JP4432756B2 - ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド及びその製造方法及びディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置用ブレーキパッド及びその製造方法及びディスクブレーキ装置 Download PDF

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本発明はディスクブレーキ装置用ブレーキパッド及びその製造方法及びディスクブレーキ装置に係り、特にディスクロータに押圧されることによりディスクロータとの間に制動力を発生させるディスクブレーキ装置用ブレーキパッド及びその製造方法及びディスクブレーキ装置に関する。
一般に、自動車用のブレーキ装置としてキャリパ浮動型のディスクブレーキ装置が知られている。このキャリパ浮動型のディスクブレーキ装置は、ディスクロータの片側だけにピストンを有した構成とされており、キャリパはマウンティングに浮動状態で支持されている。
図9は、この種のディスクブレーキ装置1の一例を示している。同図において、2はディスクロータであり車輪と一体的に回転するよう構成されている。また、3はキャリパであり、ディスクロータ2を跨ぐように配設されている。
キャリパ3の内部には、インナーパッド5IN及びアウターパッド5OUTが配設されており、ディスクロータ2を挟むように配置されている。この各パッド5IN,5OUTは裏金7に摩擦材となる母材8を配設した構成とされており、また母材8としては例えば特許文献1に示されるように耐フェード性を向上させるため複数の摩擦材を含む構成としたものもある。
また、キャリパ3にはピストン6が内設されており、インナーパッド5INはピストン6に取り付けた構成とされている。また、アウターパッド5OUTはキャリパ3に固定された構成とされている。更に、キャリパ3には図示しないスライドピン孔が形成されており、このスライドピン孔にはマウンティング(車両フレーム等に固定されている)に植設されたスライドピンが摺動可能に挿通されている。
従って、ブレーキ操作により液圧が導入されるとピストン6は移動し、このピストン6の移動に伴いインナーパッド5INはディスクロータ2に圧接される。また、上記のようにスライドピン孔とスライドピンとが摺動可能な構成であることにより、インナーパッド5INがディスクロータ2に圧接する反力によりキャリパ3は移動し、アウターパッド5OUTもディスクロータ2に圧接する。
ディスクブレーキ装置1は、上記の動作を行うことにより制動力を発生する構成とされていた。また、制動解除時は、シリンダの液圧が低下することによりピストン6は後退し、これによりインナーパッド5IN及びアウターパッド5OUTはディスクロータ2から離間し、よって制動が解除される構成とされていた。
特開平8−135698号公報
ところで、上記した構成のディスクブレーキ装置1では、制動によって図9に矢印Mで示すモーメントがキャリパ3に作用し、これにより各パッド5IN,5OUTがディスクロータ2を押圧する押圧分布が不均一になる。具体的には、図10に矢印P1で示すハッチングは、インナーパッド5INに発生する押圧力の分布を示している。同図に示すように、上記した制動時に発生するモーメントMにより、ディスクロータ2の入口側近傍において最大の押圧力Fを有する押圧力分布となる。尚、図10において、4は制動時に各パッド5IN,5OUTに発生するトルク力を受けるトルク受け部である。
ここで、この押圧力Fにより、インナーパッド5INに発生するディスクロータ2を押圧するトルクは、最大押圧力Fの発生位置が最大となり、最大押圧力Fのトルクの発生方向への分力をfとした場合、そのトルク値はf×Lとなる。前記したように、従来ではディスクロータ2の入口側近傍において最大の押圧力Fを有する押圧力分布となるため、トルク受け部4とトルクが作用する位置とは大きく離間(距離L)し、よってディスクロータ2に作用するトルク値は大きくなる。
このため、インナーパッド5INの母材8に発生する摩耗量は、ディスクロータ2の入口側近傍が大きく、ディスクロータ2の出口側では小さくなる。また、アウターパッド5OUTの母材8に発生する摩耗量は、インナーパッド5INとは逆となり、ディスクロータ2の入口側近傍が小さく、ディスクロータ2の出口側では多くなる。
