JP4432908B2 - 再生装置、再生方法、記録装置、記録方法、光ディスク製造方法、光ディスク記録媒体 - Google Patents

再生装置、再生方法、記録装置、記録方法、光ディスク製造方法、光ディスク記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、上記マークの形成部分での再生信号レベルが上昇し、上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するように構成されている光ディスク記録媒体について再生を行う再生装置、及び再生方法に関する。
また、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体に対して上記副データの記録を行う記録装置とその方法、及び上記光ディスク記録媒体を製造するための光ディスク製造方法、さらには光ディスク記録媒体に関する。
光ディスクとして、特に再生専用のROMディスクは、1つのスタンパからプラスチックの射出成形によって短時間で大量のレプリカ基板を安価に製造可能であることからパッケージメディアとして世界中で利用されている。例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等は、音楽や映像等の情報を記録するROMディスクとして広く一般に普及している。
従来より、このようにパッケージメディアとして販売されるROMディスクを基にその記録データを違法コピーしたいわゆる海賊版ディスクが作成されており、著作権の侵害が問題となっている。
一般的に海賊版ディスクは、正規版ディスクから再生した信号を基にマスタリング工程によりスタンパを作成して複製ディスクを製造するようにして作成される。或いは正規版ディスクから再生した信号を記録可能なディスクにコピーすることで作成される。
海賊版ディスク製造防止のためには種々の技術が提案されているが、その1つとして、例えばディスクごとに異なる識別情報を付加する技術が知られている。このようにディスク個々に異なる識別情報を付加することで、再生装置側が上記識別情報を読み取ってこれをネットワーク経由で外部のサーバ装置に送信するといったシステムを構築することができる。このようなシステムを用いれば、例えば海賊版ディスクが作成・販売された場合には上記サーバ装置にて同一の識別情報が大量に検出されるので、海賊版ディスクの存在を検知することができる。さらに、検出された識別情報を送信してきた再生装置を特定することで、海賊版業者を特定できる可能性もある。
但し、このようにディスク個々に固有となる識別情報であっても、市販のドライブ装置で簡易にコピーできないようにして記録されていることが、著作権保護として有用である。
そこで、例えば下記の特許文献1では、上記識別情報を、ディスクの反射膜にマークを形成して微少な反射率変化を与えることで記録するもとしている。すなわち、この特許文献1に記載のディスクでは、ピット及びランドの組み合わせにより主のデータ(コンテンツデータや管理情報等)が記録されると共に、所定のピット又はランド上の反射膜に対して微少な反射率変化を与えるマークを形成することで、上記主のデータ以外の副のデータ(識別情報)を記録するようにされている。
反射膜に対するマークの記録は、再生時のレーザパワーよりも高い記録パワーによるレーザ照射により行われる。このとき、マークによる反射率変化は微少なものとなるようにされて、ピット・ランドの組み合わせにより記録される主データの再生に影響を与えることがないようにされている。すなわち、これによって主データについての通常の再生動作では副データが再生されないようになっている。
副データ自体の再生は、別途の再生系を設けて、主データの再生信号中のこのような微少な反射率変化が与えられた部分を多数サンプリングしてこれらの例えば積分値を求める等して行うことができる。
この場合、副データの記録装置側と再生装置側とでは、予め定められた所定のアルゴリズムによって副データとしてのマークを形成すべき位置が決定されている。これにより、正規の再生装置では記録時に用いたものと同様のアルゴリズムによりマークが記録されるべき位置を特定できるため、適正に副データとしての識別情報を再生することができる。
特許第3454410号公報
ところで、海賊版ディスクとしては、正規版のROMディスクの再生信号から作成されることを前提としたが、他の手法として、ROMディスクの基板の物理的形状をそのまま転写してスタンパを作成する手法も考えられる。
具体的には、ディスクのカバー層、反射膜を基板から剥離することで、基板に形成されたピット及びランドの形状を表出させる。そして、このように表出させた凹凸形状を物理的に転写することで、ディスクに記録された内容を複製するといったものである。
上記特許文献1に記載のディスクでは、反射膜に対して形成したマークによりディスク個々の識別情報を記録するものである。これによれば、上記のようにして基板からカバー層と反射膜を剥離させる必要のある物理的転写の手法では、反射膜に形成されたマーク(識別情報)までを転写することができないことになるので、海賊版ディスクの製造を防止できると考えられる。
しかしながら、上述のようにして反射膜に対するマークの記録は、比較的高出力なレーザの照射により行われるものである。このような高出力なレーザ照射によっては、例えばマークを記録する部分での媒体温度が上昇することで例えば熱膨張等が生じ、基板に変形を与えてしまう可能性がある。
つまりは、反射膜にのみ形成されるべきマークが、基板に対して物理的に転写されてしまう可能性があり、さらにこの基板が物理的に転写されることで主データと共に副データまでが複製されてしまう可能性がある。
このことについて、次の図23を参照して説明する。
先ず、図23(a)では、上述のようにして反射膜に対してマークが形成されたディスク100の断面構造を示している。
図示するようにして、ディスク100は、基板101、反射膜102、及びカバー層103を少なくとも備えるようにされている。基板101と反射膜102との間に形成される凹凸の断面形状が、ピットとランドの組み合わせにより主データが記録される部分である。
そして、上述もしているように、所定のピット又はランド上の反射膜に対して、副データとしてのマークが記録される(図中X)。図の例では、所定のランド上の反射膜に対してマークが記録される例を示している。
上記のようにして、副データとしてのマークの記録時には、比較的高出力なレーザが反射膜102に対して照射されることで、マークの形成箇所Xではその温度上昇に伴う熱膨張等による変形が生じる可能性がある。
この変形に伴い、基板101の反射膜102と接する面には凹形状の窪みが転写されてしまう。つまり、この場合においてカバー層103、反射膜102を剥離して基板101を表出させると、図23(b)に示されるようにして、基板101の表面には反射膜102にのみ形成されるべきマークに応じた凹形状が転写されたものとなる。
転写された凹形状部分は、他のランド部分に対して反射率が微少に低下する部分となる。つまりは、このような基板101の凹形状がそのまま転写されて作成されたレプリカ基板としては、副データとしてのマークをそのまま再現したものとなってしまう。
そして、このようなレプリカ基板について通常の製造工程と同様に反射膜及びカバー層の積層を行えば、正規版のディスクに記録された主データと副データとをそっくりコピーした海賊版ディスクを製造することができてしまうものである。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、先ず再生装置として以下のように構成することとした。
すなわち、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し、且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するように構成されている光ディスク記録媒体について再生を行う再生装置として、先ず、上記光ディスク記録媒体に対して照射した再生パワーによるレーザ光の反射光を検出して上記再生信号を生成する再生信号生成手段を備える。
また、上記再生信号生成手段により生成された上記再生信号の値を所定のサンプリングポイントにて検出した結果に基づき、上記副データの値を検出する副データ検出手段を備える。
さらに、上記副データ検出手段によって検出された上記副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別した結果に基づき、上記光ディスク記録媒体が正規版ディスクであるか否かについて判定する判定手段を備えるようにした。
また、本発明では記録装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の記録装置は、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体について、所定長の上記ランドを対象として記録パワーによるレーザ光照射を行って上記反射膜にマークを形成することによって副データを記録する記録装置であって、
上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さにより上記マークが形成されるようにして、上記記録パワーによるレーザ光照射を行って上記副データを記録する記録手段を備えたものである。
先ず、前提として、本発明は、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体に関連するものである。このような光ディスク記録媒体について実験を行った結果、後述するように上記マークの形成部分での再生信号レベルが上昇し且つこの光ディスク記録媒体の基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下する特性となる光ディスク記録媒体の製造が可能であることが確認できた。つまり、このような光ディスク記録媒体により、正規版と海賊版とでそれぞれ得られる副データの極性を逆とすることが可能となるものである。
そこで本発明の再生装置としては、上記のようにして副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別するように構成している。すなわち、適正とされる極性であれば正規版のディスクであることが判定できる。また適正とされる極性でなければ海賊版ディスクであると判定できる。
ここで、上記のようにして正規版ディスクでは再生信号レベルが上昇し海賊版ディスクでは再生信号レベルが低下する特性が得られるのは、ランド側を対象としてマークを記録したときであって、またこの特性が得られるか否かは形成するマークのサイズと深さとが関係していることが導き出された。このことから上記本発明の記録装置のように、所定長のランドを対象として、正規版でのマーク形成部分では再生信号レベルが上昇し且つ海賊版でのマーク形成部分では再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さにより上記マークが形成されるようにして、レーザ光照射を行って副データを記録するようにしたことで、正規版ディスクと海賊版ディスクとで得られる再生信号の極性が逆となる光ディスク記録媒体を製造することができる。
なお、本発明で言う「基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体」とは、基板の形状を物理的に転写して作成したスタンパを基に作成したレプリカ基板に反射膜を成膜して生成したものを指す。また、反射膜を剥離した基板に再度反射膜を成膜して生成したものも同様とみなす。
上記のようにして本発明によれば、正規版でのマーク形成部分では再生信号レベルが上昇し且つ海賊版でのマーク形成部分では再生信号レベルが低下する光ディスク記録媒体を提供することができ、これによって正規版ディスクと海賊版ディスクとで再生される副データの値の極性が逆となる光ディスク記録媒体を提供することができる。
また、特に本発明の再生装置(再生方法)によれば、このような光ディスク記録媒体から検出される副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別するように構成したことで、光ディスク記録媒体が正規版ディスクであるか否かについて判定を行うことができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順で行う。

<1.光ディスク記録媒体>
<2.副データ記録装置>
<3.再生装置>
<4.実施の形態としての光ディスク記録媒体、記録装置、再生装置>
<1.光ディスク記録媒体>

先ず、図1に、実施の形態の光ディスク記録媒体としてのディスク100について、その断面構造図を示す。
実施の形態のディスク100は、再生専用のROMディスクであり、具体的にはブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)と称されるディスクに準拠したディスク構造及びフォーマットが採用されたものとなる。
このディスク100は、図示するようにして基板101と、この基板101に対して積層された反射膜102、及びカバー層103を備えている。基板101は、例えばポリカーボネート等によるプラスチック基板であり、この基板101における上記反射膜102と接する面に対しては凹凸の断面形状が与えられている。凹状の断面部はピットであり、凸状の断面部はランドである。ディスク100では、これらピットとランドの組み合わせ、具体的にはピットとランドのそれぞれの長さにより情報を記録できる。
上記ピットとランドが形成された基板101上に反射膜102が積層される。そして、この反射膜102に対し、さらにポリカーボネート等によるカバー層103が積層されている。
反射膜102は、基板101上に積層されることで上記のようなピットとランドの形状に応じた凹凸の断面形状が与えられる。また、反射膜102は、例えば金属膜とされ、図示するようにして対物レンズによって集光されるレーザ光が上記カバー層103を介して照射された際に、上記凹凸に応じた反射光が得られるようなっている。後述する副データ記録装置50及び再生装置1側では、照射したレーザ光のこの反射膜102からの反射光に基づき、ピットとランドの組み合わせにより記録される情報を検出することができる。
図2は、上記ディスク100の製造工程について説明するための図である。
ディスク100を製造するにあたっては、先ず図中のフォーマット化工程S11を実行するようにされる。このフォーマット化工程S11は、例えばコンピュータ等を用いて行うことになる。
このフォーマット化工程S11では、ディスク100に対して記録されるべきコンテンツデータ(ユーザデータ)について、所定の規格に応じたフォーマットデータ列が得られるように変換動作を行う。すなわち、実施の形態の場合は、後の図3にて説明するようなブルーレイディスクの規格に応じたデータ列が得られるように変換動作を行う。また、実際には、ユーザデータに対する誤り検出符号及び誤り訂正符号の付加、インターリーブ処理等も行うようにされる。
