JP4432171B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置としての発光型ディスプレイであり、フラットパネルディスプレイの一つである有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと表記する)表示素子及びその有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL表示素子は、自己発光型であるため、これを用いたディスプレイは、高輝度、高視野角を示し、かつ低電圧で駆動し得るという特徴を有する。
【0003】
有機EL表示素子は、基本的に、少なくとも一つは有機物で構成される発光媒体を陽極と陰極で挟持した構造を取り、両電極間に所定の電流を流すことにより発光媒体が発光する。通常、陽極及び陰極は、それぞれ複数の電極ラインにより構成され、これら陽極ラインと陰極ラインとを互いに直交させて単純マトリックスディスプレイを構成する。各陽極ラインと陰極ラインとの交点に存在する発光媒体は一つの画素を形成する。
【0004】
このような有機EL表示素子では、高精細の単純マトリックスディスプレイを製造するためには、陰極ラインに非常に微細なパターニング加工が必要となる。陰極ラインを微細にパターニングするための方法として、陽極ラインを交差する方向に互いに離間して延びる複数の隔壁を使用する方法が知られている。前記隔壁の断面形状は逆テーパになるように形成され、このような隔壁の存在により、発光媒体と陰極ラインは、蒸着と同時にパターンニングも可能となる。
【0005】
このようにして作製された有機EL表示素子において、発光媒体及び陰極ラインを大気露出させたままにしておくと、これらは大気中の水分、酸素等によって劣化する。大気中の水分、酸素等の影響により、例えば、発光媒体と電極との界面で剥離が生じたり、構成材料が変質してしまったりする。この結果、ダークスポットと称する非発光領域が生じたり、所定の品質の発光が維持できなくなったりする。
【0006】
この問題を解決する方法として、例えば、特開平5−36475号公報、特開平5−89959号公報、特開平7−169567号公報等に記載されているように、窒素雰囲気または不活性ガス雰囲気中で有機EL表示素子を覆う気密ケース等を透光性絶縁基板上に密着固定して大気中の水分、酸素等を遮断する技術が知られている。
【0007】
しかし、大気中の水分、酸素等を完全に遮断するために、気密ケースは金属、またはガラスで形成され、有機EL表示素子の厚み、重量の約1/2〜1/3をしめる。そこで、有機EL表示素子をさらに薄型、軽量する場合、前記の有機EL表示素子を覆う気密ケース等を取り除き、封止膜のみで完全に封止した方が望ましい。
【0008】
但し、陰極を分離する為に設けられた隔壁が、特に上部にオーバーハング部を有する場合に、オーバーハング部の下部を完全に封止膜で被覆する事が非常に困難である。大気中の水分、酸素等を完全に遮断することができない。そのため、大気中の水分、酸素等を完全に遮断することができず、やはり、駆動時間の経過に伴って、ダークスポットが生じたり、所定の品質の発光が維持できなくなったりする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、封止不良を改善することで、大気中の水分や酸素等の影響を極力除外し、経時劣化が少なく、初期性能を長時間維持できる長寿命の有機EL表示素子とその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記目的を達成するために、まず、請求項1においては、基板上に電極及び隔壁と、隔壁によりパターニングされた蛍光媒体及び対向電極と、少なくとも隔壁の側壁並びに蛍光媒体及び対向電極を覆う変換層と、隔壁並びに蛍光媒体及び対向電極を覆う封止層を少なくとも設け、前記隔壁の断面が逆テーパ形状又はオーバーハング部を有する形状であり、前記変換層の断面形状が隔壁頂部にピークのある順テーパ形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子である。
また、請求項においては、請求項に記載の発明を前提とし、前記変換層が電気絶縁性の光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子である。
また、請求項においては、請求項1〜に記載の発明を前提とし、前記変換層を形成する光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂がアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子である。
また、請求項においては、請求項1〜に記載の発明を前提とし、前記封止層が少なくとも水蒸気バリア性及び/または酸素バリア性を有する金属膜、または無機膜、または有機膜あるいはそれらの積層膜であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子である。
また、請求項においては、基板上に電極及び逆テーパ形状又はオーバーハング部を有する形状の隔壁と、前記隔壁によりパターニングされた蛍光媒体及び対向電極と、少なくとも隔壁の側壁並びに蛍光媒体及び電極を覆う変換層と、隔壁並びに蛍光媒体及び電極を覆う封止層を少なくとも設けた有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法であって、少なくとも、
a)前記変換層を光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂を真空蒸着法で成膜する工程、
光、または電子線で硬化する工程、
