JP4433837B2 - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、原子間力顕微鏡(AFM)などの走査型プローブ顕微鏡に関する。
原子間力顕微鏡(AFM)に代表される走査型プローブ顕微鏡では、プローブと試料との間に働く作用力を検出して、試料表面の形状を観察することができる。
図5は原子間力顕微鏡(AFM)の概略構成を説明する模式図である。この原子間力顕微鏡は、ステージ11、チューブスキャナ12、カンチレバー13、プローブ14、レーザ光源15、レンズ16、ミラー17、ビームスプリッタ18、検出器19、対物レンズ20とから構成される。
ステージ11上には、表面観察の対象となる試料Sが載せられる。ステージ11は、チューブスキャナ12にて、試料Sの高さ方向であるZ方向、および、試料表面に沿った方向であるXY方向に駆動され、試料SをXYZ方向に移動する。
カンチレバー13は、その自由端にプローブ14が取り付けられており、プローブ14が試料Sの表面に近接するようにすることで、試料Sとプローブ14との間に原子間力(引力または斥力)が作用するようになっている。この原子間力によりカンチレバー13は撓むようになる。
一方、レーザ光源15から出射されるレーザ光は、レンズ16、ミラー17、ビームスプリッタ18により光路が調整されて、カンチレバー13の背面側に照射される。そして、カンチレバー13で反射されたレーザ光は検出器19に導かれる。このとき、光てこの原理により、カンチレバー13の撓み量に応じて、レーザ光の検出器19への入射位置が変位するので、この変位量から撓み量を検出することができる。
原子間力顕微鏡(AFM)では、一般に、撓み量が一定となるように、フィードバック制御が行われる(例えば特許文献1参照)。すなわち、検出器19で検出されるカンチレバー13の撓み量が一定となるように、試料Sとプローブ14との距離を一定に保つフィードバック制御が行われる。
具体的には、チューブスキャナ12により、試料のZ方向位置を制御して、試料Sとプローブ14との間の距離を一定にしながら、試料表面方向(XY方向)に走査する。このときのチューブスキャナ12のZ方向位置の制御信号(高さ制御信号)は、試料表面の凹凸形状を反映することになるので、高さ制御信号を用いて試料表面を表すことができる。
図4は、従来の原子間力顕微鏡(AFM)の制御系を説明するブロック構成図である。この原子間力顕微鏡(AFM)の制御系は、カンチレバー13の撓み量を検出して、撓み量信号S1を出力する撓み量検出部31と、撓み量信号S1を増幅して撓み量増幅信号S2として出力する撓み量信号増幅部32と、撓み量増幅信号S2に基づいてフィードバック信号S3を生成するフィードバック信号生成部33と、フィードバック信号S3を測定範囲増幅率(H)で増幅して高さ制御信号S4を出力する測定範囲設定部34と、高さ制御信号S4に基づいて試料Sとプローブ14との距離を制御する距離制御部35とからなる。
なお、図5との関係を説明すると、撓み量検出部31は、図5のレンズ16、ミラー17、ビームスプリッタ18、検出器19で構成される撓み量検出光学系に対応する。また、位置制御部35は、図5のステージ11、チューブスキャナ12からなる走査駆動系に対応する。
この原子間力顕微鏡(AFM)を用いて試料Sを観察する場合の動作について説明する。
最初に、ユーザは試料の高さ方向(Z方向)の測定範囲を決定し、測定範囲設定部34に対して、測定範囲増幅率(H)として設定する。一般に、原子間力顕微鏡(AFM)では、複数の測定範囲増幅率(H)が設定できるようにしてあり、ユーザが選択できるようにしてある。
この測定範囲増幅率(H)を大きな値に設定すると、フィードバック信号生成部3から送られてくるフィードバック制御信号S3を大きく増幅した高さ制御信号S4が出力されることになり、距離制御部35は高さ方向(Z方向)に大きく変化することになり、測定範囲は広がる。しかし、その一方で、測定範囲が広がった分だけZ方向の制御可能な最小単位が大きくなり、分解能が下がることになる。
