JP4433020B2 - Rfidタグ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ及びその製造方法に関し、RFIDタグはリーダライタから送信されるコマンド信号を受信し、そのコマンド信号の情報に応じてメモリに格納しているタグ情報を更新し、追記し、又はそのタグ情報をRFIDリーダライタに読み出し信号として送信するものであり、生体・物品の入退室管理や物流管理などに利用されるものである。
RFIDシステムは、ICチップを備えたRFIDタグとRFIDリーダライタとの間で無線通信を行なうものである。RFIDタグは、バッテリーを搭載してその電力で駆動するいわゆるアクティブ型タグと、リーダライタからの電力を受けてこれを電源として駆動するいわゆるパッシブ型タグとがある。アクティブ型タグは、パッシブ型に比べてバッテリーを搭載しているため、通信距離や通信の安定度等の点でメリットがある一方、構造が複雑で、サイズの大型化や高コスト化等のデメリットもある。そして、近年の半導体技術の向上により、パッシブ型タグ用としてICチップの小型化、高性能化が進み、通信距離の拡張や通信の安定度の向上などにより、パッシブ型タグの幅広い分野における使用が期待されている状況であり、様々な環境下(高温、高湿)でのその動作が求められている。
パッシブ型タグにおいて、周波数帯が長波帯、短波帯のRFIDタグで適用されている電磁誘導方式では、リーダライタの送信アンテナコイルとRFIDタグのアンテナコイルとの間の電磁誘導作用でRFIDタグに電圧が誘起され、この電圧によりICチップを起動して通信を可能としている。したがって、RFIDリーダライタによる誘導電磁界内でしかRFIDタグが動作せず、通信距離は数十cm程度となってしまう。また、UHF帯及びマイクロ波帯などの高い周波数帯のRFIDタグでは、電波通信方式が適用されており、電波によりRFIDタグのICチップに電力を供給しているため、通信距離は1〜8m程度と大幅に向上している。したがって、UHF帯及びマイクロ波帯などの高い周波数帯のRFIDタグは、通信距離の短い長波帯、短波帯のRFIDシステムでは実現が困難であった複数枚のRFIDタグの一括読み取りや移動しているRFIDタグの読み取りなども可能となり、その利用範囲は、今後大幅に広がるものと考えられる。そこで、UHF帯又はマイクロ波帯などの高い周波数のパッシブ型タグとしては、例えば、特許文献1〜3に記載されたものがあった。
従来のRFIDタグに関し、特許文献1の第19図には、誘電体部材10、ICチップ用凹部10b、フィルム基材20、アンテナパターン30、ICチップ40を備えたRFIDタグ5であって、誘電体部材10にICチップ40を埋設可能なICチップ用凹部10bを設け、このICチップ用凹部10bにICチップ40を埋設させ、フィルム基材20の内面側に形成したアンテナパターン30とICチップ40とが電気的に接続するようにフィルム基材20を誘電体部材10に巻き付けてアンテナパターン30により構成したループアンテナにより、電波吸収体の近傍でも通信距離の低下を抑制したものが開示されている。
また、特許文献1の第24図及び第25図には、一のフィルム基材20のアンテナパターン30に、ICチップ40を電気的に接続するICチップ実装工程と、このICチップ40が誘電体部材10に設けられた凹部10bに埋設されるように当該一のフィルム基材20を当該誘電体部材10の表面(一の面)に貼付する一方、他のフィルム基材20を誘電体部材10の裏面(他の面)に貼付し、更に両フィルム基材20のアンテナパターン30同士を銀ペースト等の導電性接着剤(導電性部材)24を介して接着し電気的に接続することによりループアンテナを形成するラミネート工程と、から製造されたRFIDタグが記載されている。
特許文献2の第4図には、アンテナ面30に誘電体20の一部を露出させる開口31が形成され、開口は、互いに対向するように平行に延びる一対の第1スリット31aと、該一対のスリット31aと、該一対のスリット31aを連通する第2スリット31bとを有し、前記第2スリット31bを前記一対の第1スリット31aの中間部に位置させたRFIDタグが開示されている。なお、送受信素子(ICチップ)は、第1及び第2給電点は41、42に接続されている。
特許文献3の第1図及び第2図には、長方形の導体板11の中央長手方向にスロット12が設けられて構成されたスロットアンテナ10にICチップ13が搭載されたRFIDタグが開示されている。
また、高温、高湿の環境下でアンテナパターンである導体パターンとICチップとの接着信頼性を確保するためのRFIDタグのラミネート加工については、特許文献1以外に例えば、特許文献4〜6に記載されたものがある。特許文献4の第1図には、ICインレットロール1と表面フィルムロール3とを接着剤6により接着するICタグラミネータ装置で製造されるRFIDタグが記載されている。
特許文献5の第3図には、内部の熱溶融接着材250、例えばEVA、及び外部の丈夫な重合体の外部皮膜260から成る、薄型でフレキシブルラミネート層270で密封されたRFIDタグが記載されている。
特許文献6の第1図及び第4図には、ラミネート工程により、アンテナパターン16が形成された基板25をカバーシート27で被覆することによって当該基板25に設けられたICチップ10やアンテナパターン16を外力や湿気等の外部環境から保護されたRFIDタグが記載されている。
特開2006−53833号(第19図、第24図及び第25図)
特開2006−237674号公報(第4図)
特開2002−358494号公報(第1図、第2図)
特開2003−346114号公報(第1図)
特開平8−88586号公報(第3図)
特開2006−31336号公報(第1図、第4図)
しかし、特許文献1に記載のRFIDタグは、金属物体などの導電性物体(導体)に貼り付けたりその近傍に設置した場合には、導電性物体の影響によりループアンテナが動作しなくなったり、通信距離が極端に低下してしまうという課題がある。さらに、ラミネート工程においては、両フィルム基材をそれぞれ誘電体基板の表面及び裏面に貼付し、更に両フィルム基材のアンテナパターン同士を、導電性部材を介して接着し電気的に接続する必要があり、両フィルム基材の位置決めやアンテナパターン同士の接着の工程が繁雑になる上、誘電体基板の厚みにより使用できる汎用のラミネータ装置が限られるという課題がある。
特許文献2に記載のRFIDタグは、特許文献1に記載されたRFIDタグと異なり、金属物体(導体)に設置することは可能である。しかし、開口が互いに対向するように平行に延びる一対の第1スリット31aと、該一対のスリット31aと、該一対のスリット31aを連通する第2スリット31bとを有し、該開口31は、アンテナ面30のうち該開口31を介して露出する誘電体20によって画される領域36、37が送受信素子に対する整合回路を形成するように構成されているので、給電方向が横方向に対し一対のスリット31aが横長形状となり第2スリット31bにおける横方向の正偏波の電界と併せて一対のスリット31aに縦方向の交差偏波成分の電界も発生するので、正偏波成分の利得が低下するという課題がある。
また、発生した交差偏波が、本来正偏波で意図した方向とは異なる方向に放射されるため、リーダライタと通信する時に通信したくない場所にタグがいるのに通信してしまう場合があり、タグの設置方法や運用方法が困難になるという課題もある。さらに、特許文献1に記載のRFIDタグのパッチアンテナは、給電点41、42はアンテナ面30の中央付近にあるが、スリットをアンテナ面30の中央からずらした位置に配置することを基本としているので、正偏波のパターンも非対称になり、アンテナの放射パターンの対称性に影響を与えるという課題もある。なお、これらの課題から特許文献2のパッチアンテナは、領域36、37と送受信素子(ICチップ)との整合をとることを中心に考えていることが分かる。
特許文献3の第1図及び第2図に記載されたRFIDタグは、導体パターン内部にスロットを設けたスロットアンテナを適用しており、特許文献1と同様に金属物体などの導電性物体(導体)に貼り付けたりその近傍に設置した場合には、導電性物体の影響によりループアンテナやダイポールアンテナが動作しなくなったり、通信距離が極端に低下してしまうという課題がある。さらに、特許文献3の第1図に示すスロットの長方向に磁界が発生し、この長さで共振させ放射しているため、高効率で放射するためにはスロット長さはλ/2程度必要となりRFIDタグの小型化にも課題がある。