(b)変換層上に封止層を積層し、前記構造体を封止層で被覆して変換層の断面形状を隔壁頂部にピークのある順テーパ形状とする工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法である。
また、請求項においては、請求項記載の発明を前提とし、発光媒体の形成から封止層の形成までを真空中で連続して行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機EL表示素子の一例を、基板上の電極が陽極、対向電極が陰極となる場合の製造工程に従って詳細に説明する。
【0012】
先ず、透光性絶縁の基板上にスパッタリング法等により透明導電膜を形成し、フォトリソグラフィー法及びウエットエッチング法で透明導電膜をパターニングし、複数の電極(陽極ライン)を形成する。
【0013】
本発明における基板としては、石英基板、ガラス基板、プラスチック基板等が使用できる。
【0014】
本発明における複数の電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。
【0015】
なお、抵抗を下げるために透明導電膜には銅、クロム、アルミニウム、チタン等の金属もしくはこれらの積層物を補助電極として部分的に併設させることができる。また、陽極上に短絡防止用の絶縁層を形成する必要はないが、絶縁層がないことに限定するものではない。
【0016】
次に、電極と交差するように蛍光媒体及び対向電極(陰極ライン)分離用の隔壁を複数形成する。また、隔壁は対向電極を分離を良好とする為に、図2(a)〜(e)に示すように、逆テーパ形状断面、T字形状断面、工字形状断面など上部にオーバーハング部を有することが好ましい。なお、本明細書で側壁とは各図中、左方及び右方の面をいい、頂部とは各図中、上方の面をいう。
【0017】
本発明の隔壁の製造方法の一例を説明する。UV吸収材を混合したネガ型レジストを塗布乾燥し、適切なマスクを用いてUV露光を行うと、レジストの表面から一定の深さの部分までは感光するが、UV光が吸収されるために深部まで到達できず下部は未露光のまま残る。この状態で現像を行うと、表面層では露光部が溶解されずに残るが未露光部は除去される。表面層より下部側は、すべて未露光部であるためサイドから溶解が進行し、ひさし(隔壁頂部の端部)と順テーパのすそが形成される。また、条件を選べばひさしよりもすそを長くすることが可能である。更に、隔壁及びシール用枠の全面に電子線を照射してからポストベークを行うと、ポストベークにおける変形はほとんど見られなくなる。図2(a)はこの工程で形成した隔壁の断面図である。
【0018】
UV吸収材としては、ベンゾフェノン系、フェニルサリチル酸系、シアノアクリレート系、ベンゾトリアゾール系、シュウ酸アニリド系等の有機物の他、ガラス粉、酸化セリウム粉等の無機物も使用できる。隔壁形成のためだけならば単色顔料や単なるUV吸収材でもよいが、隔壁をブラックストライプと兼ねるために、黒色顔料あるいはRGB3色の混合顔料等の色材を混合してもよい。
【0019】
その後、発光媒体及び対向電極(陰極)を蒸着する。発光媒体及び対向電極は、隔壁によって分離蒸着され、自動的にパターニングされる。対向電極蒸着時には、対向電極は予め形成された引き出し電極、一般的には電極(陽極ライン)を形成すると同時にパターニングされた透明導電膜、に接続される。引き出し電極は発光表示領域内側から外側に引き出されている。
【0020】
本発明における発光媒体は、蛍光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。
【0021】
多層膜で形成する場合の発光媒体構成例は正孔注入輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔注入輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成等がある。さらにより多層で形成することも可能であり、各層を基板上に順に成膜する。
【0022】
正孔注入輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料やポリ(パラ−フェニレンビニレン)、ポリアニリン等の高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
【0023】
発光材料の例としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等が挙げられ、これらを単独、または他の低分子材料や高分子材料と混合して用いることができる。
【0024】
有機電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、及び浜田らの合成したオキサジアゾール誘導体(日本化学会誌、1540頁、1991年)やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、特開平7−90260号で述べられているトリアゾール化合物等が挙げられる。
【0025】
発光媒体は真空蒸着法により形成することができる。発光媒体の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1μm以下であり、好ましくは50〜150nmである。
【0026】
陰極材料としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg,Al, Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。
【0027】