逆に、この測定範囲増幅率(H)を小さな値に設定することで、フィードバック制御信号S3を小さく増幅した高さ制御信号S4が出力されることとなり、距離制御部35のZ方向への移動は小さくなり、測定範囲が狭くなる。その一方で、測定範囲が狭くなった分だけZ方向の制御可能な最小単位が小さくなり、分解能が上がることになる。
したがって、ユーザが測定範囲増幅率(H)の設定値を選択することで、広い測定範囲で測定するか、分解能を上げて測定するかを選択する。
続いて、プローブ14を試料Sに近接させる。これにより、試料Sとプローブ14との間に原子間力が働き、カンチレバー13が撓む。
カンチレバー13の撓みは、撓み量検出部31(図5の検出器19)により検出され、撓み量信号S1が出力される。この撓み量信号S1は、撓み量信号増幅部32に送られる。
撓み量信号増幅部32では、撓み量信号S1を増幅する撓み量増幅率(W)が、上述した測定範囲設定部34の測定範囲増幅率(H)に依存するようにして設定してある。そして撓み量信号S1が、撓み量増幅率(W)で増幅され、撓み量増幅信号S2として出力される。
撓み量増幅信号S2は、フィードバック信号生成部33に送られ、プローブ14と試料Sとの間に作用する力が一定となるように、すなわちカンチレバー13の撓み量が一定となるようにPID制御信号あるいはPI制御信号が生成され、フィードバック制御信号S3として出力される。なお、PID制御信号やPI制御信号は、周知の演算による。
フィードバック信号生成部33から出力されたフィードバック信号S3は、上述したように測定範囲設定部34に送られ、ユーザが設定した測定範囲増幅率(H)で増幅されて高さ制御信号S4として出力される。
さらに、高さ制御信号S4は、距離制御部35に送られ、プローブ14と試料Sとの間の距離を変化させ、常にカンチレバー13の撓み量が一定になるように制御される。
このとき、高さ制御信号S4は、試料表面の凹凸情報を表しているので、これをCRT36に送って画像化することにより試料の表面形状を表示することができる。
特開平10−282128号公報
従来の走査型プローブ顕微鏡では、撓み量信号増幅部32の撓み量増幅率(W)は、測定範囲設定部34の測定範囲増幅率(H)のみに依存するように設定してある。
すなわち、大きな測定範囲増幅率(H)を設定し、測定範囲を広くした場合は、カンチレバー13の撓みが大きく変化するため、撓み量検出部31から出力される撓み量信号S1の変動も大きくなる。そのため、撓み量信号増幅部32の撓み量増幅率(W)は、撓み量増幅信号S2が過大とならないように、小さな値に設定される。
一方、小さな測定範囲増幅率(H)を設定し、測定範囲を狭くした場合は、逆にカンチレバー13の撓みの変化が小さくなるため、撓み量検出部31から出力される撓み量信号S1の変動も小さいものとなる。そのため、撓み量信号増幅部32の撓み量増幅率(W)は、撓み量増幅信号S2が過小とならないように、大きな値に設定される。
しかしながら、カンチレバー13の実際の撓み量は、ユーザが設定する測定範囲に依存するだけではなく、カンチレバー13自体の撓みやすさにも依存する。
そのため、撓み量増幅率(W)を、単に測定範囲のみに依存して決定すると、撓みにくいカンチレバー13を用いた場合には、微細な撓みを検出できない場合がある。また、撓みやすいカンチレバー13を用いた場合には、撓み量信号S1、さらに、これを増幅した撓み量増幅信号S2が過大になるので、撓み量増幅信号S2を元にして生成されるフィードバック信号S3が飽和してしまう場合がある。
また、カンチレバー13の撓みやすさは、同じ規格のカンチレバー13であっても個々のカンチレバー13によって撓みやすさのばらつきが大きく、たとえ、同じ規格のカンチレバー13に交換したとしても、個体差により、カンチレバー13を交換するごとに撓みやすさが異なる。
そこで、本発明は、単に、測定範囲に依存して定めた撓み量信号増幅部32の撓み量増幅率(W)ではなく、個々のカンチレバー自体の撓みやすさも加味した撓み量増幅率(W)を用いる走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