このため、インナーパッド5INの母材8では図9に矢印δINで示す偏摩耗が発生し、アウターパッド5OUTの母材8では図9に矢印δOUTで示す偏摩耗が発生してしまう。よって、上記した偏摩耗が各パッド5IN,5OUTに発生した場合、制動時におけるブレーキフィーリングが低下し、また制動時に異音が発生するという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、制動時におけるブレーキフィーリングの向上及び異音の発生防止を図りうるディスクブレーキ装置用ブレーキパッド及びその製造方法及びディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
を目的とする。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、
ディスクブレーキ装置に取り付けられる裏金と、該裏金に配設されておりディスクロータに押圧することにより制動力を発生させるブレーキパッドとを有するディスクブレーキ装置用ブレーキパッドにおいて、
前記ブレーキパッドを母材と、該母材よりも硬度が高い矯正材とにより構成し、前記ディスクロータの回転方向に対する前記ブレーキパッドの入口側の硬度と前記ブレーキパッドの出口側の硬度が、異なるよう前記母材と前記矯正材を配設し
前記母材に対する前記矯正材の配設量が、前記ディスクロータの回転方向に対し漸次変化するよう構成したことを特徴とするものである。
上記の発明によれば、ディスクロータの回転方向に対するブレーキパッドの入口側の硬度とブレーキパッドの出口側の硬度が異なるため、硬さの異なる母材と矯正材の配設の仕方によりブレーキパッドに発生する摩耗を調整することが可能となり、偏摩耗の発生を抑制することができるとともに、経時的に母材が摩耗した際、矯正材が徐々に露出する構成となるため、ディスクブレーキ装置用ブレーキパッドに経時的な特性の変化を持たせることが可能となる。
また、請求項2記載の発明は、
請求項1に記載のディスクブレーキ装置用ブレーキパッドが、ディスクロータを挟んで配設されるディスクブレーキ装置において、
前記ディスクロータの内側に配設されるディスクブレーキ装置用ブレーキパッドは、前記ディスクロータの回転方向に対する前記ブレーキパッドの入口側の硬度が前記ブレーキパッドの出口側の硬度に対して高くなるよう構成され、
前記ディスクロータの外側に配設されるディスクブレーキ装置用ブレーキパッドは、前記ディスクロータの回転方向に対する前記ブレーキパッドの入口側の硬度が前記ブレーキパッドの出口側の硬度に対して低くなるよう構成されていることを特徴とするものである。
上記の発明によれば、いわゆるインナーパッドの入口側の硬度を出口側の硬度に対して高くなるよう構成し、かつ、いわゆるアウターパッドの入口側の硬度を出口側の硬度に対して低くなるよう構成したことにより、制動時に各ディスクブレーキ装置用ブレーキパッドをディスクロータに押圧した場合、硬度の低い部分はこの押圧力により収縮するよう変形するため、ディスクブレーキ装置には回転モーメン力が発生する。
この回転モーメント力は、制動時にマウンティングがディスクロータの回転方向に撓むことにより発生する回転モーメント力の作用方向に対して反対方向に作用する。このため、この二つのモーメント力は互いに相殺され、よって制動時においてディスクブレーキ装置に作用するモーメント力を低減でき、よってディスクブレーキ装置用ブレーキパッドに偏摩耗が発生することを防止できる。
上述の如く本発明によれば、ディスクロータの回転方向に対するブレーキパッドの入口側の硬度とブレーキパッドの出口側の硬度が異なる構成とすることができるため、硬さの異なる母材と矯正材の配設の仕方によりブレーキパッドに発生する摩耗を調整することが可能となり偏摩耗の発生を抑制することが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
図1は本発明の第1実施例であるディスクブレーキ装置10を示す全体構成図であり、図2はブレーキパッド15Aの近傍を示す要部構成図である。各図において、12はディスクロータであり車輪(図示せず)と一体的に回転するよう構成されている。また、13はキャリパであり、ディスクロータ12を跨ぐように配設されている。このキャリパ13の内部には、ブレーキパッドとなるインナーパッド15AIN及びアウターパッド15AOUT(以下、両パッド15AIN,15AOUTを総称する場合にはブレーキパッド15Aという)がディスクロータ12を挟むように配設されている。
また、キャリパ13にはピストン16が摺動可能な構成で内設されている。このピストン16は、運転者がブレーキペダル(図示せず)を踏み込むことにより供給される油液により、キャリパ13内で摺動する構成とされている。
このピストン16にはインナーパッド15AINが取り付けられており、よってインナーパッド15AINはピストン16の摺動に伴いキャリパ13内で移動する構成とされている。また、アウターパッド15AOUTはキャリパ13に固定された構成とされている。
