆412b及び第3の半割杆414aと第4の半割杆414bとを閉じたとき、略Dの字型となるように形成する。
開閉部材は、前記実施の形態の綴じ具においては、一対の作動片に対応して、1個が装填されていたが、合計2個の開閉部材を装填してもよい。
また、作動部材を構成する第1の作動片及び第2の作動片は、それぞれ一体成形されていたが、綴環12と第2の綴環14との数が増加(4穴、20穴、26穴、30穴など)するに従って、第1の作動片及び第2の作動片をそれぞれ分割してもよい。
[別の実施の形態]
次に、本発明にかかる別の実施の形態である4穴真円型リング綴じ具について、図32ないし図36に基づいて説明する。
この実施の形態の綴じ具510は、前記実施の形態の綴じ具10と略同様の構成であるが、主として、綴環の数が増加したことに伴う、保持部材の構成、作動部材の構成及び開閉部材の構成が異なるので、それらを中心に以下説明する。
綴じ具510は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴環512、第2の綴環513、第3の綴環514及び第4の綴環515と、前記第1の綴環512及び第4の綴環515をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材516と、その表面に第1の綴環512及び第4の綴環515が間隔をおいてそれぞれの基部が固定され、第1の綴環512第2の綴環513、第3の綴環514及び第4の綴環515が前記保持部材516に固定されるように保持部材516の内側に可動自在に固定された作動部材518と、第1の綴環512及び第2の綴環513を開くために保持部材516の一端に設けられたボタン部材80とを備える。
ボタン部材80の構成、空所76の構成及び回転角度規制部78の構成は、前記図1図示実施の形態の綴じ具10と略々同じ構成である。
[ボタン部材]
作動部材518は、一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材518を構成する第1の作動片530及び第2の作動片532を移動させるためのボタン部材80を備える。
次に、ボタン部材80について、主として図42ないし図54に基づいて説明する。
前記ボタン部材80は、第1の綴環512と第2の綴環513と第3の綴環514と第4の綴環515とが並列する方向に作動部材518を作動させて該第1の綴環512,第2の綴環513,第3の綴環514及び第4の綴環515を開くように、一方の作動片(第1の作動片530)と他方の作動片(第2の作動片532)とを反対方向に移動させるための、第1の腕部800と第2の腕部820とを有している。
第1の腕部800は、一方の作動片(第1の作動片530)を第1の腕部800の側に移動させ、第2の腕部820は、他方の作動片(第2の作動片532)を第2の腕部820とは反対側に移動させるように構成されている。
ボタン部材80は、保持部材516の一方の端部及び/又は他方の端部に、第1の綴環512と第2の綴環513と第3の綴環514と第4の綴環515とが並列する方向に回転するように、枢軸82a及び枢軸82bによって取り付けられている。
ボタン部材80は、回転の中心となる枢軸82a及び枢軸82bより保持部材516の長手方向における中央及び第4の綴環515から離れる側に、指で押すための押圧部84を形成されている。
ボタン部材80は、枢軸82a及び枢軸82bより保持部材516の長手方向の中央側及び第4の綴環515側に、第1の腕部800及び第2の腕部820を形成されている。
ボタン部材80は、保持部材516の保持壁524の内側面に対向する平面を有する突出部86a及び突出部86bを備えており、該突出部86a及び突出部86bの保持部材516の第1の保持壁524a及び第2の保持壁524b側の平面に、枢軸82a及び枢軸82bを側方に向けて突設されている。
枢軸82aは、略円柱状であり、保持部材516の一方の保持壁たる第1の保持壁524aに対向する突出部86aの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82bは、略円柱状であり、保持部材516の他方の保持壁たる第2の保持壁524bに対向する突出部86bの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82aと枢軸82bとは、反対方向に向いて突設されている。
ボタン部材80は、ポリアセタール等の弾力性を有する合成樹脂で一体成形されている。
第1の腕部800及び第2の腕部820は、押圧部84より比較的薄い帯状体として形成され、弾力性及び復元性を有している。
枢軸82aは、保持部材516の第1の保持壁524aに穿設された第1の枢支孔88aに回動自在に貫挿されている。
枢軸82bは、保持部材516の第2の保持壁524bに穿設された第2の枢支孔88bに回動自在に貫挿されている。
第1の枢支孔88aと第2の枢支孔88bとは、反対方向に向いた枢軸82a及び枢軸82bに対応して、対向している。
綴環は、4穴タイプのために、第1の綴環512、第2の綴環513、第3の綴環514及び第4の綴環515の4個の綴杆からなる。第1の綴環512は、第1の半割杆512a及び第2の半割杆512bを備え、第2の綴環513は、第3の半割杆513a及び第4の半割杆513bを備え、第3の綴環514は、第5の半割杆514a及び第6の半割杆514bを備え、第4の綴環515は、第7の半割杆515a及び第8の半割杆515bを備える。
そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の半割杆512a及び第2の半割杆512bの先端と、第3の半割杆513a及び第4の半割杆513bの先端と、第5の半割杆514a及び第6の半割杆514bの先端と、第7の半割杆515a及び第8の半割杆515bの先端とにおいて、すなわち第1の綴環512、第2の綴環513、第3の綴環514及び第4の綴環515の頂部において、綴杆係止部550が形成されている。
第1の綴環512を構成する第1の半割杆512aと第2の半割杆512bとは、第1の半割杆512aの綴杆係止部550と、第2の半割杆512bの綴杆係止部550とを係止することにより、環状に係合される。
また、第3の綴環514を構成する第5の半割杆514aと第6の半割杆514bとは、第5の半割杆514aの綴杆係止部550と第6の半割杆514bの綴杆係止部550とを係止することにより、環状に係合される。