特許文献4に記載のRFIDタグは、金属物体(導体)に設置することが可能である接地導体パターンを有するパッチアンテナ(スロットパッチアンテナ)型のRFIDタグには、そのままでは適用できないという課題と、接着シートの使用せずに液状の接着剤を使用するために、接着剤塗布の制御が難しい上に、接着剤塗布を行なう必要があることから使用できる汎用のラミネータ装置が限られるという課題がある。
特許文献5及び特許文献6に記載のRFIDタグは、特許文献1に記載されたRFIDタグと同様に、金属物体などの導電性物体(導体)に貼り付けたりその近傍に設置した場合には、導電性物体の影響によりアンテナが動作しなくなったり、通信距離が極端に低下してしまうという課題がある。また、RFIDタグに用いられる基板の厚みによっては使用できるラミネータ装置が限られるという課題がある。
そこで、この発明は、前記のような課題を解消するためになされたもので、通信距離を短縮することなく導電性物体や非導電性物体に関わらずに設置可能であって、汎用のラミネータ装置によるラミネート加工を用いてアンテナパターンである導体パターンとICチップとの接着信頼性を確保し、高温高湿の環境下においても、動作可能なRFIDタグとそのRFIDタグを容易に製造し得るRFIDタグの製造方法とを提供することを目的とする。
請求項1に係るRFIDタグは、一主面に穴部を有する誘電体基板と、この誘電体基板の他主面に設けられた接地導体パターンと、フィルム基材と、このフィルム基材上に設けられ、長細形状のスロットを内部に構成した導体パターンと、前記スロットを介して前記導体パターンに電気的に接続されたICチップと、前記導体パターンと前記ICチップとが設けられた前記フィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止し、前記ICチップによる突起部を前記誘電体基板の前記穴部に挿入したラミネート用フィルムとを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に係るRFIDタグは、誘電体基板と、この誘電体基板の他主面に設けられた接地導体パターンと、フィルム基材と、このフィルム基材上に設けられ、長細形状のスロットを内部に構成した導体パターンと、前記スロットを介して前記導体パターンに電気的に接続されたICチップと、前記導体パターンと前記ICチップとが設けられた前記フィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止し、前記誘電体基板の一主面に固定されたラミネート用フィルムとを備えたことを特徴とするものである。
請求項3に係るRFIDタグは、前記ICチップはが、前記誘電体基板と前記フィルム基材との間に配置された請求項2に記載のものである。
請求項4に係るRFIDタグは、前記導体パターンが、前記誘電体基板の端部から所定距離だけ隔ててその内側に設けられた請求項1〜3のいずれかに記載されたものである。
請求項5に係るRFIDタグは、前記スロットは、その幅方向における対向する前記導体パターンの両側から前記スロットの内側にそれぞれ延び、前記ICチップとを電気的に接続された電気接続部とを有する請求項1〜4のいずれかに記載されたものである。
請求項6に係るRFIDタグの製造方法は、フィルム基材上に長細形状のスロットを有する導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、前記スロットを介してICチップを前記導体パターンに電気的に接続するICチップ接続工程と、ラミネート用フィルムにより前記導電パターンと前記ICチップとが設けられたフィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止するラミネート工程と、誘電体基板の一主面に穴部を形成し、前記誘電体基板の他主面に接地導体パターンを形成する穴部及び接地導体パターン形成工程と、前記ラミネート工程後に、前記ICチップによる前記ラミネート用フィルムの突起部を前記誘電体基板の前記穴部に挿入して、前記導体パターンが形成されたフィルム基材を前記誘電体基板に固定する固定工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項7に係るRFIDタグの製造方法は、フィルム基材上に長細形状のスロットを有する導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、前記スロットを介してICチップを前記導体パターンに電気的に接続するICチップ接続工程と、ラミネート用フィルムにより前記導電パターンと前記ICチップとが設けられたフィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止するラミネート工程と、誘電体基板の他主面に接地導体パターンを形成する接地導体パターン形成工程と、前記ラミネート工程後に、前記導体パターンが形成されたフィルム基材を前記誘電体基板の一主面にラミネート用フィルムを介して固定する固定工程とを備えたものである。
請求項8に係るRFIDタグの製造方法は、前記固定工程が、前記ICチップを前記誘電体基板と前記フィルム基材との間に配置して行われる請求項7に記載のものである。
請求項9に係るRFIDタグの製造方法は、前記フィルム基材を前記誘電体基板に固定するときに、前記導体パターンを前記誘電体基板の端部から所定距離だけ隔てた位置に配置する請求項6〜8のいずれかに記載されたものである。
請求項10に係るRFIDタグの製造方法は、前記フィルム基材上に前記導体パターンを形成するときに、前記スロットを構成する幅方向における対向する前記導体パターンの両側から前記スロットの内側にそれぞれ延びた電気接続部が形成され、その電気接続部と前記ICチップとを電気的に接続する請求項6〜9のいずれかに記載のものである。
以上のように、この発明に係るRFIDタグ及びその製造方法により製造されたRFIDタグは、スロットに発生する電界方向とパッチアンテナの電界方向が一致しているため、交差偏波成分はかなり低く抑えられ、スロットを構成した導体パターンがパッチアンテナの放射部として作用するため、非導電性のみならず導電性の設置物に設置した場合であっても、アンテナ放射特性に殆んど影響を受けることがなく、スロットを介してICチップを導電パターンに電気的に接続する構成であるから、給電損失を低減することができ、そのために通信可能な距離が短縮することもないという効果を奏するほか、紙の基材等の四隅をパウチ加工して封止することによりカードを製造する汎用のラミネータ装置を使用して、導体パターンと、この導体パターンと電気的に接続されたICチップを設けたフィルム基材の両面をラミネート用フィルムによりパウチ加工するので、高温高湿の環境下でも、ICチップと導体パターンとの電気的な接続の信頼性を確保することが可能となり、また製造時間も大幅に削減することができ、歩留りの向上や製造コストの低減を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明において、各図面において構造の詳細を理解しやすさを優先し、導体パターン形成用及びタグインレット形成用の各種フィルム(基材)や接着シート・接着層は、実際の寸法と異なるものを表示している場合がある。なお、本件発明の図面で示すラミネート用フィルムは透明又は半透明である。
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1に係るRFIDタグの構成図である。図1(a)は、RFIDタグの平面図、図1(b)は、図1(a)でA−A’線により切断したときの断面図(タグインレット設置前)、図1(c)は、図1(a)でA−A’線により切断したときの断面図である。これらの図1において、1は、誘電体基板であるが、プリント基板に一般的に用いられるもののほかに、例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーなどの溶融した流体樹脂(プラスチック等の溶融した有機物である必要性は無く、マグネシウム合金等の持つチクソ性を利用した無機流体物や、セメント等の反応性流体物等であればよい)を使用した樹脂成形基板(射出成形基板)でもよい。2は、誘電体基板1の一主面(表面)上に設けた導体パターン3が形成されたフィルム基材である。
