JP4277812B2 - 光ディスク記録媒体、ディスク製造方法 - Google Patents

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本発明は、光ディスク記録媒体として、特に基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により反射膜上に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体に関する。また、このような光ディスク記録媒体を製造するためのディスク製造方法に関する。
光ディスクとして、特に再生専用のROMディスクは、1つのスタンパからプラスチックの射出成形によって短時間で大量のレプリカ基板を安価に製造可能であることからパッケージメディアとして世界中で利用されている。例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等は、音楽や映像等の情報を記録するROMディスクとして広く一般に普及している。
従来より、このようにパッケージメディアとして販売されるROMディスクを基にその記録データを違法コピーしたいわゆる海賊版ディスクが作成されており、著作権の侵害が問題となっている。
一般的に海賊版ディスクは、正規版ディスクから再生した信号を基にマスタリング工程によりスタンパを作成して複製ディスクを製造するようにして作成される。或いは正規版ディスクから再生した信号を記録可能なディスクにコピーすることで作成される。
海賊版ディスク製造防止のためには種々の技術が提案されているが、その1つとして、例えばディスクごとに異なる識別情報を付加する技術が知られている。このようにディスク個々に異なる識別情報を付加することで、再生装置側が上記識別情報を読み取ってこれをネットワーク経由で外部のサーバ装置に送信するといったシステムを構築することができる。このようなシステムを用いれば、例えば海賊版ディスクが作成・販売された場合には上記サーバ装置にて同一の識別情報が大量に検出されるので、海賊版ディスクの存在を検知することができる。さらに、検出された識別情報を送信してきた再生装置を特定することで、海賊版業者を特定できる可能性もある。
但し、このようにディスク個々に固有となる識別情報であっても、市販のドライブ装置で簡易にコピーできないようにして記録されていることが、著作権保護として有用である。
そこで、例えば下記の特許文献1では、上記識別情報を、ディスクの反射膜にマークを形成して微少な反射率変化を与えることで記録するもとしている。すなわち、この特許文献1に記載のディスクでは、ピット及びランドの組み合わせにより主のデータ(コンテンツデータや管理情報等)が記録されると共に、所定のピット又はランド上の反射膜に対して微少な反射率変化を与えるマークを形成することで、上記主のデータ以外の副のデータ(識別情報)を記録するようにされている。
反射膜に対するマークの記録は、再生時のレーザパワーよりも高い記録パワーによるレーザ照射により行われる。このとき、マークによる反射率変化は微少なものとなるようにされて、ピット・ランドの組み合わせにより記録される主データの再生に影響を与えることがないようにされている。すなわち、これによって主データについての通常の再生動作では副データが再生されないようになっている。
副データ自体の再生は、別途の再生系を設けて、主データの再生信号中のこのような微少な反射率変化が与えられた部分を多数サンプリングしてこれらの例えば積分値を求める等して行うことができる。
この場合、副データの記録装置側と再生装置側とでは、予め定められた所定のアルゴリズムによって副データとしてのマークを形成すべき位置が決定されている。これにより、正規の再生装置では記録時に用いたものと同様のアルゴリズムによりマークが記録されるべき位置を特定できるため、適正に副データとしての識別情報を再生することができる。
特許第3454410号公報
ところで、海賊版ディスクとしては、正規版のROMディスクの再生信号から作成されることを前提としたが、他の手法として、ROMディスクの基板の物理的形状をそのまま転写してスタンパを作成する手法も考えられる。
具体的には、ディスクのカバー層、反射膜を基板から剥離することで、基板に形成されたピット及びランドの形状を表出させる。そして、このように表出させた凹凸形状を物理的に転写することで、ディスクに記録された内容を複製するといったものである。
上記特許文献1に記載のディスクでは、反射膜に対して形成したマークによりディスク個々の識別情報を記録するものである。これによれば、上記のようにして基板からカバー層と反射膜を剥離させる必要のある物理的転写の手法では、反射膜に形成されたマーク(識別情報)までを転写することができないことになるので、海賊版ディスクの製造を防止できると考えられる。
しかしながら、上述のようにして反射膜に対するマークの記録は、比較的高出力なレーザの照射により行われるものである。このような高出力なレーザ照射によっては、例えばマークを記録する部分での媒体温度が上昇することで例えば熱膨張等が生じ、基板に変形を与えてしまう可能性がある。
このことについて、次の図13を参照して説明する。
先ず、図13(a)では、上述のようにして反射膜に対してマークが形成されたディスク100の断面構造を示している。
図示するようにして、ディスク100は、基板101、反射膜102、及びカバー層103を少なくとも備えるようにされている。基板101と反射膜102との間に形成される凹凸の断面形状が、ピットとランドの組み合わせにより主データが記録される部分である。
そして、上述もしているように、所定のピット又はランド上の反射膜に対して、副データとしてのマークが記録される(図中X)。図の例では、所定のランド上の反射膜に対してマークが記録される例を示している。
上記のようにして、副データとしてのマークの記録時には、比較的高出力なレーザが反射膜102に対して照射されることで、マークの形成箇所Xではその温度上昇に伴う熱膨張等による変形が生じる可能性がある。
この変形に伴い、基板101の反射膜102と接する面には凹形状の変形が与えられてしまう。つまり、この場合においてカバー層103、反射膜102を剥離して基板101を表出させると、図14(b)に示されるようにして、基板101の表面には反射膜102にのみ形成されるべきマークに応じた凹形状が転写されたものとなる。
