JP3755727B2 - 有機薄膜発光ディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

有機薄膜発光ディスプレイパネルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイとして用いられる有機発光素子に関し、特には、高精細で信頼性の高いパッシブマトリクス型有機薄膜発光ディスプレイパネルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物材料のエレクトロルミネセンスを利用した有機薄膜発光ディスプレイパネルの一つに、図1に示すような、パッシブマトリクス型(単純マトリクス型)ディスプレイパネルがある。
【0003】
パッシブマトリクス型ディスプレイパネルは、透明基板31上の複数の第一の電極32と、この第一の電極32に直交する複数の第二の電極34と、これらに挟持された有機発光層33とから構成される。第一の電極32と第二の電極34との交差領域の発光部を1単位として1画素が形成され、この画素を複数個配列することにより表示部分が形成される。この表示部分を、陽極および陰極を基板周囲へ延長させて形成した接続部を介して外部駆動回路と接続することにより、画像表示装置が構成される。
【0004】
近年、有機発光素子の発光応答速度の速さを活かした高精細なパッシブマトリクス型カラーディスプレイの研究が進んでおり、フルカラー表示や動画表示といった情報機器用途での低コストの高品位ディスプレイの実現に、期待が高まってきている。
【0005】
かかる市場での要求に則した高精細なディスプレイを作製するためには、第一の電極および第二の電極のストライプ幅を数百μm以下、隣合うストライプ間のギャップを数十μm以下にする必要がある。
【0006】
しかし、一般に、フォトリソグラフィ技術による有機発光層や第二電極のパターニングは、有機発光層の耐熱性および耐溶剤性の低さのために素子の表示性能や寿命特性を著しく劣化させてしまうという難点を有しており、精密なパターンの作製は困難である。
【0007】
有機発光層および第二の電極の微細パターニング方法に関する上記のような問題を解決するための方法としては、例えば、特開平5−275172号、特開平5−258859号、特開平5−258860号公報中に記載されている技術がある。これらの技術は、複数の第一の電極が形成された基板上に、第一の電極に直交する方向に有機発光層の厚さを上回る高さの複数の隔壁を作製し、この基板上にさらに、隔壁に対して垂直方向、基板面に対して斜めの方向から有機発光層や第二の電極材料を蒸着することによりパターニングを行うというものである。
【0008】
また、特開平8−315981号公報に記載されている技術は、上記の公報に記載された技術において、基板面に対し斜めの方向から有機発光層や第二の電極材料を蒸着するという点を改良したものであり、基板面に対し垂直な方向から成膜することを可能にしている。
【0009】
この技術は、基板面に平行な方向に突出するオーバーハング部を上部に有する電気絶縁性の隔壁を複数の第一の電極に対し直交する方向で形成して、その後有機発光層および第二の電極を順次成膜することにより、第二表示電極を隔壁のオーバーハング部により分断して、隔壁両側の第二表示電極を電気的に絶縁させるというものである。
【0010】
特開平8−315981号公報に記載されたこの技術の問題点は、第二の電極の分離が発光部のごく近傍でなされるために、雰囲気中の水分等が第二の電極の端部から容易に発光部分に進入し、これにより時間経過と共に非発光部分が進行してしまうという点である。
【0011】
また、この技術においては、隔壁形成工程や有機発光層および第二の電極形成工程において発生するパーティクル等が基板上に付着することにより、隔壁側部に異物が堆積して、隔壁の電極分離機能が失われるという問題点も有している。
【0012】
フォトリソグラフ工程等が繰り返されるディスプレイ生産工程では、パーティクルの発生は避けられない問題である。特に、基板は絶縁体からなるために容易に帯電して、工程中でパーティクルを吸着する。隔壁形成工程の前後におけるパーティクルの吸着は、基板上からのパーティクルの除去が難しいために、ディスプレイの生産歩留まりに大きく影響することになる。
【0013】
