JP4432584B2 - クロロベンゼンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンとのトランス塩素化反応からクロロベンゼンを製造する方法に関する。詳しくは、触媒として金属パラジウムの存在下に、利用価値の低いポリクロロ化芳香族化合物をベンゼンとトランス塩素化反応させてクロロベンゼンに変換することによるクロロベンゼンの製造方法に関する。
パラジクロロベンゼンはPPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂等の原料として、利用価値の高いポリクロロ化芳香族化合物である。近年、PPS樹脂の伸長に伴い、パラジクロロベンゼン製造量の増加が望まれている。しかし、ベンゼン及び/又はクロロベンゼンの塩素化によるパラジクロロベンゼンの製造においては、オルトジクロロベンゼンやトリクロロベンゼンが大量に副生し、これらの利用価値の低いポリクロロ化芳香族化合物の処理が大きな問題になっていた。
また、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などのポリクロロ化芳香族化合物は、猛毒性を有することから、化学的利用が行えず、保管を余儀なくされている問題もあった。
このような利用価値の低いポリクロロ化芳香族化合物をベンゼンとの反応からクロロベンゼンに転換する技術(以下、トランス塩素化と称する)は、少ないながら公知である(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1および2参照)。ここで、クロロベンゼンは、それ自体、医薬・農薬の原料となる他、前記のパラジクロロベンゼン製造時の中間原料として利用価値の高い化合物である。
特開平1−311032号公報(第1頁)
特開平4−312539号公報(第1頁) 特開平6−065119号公報(第1頁) 特開平10−218806号公報(第1頁) 特開平10−218807号公報(第1頁) ケミストリーレターズ(Chemistry Letters)、1987年、2051ページ 日本化学会誌、1989年、No.12、1999ページ
特許文献1、非特許文献1および2に記載の方法は、トランス塩素化反応の際に、塩化パラジウムを活性炭に担持した触媒が提案されている。しかし、塩化パラジウムは融点が低いため、揮散しやすく触媒の安定性の面で問題があった。このために、高価なパラジウムを損失してしまい、経済性の面でも問題を有していた。
特許文献2に記載の方法は、トランス塩素化反応の際に、ルテニウムを単体または化合物の形で含有する触媒が提案されている。しかしながら、この触媒系は触媒活性が十分でなく、また高価な貴金属を用いる問題があった。
特許文献3に記載の方法は、トランス塩素化反応の際に、触媒の存在下に塩化水素などのハロゲン化水素を存在させることを特徴とし、触媒寿命の延長が開示されている。この方法によれば、確かに触媒寿命の延長は示唆されているが、ハロゲン化水素の存在は反応系に用いる材質(例えば、炭素鋼やステンレス等)の腐食につながるため、腐食防止の対策を施すなどの問題があった。
特許文献4および5には、トランス塩素化工程を含むパラジクロロベンゼン製造法が提案されており、トランス塩素化工程には、シリカ・アルミナ、結晶性アルミノシリケートおよび活性アルミナ等の固体酸触媒や活性炭に担持した塩化パラジウム触媒等が開示されている。しかし、固体酸触媒は必ずしも触媒活性が十分でなく、また活性炭に担持した塩化パラジウム触媒は前記の通り、触媒の安定性や経済的な問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的はポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンを原料に、有用なクロロベンゼンを製造する技術を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、ポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンとのトランス塩素化反応からクロロベンゼンを製造する方法において、触媒として金属パラジウムを用いる新規なクロロベンゼンの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、ポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンとのトランス塩素化反応からクロロベンゼンを製造する方法において、ポリクロロ化芳香族化合物がメタジクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンまたはそれらの混合物であり、金属パラジウムを触媒として使用することを特徴とするクロロベンゼンの製造方法である。
本発明のポリクロロ化芳香族化合物は、クロロベンゼンの収率が高いことから、好ましくはメタジクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンまたはそれらの混合物が用いられる