更に、キャリパ13にはスライドピン31が離間配設されている。また、車両(図示せず)にはマウンティング11が固設されており、このマウンティング11にはスライドピン31が挿入されるスライドピン孔32が形成されている。スライドピン31は、スライドピン孔32内でスライド動作可能な構成とされており、よってキャリパ13はマウンティング11に対して移動可能な状態で支持された構成となる。尚、図2に示される14は、は制動時にブレーキパッド15Aに発生するトルク力を受けるトルク受け部である。
ここで、本実施例の要部となるブレーキパッド15Aの構成について説明する。ブレーキパッド15A(インナーパッド15AIN,アウターパッド15AOUT)は、裏金17に母材18を配設した構成とされており、更に本実施例ではこの母材18内に矯正材19を配設した構成としたことを特徴としている(図2に詳しい)。
この母材18と矯正材19は、異なる特性を有する材料が選定されている。具体的には、矯正材19は母材18に対し、硬度が低く、摩耗量が多く、かつ摩擦係数が高い材質が選定されている。従って、ブレーキパッド15Aの制動時のブレーキ特性は、母材18の特性と矯正材19の特性が融合された特性となる。
更に、本発明に係るブレーキパッド15Aは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側(図中、上部位置)の硬度とブレーキパッド出口側(図中、下部位置)の硬度が、異なるよう母材18と矯正材19を配設した構成としている。この構成とするために本実施例では、母材18に対する矯正材19の配設量が、ディスクロータ12の回転方向に対し漸次変化するよう構成している。
具体的には、インナーパッド15AINでは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側においては、母材18に対する矯正材19の配設量は少なく設定されており、これに対してディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド出口側においては、母材18に対する矯正材19の配設量は多く設定されている。このため、図2に示されるように、インナーパッド15AINを平面視した場合、矯正材19の形状は三角形形状となっている。
これに対してアウターパッド15AOUTでは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側においては、母材18に対する矯正材19の配設量は多く設定されており、これに対してディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド出口側においては、母材18に対する矯正材19の配設量は少なく設定されている。このため、図2に示されるように、アウターパッド15AOUTを平面視面視した場合、矯正材19の形状は逆三角形形状となっている。よって、インナーパッド15AINに配設された矯正材19の形状と、アウターパッド15AOUTに配設された矯正材19の形状は、ディスクロータ12を介して略対称な構成で配設されている。
このように、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド15Aの入口側の硬度と出口側の硬度が異なるため、母材18と矯正材19の配設の仕方によりブレーキパッド15Aに発生する摩耗を調整することが可能となり、これによりブレーキパッド15Aに偏摩耗が発生することを抑制することができる。以下、この理由について、図2乃至図4を参照して説明する。
図2は、ブレーキパッド15Aのディスクロータ12と対向する位置に母材18が存在している状態を示している。よって、制動時においては、矯正材19に対し、硬度が高く、摩耗量が少なく、かつ摩擦係数が低い母材18がディスクロータ12と摺接することとなる。
ここで、ディスクロータ12が回転していない状態でブレーキパッド15A(インナーパッド15AIN,アウターパッド15AOUT)がディスクロータ12に押圧されたことを想定する。
前記したように本実施例では、インナーパッド15AINのブレーキパッド出口側における矯正材19の配設量は母材18に対して多く、よってブレーキパッド出口側はブレーキパッド入口側に対し硬度が低く撓み易い。これに対し、アウターパッド15AOUTのブレーキパッド入口側における矯正材19の配設量は母材18に対して多く、よってレーキパッド入口側はブレーキパッド入口側に対し硬度が低く撓み易い。