転写された凹形状部分は、他のランド部分に対して反射率が微少に低下する部分となる。つまりは、このような基板101の凹形状がそのまま転写されて作成されたレプリカ基板としては、副データとしてのマークをそのまま再現したものとなってしまう。
そして、このようなレプリカ基板について通常の製造工程と同様に反射膜及びカバー層の積層を行えば、正規版のディスクに記録された主データと副データとをそっくりコピーした海賊版ディスクを製造することができてしまうものである。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、光ディスク記録媒体として以下のように構成することとした。
すなわち、本発明の光ディスク記録媒体は、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層とが積層され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、上記基板と上記反射膜との間に保護膜が挿入されているものである。
また、本発明ではディスク製造方法として以下のようにすることとした。
つまり、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層とが積層され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、上記反射膜上に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体を製造するためのディスク製造方法として、先ず、上記主データを上記ピット及びランドの組み合わせによって記録したディスク原盤を生成する原盤生成工程を備える。
また、上記ディスク原盤をもとに作成したスタンパによって上記基板を生成すると共に、上記基板に対し保護膜を積層し、さらにこの保護膜に対し上記反射膜と上記カバー層を積層することで、上記主データのみが記録された主データ記録ディスクを製造するディスク形成工程を備える。
また、上記主データ記録ディスクに対し、記録パワーによるレーザ光を照射して上記反射膜上に上記マークを形成することで上記副データの記録を行う副データ記録工程を備えるものである。
上記構成のように、基板と反射膜との間に保護膜を挿入すれば、上記副データとしてのマークの形成に伴って上記反射膜が変形した場合にも、この変形が基板に及ばないようにすることができる。
このようにして本発明によれば、基板と反射膜との間に保護膜を挿入したことで、マーク形成部分での上記反射膜の変形が基板に及ばないようにすることができ、これによって基板上にマーク形成部分に応じた凹形状の窪みが形成されないようにすることができる。そして、このように基板上にマーク形成部分に応じた凹形状の窪みが形成されなければ、物理的転写によっても副データがコピーされないようにすることができる。
すなわち、このような本発明の光ディスク記録媒体によれば、物理的転写による海賊版ディスクの製造を効果的に防止することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順で行う。

<1.光ディスク記録媒体>
<2.副データ記録装置>
<3.実施の形態としての光ディスク記録媒体>
<1.光ディスク記録媒体>

先ず、図1は、本実施の形態としての光ディスク記録媒体(後述するディスク1)を構成するにあたってその基とする光ディスク記録媒体(ディスク100とする)の断面構造図を示している。
なお、このように本実施の形態の光ディスク記録媒体が基とするディスク100の構造は、従来で用いられているディスクとその断面形状は同様である。
このディスク100は、再生専用のROMディスクであり、具体的にはブルーレイディスク(Blu-Ray Disc)と称されるディスクに準拠したディスク構造及びフォーマットが採用されたものとなる。
このディスク100は、図示するようにして基板101と、この基板101に対して積層された反射膜102、及びカバー層103を備えている。基板101は、例えばポリカーボネート等によるプラスチック基板であり、この基板101における上記反射膜102と接する面に対しては凹凸の断面形状が与えられている。凹状の断面部はピットであり、凸状の断面部はランドである。ディスク100では、これらピットとランドの組み合わせ、具体的にはピットとランドのそれぞれの長さにより情報を記録できる。
上記ピットとランドが形成された基板101上に反射膜102が積層される。そして、この反射膜102に対し、さらにポリカーボネート等によるカバー層103が積層されている。
反射膜102は、基板101上に積層されることで上記のようなピットとランドの形状に応じた凹凸の断面形状が与えられる。また、反射膜102は、例えば金属膜とされ、図示するようにして対物レンズによって集光されるレーザ光が上記カバー層103を介して照射された際に、上記凹凸に応じた反射光が得られるようなっている。後述する副データ記録装置50及び再生装置1側では、照射したレーザ光のこの反射膜102からの反射光に基づき、ピットとランドの組み合わせにより記録される情報を検出することができる。
図2は、上記ディスク100の製造工程について説明するための図である。
ディスク100を製造するにあたっては、先ず図中のフォーマット化工程S11を実行するようにされる。このフォーマット化工程S11は、例えばコンピュータ等を用いて行うことになる。
このフォーマット化工程S11では、ディスク100に対して記録されるべきコンテンツデータ(ユーザデータ)について、所定の規格に応じたフォーマットデータ列が得られるように変換動作を行う。すなわち、実施の形態の場合は、後の図3にて説明するようなブルーレイディスクの規格に応じたデータ列が得られるように変換動作を行う。また、実際には、ユーザデータに対する誤り検出符号及び誤り訂正符号の付加、インターリーブ処理等も行うようにされる。
可変長変調工程S12では、フォーマット化工程S11により生成されたデータ列に対して可変長変調処理を施す。実施の形態の場合では、RLL(1,7)PP(Parity preserve/prohibit、RLL:Run Length Limited)変調処理及びNRZI(Non Return to Zero Inverse)変調処理を施すことになる。この可変長変調工程S12により得られたデータ列の”0””1”パターンが、実際にディスク100に対して形成されるピットとランドのパターンとなる。
このようにユーザデータについてフォーマット化、可変長変調処理が施されて得られたデータを、ここでは主データと呼ぶ。
