JP4432763B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
ところが、シートスルー方式の場合、塵や紙粉の混入などによりプラテンガラス上の読取位置に汚れがあると、この汚れがたとえ点状であったとしても、原稿を読み取る際にこの汚れを常時読み取るため、読み取って得られた画像データから再現された画像に副走査方向に連続するすじ状のノイズが発生するという問題がある。
しかしながら、上記特許文献1の技術においては、読取条件がいかなる場合でも再現画像には同程度の大きさのノイズが現れることになる。
本発明に係る画像読取装置は、透光性の原稿台と、原稿を前記原稿台に一定の原稿搬送速度で搬送する搬送手段と、前記原稿台上を搬送中の原稿の画像を前記原稿台を介して読み取る読取手段と、前記読取手段によって読取られた原稿の読取データを副走査方向に電子的に変倍する電子変倍手段と、原稿読取中に前記原稿台を所定の方向に移動させる駆動手段と、前記電子変倍手段の倍率に基づき、前記倍率がM1の場合には前記原稿台の移動速度をVp1に、前記M1よりも大きいM2の場合には前記移動速度を前記Vp1よりも速いVp2に、前記駆動手段を制御して前記原稿台の移動速度を変化させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記読取手段は、前記原稿の画像を原稿搬送方向に所定の間隔をおいて位置する複数の読取位置で1画素単位で読み取って、各読取位置ごとに対応した異なる色の成分信号を出力すると共に、前記読取手段の出力信号に基づき、各画素について、当該画素の各色の成分信号にエッジ成分が含まれるか否かを検出し、検出結果に基づいて前記原稿台の汚れによるノイズ成分の有無を検出する検出手段を備えることを特徴とする。
また、搬送方向長さがL1よりも短いL2の原稿を読取る場合には、原稿台の移動速度をL1の場合のVp1よりも速いVp2にする構成としているので、当該搬送方向長さが短い原稿について読取時のごみに起因するノイズ成分を低減することが可能になる。
また、読取倍率がM1よりも大きいM2の場合には、原稿台の移動速度をM1の場合のVp1よりも速いVp2にする構成としているので、拡大での読取時にごみに起因するノイズ成分を低減することが可能になる。
また、原稿台を原稿搬送方向に略平行な一定の方向に移動させるいう簡易な構成でノイズ成分を低減することができる。
(第1の実施の形態)
図1は、当該デジタル式カラー複写機(以下、単に「複写機」と言う。)10の概略構成を示す図である。
イメージリーダ部12は、固定光学系の一つであるシートスルー方式と移動光学系の一つであるスキャナ移動方式の両方で原稿画像の読み取りが可能なように構成されている。ここで、シートスルー方式は、光学系(読取位置)を静止(固定)させた状態で、原稿を移動させながら読み取る方式である。スキャナ移動方式は、原稿は静止させた状態で、原稿面からの反射光をCCDセンサに導くミラーを原稿に対して移動させ、原稿読み取り位置からCCDセンサまでの光路長を常に一定に維持した状態で読み取る方式である。
自動原稿搬送装置16は、原稿給紙トレイ18にセットされた原稿束から原稿を1枚ずつ分離してシートスルー用プラテンガラス(以下、単に「プラテンガラス」という。)50上を通過させた後、原稿排紙トレイ22に排出するものであり、原稿の搬送手段として機能するものである。ここでは、原稿サイズとして、最大A3から最小A7までの原稿の搬送を行えるようになっている。
原稿検出センサ181は、複数のセンサ(不図示)、ここでは発光素子と受光素子を有する反射型の光電センサが副走査方向に各原稿サイズに対応する所定位置に一列に配置されてなり、原稿検出センサ182は、複数の光電センサ(不図示)が主走査方向に各原稿サイズに対応する所定位置に一列に配置されてなる。各光電センサは、発光素子から上方に向けて発せられた光が原稿に当たって反射し、その反射光が受光素子で検出されると原稿有りを示す信号を、反射光が検出されなければ原稿無しを示す信号を制御部77に送る。制御部77は、各光電センサからの原稿の有無信号に基づいてセットされた原稿のサイズを検出する。具体的には、どの光電センサから原稿有り信号があったときには原稿が何サイズであるのかの対応情報を予め有しており、原稿の有無信号と当該対応情報とから原稿サイズを特定する。なお、本実施の形態では、原稿読取位置501(図3)における原稿の搬送速度は、原稿の大きさによらず一定になっている。