可変長変調工程S12では、フォーマット化工程S11により生成されたデータ列に対して可変長変調処理を施す。実施の形態の場合では、RLL(1,7)PP(Parity preserve/prohibit、RLL:Run Length Limited)変調処理及びNRZI(Non Return to Zero Inverse)変調処理を施すことになる。この可変長変調工程S12により得られたデータ列の”0””1”パターンが、実際にディスク100に対して形成されるピットとランドのパターンとなる。
このようにユーザデータについてフォーマット化、可変長変調処理が施されて得られたデータを、ここでは主データと呼ぶ。
続いて、原盤生成工程S13を行う。原盤生成工程S13は、マスタリング装置を用いて行う。
原盤生成工程S13では、先ずガラス原盤に対してフォトレジストを塗布する。そして、このようにフォトレジストが塗布されたガラス原盤を回転駆動した状態で上記可変長変調工程S12にて生成した主データに応じたレーザ光を照射することで、記録トラックに沿った凹凸のパターンを形成する。つまり、ピットとランドを形成していく。
次いで、ピットとランドが形成されたレジストを現像処理することでガラス原盤上に定着させ、さらに原盤表面に対して電解メッキを施すことで、図示する金属原盤D14を生成する。
このように生成した金属原盤D14を用いて、ディスク形成工程S15を行う。
ディスク形成工程S15では、先ず上記金属原盤D14をもとにスタンパを作成する。そして、このスタンパを成形金型内に配置して、射出成型機を用いてポリカーボネートやアクリル等の透明樹脂により基板101を形成する。この基板101には、先の変調工程S12にて生成された主データに応じたピットとランドのパターンが記録トラックに沿って形成されることになる。
そして、この基板101に対して、先ずは反射膜102を蒸着等により積層し、さらにこの反射膜102上にカバー層103を積層する。これによって先ずは主データのみが記録されたディスク(主データ記録ディスク)D16を形成する。
続いて、副データ記録工程S17を実行する。
ここで、実施の形態では、上記のようにしてピットとランドのパターンによって記録される主データ以外に、副データを記録するものとしている。
この場合、副データは、そのデータ内容部分となる実データとして、ディスク100(ディスクD16)個々にユニークとなるシリアル番号情報を記録するものとしている。すなわち、これによって当該副データ記録工程S17により生成される各ディスク100としては、そのディスク100に固有の識別情報(識別番号)が付加されることになる。
また、副データとしては、上記実データとしての識別情報に加え、この場合はエラー訂正符号も付加するようにされる。このエラー訂正符号が付されることで、再生時に上記識別情報についてのエラー訂正処理を行うことが可能となる。
そして、上記副データとしては、後述するようにしてピットとランドとによる上記主データの特定区間における、特定の位置に対して、反射膜102に記録パワーによるレーザ照射によるマークが形成されて記録されることになる。
このような副データ記録工程S17は、後に図4にて説明する副データ記録装置50によって行われることになる。
なお、上記副データとして、この場合は識別情報とエラー訂正符号のみを含むものとするが、他のデータを付加することもできる。
図3は、上記製造工程により製造されるディスク100に記録される主データのデータ構造について示している。
先ず、図示するようにしてRUBと称される1つの記録単位が定義される。1つのRUBは、16個のアドレスユニット(図中「sector」)と2つのリンキングフレームから成るようにされる。リンキングフレームは、各RUB間の緩衝領域として設けられている。
1アドレスユニットは、この場合1つのアドレス単位を形成する。
そして、それぞれのアドレスユニットは、図示するようにして31個のフレームから成る。さらに1つのフレームは1932チャンネルビットのデータから成る。
実施の形態で例示しているブルーレイディスクにおいて、主データはRLL(1,7)PP変調ルールに従ったものとなるで、符号”0”と”1”との連続数(つまりピット長とランド長)は何れも2T(チャンネルビット)から8Tの長さに制約されている。
各フレームの先頭に位置するsyncでは、この変調ルールに従わない9Tによる連続符号が挿入されて再生時のフレーム同期信号の検出に用いられる。
<2.副データ記録装置>

続いて、図4に、ディスクD16に対して上述の副データを記録するための副データ記録装置50の構成を示す。
先にも説明したように副データとしては、そのデータ内容として各ディスク100に固有となる識別情報を記録するものとしている。従ってこの副データ記録装置50の動作としては、装填されるディスク100ごとに異なるパターンによる副データを記録するようにされる。
また、副データは、ディスクD16上において予めこれを記録する区間が定められ、さらにこの区間内においてそれぞれのマークを挿入する位置としても予め定められている。副データ記録装置50としては、このような予め定められた特定の位置にマークが記録できるように構成されている。
先ず、ディスクD16は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ51によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。このように回転駆動されるディスクD16に対し、図示する光ピックアップOPが記録信号(主データ)の読み出しを行う。
この光ピックアップOPには、図示するようにしてレーザ光源となるレーザダイオードLD、レーザ光をディスク100の記録面に集光・照射するための対物レンズ52、ディスクD16からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタPD等が備えられている。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタPDによって検出された反射光情報は、IV変換回路53にて電気信号に変換された後、マトリクス回路54に供給される。マトリクス回路54は、IV変換回路53からの反射光情報に基づいて再生信号RF、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを生成する。
サーボ回路55は、マトリクス回路54からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づき、2軸駆動回路56が出力するトラッキングドライブ信号TD及びフォーカスドライブ信号FDを制御する。これらトラッキングドライブ信号TD・フォーカスドライブ信号FDは、光ピックアップOP内にて対物レンズ52を保持する2軸機構(図示せず)に対して供給され、これらの信号に基づき対物レンズ52がトラッキング方向、フォーカス方向に駆動されるようになっている。
これらサーボ回路55、2軸駆動回路56、2軸機構によるトラッキングサーボ・フォーカスサーボ系において、上記サーボ回路55が上記トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づく制御を行うことで、ディスクD16に照射されるレーザ光のビームスポットがディスクD16に形成されるピット列(記録トラック)をトレースし且つ適正なフォーカス状態で維持されるように制御が行われるようになっている。
また、上記マトリクス回路54にて生成された再生信号RFは2値化回路57に供給され、ここで”0””1”の2値化データに変換される。この2値化データは同期検出回路58、及びPLL(Phase Locked Loop)回路59に対して供給される。
PLL回路59は、供給される2値化データに同期したクロックCLKを生成し、これを必要な各部の動作クロックとして供給する。特に、このクロックCLKは上記2値化回路57、及び次に説明する同期検出回路58、アドレス検出回路60、及び副データ発生回路61の動作クロックとしても供給される。
同期検出回路58は、供給される2値化データから先の図3に示したフレームごとに挿入されるsyncパターンを検出する。具体的には、この場合のsyncパターンとされる9T区間を検出してフレーム同期検出を行う。
フレーム同期信号はアドレス検出回路60を始めとした必要な各部に対して供給される。
アドレス検出回路60は、上記フレーム同期信号と供給される2値化データとに基づき、アドレス情報の検出を行う。検出されたアドレス情報は当該副データ記録装置50の全体制御を行う図示されないコントローラに供給されてシーク動作等に用いられる。また、このアドレス情報は、副データ発生回路61における記録パルス生成回路63に対しても供給される。
副データ発生回路61は、図示するようにして記録パルス生成回路63、RAM(Randam Access Memory)62を備えている。この副データ発生回路61は、入力される副データ、及び上記アドレス検出回路60から供給されるアドレス情報とPLL回路59から供給されるクロックCLKとに基づき、ディスクD16に対して記録されるべき副データを後の図5にて説明する形態により記録するための記録パルス信号Wrpを生成する。
なお、この副データ発生回路61による動作については後述する。
レーザパワー制御部64は、上記副データ発生回路61から出力される記録パルス信号Wrpに基づき、光ピックアップOP内のレーザダイオードLDのレーザパワーを制御する。具体的にこの場合のレーザパワー制御部64は、記録パルス信号WrpがLレベルのときは再生パワーによるレーザ出力が得られるように制御する。また、記録パルス信号WrpがHレベルのときは記録パワーとなるように制御を行う。
このレーザパワー制御部64の制御によって記録パワーによるレーザ照射が行われることで、このレーザ照射部分における反射膜102にマークが形成されることになる。このように反射膜102に形成されるマークによってディスクD16上に副データが記録されることになる。
図5は、上記した副データ発生回路61の動作によって実現しようとする副データの記録形態について説明するための図である。
この図5では、副データを構成する1ビットの符号として”0”を記録する場合と”1”を記録する場合のそれぞれの例を示している。
先ず、符号の表現方法としては、主データ中に存在する所定長のランドについて、隣接する奇数番目(odd)と偶数番目(even)とを1組として考える。そして、これら所定長のランドの隣接する奇数番目と偶数番目の1組ごとについて、奇数番目に対してマークを記録した場合は符号”0”、偶数番目にマークを記録した場合は”1”と定義付ける。
この図5の例では、所定長ランドとして、5Tのランドに対してマークを記録する例を示している。
そして、この場合は、副データを構成する1ビットの符号の記録に割り当てる区間として、1アドレス単位となる1アドレスユニットを割り当てている。
つまり、この図に示されるようにして、1アドレスユニット内の隣接する奇数番目と偶数番目の所定長ランドの組ごとに、同一の符号を表現する形態でマークを記録していく。
具体的に、符号”0”を記録するとした場合は、図示するようにして1アドレスユニット内の所定長ランドの奇数番目のみにマークを記録するようにされる。
また、符号”1”を記録するとしたときは1アドレスユニット内の所定長ランドの偶数番目に対してのみマークを記録するようにする。
詳しくは後述するが、再生時においては、1アドレスユニット内の所定長ランドの隣接する奇数番目と偶数番目の組ごとに再生信号RFについてサンプリングを行い、奇数番目でサンプリングした再生信号RFの値から偶数番目でサンプリングした再生信号RFの値を減算する(「odd−even」)。
ここで、従来と同様にして、記録したマークの再生信号レベルがマーク未記録部分での再生信号レベルに比べ低くなる例で考えると、奇数番目にのみマークが記録された符号”0”の場合、このような「odd−even」の演算を行うと、理想的には隣接する所定長ランドごとに負の値が得られる。すなわち、このように各隣接する所定長ランドごとに演算された「odd−even」の値を積分すると、確実に負の値が得られこれを検出することができる。
逆に、偶数番目にのみマークが記録される符号”1”の場合、隣接する所定長ランドごとに演算される「odd−even」の値は理想的には正の値となる。従ってこれを積分することで確実に正の値が得られてこれを検出することが可能となる。
なお、本実施の形態のディスク100としては、後述するようにしてマーク形成部分での再生信号レベルが上昇するようにされるものとなるので、実際には奇数番目にのみマーク記録が行われた場合は正の値が検出され、偶数番目にのみマーク記録が行われた場合は負の値が検出されることになる。
ここでは説明の便宜上、副データ記録装置50により従来と同様の手法により記録が行われ、マーク記録部分では再生信号レベルが低下するものとして以下の説明を続ける。
ここで、上記のように特定の区間にわたって同一の記録パターンを繰り返して記録し、再生時にはこれら複数の同一記録パターンに基づいて1つの値を判定するようにされていることで、マーク記録により与える反射率変化は微少なもので足ものとすることができる。このようにマーク記録に伴う反射率変化を微小なものとできることで、記録されたマークが主データの2値化処理に影響を与えないようにすることができる。
副データを構成する他の符号についても、上記と同様の手法によりマークを記録していく。
つまりこの場合、副データは、これを構成する符号と同数のアドレスユニットにわたって記録されることになる。
このように副データを記録する区間(以下、副データ記録対象区間とも呼ぶ)は、予め副データ記録装置50と再生装置との間で定められている。従って副データ記録装置50では、このように予め定められた副データ記録対象区間としての複数のアドレスユニットにわたって上述したマークの記録を実行するように構成されている。
ここで、上記の記録手法において、注意すべきは、所定長ランドに対して記録するマークがエッジ部分に対して記録されてしまった場合には、主データの2値化が適正に行われなくなってしまう可能正があるということである。すなわち、このようにして所定長ランドのエッジ部分にマークが記録された場合、マーク記録部分では反射率がその分低下する傾向となるので、2値化処理において誤ったランド長(又はピット長)が検出されてしまう可能性がある。
そこでマークとしては、記録対象となるランドの中央部に記録するものとしている。これによればエッジ部分は通常どおり得ることができるので、この点でも2値化処理に影響を与えないように図られている。
以上のような形態による記録動作が得られるように、図4に示した副データ発生回路61内の記録パルス生成回路63は、図5中に示されるようなタイミングによる記録パルス信号Wrpを生成する。つまりは、符号”0”に対応しては、奇数番目の所定長ランドにおける中央部のみでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成する。また符号”1”に対応しては偶数番目の所定長ランドにおける中央部のみでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成する。
