JP4431113B2 - データ伝送方法及びデータ伝送装置 - Google Patents

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Description

【技術分野】
本発明は、伝送路におけるデータ伝送方法及びデータ伝送方法を適用する伝送装置(送信装置及び受信装置)に関する。
【背景技術】
データを伝送する通信路の伝送容量増加方法として、データを伝送するリンク本数(すなわち、ビット幅)を増やし、伝送容量を増加することのできるパラレル同期伝送方式が用いられてきた。しかし、パラレル同期伝送方式では、データが受信側に到着した時点で、各リンクのタイミングがビット単位で揃っている必要がある。しかし、伝送距離が増加するにつれ、リンク間の伝送距離の差が生じ、それに伴う伝搬遅延が発生し、リンク間で到着時間に差(スキュー)が生じる。パラレル同期伝送方式を用いてデータを長距離伝送するためには、このスキューの問題を解決しなくてはならなので、従来のパラレル同期伝送方式は長距離伝送にはあまり向いていなかった。
一方、パラレルの信号を時間多重してシリアル化し、シリアル信号として伝送後、受信側で再びパラレル化する技術(一般的に「SerDes」(Serializer/De−serializer)と呼ばれる)を用いたシリアル伝送方式がある。このSerDesを用いることで、前記のパラレル伝送を高速化したときに顕著となるビット間のスキューの問題を解決でき、長距離伝送が可能となる。
近年のIPトラフィック増加に伴い、伝送分野においても高速化が求められ、100Gbit/sを超えるような伝送容量が必要となっている。しかし、シリアル伝送方式をさらに広帯域化するには、1bitのパルス幅を短くして時間方向での密度を増加する必要があるが、物理的な限界があり、帯域幅をあまり増やすことができなかった。そのため、更なる広帯域化には、パラレル化技術とシリアル信号の高速化技術の併用が重要である。
そこで、高速シリアルデータをさらに並列化して伝送するには、前記パラレル同期伝送方式で問題となったスキューを解決する必要がある。ただし、各シリアル信号が10Gbit/sという高速信号となることを仮定すると、1bitのパルス幅は100psとなり、ビット単位で同期して伝送することは事実上不可能である。そこで、シリアル信号を、ある程度の大きさを持つブロックに区切り、このブロックを単位に同期伝送する方式が考えられている。XAUI(10Gigabit Attachment Unit Interface)では、8B/10B符号化方式を用い、この符号を単位をしてスキューを補正する方式が用いられている(非特許文献1、参照。)。
一方、高速シリアル信号をパラレル化して長距離伝送するためには、WDM(Wavelength Division Multiplex)伝送方式を利用し、各シリアル信号を異なる波長に割り当てて伝送することもできる。しかし、WDMでは、隣接波長とのクロストークが大きくなり、回線のエラー発生率(BER:Bit Error Rate)が大きくなり、帯域幅が低下するという問題が生じる。また、比較的近距離であれば、複数の光ファイバを束ねたリボンファイバを使用して各ファイバ毎にパラレル伝送をすることも可能だが、使用する光ファイバがMMF(Multi−Mode Fiber)であるため、長距離伝送を行うと信号劣化が大きくなり、BERも大きくなってしまう。さらに、光伝送では、複数のレーザ発信器及び受光器を1モジュールに搭載し、かつ、光リンクの経路が複数(パラレル度数)あることから、系全体の故障率はレーザ発信機単体に比べると、最低でもパラレル度数倍に増加する。さらに、回線を構成する複数本のうち1本でも障害が発生すれば、即回線断になるという問題がある。
そこで、特許文献1には、伝送路の信頼性を向上し、且つ伝送速度を高速化しないよう、データ信号を伝送する経路に加え、別の経路を用いて誤り訂正を行う冗長ビットを伝送する光伝送装置が開示されている。
また、特許文献2には、複数のチャネルを用いて情報データを伝送し、且つ別のチャネルを用いて情報データに対する検査データを伝送し、受信側では検査データから各チャネルの誤り訂正を実施する光伝送の方法が開示されており、情報データを伝送するチャネルの伝送速度を上昇することなく検査データを送信でき、誤り訂正を実施できる。
【発明の開示】
高速シリアルデータをパラレル化して伝送する伝送路において、長距離伝送時にはBERが高くなる。さらに、複数のレーザ発信機を1モジュールに搭載し、光リンクの経路が複数(パラレル度数)あるため、系全体の故障率はレーザ発信機単体に比べて、最低でもパラレル度数倍に増加する。パラレル伝送では回線を構成する複数本のうち1本でも障害が発生すれば、即刻回線断になるという問題がある。