図2は、ガラス駆動部51の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、ガラス駆動部51は、プラテンガラス50を原稿搬送方向(矢印D方向)またはその逆方向(矢印E方向)に移動させるためのものであり、プラテンガラス50を所定の方向に移動させる駆動手段として機能し、ガラスホルダー52、ガイド53、54、ガラス駆動モータ55、回転軸56、ギア561、562、57、58、ベルト59、ホームセンサ60および案内板61を備えている。
回転軸56は、図示しない軸受部材により回転自在に保持されており、その一方端にはギア57が固定されている。ギア57には、ギア58が歯合されている。
ベルト59は、プーリ581とガラス駆動モータ55の回転軸に張架されている。
ガラス駆動モータ55は、ステッピングモータからなり、制御部77により回転駆動される。ガラス駆動モータ55の回転軸が矢印F方向に回転すると、その回転駆動力がベルト59、ギア58、57、軸56、ギア561、562に順次伝わってガラスホルダー52(プラテンガラス50)が矢印E方向に移動し、逆にガラス駆動モータ55の回転軸が矢印Fと反対方向に回転すると、ガラスホルダー52が矢印D方向に移動する構成になっている。
ホームセンサ60は、反射型の光電センサであって、ガラスホルダー52がホーム位置(同図の位置)に位置しているか否かを検出するためのものである。具体的には、発光素子から発せられた光がガラスホルダー52の端部で反射し、その反射光が受光素子で検出されると、ガラスホルダー52がホーム位置に位置しており、反射光が検出されなければ、ガラスホルダー52がホーム位置から矢印E方向に移動しておりホーム位置に位置していないものとして、その検出信号を制御部77に送る。制御部77は、ホームセンサ60からの検出信号によりプラテンガラス50がホーム位置に位置しているか否を判断することができる。
上述したように、シートスルースキャン方式で原稿を読み取る場合には、スキャナ38は、プラテンガラス50下方の破線で示すシートスルーポジションに移動され、この位置で自動原稿搬送装置16により搬送されてくる原稿を照射し、その原稿画像を読み取る。
感光体ドラム88の周囲には、イレーサランプ90、帯電チャージャ92、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各再現色別のトナー現像器94,96,98,100および転写チャージャ102が配されており、当該感光体ドラム88は、上記露光走査を受ける前に、イレーサランプ90による照射を受けて除電された後、帯電チャージャ92によって一様に帯電される。一様に帯電された感光面が露光されると、静電潜像が形成され、当該静電潜像は、上記いずれかのトナー現像器によってトナー像として顕像化される。
4色分のトナー像が転写された記録シートは、分離除電チャージャ114により、転写ドラム112への吸着力が解かれて、当該転写ドラム112から離脱し、定着装置116によって、トナー像の定着がなされた後、トレイ118に排出される。
同図に示すように、制御部77は、主な構成要素としてCPU771、画像処理部772、画像メモリ773、LD駆動部774、それぞれの制御に必要なプログラムを格納したROM775、プログラム実行時のワークエリアとなるRAM776およびガラス移動速度情報格納部777を備えている。
サンプルホールド回路701は、CCDラインセンサ49Rからの読取データRを所定のタイミングでサンプリングしてA/D変換回路704に送る。
シェーディング補正回路707は、A/D変換回路704からのデジタルデータに公知のシェーディング補正、すなわちCCDラインセンサ49Rの感度ばらつきや光学系の特性による光量ばらつき等を補正する処理を施して、出力遅延回路710に送る。
