JP4433366B2 - 循環搬送する飲食物の供給管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食物を循環搬送路にて飲食客に提供する飲食物の供給管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カウンタ−等に沿って無端状に形成されている商品搬送用の循環型コンベア路を設け、このコンベア路に、商品、例えば鮨等の飲食物を盛り付けた皿等の飲食容器を載置して搬送する循環搬送型の飲食供給装置は、飲食客や調理人が移動することなく飲食或いは調理することができ、更に飲食客は席にいながらにして自分の所望する商品を選びながら飲食できることから広く使用されている。
【0003】
上記したような循環搬送型の飲食カウンタ−においては、客はコンベア路を搬送されてくる飲食物から好みの飲食物を選択して取り出すため、搬送路上の所定の飲食物の数量が減少してしまい、客に遂次十分なサ−ビスを提供することができなくなる。
【0004】
そこで減少した飲食物をコンベア路に補給することになるが、コンベア路上の飲食物を各々、種別毎にその分量を把握して、適切な量を過不足なく補給することは困難であり、多くの人手を要してしまうとともに、どの種別の商品をどの程度の数量にすれば良いのかは経験により判断されており、基準化、標準化が難しいという問題点があった。
【0005】
上記したような問題点を解決するために、搬送路上の飲食物の状況を把握して補給等を基準化、標準化するシステムとして、鮨等が盛り付けられる皿等に個別のIDを予め付与しておき、このIDと鮨の種類を関連付けるとともに、該IDを検出して搬送路上の鮨の供給を管理するシステムが提案されている(特許文献1)。このシステムは、飲食客へ供給する鮨の種類と数量を予め数パターン用意しその中の1パターンを決め、コンベアに載っている実際の鮨の種類と数量が用意したパターンと比較して差が生じた場合に補給するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−44753号公報(段落0001,0004−0005、図1−3)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記したシステムは、飲食客が消費した鮨の種類と数量に基づいて供給しているため、供給指示が時間的に遅れる恐れがあり、飲食客の要望を加味した事前の供給態勢を予め確保することはできなかった。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、搬送路上に常に所定の飲食物の種類と量を確保しつつ、飲食客の要望の変化にも対応できる循環搬送する飲食物の供給管理システムを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の循環搬送する飲食物の供給管理システムは、飲食物を循環搬送路にて飲食客に提供する飲食物の供給管理システムであって、循環搬送路上に搬送されている飲食物の種類別の実供給率を算出すると共に、飲食客の要望に基づく飲食物の種類別の要望率を算出し、前記要望率が設定供給率を超えた場合に、前記実供給率が要望率に近似するように該当種類の飲食物を供給することを特徴としている。
この特徴によれば、要望率が設定供給率を超えた場合には、実供給率が低下することが予測されるので事前に供給することが可能となる。
【0011】
本発明の循環搬送する飲食物の供給管理システムにおいて、前記種類別の実供給率は飲食物が一周する時間内に搬送路上のセンサーが読み取った総飲食物数量に対する飲食物の種類別数量の割合であることが好ましい。
このようにすれば、実供給率が搬送路上にある総飲食物数量に対する率であるから、より正確な供給率が求まる。
【0012】
本発明の循環搬送する飲食物の供給管理システムにおいて、前記飲食物を載置した飲食物容器に容器固有の識別情報と飲食物の種類情報を予め記したIDタグを付与し、前記センサーがIDタグの情報内容を読み取ることにより実供給率を求めることが好ましい。