また、本発明は、個々のカンチレバー13ごとに最適な撓み量増幅率(W)が設定することができる走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の走査型プローブ顕微鏡は、使用するカンチレバーごとに、撓み量増幅率の調整を行う。撓み量増幅率の調整の際は、カンチレバーに撓みを与えて撓み量を検出し、検出した撓み量からカンチレバーの撓みやすさを求める。これにより、当初は測定範囲に対応して設定していた撓み量増幅率を、カンチレバーの撓みやすさに基づいて調整し、調整後の撓み量増幅率を新しい撓み量増幅率として決定するものである。
すなわち、第1の発明は、カンチレバーに取り付けられたプローブを試料に近接させることにより生じるカンチレバーの撓みを検出して、撓み量信号として出力する撓み量検出部と、撓み量信号を撓み量増幅率で増幅して撓み量増幅信号として出力する撓み量信号増幅部と、撓み量増幅信号に基づいてフィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部と、試料の高さ方向の測定範囲を決定する測定範囲増幅率が設定され、フィードバック信号をこの測定範囲増幅率で増幅して高さ制御信号を出力する測定範囲設定部と、高さ制御信号に基づいて試料とプローブとの距離を制御する距離制御部とを備えた走査型プローブ顕微鏡において、制御可能な最小単位の制御信号であるダミー信号を測定範囲設定部に対して出力するとともに、当該ダミー信号を測定範囲増幅率で増幅した高さ制御信号に基づいて試料とプローブとの距離が制御されたときに、撓み量検出部によって検出されるカンチレバーの撓みに応答して撓み量信号増幅部から出力される撓み量増幅信号に基づいて撓み量増幅率を調整する撓み量増幅率調整部を設けるようにしている
また、第2の発明では、測定範囲設定部は、複数の測定範囲増幅率が設定可能に構成され、撓み量信号増幅部は、各測定範囲増幅率に対して撓み量増幅率調整部により調整された撓み量増幅率を記憶する記憶部を有するようにしている。
第1の発明によれば、撓み量増幅率調整部は、ダミー信号として、測定範囲設定部に対して制御可能な最小単位の制御信号を出力するようにしているので、距離制御部による試料とプローブの距離の変化も制御可能な最小のものとなり、さらにはカンチレバーの撓みの変化も最小のものとなる。
このカンチレバーの撓みの変化を撓み量検出部で検出し、最小の撓み量信号を出力する。そして、最小の撓み量信号を増幅した最小の撓み量増幅信号を、撓み量増幅率調整部に送る。このとき、撓み量増幅信号が検出できない場合は撓み量増幅率を大きくし、検出できるときは撓み量増幅率を小さくする。この動作を繰り返すことにより、試料とプローブとの距離が最小単位だけ変化した場合に、その変化を検出できる撓み量増幅率の最小値を求めることができる。
このようにして得られた撓み量増幅率は、撓みを確実に検出することができるとともに、フィードバック信号生成の元になる撓み量増幅信号を十分が小さくすることができ、撓み量増幅信号が大きくなりすぎることでフィードバック信号が飽和してしまうことも防ぐことができる。
また、本発明は、走査型プローブ顕微鏡に新たな機器を設けることなく、ソフトウェアの変更のみで生成することができるダミー信号を元にして調整を行い、最適な撓み量増幅率(W)を自動的に求めて設定することができる。
また、撓み量増幅率(W)を調整する場合に、個々のカンチレバーに実際に撓みを与えた上で、そのときに出力される撓み量増幅信号に基づいて、カンチレバーの撓み量増幅率が調整されるので、カンチレバーの撓みやすさを考慮せずに設定してある撓み量増幅率を、個々のカンチレバーについて実測した撓みやすさに基づいて調整することができ、最適な撓み量増幅率にすることができる
また、第2の発明によれば、測定範囲設定部は、複数の測定範囲増幅率が設定可能に構成され、撓み量信号増幅部は、各測定範囲増幅率に対応する撓み量増幅率調整部により調整された撓み量増幅率を記憶する記憶部を有する。これにより、ユーザが測定際に所望の測定範囲増幅率を設定すると、これに対応して予め記憶部に記憶してある調整された撓み量増幅率を選択することができ、最適な条件で観察を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形実施することが可能である。
図1は、本発明の走査型プローブ顕微鏡の一実施形態である原子間力顕微鏡の制御系を説明するブロック構成図である。なお、従来例として、図4で示したものと同じ構成部分については、同符号を付すことにより、説明を一部省略する。また、この原子間力顕微鏡の概略構成については図5と同じであるので、本実施形態でも図5を参照する。