汚れ検出/補正部712は、汚れの影響を受けている画素が検出された場合には、その汚れを除去する補正処理を施して、補正後のデータを色補正部713に送る。具体的には、例えば汚れの影響を受けている画素の画素データを隣接する画素の画素データに置き換える処理等を実行する。
図4に戻って、画像メモリ773は、CPU771からアドレスを指示されて読出し要求を受けると、当該アドレスに格納されている各再現色のデータをLD駆動部774に送り、LD駆動部774は、このデータに基づきレーザダイオード78を変調駆動させる。
図6は、ガラス移動速度情報の内容をテーブル形式で例示した図である。
同図に示すように、ガラス移動速度情報は、原稿サイズと当該原稿サイズの原稿を読取るときのプラテンガラス50の移動速度(以下、「ガラス移動速度」という。)とを対応付けて示した情報であり、ここでは原稿がA3、B4、A4、B5およびA5以下の各サイズに対するガラス移動速度V1[5.0mm/s]〜V5[10.0mm/s]を示すデータが格納されている。なお、同図の原稿サイズ欄に括弧で示す数値、例えばA3サイズの場合の420[mm]は、原稿の副走査方向長さ(以下、「原稿長」という。)を示している。
Vp=(Vo×Ls)/Lo・・・(式1)
本実施の形態では、Voを210[mm/s]、Lsを10[mm]としており、従って最大原稿サイズA3(Lo=420[mm])の場合には、上記(式1)よりVpが5.0[mm/s]になる。制御部77は、検出された原稿サイズからガラス移動速度V1〜V5を特定し、特定した移動速度に対応するガラス駆動モータ55の回転速度を示す情報をROM775から読み出して、読み出した回転速度でガラス駆動モータ55を回転駆動させる。
さらに、ガラス駆動部51のガラス駆動モータ55の回転動作を制御して、1枚の原稿について、その読取中にガラスホルダー52(プラテンガラス50)を図2のホーム位置から矢印E方向に原稿サイズに応じたガラス移動速度Vpで移動させ、読取が終了すると矢印D方向に所定速度、ここでは最大のV5(10.0[mm/s])で移動させてホーム位置に戻すといった動作を実行させる。プラテンガラス50がホーム位置に戻ったか否かの判断は、ホームセンサ60からの検出信号を受信することで行う。
図8は、ガラス移動速度設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
検出された原稿サイズがA3サイズか否かを判断する(ステップS31)。A3サイズであることを判断すると(ステップS31で「YES」)、ガラス移動速度情報格納部777に格納されているガラス移動速度情報を参照して、当該A3に対するガラス移動速度VpとしてV1(5.0[mm/s])を設定し(ステップS32)、原稿読取処理のメインルーチンに戻る。当該設定としては、例えばV1を示すフラグを立てること等が行われる。
同様に、検出された原稿サイズがA4サイズであることを判断すると(ステップS35で「YES」)、当該A4に対するガラス移動速度VpとしてV3(7.1[mm/s])を設定し(ステップS36)、検出された原稿サイズがB5サイズであることを判断すると(ステップS37で「YES」)、当該B5に対するガラス移動速度VpとしてV4(8.2[mm/s])を設定する(ステップS38)。
上記したように、原稿搬送速度Voは、原稿サイズに関わらず一定なので、原稿サイズ(原稿長Lo)によって原稿が読取位置を通過する時間が決まることになり、その意味で原稿サイズは、搬送中の原稿が読取位置を通過する時間に関する情報を示すものとして捉えることができ、制御部77は、ステップS30、S31等の処理を実行する場合に、当該情報を取得する取得手段として機能するものである。なお、当該情報として、例えば原稿サイズを検出することに代えて、原稿長Loだけを取得したり、原稿長Loと原稿搬送速度Voから求められる当該原稿の読取位置の通過時間そのものを取得するとすることもできる。
