JP4434677B2 - ループヒートパイプ用蒸発器 - Google Patents

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Description

本発明は、高熱を伝達するため、人工衛星、フリーフライヤ、及び宇宙ステーション等に使用され、特に、製作を容易にし、熱交換効率を向上させることができるループヒートパイプ用蒸発器に関するものである。
周知のようにループヒートパイプ用蒸発器は、密閉管の内部に封入された熱交換媒体が蒸発と凝縮とを伴って蒸発器と凝縮器との間を循環流動することにより熱を輸送するループヒートパイプのための蒸発器である。この蒸発器は、毛細管圧力を生じさせる例えばポリエチレンサーモプラスチックにより形成されるウィックを密閉管の内壁面に固定し、そのウィックの内周面に、例えば、アンモニア、アルコールなどによる熱交換媒体を注入してウィックに浸透させ、加熱して蒸気化された流体を取り出して凝縮器へ送るものである。
従来のループヒートパイプ用蒸発器は、例えば、図4に示されるように、管状体110の内部に管状体110の軸方向に環状のウィック120が積層されている。外部から液流入管130を介して熱交換媒体液11により供給されると、この熱交換媒体液11が液流入管130から管状体110内でウィック120内に浸透する。
この状態で、管状体110が外部から図面上で矢印に沿って上方向から加熱されると、ウィック120内に浸透した熱交換媒体液11が蒸発する。この蒸発した熱交換媒体蒸気12は管状体110の内周面上で管状体110の軸方向に刻み込まれて形成される溝111に導入され、溝111に導かれて蒸気流路140から管状体110外に排出される。溝111は管状体110の内周面上に周方向に一定ピッチで形成されている。
しかし、上述した従来のループヒートパイプ用蒸発器では、管状体内周面に軸方向に延びる溝が設けられているための管状体の加工、更に、毛細管力を有する環状のウィックを、管状体内に多数挿入し積層するための加工があり、加工が非常に複雑であるという欠点がある。
他方、管状体内周面の溝が軸方向にのみ設置され、かつウィックが環形状のため、ウィック内の熱交換媒体液が気化する対象の面積は、ウィック外周面が上記溝により開口部分に形成される部分のみである。従って、熱交換媒体液が蒸気となる面積は少なく、熱吸収体ウィック内の熱交換媒体が効率良く蒸発されないという欠点がある。
更に、この毛細管力を有する環状ウィックの内部で中央空間部に設けられる熱交換媒体流入路の外径が小さいために熱交換媒体液の流入が十分でなく、また、この毛細管力を有する熱吸収体ウィックの半径方向の厚みが大きいために熱交換媒体がウィック半径方向に流れにくいという欠点がある。
この改善策として、熱交換媒体である流体をウィックの長手方向へ移送させるための溝をウィックに設けたループ型ヒートパイプが提案されている(特許文献1参照)。
図5はこのループ型ヒートパイプの構造を説明するための概要図であって、図5(A)はパイプの中心軸に沿った縦断面、また図5(B)はパイプの径方向に沿った横断面を示す。
図5に示される蒸発器は、その外郭を円筒状に形成する容器210と、管状をなしてこの容器210内面に配置されるウィック220とを有する。ウィック220は、熱交換媒体が流れる方向と一致する中心軸に平行方向に、外周面では外周うね221およびこの外周うね221により形成される外周溝222を、かつ内周面では内周うね223およびこの内周うね223により形成される内周溝224をそれぞれ、中心軸の周囲に等間隔で有している。ウィック220は、液化された熱交換媒体液11を外周うね221の側面からも毛細管力により吸収するため、その吸収面積が拡大される。一方、中央空間部分の半径は、内周溝224の深さを加えるので、ウィック220の厚さと比較して大きくなる。
また、容器210は軸方向の一方の端面に液化された熱交換媒体液11を流入させる液流入管230と、他方の端面に気化された熱交換媒体蒸気12を流出させる蒸気流出路240とを有する。