この問題を回避して第二の電極の分離を確実に行う技術として、複数の隔壁からなる一組の隔壁を形成して分離機能を補完する技術が、特開平11−273871号公報に示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの技術は、前掲の特開平5−275172号、特開平5−258859号、特開平5−258860号および特開平8−315981号公報に示されている隔壁を、単に複数個配列して一組の隔壁を形成するにとどまるものであり、特開平5−275172号、特開平5−258859号、特開平5−258860号公報中の技術における課題である、第二の電極の膜厚分布による発光特性の面内分布の発生や、蒸発元および基板の配置に自由度がないこと等は何等解決されていない。
【0015】
また、特開平8−315981号公報中の技術における課題である有機発光層および第二の電極端部からの雰囲気中の水分等の進入による非発光領域の進行という問題点も解消されていない。
【0016】
さらに、一般に、ディスプレイパネルの輝度半減期を長くするためには開口率を大きく設計して一画素当たりの輝度を低下させることが望ましいが、このような場合には、非発光部となる隔壁の形成部分の幅は小さくなる。この限られた寸法内で複数の隔壁を横方向に平行に並べると、隔壁のアスペクト比が大きくなり、強度が低下することにより隔壁が倒壊して機能不全が起こるという問題が発生する。特に、公報中に例示されている逆テーパー形状では、隔壁の基部の寸法が上部よりも小さくなるため、強度がさらに低下して、かかる機能不全の発生頻度も高くなると考えられる。
【0017】
そこで本発明の目的は、上述の従来技術における問題点を解消して、特には第二の電極を確実に分離することにより、高精細な表示を可能とした有機薄膜発光ディスプレイを提供することにある。
【0018】
【問題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の有機発光薄膜ディスプレイは、基板上に、短冊状に配置された複数列の第一の電極と、該第一の電極に直交する方向に短冊状に配置された複数列の第二の電極とを有し、かつ、該第一の電極と第二の電極との間に少なくとも有機発光層が挟持されてなり、該両電極の交点が各々画素を構成し、所望の画素を構成する両電極間に電圧を印加してエレクトロルミネセンスを取り出すことにより情報の表示を行う有機薄膜発光ディスプレイパネルにおいて、
前記第一の電極上に、該第一の電極に直交する方向であって前記第二の電極の辺部を構成する、前記基板上に突出する複数列の電気絶縁性の隔壁が形成され、かつ、その上面から前記基板方向に複数の孔を有する該隔壁により、隣接する前記第二の電極同士が互いに分離され、前気孔のアスペクト比が1.0以上であり、前記複数の孔が、隣接する孔同士で、少なくとも一部で連通して設けられていることを特徴とするものである。隔壁に設けた孔により、基板に対して垂直な蒸気流によっても第二の電極の分離形成を容易に行うことが可能となる。
【0021】
さらに、前記第一の電極上に、該第一の電極の少なくとも一部を露出せしめる電気絶縁膜を有し、前記隔壁が、該電気絶縁膜上に形成されていることが好ましい。これにより、第二の電極と、孔の下の第一の電極との短絡を確実に防止することができる。
【0022】
また、本発明の有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法は、前記本発明の第一のパッシブマトリクス有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法において、
基板上に、複数列の第一の電極を形成するパターニング工程と、該第一の電極に直交する方向に、前記基板上に突出する複数列の電気絶縁性の隔壁を形成し、かつ、該隔壁にその上面から前記基板方向に複数の孔を設ける工程と、有機発光層および第二の電極を順次形成するパターニング工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0023】
さらに、本発明の他の有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法は、前記本発明の第二のパッシブマトリクス有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法において、
基板上に、複数列の第一の電極を形成するパターニング工程と、該第一の電極上に、少なくとも該第一の電極の一部を露出せしめる電気絶縁膜を形成するパターニング工程と、該第一の電極に直交する方向に、前記基板上に突出する複数列の電気絶縁性の隔壁を形成し、かつ、該隔壁にその上面から前記基板方向に複数の孔を設ける工程と、有機発光層および第二の電極を順次形成するパターニング工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の有機薄膜発光ディスプレイパネルは、いわゆるパッシブマトリクス型ディスプレイパネルであり、図1に示すような、基板31と、基板31上に互いに直交して形成された第一の電極32および第二の電極34と、両電極間に挟持された有機発光層33と、からなる基本構造を有する。両電極の交点により構成される画素の配列によって表示部が形成されており、両電極間への電圧の印加によりエレクトロルミネセンスを取り出して情報の表示を行うものである。