給送された原稿の先端(搬送方向下流側端部)が原稿読取位置501に到達する直前に、プラテンガラス50の矢印E方向への移動を開始させる(ステップS16)。具体的には、原稿の先端がレジストローラ30を通過してからの経過時間をレジストローラ30近辺に配された検出センサ(不図示)を用いて計測し、その経過時間が所定時間(原稿の先端が原稿読取位置501まで移動するのに要する時間)に達すると、上記ガラス移動速度設定処理において設定されたガラス移動速度(V1〜V5のいずれか)に対応したガラス駆動モータ55の回転速度のデータをROM775から読み出し、読み出した回転速度に対応する駆動パルスをガラス駆動モータ55に送出して、プラテンガラス50の移動を開始させる。
そして、ステップS17の画像処理(詳細は後述)を実行する。この画像処理は、原稿読取により得られた画像データに基づいて汚れの検出、補正等の処理を行った後、処理後のデータを画像メモリ773に格納する処理である。
同図に示すように、原稿の先端が原稿読取位置501に到達するタイミングに合わせてCCDセンサ49を駆動し、CCDセンサ49により主走査ラインごとに読み取られた読取データR,G,Bを受信して、受信した読取データR,G,Bを画素単位で画像処理部772の内部メモリ7121に順次格納して行く(ステップS41、S42)。
図10(a)は、ある時点(ここでは、T0時とする。)に原稿画像の第N番目(副走査方向に主走査ラインの番号を第1,第2・・・と規定したときの第N番目)の主走査ライン(第Nライン)が位置Rに位置しているときの様子を示した図である。同図のP0´は、原稿画像の、第Nラインの主走査方向に第m番目の画素P0に相当する画像部分を示している。また、P1´は、原稿画像の、第(N−8)番目のラインの主走査方向に第m番目の画素P1に相当する画像部分を示している。
以下、説明の都合上、同図のT0時から原稿が等倍時において副走査方向に1ライン相当分の距離だけ搬送されるごとにその時点での時間をT1時,T2時・・と現すことにする。また、読取られる原稿をA5サイズとして、ガラス移動速度Vpを10.0[mm/s]とした場合を例に説明する。さらに、「画素」というときは、特に断わらない限り、主走査方向に第m番目に相当する画素をいうものとする。
図10(d)は、ごみUが位置Gに移動したときの様子を示す図である。ごみUが位置Bから矢印E方向に4ライン相当分の距離だけ移動した状態、すなわちT84時の状態を示した図である。この時点では、原稿画像の第(N+80)ラインの画素P2に当たる画像部分P2´が位置Gに移動していることになる。
図10から画像部分P1´について見ると、位置R,Gを通過するときにはごみUを介さずに(ごみUの影響を受けずに)読み取られるが、位置Bを通過するときにはごみUとすれ違うため一緒に読み取られてしまい、その結果、読取データBだけがごみUの影響を受けることになる。
図11は、画像処理部772の内部メモリ7121に格納された各画素の読取データR,G,Bの内、画素P1〜P3の読取データについてどの色成分のデータがごみUの影響を受けているかを示した模式図である。
原稿読取中には、原稿搬送速度とガラス移動速度が一定なので、同図に示すように、副走査方向に所定の距離(ここでは88ライン相当)だけ離れた3つの画素P1,P2,P3を見たとき、各画素について、R,G,Bの内の一の色成分だけがごみUの影響を受け、かつその影響を受ける色成分がごみUの読み取られ順、すなわち各読取位置に対応する色のプラテンガラス50の移動方向における並び順、ここではB,G,R色の順(画素P1についてB色、画素P2についてG色、画素P3についてR色の順)に現れることになる。
図9に戻って、制御部77は、ステップS43において汚れ検出/補正処理を実行する。
図12は、ステップS43の汚れ検出/補正処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、画像処理部772の汚れ検出/補正部712において実行される。
そして、特定された画素(注目画素:以下、図11に示す画素P1を例に説明する。)がエッジ画素であるか否かを判定する(ステップS52)。
次に、画素P1から副走査方向に所定ライン(ここでは88ライン)離れた位置の画素を参照画素として、当該参照画素、ここでは画素P2がエッジ画素であるか否かを判断する(ステップS53)。