保持部材516は、第1の綴環512、第2の綴環513、第3の綴環514及び第4の綴環515を所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙Aに取り付ける取付孔520近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材516は、被綴じ物載置部522の内側には保持空間を備え、その空間に作動部材518等を収容するように構成されている。
保持部材516の被綴じ物載置部522の両端には、その長手方向に略々その一端から他端に亘って、作動部材518を摺動自在に保持する保持壁524が設けられている。この実施の形態においては、保持部材516の長手方向において、第1の綴環512、第2の綴環513、第3の綴環514及び第4の綴環515のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1の保持壁524a及び第2の保持壁524bが連設され、第1の保持壁524aと第2の保持壁524bとは平行で略同一の形状の板状である。そして、この第1の保持壁524a及び第2の保持壁524bと被綴じ物載置部522によって囲繞された保持空間内に、後に詳しく説明する作動部材518等が収容される。
保持部材516の被綴じ物載置部522には、第1の綴環512と第2の綴環513とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための、第1の貫通孔526と第2の貫通孔527がそれぞれ穿設されるとともに、第3の綴環514と第4の綴環515とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための、第3の貫通孔528及び第4の貫通孔529がそれぞれ穿設されている。
第1の貫通孔526及び第2の貫通孔527と第3の貫通孔528及び第4の貫通孔529とは、それぞれの綴杆を構成する半割杆に対応して、保持部材516の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、2つずつ穿設されている。
作動部材518を構成する作動片は、前記実施の形態の綴じ具の作動片とは異なり長く形成された、左右一対の作動片530及び作動片532を有する。
第1の作動片530は、前記第1の半割杆512a、第3の半割杆513a、第5の半割杆514a及び第7の半割杆515aの基部が固定されている。
第2の作動片532は、第2の半割杆512b、第4の半割杆513b、第6の半割杆514b及び第8の半割杆515bの基部が固定されている。
第1の作動片530及び第2の作動片532は、開閉部材収容部536Aと開閉部材収容部536Bが形成され、且つ開閉部材収容部536Aの表面(下面)に形成された二対の開閉部材固定部538a1と開閉部材固定部538a2及び開閉部材収容部536Bの表面(下面)に形成された開閉部材固定部538b1と開閉部材固定部538b2の外側近傍において、第1の作動片530及び第2の作動片532の長手方向への移動を規制する移動規制部が、2つ形成されている。
そして、開閉部材540は、開閉部材収容部536Aの中に装填され、第1の作動片530の開閉部材固定部538a1と第2の作動片532の開閉部材固定部538b1とに跨って突き合わせ縁530a及び突き合わせ縁532aと斜交するように固定され、開閉部材542は、開閉部材収容部536Bの中に装填され、第1の作動片530の開閉部材固定部538a2と第2の作動片532の開閉部材固定部538b2とに跨って突き合わせ縁530a及び突き合わせ縁532aと斜交するように固定される。
開閉部材540の固定先端部540aは第1の作動片530の開閉部材固定部538a1に、固定先端部540bは第2の作動片532の開閉部材固定部538b1にそれぞれ固定され、開閉部材542の固定先端部542aは第1の作動片530の開閉部材固定部538a2に、固定先端部542bは第2の作動片532の開閉部材固定部538b2にそれぞれ固定される。
前記第1の作動片530は、前記突き合わせ縁530aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部とを結ぶ方向(図34図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条530hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部とを結ぶ方向と平行で第1の作動片530の長さ方向にのびる。
前記突条530hは、間隔をおいて設けられた第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部の間で、外側端縁530bにおいて、突出部530c3の近傍を除いて連続して、第1の綴環512及び第5の綴環515が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条530hは、第1の作動片530を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
また、前記第2の作動片532は、前記突き合わせ縁532aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部とを結ぶ方向(図34図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条532hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部とを結ぶ方向と平行で第2の作動片532の長さ方向にのびる。
前記突条532hは、間隔をおいて設けられた第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部の間で、外側端縁532bにおいて、突出部530c3の近傍を除いて連続して、第1の綴環512及び第5の綴環515が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条532hは、第2の作動片532を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
したがって、第1の作動片530及び第2の作動片532は、第1の綴環512の基部と第5の綴環515の基部間におけるしなりが、突条530h及び突条532hにより防止される。
第1の作動片530は、基部で固定された第1の半割杆512a及び第7の半割杆515aの基部の近傍と中央の突出部530c3の近傍とに、第1の作動片530を補強してしなりを少なくするために、ビード534a、ビード534b及びビード534eが上面に向けて突設されている。
第2の作動片532は、基部で固定された第2の半割杆512b及び第8の半割杆515bの基部の近傍と中央の突出部532c3の近傍とに、第2の作動片532を補強してしなりを少なくするために、ビード534c、ビード534d及びビード534fが上面に向けて突設されている。