【0025】
本発明においては、図2に示すように、基板1上に形成された複数列の第一の電極2上に、第一の電極2と直交する方向に、基板1上に突出する電気絶縁体からなる隔壁3が設けられている。かかる隔壁3はその上面から基板1方向に複数の孔4を有しているため、この上部に設けられる隣接する第二の電極(図示せず)同士は、互いに分離されることとなる。
【0026】
かかる孔4自体の形状は特に制限されないが、特には、アスペクト比を1以上とすることが重要である。孔を、アスペクト比が1以上となるよう形成することにより、第二の電極を形成する際に垂直方向から蒸着を行う場合でも、孔による第二の電極の分離を確実にすることができる。これは、図4の顕微鏡観察図に示すように、蒸着時に孔の入口に膜材料が堆積するために、これが孔の内部に影をなして、孔の内部で膜が不連続になるのを確実にするためである。
【0027】
本発明においては、孔の形状に関し重視すべきなのはアスペクト比であり、アスペクト比が1以上となる形状であれば、孔の開口部の形状は制限されず、例えば、円形、方形、三角形等の適宜形状とすることができる。また、図4に示す例では孔4を、隔壁3を貫通して設けているが、アスペクト比が1.0以上であれば非貫通孔であっても本発明の効果を十分に得ることができる。
【0028】
また、複数の孔4は、隣接する孔4と、少なくとも一部で連通して設けられていることが好ましい。孔4の配列としては特に制限はなく、例えば、図5の(イ)〜(ヘ)に示すように、自由に設けることができる。また、かかる複数の孔4の位置を適切に選択することにより、隔壁の強度を保つことが可能である。
【0029】
さらに、本発明においては、図6に示すように、孔4の壁面の基板1に対する角度θが90°以上であり、また、隔壁3の側面の基板1に対する角度φが90°未満であることが好ましい。角度φを90°未満とすることにより、隔壁3の壁面において有機発光層および第二の電極材料が発光部から連続して形成されるため、水分等の劣化因子の発光層への進入を防止することができる。
【0030】
隔壁3の材料としては、ネガ型フォトレジストの他、ポジ型フォトレジストや、感光性を持たないポリイミド等の有機膜等を用いることができ、形成方法としては、通常のフォトリソグラフ工程を用いる方法や、レーザー光をスポット状に照射することにより孔を形成する方法等を挙げることができる。また、SiO2やSi34等の無機膜を用いてもよく、この場合には、エッチングやリフトオフ法によりパターニングする方法や、レーザー光により加工する方法等を用いて隔壁形成が可能である。尚、用いる隔壁材料の材質、パターニング方法等は例示の限りではない。
【0031】
また、本発明に用いる基板1としては、ガラス基板の他に、ポリマーフィルム等のフィルム状基板や、ガラス基板上のカラーフィルター等の有機膜を適用することが可能である。また、第一の電極2に用いる材料としては、透明導電性膜材料の場合には、インジウム錫酸化物(ITO)の他に、例えば、インジウム亜鉛酸化物、酸化錫、酸化亜鉛、アルミニウム錫酸化物などを用いることができ、また、第二の電極を透明電極とした場合には、第一電極としてはAl、Li、Mgや、これらの合金とすることができる。第一の電極2は複数の材料の積層から形成することも可能である。この場合には、酸化亜鉛やアルミニウム錫酸化物などを用いることができる。
【0032】
尚、基板1と第一の電極2との間には、金属膜として例えばMo膜を設け、第一の電極2の抵抗を低減するバスラインとしての機能を持たせることができる。かかる金属膜は、第一の電極2と電気的な接触を保つように形成する。
【0033】
本発明においては、好適には、図7に示すように、第一の電極2上に、第一の電極2の少なくとも一部を露出せしめる電気絶縁膜6を設け、その上に隔壁3を形成する。かかる電気絶縁膜6を設けることにより、第二の電極と、孔の下の第一の電極との短絡を確実に防止することができる。また、隔壁を、第一の電極上に直接ではなく電気絶縁膜を介して設けるために、隔壁の下地に対する密着性やベーク状態が向上することにより隔壁の形状が安定して、ディスプレイパネルの表示品質を良好に維持することが可能となる。尚、図中、7は端子パッドである。