続いて、画素P1から副走査方向に所定ライン(ここでは176ライン)離れた位置の画素を次の参照画素として、当該参照画素、ここでは画素P3がエッジ画素であるか否かを判断する(ステップS54)。この判断方法も画素P1の場合と同様である。すなわち、画素P3と画素P3を取り囲む周辺画素(例えば、8個の画素)の9個の画素について、読取値Dr(R成分)だけを用いる場合、読取値Dg(G成分)だけを用いる場合、読取値Db(B成分)だけを用いる場合の3つの場合で画素P3がエッジ画素であるか否かを判断する。そして、エッジ画素としての判定がR成分(R色)だけについてあったか否かを判断する。
すなわち、図11等で説明したように、本実施の形態では、原稿とプラテンガラス50を逆方向にそれぞれ一定速度で移動させる構成としているので、副走査方向に所定ライン数(ここでは88ライン)だけ離れた3つの画素P1,P2,P3を見たとき、1つのごみUによる影響は、画素P1についてB色のみ、画素P2についてG色のみ、画素P3についてR色のみに現れることになる。
このことは画素P2、P3についても同様である。例えば、画素P2の読取値DgにだけごみUの成分が含まれている場合、G色については画素P2の読取値が高濃度、各周辺画素の読取値が低濃度を示すものとなって大きな差が生じエッジと検出される可能性が高くなる。一方でB,R色については、画素P2も周辺画素もその読取値が低濃度を示すものとなってその差が大変小さくなりエッジ検出される可能性が低くなる。逆に、ごみUの影響を受けていない場合には、R,G,B色全てについて、画素P2も周辺画素もその読取値が低濃度を示しその差が小さくなってエッジ検出される可能性が低くなることになる。したがって、画素P2がごみUの影響を受けている場合、G色だけについてエッジ画素と判定される可能性が極めて高くなると考えられる。
例えば、原稿がA3の場合、プラテンガラス50(ごみU)は、原稿搬送速度Voの(5/210)の速度で移動するので、図10(d)において位置Gに到達する時間は、T168時となり、そのときに位置Gに位置している原稿画像の画素は、第(N+164)ライン上の画素になる。また、図10(e)において、位置Rに到達する時間は、T336時となり、そのときに位置Rに位置している原稿画像の画素は、第(N+336)ライン上の画素になる。そのため、図11、12において、画素P1とP2の副走査方向における所定ライン数は172ライン、画素P1とP3間の所定ライン数は344ラインに変わることになる。他のサイズについても同様に所定ライン数を予め求めておくことができる。
全画素について汚れ検出/補正処理を実行していないことを判断すると(ステップS59で「NO」)、ステップS51に戻って、別の画素を検出対象の画素として特定し、当該別の画素を注目画素としてごみUの影響を受けているか否かを判断する処理を実行する。ステップS59で全画素について汚れ検出等の処理が実行されたことが判断されるまで、ステップS51〜S58の処理を繰り返し実行し、全画素について当該処理が実行されたことを判断すると(ステップS59で「YES」)、画像処理のルーチンにリターンする。
また、ごみUの大きさが数画素程度という比較的大きな場合、例えば位置Bについて見ると、ごみUが位置Bを通過する際に原稿画像の複数の画素がごみUと擦れ違い、B色についてごみUの影響を受ける画素が、P1を先頭に副走査方向に隣接する複数個の画素が繋がってなる画素列として現れる場合がある。このような場合でも、上記のステップS52で、各画素ごとに、当該画素がB色についてのみエッジ画素であるか否かの判定が行われることになるが、当該画素列の一方端の画素と他方端の画素とに挟まれる画素については副走査方向に隣接する画素が同様にごみUの影響を受けている画素になるためエッジ画素と判定され難くなる。その場合を考慮して、例えばエッジ画素と判定された2つの画素に挟まれる画素が存在する場合には、当該画素をB色成分についてごみUの影響を受けている画素とみなして扱うように処理することが考えられる。このことは、他のG色、R色の場合についても同様とすることができる。