また、特許文献1では、ディジタル信号をシリアル方式で伝送する方法が開示されているが、パラレル方式については何ら開示されておらず、特許文献2では、送信される検査データは誤り制御(誤り訂正)に使用されるものであり、情報データを伝送する複数のチャネルのうち1チャネルが欠落した状態を補うことはできない、という問題があった。
本発明はこのような問題点を鑑みてなされたものであり、パラレル伝送を用いた長距離伝送において、回線の障害を回避可能なデータ伝送方法及び伝送装置を提供することを目的とする。
本発明の送信装置では、伝送すべきデータ列(以下、元データ)をリンク数分にデータ分割し、データ分割した元データを複数のリンク(以下、データリンク)を使用して送信する。また、各データリンクのパリティ(以下、パリティデータ)を計算し、データリンクとは異なるリンク(以下、パリティリンク)を使用して送信する。さらにデータリンク及びパリティリンクにおいて、送信するデータに対する誤り検査ビットを計算し、共に送信することを特徴とする。
本発明の受信装置では、伝送中に生じたビット誤りを含む元データ、パリティデータ及び検査ビットを受信する。受信装置では受信した元データとパリティデータを、それらに対応する検査ビットを使用して誤りを計算し、誤りが生じていればそのデータを訂正する。受信側で誤り訂正が生じていなければ、データリンクから受信したデータが送信した元データと違わない正しいデータである判断し、受信データとして採用する。また各リンクにおいては、自リンク以外のデータリンクとパリティリンクから受信した元データとパリティデータとのパリティを常時計算し、元データを復元することを本発明の特徴とする。
本発明の特徴として、さらに、受信装置で誤り訂正を生じた場合は、その訂正回数を数え、該リンクのBERを計算する。また予めリンクを信頼する最低BERを規定する。計算から求めた該リンクのBERが最低BERよりも大きくなる場合は、該リンクを信頼できないものと判断し、前記復元された元データを受信データとして採用することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態の伝送システム全体を示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態の送信部14の内部の構成を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態のパリティの計算方法の一例を模式的に示す説明図である。図4は、本発明の実施の形態のパリティデータ列からのデータ列を復元する例を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態の受信部26の内部の構成を示すブロック図である。図6は、本発明の実施の形態の各リンクの符号同期処理を示すフローチャートである。図7は、本発明の実施の形態のデスキュー処理の詳細を示すチャートである。図8は、本発明の実施の形態のパリティ符号同期・デスキュー処理(図6のS45)の詳細を示すフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態の各データリンクで誤り訂正が発生したときの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施の形態の伝送システム全体を示すブロック図である。
本発明の実施の形態の伝送システムは、送信装置1と受信装置2とが伝送路20を介して接続されており、送信装置1は信号(データ)を伝送路20を経由して送り、受信装置2がこれを受け取るよう構成されている。
送信装置1には、入力端子10、ビット分割部12、複数のデータリンク100、送信部14、複数のリンク150、複数のP/S変換部16、光変換部18が備えられている。受信装置2には、電気変換部22、複数のS/P変換部24、複数のリンク200、受信部26、複数のデータリンク280、ビット結合部28、出力端子30が備えられている。伝送路20は光ファイバ等で構成されており、複数の光ファイバで構成されるリボンファイバ、又はWDM技術によって複数のリンクを伝送可能に構成される。
送信装置1の入力端子10から入力されたデータは、ビット分割部12でn本(nは自然数)のデータリンク100に分割される。以下、このデータリンク100の各分割単位を、D1〜Dnと呼ぶ。この分割されたデータリンクは送信部14に入力される。送信部14は、入力されたデータリンクD1〜Dnから、パリティリンク(冗長リンク)及び検査リンクを得て、D1〜Dnのリンク+2本のリンク(計n+2本)であるリンク150をP/S変換部16に出力する。なお、検査リンクには、例えば、FEC(Forward Error Correction)を用いる。P/S変換部16は、このn+2本のリンク150を、それぞれ、低速のパラレルデータから高速のシリアルデータへ変換して、光変換部18に出力する。光変換部18では、P/S変換部16から出力された各シリアルデータを電気信号から光信号へ変換し、変換した光信号を伝送路20に送信する。