従って、容器210の一方から熱交換媒体液11をウィック220の内部空間に供給した際、熱交換媒体液11は、内部熱交換媒体液11aとなりウィック220の内周面全体で内周溝224に沿って流れ、ウィック220の毛細管力により吸収されてウィック220の半径方向に外周面まで輸送され、蒸発して内部熱交換媒体蒸気12aとなる。蒸発器は、加熱されるので、熱交換媒体液11aの気化は促進される。
蒸発して得られた内部熱交換媒体蒸気12aは、ウィック220の外周面全体で外周溝222に沿って流れ、蒸気流出路240から熱交換媒体蒸気12として流出する。
すなわち、ウィック220は容器210に対して、積層構造でなく、一体構造をなすと共にウィック220自体に外周溝222としてその外周面に図4で示された溝111を形成するため加工が容易となる。また、ウィック220の内部を広くとり、ここにも内面に内周溝224を設けて熱交換媒体液11の流入を確保することにより、熱交換媒体液11が効率よく供給できる。すなわち、ウィック220は、外周面および内周面の両者に「うね及び溝」を設けて内部熱交換媒体液11aの吸収と内部熱交換媒体蒸気12aの発散との面積を拡大できるので、熱交換媒体の流れを円滑化すると共に、この毛細管力を有する熱吸収体ウィック220の半径方向の厚みを縮小して熱交換媒体液11をウィック220半径方向に流れ易くしている。
しかしながらこの方法でも、ウィックの内周面にうね(畝)と溝とを形成する必要があるので、図4に示されたと同様、内周面の加工が残り、ウィックの加工が容易ではない。また、内周面の加工のため、内周面の「うね」および「溝」により拡張できるウィックの表面積は限定され、従って、熱交換媒体液の流れも限定される。
特開2001−221584号公報
解決しようとする課題は、管状体をなすウィックの内周面に軸方向の「うね」または「溝」が設けられており、相変わらず加工が非常に複雑であること、また、管状体をなすウィックの中央空間部分における熱交換媒体の流入が十分でないことである。
本発明によるループヒートパイプ用蒸発器は、凝縮器と接続し、当該凝縮器から熱交換媒体液の流入を受け、受けた熱交換媒体液を熱交換媒体蒸気に変換して前記凝縮器へ流出するためのものであって、外郭となる筒状筐体と熱吸収体ウィックとを主要構成要素とする。熱吸収体ウィックは、筒状筐体の内部空間にあって、その中心軸方向に長い一体成型による管状をなし、筒状筐体の中心軸に沿って中央空間を有すると共にこの中央空間に流入される前記熱交換媒体液を毛細管力により吸収する一方、加熱により気化した熱交換媒体蒸気を外周面から放散する。
本発明は、ループヒートパイプ用蒸発器が、筒状筐体および管状体ウィックの内周面を凹凸のない面として複雑な加工を排除し、熱吸収体ウィックの中央空間部分における熱交換媒体流入の効率を向上させるため、熱吸収体ウィックにおける中央空間形成部分は「うね」も溝も設けない面となるので、熱吸収体ウィックの中央空間に、本発明による連絡ウィックを熱吸収体ウィックに密着させて備えていることを主要な特徴とする。
この連絡ウィックは、少なくとも一枚の板形状体で形成され、前記熱吸収体ウィックの中央空間に位置して軸方向で前記熱吸収体ウィックの長さにほぼ一致する長さを有し外周近辺の表面を前記熱吸収体ウィックの内周面に密着させる密着面を有し前記凝縮器から流入を受けた熱交換媒体液を毛細管力により吸収すると共に当該熱交換媒体液を前記密着面で前記熱吸収体ウィックへ前記熱吸収体ウィックの毛細管力により移送する。
すなわち、この連絡ウィックは、熱吸収体ウィックの中央空間にあって、できる限り表面積の広い板形状をなす一枚または複数の板形状体で構成されており、凝縮器から流入を受けた熱交換媒体液をその全身全表面で毛細管力により吸収し、熱吸収体ウィックと協同機能してその吸収効率を向上させている。