続いて、原盤生成工程S13を行う。原盤生成工程S13は、マスタリング装置を用いて行う。
原盤生成工程S13では、先ずガラス原盤に対してフォトレジストを塗布する。そして、このようにフォトレジストが塗布されたガラス原盤を回転駆動した状態で上記可変長変調工程S12にて生成した主データに応じたレーザ光を照射することで、記録トラックに沿った凹凸のパターンを形成する。つまり、ピットとランドを形成していく。
次いで、ピットとランドが形成されたレジストを現像処理することでガラス原盤上に定着させ、さらに原盤表面に対して電解メッキを施すことで、図示する金属原盤D14を生成する。
このように生成した金属原盤D14を用いて、ディスク形成工程S15を行う。
ディスク形成工程S15では、先ず上記金属原盤D14をもとにスタンパを作成する。そして、このスタンパを成形金型内に配置して、射出成型機を用いてポリカーボネートやアクリル等の透明樹脂により基板101を形成する。この基板101には、先の変調工程S12にて生成された主データに応じたピットとランドのパターンが記録トラックに沿って形成されることになる。
そして、ここで説明しているディスク100の製造にあたっては、このように生成された基板101に対して、先ずは反射膜102を蒸着等により積層し、さらにこの反射膜102上にカバー層103を積層する。これによって先ずは主データのみが記録されたディスク(主データ記録ディスク)D16を形成する。
続いて、副データ記録工程S17を実行する。
ここで、実施の形態では、上記のようにしてピットとランドのパターンによって記録される主データ以外に、副データを記録するものとしている。
この場合、副データは、そのデータ内容部分となる実データとして、ディスク100(ディスクD16)個々にユニークとなるシリアル番号情報を記録するものとしている。すなわち、これによって当該副データ記録工程S17により生成される各ディスク100としては、そのディスク100に固有の識別情報(識別番号)が付加されることになる。
そして、上記副データとしては、後述するようにしてピットとランドとによる上記主データの特定区間における、特定の位置に対して、反射膜102に記録パワーによるレーザ照射によるマークが形成されて記録されることになる。
このような副データ記録工程S17は、後に図4にて説明する副データ記録装置50によって行われることになる。
なお、ここではディスク100の製造工程として説明したが、後述する本実施の形態のディスク1の製造工程としても、この図で説明した工程をすべて含むものとなる。
図3は、上記製造工程により製造されるディスク100に記録される主データのデータ構造について示している。
先ず、図示するようにしてRUBと称される1つの記録単位が定義される。1つのRUBは、16個のセクターと2つのリンキングフレームから成るようにされる。リンキングフレームは、各RUB間の緩衝領域として設けられている。
1セクターは、この場合1つのアドレス単位を形成する。
そして、それぞれのセクターは、図示するようにして31個のフレームから成る。さらに1つのフレームは1932チャンネルビットのデータから成る。
実施の形態で例示しているブルーレイディスクにおいて、主データはRLL(1,7)PP変調ルールに従ったものとなるで、符号”0”と”1”との連続数(つまりピット長とランド長)は何れも2T(チャンネルビット)から8Tの長さに制約されている。
各フレームの先頭に位置するsyncでは、この変調ルールに従わない9Tによる連続符号が挿入されて再生時のフレーム同期信号の検出に用いられる。
<2.副データ記録装置>

続いて、図4に、ディスクD16に対して上述の副データを記録するための副データ記録装置50の構成を示す。
先にも説明したように副データとしては、そのデータ内容として各ディスク100に固有となる識別情報を記録するものとしている。従ってこの副データ記録装置50の動作としては、装填されるディスク100ごとに異なるパターンによる副データを記録するようにされる。
また、副データは、ディスクD16上において予めこれを記録する区間が定められ、さらにこの区間内においてそれぞれのマークを挿入する位置としても予め定められている。副データ記録装置50としては、このような予め定められた特定の位置にマークが記録できるように構成されている。
先ず、ディスクD16は、図示されないターンテーブルに載置された状態でスピンドルモータ51によって所定の回転駆動方式に従って回転駆動される。このように回転駆動されるディスクD16に対し、図示する光ピックアップOPが記録信号(主データ)の読み出しを行う。
この光ピックアップOPには、図示するようにしてレーザ光源となるレーザダイオードLD、レーザ光をディスク100の記録面に集光・照射するための対物レンズ52、ディスクD16からの上記レーザ光照射に基づく反射光を検出するフォトディテクタPD等が備えられている。
上記光ピックアップOP内のフォトディテクタPDによって検出された反射光情報は、IV変換回路53にて電気信号に変換された後、マトリクス回路54に供給される。マトリクス回路54は、IV変換回路53からの反射光情報に基づいて再生信号RF、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEを生成する。
サーボ回路55は、マトリクス回路54からのトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づき、2軸駆動回路56が出力するトラッキングドライブ信号TD及びフォーカスドライブ信号FDを制御する。これらトラッキングドライブ信号TD・フォーカスドライブ信号FDは、光ピックアップOP内にて対物レンズ52を保持する2軸機構(図示せず)に対して供給され、これらの信号に基づき対物レンズ52がトラッキング方向、フォーカス方向に駆動されるようになっている。
これらサーボ回路55、2軸駆動回路56、2軸機構によるトラッキングサーボ・フォーカスサーボ系において、上記サーボ回路55が上記トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEに基づく制御を行うことで、ディスクD16に照射されるレーザ光のビームスポットがディスクD16に形成されるピット列(記録トラック)をトレースし且つ適正なフォーカス状態で維持されるように制御が行われるようになっている。
