JP4430574B2 - 把持力制御装置および作業機械 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧式アクチュエータの動作により対象物を把持する作業機械に用いられる把持力制御技術に関する。
多関節構造の作業腕を上部旋回体の左右にそれぞれ備えた双腕型の作業機械が知られている。この作業機械では、左右それぞれの作業腕に設けられたアクチュエータを駆動することで、左右の作業腕をそれぞれ独立して駆動できる(特許文献1参照)。
特開平11−181815号公報
近年、各種のリサイクル法が制定され、様々な分野でリサイクルを推進していく必要がある。建設物の解体作業などにおいてもリサイクル対象物が発生するため、リサイクル対象物をなるべく破壊させずに解体作業を行う必要がある。しかし、従来の双腕型の作業機械は、リサイクル対象物をなるべく破壊させずに解体する作業には適していなかった。
(1) 請求項1の発明による把持力制御装置は、対象物を把持する把持爪を有する把持装置であって、作業機械の右側に設けられた第1の作業腕に取り付けられる第1の把持装置と、対象物を把持する把持爪を有する把持装置であって、作業機械の左側に設けられた第2の作業腕に取り付けられる第2の把持装置と、第1の把持装置の把持爪を開閉駆動する第1のアクチュエータに対して供給される圧油を制御する第1の流量制御手段と、第2の把持装置の把持爪を開閉駆動する第2のアクチュエータに対して供給される圧油を制御する第2の流量制御手段と、第1の操作部の操作に基づいて、第1の流量制御手段によって第1のアクチュエータに供給される圧油の流量を調節する第1の操作手段と、第2の操作部の操作に基づいて、第2の流量制御手段によって第2のアクチュエータに供給される圧油の流量を調節する第2の操作手段と、第1および第2の把持装置の把持爪の把持力をそれぞれ独立して制御する把持力制御手段と、把持力制御手段で制御される第1の把持装置の把持爪の把持力の上限値である第1の把持力設定値を設定するための第1の設定つまみを有する第1の設定器と、把持力制御手段で制御される第2の把持装置の把持爪の把持力の上限値である第2の把持力設定値を設定するための第2の設定つまみを有する、第1の設定器とは異なる第2の設定器とを備え、作業機械の右側に設けられた第1の作業腕の配設位置に対応するように第1の設定つまみを右側に設け、作業機械の左側に設けられた第2の作業腕の配設位置に対応するように第2の設定つまみを左側に設け、把持力制御手段は、第1の把持装置の把持爪を閉じるように第1の流量制御手段から第1のアクチュエータに供給される圧油に関して第1のアクチュエータと並列に設けられて、第1の把持装置の把持爪の把持力が第1の把持力設定値を超えないように第1のアクチュエータに供給される圧油をリリーフする第1の可変リリーフ手段と、第2の把持装置の把持爪を閉じるように第2の流量制御手段から第2のアクチュエータに供給される圧油に関して第2のアクチュエータと並列に設けられて、第2の把持装置の把持爪の把持力が第2の把持力設定値を超えないように第2のアクチュエータに供給される圧油をリリーフする第2の可変リリーフ手段とを有することを特徴とする把持力制御装置であり、把持力制御装置は、さらに、第1および第2の可変リリーフ手段で設定され得るリリーフ圧力の最高圧力よりも高いリリーフ圧力に設定されるリリーフ手段と、第1のアクチュエータと並列、かつ、第1の可変リリーフ手段と直列な油路上に設けられ、第1の把持装置の把持爪を閉じるために第1の流量制御手段から第1のアクチュエータに供給される圧油の一部を第1の可変リリーフ手段に供給するか否かを切り替える第1の切替手段と、第2のアクチュエータと並列、かつ、第2の可変リリーフ手段と直列な油路上に設けられ、第2の把持装置の把持爪を閉じるために第2の流量制御手段から第2のアクチュエータに供給される圧油の一部を第2の可変リリーフ手段に供給するか否かを切り替える第2の切替手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明による作業機械は、請求項1に記載の把持力制御装置と、作業機械の右側に設けられて、第1の把持装置が取り付けられる第1の作業腕と、作業機械の左側に設けられて、第2の把持装置が取り付けられる第2の作業腕と、第1および第2の作業腕が取り付けられる旋回体と、旋回体を旋回可能に保持する走行体とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、把持する対象物の破損を防止して容易に解体作業を行うことのできる把持力制御装置および作業機械を実現できる。