このようにすれば、センサーによりIDタグの情報内容を読み取るだけで、搬送路上の飲食物の種類と数量がカウントでき、管理コンピュータとの連動により供給指示の自動化が容易に図れる。
【0013】
本発明の循環搬送する飲食物の供給管理システムにおいて、前記飲食物を載置した飲食物容器に容器固有の識別情報を予め記したIDタグを付与し、該飲食物容器に載置する飲食物の種別情報を循環搬送路投入前に前記識別情報に関連づけて登録し、前記センサーが読み取るIDタグの識別情報と、登録されている種別情報により実供給率を求めることが好ましい。
このようにすれば、飲食物の種別情報を循環搬送路投入前に登録することで、飲食容器に載置した飲食物の種類を確実に登録することができる。
【0014】
本発明の循環搬送する飲食物の供給管理システムにおいて、前記要望率は飲食中の客及び飲食待ちの客による入力により算出されることが好ましい。
このようにすれば、要望率の算出に飲食待ちの客による入力も加えることにより、より正確な供給指示が行える。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係る循環型飲食物搬送装置であって、無端状循環搬送路上に循環搬送される飲食物の供給管理装置の概略図、図2は底面にIDタグが埋め込まれた食器皿の部分断面を示す斜視図、図3は飲食物の種別情報を循環搬送路投入前に識別情報に関連づけて登録する方式の説明図、図4はカウンターに置かれたタッチパネル式入力装置の説明図、図5は本発明の管理コンピュータのブロック図、図6は管理コンピュータでの計算結果を表示装置に示した本発明の供給管理システムの説明図である。
【0017】
図1に示す符号1は循環型飲食物搬送装置であって、この循環型飲食物搬送装置1は、厨房側から順に循環搬送路1a,1b,1cから成る無端状のクレセントチェーンコンベヤ2で構成され、隔壁4で仕切られた厨房エリア内から飲食物である鮨Sを循環搬送路1a上の食器皿5に載置して循環搬送路1b,1cにより飲食客エリア内を回走し、再び厨房エリアに戻るようになっている。
【0018】
更に、循環型飲食物搬送装置1を構成する循環搬送路1b,1cの側面には飲食カウンター6が配設されており、この飲食カウンター6には複数の飲食客の座席が搬送方向に沿って所定間隔で配設されている。
【0019】
飲食客エリア内に配置される循環型飲食物搬送装置1下流側の循環搬送路1cの側面には、食器皿5上に載置された飲食物としての鮨Sの後述するIDタグの識別情報を読み取る読取ユニット10が設置され、読取結果は逐次管理コンピュータ7に送信される。この読取ユニットは循環搬送路上に複数個設けてよく、本実施例では厨房側の循環搬送路1aの投入口2’下流にも設置しており、計2個設け、より正確なデータを求めることも可能となっている。
【0020】
そして、図2に示すように、各食器皿5の底面5aにはIDタグ15がそれぞれ埋め込まれており、識別情報としては食器皿5毎の鮨Sのネタ種に関する情報と皿情報が書き込まれており、何番の皿に何が載っているかが読取ユニット10により読み取られ管理コンピュータ7にデータが送り込まれ、現在搬送路上にあるネタ種別の数量が逐次に把握できるようになっている。
【0021】
一方、図2に示すネタ種別の数量を把握する手段に代えて、例えば、図3に示す把握手段もある。これは、IDタグ15に記憶されている情報は皿の識別情報だけで、例えば、皿毎に異なる番号がナンバーリングされているだけで鮨のネタ種情報はデータとして入れていない。
【0022】
しかし、寿司職人が鮨Sを盛りつけた食器皿を投入口2’に投入する前に、ネタ種登録機9に皿の識別情報に関連づけてネタ種を登録し、このデータを管理コンピュータ7の記憶部25(図5参照)に記憶させておく。このようにしておけば、読取ユニット10で皿番号だけ検知すれば、どのようなネタが載っていたかが分かり、現在搬送路上にあるネタ種別の数量が逐次に把握できる。
【0023】