また、上記マトリクス回路54にて生成された再生信号RFは2値化回路57に供給され、ここで”0””1”の2値化データに変換される。この2値化データは同期検出回路58、及びPLL(Phase Locked Loop)回路59に対して供給される。
PLL回路59は、供給される2値化データに同期したクロックCLKを生成し、これを必要な各部の動作クロックとして供給する。特に、このクロックCLKは上記2値化回路57、及び次に説明する同期検出回路58、アドレス検出回路60、及び副データ発生回路61の動作クロックとしても供給される。
同期検出回路58は、供給される2値化データから先の図3に示したフレームごとに挿入されるsyncパターンを検出する。具体的には、この場合のsyncパターンとされる9T区間を検出してフレーム同期検出を行う。
フレーム同期信号はアドレス検出回路60を始めとした必要な各部に対して供給される。
アドレス検出回路60は、上記フレーム同期信号と供給される2値化データとに基づき、アドレス情報の検出を行う。検出されたアドレス情報は当該副データ記録装置50の全体制御を行う図示されないコントローラに供給されてシーク動作等に用いられる。また、このアドレス情報は、副データ発生回路61における記録パルス生成回路63に対しても供給される。
副データ発生回路61は、図示するようにして記録パルス生成回路63、RAM(Randam Access Memory)62を備えている。この副データ発生回路61は、入力される副データ、及び上記アドレス検出回路60から供給されるアドレス情報とPLL回路59から供給されるクロックCLKとに基づき、ディスクD16に対して記録されるべき副データを後の図5にて説明する形態により記録するための記録パルス信号Wrpを生成する。
なお、この副データ発生回路61による動作については後述する。
レーザパワー制御部64は、上記副データ発生回路61から出力される記録パルス信号Wrpに基づき、光ピックアップOP内のレーザダイオードLDのレーザパワーを制御する。具体的にこの場合のレーザパワー制御部64は、記録パルス信号WrpがLレベルのときは再生パワーによるレーザ出力が得られるように制御する。また、記録パルス信号WrpがHレベルのときは記録パワーとなるように制御を行う。
このレーザパワー制御部64の制御によって記録パワーによるレーザ照射が行われることで、このレーザ照射部分における反射膜102にマークが形成されることになる。このように反射膜102に形成されるマークによってディスクD16上に副データが記録されることになる。
図5は、上記した副データ発生回路61の動作によって実現しようとする副データの記録形態について説明するための図である。
この図5では、副データを構成する1ビットの符号として”0”を記録する場合と”1”を記録する場合のそれぞれの例を示している。
先ず、符号の表現方法としては、主データ中に存在する所定長のランドについて、隣接する奇数番目(odd)と偶数番目(even)とを1組として考える。そして、これら所定長のランドの隣接する奇数番目と偶数番目の1組ごとについて、奇数番目に対してマークを記録した場合は符号”0”、偶数番目にマークを記録した場合は”1”と定義付ける。
この図5の例では、所定長ランドとして、5Tのランドに対してマークを記録する例を示している。なお、ここでは所定長のランドに対してマークを形成する例を説明するが、所定長のピットに対して形成することもできる。
そして、この場合は、副データを構成する1ビットの符号の記録に割り当てる区間として、1アドレス単位となる1セクターを割り当てている。
つまり、この図に示されるようにして、1セクター内の隣接する奇数番目と偶数番目の所定長ランドの組ごとに、同一の符号を表現する形態でマークを記録していく。
具体的に、符号”0”を記録するとした場合は、図示するようにして1セクター内の所定長ランドの奇数番目のみにマークを記録するようにされる。
また、符号”1”を記録するとしたときは1セクター内の所定長ランドの偶数番目に対してのみマークを記録するようにする。
なお、このようにして記録される副データの再生時では、1セクター内の所定長ランドの隣接する奇数番目と偶数番目の組ごとに再生信号RFについてサンプリングを行い、奇数番目でサンプリングした再生信号RFの値から偶数番目でサンプリングした再生信号RFの値を減算する(「odd−even」)。
この場合、マーク記録部分では、その反射率が微少に低下するので、理想的にはマーク記録部分での再生信号RFの値は低下することになる。
従って、奇数番目にのみマークが記録された符号”0”の場合、上記のような「odd−even」の演算を行うと、理想的には隣接する所定長ランドごとに負の値が得られる。但し、マーク記録により再生信号RFの値が低下する部分は、実際にはノイズ成分に埋もれてしまう可能性がある。そこで各々求めた「odd−even」の値を積分することでより確実に負の値が得られるようにし、これを検出する。
逆に、偶数番目にのみマークが記録される符号”1”の場合、隣接する所定長ランドごとに演算される「odd−even」の値は理想的には正の値となる。そして、この場合としてもノイズ成分の影響を考慮して、算出された値を積分することでより確実に正の値が得られるようにしてこれを検出する。
このように特定の区間にわたって同一の記録パターンを繰り返し記録し、再生時にはこれら複数の同一記録パターンに基づいて1つの値を判定するようにされていることで、マーク記録により与える反射率変化は微少なもので足るようにすることができる。そして、このようにしてマーク記録に伴う反射率変化を微小なものとできることで、記録されたマークが主データの2値化処理に影響を与えないようにすることができる。換言すれば、主データについての再生動作のみでは副データを再生することができないものとすることができる。
副データを構成する他の符号についても、上記と同様の手法によりマークを記録していく。
つまり、副データは、これを構成する符号と同数のセクターにわたって記録されることになる。
この際、副データのすべての符号を記録する区間(以下、副データ記録対象区間とも呼ぶ)は、予め副データ記録装置50と再生装置との間で定められている。副データ記録装置50では、このように予め定められた副データ記録対象区間としての複数セクターにわたって上述したマークの記録を実行するように構成される。