上記説明による記録手法を実現するための構成及び動作について、次の図6及び図7を用いて説明する。
先ず、上記もしているように、副データの記録は、予め定められたディスクD16上の副データ記録対象区間において行われるものである。そして、このように定められた副データ記録対象区間において、先に説明したように各アドレスユニット内の所定長ランドの奇数番目或いは偶数番目にのみマークを記録するにあたっては、このような副データ記録対象区間内における各アドレスユニット内の主データの内容を把握する必要がある。
そこで、図4に示した副データ発生回路61では、このような記録対象区間内の各アドレスユニットごとの主データの内容を、予めRAM62内に格納しておくものとされる。
図6は、RAM62内のデータ構造を示している。
先ず、図示するアドレスは、副データ記録対象区間内の各アドレスユニットのアドレス情報を示している。そして、このアドレスごとに、それぞれのアドレスユニットで記録される主データの内容が格納されている。
なお、確認のために述べておくと、副データ記録装置50としては、ディスクD16(ディスク100)の製造業者側で管理する装置である。従ってROMディスクであるディスクD16についてはそこに記録される主データの内容は予め把握しておくことができる。このため、上記のようにしてRAM62に対しては、予めアドレス対応に実際にディスクD16に記録される主データの内容を格納しておくことができる。
また、このRAM62に対しては、さらにアドレス対応にそのアドレスに記録すべき副データの値が格納される。RAM62への副データの各値の格納は、記録パルス生成回路63によって行われる。記録パルス生成回路63は、外部から供給される副データの各値を、副データ記録対象区間において先頭となるアドレスから順にRAM62に格納していく。
このようにしてRAM62に格納されるデータ内容により、記録パルス生成回路63では、主データ中の所定長のランド部分を特定し、さらにその奇数番目と偶数番目を特定することができる。
また、これと共に、上記のようにしてアドレス対応に格納された副データの値を参照することで、特定された所定長ランドの奇数番目と偶数番目のうちマークを挿入すべき方を特定できる。
具体的に、そのアドレスに対応付けられて格納された値が”0”であった場合は、先の図5にて示したようにして、そのアドレスのアドレスユニット内では奇数番目の所定長ランドに対してマークを挿入すべきものとなり、また”1”であった場合は偶数番目に挿入すべきものとして認識することができる。
さらに、この場合マークは、上述もしたように記録対象ランドの中央部分に挿入すべきものとされている。従って、上記のように記録対象ランドを特定した上で、マークがそのランドの中央部に記録されるタイミングでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成するようにされる。
このような記録パルス信号Wrpの生成の具体例としては、先ず1アドレスユニット分のチャンネルビット数によるALL0データを用意する。そして、このALL0データについて、上記のように特定されるタイミングで符号”1”を挿入したデータ列を生成すればよい。つまりは、1アドレスユニット分のデータ列として、マークを挿入すべきビット位置のみが”1”とされ、それ以外がすべて”0”となるデータ列を生成する。
このようなデータ列に基づくことで、記録パルス生成回路63は、先の図5において示したような然るべきマーク記録位置のタイミングでのみHレベルとなる記録パルス信号Wrpをレーザパワー制御部64に供給することができる。
続いて、図7のフローチャートを用いて、副データ記録装置50にて行われる副データの記録動作についてより詳細に説明する。
先ず、ステップS101では、ディスクD16が装填される。また、ステップS102では副データが入力される。副データ記録装置50に対して入力された副データは、図4においても示したように副データ発生回路61に供給される。
先にも述べたように、ここで入力される副データとしては、ディスクD16(ディスク100)ごとに固有となる識別情報とエラー訂正符号とを含むデータとなる。
なお、ここでは副データの入力がディスク100の装填後に行われるものとしているがこれらが前後しても構わない。
ステップS103においては、副データの各値をアドレスごとに格納する。
つまり、このステップS103の動作は、副データ発生回路61内の記録パルス生成回路63が入力された副データの各値を、先の図6に示した構造によるRAM62に対してアドレスごとに格納する動作に相当する。
ステップS104では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS104は、記録パルス生成回路63が、以下で説明するようにして各アドレスごとにデータ列を生成する動作を行うにあたり、内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS105では、Nアドレスに記録すべき副データの値を判別する動作を行う。つまりこのステップS105の動作として、記録パルス生成回路63は、RAM62内にアドレス対応に格納される副データの値のうち、上記したカウンタの値に基づく該当アドレスに対応付けられた値の”0””1”を判別する。
副データの値が”1”であったと判別した場合、記録パルス生成回路63は、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その偶数番目の中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する(ステップS106)。
つまり、これによって1アドレスユニット分のチャンネルビット数によるデータ列として、上記のように偶数番目となる所定長ランドの中央部となるタイミングでのみ”1”となり、それ以外の符号がすべて”0”となるデータ列が生成される。
一方、副データの値が”0”であったと判別した場合、記録パルス生成回路63は、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その奇数番目の中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する(ステップS107)。つまり、これによって1アドレスユニット分のチャンネルビット数によるデータ列として、上記のように奇数番目の所定長ランドの中央部となるタイミングでのみ”1”となり、それ以外の符号がすべて”0”となるデータ列が生成される。
先の説明からも理解されるように、このようなデータ列の生成は、記録パルス生成回路63が、RAM62に各アドレス対応に格納される主データの内容に基づき、偶数番目或いは奇数番目の所定長ランドの特定、及びそのランドの中央部となるビット位置を特定することで行うことができる。
そして、このように1アドレスユニット分のデータ列を生成すると、記録パルス生成回路63は、アドレスが終了したか否かについて判別する(S108)。つまり、副データ記録対象区間内の全てのアドレスユニットについて上記データ列の生成が完了したか否かを判別するものである。このステップS108動作は、記録パルス生成回路63が先のステップS104にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行う。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS109)した後、先のステップS105に戻るようにされる。これによって副データ記録対象区間の全てのアドレスユニットについて上記データ列を生成する動作を行うようにされる。
ステップS108において、カウンタの値が上記所定値に達してアドレスが終了したとされた場合は、ステップS110において副データの記録が開始となる。
この副データの記録開始に応じては、先ず、ディスク100上の副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークする動作を行う(ステップS111)。このステップS111のシーク動作は、例えば副データ記録装置50の全体制御を行うコントローラが、予め定めれた副データ記録対象区間のアドレス情報に基づいて必要な各部を制御することで行うことができる。
そして、このように副データ記録対象区間の先頭アドレスへのシーク動作が行われたことに応じて、副データ発生回路63は、先のステップS106、S107の動作によってアドレスユニットごとに生成したデータ列に基づく記録パルス信号Wrpを生成し、これをレーザパワー制御部64に対して出力する(ステップS112)。このデータ列に基づく記録パルス信号Wrpの生成は、再生される主データとの同期がとられるようにクロックCLKのタイミングに基づいて行う。
また、この記録パルス信号Wrpの出力は、アドレス検出回路14から供給されるアドレス情報として、上記記録対象区間の先頭アドレスの情報が供給されたことをトリガとして開始する。
上記のように記録パルス生成回路63にて上記データ列に基づいて生成される記録パルス信号Wrpとしては、図5に示したような然るべきタイミングでHレベルとなる信号が得られる。従ってこの記録パルス信号Wrpに基づいてレーザパワー制御部64がレーザダイオードLDのレーザ出力を再生パワーから記録パワーに制御することで、ディスクD16に対しては、入力された副データの値に応じた適正な位置にマークを記録することができる。
なお、副データは外部から入力されるものとしたが、ディスクD16の装填ごとに新たなシリアル番号を生成する回路を設け、この回路から入力される識別情報に基づく副データをRAM62に格納する構成とすることもできる。
また、説明は省略したが、記録される主データの内容が同一となる、同一タイトルによるディスクD16については、RAM62内に格納する主データは同一内容のままで副データの記録を行うことができるが、異なるタイトルのディスクD16について副データを記録するときは、RAM62内に格納される主データの内容をそのディスクD16に記録される主データの内容に応じて更新するものとすればよい。
<3.再生装置>

続いては、これまでの説明のようにして反射膜102に対して形成されたマークによって副データが記録されるディスク100について再生を行う再生装置1の構成について、次の図8のブロック図を参照して説明する。
なお、図8では、主に副データの再生に係る部分のみを抽出して示しており、主データの再生系の構成として特に2値化処理後段の復調系の構成については省略している。
また、ここでは、図中破線により囲った反転回路15、及び判定回路16はないものとして説明する。
この再生装置1において、ディスク100は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ2によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。この回転駆動されるディスク100に対し、この場合も図示する光ピックアップOPが記録信号(主データ)の読み出しを行う。
なお、図示は省略したが、この場合の光ピックアップOPにおいても、レーザ光源となるレーザダイオード、レーザ光をディスク100の記録面に集光・照射するための対物レンズ、対物レンズをトラッキング方向及びフォーカス方向に変位可能に保持する2軸機構、ディスク100からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタ等が備えられている。
また、確認のために述べておくと、再生装置1においてディスク100に照射するレーザ光は再生パワーによるものである。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタによって検出された反射光情報は、IV変換回路3にて電気信号に変換された後、マトリクス回路4に供給される。マトリクス回路4は、IV変換回路3からの反射光情報に基づいて再生信号RFを生成する。
また、図示はしていないが、このマトリクス回路4にて生成される信号としてはトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEもある。これらは図示されないサーボ回路に供給されてそれぞれトラッキングサーボ、フォーカスサーボ制御動作に用いられる。
マトリクス回路4にて生成された再生信号RFは、2値化回路5に供給されると共に、後述するA/Dコンバータ11に対しても分岐して供給される。
2値化回路5は、供給される再生信号RFを”0””1”の2値化データに変換する。そして、この2値化データをPLL回路8、同期検出回路9、アドレス検出回路10に対して供給する。
また、2値化データは後述する検出パルス生成部12内の検出パルス生成回路12aに対しても供給される。
PLL回路8は、供給される2値化データに同期したクロックCLKを生成し、これを必要な各部の動作クロックとして供給する。特に、この場合のクロックCLKは上記検出パルス生成回路12aに対しても供給される(図示せず)。
同期検出回路9は、供給される2値化データから先の図3に示したフレームごとに挿入されるsync部分を検出する。具体的には、この場合のsyncパターンとされる9T区間を検出してフレーム同期検出を行う。
フレーム同期信号はアドレス検出回路10を始めとした必要な各部に供給される。
アドレス検出回路10は、上記フレーム同期信号に基づき、供給される2値化データからアドレス情報の検出を行う。検出されたアドレス情報は当該再生装置1の全体制御を行う図示されないコントローラに供給されてシーク動作等に用いられる。また、このアドレス情報は、検出パルス生成部12内の検出パルス生成回路12aに対しても供給される。
なお、確認のために述べておくと、これまでに説明した光ピックアップOP、IV変換回路3、マトリクス回路4、2値化回路5、PLL回路8、同期検出回路9、アドレス検出回路10は、ディスク100に対して記録された主データについての再生時にも用いられる部分である。つまりはこれらの各部は、副データの再生にあたり主データの再生系の構成を共用している部分である。
検出パルス生成部12は、副データとしての識別情報の再生にあたり、先の副データ記録装置50との間で共通となるようにして定められたマークの記録方法に応じた検出ポイントを示す検出パルス信号Dpを生成する。
この検出パルス生成部12内には、検出パルス生成回路12aとRAM12bとが備えられる。検出パルス生成回路12aは、RAM12bに格納した情報に基づいて上記検出パルスDpを生成する。そして、生成した検出パルス信号DpをA/Dコンバータ11に対して供給する。
A/Dコンバータ11にはマトリクス回路4からの再生信号RFが供給されている。このA/Dコンバータ11は、供給される再生信号RFを上記検出パルス信号Dpによって指示されるタイミングでサンプリングし、その値を副データ検出回路13に供給する。