前者の把握手段は、食器皿5毎に鮨Sにネタ種に関する情報を含む皿の識別情報をIDタグ15に付与してあるので、鮨Sの種別を管理コンピュータ7に予め登録しておく必要はないが、識別情報に相当する鮨Sを正確に食器皿5載せなければならない手間がいる。従って、厨房内では食器皿5に鮨Sを載置する際は、その鮨Sに対応する専用の食器皿5を選択するようにして盛りつけミスを防ぐ方法もとられている。
【0024】
また、図1に示すようにカウンター6上には飲食客が食べたいネタ種を要望できるようにタッチパネル式入力装置12Aが適宜間隔に並べられており、その入力データは管理コンピュータ7に登録される。
【0025】
図4はタッチパネル式入力装置12Aの表示内容を示したもので、飲食者は食べたいネタ種を指でタッチして確認ボタン13を押せばそのデータが管理コンピュータ7側に送られる。入力ミスの場合は取り消しボタン14を押すことにより、リセットされる。また、同じネタ種、例えばウニを2回タッチすることで2皿分のウニを要望することができ、画面の数量の項も「2」と変更される。
【0026】
一方、管理コンピュータ7は、図5に示すようにデータの送受を行うデータバス21に、各種の演算処理を行う中央演算処理装置(CPU)22やRAM,ROM等からなる記憶部25がそれぞれ接続されると共に、読取ユニット10やタッチパネル式入力装置12A、キーボード等の入力装置26及びディスプレイ等の表示装置8もインターフェイスIFを介してそれぞれ接続されている。
【0027】
記憶部25には、季節や曜日或いは時間帯によって用意された幾つかの基準供給パターンが記憶されており、この基準供給パターンには搬送路上に供給すべき標準のネタ種別の設定供給率が示されている。例えば鰹の消費が多い春先にはその供給率が高い5月用の基準供給パターンを選択し、家族連れが多い日曜日には、卵焼きや海苔巻きの供給率が高い日曜日用の基準供給パターンを選択し、この供給パターンが維持できるようにネタ種を選別して供給する。
【0028】
次に、本発明の供給管理システムの流れを図1及び図6に基づいて説明する。先ず厨房内では、厨房エリアを通過する循環搬送路1a上に専用の食器皿と対応関係にある鮨Sを載置した食器皿5が順次投入されていく。循環搬送路1a上に投入された食器皿5には鮨の種類と皿番号が読み込まれたIDが付与されており、循環搬送路1b,1cによって飲食客エリア内を回走し、投入口2’下流と循環搬送路1cの2箇所に設けられた読取ユニット10により循環搬送路上に流れているネタ種の数量が把握できる。
【0029】
例えば一つの読取ユニットにより食器皿が搬送路を一周する時間だけ読み取れば、搬送路上の全食器皿に対するネタ種別の大凡の数量が分かり、図6に示すように実供給率として表示装置8に示すことができる。
【0030】
そして、図6からわかるように、今までと同じペースで供給していくとウニで3%、タコで1%不足しており、例えば500皿循環できる搬送装置であれば、設定供給率を維持させるためにはかっこ内に不足量の示したように、ウニで500×0.03=15皿、タコで500×0.01=5皿不足することになる。
【0031】
一方、この不足量に加えて飲食客側からタッチパネル式入力装置12Aを介して集められたデータは表示装置8に客要望率として表示される。この客要望率は所定時間或いは例えば総量が50となったら集計するようになっており、今日店にきた客の要望傾向を掴んで、先ほどの不足データに足し合わせて、より適量の鮨ネタを供給するようにしたものである。
【0032】
即ち、図6によれば、客要望率は中トロで14%、ウニで8%、タコで9%、アナゴで1%あり、設定供給率を維持するとすれば、中トロは設定供給率15%より1%低いので今までとほぼ同じペースで供給し、ウニは設定供給率5%より3%多い8%の要望率であるから、15皿の不足皿に加えて、500×0.03=15皿、同様にタコで10皿の不足皿に加えて500×0.02=10皿分追加すべきであると判断され、ウニ、タコを優先させて追加させることを数量により表示装置8に指示される。
【0033】
循環できる皿の総数の変更や、設定供給率の選択は入力装置26により変更が可能である。また、実供給率や客要望率は30分に1回とか、客の入りをみて所定間隔で計測すればよい。また、図6に示すように、待合室等にタッチパネル式入力装置12Bを設置して入力母数を多くして、より正確な客要望率を把握するようにしてもよい。