ここで、上記の記録手法において、注意すべきは、所定長ランドに対して記録するマークがエッジ部分に対して記録されてしまった場合には、主データの2値化が適正に行われなくなってしまう可能正があるということである。すなわち、このようにして所定長ランドのエッジ部分にマークが記録された場合、マーク記録部分では反射率がその分低下する傾向となるので、2値化処理において誤ったランド長が検出されてしまう可能性がある。
そこでマークとしては、記録対象となるランドの中央部に記録するものとしている。これによればエッジ部分は通常どおり得ることができるので、この点でも2値化処理に影響を与えないように図られている。
そして、以上のような形態による記録動作が得られるように、図4に示した副データ発生回路61内の記録パルス生成回路63は、図5中に示されるようなタイミングによる記録パルス信号Wrpを生成する。つまりは、符号”0”に対応しては、奇数番目の所定長ランドにおける中央部のみでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成する。また符号”1”に対応しては偶数番目の所定長ランドにおける中央部のみでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成する。
上記説明による記録手法を実現するための構成及び動作について、次の図6及び図7を用いて説明する。
先ず、上記もしているように、副データの記録は、予め定められたディスクD16上の副データ記録対象区間において行われるものである。そして、このように定められた副データ記録対象区間において、先に説明したように各セクター内の所定長ランドの奇数番目或いは偶数番目にのみマークを記録するにあたっては、このような副データ記録対象区間内における各セクター内の主データの内容を把握する必要がある。
そこで、図4に示した副データ発生回路61では、このような記録対象区間内の各セクターごとの主データの内容を、予めRAM62内に格納しておくものとされる。
図6は、RAM62内のデータ構造を示している。
先ず、図示するアドレスは、副データ記録対象区間内の各セクターのアドレス情報を示している。そして、このアドレスごとに、それぞれのセクターで記録される主データの内容が格納されている。
なお、確認のために述べておくと、副データ記録装置50としては、ディスクD16(ディスク100)の製造業者側で管理する装置である。従ってROMディスクであるディスクD16についてはそこに記録される主データの内容は予め把握しておくことができる。このため、上記のようにしてRAM62に対しては、予めアドレス対応に実際にディスクD16に記録される主データの内容を格納しておくことができる。
また、このRAM62に対しては、さらにアドレス対応にそのアドレスに記録すべき副データの値が格納される。RAM62への副データの各値の格納は、記録パルス生成回路63によって行われる。記録パルス生成回路63は、外部から供給される副データの各値を、副データ記録対象区間において先頭となるアドレスから順にRAM62に格納していく。
このようにしてRAM62に格納されるデータ内容により、記録パルス生成回路63では、主データ中の所定長のランド部分を特定し、さらにその奇数番目と偶数番目を特定することができる。
また、これと共に、上記のようにしてアドレス対応に格納された副データの値を参照することで、特定された所定長ランドの奇数番目と偶数番目のうちマークを挿入すべき方を特定できる。
具体的に、そのアドレスに対応付けられて格納された値が”0”であった場合は、先の図5にて示したようにして、そのアドレスのセクター内では奇数番目の所定長ランドに対してマークを挿入すべきものとなり、また”1”であった場合は偶数番目に挿入すべきものとして認識することができる。
さらに、この場合マークは、上述もしたように記録対象ランドの中央部分に挿入すべきものとされている。従って、上記のように記録対象ランドを特定した上で、マークがそのランドの中央部に記録されるタイミングでHレベルとなる記録パルス信号Wrpを生成するようにされる。
このような記録パルス信号Wrpの生成の具体例としては、先ず1セクター分のチャンネルビット数によるALL0データを用意する。そして、このALL0データについて、上記のように特定されるタイミングで符号”1”を挿入したデータ列を生成すればよい。つまりは、1セクター分のデータ列として、マークを挿入すべきビット位置のみが”1”とされ、それ以外がすべて”0”となるデータ列を生成する。
このようなデータ列に基づくことで、記録パルス生成回路63は、先の図5において示したような然るべきマーク記録位置のタイミングでのみHレベルとなる記録パルス信号Wrpをレーザパワー制御部64に供給することができる。
続いて、図7のフローチャートを用いて、副データ記録装置50にて行われる副データの記録動作についてより詳細に説明する。
先ず、ステップS101では、ディスクD16が装填される。また、ステップS102では副データが入力される。副データ記録装置50に対して入力された副データは、図4においても示したように副データ発生回路61に供給される。
なお、ここでは副データの入力がディスク100の装填後に行われるものとしているがこれらが前後しても構わない。
ステップS103においては、副データの各値をアドレスごとに格納する。
つまり、このステップS103の動作は、副データ発生回路61内の記録パルス生成回路63が入力された副データの各値を、先の図6に示した構造によるRAM62に対してアドレスごとに格納する動作に相当する。
ステップS104では、アドレス値Nを初期値N0に設定する。
このステップS104は、記録パルス生成回路63が、以下で説明するようにして各アドレスごとにデータ列を生成する動作を行うにあたり、内部のカウンタの値を初期値N0に設定する動作である。
ステップS105では、Nアドレスに記録すべき副データの値を判別する動作を行う。つまりこのステップS105の動作として、記録パルス生成回路63は、RAM62内にアドレス対応に格納される副データの値のうち、上記したカウンタの値に基づく該当アドレスに対応付けられた値の”0””1”を判別する。
副データの値が”1”であったと判別した場合、記録パルス生成回路63は、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その偶数番目の中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する(ステップS106)。
つまり、これによって1セクター分のチャンネルビット数によるデータ列として、上記のように偶数番目となる所定長ランドの中央部となるタイミングでのみ”1”となり、それ以外の符号がすべて”0”となるデータ列が生成される。