【0034】
かかる電気絶縁膜6は、第一の電極の少なくとも一部が露出するように形成されていればよく、その形成範囲については特に制限はない。例えば、画像表示領域よりも広い範囲に、その外側まで拡げて形成してもよく、これにより、ディスプレイパネルの発光領域を明確に規定することができる。また、好適には、第一の電極2と直交する部分の幅、即ち、隔壁3と平行な部分の幅を、隔壁3の幅よりも広く形成する。例えば、隔壁の高さが5μm程度で、第二の電極材料の入射角度が基板面に対しほぼ垂直である場合には、電気絶縁膜の幅を隔壁の幅よりも1μm程度広く形成することが好ましいが、電気絶縁膜の存在によりパネルの開口率が低下してしまうため、素子設計や素子の信頼性を反映して、適宜選定する必要がある。さらに、電気絶縁膜を第一の電極の夫々の端部を被覆するよう形成してもよく、電気絶縁膜を第一の電極と並行な方向に第一の電極の端部を被覆するように形成した場合、電極端部の形状により電界集中の起き易い部分を保護する働きを持たせることができ、これによりパネルの劣化を防止することができる。
【0035】
電気絶縁膜6に用いることのできる無機材料としては、例えば、SiNx、AlOx、TaOx等の無機酸化物を挙げることができ、無機酸化膜の形成方法としては、スパッタ法や、真空蒸着で成膜する方法等を挙げることができる。このパターニングの方法としては、リフトオフや、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられるが、パターン形成時に第一の電極に与えるダメージの少ない方法を選択することが好ましい。これらの方法のうち、特にリフトオフは、第一の電極表面の有機発光媒体への電荷注入を行う部分に無機酸化膜を堆積させることなく無機酸化膜のパターン形成を行うことができるという利点がある。一方、エッチングにより無機酸化膜を除去する場合には、第一の電極表面に無機酸化膜のエッチング残渣が残留したり、第一の電極表面にダメージを与えることがあることから、ディスプレイパネルの寿命、画質に悪影響を及ぼすことが想定されるため、用いた場合には、無機酸化膜を5°程度のテーパー形状とすることができる。
【0036】
無機酸化膜としてSiO2膜を用いる場合には、成膜方法として、SiO2溶液に浸漬するか、または、スピン・オン・グラスを使用することも可能である。パターニングの方法としては、例えば、ウェットエッチングではHFとNH4Fの混合液を用いる方法や、ドライエッチングではCF4+O2の混合ガスを用いてエッチングする方法等が挙げられる。無機酸化膜は、駆動時に必要となる絶縁耐性を持ち、かつ、ピンホール等の膜欠陥が少なくなる厚さに形成する必要がある。例えば、スパッタ法で形成する場合には、100nm以上が好ましい。
【0037】
また、電気絶縁膜6としては有機材料を用いてもよく、かかる有機材料としては、フォトレジスト材料や、ポリイミド、アクリル樹脂等を挙げることができる。特に、ネガ型のフォトレジスト材料を用いた場合には、パターン不要部分が現像液に対する高い溶解性を保つために、第一の電極上に残る残渣の問題を低減することができる。また、露光時にベース樹脂の架橋度を高めることにより、後プロセスの隔壁形成工程に対する耐性を高めることが可能である。これらのパターニングの方法としては、例えば、フォトマスクに紫外光の回り込みを誘発するような工夫をすることにより、露光部分の架橋度合いに変化を持たせてテーパー形状に加工することも可能である。かかる有機膜の厚さは、およそ500〜1000nmが好ましい。
【0038】
有機発光層の材料としては、等に限定されないが、例えば、Cuフタロシアニン、N、N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム等を用いることができる。
【0039】
また、本発明の有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法は、上述の材料、形成方法を用いて、本発明の有機薄膜発光ディスプレイパネルを作製するものであり、特に制限はされない。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施の形態について詳細に説明する。
実施例1
孔のアスペクト比を確認するために、50×50mmのガラス基板上に、第一の電極2としてのITO膜を厚さ100nmにて形成し、この上にネガ型フォトレジストを厚さ5μmにて塗布して、フォトリソグラフ工程により開口部の直径が夫々3μm、5μm、7μmである円形の孔4を形成して、隔壁3とした。基板端部のアスペクト比は、夫々1.7、1、0.7であった。