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜8を参照して、本発明による把持力制御装置を搭載した作業機械の第1の実施の形態を説明する。図1および図2に示すように、油圧ショベルをベースとした双腕型の作業機100は、走行体1に旋回体3が旋回可能に取り付けられている。旋回体3の前部には運転室4が取り付けられている。運転室4の後方にはエンジンおよび油圧ポンプを含む主要駆動装置等の装置5とカウンタウエイト8とが設けられている。
運転室4の右側前方には第1ブラケット6aが設けられ、第1ブラケット6aにはスイング式の第1フロント作業腕Aが取り付けられている。第1フロント作業腕Aは、第1ブラケット6aに設けられた揺動軸心30a(図2)を中心に左右方向に揺動自在に取り付けられた取付体7aと、取付体7aに上下方向に揺動自在に取り付けられたブーム10aと、ブーム10aに上下方向に揺動自在に取り付けられたアーム12aと、アーム12aの先端部分に上下方向に回動自在に取り付けられた第1作業具である把持装置14aとを有する多関節構造の腕である。
第1フロント作業腕Aは、取付体7aを左右揺動させる揺動用シリンダ9a(図2)と、ブーム10aを上下揺動させるブームシリンダ11aと、アーム12aを上下揺動させるアームシリンダ13aと、把持装置14aを上下回動させる作業具シリンダ15aとを有する。
第2フロント作業腕Bは、運転室4を挟んで第1フロント作業腕Aと左右対称に設けられている。第2フロント作業腕Bは、第1フロント作業腕Aと同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。以下の説明では、第2フロント作業腕Bに関する各構成要素について、上述した第1フロント作業腕Aに関する各構成要素に対応する符号末尾のaをbに代えて記載する。なお、第2フロント作業腕Bの第2作業具は、第1フロント作業腕Aと同様に把持装置14bである。
図3に把持装置14a(14b)の構造を示す。把持装置14aは、アーム12aの先端に取り付けられる把持装置本体20aと、先端側で対象物を把持できるように対向して設けられた把持爪21a,22aと、把持爪21a,22aを駆動するシリンダ30aとを有する。把持爪21a,22aは、それぞれの後端の近傍で、把持装置本体20aに設けられた回動軸23a,24aを中心に回動可能に軸支されている。把持爪21aと把持爪22aとは、それぞれ回動軸23a,24aの近傍でリンク25aを介して接続されている。このリンク25aによって、それぞれの把持爪21a,22aは、回動軸23a,24aを中心に連動して回動するので、把持爪21a,22aの先端側の把持部121a,122aで対象物を把持および開放できる。
シリンダ30aのシリンダロッド31aのロッド先端131aは、把持爪21aの後端に設けられているシリンダロッド接続部27aに接続され、シリンダ本体32aのボトム側端部(シリンダボトム)132aが把持装置本体20aのシリンダ支持部26aに接続されている。
シリンダ30aの把持側油室(ボトム室)33aに圧油が供給されると、シリンダロッド31aが伸長し、回動軸23aを中心に把持爪21aを右旋させる。把持爪21aの右旋に伴ってリンク25aを介して把持爪22aは回動軸24aを中心に左旋される。したがって、把持爪21a,22aは閉じる方向に駆動されるので、把持対象物を把持できる。把持爪21a,22aが閉じている状態で、シリンダ30aの解放側油室(ロッド室)34aに圧油が供給されると、シリンダロッド31aが収縮し、上述の動作とは逆方向に把持爪21a,22aが駆動されて、把持対象物を開放する。
図4は、作業機100のシリンダ30a,30bを駆動する油圧回路を示す図である。この油圧回路には、メインポンプ40と、コントロール弁41a,41bと、メインリリーフ弁42と、作動油タンク43と、ON/OFF弁44a,44bと、比例電磁式リリーフ弁45a,45bとが設けられている。また、この油圧回路には、油圧回路の各構成機器を制御するために制御回路60と、コントローラ70a,70bと、把持力設定器110a,110bとが設けられている。