ビード534aは、第1の半割杆512aの基部と突出部530c1との間において第1の作動片530の長手方向にのびる第1直線部534a1と、突条530hの内側(第1の作動片530の幅方向における略々中央において)で第1の半割杆512aの基部の近傍から第1の作動片530の長手方向にのびる第2直線部534a2と、第1直線部534a1の内側端と第2直線部534a2の外側端との間を結ぶ斜線部534a3とを備え、第1の作動片530の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534bは、第7の半割杆515aの基部と突出部530c2との間において第1の作動片530の長手方向にのびる第1直線部534b1と、突条530hの内側(第1の作動片530の幅方向における略々中央において)で第3の半割杆514aの基部の近傍から第1の作動片530の長手方向にのびる第2直線部534b2と、第1直線部534b1の内側端と第2直線部534b2の外側端との間を結ぶ斜線部534b3とを備え、第1の作動片530の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534cは、第2の半割杆512bの基部と突出部532c1との間において第2の作動片532の長手方向にのびる第1直線部534c1と、突条532hの内側(第2の作動片532の幅方向における略々中央において)で第2の半割杆512bの基部の近傍から第2の作動片532の長手方向にのびる第2直線部534c2と、第1直線部534c1の内側端と第2直線部534c2の外側端との間を結ぶ斜線部534c3とを備え、第2の作動片532の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534dは、第8の半割杆515bの基部と突出部532c2との間において第2の作動片532の長手方向にのびる第1直線部534d1と、突条532hの内側(第2作動片532の幅方向における略々中央において)で第3の半割杆514bの基部の近傍から第2の作動片532の長手方向にのびる第2直線部534d2と、第1直線部534d1の内側端と第2直線部534d2の外側端との間を結ぶ斜線部534d3とを備え、第2の作動片532の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード534eは、直線状であり、突出部530c3の近傍において、上下に分断された突条530hと突条530hとの間に跨って形成されている。
ビード534fは、直線状であり、突出部532c3の近傍において、上下に分断された突条532hと532hとの間に跨って形成されている。
開閉部材は、前記実施の形態の綴じ具においては、一対の作動片に対応して、1個が装填されていたが、この実施の形態の綴じ具においては、一対の作動片530及び作動片532の長さに対応して、上下に1個ずつ、合計2個の開閉部材540及び開閉部材542が装填されている。
突出部530c1は第1保持部560により、突出部530c2は第1保持部562により、突出部532c1は第2保持部564により、突出部532c2は第2保持部566により、それぞれ保持される。
また、突出部530c3は第3保持部561により、突出部532c3は第3保持部565により、それぞれ保持される。
取付孔520は、第1の綴環512と第2の綴環513との間及び第3の綴環514と第4の綴環515との間に設けられている。
取付孔520は、保持部材516の被綴じ物載置部522並びに第1の作動片530の突き合わせ縁530a及び第2作動片532の突き合わせ縁532aに形成されている。
取付孔520は、保持部材516並びに第1の作動片530及び第2の作動片532の長手方向において適宜な間隔をあけて2個ないし複数個形成されている。
保持部材516に形成されている取付孔520は、表紙Aに取り付けるための固着具によって、綴じ具510を堅固に固定するに適する形状に形成されている。
第1の作動片530及び第2の作動片532に形成された取付孔520は、第1の綴環512,第2の綴環513,第3の綴環514及び第4の綴環515を開閉するときに、第1の作動片530及び第2の作動片532が移動するに適する形状に形成されている。例えば、取付孔520は、第1の作動片530の突き合わせ縁530aと第2の作動片532の突き合わせ縁532aとに形成された半円形の孔が合わさって一つの円形に形成され、その径は、固着具との間に移動するための間隙が形成される長さとする。
この実施の形態においては、取付孔520は、保持部材516の被綴じ物載置部522に形成された第1の取付孔520aと、第1の作動片530及び第2の作動片532に形成された第2の取付孔520bとを備える。
第1の取付孔520aは、被綴じ物載置部522より垂下された筒状部を備え、筒状部の貫通孔内に固着具が貫挿される。
第2の取付孔520bは、前記取付孔520aの筒状部の外側面との間に第1の作動片530及び第2の作動片532を移動するための空間を設けるように、取付孔520aより大きな平面視六角形ないしは楕円形の孔を形成されている。
[別の実施の形態]
次に、本発明にかかる別の実施の形態である3穴真円型リング綴じ具について、図37ないし図41に基づいて説明する。
この実施の形態の綴じ具610は、前記実施の形態の綴じ具210と略同様の構成であるが、主として、綴環の数が増加したことに伴う、保持部材の構成、作動部材の構成及び開閉部材の構成が異なるので、それらを中心に以下説明する。
綴じ具610は、一対のそれぞれ略円環状の金属製の第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614と、前記第1の綴環612ないし第3の綴環614をそれぞれ間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材616と、その表面に第1の綴環612ないし第3の綴環614が間隔をおいてそれぞれの基部が固定され、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614が前記保持部材616に固定されるように保持部材616の内側に可動自在に固定された作動部材618と、第1の綴環612,第2の綴環613及び第3の綴環614を開くための保持部材616の一端に設けられたボタン部材80とを備える。
ボタン部材80の構成、空所76の構成及び回転角度規制部78の構成は、前記図1図示実施の形態の綴じ具10と略々同じ構成である。
[ボタン部材]
