JP4430782B2 - クロミア−ジルコニア焼結体とその製造方法 - Google Patents

クロミア−ジルコニア焼結体とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス溶解炉や廃棄物処理溶融炉等の内張材に有用な緻密質のクロミア−ジルコニア焼結体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クロミア(Cr23)は、高温においてスラグ融液に濡れにくく溶解しにくいことから、クロミアを活用した焼結材料は、ガラス溶解炉や、一般及び産業廃棄物等の減容化や無害化に有効な廃棄物処理用の溶融炉等の内張炉材として広く用いられている。
これらのガラス溶解炉及び廃棄物処理溶融炉では、通常、アルミナ−クロミア質、アルミナ−ジルコニア−クロミア質耐火物等が用いられているが、侵食が特に激しい部位には、その優れた耐食特性からクロミアを主体とした材料が用いられている。例えば、一般に廃棄物処理溶融炉ではガラス溶解炉に比べて侵食作用の高い融液が内張材と接触するため、クロミアを多く含み、且つ、緻密性の高い材料が必要とされている。
【0003】
これに対して、クロミアは大気中で焼成すると、蒸発−凝縮機構によって過度な粒成長を起こしてしまい、クロミア単成分では緻密に焼結することが困難であることから、クロミアを主体とする耐火物を製造する場合には、通常、クロミアにTiO2や粘土等の焼結助剤を添加し、大気中で高温焼成することで焼結の促進が図られている。例えば、特開平6−321628号公報には、TiO2等の焼結助剤を用いて作られたクロミア質焼結体を耐食性骨材として耐火物に応用することが記載されている。
【0004】
しかしながら、このような焼結体は空隙が多く緻密性に劣り、更に、焼結助剤が液相としてクロミアの粒界に存在することとなるため、これがスラグ融液と接触すると、スラグ中の特性成分の拡散によって焼結体組織が著しく崩壊し、この結果、クロミアが本来有する優れた耐食性機能が生かされることなく、侵食が進行してしまうことが生じる。
【0005】
更に、クロミアは、他の材料に比べて熱膨張係数が高く、急激な熱変化に対する耐性に劣り、いわゆる熱衝撃抵抗性に劣るという欠点がある。そのため、例えば、アルミナ−クロミア質焼結材料では未安定ジルコニアを添加し、焼結過程で微細亀裂を形成させることによって熱衝撃抵抗性の改善を図ることが行なわれている(特開平6−122546号公報等参照)。しかしながら、一方で、未安定ジルコニアの場合に限らず、他の成分との複合化は、焼結時の緻密化を更に困難なものとし、この結果、クロミア質焼結体の耐食性を著しく低下させてしまうという問題がある。以上のように、耐食性と熱衝撃抵抗性を同時に満足したクロミア質焼結体を得ることは非常に困難である。
【0006】
これに対し、ガラス溶解炉においては勿論のこと、特に、上記の廃棄物処理溶融炉では、内張材の耐用向上によって安定的な連続操業を実現することが望まれている。これらの溶融炉に使用される内張材としては、高温での侵食作用に耐えられる耐食性材料であると共に、急激な温度変化にも対応できる熱衝撃抵抗性に優れる材料であることが要求される。このため、工業的規模で、耐食性と熱衝撃抵抗性とを同時に満足した有用なクロミア質焼結体の開発が待望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、クロミアの本来の特性である優れた耐食性機能を充分に活用しつつ熱衝撃抵抗性の改善が図られた、ガラス溶解炉だけでなく廃棄物処理溶融炉等の耐食性材料としても適用可能で、しかも、これらの溶融炉を、長期間にわたって安定的に連続操業できるクロミア−ジルコニア焼結体、及び、かかる優れた特性のクロミア質焼結体が容易に得られるクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、相対密度が97%以上の緻密な組織を有し、且つ、クロミア粒子からなる組織中に重量平均粒子径10〜80μmの安定化されたジルコニア粒子が全体に対して0.1〜15重量%の割合で均一に分散されていることを特徴とするクロミア−ジルコニア焼結体、また、上記クロミア−ジルコニア焼結体を製造するための製造方法であって、焼結助剤を添加することなく、クロミア粉体に重量平均粒子径10〜80μmの安定化されたジルコニア粉体を粉体原料の全量に対して0.1〜15重量%になるように加えて均一に分散させて混合粉体とし、該混合粉体を真空中若しくは不活性雰囲気中で加圧しながらパルス通電加熱して成形及び焼成することを特徴とするクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明のクロミア−ジルコニア焼結体は、クロミア粒子からなる焼結組織中に、重量平均粒子径10〜80μmのジルコニア粒子が全体に対して0.1〜15重量%の割合で均一に分散された相対密度が97%以上の緻密な形態を有することを特徴とする。