このフィルム基材2は、フィルムポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニルなどを使用することができ、導体パタ−ン3が真空蒸着法、めっき法、あるいは印刷法等で形成されている。また、フィルム基材2は、その他の柔軟性のあるものでも、そうでない基板といえるものでもよく、また、透明でも有色半透明性のものであってもよい。なお、図1(a)では、フィルム基材2が透明性の場合において、フィルム基材2を通して見える状態を示している(後述のラミネート用フィルム10も同様である)。
3は、フィルム基材2上に設けられた導体パターンである。導体パターン3は、図1(a)に示すように、誘電体基板1の縦及び横の端部から距離dだけ隔ててその内側に形成している。この場合、導体パターン3は、後述のラミネート用フィルム10の縦及び横の端部から距離dだけ隔てて形成しているともいえる。導体パターン3の中央部には、図1(a)に示すように、長細形状のスロット4を形成している。このスロット4は、導体パターン3をエッチング処理・ミリング処理により形成することができる。もちろん、エッチング処理、真空蒸着法、めっき法、あるいは印刷法等による導体パターン3の形成と同時にスロット4を形成してもよい。そして、このスロット4の長さ及び幅は使用周波数によって決定することができる。5は、誘電体基板1の一主面に形成した穴部(凹状の窪み)である。6は、ICチップで、後述するようなメモリ等から構成している。このICチップ6は、スロット4を介して導体パターン3に電気的に接続している。また、ICチップ6(タグインレット)の突起部の厚みにより、穴部5を必要としない場合もある。
ここで、ICチップ6と導体パターン3との接続構成について説明する。7、7は、図1に示すように、スロット4を構成する幅方向における対向する導体パターン3、3の両側からスロット4の内側にそれぞれ延びる突起状の電気接続部で、それぞれスロット4の両側における導体パターン3、3に連続的に繋がって電気的に接続している。これらの電気接続部7及び7は、エッチングにより導体パターン3の形成と同時に形成すればよい。ICチップ6の端子(図示せず)は、それらの電気接続部7、7に接続することとなる。ICチップ6のサイズがスロット4の幅と同程度又はこれより小さい場合には、スロット4の幅内に入ることになるが、このときに、ICチップ6の端子(図示せず)は電気接続部7、7と接続する。ところが、ICチップ6のサイズがスロット4の幅よりも大きい場合には、ICチップの端子(図示せず)はスロットを介する導体パターン3のスロット4に近い部分に電気的に接続すればよい。したがって、この場合には、前記したような電気接続部7、7を設ける必要はないことになる。
また、図1(a)においては、ICチップ6は、スロット4の長さ方向において中央部に配置しているが、その中央部ではなく図1(a)のスロット4に付させた矢印に沿って移動したスロット4の長さ方向の端部に配置してもよい。誘電体基板1の穴部5は、ICチップ6を挿入するために形成したので、その深さやその幅はICチップ(タグインレット)の突起部の大きさに対応したものとなる。もちろん、ICチップ6の周りにモールド材を配している場合は、必然的にICチップ(タグインレット)の外形よりも穴部5が大きくなる。そして、その穴部5を形成する位置については、スロット4のどの位置にICチップ6を配置するかに応じて決定されるのは当然である。いずれにしても、スロット4の形状と寸法は、実装するICチップ6の電気接続部7の数と特性インピーダンスに合わせる必要がある。例えば、インピーダンス整合をとるために、スロット4の形状の微調整に加えて、ICチップ6の接続端子の足が2つの場合には、インピーダンス整合がとれる幅の2本の電気接続部7を形成すればよい。次に、8は、誘電体基板1の他主面(裏面)に設けた接地導体パターンである。9は、誘電体基板1とタグインレット(フィルム基材2)とを接着する接着シートである。接着シート9は、導体パターン3を形成する誘電体基板1の面(一主面)では、ICチップ6(穴部5)以外の部分に対応する部分に設け、誘電体基板1とフィルム基材2とを接着、固定することができる。10は、RFIDタグのアンテナパターンである導体パターン3にICチップ6を載置したフィルム基材2の四隅をパウチ加工して封止することによりタグインレットを構成させるために、フィルム基材2の表面及び裏面(図1においては、導体パターン3及びICチップ6が設けられた面)にそれぞれ配置されたラミネート用フィルムである。ここでは、ラミネート用フィルム10と誘電体基板1とは平面において同一寸法としているので、必然的に、フィルム基材2は、ラミネート用フィルムのパウチ加工による袋状の封止部分に入る寸法となる。
図2(a)は、RFIDタグとRFIDリーダライタとの間で送受信を行なう様子を模式的に示した概念図である。図2(b)は、RFIDタグの構成図であり、特に、ICチップ6の内部構成を機能的に示したブロック構成図である。図2(a)(b)において、11は、図1に示した構成のRFIDタグである。11aは、RFIDタグ11に設けられたアンテナ部で、図1においてスロット4を形成した導体パターン3に相当するものである。RFIDタグ11のアンテナ部11aは、前述した図1(a)及び(b)に示すように、誘電体基板1の一主面(表面)にスロット4を有する導体パターン3を設け、誘電体基板1の他主面(裏面)に接地導体パターン8を設けているので、RFIDタグ11はパッチアンテナとして機能するものである。すなわち、スロット4を有する導体パターン3がアンテナパターン(放射部)として機能する。そして、導体パターン3とスロット4とは、励振するようにRFIDシステムの使用周波数とICチップ6とのインピーダンス整合をとるように調整している。この調整は、誘電体基板1の厚みや比誘電率にも大きく関係するので、これらの条件もあわせて調整、設計することにより、所望の放射パターンや利得を得ることができる。また、スロット4は、導体パターン3の放射パターンが良好となるように導体パターン3の中央部に形成しているのは前記のとおりである。このような条件をあわせて調整して設計することにより、RFIDタグ11における所望の放射パターンや利得が得られ、RFIDタグ11、すなわち、誘電体基板1を大型化することなく、例えば、1〜8m程度の通信距離を得ることが可能となる。
また、12は、RFIDリーダライタ、13は、RFIDリーダライタ12に設けられたアンテナ部で、RFIDタグ11のアンテナ部11aと無線通信を行なうものである。6は、図1において説明したICチップであり、その具体的構成については、図2(b)に示すような構成としている。14は、RFIDリーダライタ12からの送信波をRFIDタグ11のアンテナ部11aにより受信し、後段のディジタル回路21に出力するアナログ部である。15は、送信波をA/D変換するA/D変換部、16は、アンテナ部11aが受信した送信波を整流回路で平滑化して電力を生成し、RFIDタグ11の各回路に給電及び電源制御を行なう電源制御部である。17は、RFIDタグ11に搭載され、固体識別情報等のタグ情報が格納されたメモリ部である。18は、送信波を復調する復調部、19は、復調部18で復調された送信波によりメモリ部17を含むICチップ6内の回路を制御する制御部である。20は、制御部19によりメモリ部17から引き出された情報を変調する変調部である。21は、復調部15、制御部16及び変調部17により構成されるディジタル部、22は、変調部20から送信されてきた信号をD/A変換し、アナログ部14に出力するD/A変換部である。