この連絡ウィックの板形状体は、気孔径が前記熱吸収体ウィックより大きな材質を有することにより、連絡ウィックが毛細管力により吸収した熱交換媒体液を前記熱吸収体ウィックが更に大きな毛細管力により吸収することとなるので、連絡ウィックから熱吸収体ウィックへと熱交換媒体液の移送速度を高めることができる。
各板形状体の形状の一つは、金網を含む網状体であり、前記熱吸収体ウィックの中央空間にあって、その中心軸に沿って中心軸から当該中心軸で固着されて前記熱吸収体ウィックの内周面までを連結する同一湾曲形状の面を有し、各板形状体の外周先端部分で一方の表面を前記密着面として前記熱吸収体ウィックの内周面に密着し、かつ前記中心軸の周囲で等間隔に配置されている。
また、板形状体は、金網により形成される一枚の厚手の網状体であり、前記熱吸収体ウィックの中央空間にあって、その横断面を「S」字形にしてその中央空間の中心軸に沿って前記中央空間を横断し、両外側に位置する外周近辺の外側に面する表面を前記熱吸収体ウィックの内周面に密着させる前記密着面とすることができる。更に、板形状体は、金網により形成される二枚の厚手の網状体であり、前記熱吸収体ウィックの中央空間にあって、その中心軸を含む平面に沿って前記中央空間を横断する二つがその背面を密着し、当該背面の外周近辺を開いて前記熱吸収体ウィックの内周面に密着させる前記密着面とすることもできる。
このように、中央空間の連絡ウィックが厚手の金網による板形状体を形成することにより、熱交換媒体液を接する面で毛細管力により吸収すると共に連絡ウィックの気孔径が熱吸収体ウィックの気孔径より大きくなるので、連絡ウィックから熱吸収体ウィックへの熱交換媒体液の移送速度を高めることができる。
更に、連絡ウィックは、板形状体が金網による厚手の網状体であることにより平板状態への復元力を有するうえ、長さ方向に対する幅方向で湾曲させて熱吸収体ウィックの中央空間部分へ挿入するので、内周面との密着面を自動的に形成し勝つ密着度を確保できる。従って、連絡ウィックに対する特別な成形加工は不要である。
前記筒状筐体と前記熱吸収体ウィックとの間には、前記熱吸収体ウィックから蒸発する熱交換媒体蒸気を流出口へ導く通路となる溝が等間隔で形成されているが、この溝は、前記熱吸収体ウィックの外周面に互いに平行に等間隔をもって加工される外周うねによって形成される。この外周うねはその頂上を前記筒状筐体の内周面に接する。この溝および外周うねが中心軸方向に平行な場合、その加工は簡素化される。
更に、前記外周うねは、前記筒状筐体の内周面に接する頂上面で前記溝の走る方向を横切る方向に、前記熱交換媒体蒸気を流す相互に平行な多数の細溝を有することにより、熱交換媒体蒸気の流動を円滑化することが望ましい。うねも細溝もそれぞれ直線状に形成される場合、構造も簡素化され、加工も容易となる。
本発明のループヒートパイプ用蒸発器は、外郭となる筒状筐体、およびその内部に設けられる熱吸収体ウィックの両者とも内周面に凹凸を設けず、熱交換媒体蒸気を流す溝を、熱吸収体ウィックの外周うねにより形成するので、筒状体または管状体の内周面に対する特別な成形加工を不要にできる。従って、蒸発器の加工が簡単化されるという利点がある。
また、熱吸収体ウィックの中央空間には、できる限り表面積の広い形状をなして凝縮器から流入を受けた熱交換媒体液を毛細管力により吸収し、熱吸収体ウィックに対する密着面を有する連絡ウィックが設けられるので、熱交換媒体液の吸収効率を向上させることができる。更に、連絡ウィックは、熱吸収体ウィックの気孔径より大きな気孔径を有する厚手の網形状体を有することにより熱吸収体ウィックの毛細管力を補助する役割を有する。従って、管状体をなす熱吸収体ウィックの中央空間部分における熱交換媒体の流入が円滑化するという利点がある。更に、金網による連絡ウィックは、特別な成形加工を不要とするので加工の簡素化を進めることができる。
また、上記外周うねの頂上面には、細溝が設けられるので、筒状筐体の内周面との間に熱交換媒体蒸気のための細い流通路が形成される。従って、熱交換媒体の流出を円滑化させるという利点がある。