コントローラ70a,70bは、いわゆる電気レバーと呼ばれる操作装置であり、把持装置14a,14bの開閉操作をするための操作レバー71a,71bを有する。コントローラ70a,70bからは、操作レバー71a,71bの操作量に応じた電圧が制御回路60へ出力される。シリンダ30aを駆動する油圧回路とシリンダ30bを駆動する油圧回路とは同様の構成であるので、以下の説明では、シリンダ30aの駆動について説明し、シリンダ30bの駆動についての説明を省略する。
なお、この油圧回路は、この油圧回路を構成するメインポンプ40、メインリリーフ弁42、および作動油タンク43と、この油圧回路の各構成機器を制御する制御回路60を除き、シリンダ30aの駆動に係る符号末尾にaを付した各構成要素と、シリンダ30bの駆動に係る符号末尾にbを付した各構成要素とが互いに独立した構成とされている。
図示しないエンジンによりメインポンプ40が駆動されると、作動油タンク43の作動油がコントロール弁41aを介して油路81aまたは油路82aからシリンダ30aへ供給される。この油圧回路の最高圧力はメインリリーフ弁42で規定される。なお、油路81aはシリンダ30aのボトム室33aとコントロール弁41aとを結ぶ油路であり、油路82aはロッド室34aとコントロール弁41aとを結ぶ油路である。コントロール弁41aは、後述するように、操作レバー71aの操作に応じてスプールが駆動されて、シリンダ30aへの圧油の流れを制御する。
油路83aは、油路81aの途中から分岐した油路であり、ON/OFF弁44aと、比例電磁式リリーフ弁45aとが設けられている。ON/OFF弁44aは、油路81aと比例電磁式リリーフ弁45aとの間に設けられている。すなわち、ON/OFF弁44aは、ボトム室33aに供給される圧油に関してシリンダ30aと並列に、かつ、油路83a上で比例電磁式リリーフ弁45aと直列に配設されている。後述するように、ON/OFF弁44aは、制御回路60から送信される信号によってオンオフが切り替えられて、油路81aから比例電磁式リリーフ弁45aへの圧油流入を許可または禁止する。
比例電磁式リリーフ弁45aは、上述のように、油路83a上でボトム室33aに供給される圧油に関してシリンダ30aと並列に、かつ、ON/OFF弁44aと直列に配設されている。比例電磁式リリーフ弁45aの設定圧力値は、後述するように、把持力設定器110aで設定された把持力設定値に対応する設定圧力値となるように制御回路60から送信される信号によって設定される。なお、比例電磁式リリーフ弁45aからリリーフされた圧油は、作動油タンク43に戻る。
制御回路60は、コントローラ70a,70bの各操作レバー71a,71bの操作状況に基づいて、コントロール弁41a,41bのスプール駆動量を制御するとともに、把持力設定器110a,110bからの設定信号に基づいてON/OFF弁44a,44bのON/OFFの切り替えと、比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力とを制御する。制御回路60によるコントロール弁41a,41b、ON/OFF弁44a,44b、および比例電磁式リリーフ弁45a,45bの制御内容は、次に述べるとおりである。
制御回路60からコントロール弁41aへの指令値は、コントロール弁41aを流れる圧油の流量が操作レバー71aの操作量に比例して変化するように、操作レバー71aの操作量に対応して決定される。したがって、シリンダ30aの動作速度は、操作レバー71aの操作量に比例する。なお、以下の説明では、把持装置14aが対象物を把持する方向、および、把持装置14aが対象物を把持するように操作レバー71aが操作される方向を把持方向と呼び、把持装置14aが対象物を解放する方向、および、把持装置14aが対象物を解放するように操作レバー71aが操作される方向を解放方向と呼ぶ。
制御回路60から比例電磁式リリーフ弁45aへの指令値(圧力設定値)は、後述する把持力設定器110aで設定された把持力設定値に基づいて演算されて出力される。すなわち、制御回路60は、シリンダ30aのピストンの断面積や把持爪21a,22aを開閉駆動するリンク機構のリンク比などから、把持力設定器110aで設定された把持力を発揮するときのボトム室33aの圧力を演算し、比例電磁式リリーフ弁45aの設定圧力が演算した圧力となるように比例電磁式リリーフ弁45aへ制御信号を出力する。