ここで、このようなRFIDシステムについて、その基本的な動作について説明する。このようなRFIDシステムを利用する用途(生体・物品の入退室管理や物流管理)に合わせて、それらのタグ情報がRFIDタグ11のメモリ部17に格納されており、RFIDリーダライタ12は、自身の送受信エリア内にRFIDタグ11が(入退室管理や物流管理の対象である生体・物品に貼り付けられて)存在又は移動しているときにタグ情報の更新・書き込み、又は読み出しを行なうことができる。RFIDリーダライタ12は、更新・書き込み、又は読み出し等をRFIDタグ11に命令するコマンド信号を送信波としてRFIDリーダライタ12のアンテナ部13からRFIDタグ11のアンテナ部11aへ送信する。RFIDタグ11のアンテナ部11aが送信波を受信し、送信波は電源制御部16により検波・蓄電(平滑化)され、RFIDタグ11の動作電源を生成し、RFIDタグ11の各回路に動作電源を供給する。また、送信波は復調部18によりコマンド信号が復調される。復調されたコマンド信号の命令内容から制御部19がデータ処理し、メモリ部17へタグ情報の更新・書き込みと読み出しとのいずれか一方、又は両方の指示を行ない、この制御部19の指示によりメモリ部17が出力した読み出し信号が変調部20により変調された返信波がアナログ部14を経由してアンテナ部11aからRFIDリーダライタ12のアンテナ部13に送信され、RFIDリーダライタ12が読み出し信号を受信して、所望の情報を得る。
さらに、本件発明に係るRFIDタグを使用したRFIDシステムの動作について、詳細に説明すると、RFIDリーダライタ12は、更新・書き込み、又は読み出し等をRFIDタグ11に命令するコマンド信号を送信波としてRFIDリーダライタ12のアンテナ部13からRFIDタグ11のアンテナ部11aへ送信する。RFIDタグ11を構成する誘電体基板1の電波の放射部である導体パターン3が送信波を受信して、スロット4の対向部分間に電位差が生じ、送信波がICチップ6に供給され、上述のように、ICチップ6に供給された送信波は、電源制御部16により検波・蓄電(平滑化)され、RFIDタグ11の動作電源を生成し、RFIDタグ11の各回路(ICチップ6)に動作電源を供給し、送信波からコマンド信号が復調され、復調されたコマンド信号の命令内容からメモリ部17へタグ情報の更新・書き込みと読み出しとのいずれか一方、又は両方を行ない、メモリ部17が出力した読み出し信号が返信波としてICチップ6に送信波が供給された経路と同じ経路を遡り、放射部である導体パターン3からRFIDリーダライタ12に返信波が送信され、RFIDリーダライタ12のアンテナ部13が返信波を受信して、所望の情報を得るということになる。なお、RFIDシステムが行なう無線通信のデータの中身は、従来からものでもよいし、新規なものでもよく、誘電体基板1の裏面に接地導体パターン8を形成しているので、誘電体基板1の裏面側を設置対象の面に向けることで、設置対象が導体や非導体に関わらず設置が可能な簡易構造のRFIDタグを安価で製造できるため、大量のRFIDタグを必要とする物流管理、倉庫管理、機材管理、自動車の入退場管理など幅広い分野で利用でき、設置対象や設置対象の面が導電性物体などの導体であっても設置することが可能である。
次に、図3(a)〜(d)を用いて、実施の形態1に係るRFIDタグの製造方法のうち、導体パターン3の形成方法とICチップ6の実装方法について、その断面図を元に各製造工程を説明する。図3は、この実施の形態1に係るRFIDタグの製造工程図(ラミネート工程を除くタグインレット製造工程)、図3(a)においては、フィルム基材2上(フィルム基材2の裏面側)に導体層23を形成する導体層形成工程を示したものである(導体付きフィルム基材201)。そして、図3(b)に示すように、導体パターン3を形成すべき領域及びスロット4の内側に電気接続部7、7を形成すべき領域をマスクし、エッチング等により導体パターン3及び電気接続部7、7を同時に形成する導体パターン形成工程を示したものである(導体付きフィルム基材202)。なお、フィルム基材2に導体層形成工程を行なわずに、導体パターンをフィルム基材に直接形成してもよい。そして、図3(c)及び図3(d)に示すように、ICチップ接続工程では、ICチップ6の接続端子24、24を電気接続部7、7に半田付けにより電気的に接続する。この電気的な接続方法としては、リフローによる熱圧着が一般的であるが、その他の方法により接続してもよい。このようにして、パウチ加工前のタグインレットが製造される。
また、図4は、フィルム基材の全面に導体層を形成した平面図である。図5(a)は、導体パターン3及びスロット4を形成した後のフィルム基材2の裏面図である。図4に示すように、フィルム基材2の裏面側に全面的に導体層23を形成したものにおいて、フィルム基材2の周囲部分と電気接続部7、7を除いたスロット4部分の導体層を、例えばエッチング処理等により除去した導体パターン3の構成を示している。このときのフィルム基材2の表面から見たときのフィルム基材2の構成を図5(b)に示している。フィルム基材2が透明又は半透明の場合である。また、図6は、パウチ加工前のタグインレット図、図6(a)は、フィルム基材2上のスロット4の内側にICチップ6を取り付けた状態の裏面図である。図6(b)は、ICチップをフィルム基材2に取り付けた状態をフィルム基材2の表側から見たときの状態図であり、電気接続部7、7とICチップ6が透明又は半透明なフィルム基材2を通して見えている。
図7は、この実施の形態1に係るRFIDタグの製造工程図(ラミネート工程)、図7(a)は、ラミネート工程によるフィルム基材の封止状態模式図、図7(b)は、ラミネート用フィルムの構成図であり、10rは、ラミネート用フィルム10によりフィルム基材2(導体パターン3及びICチップ6形成済み)の両面から挟み込んで加圧・加熱を行なう汎用のラミネータ装置の接着・搬送ローラである。図中、同一部分ないし相当部分には同一符号を付与している。また、図7は、図1(a)でいえば、B−B’線により切断した場合の断面と同様であるので、フィルム基材2及び導体パターン3のみが見え、ICチップ6が見えない状態にある。なお、図7(b)に示すラミネート用フィルムは三層で構成され、フィルム基材2や導体パターン3と接触する面から順に、低温で溶融して接着層となる内層(EVA層)10a、高温で溶融して内層10aの接着を補助する中層10b、高温でも溶融せずに最終的にタグインレットの外層となる外層10cとなっている。
ラミネート用フィルム10の材料は、それぞれ、内層10aがエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂であるエチレンビニルアセテート(EVA)、中層10bがポリエチレンテレフタレート(PET)や低密度ポリエチレン(LDPE)、外層10cがポリエチレン(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)で構成されるものが代表的ではあるが、汎用のラミネータ装置に使用でき、高温・高湿の環境下に対する耐性があるものであれば、特にラミネート用フィルム10の材料は限定されない。さらに、前述の条件を満たしておれば、ラミネート用フィルム10は三層に限らず、EVAなどの内層とポリエチレンテレフタレート(PET)などの外層による二層構造のものを使用してもよい。
以下、ラミネート工程について説明する。まず、ラミネート用フィルム10を2枚重ね合わせて、その端部を接着・搬送ローラ11rに挟み込ませて加圧・加熱を行ない、2枚のラミネート用フィルム10の内層10aを溶融させて端部を接着する(図示せず)。次に、端部が接着された2枚のラミネート用フィルム10の間に、フィルム基材2(導体パターン3及びICチップ6の実装済み)を配置して、接着・搬送ローラ11rに挟み込ませて加圧・加熱を行ない、フィルム基材2が封止される。なお、接着・搬送ローラ11rが加圧・加熱を行なうことにより、フィルム基材2とラミネート用フィルム10との間の空気が逃がされ、フィルム基材2とラミネート用フィルム10の内層10aが密着した状態で接着されるので、高温・高湿の環境下の耐性が弱いICチップ6と導体パターン3との電気的な接続部分が保護されたタグインレットが製造されることになる。