一方、副データの値が”0”であったと判別した場合、記録パルス生成回路63は、Nアドレス内の主データ中の所定長ランドについて、その奇数番目の中央部となる位置に”1”を挿入したデータ列を生成する(ステップS107)。つまり、これによって1セクター分のチャンネルビット数によるデータ列として、上記のように奇数番目の所定長ランドの中央部となるタイミングでのみ”1”となり、それ以外の符号がすべて”0”となるデータ列が生成される。
先の説明からも理解されるように、このようなデータ列の生成は、記録パルス生成回路63が、RAM62に各アドレス対応に格納される主データの内容に基づき、偶数番目或いは奇数番目の所定長ランドの特定、及びそのランドの中央部となるビット位置を特定することで行うことができる。
そして、このように1セクター分のデータ列を生成すると、記録パルス生成回路63は、アドレスが終了したか否かについて判別する(S108)。つまり、副データ記録対象区間内の全てのアドレス(セクター)について上記データ列の生成が完了したか否かを判別するものである。このステップS108動作は、記録パルス生成回路63が先のステップS104にて初期値N0としたカウンタの値が予め設定された所定値に達したか否かについて判別することで行う。
カウンタの値が上記所定値に達していないとして否定結果が得られた場合は、アドレス値Nを1インクリメント(ステップS109)した後、先のステップS105に戻るようにされる。これによって副データ記録対象区間の全てのセクターについて上記データ列を生成する動作を行うようにされる。
ステップS108において、カウンタの値が上記所定値に達してアドレスが終了したとされた場合は、ステップS110において副データの記録が開始となる。
この副データの記録開始に応じては、先ず、ディスク100上の副データ記録対象区間の先頭アドレスにシークする動作を行う(ステップS111)。このステップS111のシーク動作は、例えば副データ記録装置50の全体制御を行うコントローラが、予め定めれた副データ記録対象区間のアドレス情報に基づいて必要な各部を制御することで行うことができる。
そして、このように副データ記録対象区間の先頭アドレスへのシーク動作が行われたことに応じて、副データ発生回路63は、先のステップS106、S107の動作によってセクターごとに生成したデータ列に基づく記録パルス信号Wrpを生成し、これをレーザパワー制御部64に対して出力する(ステップS112)。このデータ列に基づく記録パルス信号Wrpの生成は、再生される主データとの同期がとられるようにクロックCLKのタイミングに基づいて行う。
また、この記録パルス信号Wrpの出力は、アドレス検出回路14から供給されるアドレス情報として、上記記録対象区間の先頭アドレスの情報が供給されたことをトリガとして開始する。
上記のように記録パルス生成回路63にて上記データ列に基づいて生成される記録パルス信号Wrpとしては、図5に示したような然るべきタイミングでHレベルとなる信号が得られる。従ってこの記録パルス信号Wrpに基づいてレーザパワー制御部64がレーザダイオードLDのレーザ出力を再生パワーから記録パワーに制御することで、ディスクD16に対しては、入力された副データの値に応じた適正な位置にマークを記録することができる。
なお、副データは外部から入力されるものとしたが、ディスクD16の装填ごとに新たなシリアル番号を生成する回路を設け、この回路から入力される識別情報に基づく副データをRAM62に格納する構成とすることもできる。
また、説明は省略したが、記録される主データの内容が同一となる、同一タイトルによるディスクD16については、RAM62内に格納する主データは同一内容のままで副データの記録を行うことができるが、異なるタイトルのディスクD16について副データを記録するときは、RAM62内に格納される主データの内容をそのディスクD16に記録される主データの内容に応じて更新するものとすればよい。
また、ここでは、予めRAM16内に主データを格納しておく例を示したが、装填されたディスクD16から対象区間の主データを読み出してこれを格納するように構成することもできる。
また、ここでは、説明の簡単のために副データとしてのマークはそれぞれ隣接する所定長のランド(或いはピット)の奇数番目と偶数番目とを1組として、何れにマークを挿入するかによって符号”0””1”を表現するものとしたが、実際には、第3者によるこのような記録パターンの特定が困難となるように、例えばM系列乱数を用いる等他のアルゴリズムに基づいてマークの挿入位置を決定することもできる。
この場合としても、副データ記録装置50側と再生装置側とで共通となるように、上記のような符号の表現方法の規則、及び副データの1ビットに割り当てる区間についての規則が定められていれば、再生装置において副データを適正に再生させることができる。
<3.実施の形態としての光ディスク記録媒体>

これまでで説明してきたようにして、ディスク100の反射膜102に対して形成したマークによって、ピット及びランドの組み合わせにより記録される主データとは別の副データを記録することができる。
ここで、先にも述べたように、反射膜102に形成されるマークは、主データの再生に影響を与えないように記録されるので、主データについて再生するのみでは副データが再生されることはない。従ってこのような反射膜102上のマークにより記録される副データは、ディスク100の再生信号をコピーする海賊版ディスクにコピーされてしまうことがないというメリットがある。
ここで、確認のためにマーク形成部分と再生信号との関係について次の図8に示しておく。
図8において、図8(a)は、ディスク100上に形成される主データとしてのピット及びランドと副データとしてのマークのパターンを示している。
また、図8(b)は、図8(a)に示すディスク100上のパターンに応じた反射膜102の断面形状を示し、さらに図8(c)ではこの場合のパターンに応じて得られる再生信号の波形を示している。
図8(a)(b)に示されるように反射膜102にマークが形成されることによっては、このマーク記録部分での反射率が微少に低下することとなる。これによって、このマーク記録部分での再生信号としては、そのレベルが微少に低下する。