このため、各パッド15AIN,15AOUTをディスクロータ12に押圧した場合、各矯正材19は図2に矢印で示す方向に撓む(収縮する)ため、ディスクブレーキ装置10には図中矢印M1で示すモーメントが発生する。先に説明したように、ディスクブレーキ装置10は制動時にキャリパ13にモーメントM0が発生する。このモーメントM0が作用する方向と、各パッド15AIN,15AOUTに矯正材19を設けたことにより発生するモーメントM1は、相互に逆に方向となる。よって、このモーメントM0とモーメントM1は相殺され、よってディスクブレーキ装置10に作用するモーメント力の低減を図ることができる。
従って、本実施例に係るディスクブレーキ装置10では、ブレーキパッド15Aが共にディスクロータ12と略平行な状態を維持することができる。このため、ブレーキパッド15Aに偏摩耗が発生することを抑制することができ、よってブレーキフィールの悪化やブレーキノイズの発生を防止できる。
ところで、母材18は消耗材であり、制動時にディスクロータ12に押し当てられることにより摩耗が発生する。但し、上記したように本実施例では、ディスクブレーキ装置10(キャリパ13)の姿勢がディスクロータ12と略平行な状態を維持するため、ブレーキパッド15Aに対して摩耗はパッド面(ブレーキパッド15Aのディスクロータ12と摺接する面)の全体に対して略均等に発生する。
図3は、母材18の摩耗が進み矯正材19が露出した状態、即ち制動時に矯正材19がディスクロータ12と摺接する状態を示している。前記のように矯正材19は母材18に対して摩擦係数が高いため、インナーパッド15AINがディスクロータ12を押圧する押圧分布は、矯正材19が露出してディスクロータ12と摺接している部分が最も大きい最大押圧力Fとなる。この最大押圧力Fによりインナーパッド15INに発生するディスクロータ12を押圧するトルクを求めると、最大押圧力Fのトルクの発生方向への分力をfとした場合、そのトルク値はf×Lとなる。
前記したように本実施例における押圧力分布は、矯正材19が露出した位置で最大押圧力Fを採る分布となる。また、矯正材19の配設量はインナーパッド15AINではブレーキパッド出口側が多く配設され、アウターパッド15AOUTではブレーキパッド入口側が多く配設されているため、最初に矯正材19が露出するのはインナーパッド15AINではブレーキパッド出口側となり、アウターパッド15AOUTではブレーキパッド入口側となる。このため、トルク受け部14とトルクの作用位置との離間距離(距離L)は、従来の距離L0(図10参照)に比べて小さくなり(L<L0)、よってディスクロータ12に作用するトルク値も従来に比べて小さくなる。
このように本実施例では、経時的に母材18が摩耗しても、矯正材19が所定位置で露出することにより、ディスクロータ12に作用するトルク値を従来に比べて小さくすることができる。よって、経時的に母材18が摩耗しても、制動時においてブレーキフィールの悪化やブレーキノイズが発生することを防止できる。
図4は、更に母材18の摩耗が進行し、矯正材19が完全に露出した状態を示している。しかしながら、矯正材19は摩耗量が多く、また母材18内において矯正材19は上記したような配設がされているため、比較的短期間で矯正材19よりも裏金17側の矯正材19が露出してディスクロータ12と摺接する。この状態は、図3に示した状態と等価の状態であるため、よって矯正材19が完全に露出した後も図3を用いた説明したと同様の理由でブレーキフィールの悪化やブレーキノイズが発生することを防止できる。
続いて、図5及び図6を参照し、本発明の第2実施例に係るブレーキパッド15Bついて説明する。尚、図5はブレーキパッド15Bの分解斜視図であり、図6はブレーキパッド15Bを用いたディスクブレーキ装置10の要部平面図である。
前記した第1実施例に係るブレーキパッド15Aでは、矯正材19としては同一の材料の摩擦材を用い、その母材18に対する配設量を変化させることによりディスクロータ12の回転方向に対する入口側の硬度と出口側の硬度を異ならせる構成とした。これに対し、本実施例に係るブレーキパッド15Bでは、母材18内に互いに特性(本実施例では、異なる硬度)の異なる複数種の矯正材20A,20Bを配設したことを特徴とするものである。
即ち、本実施例に係る母材18は、図5に示すように複数(本実施例では2本)の収納部21A,21Bが形成されている。そして、この収納部21A,21Bには、異なる特性(硬度)を有した矯正材20A,20Bが配設される。本実施例では、収納部21A,21Bは母材18に穿設された孔であり、矯正材20A,20Bは収納部21A,21Bに嵌入しうる棒状体とされている。よって、母材18に対して収納部21A,21Bを形成する処理、及び矯正材20A,20Bを収納部21A,21Bに配設する処理を容易に行うことができる。