作動部材618は、一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材618を構成する第1の作動片630及び第2の作動片632を移動させるためのボタン部材80を備える。
次に、ボタン部材80について、主として図42ないし図54に基づいて説明する。
前記ボタン部材80は、第1の綴環612と第2の綴環613と第3の綴環614とが並列する方向に作動部材618を作動させて該第1の綴環612,第2の綴環613及び第3の綴環614を開くように、一方の作動片(第1の作動片630)と他方の作動片(第2の作動片632)とを反対方向に移動させるための、第1の腕部800と第2の腕部820とを有している。
第1の腕部800は、一方の作動片(第1の作動片630)を第1の腕部800の側に移動させ、第2の腕部820は、他方の作動片(第2の作動片632)を第2の腕部820とは反対側に移動させるように構成されている。
ボタン部材80は、保持部材616の一方の端部及び/又は他方の端部に、第1の綴環612と第2の綴環613と第3の綴環614とが並列する方向に回転するように、枢軸82a及び枢軸82bによって取り付けられている。
ボタン部材80は、回転の中心となる枢軸82a及び枢軸82bより保持部材616の長手方向における中央及び第3の綴環614から離れる側に、指で押すための押圧部84を形成されている。
ボタン部材80は、枢軸82a及び枢軸82bより保持部材616の長手方向の中央側及び第3の綴環614側に、第1の腕部800及び第2の腕部820を形成されている。
ボタン部材80は、保持部材616の保持壁624の内側面に対向する平面を有する突出部86a及び突出部86bを備えており、該突出部86a及び突出部86bの保持部材616の第1の保持壁624a及び第2の保持壁624b側の平面に、枢軸82a及び枢軸82bを側方に向けて突設されている。
枢軸82aは、略円柱状であり、保持部材616の一方の保持壁たる第1の保持壁624aに対向する突出部86aの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82bは、略円柱状であり、保持部材616の他方の保持壁たる第2の保持壁624bに対向する突出部86bの平面において、水平方向に突設されている。
枢軸82aと枢軸82bとは、反対方向に向いて突設されている。
ボタン部材80は、ポリアセタール等の弾力性を有する合成樹脂で一体成形されている。
第1の腕部800及び第2の腕部820は、押圧部84より比較的薄い帯状体として形成され、弾力性及び復元性を有している。
枢軸82aは、保持部材616の第1の保持壁624aに穿設された第1の枢支孔88aに回動自在に貫挿されている。
枢軸82bは、保持部材616の第2の保持壁624bに穿設された第2の枢支孔88bに回動自在に貫挿されている。
第1の枢支孔88aと第2の枢支孔88bとは、反対方向に向いた枢軸82a及び枢軸82bに対応して、対向している。
綴環は、3穴タイプのために、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614の3個の綴環からなる。第1の綴環612は、第1の半割杆612a及び第2の半割杆612bを備え、第2の綴環613は、第3の半割杆613a及び第4の半割杆613bを備え、第3の綴環614は、第5の半割杆614a及び第6の半割杆614bを備える。
そして、用紙等の被綴じ物Sに予め穿設された綴じ孔に挿通して、用紙等の被綴じ物Sを綴じることができるように、第1の半割杆612a及び第2の半割杆612bの先端と、第3の半割杆613a及び第4の半割杆613bの先端と、第5の半割杆614aと第6の半割杆614bの先端とにおいて、すなわち第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614の頂部において、綴杆係止部650が形成されている。
前記綴杆を構成する第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614は、断面円形状金属製線材を、綴杆係止部650を外す方向(図38のO1及びO2の方向)にのばし、且つ中央部分を押さえることによって綴杆を閉じる方向に対してわん曲させて形成されている。そして、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614は、中央が綴杆を開く方向(第1の半割杆612a、第3の半割杆613a及び第5の半割杆614aは、図38のO3方向、第2の半割杆612b、第4の半割杆613b、第6の半割杆614bは、図38のO4方向)に膨み且つ両端が綴杆を閉じる方向にわん曲した断面略空豆(ビーンズ)型の形状に形成されている。
すなわち、環状の第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614を開閉方向に見て、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614の内側は波状起伏面が形成され、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614の外側は半円弧状に形成されている。そして、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614は、綴杆を外す方向に見て、両外側が、半円弧状に形成されている。
従来の断面形状丸型の綴杆は、小径だと変形に弱く、大径にすれば断面積が増して材料費がかさみ、従来の断面形状略長方形の綴杆は、用紙等の被綴じ物Sにあける綴じ穴には丸穴が多いので、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴に対応しにくく、用紙等の被綴じ物Sの綴じ穴を傷つけるおそれがある。
ところが、綴杆を構成する第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614は、細いならば綴杆係止部650の嵌合がうまくゆかないときがある。
そのために、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614の幅を広げたいが、元の線材として断面積の小さいものを使用しても、元の金属製線材を加工することにより綴杆としては必要な幅が確保されるようにしたい。
そこで、本発明にかかる綴杆は、それを形成する線材の中央部分を押さえて線材を空豆(ビーンズ)型につぶすことにより全体としての幅を広げ、すなわち、綴杆の全体の幅を綴杆係止部650を外す方向に広げて、綴杆係止部650の嵌合を完全にできるように形成している。