より好ましくは、クロミア粒子からなる組織中に重量平均粒子径20〜45μmのジルコニア粒子が1〜9重量%の割合で均一に分散されている構成のクロミア−ジルコニア焼結体、更には、焼結体の組織を構成する母材であるクロミア粒子の平均粒子径が1〜3μmの範囲にあるクロミア−ジルコニア焼結体である。
【0010】
かかる構成の本発明のクロミア−ジルコニア焼結体は、電子顕微鏡(SEM)による観察で示されているように、クロミア粒子からなる焼結体の組織内に、該クロミア粒子よりも粒径の大きいジルコニア粒子が均一に分散されており、該ジルコニア粒子の周囲のクロミア焼結組織中に微細な空隙が存在し、更にその空隙からクロミア焼結組織に伸展した微細な亀裂が存在している。そして、焼結体の大部分を占めるクロミアで構成されている部分は、局所的な粒成長のない粒子径の揃った均質な焼結組織が緻密に形成された状態となっている(図1参照)。このように、本発明のクロミア−ジルコニア焼結体は、全体として緻密なクロミア組織を有する一方で、その焼結組織中に空隙及び/又は微細な亀裂が均一な分散状態で存在する構造を有するものであるため、クロミアが本来有している耐食性が損なわることなくその作用が充分に発現され、しかも、熱衝撃抵抗性に優れたクロミア質焼結体となる。かかる効果は、緻密なクロミア組織によって耐食性が実現され、クロミア焼結組織内に存在する空隙及び/又は微細な亀裂によって、熱衝撃により加わる内部応力が緩和される結果、熱衝撃抵抗性が実現されたものと考えている。
【0011】
上記のような構造を有するクロミア−ジルコニア焼結体を容易に得ることのできる本発明のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法について説明する。本発明のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法では、先ず、出発原料として、クロミア粉体と、粉体原料の全体に対して0.1〜15重量%、好ましくは1〜9重量%となる範囲で、特定の粒径を有するジルコニア粉体を混合させた混合粉体を調製する。そして、この混合粉体を、真空中又は不活性雰囲気中で加圧しながらパルス通電加熱することで、成形と同時に焼成がなされてクロミア−ジルコニア焼結体が得られる。かかる方法によれば、相対密度が97%以上と緻密なクロミア組織をもち、且つ、該クロミア焼結組織中に均一に分散されたジルコニア粒子の周辺に空隙及び/又は微細な亀裂を有する、耐食性と熱衝撃抵抗性とを実現し得る本発明のクロミア−ジルコニア焼結体が容易に得られる。
【0012】
上記の製造方法で母材原料として使用するクロミア粉体は、得られるクロミア焼結体の相対密度が97%以上であることを要するため、特に、純度の高いものを使用することが好ましい。例えば、99.5重量%以上の純度の粉体を用いることが好ましい。このような純度の市販されているクロミア粉体は、通常、平均粒径が1〜3μmの範囲に調製されているが、本発明においては、これをそのまま使用することができる。本発明の製造方法によれば、粒成長が抑制されるため、このようなクロミア粉体を使用すれば、1〜3μmの粒子がそのまま焼結した緻密な組織を有するクロミア質焼結体が得られる。より均質な焼結体を得るためには、よりシャープな粒度分布を有する均一なクロミア微粉体を原料として用いることが好ましい。
【0013】
上記のクロミア粉体に添加混合して用いるジルコニア粉体は、CaO乃至はY23で安定化された、重量平均粒子径が10〜80μm、より好ましくは、20〜45μmの大きさの微粒子を使用する。即ち、本発明において、粒子径が80μmよりも大きいジルコニア粉体を用いた場合には粉体原料の充填性が損なわれ、母材であるクロミア粉体の焼結が阻害され、焼結体の緻密化が達成されなくなる。更に、焼結条件等によっては、45μmよりも大きいジルコニア粉体を原料として用いた場合に、焼結体の緻密化が充分とはいえないことが生じるため、粒子径が45μm以下の大きさのジルコニア微粒子を原料として使用することがより好ましい。