図5に示すように、把持力設定器110aは、把持力設定値、すなわち把持装置14aの把持力の上限値を設定する装置であり、オペレータが把持力設定つまみ111aを操作することによって、把持力設定つまみ111aの回動位置に対応する任意の値が設定可能である。なお、図5において、把持力設定つまみ111aの回動位置に対応する把持装置14aの把持力を数値として目盛板112aに表示してもよい。
把持力設定つまみ111aがOFF位置113aに設定されている場合には、ON/OFF弁44aがオフされるように制御回路60からON/OFF弁44aへ信号が出力される。把持力設定つまみ111aがOFF位置113a以外の把持力設定位置に回動されている場合には、ON/OFF弁44aがオンされるように制御回路60からON/OFF弁44aへ信号が出力される。
図6は、制御回路60の構成を示すブロック図である。制御回路60は、レバー信号演算部61と、コントロール弁指令演算部62と、把持力制御演算部63とを有する。なお、制御回路60では、図6に示した構成が把持装置14a,14bのそれぞれについて独立して設けられている。
コントローラ70a,70bから出力された操作レバー71a,71bの操作量に応じた電圧は、レバー信号演算部61に入力される。レバー信号演算部61は、入力されたコントローラ70a,70bからの電圧に基づいて操作レバー71a,71bの操作量を演算してコントロール弁指令演算部62に出力する。コントロール弁指令演算部62は、レバー信号演算部61で演算された操作レバー71a,71bの操作量に基づいて各コントロール弁41a,41bの速度指令値を演算して、コントロール弁41a,41bに出力する。把持力制御演算部63は、把持力設定器110a,110bの設定信号に基づいて、上述のように比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値を演算して、比例電磁式リリーフ弁45a,45bに指令値を出力するとともに、ON/OFF弁44a,44bをオンまたはオフする信号をON/OFF弁44a,44bに出力する。
上述のように構成される作業機100では、操作レバー71a,71bが把持方向に操作されると、ボトム室33a,33bに圧油が供給されるようにコントロール弁41a,41bのスプールが駆動されるので、把持爪21a,22a,21b,22bが把持方向に駆動される。操作レバー71a,71bが開放方向に操作されると、ロッド室34a,34bに圧油が供給されるようにコントロール弁41a,41bのスプールが駆動されるので、把持爪21a,22a,21b,22bが開放方向に駆動される。
第1フロント作業腕Aに設けられた把持装置14aおよび第2フロント作業腕Bに設けられた把持装置14bのいずれにおいても、操作レバー71a,71bの操作量に応じた速度でシリンダ30a,30bが駆動されて把持爪21a,22a,21b,22bが把持および解放方向に駆動される。把持力設定つまみ111a,111bがOFF位置113a,113bに設定されている場合には、ON/OFF弁44a,44bがオフされるので、コントロール弁41a,41bからの圧油の全量がボトム室33a,33bへ供給される。したがって、シリンダ30a,30bは操作レバー71a,71bによる速度指令で把持方向に駆動される。
把持対象物を把持することでシリンダ30a,30bの駆動が停止されると、コントロール弁41a,41bから供給される圧油によってボトム室33a,33bの圧力は上昇する。ボトム室33a,33bへ供給される圧油の最大圧力は、メインリリーフ弁42の設定圧力値となるので、把持装置14a,14bの把持力の上限値は、メインリリーフ弁42で規定されるリリーフ圧に対応する把持力となる。
把持力設定つまみ111a,111bが把持力設定位置に回動されている場合には、ON/OFF弁44a,44bがオンされるので、油路81a,81bの圧油は、ON/OFF弁44a,44bを通過して、比例電磁式リリーフ弁45a,45bへも供給される。油路81a,81bの圧油の圧力が比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値よりも低い場合、油路83a,83bの圧油が比例電磁式リリーフ弁45a,45bからリリーフされないので、ボトム室33a,33bへ供給される圧油の流量は、操作レバー71a,71bの把持方向への操作量に比例する。したがって、把持装置14a,14bが把持対象物を把持するまでは、シリンダ30a,30bは操作レバー71a,71bによる速度指令で把持方向に駆動される。