本発明で用いられる触媒は、金属パラジウムであること特徴とする。すなわち、本発明の触媒は、金属パラジウムであることから、高収率でクロロベンゼンを得ることができる。
ここで使用される金属パラジウムは、パラジウム化合物を還元し用いることができ、該パラジウム化合物は、特に限定されるものではなく、通常のパラジウム化合物を用いることができる。例えばヘキサクロロパラジウム(IV)酸アンモニウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム(II)酸アンモニウム、テトラクロロパラジウム(II)酸カリウム、テトラクロロパラジウム(II)酸ナトリウム、テトラブロモパラジウム(II)酸カリウム、酸化パラジウム(II)、酸化パラジウム(IV)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム、硝酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジニトロサルファイトパラジウム(IV)酸カリウム、クロロカルボニルパラジウム(II)、ジニトロジアンミンパラジウム(IV)硝酸塩、テトラアンミンパラジウム(IV)硝酸塩、ジクロロジアミンパラジウム(IV)、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム(IV)、テトラシアノパラジウム(IV)酸カリウム等が使用できる。
この触媒を使用する際に、還元した金属パラジウムをそのまま用いても良いが、連続的な工業プロセスにおいて効率的に使用することができることから、担体に担持させて用いるのが好ましい。担体として用いる物質に特に制限はなく、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、シリカジルコニア、リン酸ジルコニウム、アセチレンブラック、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリコンカーバイド、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、ハイドロタルサイト、モンモリロナイト、サポナイト、シリカチタニア、ジルコニアおよびマグネシア等、通常用いられる担体でよいが、好ましくは活性炭またはアルミナが好適である。
触媒を担体に担持させる方法に特に制約はなく、通常の担持方法、例えば、含浸担持法、イオン交換法および共沈法を用いることができるが、好ましくは含浸担持法がよい。含浸担持法で触媒を調製する場合、例えば、硝酸パラジウムや酢酸パラジウム等のパラジウム化合物を含む溶液を、活性炭やアルミナ等の担体に含浸させ、乾燥または焼成の後、パラジウム化合物を還元して金属パラジウムを含む触媒を調製する。
金属パラジウムを担体に担持する場合の担持量は担体に対して重量で0.001〜50wt%、好ましくは0.01〜20wt%である。この範囲より少ないと経済的な生産速度が得られず、多いと触媒コストが経済的でないからである。
担持後は含浸法またはイオン交換法における常法に従って、デカンテーション、濾過、加熱または減圧加熱等の操作で溶媒を除去する。溶媒を除去後の乾燥は、加熱乾燥、減圧乾燥等を用いることができる。
乾燥後、そのまま還元しても良いし、空気中で焼成を行ってパラジウム化合物を分解した後に還元しても良い。焼成を行う場合には、酸素、または、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで希釈した酸素、あるいは、空気の雰囲気下100〜1,000℃で行うと良い。
パラジウム化合物の還元は、公知の方法が用いられる。例えば、水素、一酸化炭素、エチレンおよびメタノール等を還元剤として用いて気相で還元する方法、あるいは、ヒドラジン水和物、ホルマリンおよび蟻酸等を用いて液相で還元する方法を用いることができる。気相で還元する場合の還元温度は、50〜1,000℃、好ましくは、100〜800℃である。
本発明において、反応させるポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンの割合は、特に限定されないが、モル比で0.01:1〜100:1で行うことが好ましい。
本発明において、ポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンとの反応からクロロベンゼンを製造する反応形式は特に制限されず、任意の反応形式で行うことが可能であり、気相反応法、液相反応法、具体的には、固定床気相流通式、固定床液相流通式、または懸濁床回分式で行うことができる。これらのうち、クロロベンゼンが効率的に得られることから固定床気相流通式、または固定床液相流通式が好ましい。特に金属パラジウムが担体に担持された触媒を用いて、液相反応法で行うことで、塩化パラジウムの揮散がなく、高価なパラジウムの損失が抑えられ、また、原料の重縮合物が触媒から溶出することによって触媒の被毒が抑えられるため、触媒の安定性が高められ、触媒寿命が長くなるなどの効果が認められる。