【0034】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、飲食物は鮨だけに限定されるものではなく、例えば、サラダやみそ汁等も混ぜて搬送するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0037】
(a)請求項1項の発明によれば、要望率が設定供給率を超えた場合には、実供給率が低下することが予測されるので事前に供給することが可能となる。
【0038】
(b)請求項2項の発明によれば、実供給率が搬送路上にある総飲食物数量に対する率であるから、より正確な供給率が求まる。
【0039】
(c)請求項3項の発明によれば、センサーによりIDタグの情報内容を読み取るだけで、搬送路上の飲食物の種類と数量がカウントでき、管理コンピュータとの連動により供給指示の自動化が容易に図れる。
【0040】
(d)請求項4項の発明によれば、飲食物の種別情報を循環搬送路投入前に登録することで、飲食容器に載置した飲食物の種類を確実に登録することができる。
【0041】
(e)請求項5項の発明によれば、要望率の算出に飲食待ちの客による入力も加えることにより、より正確な供給指示が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る循環型飲食物搬送装置であって、無端状循環搬送路上に循環搬送される飲食物の供給管理装置の概略図である。
【図2】底面にIDタグが埋め込まれた食器皿の部分断面を示す斜視図である。
【図3】飲食物の種別情報を循環搬送路投入前に識別情報に関連づけて登録する方式の説明図である。
【図4】カウンターに置かれたタッチパネル式入力装置の説明図である。
【図5】本発明の管理コンピュータのブロック図である。
【図6】管理コンピュータでの計算結果を表示装置に示した本発明の供給管理システムの説明図である。
【符号の説明】
1 循環型飲食物搬送装置
1a,1b,1c 循環搬送路
2 クレセントチェーンコンベヤ
2’ 投入口
4 隔壁
5 食器皿
5a 底面
6 飲食カウンター
7 管理コンピュータ
8 表示装置(ディスプレイ)
9 ネタ種登録機
10 読取りユニット
12A,12B タッチパネル式入力装置
13 確認ボタン
14 取り消しボタン
15 IDタグ
21 データバス
22 CPU
25 記憶部
26 入力装置
IF インターフェイス
S 鮨(飲食物)
Claims (5)
- 飲食物を循環搬送路にて飲食客に提供する飲食物の供給管理システムであって、循環搬送路上に搬送されている飲食物の種類別の実供給率を算出すると共に、飲食客の要望に基づく飲食物の種類別の要望率を算出し、前記要望率が設定供給率を超えた場合に、前記実供給率が要望率に近似するように該当種類の飲食物を供給することを特徴とする循環搬送する飲食物の供給管理システム。
- 前記種類別の実供給率は飲食物が一周する時間内に搬送路上のセンサーが読み取った総飲食物数量に対する飲食物の種類別数量の割合である請求項1に記載の循環搬送する飲食物の供給管理システム。
- 前記飲食物を載置した飲食物容器に容器固有の識別情報と飲食物の種類情報を予め記したIDタグを付与し、前記センサーがIDタグの情報内容を読み取ることにより実供給率を求める請求項2に記載の循環搬送する飲食物の供給管理システム。
- 前記飲食物を載置した飲食物容器に容器固有の識別情報を予め記したIDタグを付与し、該飲食物容器に載置する飲食物の種別情報を循環搬送路投入前に前記識別情報に関連づけて登録し、前記センサーが読み取るIDタグの識別情報と、登録されている種別情報により実供給率を求める請求項2に記載の循環搬送する飲食物の供給管理システム。
- 前記要望率は飲食中の客及び飲食待ちの客による入力により算出される請求項1ないし4の何れかに記載の循環搬送する飲食物の供給管理システム。
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