また、ラミネータ装置は、接着・搬送ローラ11r自体を搬送、又は、接着・搬送ローラ11rによりフィルム基材2を挟み込んだラミネート用フィルム10を搬送させて加工を行なうものであるので、図7(a)に示すラミネート用フィルム10の間にフィルム基材2を挟んだ箇所以外にも、ラミネート用フィルム10同士が対面している箇所も加圧・加熱が行なわれ、ラミネート用フィルム10の間の空気が逃がされ、内層10a同士が密着した状態で接着されて、フィルム基材2の四隅がラミネート用フィルム10によりパウチ加工が施されることなり、ラミネート用フィルム10がパウチ加工により内部に真空若しくはそれに順ずる状態の袋状の空間にフィルム基材2が配置されることになる。したがって、単にICチップ6と導体パターン3との電気的な接続部分だけを保護するフィルムを設けたタグインレットと比較して、フィルム基材2の四隅の外にラミネート用フィルム10同士が接着された部分がある分、より高温・高湿の環境下の耐性が強いタグインレットが得られる。
次に、図8及び図9を用いて、前述のラミネート用フィルム10により導電パターン3とICチップ6とが設けられたフィルム基材2を両面から挟み込みパウチ加工により封止するラミネート工程により製造されるタグインレットを量産する製造方法を説明する。図8及び図9は、この実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット構成図、図7(a)は、長い短冊状のラミネート用フィルム10によりパウチ加工を施されたタグインレット平面図、図7(b)は、同じく長い短冊状のラミネート用フィルム10によりパウチ加工を施されたタグインレット断面図(図1(a)のB−B’線により切断した場合の断面と同様でICチップ6は見えない断面)であり、図中、同一部分ないし相当部分には同一符号を付与している。図7では、タグインレットを一つだけ示していたが、ラミネート用フィルム10の形状と、そのラミネート用フィルム10の形状に対応したラミネータ装置があれば、実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレットが量産できる。
具体的には、重ね合わせた2枚の長い短冊状のラミネート用フィルム10間に、フィルム基材2を順次挟み込んでいき、ラミネータ装置の接着・搬送ローラ11rにより、順次パウチ加工を施していくことにより、図8に示すようなタグインレット群が得られる。このタグインレット群をフィルム基材2の四隅の外にラミネート用フィルム10同士が接着された部分を切り離すことにより(ラミネート用フィルム切断工程)、複数のタグインレットを得ることができる。図8では、一次元的にタグインレット群を得たが、図9のように、図7及び図8で使用したラミネート用フィルムよりも面積が大きいラミネート用フィルム10を使用すれば、二次元的にタグインレット群を得ることができ、前述と同様にタグインレット群をフィルム基材2の四隅の外にラミネート用フィルム10同士が接着された部分を切り離すことにより、複数のタグインレットを得ることができる。なお、RFIDタフ11に使用する導体パターン3の面積に左右されるが、前述のように、ラミネート用フィルム10の形状と、そのラミネート用フィルム10の形状に対応したラミネータ装置があれば、本実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット群は、図9のような、3列のタグインレット群に限るものではない。
図10は、この実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット構成図である。図10(a)は、RFIDタグのタグインレット平面図、図10(b)は、図10(a)でA−A’線により切断したときの断面図、図11は、穴部が形成された誘電体基板の構成図(上面図)であり、誘電体基板1の一主面にICチップ6を挿入するための穴部5を形成した誘電体基板1である。図10は、図7〜9を用いて製造されたタグインレットである。このタグインレットを図11に示すような、一主面に穴部5をエッチングやミリング等により形成、他主面に接地導体パターンを形成した誘電体基板1(穴部及び接地導体パターン形成工程)に接着シート9などを介して貼り付けることによりRFIDタグを製造する(固定工程)。なお、ICチップ6(タグインレット)の突起部の厚み、つまり、ICチップ6(タグインレット)の突起によるラミネート用フィルムの膨らみ(突起部)が小さい若しくはない場合は誘電体基板1に穴部5を必要としない場合もある。この場合は、タグインレットの固定工程以外の誘電体基板1に対する加工工程は、接地導体パターン形成工程のみでよい。
図12は、実施の形態1に係るRFIDタグの電界(矢印で記入)を示した電界図である。図12には、ICチップ6周辺の部分拡大図も併せて示すとともに、その部分拡大図において矢印で電界の様子を示している。図12に示した矢印は、接地導体パターン8と導体パターン3との間の電界を示しており、このような電界が導体間で形成されるため、スロット4の対向部分の間に電界が走り、電位差が生じる。誘電体基板1の厚さ方向における電界の強さが零の位置をICチップの給電点としている。図12に示すように、誘電体基板1の内部において、左右の電界が相互に打ち消しあうため、スロット4の長手方向(図12では、奥行き方向)の軸に沿った位置では、電界の強さは零となる。したがって、この位置にICチップ6の電気接続部7を配置すれば、給電損失を大幅に低減することができる。したがって、このように構成すると、導体パターン3の放射パターンの対称性に悪影響を与えることも少なく、通信可能な距離も大きく延ばすこともでき、また、構成が簡単であっても、性能が大幅に向上したRFIDタグが得られるという効果を奏する。
図13は、実施の形態に係るRFIDタグにおける特性インピーダンスの変化の様子を示した特性図である。前記したところでは、ラミネート用フィルム10(誘電体基板1)の端部から所定距離dだけ隔てて導体パターン3を形成する旨を記載したが、このことは、誘電体基板1の他主面の全面に接地導体パターン8を形成しているため、所定距離dは、図12に示すように、導体パターン3と接地導体パターン8との四隅における寸法差であるということができる。このようにすれば、所定距離dは、接地導体パターン8が誘電体基板1の他主面の全面に形成していない場合であっても、同じく導体パターン3と接地導体パターン8との四隅における寸法差として考えることができる。そこで、図13において、横軸は所定距離又は前記した寸法差dをRIFDタグの使用周波数の波長比を表したもので、縦軸R[Ω]及びX[Ω]はそれぞれ特性インピーダンスの実部及び虚部を表したものである。ただし、横軸のλは使用周波数の波長である。図13の特性図によれば、所定距離dが0.13λ以上の場合には、RFIDタグ11の特性インピーダンスがほぼ一定となっている。したがって、所定距離dを0.13λ以上とすることにより、RFIDタグの設置対象が導体又は非導体の物体に関わらず、また、空中に浮かしたような状態であっても、RFIDタグの特性インピーダンスがほぼ一定であるから、RFIDの性能が劣化することがなく、RFIDリーダライタ12との無線通信を可能とすることができる。なお、誘電体基板1の穴部5の位置における電界の強さが零の位置であるから、穴部5がない場合におけるRFIDタグの特性インピーダンス変化とほぼ同様であるといえる。
このように、ラミネート用フィルム10(誘電体基板1)の端部から所定距離dだけ隔てて導体パターン3を形成することで、非常に有益な効果が得られることが分かる。したがって、タグインレットを封止しているラミネート用フィルム10の端部を前述のラミネート用フィルム切断工程において切断するときに、ラミネート用フィルム10の切断後の端部と導体パターン3との距離を図10に示すタグインレットのように所定距離dになるように切断すれば、このタグインレットの外形と誘電体基板1の外形が等しくなり、それぞれの位置合わせが容易となるので量産性が高い。もちろん、導体パターン3と接地導体パターン8との四隅における寸法差が所定距離d以上の距離を得ることができるのであれば、タグインレットの外形と誘電体基板1の外形を等しくする必要はなく、誘電体基板1の端部からタグインレットのラミネート用フィルム10がはみ出しもいいし、タグインレットのラミネート用フィルム10が誘電体基板1の端部に届かなくてもよい。
次に、図14は、実施の形態に係るRFIDタグの構成図(ダミーパッド付き)であり