保持部材616は、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614を所定の間隔をおいて設けることができる長さを備える平面略長方形で、その両端、すなわち表紙Aに取り付ける取付孔620近傍においては、平面略半円弧状に形成されている。
保持部材616は、被綴じ物載置部622の内側には保持空間を備え、その空間に作動部材618等を収容するように構成されている。
保持部材616の被綴じ物載置部622の両端には、その長手方向に略々その一端から他端に亘って、作動部材618を摺動自在に保持する保持壁624が設けられている。この実施の形態においては、保持部材616の長手方向において、第1の綴環612、第2の綴環613及び第3の綴環614のそれぞれの外側近傍より内部に亘って略全体において垂下されるように、第1の保持壁624a及び第2の保持壁624bが連設され、第1の保持壁624aと第2の保持壁624bとは平行で略同一の形状の板状である。そして、この第1の保持壁624a及び第2の保持壁624bと被綴じ物載置部622によって囲繞された保持空間内に、後に詳しく説明する作動部材618等が収容される。
保持部材616の被綴じ物載置部622には、第1の綴環612と第2の綴環613とに、第3の綴環614とを、一定の間隔(日本工業規格等で決められている一定の長さ)をおいて遊貫するための、第1の貫通孔626、第2の貫通孔627及び第3の貫通孔628がそれぞれ穿設されている。
第1の貫通孔626と第2の貫通孔627と第3の貫通孔628とは、それぞれの綴杆を構成する半割杆に対応して、保持部材616の幅方向において左右に分かれて一定の間隔をおいて、2つずつ穿設されている。
作動部材618を構成する作動片は、前記実施の形態の綴じ具10の作動片と同様に、左右一対の作動片を有する。
前記第1の半割杆612a、第3の半割杆613a及び第5の半割杆614aの基部が固定された第1の作動片630と第2の半割杆612b、第4の半割杆613b及び第6の半割杆614bの基部が固定された第2の作動片632とは、前記実施の形態の第1の作動片530及び第2の作動片532と略同一に形成されている。
第1の作動片630及び第2の作動片632は、二対の開閉部材収容部636Aと開閉部材収容部636Bが形成され、且つ開閉部材収容部636Aの表面(下面)に形成された二対の開閉部材固定部638a1と開閉部材固定部638a2及び開閉部材収容部636Bの表面(下面)に形成された開閉部材固定部638b1と開閉部材固定部638b2の外側近傍において、第1の作動片630及び第2の作動片632の長手方向への移動を規制する移動規制部が、2つ形成されている。
そして、開閉部材640は、開閉部材収容部636Aの中に装填され、第1の作動片630の開閉部材固定部638a1と第2の作動片632の開閉部材固定部638b1とに跨って突き合わせ縁630a及び突き合わせ縁632aと斜めに交差するように架け渡され、すなわち斜交するように固定され、開閉部材642は、開閉部材収容部636Bの中に装填され、第1の作動片630の開閉部材固定部638a2と第2の作動片632の開閉部材固定部638b2とに跨って突き合わせ縁630a及び突き合わせ縁632aと斜めに交差するように架け渡され、すなわち斜交するように固定される。
開閉部材640の固定先端部640aは第1の作動片630の開閉部材固定部638a1に、固定先端部640bは第2の作動片632の開閉部材固定部638b1にそれぞれ固定され、開閉部材642の固定先端部642aは第1の作動片630の開閉部材固定部638a2に、固定先端部642bは第2の作動片632の開閉部材固定部638b2にそれぞれ固定される。
前記第1の作動片630は、前記突き合わせ縁630aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部とを結ぶ方向(図39図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条630hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部とを結ぶ方向と平行で第1の作動片630の長さ方向にのびる。
前記突条630hは、間隔をおいて設けられた第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部の間で、外側端縁630bにおいて、突出部630c3の近傍を除いて連続して、第1の綴環612及び第3の綴環614が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条630hは、第1の作動片630を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
また、前記第2の作動片632は、前記突き合わせ縁632aとは離れた位置で、間隔をおいて設けられた第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部とを結ぶ方向(図39図示X1及びX2方向)に近い方向にのびる突条632hが形成されている。この実施の形態においては、第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部とを結ぶ方向と平行で第2の作動片632の長さ方向にのびる。
前記突条632hは、間隔をおいて設けられた第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部の間で、外側端縁632bにおいて、突出部632c3の近傍を除いて連続して、第1の綴環612及び第3の綴環614が突出する方向とは反対側に向けて突設されている。
前記突条632hは、第2の作動片632を構成する平板状の金属製板体を断面L字形に折り曲げて形成されている。
したがって、第1の作動片630及び第2の作動片632は、第1の綴環612の基部と第3の綴環614の基部間におけるしなりが、突条630h及び突条632hにより防止される。
第1の作動片630は、基部で固定された第1の半割杆612a、第3の半割杆613a及び第5の半割杆614aの基部の近傍に、第1の作動片630を補強してしなりを少なくするために、ビード634a、ビード634b及びビード634eが上面に向けて突設されている。
第2の作動片632は、基部で固定された第2の半割杆612b、第4の半割杆613b及び第6の半割杆614bの基部の近傍に、第2の作動片632を補強してしなりを少なくするために、ビード634c、ビード634d及びビード634fが上面に向けて突設されている。