【0014】
一方、使用するジルコニア粉体の重量平均粒子径が10μmよりも小さいと、クロミア焼結体中にジルコニア粉体を添加しても焼結過程で微細亀裂を形成することができず、焼結体に熱衝撃抵抗性を発現させることができない。更に、20μmよりも小さい粒径のジルコニア粉体を用いた場合においても、熱衝撃抵抗性向上の効果が充分に得られないことがあるので、焼結の際に、良好な状態でクロミア焼結組織中に空隙及び微細亀裂を形成させるためには、20μm以上の粒径のジルコニア粉体を用いることがより好適である。
【0015】
原料となる混合粉体中における上記のような粒径を有するジルコニア粉体の添加量は、全体に対して0.1〜15重量%、更には、1〜9重量%とすることが好ましい。15重量%を超えると、混合粉体中にジルコニア粉体を均一分散することが困難となり、焼結体とした場合に緻密化が達成されなくなり、一方、0.1重量%よりも少ないと、ジルコニア粉体添加の効果が得られない。焼結体組織中におけるジルコニア粒子の均一な分散をより確実なものとし、得られる焼結体の緻密化の状態をより好適なものとするためには、ジルコニア粉体の割合を原料粉体全体の9重量%以下とすることが好ましい。
【0016】
本発明においては、上記のような性状のクロミア粉体とジルコニア粉体とを特定の割合で混合した混合粉体を焼結体原料とし、従来のように予め成形体を作成することなくそのまま使用することができるが、この際に、原料中におけるジルコニア粉体の凝集又は偏在を避け、前述したような良好な組織構造を有する焼結体を確実に得るためには、粉体原料中にエタノール等の溶媒を加え、ボールミル等によって湿式分散混合させて、均質な混合粉体としたものを用いることが望ましい。
【0017】
本発明のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法においては、上記のようにして調製したクロミア粉体とジルコニア粉体との均質な混合粉体を、真空中若しくは不活性雰囲気中で加圧しながらパルス通電加熱して成形及び焼成する。即ち、本発明の製造方法によれば、従来行なわれていたように予め成形体を作成するといった工程を経ることなく、粉体原料をそのまま用いてクロミア質耐火物が得られるという製造上の大きな利点がある。
【0018】
本発明において使用するパルス通電加熱加圧焼結法としては、パルス電流を直接又は間接に利用する方法、或いは直接と間接を同時に行なう方法等、各種の方法があるが、いずれも利用できる。パルス通電加熱加圧焼結法では、グラファイト等の材料からなる導電性焼成型(ダイ)に充填された粉体に上下のパンチによって一軸加圧しながら、パルス電流を粉体及び導電性ダイに流すことによって起こる粉体自身の発熱作用と、ダイ及び上下のパンチから伝わるジュール熱で焼成を行なう。通電するパルスとしては、例えば、正弦波交流の半波(例えば、正弦波交流を半波整流して得られるもの)を用い、このパルスを所定回数印加後、所定回数休止することを繰り返し行なう。本発明において使用する加圧方法としては、上記のような粉体原料に対して一軸加圧する方法に限定されず、一軸加圧を行ないながら、チャンバー内に導入した不活性ガスを利用した全体加圧によって行なってもよい。以下、加圧焼成の方法について具体的に説明する。
【0019】
上記のようなパルス通電加熱加圧焼結法で焼結する場合の焼成条件について説明する。先ず、本発明においては、真空中、又は、クロミア及びジルコニアに対して不活性な雰囲気中で焼成を行なうが、この際、いずれの不活性ガスを使用することもできる。不活性ガスの中では、アルゴンガス雰囲気中で行うのが一般的である。
【0020】
更に、本発明においては、焼成温度1200〜1600℃、荷重10〜60MPaの範囲、更に好ましくは、1400〜1500℃、荷重20〜40MPaで焼成を行なうことが好ましい。実際の焼成条件は、温度と荷重との兼ね合いにおいて決定されるので、上記の範囲内から適宜に焼成条件を決定すればよい。例えば、より高い温度で焼成すれば圧力を低く抑えることができ、圧力を高くすることによって、より低い温度での焼成が可能となる。
【0021】