また、本発明は、高さ方向(Z方向)の制御について特徴を有しているものであり、XY方向の走査の制御については、通常の走査型プローブ顕微鏡でなされているのと同様であるので、XY方向の制御についての詳細な説明は省略する。
本実施形態の原子間力顕微鏡(AFM)は、図4の従来例と同様に、撓み量検出部31、撓み量信号増幅部32、フィードバック信号生成部33、測定範囲設定部34、距離制御部35、CRT36を備えており、上記各部に加えて、撓み量増幅率調整部37を備えている。
撓み量検出部31は、カンチレバー13の撓みを検出し、撓み量信号S1を出力する。カンチレバー13の撓みの検出方法としては、図5にて示した光てこ方式を用いている。なお、撓みを検出できるものであれば、検出方法は特に限定されない。
撓み量信号増幅部32は、撓み量増幅率(W)が設定されており、撓み量検出部31から出力される撓み量信号S1を、この撓み量増幅率(W)で増幅して、撓み量増幅信号S2を出力する。
撓み量増幅率(W)は、初期設定の状態、すなわち最適化を行う前の状態では、従来例と同様に、測定範囲増幅率(H)にのみ依存するように設定してある。測定範囲増幅率(H)が大きい値であるときは、撓み量増幅率(W)は小さい値が設定され、測定範囲増幅率(H)が小さい値であるときは、撓み量増幅率(W)は大きい値が設定され、互いに相補的な関係となるようにしてある。なお、測定範囲増幅率(H)の設定切り替えと対応する撓み量増幅率(W)に切り替えとの連動動作は、従来からなされている一般的な制御プログラムによる。
フィードバック信号生成部33は、撓み量増幅信号S2に基づいて、カンチレバー13の撓み量が一定になるように、すなわち、カンチレバー13と試料Sとの距離が一定となるように、フィードバック信号S3を生成して測定範囲設定部34に出力する。フィードバックの制御方式はPID制御であっても、PI制御であってもよい。
測定範囲設定部34は、予め、試料の高さ方向(Z方向)の測定範囲を決定するための測定範囲増幅率(H)が、ユーザにより設定されており、フィードバック信号S3を、この測定範囲増幅率(H)で増幅して、高さ制御信号S4を出力する。
測定範囲増幅率(H)を大きな値に設定すると、フィードバック信号生成部3からのフィードバック制御信号S3を大きく増幅した高さ制御信号S4が出力されることになる。逆に、測定範囲増幅率(H)を小さな値に設定すると、フィードバック制御信号S3を小さく増幅した高さ制御信号S4が出力されることになる。
測定範囲設定部34は、さらに、後述する撓み量増幅率調整部37からダミー信号S5を受けた場合にも、ダミー信号S5を測定範囲増幅率(H)で増幅して、高さ制御信号S4として出力する。
距離制御部36は、高さ制御信号S4に基づいて試料Sを上下移動し、試料Sとプローブ14との距離を変化する。フィードバック信号S3を測定範囲増幅率(H)で増幅した高さ制御信号S4により制御されているときは、試料Sとプローブ14との距離が一定になるように制御されることになる。
CRT36は、試料SをXY方向に走査しながら取得される高さ制御信号S4に基づいて、高さ方向の凹凸を画像化した画面を表示する。
撓み量増幅率調整部37は、ダミー信号S5を測定範囲設定部34に出力する。ダミー信号S5は、撓み量増幅率調整部37から出力することができる最小単位の信号が出力されるようにしてある。例えば、ダミー信号S5がデジタル信号として送られる場合であって、ダミー信号の大きさがパルス数に比例するものとすると、最小単位である1パルスがダミー信号として出力されるようにしてある。
撓み量増幅率調整部37から出力されたダミー信号S5は、測定範囲設定部34において、測定範囲増幅率(H)で増幅され、その測定範囲増幅率(H)の元での最小単位の変位を生じさせる高さ制御信号S4となって距離制御部35に出力される。
その結果、距離制御部35では、ダミー信号S5に基づいて、カンチレバー13と試料Sとの距離が、その測定範囲増幅率(H)の元での最小単位分だけ変化する。