反応温度は特に制限はされないが、クロロベンゼンへ効率的に変換できることから、好ましくは100〜600℃、さらに好ましくは150〜550℃である。反応圧力は特に制限されないが、通常、絶対圧で0.01〜50MPaであり、好ましくは0.05〜30MPaである。
固定床気相流通式反応の際のガス時間空間速度(GHSV)は、クロロベンゼンへ効率的に変換できることから、好ましくは0.2〜1,000hr−1、さらに好ましくは1〜800hr−1である。また、固定床液相流通式反応の際の液時間空間速度(LHSV)は、クロロベンゼンへ効率的に変換できることから、好ましくは0.001〜10hr−1、さらに好ましくは0.01〜5hr−1である。ここで、ガス時間空間速度(GHSV)、液時間空間速度(LHSV)とは、単位触媒体積当たりの単位時間(hr)に対するポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンの供給量の合計体積を表すものである。
なお、ポリクロロ化芳香族化合物およびベンゼン原料は、そのまま用いても、不活性ガスで希釈して用いても良い。不活性ガスとしては特に制限されるものではないが、例えば窒素、ヘリウムまたはアルゴン等が挙げられ、これらの不活性ガスは単独で使用するのみならず、二種以上を混合して用いることも可能である。
本発明において、ポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンとの反応からクロロベンゼンを製造するプロセスは特に制限されず、任意の形式で行うことが可能である。例えば、ベンゼン及び/又はクロロベンゼンの塩素化によるパラジクロロベンゼンの製造方法においては下記の工程1〜4を経ることによりクロロベンゼンを製造することができる。
即ち、(工程1)ベンゼン及び/又はクロロベンゼンの塩素化によりパラジクロロベンゼン、メタジクロロベンゼンおよびオルトジクロロベンゼン等のジクロロベンゼンを製造する工程。(工程2)工程1で得られた生成物よりパラジクロロベンゼンを単離する工程。(工程3)工程2で分離された残留物をポリクロロ化芳香族化合物として用いる前記クロロベンゼンの製造方法によりクロロベンゼンを製造する工程。(工程4)工程3で得られた生成物よりクロロベンゼンを単離するとともに、残留物を工程3のクロロ化芳香族化合物として循環する工程、が挙げられる。工程1のジクロロベンゼンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン及び、又はクロロベンゼンを原料に、塩素により塩素化する方法が挙げられる。この際に、パラジクロロベンゼンの選択率を高めることができることから、塩化鉄や塩化アルミニウム等のルイス酸を触媒として用いることが望ましい。工程1で得られたジクロロベンゼン、通常はパラジクロロベンゼン、メタジククロロベンゼン、およびオルトクロロベンゼンの異性体からなり、工程2でパラジクロロベンゼンが単離される。工程2のパラジクロロベンゼンの単離方法としては、特に限定されないが、晶析などの方法が挙げられる。工程3のクロロベンゼンの製造方法には、ポリクロロ化芳香族化合物として、工程2で分離されたメタジクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン及び結晶化しなかったパラジクロロベンゼンなどの残留物が用いられる。工程4のクロロベンゼンの単離は、特に限定されないが、蒸留などの方法により行われ、工程4の残留物は工程3に循環され、ポリクロロ化芳香族化合物として利用される。
ここで、生成したクロロベンゼンは医薬・農薬原料として用いてもよいし、前記工程1にリサイクルしてパラジクロロベンゼンの原料として用いてもよい。
本発明は利用価値の低いポリクロロ化芳香族化合物の効率的な利用技術を提供するものであり、具体的にはポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンを原料に、有用なクロロベンゼンを製造する技術を提供することである。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ガスクトマトグラフィー測定
本反応で得られた生成物は、ガスクロマトグラフィー分析装置(島津製作所製、製品名:GC−14A)で、内部標準物質として2−クロロ−エチルベンゼンを用いて分析した。GC−14Aにキャピラリーカラム(Varian社製、製品名:CP−WAX)取り付け、キャリアーガスに窒素を使用し、カラム温度を、初期温度80℃で8分保持した後、170℃まで毎分9℃で昇温し分析を行った。
実施例1
8.3重量%のジニトロジアンミンパラジウム硝酸水溶液12.70gに水を加え15mLとした。この溶液を活性炭(武田薬品工業製、商品名:粒状白鷺)20gに含浸させた後、50℃、20hPaで減圧乾燥した。その後、水素気流中400℃で還元し活性炭担持金属パラジウム触媒を得た。パラジウムの担持量は0.5重量%であった。