副データ検出回路13は、A/Dコンバータ11から供給される値について所定演算を行って副データの各値を検出する。つまり、例えばこの場合は先に述べた「odd−even」に対応する演算を行った結果に基づいて副データの各値を検出することになる。
なお、これら検出パルス生成部12、A/Dコンバータ11、副データ検出回路13により行われる副データの値の検出動作については後述する。
副データ検出回路13にて検出された副データの値は、ECC(Error Correcting Code)回路14に供給される。なお、先にも述べたようにここでの説明では破線中の反転回路15及び判定回路16はないものとして考える。
この場合の副データとしては、識別情報とエラー訂正符号を含むものである。このECC回路14では、副データ中の上記エラー訂正符号に基づきエラー訂正処理を行うことによって上記識別情報を再生する。
再生された識別情報は、図示するホストコンピュータ6に供給される。
ホストコンピュータ6は、当該再生装置1の全体制御を行う図示されないコントローラに対してコマンドの送出を行って各種の動作を指示する。例えば、ディスク100に記録される主データの再生を指示するコマンドの送出を行う。これに応じてディスク100から再生された主データは、2値化回路5にて2値化された後に図示されない復調系にて復調(RLL1−7PP復調)やエラー訂正処理等が為されてこのホストコンピュータ6に供給されることになる。
また、このホストコンピュータ6に対しては、所要のネットワークを介したデータ通信を行うためのネットワークインタフェース7が備えられている。これによりホストコンピュータ6は例えばインターネット等の所定のネットワークを介した外部機器、特に図示する管理サーバ70との間でデータ通信が可能とされている。
なお、ホストコンピュータ6及び管理サーバ70による本実施の形態としての動作については後述する。
上記構成による再生装置50において行われる副データの値の検出動作について、次の図9を参照して説明する。
図9では、ディスク100上の1アドレスユニットに対し、副データの1ビットの値としてそれぞれ”0”が割り当てられた場合と”1”が割り当てられた場合とでのマークの記録状態を示している。なお、この図では説明のため、主データとしてのピットとランドが同じパターンで形成された場合を示している。
先ず、先にも説明したように副データとしては、ディスク100上の所定の副データ記録対象区間において、各アドレスユニットごとにそれぞれ1ビットの情報を割り当てるようにして記録される。
また、符号の表現方法としては、この場合、所定長のランドのうち奇数番目にマークを記録した場合は”0”、偶数番目にマークを記録した場合は”1”を定義している。つまり、図示するようにして符号”0”のときは、そのアドレスユニット内では所定長のランドのうちの奇数番目にのみマークが記録される。また、符号”1”のとき、そのアドレスユニット内では所定長のランドのうちの偶数番目にのみマークが記録されたものとなる。
ここで、これまでの説明では、マークが記録された部分は、反射率が微少に低下する部分として扱っている。このことによると、再生信号RFの波形としては、図示するようにしてマークの記録された部分でそのレベルが微少に低下することになる。
副データの再生では、このようなマーク記録部分での微少な反射率の変化に基づき各値を判定する動作を行うことになる。
なお、先にも説明したように、副データの記録時において各マークは所定長ランドの中央部に対して記録するようにされている。このようにランドの中央部にマークが記録されることで、この図に示される再生信号RFの波形を参照してわかるように、マークが記録されるランドではその中央部のみでレベルが低下するようにされてエッジ部分の波形は通常どおり得られる。このことで、先に述べたようにして主データの2値化に影響を与えないようにすることができる。
ここで、上記説明によれば、符号”0”のときは奇数番目の所定長ランドでのみ再生信号RFの値が微少に低下することになる。また、符号”1”のときは偶数番目の所定長ランドでのみ再生信号RFの値が微少に低下する。
従ってこの場合、各アドレスユニットに割り与えられた副データの各値を判定するにあたっては、そのアドレスユニット内の所定長ランドについて奇数番目と偶数番目のどちらの方で再生信号RFの値が低下しているかを検出すればよいことになる。
マーク記録部分での再生信号RFの値の低下は、例えばマーク未記録部分での再生信号RFの値からの差を求めることで検出できる。
この際、上述のようにして符号”0”のときは奇数番目のみ、符号”1”のときは偶数番目のみにマークが記録されるということは、換言すれば、符号”0”のときは必ず偶数番目が未記録部分、”1”のときは奇数番目が必ず未記録部分となることがわかる。
このことから、隣合う奇数番目(odd)と偶数番目(even)について、「odd−even」による演算を行うことで、oddとevenのどちらで再生信号RFの値が低下している(マークが記録されている)かを調べることができる。
具体的に、この「odd−even」が負の値であれば奇数番目での再生信号RFの値が低下しているものであり、よって奇数番目にマークが記録されていることがわかる。逆に「odd−even」が正の値であれば偶数番目の値の低下となり、偶数番目にマークが記録されていることがわかる。
但し、実際において、再生信号RFにはノイズ成分が重畳される。上記もしているようにマーク記録部分での再生信号RFの値の低下は微少なものであり、このようなノイズ成分に埋もれる可能性もある。従って所定長ランドの隣り合う偶数番目の1組についてのみ上記「odd−even」による検出を行ったのでは確実に値を判定することが困難となる。
このため、副データの再生動作としては、上記のように隣り合う奇数番目と偶数番目の組ごとに算出した「odd−even」の値を積分し、この積分値に基づいてそのアドレスユニットに割り当てられた1ビットの値を判定するものとしている。このようにすることで、副データの値をより確実に検出することができる。
ところで、上記のような「odd−even」の算出のためには、oddとeven、すなわち奇数番目と偶数番目の双方の所定長ランドの中央部分で得られる再生信号RFの値をサンプリングする必要がある。この「odd−even」算出のためのサンプリングタイミングを指示するための信号として、図8に示した検出パルス生成部12は、図中検出パルス信号Dpを生成する。
ここで、上記のような「odd−even」算出のための検出パルス信号Dpとしては、図9を参照してわかるように、主データ中に得られる所定長ランドの中央部でのみHレベルとなる信号を生成すればよい。
そして、このような検出パルス信号Dpの生成にあたっては、先の副データ記録装置50の場合での記録パルス信号Wrpの生成と同様に、ディスク100上の副データ記録対象区間において記録される主データの内容から該当するタイミングを生成すればよい。
但し、再生装置1としては、副データ記録装置50の場合のようにディスク製造側で使用されるものではないことから、ディスク100に記録されている内容を予め装置内部に格納するということはできない。そこで再生装置1としては、装填されたディスク100から副データ記録対象区間の主データを読み出し、これを装置内部に格納して上記検出パルス信号Dpの生成に用いるようにしている。
このように読み出された副データ記録対象区間の主データを格納するためのメモリとして、再生装置1では、図8に示した検出パルス生成部12内のRAM12bを設けている。そのデータ構造は、次の図10に示されるように、各アドレス対応に読み出された主データが格納されるものとなる。
検出パルス生成部12内の検出パルス生成回路12aでは、このようにRAM12bに格納される記録対象区間内の主データの内容に基づいて、先の記録パルス信号Wrp生成の場合と同様に、該当するタイミングでのみ”1”となりそれ以外が全て”0”となるデータ列を生成する。そして、このように生成したデータ列に基づく検出パルス信号Dpを生成してこれをA/Dコンバータ11に供給する。この検出パルス信号Dpにより指示されるタイミングでA/Dコンバータ11が再生信号RFの値をサンプリングすることで、先の図9に示したような適切なタイミングで再生信号RFの値をサンプリングすることができる。
続いて、次の図11のフローチャートにより、再生装置1において行われる副データ再生時のより詳細な動作について説明する。
先ずステップS201においてディスク100が装填されると、ステップS202におて、ディスク100上の副データ記録対象区間について、アドレスごとに主データを格納する動作を行う。
ここで、ディスク100の装填に応じては、例えば図8に示したホストコンピュータ6の指示に応じて、予め副データ記録装置50との間で定められた副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークして当該記録対象区間に記録される主データを読み出す動作が実行される。このように読み出される主データについて、図8に示した検出パルス生成回路12aは、2値化回路5から供給される2値化データを、アドレス検出回路10から供給されるアドレス情報に基づき各アドレスごとにRAM12b内に格納する。
ステップS203では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS203は、検出パルス生成回路12aが再生信号RFのサンプリングタイミングを示すデータ列を、次に説明するようにして各アドレスユニットごとに生成する動作を行うにあたり、内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS204では、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する。
このステップS204の動作は、検出パルス生成回路12aがRAM12b内に格納した主データの内容を参照して行う。つまり、検出パルス生成回路12aは、RAM12b内においてNアドレスに対応づけられて格納された主データについて、その中の所定長ランドの中央部となる位置のみが”1”となりそれ以外が全て”0”によるデータ列を生成する。例えばこの場合では、5Tのランドに対してマークを記録するようにされているので、この5T区間の3番目となるビット位置のみが”1”となり、それ以外が全て”0”となるデータ列を生成すればよい。
このような動作により、Nアドレスのアドレスユニット内でのサンプリングポイントを示すデータ列が生成される。
そして、このように1アドレスユニット分のサンプリングポイントを示すデータ列を生成すると、検出パルス生成回路12aは、アドレスが終了したか否かについて判別を行う(S205)。つまり、副データ記録対象区間内の全てのアドレスユニットについて上記データ列の生成が完了したか否かを判別するものである。このステップS205動作は、検出パルス生成回路12aが先のステップS203にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行う。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS206)した後、ステップS204に戻るようにされる。これによって副データ記録対象区間の全てのアドレスユニットについて上記データ列を生成する動作を行うようにされる。
ステップS207において、カウンタの値が上記所定値に達してアドレスが終了したとされた場合は、ステップS208において副データの再生が開始となる。
この副データの再生開始に応じてはディスク100上の副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークする動作が行われる(ステップS209)。このステップS209のシーク動作は、例えば図8に示したホストコンピュータ6が予め定めれた副データ記録対象区間のアドレス情報に基づき、先に述べたコントローラ(図示せず)に対する指示を行うことで実現される。
そして、このように副データ記録対象区間の先頭アドレスへのシーク動作が行われたことに応じて、検出パルス生成回路12aは、先のステップS204の動作によってアドレスユニットごとに生成したデータ列に基づく検出パルス信号Dpを生成し、これをA/Dコンバータ11に対して出力する(ステップS209)。この生成データ列に基づく検出パルス信号Dpの生成は、再生される主データとの同期がとられるようにクロックCLKのタイミングに基づいて行う。
また、この検出パルス信号Dpの出力は、アドレス検出回路14から供給されるアドレス情報として、上記記録対象区間の先頭アドレスの情報が供給されたことをトリガとして開始する。
続くステップS210では、上記検出パルス信号Dpに基づいてサンプリングされた値について「odd−even」に基づく演算により副データの値を検出する動作を行う。
このステップS210の動作は、A/Dコンバータ11と副データ検出回路13によって行われる。
つまり、A/Dコンバータ11は、上記検出パルス生成回路12aから供給される検出パルス信号Dpにより指示されるタイミングでマトリクス回路4から供給される再生信号RFの値をサンプリングする。そしてその値を副データ検出回路13に出力する。
副データ検出回路13では、A/Dコンバータ11から供給される値について奇数番目に供給された値から偶数番目に供給された値を減算することで図9にて説明した「odd−even」の演算を行う。そしてこのように演算された「odd−even」の値を1アドレスユニットごとに積分し、この積分値に基づいて副データの値を検出する。
このように検出された副データの各値は、ECC回路14に供給され、この副データ中のエラー訂正符号に基づくエラー訂正処理が行われて識別情報が再生される。そして、再生された識別情報はホストコンピュータ6に供給され、著作権管理情報として使用されることになる。
なお、本実施の形態としての、このようなホストコンピュータ6に供給された識別情報を利用しての動作については後述する。
<4.実施の形態としての光ディスク記録媒体、記録装置、再生装置>

これまでで説明してきたようにして、ディスク100の反射膜102に対して形成されるマークによって、副データについての記録再生を行うことができる。
ここで、先にも述べたように、反射膜102に形成されるマークは、ピットとランドの組み合わせにより記録される主データの再生に影響を与えないように記録されるので、主データについて再生するのみでは副データが再生されることはない。従ってこのような反射膜102上のマークにより記録される副データは、ディスク100の再生信号をコピーする海賊版ディスクにコピーされてしまうことがないというメリットがある。
但し、このようなマークとしては、反射膜102に対して比較的高出力なレーザ光照射を行うことで記録しているものである。このような高出力なレーザ照射が行われた部分ではその媒体温度が上昇し、場合によっては熱膨張等によって反射膜102の下部に位置する基板101が変形してしまう可能性がある。