最小単位のダミー信号S5に基づいて生じたカンチレバー13の最小単位の撓み量変化は、撓み量検出部31で検出され、最小単位の検出信号S1として出力される。撓み量信号増幅部32は、現在の(最適化調整をしていない)撓み量増幅率(W)を用いて、最小単位の撓み量信号S1を増幅し、最小単位の撓み量増幅信号S2として出力する。なお、撓み量増幅率(W)の初期値は、従来例と同様に、測定範囲増幅率(H)に依存する値が設定してある。
撓み量増幅率調整部37は、このときに出力される最小単位の撓み量増幅信号S2に基づいて、撓み量増幅率(W)を調整するようにしてある。すなわち、ダミー信号S5に起因して生じたカンチレバー13の最小単位の撓み量変化を、最小単位の撓み量増幅信号S2として検出できなければ、現在、撓み量信号増幅部32に設定されている撓み量増幅率(W)を大きくする。逆に、最小単位の撓み量増幅信号S2の値が大きすぎる場合は、後段のフィードバック信号生成部33に、撓み量増幅信号S2を送ったときに、入力の最大値を超えて飽和する可能性が出てくるので、より小さい撓み量増幅率(W)に変更する。
そして、同様の試行を繰り返すことで、使用するカンチレバー13に対して、撓み量増幅率調整部37は、ユーザが設定した測定範囲増幅率(H)ごとに、それぞれ最適な撓み量増幅率(W)を求めることができるようにしてある。
次に、カンチレバーごとに撓み量増幅率(W)の最適化調整を行うときの動作について、図2のフロー図を用いて説明する。なお、このフローは、一例に過ぎず、ここで説明するフローと同等のフローがいろいろ考えられることは言うまでもない。
まず、撓み量増幅率(W)の調整をするカンチレバー13を、走査型プローブ顕微鏡にセットする(S101)。
測定範囲設定部34に、高さ方向の測定範囲を設定することにより、測定範囲増幅率(H)を決定する(S102)。
撓み量増幅率(W)として設定可能な最も大きい値(W(max))を、初期値として設定する(S103)。最も大きな値を初期値としているのは、大きい値から順次小さくすることにより、最適化のフローを簡略化するためである。
走査型プローブ電子顕微鏡(SPM)のステージ11に載置される試料Sとプローブ14との距離を近接させ、原子間力が作用した状態で基準高さ(基準点)を決定する(S104)。
撓み量増幅率調整部37からダミー信号S5を出力し、距離制御部35によって、基準高さに対する最小の高さ変化を与える(S105)。
距離制御部35の最小の高さ変化に起因して生じる最小のカンチレバー13の撓み量変化を、撓み量検出部31により検出し、最小の撓み量信号S1として出力する(S106)。
撓み量信号増幅部32において、最小の撓み量信号S1を、現在の撓み量増幅率(W)で増幅し、最小の撓み量増幅信号S2を出力する(S107)。
撓み量増幅率調整部37において、最小の撓み量増幅信号S2が検出限界以下であるかを判断する(S108)。
最小の撓み量増幅信号S2が検出限界以下でない場合は、撓み量信号増幅率を一段小さい値に変化させる(S109)。すなわち、現在の撓み量信号増幅率(W(max))を次に大きい撓み量増幅率(W(max−1))にして、S104に戻り、以下、同様の動作を順次繰り返す。
S108からS109へ進み、S104に戻って再びS108まで行う動作を順次繰り返した結果、最小の撓み量増幅信号S2が検出限界以下となった場合は、そのときの撓み量増幅率(W(n))を、ひとつ前の値(W(n+1))に戻す(S110)。この値が、最小の撓み量増幅信号S2を検出することができる検出限界ぎりぎりの撓み量増幅率となる。
S110で求めた撓み量増幅率を最適化した撓み量増幅率(W)として決定する(S111)。
以上の動作を実行することにより、設定した測定範囲増幅率(H)の元で、ダミー信号により距離制御部35に最小単位の高さ変化が与えられた場合でも、これによって生じるカンチレバーの撓みを検出することができる。しかも、そのときに出力される撓み量増幅信号が過大なものとならず、フィードバック信号が飽和することもない。