ビード634aは、第1の半割杆612aの基部と突出部630c1との間において第1の作動片630の長手方向にのびる第1直線部634a1と、突条630hの内側(第1の作動片630の幅方向における略々中央において)で第1の半割杆612aの基部の近傍から第1の作動片630の長手方向にのびる第2直線部634a2と、第1直線部634a1の内側端と第2直線部634a2の外側端との間を結ぶ斜線部634a3とを備え、第1の作動片630の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634bは、第5の半割杆614aの基部と突出部630c2との間において第1の作動片630の長手方向にのびる第1直線部634b1と、突条630hの内側(第1の作動片630の幅方向における略々中央において)で第5の半割杆614aの基部の近傍から第1の作動片630の長手方向にのびる第2直線部634b2と、第1直線部634b1の内側端と第2直線部634b2の外側端との間を結ぶ斜線部634b3とを備え、第1の作動片630の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634cは、第2の半割杆612bの基部と突出部632c1との間において第2の作動片632の長手方向にのびる第1直線部634c1と、突条632hの内側(第2の作動片632の幅方向における略々中央において)で第2の半割杆612bの基部の近傍から第2の作動片632の長手方向にのびる第2直線部634c2と、第1直線部634c1の内側端と第2直線部634c2の外側端との間を結ぶ斜線部634c3とを備え、第2の作動片632の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634dは、第6の半割杆614bの基部と突出部632c2との間において第2の作動片632の長手方向にのびる第1直線部634d1と、突条632hの内側(第2の作動片632の幅方向における略々中央において)で第6の半割杆614bの基部の近傍から第2の作動片632の長手方向にのびる第2直線部634d2と、第1直線部634d1の内側端と第2直線部634d2の外側端との間を結ぶ斜線部634d3とを備え、第2の作動片632の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634eは、第3の半割杆613aの基部と突出部630c3の間において、上下に分断された突条630hと突条630hとの間に跨って形成されている。
ビード634eは、第3の半割杆613aの基部と突出部630c3との間において第1の作動片630の長手方向にのびる第1直線部634e1と、突条630hの内側で第5の半割杆613aの基部の近傍から第1の作動片630の長手方向にのびる第2直線部634e2と、第1直線部634e1と第2直線部634e2との間を結ぶ斜線部634e3とを備え、第1の作動片630の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
ビード634fは、第4の半割杆613bの基部と突出部632c3の間において、上下に分断された突条632hと突条632hとの間に跨って形成されている。
ビード634fは、第4の半割杆613bの基部と突出部632c3との間において第2の作動片632の長手方向にのびる第1直線部634f1と、突条632hの内側で第3の半割杆613bの基部の近傍から第2の作動片632の長手方向にのびる第2直線部634f2と、第1直線部634f1と第2直線部634f2との間を結ぶ斜線部634f3とを備え、第2の作動片632の下面から上面に向けて一定幅を有する直線状凸部を突設してなる。
開閉部材は、前記実施の形態の綴じ具においては、一対の作動片に対応して、1個が装填されていたが、この実施の形態の綴じ具においては、一対の作動片に、2個の開閉部材640及び開閉部材642を装填されている。また、合計2個の開閉部材640及び開閉部材642のうち一方のみを装填してもよい。
突出部630c1は第1保持部660により、突出部630c2は第1保持部662により、突632c1は第2保持部664により、突出部632c2は第2保持部666により、それぞれ保持される。
また、突出部630c3は第3保持部661により、突出部632c3は第3保持部665により、それぞれ保持される。
取付孔620は、第1の綴環612と第2の綴環613との間及び第2の綴環613と第3の綴環614との間に設けられている。
取付孔620は、保持部材616の被綴じ物載置部622並びに第1の作動片630の突き合わせ縁630a及び第2作動片632の突き合わせ縁632aに形成されている。
取付孔620は、保持部材616並びに第1の作動片630及び第2の作動片632の長手方向において適宜な間隔をあけて2個ないし複数個形成されている。
保持部材616に形成されている取付孔620は、表紙Aに取り付けるための固着具によって、綴じ具610を堅固に固定するに適する形状に形成されている。
第1の作動片630及び第2の作動片632に形成された取付孔620は、第1の綴環612,第2の綴環613及び第3の綴環614を開閉するときに、第1の作動片630及び第2の作動片632が移動するに適する形状に形成されている。例えば、取付孔620は、第1の作動片630の突き合わせ縁630aと第2の作動片632の突き合わせ縁632aとに形成された半円形の孔が合わさって一つの円形に形成され、その径は、固着具との間に移動するための間隙が形成される長さとする。
この実施の形態においては、取付孔620は、保持部材616の被綴じ物載置部622に形成された第1の取付孔620aと、第1の作動片630及び第2の作動片632に形成された第2の取付孔620bとを備える。
第1の取付孔620aは、被綴じ物載置部622より垂下された筒状部を備え、筒状部の貫通孔内に固着具が貫挿される。
第2の取付孔620bは、前記取付孔620aの筒状部の外側面との間に第1の作動片630及び第2の作動片632を移動するための空間を設けるように、取付孔620aより大きな平面視六角形ないしは楕円形の孔を形成されている。
前記実施の形態によれば、一対の作動片には、保持部材に形成された貫通孔に通される突出部が形成されているので、作動片に綴杆の基部を例えばカシメ止めをしても作動片にかかるストレスを少なくするために面積を大きくすることができる。そのために、作動片全体の強度を増すことができる。
また、作動片の突出部を通す貫通孔と綴杆を通す貫通孔を共通にすることができるために、保持部材の構造を簡略化して製造コストの引き下げを図ることができる。
開閉部材40と開閉部材固定部38a及び開閉部材固定部38bとは、次のように変更してもよい。
図42ないし図44は、図1図示綴じ具10の変形例を示す図である。