特に、高い相対密度の焼結体を得るためには、1400℃以上の焼成温度で焼成することが望ましい。又、焼成温度が高過ぎると、経済性に劣り、粒子の成長が著しくなり、焼結体の強度の低下を招く恐れがあるため、1600℃、好ましくは1500℃を超えない温度で焼成することが望ましい。加圧力については、荷重10〜60MPaの範囲で加圧することが好ましいが、特に、40MPaよりも大きい圧力をかけたとしても、焼結性に対する加圧効果の著しい向上が得られ難いため、経済性との兼ね合いから加圧力は40MPaであれば充分である。一方、20MPaよりも加圧力が小さいと、場合によっては加圧効果が充分に得られないことがあるので実用的でない。
【0022】
従って、本発明において、より良好な性状を有する97%以上の高い相対密度の本発明のクロミア−ジルコニア焼結体が得られ、しかも、より実用的な焼成条件としては、焼成温度が1400〜1500℃、荷重が20〜40MPaの範囲で焼成を行なうとよい。かかる条件で焼成を行なえば、焼結体の組織が緻密で、スラグ融液と接触したとしても組織が崩壊することがなく、クロミアのもつ優れた耐食性機能が有効に生かされ、しかも、ジルコニア粉体の添加によって熱衝撃抵抗性の発現に有効な微細亀裂がクロミア焼結組織中に形成された状態の焼結体が、容易に、且つ、安定して得られる。
【0023】
本発明者らの検討によれば、本発明のクロミア−ジルコニア焼結体のように、特定の粒径を有するジルコニア粉体が、特定の範囲内の添加量でクロミア粉体原料中に均一に分散されている場合には、母材であるクロミアとの熱膨張係数の違いから、その焼結過程において、ジルコニア粒子の粒界に微細な亀裂及び/又は空孔が均質な状態で形成されたクロミア焼結体となることがわかった。そして、焼結体組織内に均一に存在するこのような微細亀裂及び/又は空孔によって、急激な熱衝撃によって発生する亀裂を偏向させるか、その伸展を阻害することで内部応力を緩和させることができ、この結果、焼結体の熱衝撃抵抗性を向上させるという作用が発現される。更に、クロミア母材に添加して使用するジルコニアは高融点であり、更に高温においてSiO2質スラグ等に溶解しにくいため、本発明における添加量の範囲内であれば、従来の焼結助剤のように、液相としてクロミアの粒界に存在するといったことにはならないため、クロミアが本来有する耐食性機能が損なわることはなく、耐食性に優れる焼結体となる。
【0024】
更に、本発明のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法は、適正な範囲の粒子径を有するジルコニアを、クロミアに対して特定の割合で用いることで、結晶変態のない安定化ジルコニアを使用した場合でも粒界に微細亀裂や空隙を良好な状態で生じさせることができるので、熱衝撃抵抗性の改善のために使用するジルコニア原料の種類が限定されず、原料選択の範囲が広いという製造上の大きな利点もある。
【0025】
次に、本発明のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法で用いるパルス通電加熱加圧焼結法の効果について説明する。パルス通電加熱加圧焼結法では、先に述べたように、黒鉛等の導電性ダイスに充填された粉体原料に荷重をかけながら加熱を行うため、粉体の塑性流動が起き易く、空隙が効果的に排除され、より緻密な焼結体が得られる。
更に、パルス通電加熱加圧焼結法のプロセスでは、外部応力のかかる粒子接触部に高エネルギーのパルス電流が流れ、溶着状態のネックを瞬時に形成するものであるため、従来のホットプレス法、熱間等方加圧焼結法に比べて、短時間での焼結が可能となる。更に、その結果として、先に述べたクロミアの性質である粒成長を抑制することが可能となり、焼結の際に粒成長を伴うことがないので焼結体組織を緻密化できるという利点もある。
【0026】
以上のパルス通電加熱加圧焼結法を用いたプロセスにより得られた本発明のクロミア−ジルコニア焼結体を電子顕微鏡(SEM)によって観察した結果、図1に示したように、クロミアに比べて格段に大きな粒径のジルコニア粒子の周囲に空隙が存在し、更にその空隙からクロミア焼結組織に伸展した微細な亀裂が存在していることが確認できた。又、クロミアで構成された部分については、局所的な粒成長が起きることなく、粒子径の揃った均質な焼結組織が形成されていることがわかった。パルス通電加熱加圧焼結法を用いれば、これらの特徴を有する、従来法のものと比べて高温耐食性材料としての信頼性の高い本発明のクロミア−ジルコニア焼結体が容易に得られる。更に、本発明のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法は、成形と焼成が同時に行われ、更に、僅か5分程度の保持時間で焼結処理を行うことができるため、工業的規模での生産に利用することが可能である。