以上説明したように、原稿読取中に原稿とプラテンガラス50を逆方向に移動させる構成において、本実施の形態では、搬送される原稿のサイズに応じてガラス移動速度Vpを切換える、具体的にはA4やA5等の小サイズの原稿の読取時のガラス移動速度をA3等の大サイズの場合よりも速くしている。従って、プラテンガラス50上にごみが付着したとしても、小サイズの原稿の場合には大サイズの原稿に比べて、そのごみが読取位置をより速く通過する、すなわち読取位置上に位置している時間がより短くなって、それだけごみ自体が画像として読取られ難くなる。例えば、ガラス移動速度Vpを2倍にすると、ごみが読取位置を通過する時間が半分に短縮される。原稿搬送速度が原稿サイズに拘らず一定のため、ごみが読取位置を通過する間(ごみの進行方向先端が読取位置にかかってから進行方向後端が読取位置を通り過ぎるまでに要する時間)に当該ごみと読取位置上ですれ違う原稿画像の画素数が減り、その結果、読取データを補正すべき画素が減ることになって画質劣化を抑えられる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、原稿画像を等倍で読取る場合の例を説明したが、本実施の形態では、読取条件として読取倍率に応じてガラス移動速度Vpを変化させるようにしており、この点が第1の実施の形態と異なっている。以下、説明の都合上、第1の実施の形態と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については同符号を付すものとする。
同図に示すように、ガラス移動速度情報は、読取倍率とガラス移動速度とを対応付けて示した情報であり、読取倍率が2倍になるとガラス移動速度Vpも等倍時の2倍になっている。これにより、拡大時においてごみの影響を受ける画素数の割合を等倍時と同程度の割合に抑えることが可能になり、ガラス移動速度Vpを等倍時と拡大時で同一にする構成よりもごみに起因するノイズ成分による画質劣化を抑えることができる。
同図に示すように、まず読取倍率の入力受付けを行う(ステップS61)。
ユーザにより選択された読取倍率が等倍(100%)であることを判断すると(ステップS62で「YES」)、ガラス移動速度情報格納部777に格納されているガラス移動速度情報(図13)を参照して、100%に対するガラス移動速度としてV1を設定し(ステップS63)、原稿読取処理に戻る。
さらに、プラテンガラス50をより速く移動させれば、その分ごみの読取りを少なくできるというメリットがあるが、その一方で騒音等が増えることは否めず、その点から例えば等倍時のガラス移動速度Vpをユーザにごみと認識され難くなると想定される程度の速さに実験等から求めて設定すれば、等倍時には画質を劣化を感じさせない程度に維持したまま騒音等を抑えられ、拡大時には画質劣化を抑えることが可能になる。
すなわち、拡大時に原稿搬送速度Voを遅くする構成をとる場合、ごみの読取画像の副走査方向における長さ自体は、ガラス移動速度Vpを等倍時と拡大時で同一にしても同じになって変わることはない。
従って、ごみの影響を受ける原稿画像の副走査方向における画素P1〜P2間隔、P2〜P3間隔(上記例では88ライン)は、その分だけ等倍時よりも長くなる、すなわち当該影響を受ける画素がより副走査方向に分散されて現れることになる。
従って、画素列B,G,Rの長さ自体が変わらなくても、拡大時の分散により画素間隔が広くなる分だけ画素列Bを基準に画素列Gとの重なる部分が少なくなるように画素列Gが画素列Bから離れる方向にずれて現れるようになり、同様に画素列Rも画素列Gから離れる方向にずれて現れるようになる。このようになると、繋がった画素列B,G,Rを1つの列として見たとき、その一方端から他方端までの長さは、等倍時よりも拡大時の方が長くなることになり、すなわち読取画像において少なくとも1つの色成分についてごみの影響を受ける画素の数が多くなってしまう。