図42ないし図44に示すように、開閉部材固定部738a及び開閉部材固定部738bは、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図42図示)と開閉部材固定部738a及び開閉部材固定部738bとを結ぶ線X3(図42図示)に沿って、開閉部材740の巻線部744が突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁30aと斜めに交差して架け渡されるように形成してもよい。
すなわち、開閉部材740の開閉部材固定部738aは、突き合わせ縁30aの長手方向における中央C(図42図示)と開閉部材固定部738aを結ぶ線X3(図42図示)に沿って、開閉部材740が架け渡されるように形成してもよい。
開閉部材740の開閉部材固定部738bは、突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図42図示)と開閉部材固定部738bとを結ぶ線X3(図42図示)に沿って、開閉部材740が架け渡されるように形成してもよい。
開閉部材固定部738aの係止基部738a1及び開閉部材固定部738bの係止基部738b1が前記線X3に直交し、開閉部材固定部738aの係止基部738a1及び開閉部材固定部738bの係止基部738b1の先端(下端)に、それぞれ開閉部材740とは反対側に向けて前記線X3(図42図示)に沿ってのびる係止外れ止め部738a2(開閉部材固定部738aの)及び係止外れ止め部738b2(開閉部材固定部738bの)が形成された、側面略L字型に形成されている。開閉部材固定部738aと開閉部材固定部738bとは、突き合わせ縁30a及び突き合わせ縁32aの長手方向における中央C(図42図示)を中心とした点対称形に形成されている。
また、開閉部材40の一方の固定先端部42a及び開閉部材40の他方の固定先端部42bは、図43に示すように、開閉部材740の一方の固定先端部742a及び開閉部材740の他方の固定先端部742bのようにその大きさや形状を変更してもよく、また、規制腕部46a及び規制腕部46bは、図43に示すように、開閉部材740の規制腕部746a及び開閉部材740の規制腕部746bのようにその長さを変えたり、規制腕部46a及び規制腕部46bのうち一方を無くしてもよい。
[回転角度規制部の変形例]
次に、回転角度規制部78の変形例について、主として、図70ないし図74に基づいて説明する。
回転角度規制部78は、空所76側の端縁が傾斜面に形成されている。
該傾斜面は、手前側から向こう側すなわち、第1の綴環12及び第2の綴環14側にいく程低くなる斜面である。
この発明に係る綴じ具は、ファイル・バインダ等の用箋等を綴じる綴じ具として用いることができる。
A 表紙
S 被綴じ物
10,510,610 綴じ具
12,412,512,612 第1の綴環
14,414,513,613 第2の綴環
514,614 第3の綴環
515 第4の綴環
12a,412a,512a,612a 第1の半割杆
12b,412b,512b,612b 第2の半割杆
14a,414a,513a,613a 第3の半割杆
14b,414b,513b,613b 第4の半割杆
514a,614a 第5の半割杆
514b,614b 第6の半割杆
515a 第7の半割杆
515b 第8の半割杆
16,516,616 保持部材
18,518,618 作動部材
20,520,620 取付孔
20a,510a,620a 第1の取付孔
20b,510b,620b 第2の取付孔
22,522,622 被綴じ物載置部
22a 膨出部
24,524,624 保持壁
24a,524a,624a 第1の保持壁
24b,524b,624b 第2の保持壁
26,526,626 第1の貫通孔
28,527,627 第2の貫通孔
528,628 第3の貫通孔
529 第4の貫通孔
30,530,630 第1の作動片
30a,530a,630a 突き合わせ縁
30b,530b,630b 外側端縁
30c1,30c2,530c1,530c2,530c3,630c3,630c1,630c2 突出部
30d,30e 係合部
30f 規制凹部
30g 規制凸起
230h,530h,630h 突条
32,532,632 第2の作動片
32a,532a,632a 突き合わせ縁
32b,532b,632b 外側端縁
32c1,32c2,532c1,532c2,532c3,632c1,632c2,632c3 突出部
32d,32e 係合部
32f 規制凹部
32g 規制凸起
232h,532h,632h 突条
234a,234b,234c,234d,534a,534b,534c,534d,534e,534f,634a,634b,634c,634d,634e,634f ビード
234a1,234b1,234c1,234d1,534a1,534b1,534c1,534d1,634a1,634b1,634c1,634d1,634e1,634f1 第1直線部
234a2,234b2,234c2,234d2,534a2,534b2,534c2,534d2,634a2,634b2,634c2,634d2,634e2,634f2 第2直線部
234a3,234b3,234c3,234d3,534a3,534b3,534c3,534d3,634a3,634b3,634c3,634d3,634e3,634f3 斜線部
36a,36b 凹み
38a,38b,538a1,538a2,538b1,538b2,638a1,638a2,638b1,638b2,738a,738b 開閉部材固定部
38a1,38b1 係止基部
38a2,38b2 係止外れ止め部
36,536A,536B,636A,636B 開閉部材収容部
40,540,542,640,642 開閉部材
42a,540a,542a,640a,642a,742a 開閉部材の一方の固定先端部
42b,540b,542b,640b,642b,742b 開閉部材の他方の固定先端部
44,744 巻線部
46a,46b,746a,746b 規制腕部
50,550,650 綴杆係止部
52a,54a,56a,58a 凸部
52b,54b,56b,58b 凹部
52c,54c,56c,58c 凸部の傾斜対向面
52d,54d,56d,58d 凹部の傾斜対向面
60,62,160,162,560,562,660,662 第1の保持部
64,66,164,166,564,566,664,666 第2の保持部
561,565,661,665 第3の保持部
68a,70a,72a,74a 切り込み
76 空所
78 回転角度規制部(押圧距離規制部)
80 ボタン部材
82a (第1の)枢軸
82b (第2の)枢軸
84 押圧部
86a,86b 突出部