本発明によるループヒートパイプ用蒸発器は、凝縮器から熱交換媒体液の流入を受け、受けた熱交換媒体液を熱交換媒体蒸気に変換して凝縮器へ流出するためのものであり、筒状体または管状体をなす構成要素の加工を簡単化すると共に管状体をなす熱吸収体ウィックの表裏面における熱交換媒体の流れを円滑化するという目的を、下記の構成により実現した。すなわち、外周うねを熱吸収体ウィックの外周面に作成して溝を形成し、この外周うねの頂上面を刻んで細溝を作成し、かつ、熱吸収体ウィックの中央空間部分のほぼ全長にわたって、できる限り表面積の広い形状をなしてその外周辺近辺の面で熱吸収体ウィックに密着する密着面を有する板形状体を形成して凝縮器から流入を受けた熱交換媒体液を毛細管力により吸収する連絡ウィックを熱吸収体ウィックとは別に設けることにより実現した。
本発明の実施例1について図1および図2を参照して説明する。
図1は、本発明によるループヒートパイプ用蒸発器の実施の一形態を、中心軸を含む縦断面(A)及びそのA−A断面(B)により示す説明図である。図面では形状の概略が示されており、その相対的な寸法は示されていない。
図示されるループヒートパイプ用蒸発器の主要部は、従来同様、外郭となる筒状筐体1と一体成型による管状をなす熱吸収体ウィック(以後、ウィックと略称する)2とにより構成される。
筒状筐体1は、一方の端面中心部に液流入管3を備えて熱交換媒体液11を流入し、他方の端面中心部では蒸気流出路4を備えて、筒状筐体1の内周面に沿って流れる熱交換媒体蒸気12を集めて流出させる。
管状体のウィック2は、燈芯に用いられるような液体を吸収する毛細管力を有する材質、例えば直径「数マイクロメートル」の一様な気孔をもつポリエチレンサーモプラスチックなどのような材質を有している。ウィック2は、筒状筐体1の内部空間にあってその中心軸方向に長い形状をなし、筒状筐体1の中心軸に沿って中央空間を有すると共にこの中央空間に流入された熱交換媒体液11を毛細管力により吸収する一方、加熱により気化した熱交換媒体蒸気12を外周面から筒状筐体1の内周面に放散する。
ウィック2の外周面には、図4に示されたと同様、外周溝21が外周うね22により中心軸に平行に直線形状をなし等間隔で形成されている。外周溝21は、熱交換媒体蒸気12の流動を円滑化するため直線形状と図示して説明したが、曲線状にして熱交換媒体蒸気12の気化のために面積を拡大してもよい。
上述した従来との相違は、外周うね22の頂上面形状、およびウィック2の中央空間部分にある。
図2(A)は、図1(B)のウィック2におけるB部の拡大斜視図で、外周うね22の頂上面形状を示す。図示される外周うね22の頂上面には、多数の細溝23が外周溝21に垂直方向に等間隔で刻まれている。外周うね22の頂上面は筒形筐体1の内周面に接しているので、隣接する外周溝21では、多数の細溝23によりその空間が接続されている。このことは、熱交換媒体蒸気12のウィック2から蒸発する面積を増大化し、熱交換媒体蒸気12の蒸発と流動とを促すことになる。ここで、細溝23が外周溝21に垂直と図示して説明したが、角度を有しても、また外周うね22の頂上面上で曲線を描いてもよい。曲線を描くことは、熱交換媒体蒸気12を停滞させる原因になるが、ウィック2における気化面積は更に増大する。
次に、図1(B)及び図2(B)を併せ参照してウィック2の中央空間部分について説明する。
図1に示されるようにウィック2の中央空間には熱交換媒体液11が流入し、ウィック2の内周面から毛細管力により吸収されるが、この内周面には「うね」も「溝」もなくしてウィック2の加工を容易にしている。また、図4で示されたウィックの内周溝に対応して熱交換媒体液11の流動路を形成するために、本発明では管状のウィック2の中央空間で長さ方向に延びる複数の板形状体により構成される連絡ウィック5を設けている。