、図15は、実施の形態に係るRFIDタグのスロット付近拡大図(ダミーパッド付き)で、図14に示したスロット付近を拡大した平面図である。図15(a)はICチップが未実装の場合の、また、図15(b)はICチップが実装済みの場合の平面図である。これまでは、接続端子24が2つ、すなわち、足が2つのICチップを用いた場合について説明したが、接続端子24が4つのICチップを実装する場合には、電気接続部7,7のほかに、2つのダミーパッド25、25をスロット4に内側であって、接続端子の近傍に設けている。これらのダミーパッド25、25の形成方法は、電気接続部7、7を形成すると同時に、形成する。また、図14,図15からフィルム基材2及びラミネート用フィルム10を通して見えるダミーパッド25、25は、導体パターン3及び電気接続部7、7とは電気的に接続されていない単なるダミーとしてのパッドである。このように、RFIDに実装するICチップ6の仕様の変更に柔軟に対応できるので、簡易構造のRFIDタグを安価で製造することができる。なお、ダミーパッド25の数は、2つに限定されたものではない。
図16及び図17を用いて、本実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット(パウチ加工済み)が、高温・高湿の環境下の耐性が弱いICチップ6と導体パターン3との電気的な接続部分が保護され、耐環境性(高温・高湿)が向上していることを説明する。図16は、この実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレットの表面図、図16(a)は、タグインレットの表面写真、図16(b)は、図16(a)タグインレットの表面写真では不鮮明である、ラミネート用フィルム10とこの袋状のラミネート用フィルム10に内挿されたフイルム基材2の外形を点線で明記したものである。図17は、この実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレットの裏面図で、環境試験後のタグインレットの写真である。図16及び図17において、25aは、導体パターン2の端部に切り欠き状に設けられた電気長調整部、25bは、電気接続部7、ダミーパッド25の近傍に設けられ、ICチップ6実装時の位置決めに使用されるマークのターゲットマークである。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。なお、「切り欠き状」という表現は、形状を指すために使用しており、導体パターン3の形成後に導体パターン3を切り欠いて形成するものに限定するものではない。電気長調整部25aは、スロット4や電気接続部7、7と同様に導体パターン2のパターンの一部として形成することが一般的である。
電気長調整部25aは、電気長調整方法に関するもので、図1等に記されるRFIDタグとの大きな違いは、図示されるように、導体パターン3の側部に切り欠きのような形状の電気長調整部25aが形成された導体パターン3である。電気長調整部25aは、スロット4とは垂直となる位置に設けられているので、導体パターン3の実効的な電気長が見かけの長さよりも長くなり、RFIDシステムの使用周波数が固定でも、導体パターン3の大きさを小さくできるので、RFIDタグ11全体の寸法が小さくできる。導体パターン3の長さ未満であれば、電気長調整部25aの長さは変更できるので、長さや切り込みの程度を調整して設計することにより、RFIDタグ11全体の寸法を名刺大にすることや設置対象にあわせた寸法にすることも、ある程度の範囲内では可能である。したがって、タグの寸法・形状の自由度が増す(言い換えると、制約が改善される)ため、設置個所の自由度をこれまで以上に拡大することができる。なお、電気長調整部25aの調整以外にも、誘電体基板1の厚みや比誘電率、導体パターン3、スロット4の寸法などが大きく関係するので、これらの条件もあわせて調整して設計することにより、RFIDタグ11の寸法及び所望の放射パターンや利得を得ることができる。また、導体パターン3の片側だけに設けてもよい。
図16に示す写真のタグインレットは、ラミネート用フィルム10の材質は、外層10cがポリエステル、中層10bがポリエチレン、内層10aがEVAで、導体パターン3(電気接続部7,7)とICチップ5との電気的な接続は、異方性導電ペースト(ACP)といわれる導電性ペーストで接着されており、図16に示す写真の向いている面は図6(b)、図10(a)、図14にそれぞれ示すタグインレットに対応するものである。図17に示す写真のタグインレットは、図16に示す写真のタグインレットの環境試験(高温・高湿試験)後の写真で、図17に示す写真の向いている面は図6(a)に示すタグインレットに対応するものである。
図16に示すタグインレットを高温・高湿試験(85℃・85%)にかけたところ、1000時間を経過しても通信性能は劣化しなかった。1000時間が経過したタグインレットが図17である。一方で、ラミネート用フィルム10によるパウチ加工を施してない以外は、図16に示すタグインレットと同じ条件であるタグインレット(図示せず)を高温・高湿試験(85℃・85%)にかけたところ、およそ48時間で導体パターン3(電気接続部7,7)とICチップ5との電気的な接続に支障をきたし、通信性能が所望のスペック値を割ってしまった。したがって、本実施の形態1に係るラミネート工程によるタグインレットのパウチ加工は、高温・高湿環境下でのICチップ接着信頼性の向上に大きく貢献していることが分かる。
図18は、この実施の形態1に係るRFIDタグの構成図である。図18(a)は、RFIDタグの平面図、図18(b)は、図18(a)でA−A’線により切断したときの断面図である。図中、同一部分ないし相当部分には同一符号を付与している。図18と図1との違いは、図1では、ICチップ5と誘電体基板1の表面(一主面)とが対向して配置されているが、図18では、ICチップ5と誘電体基板1の表面(一主面)とが対向せずに、ICチップ5が外側を向いていることである(但し、ラミネート用フィルム10によりICチップ5の表面が保護されている)。このような、配置のRFIDタグでも本実施形態1は適用できる。
本実施の形態1のように、紙をフィルムパックしてカードを作成するような市場に多く出回っている汎用のラミネータ装置を使用することにより、従来のRFIDタグ用のタグインレットよりも信頼性が高いタグインレットが容易に製造できるので、RFIDタグの製造時間及びコストを大幅に削減できる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係るRFIDタグの製造方法を説明する。図19は実施の形態2に係るRFIDタグの製造方法に使用する射出成形金型の型締め状態の構成図、図19(a)は射出成形金型の側断面図、図19(b)は射出成形金型の正面図、図20は実施の形態2の射出成形金型に実施の形態1で説明したICチップ5と電気的に接続された導体パターン3が形成されたフィルム基材2をパウチ加工したラミネート用フィルム10(以下、このフィルム基材2を内挿したラミネート用フィルム10を単に、ラミネート用フィルム10と略す)及び導体付きフィルム基材39をそれぞれ位置決め配置した時の型開き状態の模式図、図21は実施の形態2に係るRFIDタグの製造方法に使用する射出成形金型を型締めし、溶融した流体樹脂を充填・成形した型締め状態の模式図である。図中、同一部分ないし相当部分には同一符号を付与している。
図19に示すように本発明の射出成形金型26は、上方金型面27a(凹部)を持った上方金型27及び下方金型面28a(凹部)を持った下方金型28の一対の金型から構成されている。上方金型27の型合わせ面29と下方金型28の型合わせ面30がそれぞれの凹部が対向に接面され、型締め状態になることにより、射出成形金型26の内部に樹脂成形を形成するためのキャビティ31が上方金型面27aと下方金型面28aにより設けられ、また、同時に溶融した流体樹脂をキャビティ31に注入するための注入ゲ−ト32も横断溝32a及び横断溝32bが重なることで設けられる。なお、注入ゲ−ト32を予め上方金型27ないし下方金型28の少なくとも何れかの位置に一箇所設けておいてもよい。上方金型27及び下方金型28の内側のキャビティ31と接する負圧部分27b及び負圧部分28bには複数の微細な通気孔33及び通気孔34が設けられ(通気性多孔基材)、射出成形金型26の外部に設けられた排気装置である排気ポンプ37の運転により、通気配管35及び36を介して、それぞれ吸引できるように構成されている。上記の負圧部分27b及び負圧部分28bに設けられた通気孔33及び34上にラミネート用フィルム10及び導体付きフィルム基材39が配置されることで固定される。