なお、各リンクのデータ形態(送信部14の各出力リンクのデータ形態)をシリアルデータとすることも可能であり、その場合には、P/S変換部16は不要である。
光変換部18は、伝送路20にWDMを用いる場合は、得られた光信号をそれぞれ複数の波長に割り当てて伝送路20に送信する。また、伝送路20がリボンファイバで構成されている場合は、ファイバ毎に各光信号を送信し、特に波長変換は必要としない。
送信装置1が送信したn+2本の光信号は、伝送略20を経由して受信装置2に送られる。受信装置2では、まず、電気変換部22で光伝送後のn+2本の光信号を受信し、受信した光信号を電気信号に変換して、S/P変換部24に出力する。変換された電気信号は、S/P変換部24で高速のシリアルデータから低速のパラレルデータに変換される。S/P変換部24は、シリアルデータから変換されたリンク200(データリンクD1〜Dn、パリティリンク、及び検査リンクのn+2本)を、受信部26に出力する。
受信部26では、入力されたリンク200からパリティリンク及び検査リンクによって誤り訂正の施されたデータリンク(D1〜Dn)を得て、このデータリンク280をビット結合部に出力する。ビット結合部28は、このデータリンク280のデータをビット結合し、出力端子30より出力する。
以上の構成により、送信装置1に入力されたデータが受信装置2に伝送される。受信装置2の出力端子30から出力されるデータは、送信装置1の入力端子10より入力されたデータと全く同じ内容となる。
図2は、本発明の実施の形態の送信部14の内部の構成を示すブロック図である。
送信部14は、n本(nは自然数)のデータリンク100、n個の符号化部(110−1〜110−n)、パリティ計算部120、n+1個の誤り訂正符号化部(130−1〜130−n、130−p)、検査ビット詰込部140、及び、n+2本のリンク150等により構成されている。
送信部14に入力されたデータリンク100は、それぞれ、符号化部110−1〜−nに入力される。符号化部110−1〜−nは、データリンク100から入力されたデータ列を一定サイズのブロックに分割し、分割したブロックを伝送符号に変換する。本実施の形態では、伝送符号として64B/66B符号を使用する。なお、伝送符号方式はこれに限定されるものではない。符号化部110−1〜−nでは、この64B/66B符号を用いて、入力されたデータ列を64bit単位のブロックに分割し、分割したブロックを66bit(ヘッダ2bit、データ64bit)で構成される伝送符号に変換する。すなわち、データ列D1〜Dnは、それぞれリンク150を構成するD1リンク(データ列D1に対応)〜Dnリンク(データ列Dnに対応)に変換される。
パリティ計算部120は、符号化部110−1〜−nから出力されたデータ列D1〜Dnを受信し、受信したデータ列のパリティを計算する。計算されたパリティデータ列はリンク150を構成するパリティリンクとして出力される。
ここで、パリティについて説明する。図3はパリティの計算方法の一例を模式的に示す説明図である。
データ列A300、データ列B301、データ列C302、データ列D303の4つのデータ列が入力された場合は、全データ列のビットに対して排他的論理和(Exclusive−OR)を計算する。この値をパリティと呼ぶ。図3に示すパリティは、一般的に偶数パリティと呼ばれる。なお、この場合、4つの入力に対するパリティP305は次の数式1により求められる。
Figure 0004431113
パリティを使用すれば、4つのデータ列のうち1つのデータ列が失われたとしても、残りの3つのデータ列とパリティとから、失った1つのデータ列を復元することができる。
図4は、4つのデータ列のうち1つのデータ列が失われた場合の例を示す説明図である。データ列C312が失われ、残り3つのデータ列(データ列A310、データ列B311、データ列D313)とパリティデータ列314の4つのデータ列が正常に送られた場合は、この4つのデータ列をビット毎に排他的論理和を計算すると、その出力は、パリティ列を計算した元の失われたデータ列C’315となり、前述したデータ列C302と等しい値となり、失われたデータを復元することができる。得られたC’は、入力されたデータ列Cに等しい。なお、この3つのデータ列とパリティとによるデータの復元は、次の数式2により求められる。
Figure 0004431113