図6は、図5に示したブレーキパッド15Bをディスクブレーキ装置10に組み込んだ構成の一例を示している。インナーパッド15BINでは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側に形成された第1の収納部21Aに硬度高い(硬い)第1の矯正材20Aが配設されており、これに対してディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド出口側に形成された第2の収納部21Bに第1の矯正材20Aに対して硬度の低い(軟らかい)第2の矯正材20Bが配設されている。
これに対してアウターパッド15BOUTでは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側に形成された第1の収納部21Bに硬度低い第2の矯正材20Bが配設されており、これに対してディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド出口側に形成された第1の収納部21Aに硬度の高い第1の矯正材20Aが配設されている。
上記構成とすることによっても、第1実施例と同様に、母材18に対する矯正材20A,20Bの配設の仕方によりブレーキパッド15Bに発生する摩耗を調整することが可能となり、よって第1実施例で説明したと同様の理由により、ブレーキパッド15Bに偏摩耗が発生したり、また制動時に異音が発生したりすることを防止することができる。
続いて、図7及び図8を参照し、本発明の第3実施例に係るブレーキパッド15C及びその製造方法について説明する。尚、図7はブレーキパッド15Cの斜視図であり、図8はブレーキパッド15Cの製造方法を説明するための工程図である。
本実施例に係るブレーキパッド15Cも、前記した第2実施例に係るブレーキパッド15Bと同様に、母材(本実施例では第1の母材18Aと第2の母材18Bとよりなる)内に互いに特性(本実施例では、異なる硬度)の異なる複数種の矯正材22A,22Bを配設したことを特徴とするものである。また、この矯正材22A,22Bは、第1の母材18Aと第2の母材18Bとの間に挟持された構成とされている。
図示は省略するが、本実施例に係るブレーキパッド15Cも、図6に示した第2実施例と同様の態様でディスクブレーキ装置10に装着される。この際、インナーパッド15CINでは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側に硬度高い(硬い)第1の矯正材22Aを配し、これに対してブレーキパッド出口側には第1の矯正材22Aに対して硬度の低い(軟らかい)第2の矯正材22Bを配設する。また、アウターパッド15COUTでは、ディスクロータ12の回転方向に対するブレーキパッド入口側に硬度低い第2の矯正材22Bを配設し、ブレーキパッド出口側には硬度の高い第1の矯正材22Aが配設されるよう構成する。
これにより、本実施例に係るブレーキパッド15Cを用いた場合にも、第1及び第2実施例と同様に、母材18A,18Bに対する矯正材22A,22Bの配設の仕方によりブレーキパッド15Cに発生する摩耗を調整することが可能となり、よって第1実施例で説明したと同様の理由により、ブレーキパッド15Cに偏摩耗が発生したり、また制動時に異音が発生したりすることを防止することができる。
次に、上記構成とされたブレーキパッド15Cの製造方法について説明する。ブレーキパッド15Cを製造するには、図8(A)に示すように、母材18A,18Bの形状に対応したキャビティ27が形成された下型26(基台25上に載置されている)を用意する。この下型26のキャビティ27内には、先ず第1の母材18Aが装填される。この第1の母材18Aは、焼成前の状態のものである。
第1の母材18Aが装填されると、続いて図8(B)に示すように、下型26に中型28を装着する。これにより、キャビティ27内に装填された第1の母材18Aは、中型28の底面に押圧されることにより、上面が平面となるよう整形される。この中型28は、第1及び第2の装填部29A,29Bが形成されており、第1の装填部29Aは第1の矯正材22Aの形成位置に、また第2の装填部29Bは第2の矯正材22Bの形成位置に対応するよう構成されている。
中型28が下型26に装着されると、第1の装填部29Aに焼成前の第1の矯正材22Aが装填され、第2の装填部29Bには焼成前の第2の矯正材22Bが装填される。この際、第1の装填部29Aは、第2の装填部29Bに対して特性の異なる(硬度の高い)材質が選定されている。