この様子を図23(a)に示しているが、図中Xと示すマーク記録部分では、温度上昇に伴う例えば熱膨張等が生じた場合、基板101に凹形の窪みが生じてしまうことになる。
ここで、このようなディスク100から、カバー層103及び反射膜102を剥がして基板101を表出させると、図23(b)に示されるようにその表面には副データとしてのマーク記録部分に応じた窪みが残された状態となる。
マーク記録部分に応じて残された凹形状の部分では、回折により微少に反射率が低下することになる。すなわち、このような基板101の形状が物理的に転写されてしまった場合は、副データがそのまま再現された海賊版ディスクを製造することが可能となってしまう。なお、物理的転写による海賊版ディスクとしては、凹形状の窪みが生じた基板101を基にスタンパを作成し、このスタンパを基にレプリカ基板を作成することで大量生産が可能となってしまう。
そこで、このような物理的転写による海賊版ディスクについて対策するための1つの手法として、正規版のディスク100と物理的転写による海賊版ディスクとで、検出される副データの値の極性が逆となるようにすることが考えられる。
つまり、このような極性の違いを利用して、想定される極性で副データの値が得られるか否かを判断することで、正規版ディスクと海賊版ディスクとの判定を行うことができるようにするものである。
このためには、正規版のディスク100として、マーク形成部分での再生信号レベルが上昇する特性が得られるようにすることが考えられるが、先に本出願人は、このようにマーク形成部分での再生信号レベルが上昇するディスク100の開発に成功した。
その特性を次の図12に示す。
図12において、縦軸のAmplitudeは、再生信号RFの値として、マークの記録部分から未記録部分を減算した値を積分した値を示している。つまり、この値が大きいほどマーク記録部分での再生信号RFの値が高いことを示す。また横軸のPw(mW)は記録時のレーザパワーを示している。
この図において、実線により示す特性は、副データ記録装置50によってマーク記録を行った正規版のディスク100についての特性を示し、破線の特性は、正規版のディスク100について物理転写を行った海賊版ディスクについての特性を示している。
なお、この図12に示す実験結果を得るにあたって設定した記録時の条件について説明しておく。
先ず、マーク記録は、ディスク100の所定長のランドとして、5Tのランドを対象として行った。また、ディスク100の反射膜102の材料としては、AgSn合金を採用し、膜厚40nmを成膜した。
また、このディスク100を製造するにあたり副データ記録装置50にて設定した各条件は以下のとおりである。
開口数NA=0.85、レーザ波長λ=405nm、記録線速度=4.9m/s、マーク記録パルス=30ns
また、ディスク100(主データ記録ディスクD16)の構造としては、実施の形態で例示しているブルーレイディスクに準拠したもので、トラックピッチTpは320nm、1Tの長さが78nm、ピット幅はTp/3、ピット深さはλ/5である。
なお、実験で用いた海賊版ディスクは、上記条件によりマーク記録を行ったディスク100から反射膜102を剥離して基板101を抽出し、この基板101から物理転写して得たスタンパを基に成型した基板101に対し、反射膜102を成膜して生成したものである。
先ず、実線により示す今回実験を行った正規版としてのディスク100では、12mW〜25mWのレーザパワーの範囲で、縦軸のAmplitudeの値が0レベルよりも大きな値で上昇していることがわかる。すなわち、このような特性から、マークの記録部分での再生信号レベルが上昇していることが理解できる。
一方、破線により示す海賊版ディスクでは、同じレーザパワーの変化に対し、Amplitudeの値が0レベルよりも小さな値で低下していき、再生信号レベルが低下していることがわかる。
このことから本実施の形態としてのディスク100としては、これを物理転写した海賊版ディスクとはマーク記録部分での再生信号RFの極性が異なるようにされていることがわかる。つまり、これによって正規版のディスク100とこれを基に作成した海賊版ディスクとで、マーク記録部分で再生信号RFの極性がそれぞれ異なるようにすることができる。
なお、実験の結果、ピット部分を対象としてマーク記録を行った場合には、レーザパワーの上昇に対して再生信号レベルは低下するのみであった。つまり、ピット部分を対象としてマーク記録を行った場合、正規版と海賊版とで再生信号RFの極性が逆となることはない。
参考として、次の図13には、図12にて説明した副データ記録装置50の条件の設定の下で、ディスク100にマーク記録を行った場合の基板101の形状をAFM(原子間力顕微鏡)により観察した結果の模式図を示しておく。
図13(a)では基板101の平面の観察結果を示し、図13(b)では図13(a)中の実線Xにより示す切断面での基板101の断面形状を観察した結果を示している。また、図13(b)に示される破線a〜eは、図13(a)に示される破線a〜eの位置を示すものである。
これらの図を参照してわかるように、マーク記録部分Mでは、通常のランド部分の深さ(例えばc〜d)と比較して深さがより深くなっていることが確認できる。このことからも、マーク記録に伴って基板101に凹形状による変形を与えていることが理解できる。また、マーク記録部分Mのマーク幅は、図13(b)において深さが通常ランド部分よりも深くなっている部分の幅としてみることができるが、この場合、マーク幅は図示するように破線a〜bにより示される1トラック分の幅よりも若干広い幅となっていることが確認できる。
ここで、本実施の形態のディスク100において、先の図12の実験結果のようにマーク記録部分の再生信号レベルが上昇し、且つこのディスク100に基づく海賊版ディスクではマーク記録部分の再生信号レベルが低下する原理について、次の図14〜図20を参照して説明する。
先ず、図14により、ピットとランドとの組み合わせにより主データが記録されるディスクについて所定長のランドを対象としてマーク記録を行った場合の、マーク記録部分での再生信号レベルの特性をシミュレーションにより計算した結果を示す。
この図14では、マーク深さを縦軸に、マーク反射率を横軸にとった場合での、マーク記録部分での再生信号RFの値からマークの未記録部分での再生信号RFの値を減算した差分信号(先の図12に示したAmplitudeと同じ)の変化特性を示している。
なお、この図14の計算結果を得るにあたって設定した光学条件を、次の図15により説明すると、先ず、トラックピッチTpは320nm、ピット幅はTp/3(320/3nm)、ピット深さはλ/5とした。また、マークMは、図示するようにマーク幅Mw=マーク長さMlによる正方形を想定し、6Tのランド部分に形成するものとした。この場合、1Tの長さは78nmとし、6Tの長さは468nmである。また、図示はしていないが、この場合のレーザ波長λは405nmであり、開口数NAは0.85である。
また、マーク振幅反射率Rmは、Rm=Am exp(4×pi×i×N×d)とし、Rim-intensityは100%とした。さらに、計算上の単位セルは、22T×3トラックとした。
なお、先の図12にて説明した光学条件と比較してわかるように、この場合のレーザ波長λ、開口数NA、トラックピッチTp、ピット幅、ピット深さの条件は、本例のディスク100(D16)と同等となるように設定した。
図14において、図14(a)、(b)、(c)は、それぞれ上記の光学条件の下で、マーク幅MwをMw=0.5Tp、Mw=1.0Tp、Mw=1.5Tpとしたときの差分信号の特性を示している。この場合、図15の説明によればマーク幅Mw=マーク長さMlなので、これらの図ではそれぞれマークMのサイズを変えたときの差分信号特性を示していることになる。
これら図14(a)〜(c)において、先ず、マークMが未形成であるとすると、マーク深さは「0」、マーク反射率は「1」となる。このようにマークMが未形成であるマーク深さ「0」マーク反射率「1」の交点では、各図において示されるように「記録部分−未記録部分」に基づく差分信号の値は「0」となる。
ここで、再生信号レベルが上昇する要因としては、マーク記録部分での反射率が上昇することが考えられる。或いは、マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇するということもあり得る。
先に本出願人は、国際公開番号WO01/008145において様々な組成の反射膜102についてマーク記録実験を行った結果より、マーク記録部分で反射率が上昇する場合とマーク記録部分で反射率が上昇しない場合とがあることを確認している。
一例として、マーク記録部分で反射率が上昇する反射膜102の組成としては、Ag95.5Cr4.5等が挙げられ(下付数字は各元素の割合を示す)、またマーク反射率が上昇しない組成としてはAg95.0Si5.0等が挙げられている。
ここで、以下では先ず、後者のマーク記録部分で反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する場合について考察してみる。
このようにマーク記録部分で反射率が上昇しないことを前提として図14に注目すると、それぞれの場合において、図中色つきの部分により示す、マーク深さ「0」を起点とした或るマーク深さまでの範囲で、マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する部分が得られていることがわかる。
但しこの場合、図示するようにマーク幅Mw=0.5Tpとした場合は、マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する部分は殆ど得られないことがわかる。一方、マーク幅Mwが1.0Tp、1.5Tpと拡大されるのに応じて、マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する部分が拡大される傾向となっていることがわかる。
このような特性によると、この場合はマーク幅Mw(つまりマークサイズである)が小さすぎると、マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する部分が得られなくなり、よってマーク記録部分で再生信号レベルを上昇させることができない可能性があることがわかる。
従って、マーク記録部分での再生信号レベルを上昇させるためには、マークサイズの大きさが1要素となることがわかる。
また、特に図14(b)を参照してわかるように、マーク深さが或る範囲を超えると、再生信号レベルが負の値に転じて、マーク記録部分で再生信号レベルが低下してしまうことがわかる。これによれば、マーク深さとしても再生信号レベルが上昇する要素であることが理解できる。
また、他のシミュレーションの結果として、図16には、図15にて説明したものと同じ光学条件の設定の下で、マーク深さを変化させたときの差分信号の特性を図14(a)(b)(c)と同様にマーク幅Mw=0.5Tp、1.0Tp、1.5Tpごとに示している。なお、この図16における差分信号はマーク深さd=0のときの再生信号レベルとの差分を示すもので、それぞれのマーク深さとしたときに得られる再生信号レベルそのものを示している。
このシミュレーション結果によると、図16(a)に示すMw=0.5Tpのときは、マーク深さを2nmとしたときにわずかながら差分信号が0レベルから上昇し、再生信号レベルが上昇することがわかる。そしてマーク深さをより深くしていくと、差分信号は負の値に転じ、再生信号レベルが低下することがわかる。
また、マーク幅Mw=Tpのときは、マーク深さを2nm、4nmと拡大したときに差分信号が0レベルよりも大きくなり、さらに深くした場合には再生信号レベルが低下する。
また、マーク幅Mw=1.5Tpとしたときは、マーク深さを深くするに従って差分信号のレベルが上昇し、マーク深さを深くするほど再生信号レベルがより上昇する傾向となることがわかる。
従ってこのシミュレーション結果からも、マーク幅Mw(マークサイズ)とマーク深さとが、マーク記録部分での再生信号レベルが上昇するか否かの決定要素となることが理解できる。
なお、これらの図はあくまでシミュレーションの結果であるので、マーク幅Mwを固定としてマーク深さのみを変化させて示しているが、実際には、マーク深さを深くするためにレーザパワーを上昇させれば、マーク幅Mwもこれに伴って拡大される。
よって、実際の記録としては、レーザパワーの上昇に応じてマーク深さとマーク幅Mwの双方が拡大されることになる。
このことを踏まえると、先の図14の特性としては、実際にはマーク深さが拡大されることで、図14(a)→(b)→(c)の遷移に示すような差分信号の特性の変化が同時的に生じるものとして捉えることができる。
ここで、以上のシミュレーション結果からも理解されるように、マーク記録部分で反射率が上昇しないとの前提の下では、マーク深さとマーク幅の設定により、マーク記録部分での再生信号レベルを上昇させることができることがわかるが、このようにマーク記録部分での再生信号レベルが上昇する要素がマーク深さとマーク幅であるとすると、先に述べたように物理的転写を行った海賊版ディスクではそのまま基板101の窪みが再現されるのであれば海賊版ディスクにおいても同じマーク深さとマーク幅の条件を満たすようになり、結果として同様にマーク記録部分での再生信号レベルが上昇してしまうと考えることもできる。
しかしながら実施の形態のディスク100としては、先の図12にも示したように、物理転写を行った海賊版ディスクでは逆に再生信号レベルが低下する特性となることが確認されている。
このように海賊版のディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するのは、以下のような原理による。
ここで、先の図14、図16では、基板101そのものにマークMとしての溝が形成されるものとして仮定したが、実際には、基板101上に反射膜102が積層されている。
反射膜102に対して記録パワーによるレーザ光を照射した場合、再生光学系が対象とすることになる反射面は、実際には反射膜102の表面ではなく、例えば次の図17(a)中の破線により示されるように基板101と反射率102との間にあることが知られている。ここでは、このように再生光学系が対象とすることになる反射面を光学的な反射面と呼び、その深さを光学的な深さと呼ぶ。
マークが記録されたとき、正規版のディスク100における光学的な深さは、図17(b)に示すような深さとなる。つまり、正規版では、マーク形成に伴う反射膜102の酸化等の光学定数の変化によって、基板101に与えた凹状の窪みに忠実な深さによる光学的な深さとはならず、より浅い位置となる。
これに対し海賊版ディスクとしては、このように光学定数の変化した反射膜102を一旦剥離した後、物理的転写により得た基板101(レプリカ基板)に反射膜102を再成膜することになるから、図17(c)に示されるようにして基板101の窪み形状に忠実に光学的な深さがつくため、正規版の場合の光学的な深さよりもさらに深い位置となる。