図2の説明に戻り、誤り訂正符号化部(130−1〜n及び130−p)は、それぞれ、データ列D1〜Dn及びパリティデータ列から、誤り訂正符号の検査ビットを計算し、これを検査ビット詰込部140に出力する。
誤り訂正符号としては、一般的にハミング符号、BCH符号(Bose Chaudhuri Hocquenghem)、リードソロモン符号などが知られているが、本発明の実施の形態では、例として、m=7のハミング符号(符号長:2m−1=127bit、情報ビット:2m−m−1=120bit、検査ビット:m=7bit、127bit中の1bitの誤り訂正可能)を用いた場合を説明する。
ハミング符号では、ある一定長の情報ビットに対して、一定長の検査ビットを付与する。前述したように、伝送符号として64B/66B符号を使用するので、1符号に割り当てる情報ビットは66bitとなる。巡回ハミング符号(m=7)の情報ビットは120bitであるが、実際には66bitのみを使用し、残の54bitの値は“0”とする。この情報ビットと、一般的に知られる巡回ハミング符号(m=7)の生成多項式G(1+x3+x7)から、7bitの検査ビットを計算する。なお、本発明では、使用する誤り訂正符号方式はこれに限定されるものではない。
検査ビット詰込部140では、誤り訂正符号化部130−1〜−n、−pより出力されたデータリンクD1〜Dn及びパリティリンクの検査ビットを受け取り、受け取った検査ビットを、対応するデータと同時に出力する64B/66B符号ブロックのデータ部分に詰め込む作業を実施する。詰め込まれた検査ビットのデータ列は、リンク150を構成する検査リンクとして出力される。
図5は、本発明の実施の形態の受信部26の内部の構成を示すブロック図である。
受信部26は、リンク200、リンク200の各リンクに対応する複数のデータリンク対応部(205−1〜205−n)、パリティリンク対応部201、検査リンク対応部202、回線制御部208、データリンク280等によって構成されている。
検査リンク対応部202には、リンク200を構成する検査リンクが入力される。検査リンク対応部202は、符号同期部270と検査ビット分配部275とによって構成されている。符号同期部270は、入力されたデータ列から、まず、64B/66B符号のヘッダを検出し、ヘッダを元にデータ列を検出して符号同期処理を実施する。同期結果は回線制御部208に通知する。検査ビット分配部275では、64B/66B符号ブロックのデータ領域から送信部14で埋め込まれたハミング符号の検査ビットを抽出し、抽出した検査ビットを対応するデータリンクD1〜Dnを処理するデータリンク対応部205、及びパリティリンクを処理するパリティリンク対応部201に分配する。
パリティリンク対応部201には、リンク200を構成するパリティリンクが入力される。パリティリンク対応部201は、符号同期部250、デスキュー部255、誤り訂正復号化部260、リンク制御部265によって構成されている。符号同期部250は、リンク制御部265から指定される同期位置において同期処理を実施し、同期結果をリンク制御部265に通知する。デスキュー部(スキュー補正部)255では、自リンクのデータ列と検査リンクのデータ列との到着時間差(スキュー)を補正する処理を実施する。この処理をデスキューと呼ぶ。この到着時間差を補正するためのスキュー補正量はリンク制御部265から指定される。誤り訂正復号化部260は、パリティリンクのデータ列と、検査ビット分配部275からの検査ビットとを受信し、誤り訂正復号化処理を実施する。検査ビットによりデータ列にビット誤りを検出した場合は誤り訂正を行い、同時にリンク制御部265に通知する。パリティリンクのデータ列は、各データリンクのデータ列の排他的論理和した値であり、64B/66B符号のヘッダ情報も排他的論理和の計算結果となっているため、これを検出することができない。そこで、リンク制御部265では、誤り訂正復号化部260の訂正結果を元に、同期位置及びスキュー補正量を調整する。すなわち、誤り訂正復号化部260によって行う誤り訂正が連続的に発生しない位置が同期位置であり、かつ、正しいスキュー補正量である。リンク制御部265は、符号同期及びデスキュー処理完了後、結果を回線制御部208に通知する。。
データリンク対応部(205−1〜205−n)には、リンク200を構成するデータリンクD1〜Dnが、それぞれ入力される。データリンク対応部205−1〜205−nには、入力されるデータリンクが異なるだけで内部の構造は同じであるので個別の説明は省略する。以下、データリンク対応部205−1について説明する。
データリンク対応部205−1は、符号同期部210−1、デスキュー部215−1、誤り訂正復号化部220−1、パリティ復号部225−1、セレクタ230−1、復号化部235−1、比較部240−1、リンク制御部245−1から構成されている。