図2(B)に示される連絡ウィック5はウィック2と同様にその表面51から毛細管力により熱交換媒体液11を吸収する材質を有している。その各板形状体は、一方の側面を密着面52として管状ウィック2の内周面に密着し、また他方の側面をその中心軸53に位置させて、他の板形状体同士で固着している。図示される連絡ウィック5は、四枚の板形状体を中心軸53の周囲に等間隔に配置させており、表面を湾曲させた中心軸53に垂直な断面で二つの「S」字形が直交をなすようにして、その表面積の増大を図っている。なお、この枚数は奇数でもよいのは勿論である。
また、その板形状体は熱吸収体ウィック2の気孔径より大きな気孔径を有する材質であることがよい。この結果、小さな気孔径を有する熱吸収体ウィック2は連絡ウィック5より高い毛細管力を発生するので、連絡ウィック5は熱交換媒体液11の熱吸収体ウィック2方向への移動を促進させる。
また、連絡ウィック5は湾曲させることにより密着面を形成するために、厚手の金網による網状体を板形状体としている。しかしながら、網状体の全体が金網で形成されている必要はない。少なくとも湾曲形を保持することができる程度の量で、例えば、表面のみが金網で覆われていることでもよい。金網を板形状体として、その幅を中央空間の直径より大きくすることにより、上述した「S」形状が容易に形成されるので網状体の弾力性とその復元力により密着面の密着度も増加させることができる。更に、特別な形状への加工を不要にできる。勿論、連絡ウィックは熱吸収体ウィックと同一材質でその気孔径のみを相違させてもよい。
上述したループヒートパイプ用蒸発器では、毛細管力を有する管状体の外周面にのみ熱交換媒体の流通路となる溝を形成する構成を採用したので、内周面における溝などの特別加工をなくすことができる。従って、加工が容易になるという効果が生じる。
さらに、熱吸収体ウィックの外周面全体に外周溝とした太い溝と外周うねの頂上面の細溝とが形成される構造を採用したので、熱吸収体ウィックの熱交換媒体蒸気の蒸発面積を増大させることができ、また、熱吸収体ウィックの中央空間に熱吸収体ウィックより小さな毛細管力を有する板形状体の連絡ウィックを密着面により熱吸収体ウィックの内周面に密着させて配置する構成を採用したので、熱交換媒体を吸収して熱吸収体ウィックへ移送する速度を早めると共に、その蒸発を促進するので熱交換効率を向上させる効果がある。
本発明の実施例2について図3(A)に図1を併せ参照して説明する。
図3(A)は、本発明のループヒートパイプ用蒸発器における実施の一形態のうち、連絡ウィック5aを斜視により示す説明図である。図面では形状の概略が示されており、その相対的な寸法は示されていない。
上述した実施例1との相違は、実施例1の図1の連絡ウィック5を連絡ウィック5aに置換するものであり、他の構成要素には変更がない。従って、同一の構成要素には同一番号符号を付与してその説明を省略する。
図示される連絡ウィック5aは、一枚の板形状体をなす金網による厚手の網状体で、熱吸収体ウィック2の中央空間の直径より十分に大きな寸法の幅を有している。従って、連絡ウィック5aは、長さ方向に伸ばし幅方向を湾曲させて中央空間に挿入した際、幅方向の両側辺の近辺表面を内周面23に密着させて断面形状を「S」字とするように固定される。
この結果、連絡ウィック5aで吸収された熱交換媒体液11を、熱吸収体ウィック2へ、上述した実施例1と同様に移送することができる。
本発明の実施例3について図3(B)に図1を併せ参照して説明する。
図3(B)は、本発明のループヒートパイプ用蒸発器における実施の一形態のうち、連絡ウィック5bを断面により示す説明図である。図面では形状の概略が示されており、その相対的な寸法は示されていない。
上述した実施例1との相違は、実施例1の図1の連絡ウィック5を連絡ウィック5bに置換するものであり、他の構成要素には変更がない。従って、同一の構成要素には同一番号符号を付与してその説明を省略する。
図示される連絡ウィック5bは、二枚の板形状体をなす金網による厚手の網状体で、熱吸収体ウィック2の中央空間の直径より十分に大きな寸法の幅を有している。従って、連絡ウィック5bは、二枚を重ねて長さ方向の中央部分を固着して伸ばし、幅方向を相互に外側に湾曲させて中央空間に挿入する。その際、連絡ウィック5bは、幅方向の両側辺の近辺表面を内周面23に密着させて断面形状を「エ」字とするように固定される。