導体付きフィルム基材39は、導体パターン3を設けるための図4に示す導体層23を有するフィルム基材を流用してもよいし、別途製作してもよい。また、導体付きフィルム基材39は接地導体パターン8を設けるためのものであるので、フィルム基材を使用したものでなくても化成処理を施した銅箔などの導体箔でもよい。なお、ラミネート用フィルム10及び導体付きフィルム基材39の平面形状は、位置決めのために上方及び下方金型面30a、30bのもつ底面形状と一致した平面形状にしている。なお、この平面形状は実施の形態1で説明したRFIDタグ11の接地導体パターン8の面積をよりも大きいということはもちろんである。次に、射出成形金型26を用いて、得られる成形品であるRFIDタグの製造方法について詳細に説明する。
図20に示すように本発明の射出成形金型26を型開き状態にしておいて、排気ポンプ37を運転することにより、通気配管35及び36の空気をA及びB方向に排気する。これにより、上方金型27及び下方金型28の通気性多孔基材からなる負圧部分27b及び負圧部分28bに設けられた複数の通気孔33及び通気孔34が共に負圧と成り、その周辺の空気をCないしD方向に排気する。上方金型27の上方金型面27a上に沿わせ、ラミネート用フィルム10の導体パタ−ン3面を外側に向けて挿入することにより所定の位置に位置決めされ、上方金型面27a上に沿って吸引固定される(ラミネート用フィルム10の平面形状が上方金型面27aの底面形状と一致するようにしているため)。また、下方金型28の下方金型面28aの内側面に沿わせて、フィルム基材39の接地導体パタ−ン面を外側に向けて挿入することにより所定の位置に位置決めされ、下方金型面28aに沿って吸引固定される(フィルム基材39の平面形状が下方金型面28aの底面形状と一致するようにしているため)(フィルム基材配置工程)。次に、図21に示すように射出成形金型26を型締めすることにより、キャビティ31と注入ゲ−ト32(注入口)を設ける(射出成形金の型締め工程)。なお、フィルム基材39を上方金型面27a上に、ラミネート用フィルム10を下方金型面28a上に配置してもよい。なお、図18に示す構造のRFIDタグが必要であれば、上方金型27の上方金型面27a上に沿わせ、ラミネート用フィルム10の導体パタ−ン3面を外側に向けて挿入せずに、ラミネート用フィルム10の導体パタ−ン3面を内側に向けて配置すればよいが、ICチップ6によるラミネート用フィルム10の突起部が許容範囲を越えると、導体パターン3に弛みやしわが生じた樹脂成形基板(誘電体基板1)が成形されてしまう可能性があるので注意を要する。
設けられた注入ゲ−ト32から凹部により形成されたキャビティ31内に向けて溶融した樹脂(熱可塑性樹脂)38を注入・充填・成形し、その樹脂成形の硬化を待って、樹脂成形基板(誘電体基板1)を得る。なお、溶融した流体樹脂としては、プラスチック等の溶融した有機物である必要性は無く、マグネシウム合金等の持つチクソ性を利用した無機流体物や、セメント等の反応性流体物等であればよく、要するに注入ゲ−ト32からキャビティ31内に挿入できる流体物で、その後固形化するものであればいかなる物であってもよい(誘電体基板形成工程及びパターン形成工程)。排気ポンプ37の運転を停止し、射出成形金型26を型開きにし、樹脂成形基板(誘電体基板1)の一主面にラミネート用フィルム10を配し、他主面にフィルム基材39を一体に配した成形品のRFIDタグを取り出す(誘電体基板取り出し工程)。注入された樹脂38が射出成形金型26内部のキャビティ31の容積よりも多く注入された場合は、注入ゲート32に残留した樹脂38が固化して誘電体基板1に注入ゲート32の内管形状の余剰樹脂が形成されるので、注入ゲート32に残留した余剰樹脂をRFIDタグから切り離して、表面粗さに研磨する(後処理工程)。なお、化成処理とは、樹脂38との接着性を高めるために導体箔の表面に微細な筋を形成する、又は、導体箔の表面に層を形成するなど、一般的に樹脂成形基板で用いられるものを使う。また、化成処理だけでは、接着度が低い場合は、図1に示すような接着シート9を化成処理層の化成処理済み面に載置する。また、化成処理を行なわず、導体箔が通気孔34と対向する面と反対側の面に接着シートと同様の接着シートを載置するだけでも、導体箔32と樹脂との接着に十分な接着度が得られれば化成処理は行なう必要はない(接地導体パターン形成工程の準備工程)。また、ラミネート用フィルム10に関しても、接着シートを使用してもよい。
以上、説明したように本発明の実施の形態2おいては、従来は、パタ−ンの位置決めのために一対の金型の型合わせ面にフィルム基材の所定部分を載置してから型締めする必要があり、成型樹脂基板(図7の誘電体基板1)の片面にしかパタ−ンを転写形成できなかった。従って、一回の成型加工によって、複数のフィルム基材に付与されたそれぞれのパタ−ンを位置決めし、それら複数のフィルム基材の間にキャビティを設けて溶融した流体樹脂を充填・成型することが困難であり、その結果、製品の基材である成型樹脂基板の複数の面に対してフィルム基材上のパタ−ンを転写形成やラミネート用フィルム10の配置ができなかったために、樹脂成形で作成された図11の誘電体基板1に、フィルム基材2に取り付けたICチップ6を誘電体基板1の穴部5に挿入するようにしてフィルム基材2(ラミネート用フィルム10)を誘電体基板1に支持することにより、RFIDタグを完成させていたことに対して、複数のフィルム基材に付与されたそれぞれのパタ−ンを位置決めし、それら複数のフィルム基材の間にキャビティを設けて溶融した流体樹脂を充填・成型することが可能であるので、誘電体基板1に穴部5を設ける工程が不必要になる。
本発明の実施の形態1おいては、ラミネート用フィルム10及びフィルム基材39を通気孔33及び通気孔34により真空引き(吸引)して、射出成形金型26に密着させるので、樹脂38の射出成形中にラミネート用フィルム10及びフィルム基材39が伸長することがなく、樹脂38の固化後に形成されるRFIDタグの導体パターン3及び接地導体パターン8の細りや切れを防止できる効果がある。また、フィルム基材39は、銅箔である接地導体パターン8を保護する効果を持つので、取外すことなく保管してもよい。また、全てのフィルム基材を除去するのではなく、一部を除去してもよい。無論、機械や手作業等で、機械的に全てのフィルム基材をめくって除去することも可能である(フィルム基材除去工程)。なお、樹脂38を低硬度(例えば、JIS−A55)のオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて、誘電体基板1を製造することで、フレキシブル性を持った誘電体基板によるフレキシブルなRFIDタグが製造可能なので、ドラム缶などの曲面を持つ物体の曲面に沿って設置可能なRFIDタグを得ることができる。このRFIDタグが設置可能である曲面は、ICチップ6と導体パターン3との電気的な接続が外れない程度である。なお、導体パターン3が曲っていても、電気長は変化しないなので、放射パターンは多少変形するが導体パターン3は、RFIDタグの電波放射部としての動作には支障がない。さらに、射出成形金型の型締め工程において、図示はしていないが、上方金型27と下方金型28とには、それぞれガイドピンとガイド穴とが設けられており、ガイド穴にガイドピンを嵌合させて、上方金型27と下方金型28との位置決めを行なってから、型締めして固定することが一般的である。