または電子注入効率と安定性を両立させるため、低仕事関数なLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
【0028】
対向電極(陰極)の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。対向電極の厚さは、10nm〜1μm程度が望ましい。
【0029】
最後に、発光媒体や対向電極の大気中の水分、酸素による劣化を抑制する為、変換層、封止層を順次形成する。先ず、隔壁を完全に被覆するために、電気絶縁性の光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂からなる変換層を形成する。この時、変換層によって前記隔壁の逆テーパ部の下部を被覆し、側面形状を逆テーパから順テーパに変換する。変換層を構成する光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂は陰極電極を構成する金属に比べ、隔壁を構成する有機物との親和性が良いために、選択的に隔壁を被覆する。特に、隔壁のオーバーハング部の下部は、電極上の樹脂が引き寄せられるため選択的に被覆される。そのため、断面形状が逆テーパから隔壁頂部にピークのある順テーパに変換される。図2(a)〜(e)に示すように、逆テーパ形状断面、T字形状断面、工字形状断面など上部にオーバーハング部を有する隔壁であっても高い親和性の為、順テーパに変換できる。なお、この変換層は少なくとも隔壁側壁を覆うものであれば、隔壁全体を覆うものでなくともよい。
【0030】
本発明に用いられる電気絶縁性の光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂からなる変換層は、真空中で成膜、硬化でき、隔壁の断面形状を逆テーパから順テーパに変換できれば特に制限はないが、脂肪族アクリレート、脂環式アクリレート、芳香族アクリレート、OH基またはアリル基またはグリシジル基またはカルボキシル基またはクロモ基またはブロモ基等を含有する官能基含有アクリレート、リン型アクリレート、金属型アクリレート等の樹脂モノマーまたはオリゴマーを使用することができる。または、前記アクリレートと同じ骨格のメタクリレートを使用することもできる。または、ピロリドン、酢酸ビニル等の樹脂モノマーまたはオリゴマーを使用することができる。なお、硬化促進のために、重合開始剤等を併用混入しても良い。
【0031】
光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂からなる変換層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、フラッシュ蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法を用いることができる。成膜後、所定の方法で硬化させる。成膜後、真空中で硬化を行うことが好ましい。変換層の厚さは、隔壁の断面形状を逆テーパから順テーパに変換できれば特に制限はない。
【0032】
次に、変換層上に封止層を積層し、隔壁並びに蛍光媒体及び対向電極を完全に封止層で被覆する。封止層は水蒸気バリア性及び/または酸素バリア性を有する金属膜、または無機膜、または有機膜あるいはそれらの積層膜で構成される。導電性の封止膜を使用する場合には、陰極を短絡しないよう注意が必要である。
【0033】
本発明で用いられる金属膜としては、安定なアルミニウム、マグネシウム、銅等を使用することができる。
【0034】
本発明で用いられる無機膜としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン等の酸化物、あるいはフッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム等のフッ化物、あるいは窒化アルミニウム、窒化シリコン等の窒化物を使用することができる。
【0035】
封止層の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。封止の厚さは、水蒸気バリア性及び/または酸素バリア性が十分にあれば制限はないが、0.1μm〜100μm程度、好ましくは0.1 μm〜10μm程度が望ましい。
【0036】
なお、上記記載の材料及び形成方法を用い、基板上の電極が陰極、対向電極が陽極となる有機EL表示素子の製造も可能なことは言うまでもない。
【0037】
【実施例】
[実施例1]
本発明の実施例を図1、図3に従って説明する。
まず、ガラスからなる基板1上にスパッタリング法で陽極としてITO膜を形成した。さらに、透明性と導電性を向上させるために、空気中230℃で1時間加熱処理を行い、ITO膜を結晶化した。
【0038】
次に、フォトリソグラフィー法及びウェットエッチング法によってITO膜をパターンニングし、電極2を形成した。
【0039】
その上にネガ型感光性樹脂を塗布・プリベークし、露光・現像・ポストベークによってひさしとすそを有する隔壁3を形成した。さらに、隔壁3の全面に電子線を照射後、150〜300℃、10〜120分のポストベークを行った。
【0040】
次に、発光媒体4として銅フタロシアニン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体を順に、10nm、40nm、50nmの膜厚で真空蒸着し、次に対向電極(陰極)5としてMgAgを基板回転しながら二元共蒸着した。
【0041】
次に、変換層6としてポリエチレングリコールアクリレートを2μmの膜厚で真空蒸着し、真空中でEB硬化行った。さらにもう一度ポリエチレングリコールアクリレートを2μmの膜厚で真空蒸着し、すぐに電子線硬化行った。電子線硬化条件は電子照射量10Mrad、加速電圧120kVで行った。