【0041】
次いで、蒸着材料としてAlを用いて第二の電極を形成し、基板上の第一の電極と隔壁上部の第二の電極との導通を確認した。第二の電極の形成は、真空槽内で、Al蒸発源を基板の直下に設置して、基板との距離を500mmに設定して行い、蒸着時の真空槽内の圧力1.3×10-5Pa、蒸着速度2nm/秒として、膜厚200nmのAl膜を形成した。尚、蒸着時には基板の加熱は行わなかった。図3に、作製した基板の概要を示す。
【0042】
この結果、孔の直径を5μm以下とした基板、即ちアスペクト比が1以上である基板において導通がないことが確認された。即ち、孔へのAl入射が垂直な場合においても、アスペクト比が1以上となる孔を形成することにより、Al膜の分離が可能であることが確認された。また、顕微鏡によりこの孔の状態を観察した結果、図4に示すように、孔の入口に蒸着材料が堆積して、これにより蒸着材料が遮られて、孔の内部で膜が不連続になっていることがわかった。
【0043】
実施例2
次に、孔の配列の影響について考察するために、50×50mmのガラス基板1上にこの上にネガ型フォトレジストを厚さ5μmにて塗布して、フォトリソグラフ工程により、幅30μm、長さ40mmの隔壁3をピッチ330μmで100本形成した。この隔壁には、開口部の直径5μmである円形の孔4を、夫々図5の(イ)〜(ヘ)に示す配列で形成した。この基板を、夫々6枚作製した。
【0044】
次いで、蒸着材料としてAlを用い、開口部が300×300mmの蒸着マスクを用いて蒸着を行って第二の電極を形成し、隔壁間で隣接するAl電極の導通を確認した。第二の電極の形成は、実施例1と同様の方法で行った。この結果、各パターンにおいて、Al電極の絶縁が確認された。即ち、Al電極の分離においては、孔の配列ではなく、孔のアスペクト比が重要であることがわかった。
【0045】
実施例1および2の結果から、第二の電極の分離を可能とするために、孔の形状において最も重視されるのはアスペクト比であり、アスペクト比が1以上となる形状であれば、孔の形状および配列には関わりなく、孔の開口部の形状は制限されないことが確かめられた。
【0046】
実施例3
次に、画素数(320×RGB)×240ドット、画素ピッチ110×330μmのサブドット数230、400の有機薄膜発光ディスプレイパネルに本発明を適用した実施例を示す。パネルは、第一の電極の形成するデータラインをパネル上下方向に2分割した構造とした。
【0047】
まず、ガラス基板1上に、第一の電極2の補助電極部として、抵抗率1.5×10-5[Ω・cm]のMo膜を膜厚300nm、幅20μmにて形成した。Moの成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用い、パターニングには通常のフォトリソグラフィ法を用いた。
【0048】
次に、第一の電極2として、抵抗率2.0×10-4[Ω・cm]のインジウム−錫−酸化物(ITO)を、膜厚100nm、幅100μmにて形成した。かかる第一の電極の成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用い、パターニングには通常のフォトリソグラフィ法を用いた。
【0049】
次に、ネガ型フォトレジストを用いて、厚さ1μmの電気絶縁膜6を形成した。この電気絶縁膜は、第一の電極と直交する方向に、透明電極の端部を被覆する形状にパターニングした。尚、電気絶縁膜の端部の基板に対する角度は鋭角となるよう形成した。
【0050】
次に、ネガ型フォトレジストを用いて、厚さ5μmの隔壁3を形成した。隔壁の幅は30μmとし、ピッチは330μmとした。隔壁上には、図5(イ)に示す形状にて孔を配列した。尚、隔壁の端部の基板に対する角度は鋭角となるよう形成した。
【0051】
続いて、この基板上に有機層および第二の電極としての陰極を形成して、封止、接続を行った。この手順としてはまず、基板を酸素/窒素混合ガス(20%酸素、水分量20ppm以下)パージ環境下にてUV照射洗浄を行った後、速やかに蒸着装置を導入した。次に、10-5Pa台の真空を破ることなく、有機正孔注入層、有機発光層、有機電子注入層およびAl陰極を、連続して成膜した。すべての成膜には抵抗加熱式蒸着法を用い、膜厚の検出は、水晶振動子式膜厚計にて行った。
【0052】
成膜を終了した基板は、大気に曝すことなく窒素ガス雰囲気下のグローブボックスに移送して、UV硬化/熱硬化併用型シール剤とガラス封止板とを用いて封止を行った。封止内にはグローブボックス内環境ガスである窒素ガス(水分量5ppm以下、酸素分量5ppm以下)を充填した。