このようにして、海賊版ディスクの方が光学的な深さがより深くなることで、正規版ディスクと海賊版ディスクとで再生信号レベルの極性が反転することになる。
このことを、次の図18を用いて説明する。なお、この図18では、先の図14(b)と同様の差分信号特性を示している(マーク幅Mw=Tpのとき)。
この図において、正規版ディスクに対し記録されたマークの深さが図中pSKであったとすると、上記のようにして海賊版ディスクの方が光学的な深さがより深くなっているとすれば、海賊版ディスクでのマーク深さは、例えば図中pKZと示すような位置となり得る。
つまり、このようにして海賊版ディスクの方が光学的な深さがより深くなるようにされることで、正規版ディスクでは差分信号の値が正極性側であったものが、図中の矢印により示すように差分信号=「0」を超えて負極性側に転じることになり、これによって海賊版ディスクと正規版ディスクとで再生信号の極性が逆となるようにされるものである。
ここで、このような原理によると、海賊版ディスクで光学的な深さがより深くなったとしても、例えばディスク100に記録されたマーク深さが充分でない場合には、再生信号レベルが負の値に転じることがない可能性もあることがわかる。
例えば、図18において、仮にディスク100に記録されたマークのマーク深さが図中のpSKの位置よりもかなり浅かったとすると、図中pKZの位置は、差分信号=0のラインの外側には位置せず、再生信号レベルが正規版ディスクと同様のプラスの値となってしまうことも考えられなくはない。
従ってこのことによると、この場合のマーク深さとしては、海賊版ディスクで再生信号レベルが低下するか否かを決定づける要素にもなっているということができる。
このようにして、実際にマーク記録を行ったディスク100(正規版ディスク)ではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し、且つその海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するようになるか否かは、ディスク100に記録されるマークのサイズと深さとがその決定要素となっていることがわかる。
このことから、ディスク100(主データ記録ディスクD16)に対しては、このように正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し、且つ海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さによりマークが記録(形成)されることで、正規版としてのディスク100と海賊版ディスクとで、マーク記録部分で得られる再生信号RFの極性を逆にすることができる。
先に述べたディスク100、副データ記録装置50について設定した光学条件は、このように正規版ではマーク記録部分の再生信号レベルが上昇し、且つ海賊版ではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するようなマークサイズ及びマーク深さが得られる条件を満たしているものである。
これによって、図12に示した実験結果のように、正規版のディスク100と海賊版ディスクとで、マーク記録部分で得られる再生信号レベルの極性を逆にすることができる。そして、このような正規版と海賊版とでの再生信号RFの極性の違いから、正規版ディスクと海賊版ディスクとを判定することができる。
ここで、これまではマーク記録部分で反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇することを前提として説明を行ったが、先にも述べたようにマーク記録部分での反射率が上昇することで再生信号レベルが上昇するということもあり得る。
このようにマーク反射率が上昇することで再生信号レベルが上昇する場合にも、上記と同様に正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し、且つ海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さによりマークが記録(形成)されることで、正規版としてのディスク100と海賊版ディスクとで、マーク記録部分で得られる再生信号RFの極性を逆にすることができる。
図19は、先の図18と同様に差分信号特性のシミュレーション結果(マーク幅Mw=Tp時)を示しているが、上記のようにしてマーク反射率が上昇することで再生信号RFのレベルも上昇する場合には、正規版ディスクに対し記録されたマークのマーク深さ及び反射率は、例えば図中pSKにより示される値となる。すなわち、この場合の点pSKは、マーク形成によって基板101に変形が生じて或る程度のマーク深さが与えられると共に、マーク記録部分で反射率が上昇して再生信号RFが上昇する点を示している。
そして、このような点pSKで特定されるようなマーク深さ及びマーク反射率によるマークが記録された正規版ディスクに基づき、海賊版ディスクが生成された場合について考察してみると、先ずマーク深さについては、先の図17の説明によれば海賊版ディスクでは基板101の窪み形状に忠実に光学的な深さがつくことになるため、この場合としても海賊版の方が正規版よりも光学的な深さがより深いものとなる。
また、反射率については、海賊版では新たに反射膜102を成膜することになるので、マーク部分での反射率は「1」に戻ることになる。
これらのことより、この場合における正規版ディスクから製造される海賊版ディスクのマーク深さ及びマーク反射率は、例えば図19中のpKZにより示されるような値となり得る。つまり、このようなpSKからpKZへの変化のように、差分信号の値が「0」を超えて負極性側に転じるようになることで、この場合としても海賊版ディスクと正規版ディスクとで再生信号RFの極性が逆転するものである。
そして、この図19におけるマーク未記録時→マーク記録時→海賊版ディスクの遷移と、先の図14(a)→(b)→(c)に示したマークサイズに応じた差分信号特性の遷移とを参照してわかるように、この場合としても、正規版ディスクに形成されるマークの深さ及びサイズによっては、上述のように海賊版ディスクで光学的深さがより深くなり且つマーク部分の反射率が「1」となったとしても、差分信号=「0」を超えて負極性側に転じることがない可能性があることが理解できる。
つまりは、この場合としても、正規版ディスクに形成されるマークの深さ及びサイズが、海賊版ディスクと正規版ディスクとで再生信号RFの極性が逆となるか否かを決定づける要素となることが理解できる。
このようなことから、正規版ディスクにおいてマーク反射率が上昇して再生信号レベルが上昇するとした場合にも、先の反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する場合と同様に、ディスク100(主データ記録ディスクD16)に対しては、このように正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し且つ海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さによりマークが記録(形成)されることで、正規版としてのディスク100と海賊版ディスクとでマーク記録部分で得られる再生信号RFの極性を逆にすることができる。
確認のために述べておくと、本実施の形態では、先に述べたディスク100、副データ記録装置50について設定した光学条件により、マーク記録部分の再生信号レベルが正規版では上昇し海賊版ではその極性が逆となる実験結果が得られている。従ってこのようにマーク記録部分でマーク反射率が上昇して再生信号レベルが上昇するとの仮定の下でも、本実施の形態で設定した上記光学条件は、正規版ではマーク記録部分の再生信号レベルが上昇し、且つ海賊版ではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するようなマークサイズ及びマーク深さが得られる条件を満たすものとなる。
なお、上記では反射率が上昇して再生信号レベルが上昇することを前提とした場合として、海賊版ディスクの方が正規版ディスクよりも深い光学的深さが付くことで正規版と海賊版とでマーク部分の再生信号RFの極性が逆転するとして説明を行ったが、正規版と海賊版とで光学的深さが同等となることも考えられなくはない。そして、そのような場合にも、海賊版と正規版とで再生信号RFの極性が逆転するということは考えられなくはない。
このように海賊版と正規版とで光学的深さが同等となる場合であっても海賊版と正規版とでマーク部分の再生信号RFの極性が逆転するケースとしては、次の図20に示すようなケースが考えられる。
なお、この図20においても先の図18、図19と同様にマーク幅Mw=Tpとしたときの差分信号特性のシミュレーション結果を示している。
図20において、この場合もマーク記録に伴っては或る程度のマーク深さ及び反射率上昇が生じ、正規版ディスクに形成されたマークのマーク深さ及びマーク反射率は、例えば図中のpSKとして示すような値が得られ得る。
そして、この場合は正規版ディスクと海賊版ディスクとで光学的深さが同等となることを前提としているので、正規版と海賊版とではマーク深さの差は生じず、従ってマーク反射率が「1」に変化するのみとなる。つまり、この図の例では正規版ディスクのマーク深さ及びマーク反射率を表す上記したpSKに対し、海賊版ディスクにおけるマーク深さ及びマーク反射率は、マーク反射率のみが「1」に変化することで図中pKZの位置となり、差分信号=「0」のラインを超えて負極性側に転じるものとなる。
但し、この図20におけるマーク未記録時→マーク記録時→海賊版ディスクの遷移と先の図14(a)→(b)→(c)に示したマークサイズに応じた差分信号特性の遷移とを参照してわかるように、この場合としても、正規版ディスクにて形成されるマークの深さ及びサイズが適正でない場合は、上記のようにして海賊版ディスクとしてマーク反射率が「1」に変化したとしても、海賊版ディスク側で再生信号RFの極性が負極性に転じない場合があることが理解できる。例えば図20においてマーク深さがおよそ4nm以下の場合には、海賊版ディスク側でも極性は正のままで反転しないものとなっている。
このことから、マーク反射率が上昇して再生信号レベルが上昇する場合において、正規版ディスクと海賊版ディスクとで光学的深さが変わらないことを前提とした場合としても、正規版ディスクに対し形成されるマークの深さ及びサイズが、海賊版ディスクと正規版ディスクとで再生信号の極性が逆転するか否かを決定づける要素になることがわかる。
換言すれば、この場合としてもディスク100(主データ記録ディスクD16)に対しては、正規版ディスクでマーク記録部分の再生信号レベルが上昇し且つ海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さによりマークが記録(形成)されることで、正規版としてのディスク100と海賊版ディスクとで、マーク記録部分で得られる再生信号RFの極性を逆にすることができることに変わりはないことになる。
なお、副データ記録装置50として設定した各条件(開口数NA=0.85、レーザ波長λ=405nm、記録線速度=4.9m/s、マーク記録パルス=30ns、レーザパワー=12mW〜25mW)は、あくまで一例であり、上記説明からも理解されるように、この場合は正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し且つ海賊版ディスクではマーク記録部分で再生信号レベルが低下するマーク深さ及びマークサイズによりマーク記録を行うことができる条件が設定されることで、同様に正規版ディスクと海賊版ディスクとで再生信号の極性が反転するディスク100を生成することができる。
また、ディスク100(主データ記録ディスクD16)として設定する条件も、先に説明した条件(トラックピッチTp=320nm、ピット幅=Tp/3、ピット深さ=λ/5、1Tの長さ=78nm)に限定されるものではなく、他の条件とすることもできる。
さらには、5T(及び6T)のランドではなく他の長さのランドを対象としてマーク記録を行うこともできる。
但し、このようにディスク100(D16)での条件やマークが記録されるランドの長さが変われば、記録されるマークのサイズ及び深さとの相対的な関係も変わるので、図14に示した特性と同じ差分信号特性が得られないことになる。
しかしながら、同じピット・ランドの組み合わせにより主データが記録されるディスクに対してマーク記録を行う条件であれば、図14とは異なるがそれと類似した差分信号特性が得られる(特に反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇することを前提とした場合には、図14にて色つき部分で示したような、マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇する部分が得られる差分信号特性が得られる可能性がある)ので、その場合には、副データ記録装置50として、このように図14の場合とは異なるものとされた差分信号特性に応じて、正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し、且つ海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さによってマーク記録を行うことのできる条件が設定されることで、同様に正規版ディスクと海賊版ディスクとで再生信号の極性が反転するディスク100を生成することができる。
また、先の図2に示したディスク100の製造方法としては、上記のように正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し且つ海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下するマーク深さ及びマークサイズによりマーク記録を行うことができる条件の設定された副データ記録装置50を用いて、副データ記録工程S17が行われることで、正規版ディスクと海賊版ディスクとで再生信号の極性が反転するディスク100を生成することができる。
ここで、確認のために、上記のようにしてマーク記録部分で再生信号レベルが上昇する本例のディスク100の再生信号波形について、次の図21を参照して説明する。なお、この図21では先の図9と同様にディスク100上の1アドレスユニットに対し、副データの1ビットの値としてそれぞれ”0”が割り当てられた場合と”1”が割り当てられた場合とでのマークの記録状態を示している。
この図に示されるようにして、本例のディスク100では、マークが記録された部分では再生信号RFのレベルが微少に上昇する。つまり、この場合の副データとしては、符号”0”のときは奇数番目(odd)の所定長ランドでのみ再生信号RFの値が微少に上昇することになる。また、符号”1”のときは偶数番目(even)の所定長ランドでのみ再生信号RFの値が微少に上昇することとなる。