符号同期部210−1は、入力されたデータ列から64B/66B符号のヘッダを検出し、このヘッダを元に符号同期処理を実施する。符号同期部210−1は、この同期結果をリンク制御部245−1に通知する。デスキュー部(スキュー補正部)215−1は、自リンクのデータ列と検査リンクのデータ列との到着時間差(スキュー)を補正する処理を実施する。デスキュー部215−1は、後段の誤り訂正復号化部220−1が出力する誤り訂正情報を受信し、誤り訂正が連続的に発生しないように内部の遅延量、すなわち、スキュー補正量を調整する。誤り訂正復号化部220−1ではデスキュー部215−1からのデータ列と、検査ビット分配部275からの検査ビットとを受信し、誤り訂正復号化処理を実施する。検査ビットによりデータ列にビット誤りを検出した場合は誤り訂正を行い、同時にリンク制御部245−1とデスキュー部215−1とに誤りの訂正を通知する。誤り訂正復号化部220が出力する誤り訂正の実施されたデータ列は、自リンクのセレクタ230−1及び自リンク以外(例えば、データリンクD2〜Dn)のパリティ復号部225−2〜225−nに出力される。パリティ復号部225−1では、誤り訂正処理の施された自リンク以外のデータリンクのデータ列と、パリティリンクのデータ列とを受信し、ビット単位に排他的論理和を計算してセレクタ230−1に出力する。セレクタ230−1は誤り訂正復号化部220−1からの出力、又は、パリティ復号部225−1からの出力、のいずれかを、リンク制御部245−1からの指示に従って選択し、復号化部235に出力する。リンクでの障害(リンク断など)が発生していない状態であれば、誤り訂正復号化部220−1が出力するデータ列とパリティ復号部225−1が出力するデータ列とは等しくなる。比較部240−1は、誤り訂正復号化部220−1が出力するデータ列とパリティ復号部225−1が出力するデータ列とを比較し、比較結果をリンク制御部245−1に通知する。リンク制御部245−1は、通常は誤り訂正復号化部220−1が出力するデータ列を選択するが、自リンクで障害が発生していると判断したときは、パリティ復号部225−1が出力するデータ列を選択するようにセレクタ230−1に指示する。
最後に、セレクタ230−1が出力するデータ列に対して復号化部235−1が64B/66B復号化処理を実施し、データリンク280に出力する。このデータリンク280の出力は、送信部14に入力されるデータリンク100のデータ列と等しいものとなる。
以上の一連の動作によって、送信装置1から受信装置2にデータが伝送され、1つのデータリンクに誤りが発生した場合は、該リンクをパリティリンクによって訂正することができる。なお、本発明の実施の形態では1本のパリティリンクを用いたが、複数のパリティリンクを用いてもよい。複数のパリティリンクを用いることで、誤りの訂正を、より精度高く行うことができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態について、フローチャートを参照して動作を説明する。
図6は、受信部26の回線制御部208の行う、各リンクの符号同期処理を示すフローチャートである。
S0から処理を再開する。そして、データリンクD1〜Dn及び検査リンクの同期処理を、各リンク対応部の符号同期部(210−1〜n及び270)で実施する(S10)。次に、リンクの同期が確立したかどうかを判定する(S15)。リンクの同期が確立したと判定した場合はS25に移行する。リンクの同期が確立確率していないと判定した場合は、S20へ進み、同期外れとする。同期外れの場合、通常は符号同期処理をS0からやり直す。
一方、325では、データリンクD1〜Dnのデスキュー部(215−1〜215−n)で、デスキュー処理を実施する。なお、このデスキュー処理の詳細は図7で後述する。そして、デスキュー処理が完了したか否かを判定する(S30)。デスキュー処理が完了していないと判定した場合は、実質的なスキュー量が想定したスキュー許容値を超えていると判断し、スキュー許容値超過障害通知(回線の同期確立が不能を示す)を実施し(S35)、回線同期処理を中断する(S40)。
一方、デスキュー処理が完了したと判定した場合は、パリティリンクの符号同期・デスキュー処理を実施する(S45)。このパリティリンクの符号同期・デスキュー処理の詳細は図8で後述する。次に、符号同期処理が完了したか否か判定する(S50)。符号同期処理が完了しないと判定した場合は、同期が外れた状態となる(S55)。同期が外れた場合は、通常はS45又はS0に移行し処理を繰り返す。一方、パリティリンクの符号同期処理が完了したと判定した場合は、全リンクでの符号同期・デスキュー処理が完了し、回線としての同期が完了する(S60)。