但し、このようなマークとしては、反射膜102に対して比較的高出力なレーザ照射(記録パワーによるレーザ光照射)により記録されるものである。このような高出力なレーザ照射が行われた部分ではその媒体温度が上昇し、場合によっては熱膨張等により、図8(b)に示されるようにして反射膜102が変形してしまう可能性がある。
このようにして、反射膜102が熱膨張等によって膨張するように変形した場合、この反射膜102と接する基板101には、凹形状の窪みが与えられてしまう。すなわち、先の図13においても示したようにして、マーク記録部分に応じて基板101上に凹形状の窪みが転写されてしまうことになる。
ここで、次の図9、図10を参照して、このように基板101にマーク記録部分に応じた凹形状の窪みが転写されたディスク100について、先に述べた物理的な転写が行われる場合について考察してみる。
図9において、ディスク100の記録データについて物理的な転写を行おうとした場合、先ずは基板101を表出させるために、図9(a)(b)に示されるようにしてカバー層103、反射膜102を剥離するようにされる。
そして、このように基板101を表出させた上で、この基板101の形状を転写した転写スタンパ110を作成する(図9(c))。さらに、この転写スタンパ110を用いることで、図9(d)に示されるようにして、基板101の表面形状をそのまま転写した転写基板111を得ることができる。
その上で、この転写基板111に対して反射膜102及びカバー層103を積層することで、ディスク100としての構造を得ることができる。
上記のような転写基板111に対して積層した反射膜102の断面形状は、次の図10(a)に示す形状となる。すなわち、基板101から転写基板111に物理的に転写された、マーク記録部分の凹形状に応じた窪み(図中Y)が再現されたものとなっている。
この凹形状の部分では、回折によりレーザ光に対する反射率が微少に低下することになる。すなわち、これに伴い、この反射膜102の窪み部分で得られる再生信号としては、図10(b)に示されるようにしてそのレベルが微少に低下することとなる。
このようにして、ディスク100について物理的転写を行ったディスクにおいても、マーク記録部分に応じて再生信号レベルが微少に低下することになる。このことから、ディスク100について物理的転写が行われることで、ディスク100に記録された主データと共に、副データまでもがそっくりコピーされてしまうことがわかる。
そこで本実施の形態としては、これまでに説明してきたディスク100について、基板101と反射膜102との間に保護膜を挿入する。
図11は、このような本実施の形態としてのディスク1の断面構造図を示している。
なお、この図において、既に図1にて説明した部分と同様の部分には同一符号を付している。
図示するようにして、本実施の形態のディスク1としては、基板101と反射膜102との間に、保護膜2を挿入している。この保護膜2としては、マーク記録部分での反射膜102の変形に伴っても自らが変形しない程度に高剛性となるように構成される。
具体的に、この保護膜2としては、窒化シリコン(SiN)により構成する。さらに、その膜厚は10nm程度に設定している。
このような本実施の形態のディスク1の製造方法としては、先の図2に示したディスク形成工程S15において、金属原盤D14に基づき射出成形により生成した基板101に対して、上記保護膜2をスパッタリングにより成膜する処理を追加すればよい。すなわち、実施の形態のディスク形成工程S15としては、基板101に対して保護膜2を積層し、さらにこの保護膜2上に反射膜102及びカバー層103を積層する処理を行うことになる。
ここで、保護膜2の膜厚は、使用される材質に応じて上記の剛性が得られる程度の厚さが設定されればよい。
但し、保護膜2の膜厚は、厚くすれば剛性が確保できるが、厚すぎると基板101上に形成されたピット及びランドの断面形状に沿った形状が得られなくなり、再生装置側で適正にデータ読み出しを行うことができなくなる可能性がある。従って膜厚の上限としては、このような基板101上のピット及びランドの断面形状に沿った保護膜2の断面形状が得られる範囲で制限されるべきものとなる。
実施の形態では、この条件を考慮した保護膜2の膜厚として上記した10nm程度を設定した。さらに、この膜厚により上記した剛性が得られる材質としてSiNを選定した。
なお、実施の形態で例示している材質及び膜厚はあくまで一例であり、上記膜厚と剛性との条件が満たされる範囲内であれば任意の材質及び膜厚を設定することができる。
本実施の形態のようにして、基板101と反射膜102との間に保護膜2を挿入することで、反射膜102におけるマーク記録部分での変形が基板101に及ばないようにすることができる。
特に、本実施の形態のディスク1では、基板101と反射膜102の間に高剛性の保護膜2が挿入されることで、次の図12(a)に示されるようにして、マーク形成に伴い反射膜102が変形した場合にも、保護膜2自体が変形しないので、基板101に対しても反射膜102の変形が及ばないようにすることができる。
この場合において、物理的転写を行うとして反射膜102と保護膜2を剥離したとしても、基板101の表面上に得られるのは、図12(b)に示されるようにピット及びランドとしての凹凸形状のみとなる。
これにより実施の形態のディスク1については、先の図9〜図10に示した手順により物理的転写を行ったとしても、副データまでがコピーされてしまうことはなく、これによって物理的転写による海賊版ディスクの作成を効果的に防止することができる。
或いは、このように保護膜2を設けたディスク1についての物理的転写ディスクの製造としては、基板101を表出させずとも、反射膜102のみを剥離して保護膜2を表出させることで行うことも考えられるが、本実施の形態では、上記もしているように保護膜2自体が変形しないように高剛性に構成されるので、保護膜2にもマーク記録に伴う窪みが転写される虞はなく、よってこのような保護膜2を表出させた物理的転写の手法が採られる場合にも効果的に海賊版ディスクの製造を防止することができる。
また、上記構成によれば、反射膜102に対しては従来どおりマークを適正に形成することはできる。よって副データの記録再生は従来どおり適正に行われるようにすることができる。
また、このような効果を有する本実施の形態のディスク1については、先の図2に示した従来の製造工程において、基板101と反射膜102との間に保護膜2を成膜する処理を追加するようにした本実施の形態としてのディスク製造方法によって製造することができる。