つまり、この場合において「odd−even」による演算結果としては、符号”0”に対応しては正の値が得られ、符号”1”に対応しては負の値が得られることになる。
なお、先の図8において説明したまでの再生装置1の従来の構成によっては、逆に「odd−even」の値が「負」であることに応じて符号”0”を検出し、「正」であることに応じ符号”1”を検出するようにされていた。この意味で、本例のようにマーク記録部分で再生信号レベルが上昇するようなマーク記録を行った場合においては、従来とは逆の符号が記録されるということになる。
ところで、上記のようにして正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇し、海賊版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが低下する特性を利用すれば、再生装置側において、装填されたディスクが正規版のディスク100であるか、或いは海賊版ディスクであるかの判定を行うことができる。
以下では、このような本実施の形態としてのディスク100の特性を利用して海賊版ディスクの判定を可能とする、本実施の形態としての再生装置1の構成について説明する。
本実施の形態としての再生装置1では、先の図8にて説明した構成に対し、同図中の破線内に示す反転回路15、及び判定回路16を付加するようにされる。
この場合、反転回路15には、副データ検出回路13にて検出された副データの値が供給される。この反転回路15は、供給された副データの値についてその極性を反転し、これをECC回路14に対して供給するようにされる。
ここで、再生装置1にて本実施の形態のディスク100を再生した場合、副データ検出回路13にて検出される副データの値は、上述もしたように従来とは逆の値が得られることになる。つまりこれは、副データ検出回路13において従来と同様に「odd−even」の演算結果が「負」であることに応じ符号”0”を検出し、「正」であることに応じ符号”1”を検出するようにされていることに起因する。この意味で、この場合の副データ検出回路13にて検出される副データの値は、副データ記録装置50側で記録した副データの値とは反転した値が得られることになる。
このことから、上記のように反転回路15により値の反転を行うことで、記録したものと同じ副データの値を得るようにしている。すなわち、このように反転回路15を設けた再生装置1によれば、正規に製造された本実施の形態のディスク100からは、記録時と同じ副データの値を検出することができる。
逆に物理的転写により製造された海賊版ディスクから副データを再生した場合、副データ検出回路13にて検出される副データの値は非反転で、反転回路15を介して得られる副データの値は記録したものの反転パターンとなるようにされる。
すなわち、これによって海賊版ディスクからは正しい副データの値を得ることができないようにすることができる。
ここで、上記のようにして正規版のディスク100からは正しい極性で副データの値が得られることで、ECC回路14においては副データ中の識別情報について正常にエラー訂正処理を行うことができる。すなわち、副データの内容を正しく再生することができる。
逆に、海賊版ディスクからの誤った極性による副データの値については、エラー訂正符号としても逆極性となるので正常にエラー訂正処理を行うことができず、副データの内容(識別情報)を正しく再生することができなくなる。
このことから、このECC回路14でのエラー訂正処理の結果から、副データの値として適正とされる極性が得られているかを判別することができ、この極性の判別結果から正規版のディスク100であるか海賊版ディスクであるかを判定することができる。
このような判定を行うための構成として、再生装置1では、判定回路16を設けている。この判定回路16は図示するようにしてECC回路14と接続されることで、ECC回路14にてエラー訂正処理が正常に行われたか否かを判別できるように構成される。そして、このようにエラー訂正処理が正常に行われたか否かについての判別結果に基づき、上記のようにして正規版のディスク100と海賊版ディスクとの判定を行うことができる。
さらに、本実施の形態では、このような判定回路16の判定結果から、海賊版ディスクが判定された場合、このディスクから再生された識別情報をホストコンピュータ6に転送する。そして、後述するように、この識別情報はホストコンピュータ6がネットワークインタフェース7を介して管理サーバ70に対して送信することで、海賊版ディスクとして流通しているディスクの識別番号として通知されることになる。
但し、海賊版ディスクが判定されたということは、ECC回路14にて正常に識別情報が得られなかった場合である。つまり、上記のようにして海賊版ディスクとして通知するための識別情報を得ることができない。
そこで、判定回路16としては、海賊版ディスクが判定されたことに応じて、副データ検出回路13にて検出された副データの値を正しい極性に変換した上で、これを再度ECC回路14にてエラー訂正処理して識別情報を再生させる動作を行う。
ここで、このようにして判定回路16が行う本実施の形態としての動作について、次の図22のフローチャートを参照して説明する。
先ず、判定回路16は、ECC回路14におけるエラー訂正処理にエラーがあったか否かについて判別を行う(ステップS301)。すなわち、これによって副データ検出回路13にて検出された副データの値として適正な極性が得られたか否かについて判別が行われるもので、この判別結果に基づいて正規版のディスク100であるか海賊版ディスクであるかの判定が行われるものである。
エラーなしとして否定結果が得られた場合は、図示するステップS302の動作として、先ずはリーガルビットとして例えば符号”1”を生成する。
このリーガルビットは、正規版のディスク100であることを示す情報となる。
続くステップS303においては、このように生成したリーガルビットと、ECC回路14のエラー訂正処理によって得られた識別情報とをホストコンピュータ6に転送する動作を行う。
つまり、このような動作によって、正規版のディスク100が判定されることに伴っては、ホストコンピュータ6に対して正規版を示すリーガルビット”1”と識別情報とが転送されることになる。
また、上記したステップS302においてエラー有りとして肯定結果が得られた場合は、ステップS304において、反転回路制御動作を行う。この反転回路制御動作としては、上述のようにして副データの値を正しい極性に変換するための動作である。
すなわち判定回路16は、ECC回路14に対して供給された副データの値を反転回路15に対して供給してこれを反転するように指示を行う。ここで確認のために述べておくと、本実施の形態の再生装置1において海賊版ディスクについて副データ検出回路13で検出される副データの極性は、非反転であり、これが反転回路15にて反転されることで適正ではない極性とされるものである。従って、上記のようにしてエラーとなった副データの値については反転回路15で再度反転することで、適正な極性に変換できる。
このように反転回路15に入力され、極性反転された副データの値は、ECC回路14に供給されて再度エラー訂正処理が行われる(ステップS305)。判定回路16は、このステップS305にて行われたエラー訂正処理について、再度エラーがあったか否かについて判別を行う(ステップS306)。
ステップS306の判別動作において、再度エラー有りとして肯定結果が得られた場合は、図示するようにしてエラー処理となる。このように再度エラーとなった場合は、ディスクに記録された副データ自体が誤ったものであるか、或いは何らかの要因により副データ検出回路13での検出動作が適正に行われなかった可能性が高い。そこで、例えば上記エラー処理としては、例えば判定回路16はその旨を示す情報をホストコンピュータ6に転送し、これに応じホストコンピュータ6は副データの検出動作をリトライするように制御を行う等の動作が実行されればい。
また、ステップS306において、エラーなしとして否定結果が得られた場合は、イリーガルビットとして例えば符号”0”を生成する(ステップS307)。つまり、上記した反転回路制御動作(S304)及び再ECC処理(S305)を経て、このようにステップS306にてエラーなしとされた場合は、極性のみが反転された海賊版ディスクからの副データであることがわかる。このことからステップS306では海賊版ディスクであることを示すイリーガルビットを生成する。
そして、続くステップS308では、このように生成したイリーガルビットと、上記したECC回路14での再度のエラー訂正処理によって得られた識別情報とを、ホストコンピュータ6に対して転送する動作を行う。
これによって海賊版ディスクが判定された場合に対応しては、ホストコンピュータ6に対して海賊版であることを示すイリーガルビットと、そのディスクからの識別情報とが転送される。
説明を図8に戻す。
ホストコンピュータ6は、このようにして判定回路6から転送されるリーガルビット又はイリーガルビットと識別情報とを、図示するネットワークインタフェース7を介して外部の管理サーバ70に対して送信する。
管理サーバ70は、ディスク100の販売元等、ディスク100に記録される主データ(コンテンツデータ)についての著作権管理を行う業者側によって管理されるべき装置である。この管理サーバ70では、再生装置1側からリーガルビットが送信されることで、再生装置1に装填されたディスクが正規版ディスクであることを認識できる。
一方、再生装置1側からイリーガルビットが送信されてきた場合は、海賊版ディスクの存在を認識することができ、またこのイリーガルビットと共に送信されてきた識別情報を参照することで、当該識別情報が記録されたディスク100についての海賊版ディスクが流通していることを認識することもできる。
なお、再生装置1側において、ここではディスク100から再生された識別情報を外部装置に通知するのみとしたが、ホストコンピュータ6としては、判定回路16から転送されたイリーガルビットに応じて、装填されたディスクを排出する制御を行い、また図示されないディスプレイ上にメッセージを表示する等してこのディスクの再生が不可である旨の警告を行うための制御を行うように構成することもできる。
このようにすれば、海賊版ディスクについてはそこに記録される主データの再生を行わないようにすることができる。
以上のようにして本実施の形態の再生装置1によれば、マーク記録部分での再生信号レベルが上昇する性質によるディスク100に対応して、正しく副データの値を再生することができる。
つまり、この場合は、正規版のディスク100から検出される従来とは反転となる副データの値に対応して、反転回路15を設けることによって、正規版ディスクからは正しく副データとしての識別情報を再生することができ、また逆に海賊版ディスクからは識別情報が再生できないようにすることができる。
また、本実施の形態の再生装置1では、副データが識別情報についてのエラー訂正符号を含む場合に対応して、ECC回路14にて副データのエラー訂正処理が正常に行われたか否かについての判別を行う判定回路16を設けたことで、正規版ディスクであるか海賊版ディスクであるかの判定を行うことができる。
さらに、本実施の形態では、上記判定回路16にて海賊版ディスクが判定されたことに応じて、その識別情報とイリーガルビットとを管理サーバ70に対して送信することで、海賊版ディスクの存在と共に、この海賊版ディスクの製造の基となったディスク100の識別情報を外部に通知することができる。
なお、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるべきものではない。 例えば、実施の形態では、説明の簡単のために副データとしてのマークはそれぞれ隣接する所定長のランドの奇数番目と偶数番目とを1組として、何れにマークを挿入するかによって符号”0””1”を表現するものとしたが、実際には、第3者によるこのような記録パターンの特定が困難となるように、例えばM系列乱数を用いる等他のアルゴリズムに基づいてマークの挿入位置を決定することもできる。
この場合としても、副データ記録装置50と再生装置1側とで共通となるように、上記のような符号の表現方法、及び副データの1ビットに割り当てる区間についての規則が定められていれば、再生装置1において副データを適正に再生することができる。
また、本実施の形態の再生装置では、エラー訂正処理が適正に行われたか否かによって、検出された副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別するように構成した。
しかしながら、このようにして検出された副データの値が適正な極性により得られたか否かについて判別するための構成としてはこれ以外にも多様に考えられる。
例えば、予め定められた副データの所定のビット位置に極性判定用のビットを挿入するようにしておく。正規版であればこの所定位置のビットは適正とされる値(極性)で得られる。また海賊版では逆の極性となるので、再生装置1では、このように挿入されたビットの値を判定することによっても海賊版ディスクを判定できる。
また、本実施の形態では、再生装置1にて従来と同様の副データ検出回路13を設けたので、正規版のディスク100に記録された副データの値は従来とは反転パターンとなるものとされ、これに対応させて反転回路15を設けて正規版からは適正な極性が得られるようにした。このような構成によれば、従来用いていた副データ検出回路13を変更なしでそのまま用いることができるというメリットがある。
但し、この場合において、正規版から適正な極性が得られるようにするにあたっては、逆にディスク100に対して予め極性を反転させた副データの値を記録するということも可能である。このようにした場合、再生装置1では、副データ検出回路13における検出の時点で、正規版のディスク100からは適正な極性(つまり記録したものと同極性)が得られるので、副データ検出回路13にて検出される副データの値について常に極性反転を行うようにされる反転回路15は設ける必要がない。
但し、先の図22のフローチャートを参照してわかるように、外部に対して海賊版ディスクの識別情報を通知するとした場合には、海賊版ディスクからの適正でない極性による副データを再度反転してエラー訂正処理する必要がある。そこで、このための反転回路を設けることは必要となる。
また、従来用いていた副データ検出回路13に変更を加えるのであれば、副データの検出の手法を逆にすることも考えられる。すなわち、その第1の手法としては、実施の形態で例示したものとは逆に、「odd−even」の「正」の値に応じて符号”0”を検出し、「負」の値に応じて符号”1”を検出するように構成するものである。
また、第2としては、逆に「even−odd」を演算するように構成することで、それぞれの差分値の極性が逆となるようにし、これによって適正な副データの値が検出されるようにするものである。
このようにした場合としても、結果的に副データ検出回路13における検出の時点で正規版のディスク100からは適正な極性が得られるので、副データ検出回路13にて検出される副データの値について常に極性反転を行うようにされる反転回路15を設ける必要はなくなる。