【0027】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1〜4及び参考例1>
クロミア粉体原料として平均粒径1μmの市販品(日本化学工業(株)製、G5)を用い、ジルコニア粉体原料として平均粒径44μmの市販品(福島製鋼(株)製、ジルボン)を用いた。そして、これらをポットミルを用いて下記の方法で混合して混合粉体原料を調製した。ポットミルによる混合は、1,000mlポリプロピレン容器に混合粉体350g(クロミア粉体を346.5g、ジルコニア粉体を3.5gで全体に対してジルコニアを1重量%含有)、エタノールを300ml、φ10mmの鉄芯入りナイロン樹脂ボールを300個入れ、60r.p.m.の回転数で24時間行った。上記のようにして混合した後、ロータリーエバポレーターを用いて乾燥を行い、その後、目の開きが300μmのフルイで分級して、300μm以下の混合粉体を得た。
【0028】
粉体の充填部は、図2に示したように、上下パンチとダイとによって形成されるが、パンチの形状は上下ともにφ60×40mmであり、ダイの形状は、外径φ100mm、内径φ60.8mm、高さ70mmのものを用いた。これらの材質はいずれもグラファイトである。先ず、ダイに下パンチを差し込んだ後、ダイ内部に、上記で調製した混合粉体原料を均一に充填し、上パンチを差し込んだ。本実施例では、ダイ及びパンチと、粉体との反応によるダイの損傷を防ぐために、0.2mm厚のカーボンシートを、上下パンチと充填された混合粉体原料との間に各々1枚、粉体原料が充填されるダイの内壁に2枚設置した。
【0029】
次に、上記のようにしてクロミア−ジルコニア混合粉体原料を充填したダイスを、放電プラズマ焼結機((株)イズミテック製、SPS−7.40)のチャンバー内にセットし、焼成を行った。本実施例における通電パルスは、正弦波交流を整流して得られたパルス幅2.7msの半波を用い、このパルスを12回オンして印加した後、2回オフして休止(ゼロ電流値の幅が5.4ms)することを繰り返し行なった。先ず、チャンバー内を5Pa以下の真空状態とした後、表1に示したような種々の焼成条件で焼成して、No.A〜Eの5種類の焼結体を得た。即ち、焼成条件は、夫々、30又は40MPaの加圧力を粉体にかけながら、19又は20分間で1350、1400、1450℃の到達温度に夫々昇温し、その所定の温度で5分間保持して加圧焼成を行なった。このようにして焼成した後、加圧を完全に開放すると共に自然冷却し、400℃に達した時点で大気開放して各焼結体を得た。
【0030】
<実施例5〜7及び参考例2〜4>
混合粉体原料として、混合粉体350g(クロミア粉体を318.5g、ジルコニア粉体を31.5gで全体に対してジルコニアを9重量%含有)を用いた以外は実施例1〜4と同様にして、表1に示した焼結条件でNo.F〜Kの6種類の焼結体を得た。
【0031】
(評価)
焼成終了後、上記で得られたφ60mm×10mmの焼結体をJIS−R1601に準ずる曲げ強度測定用試料に切断加工し、各焼結体について、下記に述べる方法で、相対密度、曲げ強度、侵食試験、熱衝撃抵抗性試験を実施してその特性を評価した。その結果を各焼結体の焼成条件と共に表1に示した。
【0032】
(1)相対密度
アルキメデス法によって相対密度の計測を行なった。即ち、JIS−R2205に準拠して、得られた嵩密度を、クロミアとジルコニアの理論密度、及びジルコニアの添加割合を用いて算出したクロミア−ジルコニア焼結体の理論密度で除して、百分率で表したものを相対密度とした。
【0033】
(2)曲げ強度
JIS−R1601に準拠し、室温における3点曲げ強度を測定した。
【0034】
(3)侵食試験
耐食性の評価は、下記の合成スラグによる侵食試験により行なった。スラグ侵食試験は、試薬から調製した合成スラグを白金坩堝にいれ、これを電気炉内に設置して試験温度1500℃で溶融し、その溶融スラグ中に50時間、夫々の焼結体(試料)を浸漬させて実施した。試験後、焼結体を切断し、SEMによりスラグとの界面を観察し、焼結体の減少量を測定して侵食量とし、各焼結体の耐食性を評価した。
【0035】
(4)熱衝撃抵抗性試験