把持対象物を把持することでシリンダ30a,30bの駆動が停止されると、コントロール弁41a,41bから供給される圧油によってボトム室33a,33bの圧力は上昇する。これにより、油路81a,81bの圧油の圧力が比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値まで上昇すると、油路83a,83bの圧油の圧力が比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値を超えないように比例電磁式リリーフ弁45a,45bから圧油がリリーフされる。したがって、ボトム室33a,33bへ供給される圧油の最大圧力が比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値となるので、把持装置14a,14bの把持力の上限値は、上述した比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力に対応する把持力、すなわち、把持力設定つまみ111a,111bで設定された把持力の上限値となる。
図7は、本実施の形態の作業機100によって破損しやすい長尺物1000を把持する作業を示した図である。把持力の上限値を制御できない従来の作業機で破損しやすい把持対象物を把持する場合には、操作レバーの操作量が適切でないと把持対象物を把持装置で握りつぶしてしまったり、把持力不足で把持対象物を落下させてしまったりしてしまう恐れがある。本実施の形態の作業機100では、把持力設定器110a,110bによって把持装置14a,14bのそれぞれの把持力の上限値を把持対象物を破損することのない把持力に設定することで、上述したような従来の作業機における把持対象物の握りつぶしや落下を防止できる。したがって、オペレータは、従来の作業機のように各操作レバー71a,71bの操作量を慎重にコントロールして把持対象物を破損させないように操作する必要がないので、容易に把持作業を実施できる。
また、作業腕および把持装置が1基である従来の作業機で長尺物1000を把持したときには、長尺物1000が把持装置を中心に回転し易くなり、不安定な状態での把持作業を余儀なくされるが、本実施の形態の作業機100では、左右のフロント作業腕A,Bで長尺物1000を把持できるので、長尺物1000であっても安定して把持できる。
図8は、本実施の形態の作業機100による構造物1010の解体作業を示した図である。構造物1010はリサイクル利用するため、なるべく破損させずに解体する必要がある部材である。構造物1010の図示左側に延在する部材1011を切除して再利用するため、第2フロント作業腕Bの把持装置14bで部材1011を把持しながら、第1フロント作業腕の把持装置14aで部材1011を切断する。なお、このような切断作業では、切断に用いる把持装置(ここでは把持装置14a)として、切断刃付きの把持装置や切断作業に適したカッタを用いればよい。
把持力の上限値を制御できない従来の双腕型作業機でこのような切断作業を行う場合には、操作レバーの操作量が適切でないと、部材1011を把持装置で握りつぶしてしまう恐れがある。また、部材1011の切断後には、上述した従来の作業機の場合と同様に、把持力不足で把持対象物を落下させてしまったりしてしまう恐れがある。
本実施の形態の作業機100では、把持力設定器110bによって把持装置14bの把持力の上限値を切断した部材1011の運搬に必要な低い把持力に設定することで、上述したような従来の作業機における把持対象物の握りつぶしや落下を防止できる。部材1011の切断を行う第1フロント作業腕Aの把持装置14aについては、把持力設定器110aによって把持装置14aの把持力の上限値を部材1011の切断に十分な把持力に設定することで、または、把持力設定つまみ111aをOFF位置113aに設定することで、部材1011の切断に必要な把持力(切断力)を得ることができる。
なお、把持力設定つまみ111a,111bをOFF位置113a,113bに設定することで、シリンダ30a,30bに供給される圧油の最大圧力は、メインリリーフ弁42の設定圧力値と等しくなり、シリンダ30a,30bは、操作レバー71a,71bによる速度指令で駆動されるので、上述した把持装置14a,14bやカッタ以外にも、バケットやブレーカなど他の作業具を用いることができる。