本発明(実施の形態1及び2)のように、射出成形で誘電体基板1(樹脂成形基板)を設計・製造することにより、プリント基板数枚を貼り合せて多層化した誘電体基板に対し、樹脂(熱可塑性樹脂)38を用いて射出成形した誘電体基板の方が基板コスト(製造コスト)が大幅に下げることができるだけでなく、RFIDタグに用いられる誘電体基板の誘電体(材質)が、一般的なプリント基板で使用されるポリテトラフルオロエチレン(フッ素樹脂系),セラミック,ガラスエポキシなどの誘電体では、任意の厚さの基板製作が難しく、RFIDタグの設置位置による要求寸法の変化には柔軟に対応できないことに対して、射出成形による誘電体基板では、金型を変更するだけで容易に厚みや形状の変更が可能であるため、様々なバリエーションのRFIDタグを容易に製作可能である。また、樹脂(熱可塑性樹脂)のなかでも誘電正接が低い特性をもつオレフィン系ポリマーの樹脂をRFIDタグの誘電体基板として使用することで、放射効率が向上し、高利得なRFIDタグを製造可能である。また、オレフィン系ポリマーの樹脂の比重は一般的なプリント基板の半分程度であり、RFIDタグの軽量化が可能になる。さらに、ICチップ6は、一般的なプリント基板で使用されるポリテトラフルオロエチレン(フッ素樹脂系),セラミック,ガラスエポキシなどで構成される誘電体基板のように硬くて厚みのある材質に実装する場合、実装する専用設備がなく、一つ一つ実装しなければならず時間がかかることに対して、樹脂成形基板は、フィルム基材2にICチップ6を実装する設備は市場に数多く出回っており、一度に大量生産が可能であり、穴部5の形成を含めて製造時間及びコストを大幅に削減できる。
この発明の実施の形態1に係るRFIDタグの構成図である。 RFIDシステムの基本構成図である。 この発明の実施の形態1に係るRFIDタグの製造工程図である。 この発明に係るフィルム基材の構成図図である。 この発明に係るフィルム基材に形成された導体パターン図である。 この発明に係るフィルム基材に形成された導体パターン図(ICチップ接続済み)である。 この発明の実施の形態1に係るRFIDタグの製造工程図である。 この発明の実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット構成図である。 この発明の実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット構成図である。 この発明の実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレット構成図である。 この発明に係る穴部が形成された誘電体基板構成図である。 この発明に係るRFIDタグの電界図である。 この発明に係るRFIDタグの特性インピーダンス図である。 この発明に係るRFIDタグの構成図(ダミーパッド付き)である。 この発明に係るRFIDタグのスロット付近拡大図(ダミーパッド付き)である。 この発明実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレットの表面図(写真)である。 この発明実施の形態1に係るRFIDタグのタグインレットの裏面図(写真)である。 この発明の実施の形態1に係るRFIDタグの構成図である。 この発明の実施の形態2に係るRFIDタグの製造方法に使用する射出成形金型の型締め状態の構成図である。 この発明の実施の形態2に係るRFIDタグの製造方法に使用する射出成形金型の導体付きフィルム基材を位置決め配置した時の型開き状態の模式図である。 この発明の実施の形態2に係るRFIDタグの製造方法に使用する射出成形金型を型締めし、溶融した流体樹脂を充填・成形した型締め状態の模式図である。
符号の説明
1…誘電体基板、2…フィルム基材、3…導体パターン、4…スロット、5…穴部、
6…ICチップ、7…電気接続部、8…接地導体パターン、9…接着シート、
10…ラミネート用フィルム、11…RFIDタグ、11a…アンテナ部(タグ)、
12…RFIDリーダライタ、13…アンテナ部(リーダライタ)、14…アナログ部、
15…A/D変換部、16…電源制御部、17…メモリ部、18…復調部、
19…制御部、20…変調部、21…ディジタル部、22…D/A変換部、
23…導体層、24…接続端子、25…ダミーパッド、26…射出成形金型、
27…上方金型、28…下方金型、29…型合わせ面、30…型合わせ面、
31…キャビティ、32…注入ゲ−ト(注入口)、33…通気孔(真空引き口)、
34…通気孔(真空引き口)、35…通気配管、36…通気配管(真空引き口)、
37…排気ポンプ、38…樹脂(熱可塑性樹脂)39…フィルム基材。

Claims (10)

  1. 一主面に穴部を有する誘電体基板と、この誘電体基板の他主面に設けられた接地導体パターンと、フィルム基材と、このフィルム基材上に設けられ、長細形状のスロットを内部に構成した導体パターンと、前記スロットを介して前記導体パターンに電気的に接続されたICチップと、前記導体パターンと前記ICチップとが設けられた前記フィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止し、前記ICチップによる突起部を前記誘電体基板の前記穴部に挿入したラミネート用フィルムとを備えたRFIDタグ。
  2. 誘電体基板と、この誘電体基板の他主面に設けられた接地導体パターンと、フィルム基材と、このフィルム基材上に設けられ、長細形状のスロットを内部に構成した導体パターンと、前記スロットを介して前記導体パターンに電気的に接続されたICチップと、前記導体パターンと前記ICチップとが設けられた前記フィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止し、前記誘電体基板の一主面に固定されたラミネート用フィルムとを備えたRFIDタグ。
  3. 前記ICチップは、前記誘電体基板と前記フィルム基材との間に配置された請求項2に記載のRFIDタグ。
  4. 前記導体パターンは、前記誘電体基板の端部から所定距離だけ隔ててその内側に設けられた請求項1〜3のいずれかに記載されたRFIDタグ。
  5. 前記スロットは、その幅方向における対向する前記導体パターンの両側から前記スロットの内側にそれぞれ延び、前記ICチップとを電気的に接続された電気接続部とを有する請求項1〜4のいずれかに記載されたRFIDタグ。
  6. フィルム基材上に長細形状のスロットを有する導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、前記スロットを介してICチップを前記導体パターンに電気的に接続するICチップ接続工程と、ラミネート用フィルムにより前記導電パターンと前記ICチップとが設けられたフィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止するラミネート工程と、誘電体基板の一主面に穴部を形成し、前記誘電体基板の他主面に接地導体パターンを形成する穴部及び接地導体パターン形成工程と、前記ラミネート工程後に、前記ICチップによる前記ラミネート用フィルムの突起部を前記誘電体基板の前記穴部に挿入して、前記導体パターンが形成されたフィルム基材を前記誘電体基板に固定する固定工程とを備えたことを特徴とするRFIDタグの製造方法。
  7. フィルム基材上に長細形状のスロットを有する導体パターンを形成する導体パターン形成工程と、前記スロットを介してICチップを前記導体パターンに電気的に接続するICチップ接続工程と、ラミネート用フィルムにより前記導電パターンと前記ICチップとが設けられたフィルム基材を両面から挟み込みパウチ加工により封止するラミネート工程と、誘電体基板の他主面に接地導体パターンを形成する接地導体パターン形成工程と、前記ラミネート工程後に、前記導体パターンが形成されたフィルム基材を前記誘電体基板の一主面にラミネート用フィルムを介して固定する固定工程とを備えたRFIDタグの製造方法。
  8. 前記固定工程は、前記ICチップを前記誘電体基板と前記フィルム基材との間に配置して行なう請求項7に記載のRFIDタグの製造方法。
  9. 前記フィルム基材を前記誘電体基板に固定するときに、前記導体パターンを前記誘電体基板の端部から所定距離だけ隔てた位置に配置する請求項6〜8のいずれかに記載されたRFIDタグの製造方法。
  10. 前記フィルム基材上に前記導体パターンを形成するときに、前記スロットを構成する幅方向における対向する前記導体パターンの両側から前記スロットの内側にそれぞれ延びた電気接続部が形成され、その電気接続部と前記ICチップとを電気的に接続する請求項6〜9のいずれかに記載のRFIDタグの製造方法。
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