図7は、データリンク対応部205が行う、デスキュー処理(図6のS25)の詳細を示すチャートである。
S100から処理を開始する。まず、各リンク(D1〜Dn)に対応する誤り訂正復号化部220で、データリンクと検査ビットとから誤り訂正復号化処理を実施する(S105)。次に、誤り訂正復号化処理において、誤りが発生し誤りの訂正を行ったか否かを判定する(S110)。
誤り訂正が生じていたと判定した場合には、S115に移行し、デスキュー部215の内部設定であるスキュー補正量を、所定の量(例えば“1”)だけ増加(又は減少)する。そして、スキューの補正値が、予め定めた一定量を超えたか否かを判定する(S120)。超えていない場合は、再びS105からの処理を繰り返す。スキュー値が一定量を超えた場合、すなわち、どのスキュー補正量でも誤り訂正が生じるときは、実際のスキュー量が想定したスキュー補正量の許容値よりも大きいと予測されるため、デスキュー未完のまま終了する(S125)。スキューの補正量、すなわち各リンクのタイミングのずれは、現実問題としてある一定量(量は実装に依存する)しか変更することができない。そのため、伝送経路の回線品質や遅延が各リンクで著しく異なる場合はデスキューを行うことができないので、S125の後、エラーの通知等を行う。スキュー補正量は、デスキュー部215において、内部のバッファへ一時的にデータを蓄え、例えば数m秒単位でデータのタイミングを後ろ(又は前)に移動させ、各データ列のタイミングの同期を行う。このタイミングの移動は、あまりにも大きく移動させると他のデータ列のタイミングと干渉してしまうため、所定の量を設定する必要がある。
一方、誤りの訂正が生じていない場合、すなわちデスキュー成功とし、成功回数をカウントアップする(S130)。次に、成功回数が予め規定した値(例えば、5回)を超えたか否かを判定する(S135)。成功回数が予め規定した値よりも小さい場合は、S105に戻り処理を繰り返す。成功回数が予め規定した値を超えた場合は、デスキュー処理が完了したと判断し(S140)、図6の処理に復帰する。
なお、S110では、誤り訂正が発生したか否かで判定を行ったが、これを、誤りの発生率を算出し、誤りの発生率が所定の値を超えたか否かで判定を行ってもよい。例えば、誤りの発生率が所定の値以下である場合には、デスキューの成功と判断する。
図8は、パリティリンク対応部201での、パリティ符号同期・デスキュー処理(図6のS45)の詳細を示すフローチャートである。
まずS200から処理を開始する。誤り訂正復号化部260で、誤り訂正復号化処理を実施する(S205)次に、誤り訂正復号化処理において、誤りが発生し誤りの訂正を行ったか否かを判定する(S210)。
誤りの訂正が生じていると判定した場合は、デスキュー部215の内部設定であるスキュー補正量を、所定の量(例えば“1”)だけ増加(又は減少)する。そして、スキューの補正量が、予め定めた一定量を超えたか否かを判定する(S220)。超えていない場合は、再びS205からの処理を繰り返す。スキュー値が一定量を超えた場合は、符号同期位置を1bit移動(S225)する。そして、移動を行った符号同期位置が、予め定めた範囲の全ての同期位置を試行したかどうかを判定する。(S230)。パリティは、各リンクにデータの誤りが発生していない限り、全てのビットが同期したときには誤りが発生しなくなるので、その同期を1bitずつずらして試行する。そして、どの同期位置でも誤り訂正が生じ、所定のビット範囲を超えた場合は、同期外れ状態か、実際のスキュー量が想定したスキュー補正量の許容値よりも大きいと予測されるため、符号同期未完のまま終了する(S235)。
一方、誤り訂正が生じていないと判定した場合は、誤り訂正が生じていない、すなわち、パリティの同期が成功したとし、この成功回数をカウントアップする(S240)。そして、成功回数が予め規定した値(例えば、5回)を超えたか否かを判定する(S245)。成功回数が予め規定した値よりも小さい場合は、S205に戻り処理を繰り返す。成功回数が予め規定した値を超えた場合は、パリティビットの符号同期及びデスキュー処理が完了したと判断し(S250)、図6の処理に復帰する。
なお、S210では、誤り訂正が発生したか否かで判定を行ったが、これを、誤りの発生率を算出し、誤りの発生率が所定の値を超えたか否かで判定を行ってもよい。例えば、誤りの発生率が所定の値以下である場合には、パリティの同期が成功と判断する。
次に、前述した誤り訂正復号化処理(図7のS105又は図8のS205)において、各データリンクで誤り訂正が発生したときの処理手順を、図9のフローチャートを用いて説明する。