88a (第1の)枢支孔
88b (第2の)枢支孔
300 ファイル・バインダ
310 表紙
312 表表紙
314 裏表紙
316 背表紙
318A,318B 薄肉ヒンジ部
320 連設部
322,324 綴杆固定手段
800 第1の腕部
802 第1作用部
804 第1の連結部
806 第1の貫挿軸
820 第2の腕部
822 第2作用部
824 第2の連結部
826 第2の貫挿軸
830 (第1の)ボタン部材取り付け孔
832 (第2の)ボタン部材取り付け孔

Claims (7)

  1. 環状の綴杆を構成する複数の開閉自在の綴環と、
    前記綴環を間隔をおいて設けることができる長さを備えた保持部材と、
    綴環が間隔をおいてその表面に並列して固定され、綴環が保持部材に固定されるように保持部材の内側に固定された作動部材と、
    前記綴環を開く方向に付勢する開閉部材とを備えた、綴じ具であって、
    前記作動部材は、一対の作動片からなり、
    一方の作動片には綴環の一方の基部が固定され、他方の作動片には綴環の他方の基部が固定され、
    前記綴環が閉じるときには、保持部材の内面より離れた位置において、その突き合わせ縁が突き合わせた状態において保持され、
    前記綴環が開くときには、保持部材の内面に近づいた方向に向いて保持されるように、保持部材に固定され、
    作動部材の一方の端部及び/又は他方の端部の近傍に、作動部材を移動させるためのボタン部材を有し、
    前記ボタン部材は、綴環が並列する方向に作動部材を作動させて綴環を開くように、一方の作動片と他方の作動片とを反対方向に移動させるための、第1の腕部と第2の腕部とを有し、
    第1の腕部は、一方の作動片を第1の腕部側に移動させ、第2の腕部は、他方の作動片を第2の腕部とは反対側に移動させるように構成された、綴じ具。
  2. ボタン部材は、保持部材に、綴環が並列する方向に回転するように、枢軸によって取り付けられ、
    回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向における中央から離れる側に指で押すための押圧部を形成され、
    回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向の中央側に第1の腕部及び第2の腕部を形成され、
    押圧部を押すことにより、第1の腕部は、一方の作動片を第1の腕部側に移動させ、第2の腕部は、他方の作動片を第2の腕部とは反対側に移動させるように構成された、請求項1に記載の綴じ具。
  3. ボタン部材は、保持部材の一方の端部及び/又は他方の端部に、綴環が並列する方向に回転するように、枢軸によって取り付けられ、
    回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向における中央より離れる側に指で押すための押圧部を形成され、
    枢軸より上方を経て、綴環の綴杆係止部を離間させる方向とは反対側にのびる第1の腕部を押圧部に連設され、
    枢軸より下方を経て綴環の綴杆係止部を離間させる方向側にのびる第2の腕部を押圧部に連設され、
    押圧部を押すことにより、第1の腕部に連設された一方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させ、且つ、第2の腕部に連設された他方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させる、請求項1又は請求項2に記載の綴じ具。
  4. ボタン部材は、保持部材の一方の端部及び/又は他方の端部に、綴環が並列する方向に回転するように、枢軸によって取り付けられ、
    回転の中心となる枢軸より保持部材の長手方向における中央から離れる側に指で押すための押圧部を形成され、
    枢軸より上方を経て、綴環の綴杆係止部を離間させる方向とは反対側にのびる第1の腕部を押圧部に連設され、
    枢軸より下方を経て綴環の綴杆係止部を離間させる方向側にのびる第2の腕部を押圧部に連設され、
    第1の腕部は、枢軸より上方にのびる第1作用部と、該第1作用部より一方の作動片に向いて枢軸より上方ないし下方においてのびる略直線状の第1の連結部とを有し、
    第2の腕部は、枢軸より下方にのびる第2作用部と、該第2作用部より他方の作動片に向いてのびる略々直線状の第2の連結部とを有し、
    押圧部を押すことにより、第1の腕部に連設された一方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させ、且つ、第2の腕部に連設された他方の作動片を綴環の綴杆係止部を離間させる側に移動させ、
    押圧部を指で押していないときには、綴環を閉じる位置に一方の作動片及び他方の作動片を位置させるように復元するように構成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の綴じ具。
  5. 第1の腕部は、一方の作動片を、綴環を開閉させるように移動可能にできるように、一方の作動片に取り付けられ、
    第2の腕部は、他方の作動片を、綴環を開閉させるように移動可能にできるように、他方の作動片に取り付けられている、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の綴じ具。
  6. ボタン部材は、
    第1の腕部側に、押圧部とは反対側に一方の作動片に取り付けるための軸を突設され、該軸が、一方の作動片を綴環を開閉させるように移動可能にできるように、一方の作動片に穿設された取り付け孔に緩挿され、
    第2の腕部側に、押圧部とは反対側に他方の作動片に取り付けるための軸を突設され、該軸が、他方の作動片を綴環を開閉させるように移動可能にできるように、他方の作動片に穿設された取り付け孔に緩挿された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の綴じ具。
  7. 保持部材は、一方の端部及び/又は他方の端部に、作動部材を移動させるためのボタン部材を取り付ける空所が形成され、
    該空所は、ボタン部材が綴環の並列する方向に回転するように取り付けられ、
    保持部材は、該空所に続いてボタン部材の回転角度を規制するための回転角度規制部を形成され、
    ボタン部材は、回転角度規制部によって、適宜な角度で停止するように構成された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の綴じ具。
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