第1の実施の形態の作業機100では、次の作用効果を奏する。
(1) 第1フロント作業腕Aに設けられた把持装置14aおよび第2フロント作業腕Bに設けられた把持装置14bのそれぞれについて、把持装置14aの把持力の上限値と把持装置14bの把持力の上限値とを独立して制御するように構成した。これにより、把持対象物の破損を防止して容易に解体作業を行うことのできる把持力制御装置および作業機械を実現できる。
(2) 油路81a,81bの途中から分岐した油路83a,83bに設けられた比例電磁式リリーフ弁45a,45bによってシリンダ30a,30bに供給される圧油の圧力を制御するように構成した。これにより、簡単な油圧回路の構成で、把持装置14a,14bの把持力の上限値を制御できるので、把持力制御装置および作業機械のコスト増を抑制できる。
(3) 把持力設定器110a,110bによって把持装置14a,14bの把持力の上限値を設定するように構成したので、把持装置14a,14bの把持力の上限値を容易に設定でき、上限値設定操作の操作性を向上できる。また、把持力設定つまみ111a,111bの回動位置を見ることで現在の設定状態を容易に把握でき、視認性が高いので、意図しない上限値に設定してしまうというミスも防止できる。
(4) 把持力設定器110a,110bによって、操作レバー71a、71bの操作とは独立して把持装置14a,14bの把持力の上限値を設定できるように構成した。これにより、あらかじめ把持対象物に対して許容される把持力が分かっている場合には、その許容される把持力よりも小さな値を上限値として把持力設定器110a,110bで設定することで、操作レバー71a,71bの操作量を気にすることなく、把持作業を行うことができる。したがって、把持対象物が破損し易いものであっても、容易に把持作業を行うことができるので、経験の浅いオペレータでも把持対象物を破損させることがない。また、オペレータの疲労軽減に貢献できる。
(5) 比例電磁式リリーフ弁45a,45bと、比例電磁式リリーフ弁45a,45bの上流に接続したON/OFF弁44a,44bとをシリンダ30a,30bに対して並列に配設し、把持力設定つまみ111a,111bの回動位置によってON/OFF弁44a,44bの駆動位置を切り替えるように構成した。把持力設定つまみ111a,111bが把持力設定位置に回動されると、比例電磁式リリーフ弁45a,45bへの圧油流入が許可されて、シリンダ30a,30bのボトム室33a,33bに供給される圧油の圧力は、比例電磁式リリーフ弁45a,45bのリリーフ圧によって上限値が規制される。把持力設定つまみ111a,111bがOFF位置113a,113bに回動されると、比例電磁式リリーフ弁45a,45bへの圧油流入が禁止されて、シリンダ30a,30bのボトム室33a,33bに供給される圧油の圧力は、メインリリーフ弁42のリリーフ圧まで上昇可能となる。したがって、メインリリーフ弁42のリリーフ圧に近い高圧領域での把持機能を確保した上で、比例電磁式リリーフ弁45a,45bの圧力設定範囲を低圧領域に任意に定めた高精度な圧力制御が実現できる。これにより、最高圧力設定値の低い比例電磁式リリーフ弁45a,45bを用いることで、低圧領域での圧力制御の精度が向上する反面、高圧領域での把持ができないという不都合を解決でき、柔軟軽量で過負荷により破損し易い対象物を容易な操作で適切に把持できるとともに重荷重の把持対象物も把持できる。このように、本実施の形態の把持力制御装置では、様々な対象物に応じて適切に把持できる優れた把持力制御が実現できる。
−−−第2の実施の形態−−−
図9〜12を参照して、本発明による把持力制御装置を搭載した作業機械の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。図9は、第2の実施の形態の作業機100のシリンダ30a,30bを駆動する油圧回路を示す図である。この油圧回路では、第1の実施の形態における把持力設定器110a,110bが設けられていない点で第1の実施の形態の作業機100の油圧回路と異なる。
第2の実施の形態の作業機100では、操作レバー71a,71bの操作量に基づいて、ON/OFF弁44a,44b、および比例電磁式リリーフ弁45a,45bを後述するように制御する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と同様に、シリンダ30aの駆動について説明し、シリンダ30bの駆動についての説明を省略する。