この結果、連絡ウィック5bで吸収された熱交換媒体液11を、熱吸収体ウィック2へ、上述した実施例1と同様に移送することができる。
本発明により、毛細管力を有する管状体の、外周面にのみ全体にわたって熱交換媒体蒸気の流通路となる外周の太い溝と外周うねの頂上面の細溝とが形成される熱吸収体ウィックを用いて、加工を簡単化できると共に、吸収された熱交換媒体液の気化を容易に促進でき、また、熱吸収体ウィックの中央空間に熱吸収体ウィックに側面を密着させた毛細管力を有する板形状体の連絡ウィックを用いて、熱交換媒体液の吸収と熱吸収体ウィックの外周面への移送とを促進できる。
従って、本発明の蒸発器は、加工が容易で熱交換効率を向上させることが必要な用途に適用できる。
ループヒートパイプ用蒸発器の実施の一形態を、中心軸を含む縦断面(A)とそのA−A断面(B)とのそれぞれで示した説明図である。(実施例1) 図1において、本発明の特徴部分を拡大し、細溝部分(A)と連絡ウィック(B)とのそれぞれを斜視で示した説明図である。(実施例1) ループヒートパイプ用蒸発器の実施の一形態を、図2とは異なる連絡ウィックの斜視(A)と更に別の連絡ウィックの断面(B)とのそれぞれで示した説明図である。(実施例2および実施例3) ループヒートパイプ用蒸発器の一例を、中心軸を含む縦断面(A)とそのC−C断面(B)とのそれぞれで示した説明図である。(第1の従来例) ループヒートパイプ用蒸発器の一例を、中心軸を含む縦断面(A)とその横断面(B)とのそれぞれで示した説明図である。(第2の従来例)
符号の説明
1 筒状筐体
2 ウィック(熱吸収体ウィック)
3 液流入管
4 蒸気流出路
5、5a、5b 連絡ウィック
11 熱交換媒体液
12 熱交換媒体蒸気
21 外周溝
22 外周うね
23 内周面
24 細溝
51、51a、51b 表面
52、52a、52b 密着面
53 中心軸

Claims (2)

  1. 凝縮器と接続し、当該凝縮器から熱交換媒体液の流入を受け、受けた熱交換媒体液を熱交換媒体蒸気に変換して前記凝縮器へ流出するループヒートパイプ用蒸発器であって、外郭をなす筒状筐体と、前記筒状筐体の内部空間にあって軸方向に長い一体成型による管状をなし、前記筒状筐体の中心軸に沿って中央空間を有すると共に毛細管力により前記熱交換媒体液を吸収する熱吸収体ウィックと、前記筒状筐体と前記熱吸収体ウィックとの間に形成され前記熱吸収体ウィックから蒸発する熱交換媒体蒸気を流出口へ導く通路となる溝と、少なくとも一枚の板形状体で形成され、前記熱吸収体ウィックの中央空間に位置して軸方向で前記熱吸収体ウィックの長さにほぼ一致する長さを有し外周近辺の表面を前記熱吸収体ウィックの内周面に密着させる密着面を有し前記凝縮器から流入を受けた熱交換媒体液を毛細管力により吸収すると共に当該熱交換媒体液を前記密着面で前記熱吸収体ウィックへ前記熱吸収体ウィックの毛細管力により移送する連絡ウィックとを備えるループヒートパイプ用蒸発器において、前記連絡ウィックは、気孔径が前記熱吸収体ウィックより大きな金網により形成される二枚の厚手の網状体による前記板形状体を有し、前記熱吸収体ウィックの中央空間にあって、その中心軸を含む平面に沿って前記中央空間を横断する二つがその一方の面を密着し、当該面の外周近辺を開いて前記熱吸収体ウィックの内周面に密着させる前記密着面とすることを特徴とするループヒートパイプ用蒸発器。
  2. 請求項1において、前記連絡ウィックは、前記中央空間を横断する二枚の厚手の網状体による前記板形状体が一組となり、一端を該中心軸に沿わせ、他端を前記密着面とする少なくとも二組が前記中心軸の周囲で等間隔に配置されることを特徴とするループヒートパイプ用蒸発器。
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