そこで、拡大時に原稿搬送速度Voが等倍時よりも遅くなる、すなわち遅延時間が長くなる分だけ、逆にガラス移動速度Vpを等倍時よりも速くすれば、ごみの色成分が分散される画素間隔を等倍時と同程度に抑えられることになる。もって、1色でも色成分にごみの影響を受ける画素数を等倍時と同程度に抑えることが可能になり、拡大時のガラス移動速度Vpを等倍時と同速にする場合に比べて拡大時にごみに起因するノイズ成分を小さく抑えることができるものである。なお、本例では読取倍率に応じて原稿搬送速度Voを変化させる構成をとることから、読取倍率により読取位置を通過する時間が決まることになり、その意味で読取倍率は、搬送中の原稿が読取位置を通過する時間に関する情報を示すものとして捉えることができる。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、同一サイズの複数枚の原稿の束から原稿を1枚ずつ給送して読取る場合の例を説明したが、本実施の形態では、複数の異なるサイズの原稿が混在した原稿束から原稿を1枚ずつ給送して読取る混載モードの場合を例にしており、この点が第1の実施の形態と異なっている。なお、本実施の形態では、ユーザが、操作パネル120上において混載モードでの読取りを行うか否かを選択できるようになっている。
すなわち、まず混載モードが選択されたか否かを判断する(ステップS71)。ここで、混載モードが選択されていないことを判断すると(ステップS71で「NO」)、ステップS30以降の処理を行う。この場合の処理は、第1の実施の形態と同じとなる。
ステップS31以降では、特定された最大原稿サイズがA3等であるか否かが判断されることになる。例えば、A3サイズであると判断されると、原稿束にA4サイズの原稿が1枚混在している場合であっても、そのA4サイズの原稿も含めてガラス移動速度VpはA3サイズの移動速度に設定される。これにより、例えば1枚の原稿毎にそのサイズを検出してプラテンガラス移動速度を切り換える構成とするよりも、装置の小型化、読取りに要する時間の短縮を図れる。
上記第1の実施の形態では、原稿サイズに応じて設定されたガラス移動速度Vpでプラテンガラス50を移動させるとしたが、本実施の形態では、設定されたガラス移動速度Vpを、読取後のデータに施されるべき画像処理、ここではエッジ強調またはスムージング処理に応じて補正するガラス移動速度補正処理を実行するとしており、この点が第1の実施の形態と異なっている。ここでは、ユーザが操作パネル120上で、エッジ強調が施される文字モードとスムージングが施される写真モードのいずれかを選択でき、選択されたモードに応じてエッジ強調またはスムージング処理が画像処理部772において実行されるようになっている。なお、エッジ強調とスムージングの処理方法としては、公知のものが用いられる。
図16に示すように、施されるべき画像処理条件、ここでは文字モードまたは写真モードのユーザからの選択入力の受付けを操作パネル120を介して行う(ステップS81)。
一方、文字モードではない、すなわち写真モードが選択されたことを判断すると(ステップS82で「NO」)、ガラス移動速度をV1に補正して(設定し直して)(ステップS84)、ガラス移動速度設定処理に戻る。
また、ノイズ成分の強調を抑えるため文字モードではガラス移動速度Vpを速くし、写真モードではプラテンガラス50の高速移動による振動に起因する色ずれを抑えるためガラス移動速度Vpを遅くするという技術思想からすれば、本ガラス移動速度補正処理をガラス移動速度設定処理のサブルーチンとして用いる構成に限定されることはない。すなわち、原稿サイズに拘らず、文字モードが選択された場合にはガラス移動速度をVp1に、写真モードが選択された場合にはガラス移動速度をVp2(Vp2<Vp1)に切換える構成が考えられる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1の実施の形態では、プラテンガラス50を原稿搬送方向の逆方向に移動させるとしたが、例えば原稿搬送方向と同方向に移動させる構成にすることもできる。この場合も同様に、原稿サイズが小さくなるほどガラス移動速度Vpを速くすることで、プラテンガラス50上のごみの影響を受ける画素数を少なくでき、画質劣化を抑えることができる。
例えば、プラテンガラス50に付着すると想定されるごみが極めて小さいものに限られたり、ガラス移動速度Vpをある程度大きく取れる等のような場合には、原稿読取時にプラテンガラス50を移動させるだけでも当該ごみに起因するノイズによる画質劣化をユーザに認識できない程度まで抑えられることが十分に考えられるからである。ごみの検出と補正処理を実行しない分、CPUの処理負担を低減させることができる。