焼結体から切断加工したJIS−R1601に準拠する曲げ強度測定用試料をある温度に保持して(これを保持温度という)縦型管状炉中に吊るし、30分間保持した後、急激に水中へ落下させ、乾燥させた後の室温3点曲げ強さを測定した。先に測定した室温での曲げ強度と比べて急激に焼結体に強度変化が生じた時の上記保持温度と水温との差を急冷温度差、ΔTc(℃)と定義した。このようにして得られるΔTcの値が大きいものほど、熱衝撃抵抗性が良好であると判断できる。
【0036】
(5)評価結果
表1に示した相対密度の測定結果からわかるように、クロミアに分散させるジルコニアの添加量が多いと、少ない場合に比べて緻密化が進行しにくいことがわかった。しかし、ジルコニアの添加量を9重量%と多くした場合であっても、焼成温度及び加圧力の焼成条件を適宜なものとすれば、相対密度の高い緻密な焼結体を得ることができることがわかった。例えば、加圧力が40MPaと高い場合には、比較的低い1400℃の焼成温度で97.0%以上の相対密度の焼結体が得られるが、加圧力が30MPaと低い場合には、同様に97.0%以上の相対密度の焼結体を得るためには、それよりも高い1450℃の焼成温度で焼成する必要があることがわかった。
【0037】
焼成条件を加圧力30MPa、焼成温度1450℃と一定にし、使用する混合粉体原料中におけるジルコニアの添加量を変えた場合の焼結体について、上記の曲げ強度試験及び熱衝撃抵抗性試験を行なって、その特性を比較した。この結果、表1中の焼結体No.C及びHに示されているように、ジルコニアの添加量の多いNo.Hの焼結体は、No.Cのジルコニアの添加量の少ない焼結体に比べて室温の曲げ強度が若干低下するものの、熱衝撃抵抗性は向上していた。これは、No.Cに比べてジルコニアの添加量の多いNo.Hの焼結体では、組織全体としてジルコニア粒子周辺の空隙や微細亀裂が増加するので、熱衝撃抵抗性が向上したものと考えられる。
【0038】
【表1】
Figure 0004430782
【0039】
<実施例8及び9>
混合粉体原料として、ジルコニアの添加量の異なる下記の2種類の混合粉体を用い、表2に示した夫々の焼成条件で焼結する以外は実施例1等と同様にして、実施例8及び9の焼結体L及びMを得た。即ち、混合粉体原料として、夫々、実施例1で使用したと同様のクロミア粉体に、実施例1で使用したと同様のジルコニアを用い、これを粉体原料全体に対して1重量%含有させたものと、粉体原料全体に対して9重量%含有させたものを用いた。
【0040】
<比較例1〜3>
下記の夫々の製造方法で、比較例1では、ジルコニア粉体を添加せずにクロミア粉体のみを粉体原料として焼結体No.Nを得、比較例2では、TiO2及びSiO2を焼結助剤として含有するクロミア粉体を粉体原料とする焼結体No.Oを得、比較例3では、アルミナ粉体のみを粉体原料ととする焼結体No.Pを得た。製造方法としては、No.Nの比較例1の焼結体については、実施例1で使用したと同様のクロミア粉体を用い、実施例及び参考例の場合と同様に、放電プラズマ燒結機を用いて、表2に示した焼成条件で焼成した。又、比較例2では、焼結助剤(TiO2及びSiO2)を合量で10重量%使用して、実施例1で使用したと同様のCr23を90重量%含む粉体原料を用いて、先ず、一軸加圧により成形体を作製し、その後、得られた成形体を大気中で1750℃で焼成して、比較例のクロミア質焼結体No.Oを得た。更に、比較例3では、重量平均粒径2〜3μmのアルミナ粉体を用いて、大気中で1600℃で焼成して、比較例のアルミナ質焼結体No.Pを得た。
【0041】
【表2】
Figure 0004430782
【0042】
(評価)
夫々の焼成終了後、得られた焼結体をJIS−R1601に準ずる曲げ強度測定用試料に切断加工し、先に述べたと同様の方法で、相対密度、曲げ強度、侵食試験、熱衝撃抵抗性試験を実施して、その特性を夫々評価した。その結果を表3に示した。
【0043】
表3から明らかなように、先ず、従来法に従い焼結助剤を用い大気中で焼成した比較例2の焼結体No.Oでは相対密度が90.2%であったのに対し、実施例8及び9の焼結体L及びMでは相対密度が97%以上であり、実施例8及び9の焼結体は、いずれも緻密なクロミア焼結体であることが確認できた。更に、比較例2の焼結体No.Oに比べて、実施例8及び9の焼結体L及びMは、格段に耐食性に優れていることもわかった。これは、比較例2のNo.Oの焼結体は、ジルコニアと異なり、クロミアの粒界に液相になり易い不純物(TiO2及びSiO2)を含むため、耐食性が劣るものになったと考えられる。以上のように、ジルコニアの添加量に関わらず、実施例8及び9の焼結体L及びMは、No.Oの従来のクロミア焼結体に比べて、高い緻密性を有し、且つ、耐食性に優れていることが確認できた。