第2の実施の形態の作業機100では、制御回路60は、操作レバー71aの操作量に応じた比例電磁式リリーフ弁45aへの指令値を演算して比例電磁式リリーフ弁45aへ出力する。図10は、操作レバー71aの把持方向の操作量と、制御回路60から比例電磁式リリーフ弁45aへの指令値、すなわち比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値との関係を示す図である。
操作レバー71aの中立位置付近の不感帯は、操作レバー71aが中立位置からわずかに傾動されたたけで鋭敏にシリンダ30aが駆動されてしまうのを防止するため、操作レバー71aの操作量を認識しないように設けられた領域である。把持方向へ操作レバー71aが不感帯を超えて操作されると、操作レバー71aの操作量に比例して最小圧力設定値Pminから最大圧力設定値Pmaxまでの間で比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値が決定される。操作レバー71aの操作量が操作量St1に達した時点で、比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値は、比例電磁式リリーフ弁45aの最大圧力設定値Pmaxに達する。
なお、比例電磁式リリーフ弁45aの最大圧力設定値Pmに対応する操作量St1は、任意の値に設定可能である。すなわち、図10における操作レバー71aの操作量と比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値との関係を示す直線の傾きは、任意に設定可能である。また、操作レバー71aの操作量と比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値との関係は、図10に示す直線状のものでなくてもよく、曲線状のものであってもよい。以下の説明では、任意の操作量Stxにおける比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値をPxと呼ぶ。
制御回路60からON/OFF弁44aへのオンオフ指令は、操作レバー71aの操作量に応じて決定される。図11に示すように、操作レバー71aの操作量が操作量St2よりも少なく、かつ不感帯の設定範囲を上回る場合、ON/OFF弁44aをオンする指令が出力される。操作レバー71aの操作量が操作量St2よりも多い場合、あるいは不感帯の設定範囲内の場合、ON/OFF弁44aをオフする指令が出力される。以下の説明では、操作量St2は、上述した操作量St1と等しいものとして説明するが、操作量St1と操作量St2とが異なる操作量であってもよい。
操作レバー71aの操作量が操作量St2よりも少なく、かつ不感帯の設定範囲を上回る場合、ON/OFF弁44aがオンされて、油路81aの圧油が比例電磁式リリーフ弁45aへも供給されるので、あるレバー操作量Stxにおいて把持装置14aで発揮される把持力の上限値Fxは、その操作量Stxにおける比例電磁式リリーフ弁45aの設定圧力Pxに対応する把持力となる。すなわち、把持装置14aの把持力の上限値は、図11に示すように操作レバー71aの操作量に比例する。ここでF1は、比例電磁式リリーフ弁45aの最小設定圧力Pminに対応する把持力である。上述したように、操作レバー71aの操作量St2が操作量St1と等しいので、F2は比例電磁式リリーフ弁45aの最大設定圧力Pmaxに対応する把持力である。
操作レバー71aの操作量が操作量St2よりも多い場合、ON/OFF弁44aがオフされるので、ボトム室33aへ供給される圧油の最大圧力は、メインリリーフ弁42の設定圧力値となる。したがって、把持装置14aの把持力の上限値は、メインリリーフ弁42で規定されるリリーフ圧に対応する把持力F3となる。なお、操作レバー71aの操作量が不感帯の設定範囲内の場合は、ON/OFF弁44aがオフされるので、不必要な圧抜け(把持力低下)が防止される。
図12は、制御回路60の構成を示すブロック図である。制御回路60は、レバー信号演算部61と、コントロール弁指令演算部62と、把持力制御演算部63とを有する。なお、制御回路60では、図12に示した構成が把持装置14a,14bのそれぞれについて独立して設けられている。