ここで、上記説明では、保護膜2を高剛性に構成することで、この保護膜2及び基板101に反射膜102のマーク記録部分に応じた変形が与えられないようにする例を挙げたが、逆に保護膜2として弾性体を用いることによっても有効に海賊版ディスクの製造を防止することができる。
この場合の保護膜2としては、反射膜102のマーク記録部分での変形が基板101に及ばないような充分な膜厚を設定する。これによれば、基板101に凹形状の窪みが転写されないので、この場合の基板101を基に海賊版ディスクを製造することはできない。
また、この場合の保護膜2は弾性体で柔らかい材質とされることで、物理的転写の際に反射膜102を剥離したときに、保護膜2の一部も共に剥離される可能性が高い。すなわち、この場合は反射膜102のみを剥離し、保護膜2の断面形状を基に海賊版ディスクを製造するといったこともできないようにすることができる。
また、仮に、反射膜102のみをうまく剥離することができたとしても、保護層2は弾性体とされていることで、反射膜102のマーク記録部分に応じて生じた窪みは、反射膜102の剥離と共に弾性によって元通りに戻る(すなわち窪みが消滅する)ようにされる。
これらことから、保護膜2として弾性体を用いた場合にも、物理的転写による海賊版ディスクの製造を有効に防止することができる。
また、実施の形態としては、保護膜2を追加して基板101の変形を防止する構成としたが、保護膜2を設ける以外にも、基板101(特に反射膜102と接する部分)自体を高剛性として変形を防止する構成とすることも可能である。
或いは、基板101を弾性体により構成することで、反射膜102の剥離と共にマーク記録部分の凹形状の窪みが弾性により消滅するようにすることも可能である。また、この場合も基板101が弾性体で比較的柔らかい材質で構成されることで、反射膜102の剥離の際に基板101の一部も共に剥離される可能性も高くなり、これにより物理的転写による海賊版ディスクの製造防止を期待できる。
また、保護膜2を設けないとした場合の構成として、例えば反射膜102と基板101との接着を従来より強力にすることで、基板101から反射膜102をうまく剥離させることが困難となり、また反射膜102を剥離する際に基板101の一部も剥離してしまうようにすることも可能である。
なお、本実施の形態では、ディスクD16(100)がブルーレイディスクに準拠したROMディスクとされる例に挙げたが、本発明としては、基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層とが積層され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせにより主データが記録されると共に、反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であれば、好適に適用することができる。
本発明の実施の形態としての光ディスク記録媒体を構成するにあたって、その基とする光ディスク記録媒体の断面構図である。 光ディスク記録媒体の製造工程について説明するための図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体に対して記録される主データのデータ構造について説明するためのデータ構造図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体に対して副データを記録するための副データ記録装置の構成を示すブロック図である。 副データの記録形態について説明するための図である。 副データ記録装置内に格納されるべきデータ内容を示すデータ構造図である。 副データ記録装置が行う副データの記録動作について説明するためのフローチャートである。 反射膜に形成されたマークと再生信号との関係について説明するための図である。 実施の形態で想定する物理的転写ディスクの製造手順について説明するための図である。 物理的転写により製造されたディスクと再生信号との関係について説明するための図である。 実施の形態としての光ディスク記録媒体の構造について示す断面図である。 実施の形態の光ディスク記録媒体において反射膜に対しマークが形成された場合にも基板が変形しないことについて説明するための断面図である。 マーク記録に伴い基板が変形する例について説明するための図である。
符号の説明
1、ディスク、2 保護膜、101 基板、102 反射膜、103 カバー層

Claims (4)

  1. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層とが積層され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、記録パワーによるレーザ光の照射により上記反射膜に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体であって、
    上記基板と上記反射膜との間に保護膜が挿入されていることを特徴とする光ディスク記録媒体。
  2. 上記保護膜は、上記マークの形成に伴う上記反射膜の変形によって自らが変形しない程度に高剛性に構成されることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録媒体。
  3. 上記保護膜は、窒化シリコンにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録媒体。
  4. 基板と、上記基板に対して少なくとも反射膜とカバー層とが積層され、上記基板上に形成されたピット及びランドの組み合わせによって主データが記録されると共に、上記反射膜上に形成されたマークによって副データが記録される光ディスク記録媒体を製造するためのディスク製造方法として、
    上記主データを上記ピット及びランドの組み合わせによって記録したディスク原盤を生成する原盤生成工程と、
    上記ディスク原盤をもとに作成したスタンパによって上記基板を生成すると共に、上記基板に対し保護膜を積層し、さらにこの保護膜に対し上記反射膜と上記カバー層を積層することで、上記主データのみが記録された主データ記録ディスクを製造するディスク形成工程と、
    上記主データ記録ディスクに対し、記録パワーによるレーザ光を照射して上記反射膜上に上記マークを形成することで上記副データの記録を行う副データ記録工程と、
    を備えていることを特徴とするディスク製造方法。
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