データリンクD1〜Dnのうちの一つのデータリンクDx(xは自然数)で誤り訂正が発生した場合(S300)に処理を開始し、まず、比較部240−xで、データリンクDxのデータ列と、パリティ復号部225−xが出力するデータ列とを比較し、比較の結果、データリンクとパリティとに差異があるか否かを判定する(S305)。差異があると判定した場合は、データリンクDxの誤り訂正符号ブロック内で想定以上(2bit以上)のビット誤りが発生した場合であり、該当する符号ブロックを「誤りブロック」としてマークし(S310)、S315に移行し、パリティによって修正されたデータを出力するようにする。差異がないと判定した場合は、そのままS315に移行する。
S315では、自リンク、すなわち、データリンクDxのBER(誤り発生率:Bit Error Rate)を計算する。BERは、単位時間内に発生した誤り訂正の回数から算出する。次に、BERが予め規定した上限値を超えたか否かを判定する(S320)。BERが上限値より小さいと判定した場合は、通常状態(S325)に復帰する。一方、BERが上限値を超えたと判定した場合、すなわち、自リンクの信頼性が低下している場合は、まず、データリンクDx以外のデータリンクで障害(例えば、誤り訂正の発生、BERの増加、回線の障害通知等)が発生していないことを判定する(S330)。データリンクDx以外でも障害が発生している場合、すなわち、2リンク以上でリンクの障害が発生している場合はデータの誤りの訂正が非常に困難な状態となっており、伝送路での通信を維持できないため、回線障害を通知して終了する(S335)。
一方、他のデータリンクで障害がないと判定した場合は、セレクタ230−xを誤り訂正復号化部220−xの出力からパリティ復号部225−xの出力に切り替える(S340)。次に、データリンクDxでリンク障害が発生したことを通知し(S345)、リンク障害状態として処理を終了し、図7又は図8のフローチャートに復帰する。
以上の図9の処理によって、データリンクとパリティとに差異がある場合は、誤り発生率(BER)を算出し、BERが予め規定した上限値を超えた場合に、該データリンクをパリティによって修正したデータに切り替えることができる。なお、S320において、BERと予め規定した上限値のと比較ではなく、BERの推移を監視し、BERの上昇が急激に上昇した場合にS330以降に分岐し、パリティからの出力に切り替えるように構成してもよい。
以上のよう構成された本発明の実施の形態では、送信装置1から送信する元データについて、元データのパリティを算出し、さらに、元データとパリティデータとの誤り検査ビットを計算して、これをまとめて元データと共に送信することにより、伝送路で生じるビット誤りを受信側で訂正でき、伝送路の信頼性を向上することができる。
さらに、パリティデータを送信し、データの各リンクのエラー発生率(BER)を監視することで、リンクの信頼性が低下した場合は、受信した自リンク以外の元データとパリティデータから復元したデータへと切り替えることができ、回線を構成する複数のリンクのうち1本が欠如したとしても直ちに回線断にはならず、データ通信を継続できる。
さらに、送信装置1では、データリンク、パリティリンク及び検査リンクを送信するのみで、エラー発生時時には受信装置2側の操作のみでリンクを切り替えることができるので、送信装置1側には特別な操作が必要とならない。
以上、本発明では送信側から送信する元データの誤り検査ビットを計算して、元データと共に送信することにより、伝送路で生じるビット誤りを受信側で訂正でき、伝送路の信頼性を向上する利点がある。さらに、元データのパリティデータを元データとは異なるリンクで送信することで、信頼性が低下したリンクを切り捨て、受信した自リンク以外の元データとパリティデータから復元したデータへと切り替えることができ、回線を構成する複数のリンクのうち1本が欠如しても即時回線断にはならないという利点がある。

Claims (6)

  1. 複数のリンクをまとめて一つの回線とする伝送路を経由してデータを伝送するデータ伝送方法において、
    前記複数のリンクの一部によって情報データを伝送する第1のリンクグループと、
    前記情報データから生成されるパリティデータを、前記第1のリンクグループとは異なる前記複数のリンクの少なくとも一つのリンクによって伝送する第2のリンクグループと、
    前記情報データ又は前記パリティデータに誤りが生じたときに該誤りの訂正に関連する誤り検査データを情報データ及び前記パリティから生成し、前記第1のリンクグループ及び前記第2のグループとは異なる前記複数のリンクの少なくとも一つのリンクによって伝送する第3のリンクグループと、
    をまとめて伝送し、