【0053】
封止を完了した基板は、大気中に取り出して、異方導電性接着剤(ACF)を用いて駆動回路端子と接続した。
【0054】
以上の方法により、画素数(320×RGB)×240ドット、画素ピッチ110×330μmのサブドット数230、400の有機薄膜発光ディスプレイパネルを作製した。この有機薄膜発光ディスプレイパネルにおいては、第二の電極が分離して形成されていることにより高精細な表示が可能であるとともに、長期間安定して駆動できることが確かめられた。
【0055】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の有機薄膜発光ディスプレイパネルおよびその製造方法によれば、第二の電極の分離を確実に行うことができ、かつ、非発光部分の拡大を抑え、長時間安定な駆動が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッシブマトリクス型有機薄膜発光ディスプレイパネルの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明のパッシブマトリクス型有機薄膜発光ディスプレイパネルの第二の電極形成前における好適例を示す斜視図である。
【図3】実施例1の有機薄膜発光ディスプレイパネルの基板の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る孔周辺部の第二の電極の形成状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る孔の配列例を示す模式図である。
【図6】本発明に係る隔壁の側面部および孔の形状を示す断面図である。
【図7】電気絶縁膜を設けた場合の本発明の有機薄膜発光ディスプレイパネルを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 第一の電極
3 隔壁
4 孔
5 第二の電極
6 電気絶縁膜
7 端子パッド

Claims (4)

  1. 基板上に、短冊状に配置された複数列の第一の電極と、該第一の電極に直交する方向に短冊状に配置された複数列の第二の電極とを有し、かつ、該第一の電極と第二の電極との間に少なくとも有機発光層が挟持されてなり、該両電極の交点が各々画素を構成し、所望の画素を構成する両電極間に電圧を印加してエレクトロルミネセンスを取り出すことにより情報の表示を行う有機薄膜発光ディスプレイパネルにおいて、
    前記第一の電極上に、該第一の電極に直交する方向であって前記第二の電極の辺部を構成する、前記基板上に突出する複数列の電気絶縁性の隔壁が形成され、かつ、その上面から前記基板方向に複数の孔を有する該隔壁により、隣接する前記第二の電極同士が互いに分離され、前記孔のアスペクト比が1.0以上であり、前記複数の孔が、隣接する孔同士で、少なくとも一部で連通して設けられていることを特徴とする有機薄膜発光ディスプレイパネル。
  2. 前記第一の電極上に、該第一の電極の少なくとも一部を露出せしめる電気絶縁膜を有し、前記隔壁が、該電気絶縁膜上に形成されている請求項記載の有機薄膜発光ディスプレイパネル
  3. 請求項項記載のパッシブマトリクス有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法において、
    基板上に、複数列の第一の電極を形成するパターニング工程と、該第一の電極に直交する方向に、前記基板上に突出する複数列の電気絶縁性の隔壁を形成し、かつ、該隔壁にその上面から前記基板方向に複数の孔を設ける工程と、有機発光層および第二の電極を順次形成するパターニング工程と、を含むことを特徴とする有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法。
  4. 請求項記載のパッシブマトリクス有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法において、
    基板上に、複数列の第一の電極を形成するパターニング工程と、該第一の電極上に、少なくとも該第一の電極の一部を露出せしめる電気絶縁膜を形成するパターニング工程と、該第一の電極に直交する方向に、前記基板上に突出する複数列の電気絶縁性の隔壁を形成し、かつ、該隔壁にその上面から前記基板方向に複数の孔を設ける工程と、有機発光層および第二の電極を順次形成するパターニング工程と、を含むことを特徴とする有機薄膜発光ディスプレイパネルの製造方法。
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