また、本実施の形態としては、マーク記録部分での再生信号レベルが上昇するディスク100として、例えばブルーレイディスクに準拠したROMディスクを例に挙げたが、本発明の再生装置及び再生方法としては、「基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体」であって、上記マークの形成部分での再生信号レベルが上昇し、且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するように構成された光ディスク記録媒体について、広く適用することができるものである。
また、実施の形態では、「odd−even」のようにマークの記録部分(形成部分)とマークの未記録部分(未形成部分)との減算結果に基づいて極性判別を行うものとしたが、マークが形成されていない部分の再生信号レベルを或る値に固定とし、マーク記録部分での再生信号レベルとこの固定値との減算結果に基づいて極性を判別するように構成することもできる。なお、この場合の上記固定値は、マークの記録対象とされたランド部分の長さに応じて設定されるべきものとなる。
また、これまでの実施の形態においては、副データの値の「0」「1」の判定にあたり、マーク記録部分の再生信号レベルとマーク未記録部分での再生信号レベル(上述の固定値とした場合も含む)との減算結果(その積分値も含む)の値の正/負の判別、すなわち閾値=0を基準とした判別を行うものとしたが、本発明において正規版ディスクではマーク記録部分での再生信号レベルが上昇することを考慮すれば、このように「0」を閾値とした判定を行う以外にも、「0」よりも絶対値が大きな所定の閾値を基準とした副データの値の判定を行うように構成することもできる。すなわち、例えばマーク記録部分の再生信号レベルとマーク未記録部分での再生信号レベル(上述の固定値とした場合も含む)との減算結果(その積分値も含む)の値が、上記のような「0」よりも大きな正値とされた閾値を超える場合には副データの値=「1」を判定し、逆に「0」よりも小さな負値とされた閾値を下回る場合には副データの値=「0」を判定するといったものである。
本発明の実施の形態としての光ディスク記録媒体の断面構図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体の製造工程について説明するための図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体に対して記録される主データのデータ構造について説明するためのデータ構造図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体に対して副データを記録するための副データ記録装置の構成を示すブロック図である。 副データの記録形態について説明するための図である。 副データ記録装置内に格納されるべきデータ内容を示すデータ構造図である。 副データ記録装置が行う副データの記録動作について説明するためのフローチャートである。 実施の形態としての再生装置の構成を示すブロック図である。 副データの再生動作について説明するための図である。 実施の形態の再生装置内に格納されるべきデータ内容を示すデータ構造図である。 実施の形態の再生装置が行う副データの再生動作について説明するためのフローチャートである。 実施の形態としての光ディスク記録媒体のマーク形成部分での再生信号特性について実験を行った結果を示す特性図である。 マーク記録が行われた実施の形態としての光ディスク記録媒体での基板形状を観察した結果を模式的に示した図である。 ピットとランドとの組み合わせにより主データが記録される光ディスク記録媒体について所定長のランドを対象としてマーク記録を行った場合の、マーク形成部分での再生信号レベルの特性(対マーク深さ・マーク反射率)をシミュレーションにより計算した結果をグラフ化して示した図である。 図14の計算結果を得るにあたって設定した光学条件について説明するための図である。 マークサイズ及びマーク深さを変化させた場合のマーク形成部分での再生信号レベルの特性についてシミュレーションにより計算した結果をグラフ化して示した図である。 正規版ディスクと海賊版ディスクとでマーク形成部分の光学的な深さが異なることについて説明するための図として、光ディスク記録媒体の断面構造を示した断面図である。 マーク反射率が上昇せずに再生信号レベルが上昇することを前提とした場合に正規版ディスクと海賊版ディスクとでマーク形成部分での再生信号の極性が異なることについて説明するための図として、図14と同様にマーク形成部分での再生信号レベルの特性(対マーク深さ・マーク反射率)を計算した結果をグラフ化して示した図である。 マーク反射率が上昇して再生信号レベルが上昇することを前提とした場合に正規版ディスクと海賊版ディスクとでマーク形成部分での再生信号の極性が異なることについて説明するための図として、図18と同様にマーク形成部分での再生信号レベルの特性(対マーク深さ・マーク反射率)を計算した結果をグラフ化して示した図である。 マーク反射率が上昇して再生信号レベルが上昇し、且つ海賊版ディスクと正規版ディスクとでマーク部分の光学的深さが同等となることを前提とした場合に、正規版ディスクと海賊版ディスクとでマーク形成部分での再生信号の極性が異なることについて説明するための図として、図18と同様にマーク形成部分での再生信号レベルの特性(対マーク深さ・マーク反射率)を計算した結果をグラフ化して示した図である。 本実施の形態の光ディスク記録媒体により得られる再生信号波形について説明するための図である。 実施の形態の再生装置が備える判定回路によって行われる動作について説明するためのフローチャートである。 マーク記録に伴い基板が変形する例について説明するための図である。
符号の説明
1 再生装置、2 スピンドルモータ、3 IV変換回路、4 マトリクス回路、5 2値化回路、6 ホストコンピュータ、7 ネットワークインタフェース、8 PLL回路、9 同期検出回路、10 アドレス検出回路、11 A/Dコンバータ、12 検出パルス生成部、12a 検出パルス生成回路、12b RAM、13 副データ検出回路、14 ECC回路、15 反転回路、16 判定回路、70 管理サーバ、100 ディスク、101 基板、102 反射膜、103 カバー層

Claims (12)

  1. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し、且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するように構成されている光ディスク記録媒体について再生を行う再生装置として、
    上記光ディスク記録媒体に対して照射した再生パワーによるレーザ光の反射光を検出して上記再生信号を生成する再生信号生成手段と、
    上記再生信号生成手段により生成された上記再生信号の値を所定のサンプリングポイントにて検出した結果に基づき、上記副データの値を検出する副データ検出手段と、
    上記副データ検出手段によって検出された上記副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別した結果に基づき、上記光ディスク記録媒体が正規版ディスクであるか否かについて判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする再生装置。
  2. 上記副データは、所要のデータ内容を有する実データと、少なくともこの実データについてエラー訂正処理を行うためのエラー訂正符号を含んで構成されており、
    さらに、上記副データ検出手段により検出された上記副データの値の極性を反転させる反転手段と、
    上記反転手段から供給される上記副データの値から上記エラー訂正符号に基づく上記実データのエラー訂正処理を行うエラー訂正手段を備えると共に、
    上記判定手段は、
    上記エラー訂正手段にて上記エラー訂正処理が正しく行われたか否かについて判別を行うことで、上記副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  3. 上記副データは、上記光ディスク記録媒体ごとに固有となる識別情報と、少なくともこの識別情報についてエラー訂正処理を行うためのエラー訂正符号を含んで構成されており、
    さらに、上記副データ検出手段により検出された上記副データの値の極性を反転させる反転手段と、
    上記反転手段から供給される上記副データの値から上記エラー訂正符号に基づく上記識別情報のエラー訂正処理を行うエラー訂正手段と、
    所要のネットワークを介して外部機器に対して所定情報を送信する送信手段と、備えると共に、
    上記判定手段は、
    上記エラー訂正手段にて上記エラー訂正処理が正しく行われたか否かについて判別を行うことで、上記副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別して上記光ディスク記録媒体が正規版ディスクであるか否かについて判定すると共に、
    正規版ディスクではないと判定した場合は、
    上記反転手段により反転された上記副データの値を上記反転回路に供給して極性反転させた後に再度上記エラー訂正手段における上記エラー訂正処理を行わせ、これによって得られる上記識別情報を上記送信手段に対して供給するように構成され、
    上記送信手段は、上記所定情報として、上記判定手段から供給された上記識別情報を上記外部機器に対して送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  4. 上記副データ検出手段は、
    上記所定のサンプリングポイントにて検出される上記マークの記録部分と未記録部分とでの上記再生信号の値の差分値に基づいて上記副データの値を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  5. 上記副データ検出手段は、
    上記所定のサンプリングポイントにて検出される上記マークの記録部分と未記録部分とでの上記再生信号の値の差分値を求めると共に、この差分値についての積分値に基づき上記副データの値を検出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
  6. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し、且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するように構成されている光ディスク記録媒体について再生を行う再生方法として、
    上記光ディスク記録媒体に対して照射した再生パワーによるレーザ光の反射光を検出して上記再生信号を生成する再生信号生成手順と、
    上記再生信号生成手順により生成した上記再生信号の値を所定のサンプリングポイントにて検出した結果に基づき、上記副データの値を検出する副データ検出手順と、
    上記副データ検出手順によって検出された上記副データの値が適正とされる極性により得られたか否かについて判別した結果に基づき、上記光ディスク記録媒体が正規版ディスクであるか否かについて判定する判定手順と、
    を備えることを特徴とする再生方法。
  7. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体について、所定長の上記ランドを対象として記録パワーによるレーザ光照射を行って上記反射膜にマークを形成することによって副データを記録する記録装置であって、
    上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さにより上記マークが形成されるようにして、上記記録パワーによるレーザ光照射を行って上記副データを記録する記録手段を備える、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録される光ディスク記録媒体について、所定長の上記ランドを対象として記録パワーによるレーザ光照射を行って上記反射膜にマークを形成することによって副データを記録する記録方法であって、
    上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さにより上記マークが形成されるようにして、上記記録パワーによるレーザ光照射を行って上記副データを記録するようにした、
    ことを特徴とする記録方法。
  9. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体を製造するためのディスク製造方法として、
    上記主データを上記ピット及びランドの組み合わせによって記録したディスク原盤を生成する原盤生成工程と、
    上記ディスク原盤をもとに作成したスタンパによって上記基板を生成すると共に、上記基板に対して少なくとも上記反射膜と上記カバー層を積層することで、上記主データのみが記録された主データ記録ディスクを製造するディスク形成工程と、
    上記主データ記録ディスクについて上記副データの記録を行う副データ記録工程とから成り、
    上記副データ記録工程では、
    上記マークを所定長の上記ランドを対象として形成するにあたり、上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さにより上記マークが形成されるようにして、上記記録パワーによるレーザ光照射を行って上記副データを記録する、
    ことを特徴とする光ディスク製造方法。
  10. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、
    所定長の上記ランドを対象として、上記マークの形成部分での再生信号レベルは上昇し且つ上記光ディスク記録媒体の上記基板の形状を物理的に転写して生成した光ディスク記録媒体では上記マークの形成部分での再生信号レベルが低下するマークサイズ及びマーク深さにより上記マークが形成されている、
    ことを特徴とする光ディスク記録媒体。
  11. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層を積層して形成され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、所定長の上記ランド部分を対象としたレーザ光の照射が行われて、再生信号レベルが上昇するマークサイズ及びマーク深さにより上記反射膜に形成されたマークによって、極性判別される副データが記録されてい
    ディスク記録媒体。
  12. 上記副データの値の極性は、上記ランド部分を対象として形成されたマーク部分の再生信号レベルが上昇する性質を利用して判別される請求項11に記載の光ディスク記録媒体。
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