また、カラー画像を読み取るための読取手段としてCCDセンサ49を用いたが、搬送される原稿の画像を原稿搬送方向に所定間隔をおいて位置する複数の読取位置で読み取って、各読取位置ごとに対応する異なる色の成分信号を出力する機能を有する読取手段であれば良く、例えばCIS(コンタクト・イメージ・センサ)等を用いることもできる。さらに、R,G,Bの3色に限定されず、複数色とすることができる。この場合、各色ごとに当該色に対応する読取位置を設ける構成とすれば良い。さらに、カラー画像を読み取る構成に限られず、モノクロ画像を1つの読取位置で読取る読取手段を有する画像読取装置にも適用できる。この場合、上記汚れ検出/補正処理は実行されない。
49 CCDセンサ
50 プラテンガラス(原稿台)
51 ガラス駆動部
77 制御部
120 操作パネル
181、182 原稿検出センサ
501 原稿読取位置
712 汚れ検出/補正部
771 CPU
772 画像処理部
777 ガラス移動速度情報格納部
Claims (6)
- 透光性の原稿台と、
原稿搬送方向における読取倍率がM1の場合には原稿搬送速度をVo1、前記読取倍率が前記M1よりも大きいM2の場合には前記原稿搬送速度を前記Vo1よりも遅いVo2にして原稿を前記原稿台に搬送する搬送手段と、
前記原稿台上を搬送中の原稿の画像を前記原稿台を介して読み取る読取手段と、
原稿読取中に前記原稿台を所定の方向に移動させる駆動手段と、
前記読取倍率に基づき、前記読取倍率が前記M1の場合には前記原稿台の移動速度をVp1に、前記M2の場合には前記移動速度を前記Vp1よりも速いVp2に、前記駆動手段を制御して前記原稿台の移動速度を変化させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - Vo1≧2×Vo2の場合には、Vp2≧2×Vp1であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 透光性の原稿台と、
原稿を前記原稿台に一定の原稿搬送速度で搬送する搬送手段と、
前記原稿台上を搬送中の原稿の画像を前記原稿台を介して読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読取られた原稿の読取データを副走査方向に電子的に変倍する電子変倍手段と、
原稿読取中に前記原稿台を所定の方向に移動させる駆動手段と、
前記電子変倍手段の倍率に基づき、前記倍率がM1の場合には前記原稿台の移動速度をVp1に、前記M1よりも大きいM2の場合には前記移動速度を前記Vp1よりも速いVp2に、前記駆動手段を制御して前記原稿台の移動速度を変化させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 透光性の原稿台と、
原稿を前記原稿台に一定の原稿搬送速度で搬送する搬送手段と、
前記原稿台上を搬送中の原稿の画像を前記原稿台を介して読み取る読取手段と、
原稿読取中に前記原稿台を所定の方向に移動させる駆動手段と、
前記読取手段によって読取られた原稿の読取データに対し、エッジ強調処理またはスムージング処理を実行する画像処理手段と、
前記画像処理手段の画像処理に基づき、前記スムージング処理を実行する場合は前記原稿台の移動方向をVp1に、前記エッジ強調処理を実行する場合は前記移動速度を前記Vp1よりも速いVp2に、前記駆動手段を制御して前記原稿台の移動速度を変化させる制御手段と、
を備えることを特徴とする画像読取装置。 - 前記所定の方向は、原稿搬送方向に略平行な一定の方向であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。
- 前記読取手段は、
前記原稿の画像を原稿搬送方向に所定の間隔をおいて位置する複数の読取位置で1画素単位で読み取って、各読取位置ごとに対応した異なる色の成分信号を出力すると共に、前記読取手段の出力信号に基づき、各画素について、当該画素の各色の成分信号にエッジ成分が含まれるか否かを検出し、検出結果に基づいて前記原稿台の汚れによるノイズ成分の有無を検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
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