    受信側で前記情報データ又はパリティデータに誤りが検出された場合には、前記誤り検査データを用いて、該情報データ又はパリティデータに対して誤り訂正処理を行い、
    受信側で前記情報データ、前記パリティデータ及び前記誤り検査データの少なくとも2つの到着時間に差が生じていて、前記誤り検査データによって、前記情報データ又は前記パリティデータの誤りの訂正が行なわれた場合には、前記情報データ、前記パリティデータ及び前記誤り検査データの到着時間差を調節して、誤りの訂正が連続的に発生しない到着時間差を検出し、該到着時間差を用いて、前記情報データ、前記パリティデータ及び前記誤り検査データの同期を確立することを特徴とするデータ伝送方法。
  2. 前記情報データと、前記パリティデータ及び該情報データ以外の情報データから復号した情報データとの比較結果に基づいて、前記第1リンクグループの一つのリンクで情報データの欠落が発生したかどうかを判定し、
    前記一つのリンクで単位時間内に発生した誤り訂正の回数から誤り発生率を算出し、
    前記情報データの欠落が発生している場合は、前記誤り発生率と所定値との比較結果に基づいて、前記欠落した情報データを、前記パリティデータ及び該情報データ以外の情報データから復号した情報データに切り替えることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
  3. 前記第1のリンクグループと、前記誤り検査データとによって誤り発生率と単位時間当たりの誤り発生率の変化量を算出し、
    前記単位時間当たりの誤り発生率の変化量が所定値を超えて急激に上昇した場合は、前記パリティデータ及び該情報データ以外の情報データから復号した情報データに切り替えることを特徴とする請求項1に記載のデータ伝送方法。
  4. 信号の到着時間に相互に差が生じる複数のリンクを有する伝送路を経由して送信されるデータを受信する受信装置おいて、
    前記伝送路の複数のリンクの一部から受信する受信信号群を複数のパラレル信号に変換し、別の一つのリンクから受信する受信信号を該複数のパラレル信号のパリティ信号に変換し、更に別の一つのリンクから受信する受信信号を該複数のパラレル信号の各々と該パリティ信号の誤り検査信号に変換する信号変換部と、
    前記複数のパラレル信号又はパリティ信号に誤りが生じた場合に、前記誤り検査信号に基づいて前記誤りを訂正する誤り訂正部と、
    前記複数のパラレル信号の一部が欠落した場合に、パリティ信号及び前記一部以外のパラレル信号に基づいて前記欠落した信号を復号するパリティ復号部と、
    前記パラレル信号、又は、前記パリティ信号及び前記一部以外のパラレル信号に基づいて復号した信号のいずれかを選択して情報データとして出力する選択部と、
    前記各パラレル信号、前記パリティ信号、及び、前記誤り検査信号の受信信号の同期を確立させるために到着時間の差を補正する補正部と、を備え、
    前記補正部は、前記各パラレル信号、前記パリティ信号及び前記誤り検査信号の少なくとも2つの受信信号の到着時間に差が生じていて、前記誤り検査信号によって、前記各パラレル信号又は前記パリティ信号の誤りの訂正が行われた場合に、誤りの訂正が連続的に発生しない時間差を検出し、該時間差によって、前記各パラレル信号、前記パリティ信号及び前記誤り検査信号の同期を確立させるために受信信号の到着時間の差を補正することを特徴とする受信装置。
  5. 前記選択部は、前記各パラレル信号と、前記パリティ信号及び当該パラレル信号以外のパラレル信号を用いて復号した信号との比較結果に基づいて、前記複数のパラレル信号の少なくとも一つに欠落が発生したかどうかを判定し、
    前記各パラレル信号の単位時間内に発生した誤り訂正の回数から該パラレル信号の誤り発生率を算出し、
    前記複数のパラレル信号の少なくとも一つに欠落が発生している場合は、前記誤り発生率と所定値との比較結果に基づいて、前記欠落したパラレル信号を、前記パリティ信号及び当該パラレル信号以外のパラレル信号から復号したパラレル信号に切り替えることを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
  6. 前記選択部は、前記誤り検査信号によって、前記複数のパラレル信号又は前記パリティ信号の誤り発生率と単位時間当たりの誤り発生率の変化量を算出し、
    前記単位時間当たりの誤り発生率の変化量が予め設定した閾値を超えて急激に上昇した場合は、前記パリティ信号及び当該パラレル信号以外のパラレル信号から復号したパラレル信号に切り替えることを特徴とする請求項4に記載の受信装置。
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