【0042】
図3に変換層形成前(a)、後(b)の走査電子顕微鏡写真を示した。隔壁の断面形状が逆テーパから順テーパに変換されている。
【0043】
次に、変換層6上に封止層7としてSiO2、Al、SiO2、Alを順に、200nm、200nm、200nm、200nmの膜厚で真空蒸着した。
【0044】
得られた有機EL表示素子はダークスポットの拡大は観察されず、初期輝度300cd/m2 で半減寿命6000時間であった。
【0045】
[実施例2]
実施例1と同様な工程で作製した有機EL表示素子で変換層としてエポキシエステル70PA(共栄化学(株)製)を2μmの膜厚で真空蒸着し、すぐにEB硬化行った。さらにもう一度エポキシエステル70PAを2μmの膜厚で真空蒸着し、すぐに電子線硬化行った。電子線硬化条件は電子照射量20Mrad、加速電圧200kVで行った。得られた有機EL表示素子はダークスポットの拡大は観察されず、初期輝度300cd/m2 で半減寿命4000時間であった。
【0046】
[比較例1]
実施例1と同様な工程で作製した有機EL表示素子で変換層を成膜せずに、単に封止層をAlを200nmの膜厚で真空蒸着した。
。得られた有機EL表示素子はダークスポットの拡大が観察され、表示品質が著しく悪くなった。初期輝度300cd/m2 で半減寿命100時間であった。
【0047】
[実施例3]
実施例1と同様な工程で作製した有機EL表示素子で封止層としてAlを200nmの膜厚で真空蒸着した。この時、陰極は変換層で覆われており、Al封止層を形成した後も短絡はしていなかった。得られた有機EL表示素子はダークスポットの拡大は観察されず、初期輝度300cd/m2 で半減寿命5000時間であった。
【0048】
[比較例2]
実施例1と同様な工程で作製した有機EL表示素子で変換層を成膜せずに、単に封止層としてSiO2、Al、SiO2、Alを順に、200nm、200nm、200nm、200nmの膜厚で真空蒸着した。得られた有機EL表示素子はダークスポットの拡大は観察され、表示品質が著しく悪くなった。初期輝度300cd/m2 で半減寿命150時間であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、変換層によって前記隔壁側壁を被覆し、断面形状を逆テーパから順テーパに変換した後に、変換層上に封止層を積層し、完全に封止層で被覆することで、水分や外気等の影響を極力除外し、経時劣化が少なく、初期性能を長時間維持できる長寿命の有機EL表示素子とその製造方法を提供することができる。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL表示素子の一例の断面の構造を示す説明図である。
【図2】本発明の陰極ライン分離用隔壁の一例の断面の構造を示す説明図である。
【図3】本発明の有機EL表示素子の一例の断面の構造を示す走査電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 基板
2 電極(陽極)
3 隔壁
4 発光媒体
5 対向電極(陰極)
6 変換層
7 封止層

Claims (6)

  1. 基板上に電極及び隔壁と、隔壁によりパターニングされた蛍光媒体及び対向電極と、少なくとも隔壁の側壁並びに蛍光媒体及び対向電極を覆う変換層と、隔壁並びに蛍光媒体及び対向電極を覆う封止層を少なくとも設け、
    前記隔壁の断面が逆テーパ形状又はオーバーハング部を有する形状であり、
    前記変換層の断面形状が隔壁頂部にピークのある順テーパ形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  2. 前記変換層が電気絶縁性の光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  3. 前記変換層を形成する光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂がアクリル系モノマーまたはアクリル系オリゴマーであることを特徴とする請求項1〜請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  4. 前記封止層が少なくとも水蒸気バリア性及び/または酸素バリア性を有する金属膜、または無機膜、または有機膜あるいはそれらの積層膜であることを特徴とする請求項1〜請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子。
  5. 基板上に電極及び逆テーパ形状又はオーバーハング部を有する形状の隔壁と、前記隔壁によりパターニングされた蛍光媒体及び対向電極と、少なくとも隔壁の側壁並びに蛍光媒体及び電極を覆う変換層と、隔壁並びに蛍光媒体及び電極を覆う封止層を少なくとも設けた有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法であって、少なくとも、
    (a)前記変換層を光硬化性樹脂、または電子線硬化性樹脂を真空蒸着法で成膜する工程、
    光、または電子線で硬化する工程、
    (b)変換層上に封止層を積層し、前記構造体を封止層で被覆して変換層の断面形状を隔壁頂部にピークのある順テーパ形状とする工程
    を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
  6. 発光媒体の形成から封止層の形成までを真空中で連続して行うことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法。
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