この触媒10mlをステンレス製反応管に充填し、1MPaの圧力下、窒素を毎分10mlで流通しながら、400℃まで昇温した。次に、ベンゼンとオルトジクロロベンゼンをモル比で3:1の割合で混合した原料液を、ポンプにより毎分0.083mlで供給して、固定床気相流通式反応を行った。GHSVは28h−1である。反応管出口反応液を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析した。反応生成物の転化率、選択率および収率は、ガスクロマトグラフィーの結果をもとに以下の式より計算した。
(1)転化率(%)=(単位時間に反応したオルトジクロロベンゼンのモル数/
単位時間に供給したオルトジクロロベンゼンのモル数)×100
(2)選択率(%)=(単位時間に生成したクロロベンゼンのモル数/2/単位
時間に反応したオルトジクロロベンゼンのモル数)×100
(3)収率(%)=転化率×選択率/100
その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率、選択率および収率は、それぞれ、66.1%で、82.5%および54.6%であり、4時間目から5時間目では、転化率、選択率および収率は、それぞれ、63.1%、65.0%および41.1%であった。
実施例2
8.3重量%のジニトロジアンミンパラジウム硝酸水溶液19.05gをアルミナ(住友化学製、商品名:KHD−24)30gに含浸させた後、50℃、20hPaで減圧乾燥した。その後、空気気流中400℃で焼成後、水素気流中400℃で還元しアルミナ担持金属パラジウム触媒を得た。パラジウムの担持量は0.5重量%であった。
この触媒10mlを用いた以外は、実施例1と同じ条件で反応を実施した。その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率、選択率および収率は、それぞれ、51.6%で、92.5%および47.7%であり、4時間目から5時間目では、転化率、選択率および収率は、それぞれ、47.8%、73.9%および35.8%であった。
実施例3
8.3重量%のジニトロジアンミンパラジウム硝酸水溶液2.4gに水を加え30mLとした。この溶液を活性炭(武田薬品工業製、商品名:粒状白鷺)40gに含浸させた後、50℃、30hPaで減圧乾燥した。その後、水素気流中400℃で還元し活性炭担持金属パラジウム触媒を得た。パラジウムの担持量は0.5重量%であった。
この触媒20mlをステンレス製反応管に充填し、10MPaの圧力下、ベンゼンとオルトジクロロベンゼンをモル比で3:1の割合で混合した原料液を、ポンプにより毎分0.33mlで供給しながら400℃まで昇温して固定床液相流通式反応を行った。LHSVは1h−1である。反応管出口反応液を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率が18.3%で、クロロベンゼンの選択率は81.2%であり、クロロベンゼン収率14.9%であった。また、4時間目から5時間目の転化率が15.7%で、クロロベンゼンの選択率は82.0%であり、クロロベンゼン収率12.9%であった。反応液には金属パラジウムは溶出していなかった。
実施例4
実施例3で使用した触媒を用いて、ベンゼンとオルトジクロロベンゼンをモル比で2:1の割合で混合した原料液を用いたこと以外は実施例1と同様にして反応を行った。
その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率が20.8%で、クロロベンゼンの選択率は75.6%であり、クロロベンゼン収率15.7%であった。また、4時間目から5時間目の転化率が17.5%で、クロロベンゼンの選択率は76.3%であり、クロロベンゼン収率13.3%であった。反応液には金属パラジウムは溶出していなかった。
実施例5
8.3重量%のジニトロジアンミンパラジウム硝酸水溶液3.0g、硝酸マグネシウム6水和物0.61gを水に溶解し、全量を40mLとした。この溶液を活性炭(武田薬品工業製、商品名:粒状白鷺)50gに含浸させた後、50℃、30hPaで減圧乾燥した。その後、水素気流中400℃で還元し活性炭担持金属パラジウム−マグネシウム触媒を得た。パラジウムの担持量は0.5重量%であり、マグネシウムとパラジウムの原子比は1であった。
この触媒20mlをステンレス製反応管に充填し、10MPaの圧力下、ベンゼンとオルトジクロロベンゼンをモル比で2:1の割合で混合した原料液を、ポンプにより毎分0.33mlで供給しながら400℃まで昇温して固定床液相流通式反応を行った。LHSVは1h−1である。反応管出口反応液を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率が32.7%で、クロロベンゼンの選択率は79.0%であり、クロロベンゼン収率25.8%であった。また、4時間目から5時間目の転化率が28.7%で、クロロベンゼンの選択率は78.0%であり、クロロベンゼン収率22.4%であった。反応液には金属パラジウムは溶出していなかった。