このように第1及び第2の装填部29A,29Bに第1及び第2の矯正材22A,22Bが装填されると、中型28は下型26から取り外される。これにより、第1の母材18Aの上部には、第1の矯正材22A及び第2の矯正材22Bが配設された状態となる。尚、第1及び第2の矯正材22A,22Bの中型28に対する離型製性を高めるため、第1及び第2の矯正材22A,22Bを中型28内に装填した後、仮キュアを行うこととしてもよい。
上記のように中型28が下型26から取り外されると、続いて図8(C)に示すように、第1の母材18A及び第1及び第2の矯正材22A,22Bを覆うように第2の母材18Bを装填する処理を行う。この第2の母材18Bは、第1の母材18Aと同一材料とされている。
上記のように第1の母材18Aが装填されると、図8(D)に示すように、上型30によりプレスすることにより第2の母材18Bを形成し、続いてこれを焼成処理する。これにより、第1及び第2の矯正材22A,22Bは第1の母材18Aと第2の母材18Bとの間に挟持された状態で焼結される。このようにして第1及び第2の矯正材22A,22Bと第1及び第2の母材18A,18Bが焼結して一体化すると、これは下型26,上型30,及び基台25から取り外され、裏金17に固着される。これにより、図7に示すブレーキパッド15Cが製造される。
上記の製造方法によれば、下型26に装填された第1の母材18A上に、中型28を用いて第1及び第2の矯正材22A,22Bを装填し、続いてこれを覆うように第2の母材18Bを装填して焼結することによりブレーキパッド15Cを製造するため、異なる特性を有する第1及び第2の矯正材22A,22Bを母材18A,18Bに内設したブレーキパッド15Cを容易に製造することができる。
図1は、本発明の第1実施例であるディスクブレーキ装置の部分断面図である。 図2は、本発明の第1実施例であるブレーキパッドを示す要部構成図であり、矯正材が露出していな状態を示す図である。 図3は、本発明の第1実施例であるブレーキパッドを示す要部構成図であり、矯正材が一部露出した状態を示す図である。 図4は、本発明の第1実施例であるブレーキパッドを示す要部構成図であり、矯正材が前面に露出した状態を示す図である。 図5は、本発明の第2実施例であるブレーキパッドの分解斜視図である。 図6は、本発明の第2実施例であるブレーキパッドを示す要部構成図である。 図7は、本発明の第3実施例であるブレーキパッドを示す斜視図である。 図8は、本発明の第3実施例であるブレーキパッドの製造方法を説明するための図である。 図9は、従来の一例であるディスクブレーキ装置の要部構成図である。 図10は、従来の一例であるディスクブレーキ装置の問題点を説明するための図である。
符号の説明
10 ディスクブレーキ
12 ディスクロータ
14 トルク受け部
15A〜15C ブレーキパッド
16 ピストン
17 裏金
18 母材
18A 第1の母材
18B 第2の母材
19 矯正材
20A,22A 第1の矯正材
20B,22B 第2の矯正材
21A 第1の収納部
21B 第2の収納部

Claims (2)

  1. ディスクブレーキ装置に取り付けられる裏金と、該裏金に配設されておりディスクロータに押圧することにより制動力を発生させるブレーキパッドとを有するディスクブレーキ装置用ブレーキパッドにおいて、
    前記ブレーキパッドを母材と、該母材よりも硬度が高い矯正材とにより構成し、前記ディスクロータの回転方向に対する前記ブレーキパッドの入口側の硬度と前記ブレーキパッドの出口側の硬度が、異なるよう前記母材と前記矯正材を配設し
    前記母材に対する前記矯正材の配設量が、前記ディスクロータの回転方向に対し漸次変化するよう構成したことを特徴とするディスクブレーキ装置用ブレーキパッド。
  2. 請求項1に記載のディスクブレーキ装置用ブレーキパッドが、ディスクロータを挟んで配設されるディスクブレーキ装置において、
    前記ディスクロータの内側に配設されるディスクブレーキ装置用ブレーキパッドは、前記ディスクロータの回転方向に対する前記ブレーキパッドの入口側の硬度が前記ブレーキパッドの出口側の硬度に対して高くなるよう構成され、
    前記ディスクロータの外側に配設されるディスクブレーキ装置用ブレーキパッドは、前記ディスクロータの回転方向に対する前記ブレーキパッドの入口側の硬度が前記ブレーキパッドの出口側の硬度に対して低くなるよう構成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
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