【0044】
又、表3に示されているように、比較例1のジルコニアを添加しないクロミアのみからなる焼結体No.Nは、高い相対密度を有し、非常に緻密で耐食性に優れた材料であることがわかった。しかし、熱衝撃抵抗性試験を行なった結果、このクロミア焼結体No.Nは、ジルコニアを添加した実施例8及び9の焼結体L及びMと比較すると、熱衝撃抵抗性に劣ることがわかった。更に、実施例8及び9の焼結体L及びMは、この比較例1のクロミア焼結体No.Nと比べてジルコニアの添加したことに起因して若干の耐食性の低下が見られるものの、大きく耐食性が損なわれることはなく、耐食性と熱衝撃抵抗性との両立が図られていることが確認できた。
【0045】
更に、表3に示されているように、実施例8及び9の焼結体L及びMは、従来より熱衝撃抵抗性に優れる材料として用いられている高純度アルミナ焼結体である比較例3の焼結体Pと比べても遜色のない熱衝撃抵抗性を示すことがわかった。特に、ジルコニア粒子が9重量%添加されている実施例10の焼結体Mでは、上記の高純度クロミア焼結体よりも優れた熱衝撃抵抗性を示すことがわかった。
【0046】
【表3】
Figure 0004430782
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クロミアの緻密な組織中に特定の大きさのジルコニア粒子を特定の割合で均一に分散させることで、焼結体の緻密性を低下させることがなく、耐食性に優れ、しかも熱衝撃抵抗性を向上を実現させたクロミア−ジルコニア焼結体が提供される。又、本発明によれば、上記のような優れたクロミア−ジルコニア焼結体が容易に経済的に得られるクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法が提供される。更に、本発明によれば、高温での耐食性及び熱衝撃抵抗性に優れ、ガラス溶解炉や廃棄物処理溶融炉等において長期使用可能な高温耐食性材料として好適な、クロミア−ジルコニア焼結体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクロミア−ジルコニア焼結体をSEMで組織観察した結果を示す概略図である。
【図2】本発明のクロミア−ジルコニア焼結体を得るための粉体試料の充填容器を示す概略図である。

Claims (6)

  1. 相対密度が97%以上の緻密な組織を有し、且つ、クロミア粒子からなる組織中に重量平均粒子径10〜80μmの安定化されたジルコニア粒子が全体に対して0.1〜15重量%の割合で均一に分散されていることを特徴とするクロミア−ジルコニア焼結体。
  2. クロミア粒子の平均粒子径が1〜3μmの範囲にあり、且つ、ジルコニア粒子の周辺のクロミア焼結組織中に空隙及び/又は微細な亀裂を有する請求項1に記載のクロミア−ジルコニア焼結体。
  3. 請求項1に記載のクロミア−ジルコニア焼結体を製造するための製造方法であって、焼結助剤を添加することなく、クロミア粉体に重量平均粒子径10〜80μmの安定化されたジルコニア粉体を粉体原料の全量に対して0.1〜15重量%になるように加えて均一に分散させて混合粉体とし、該混合粉体を真空中若しくは不活性雰囲気中で加圧しながらパルス通電加熱して成形及び焼成することを特徴とするクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法。
  4. クロミア粉体の平均粒子径が1〜3μmの範囲にある請求項3に記載のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法。
  5. 焼成温度1200〜1600℃、荷重10〜60MPaの範囲で焼成を行なう請求項3又は4に記載のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法。
  6. 焼成温度1400〜1500℃、荷重20〜40MPaの範囲で焼成を行なう請求項3又は4に記載のクロミア−ジルコニア焼結体の製造方法。
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