実施例6
実施例3で使用した触媒10mlをステンレス製反応管に充填し、1MPaの圧力下、窒素を毎分10mlで流通しながら、400℃まで昇温した。次にベンゼンとオルトジクロロベンゼンをモル比で3:1の割合で混合した原料液を、ポンプにより毎分0.083mlで供給して、固定床気相流通式反応を行った。GHSVは28h−1である。反応管出口反応液を捕集し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率が66.2%で、クロロベンゼンの選択率は67.2%であり、クロロベンゼン収率44.5%であった。また、4時間目から5時間目の転化率が54.3%で、クロロベンゼンの選択率は60.3%であり、クロロベンゼン収率32.7%であった。
比較例1
塩化パラジウム1.75gを塩酸7.5mlに溶解した後、水を加え15mlとした。この溶液を活性炭(武田薬品工業製、商品名:粒状白鷺)20gに含浸させた後、50℃、20hPaで減圧乾燥した。その後、窒素気流中250℃で3時間乾燥し、活性炭担持塩化パラジウム触媒を得た。この触媒10mlを用いた以外は、実施例1と同じ条件で反応を実施した。その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率、選択率および収率は、それぞれ、32.4%で、88.0%および28.5%であり、4時間目から5時間目では、転化率、選択率および収率は、それぞれ、21.9%、78.1%および17.1%であった。
比較例2
塩化パラジウム1.75gを塩酸7.5mlに溶解した溶液に、水を加え15mlとした。この溶液を活性炭(武田薬品工業製、商品名:粒状白鷺)20gに含浸させた後、50℃、20hPaで減圧乾燥した。これを、塩化セリウム七水和物3.69gを水15mlに溶解した水溶液に加えた後、50℃、20hPaで減圧乾燥した。その後、窒素気流中250℃で3時間乾燥し、活性炭担持塩化パラジウム−塩化セリウム触媒を得た。この触媒10mlを用いた以外は、実施例1と同じ条件で反応を実施した。その結果、反応開始後1時間目から2時間目の転化率、選択率および収率は、それぞれ、54.2%で、88.8%および48.1%であり、4時間目から5時間目では、転化率、選択率および収率は、それぞれ、36.5%、78.5%および28.7%であった。

Claims (8)

  1. ポリクロロ化芳香族化合物とベンゼンとのトランス塩素化反応からクロロベンゼンを製造する方法において、ポリクロロ化芳香族化合物がメタジクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、パラジクロロベンゼンまたはそれらの混合物であり、金属パラジウムを触媒として使用することを特徴とするクロロベンゼンの製造方法。
  2. 触媒が、パラジウム化合物を還元処理して得られる、金属パラジウムであることを特徴とする請求項1に記載のクロロベンゼンの製造方法。
  3. 触媒が、担体に対して金属パラジウム0.001〜50wt%を担体に担持された触媒であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクロロベンゼンの製造方法。
  4. 液相反応法で行うことを特徴とする請求項3に記載のクロロベンゼンの製造方法。
  5. 少なくとも下記の工程1〜4を経ることを特徴とするクロロベンゼンの製造方法。
    工程1;ベンゼン及び/又はクロロベンゼンの塩素化によりジクロロベンゼンを製造する工程。
    工程2;工程1で得られた生成物よりパラジクロロベンゼンを単離する工程。
    工程3;工程2で分離された残留物をポリクロロ化芳香族化合物として用いる請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法によりクロロベンゼンを製造する工程。
    工程4;工程3で得られた生成物よりクロロベンゼンを単離するとともに、残留物を工程3のポリクロロ化芳香族化合物として循環する工程。
  6. 工程1で得られたジクロロベンゼンがパラジクロロベンゼン、メタジクロロベンゼンおよびオルトジクロロベンゼンの異性体からなることを特徴とする請求項5に記載のクロロベンゼンの製造方法。
  7. 工程2のパラジクロロベンゼンを単離する方法が晶析であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のクロロベンゼンの製造方法
  8. 工程2で分離された残留物がメタジクロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンおよび結晶化しなかったパラジクロロベンゼンであることを特徴とする請求項7に記載のクロロベンゼンの製造方法。
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