上述したフローでは、S103で入力する撓み量増幅率(W)の初期値として設定可能な最も大きな撓み量増幅率の値を設定したが、これに代えて、最も小さな値を初期値として設定するフローにしてもよい。また、多少複雑なフローになるが、撓み量増幅率の初期値として中間的な撓み量増幅率の値を初期値とするフローにしてもよい。従来例のときのように測定範囲増幅率に対応して定められる相補的な撓み量増幅率を初期値として設定するフローにしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態である走査型プローブ顕微鏡について図3の制御系ブロック構成図を用いて説明する。
図3において、図1と同じものについては同符号を付すことにより説明を省略する。
本実施形態では、測定範囲設定部34において、複数の測定範囲増幅率(H)が選択可能に用意されている。
また、撓み量信号増幅部32には、撓み量増幅率記憶部38が付設されている。ここには、撓み量増幅率調整部37によって、各測定範囲増幅率(H)に対してそれぞれ調整された複数の撓み量増幅率(W)が記憶されるようにしてある。
この実施形態では、予め、測定範囲設定部34で各測定範囲増幅率(H)がひとつひとつ選択され、それぞれについて、撓み量増幅率調整部37により、対応する撓み量増幅率(W)の最適調整値が求められ、撓み量記憶部38に対応付けて記憶させてある。
そして、走査型プローブ顕微鏡として試料観察を行う際に、ユーザが測定範囲を設定すると、対応する測定範囲増幅率(H)が選択され、さらに、その測定範囲増幅率(H)に対応付けられた撓み量増幅率(W)が、撓み量記憶部38から選択されて撓み量信号増幅部32にセットされるようになっている。
したがって、使用の際に、ユーザが設定した測定範囲に対応する最適な撓み量増幅率(W)が即座に設定できるので、使い勝手のよい装置となる。
また、測定範囲増幅率(H)に対応して、最適な撓み量増幅率(W)が設定されることにより、試料の表面形状の正確な画像を得ることができる。
本発明は、カンチレバーの撓みを検出する走査型プローブ顕微鏡に利用することができる。
本発明の一実施形態である走査型プローブ顕微鏡の制御系を説明するブロック構成図。 本発明の一実施形態である走査型プローブ顕微鏡の撓み量増幅率を調整する際の動作フロー図。 本発明の他の一実施形態である走査型プローブ顕微鏡の制御系を説明するブロック構成図。 従来からの走査型プローブ顕微鏡の制御系を説明するブロック構成図。 走査型プローブ顕微鏡の構成を示す図。
13: カンチレバー
14: プローブ
31: 撓み量検出部
32: 撓み量信号増幅部
33: フィードバック信号生成部
34: 測定範囲設定部
35: 距離制御部
36: CRT
S: 試料
S1: 撓み量信号
S2: 撓み量増幅信号
S3: フィードバック信号
S4: 高さ制御信号
S5: ダミー信号

Claims (2)

  1. カンチレバーに取り付けられたプローブを試料に近接させることにより生じるカンチレバーの撓みを検出して、撓み量信号として出力する撓み量検出部と、撓み量信号を撓み量増幅率で増幅して撓み量増幅信号として出力する撓み量信号増幅部と、撓み量増幅信号に基づいてフィードバック信号を生成するフィードバック信号生成部と、試料の高さ方向の測定範囲を決定する測定範囲増幅率が設定され、フィードバック信号をこの測定範囲増幅率で増幅して高さ制御信号を出力する測定範囲設定部と、高さ制御信号に基づいて試料とプローブとの距離を制御する距離制御部とを備えた走査型プローブ顕微鏡において、
    制御可能な最小単位の制御信号からなるダミー信号を測定範囲設定部に対して出力するとともに、当該ダミー信号を測定範囲増幅率で増幅した高さ制御信号に基づいて試料とプローブとの距離が制御されたときに、撓み量検出部によって検出されるカンチレバーの撓みに応答して撓み量信号増幅部から出力される撓み量増幅信号に基づいて撓み量増幅率を調整する撓み量増幅率調整部を設けたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 定範囲設定部は、複数の測定範囲増幅率が設定可能に構成され、撓み量信号増幅部は、各測定範囲増幅率に対して撓み量増幅率調整部により調整された撓み量増幅率を記憶する記憶部を有することを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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