コントローラ70a,70bから出力された操作レバー71a,71bの操作量に応じた電圧は、レバー信号演算部61に入力される。レバー信号演算部61は、入力されたコントローラ70a,70bからの電圧に基づいて操作レバー71a,71bの操作量を演算してコントロール弁指令演算部62および把持力制御演算部63に出力する。コントロール弁指令演算部62は、レバー信号演算部61で演算された操作レバー71a,71bの操作量に基づいて各コントロール弁41a,41bの速度指令値を演算して、コントロール弁41a,41bに出力する。把持力制御演算部63は、レバー信号演算部61で演算された操作レバー71a,71bの操作量に基づいて、上述のように比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値を演算して、比例電磁式リリーフ弁45a,45bに指令値を出力するとともに、ON/OFF弁44a,44bをオンまたはオフする信号をON/OFF弁44a,44bに出力する。
上述のように構成される作業機100では、操作レバー71a,71bの把持方向への操作量がSt2より少ない場合、ON/OFF弁44a,44bがオンされるが、油路81a,81bの圧油の圧力が比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値よりも低い場合には油路83a,83bの圧油が比例電磁式リリーフ弁45a,45bからリリーフされないので、ボトム室33a,33bへ供給される圧油の流量は、操作レバー71a,71bの把持方向への操作量に比例する。したがって、把持装置14a,14bが把持対象物を把持するまでは、シリンダ30a,30bは操作レバー71a,71bによる速度指令で把持方向に駆動される。
把持対象物を把持することでシリンダ30a,30bの駆動が停止されると、コントロール弁41a,41bから供給される圧油によってボトム室33a,33bの圧力は上昇するが、その上限値は比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値となる。したがって、ボトム室33a,33bへ供給される圧油の最大圧力が比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値となるので、把持装置14a,14bの把持力の上限値は、操作レバー71の操作量に比例する。すなわち、シリンダ30a,30bは圧力指令で把持方向に駆動される。
操作レバー71a,71bの把持方向への操作量がSt2を超えると、ON/OFF弁44a,44bがオフされるので、コントロール弁41a,41bからの圧油の全量がボトム室33a,33bへ供給される。したがって、シリンダ30a,30bは操作レバー71a,71bによる速度指令で把持方向に駆動される。ボトム室33a,33bへ供給される圧油の最大圧力は、メインリリーフ弁42の設定圧力値となるので、把持装置14a,14bで発揮される最大の把持力は、メインリリーフ弁42で規定されるリリーフ圧に対応する把持力となる。
第2の実施の形態の作業機100では、第1の実施の形態の作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。
(1) 操作レバー71aの操作量に基づいて、把持装置14aの把持力の上限値を設定し、操作レバー71bの操作量に基づいて、把持装置14bの把持力の上限値を設定するように構成した。これにより、操作レバー71a,71bの操作だけで把持力の上限値を容易に設定でき、また、オペレータが把持力の上限値を設定するために操作レバー71a,71bから手を放す必要がないので利便性および作業効率が高い。
(2) 操作レバー71a,71bの操作量に比例して把持装置14a,14bの把持力の上限値が決定されるように構成した。これにより、オペレータの意図する把持力の上限値と操作レバー71a,71bの操作量とが感覚的に一致するので、操作性が向上する。また、あらかじめ把持対象物に対して許容される把持力が分からない場合には、把持対象物の様子を見ながら操作レバー71a,71bの操作量を調節することで把持作業を行うことができる。したがって、強度が異なる様々な把持対象物を破損することなく容易に把持できるので利便性が高い。
(3) 操作レバー71a,71bの操作量が操作量St2を超えると、把持装置14a,14bの把持力の上限値がメインリリーフ弁42で規定されるリリーフ圧に対応する把持力となるように構成した。これにより、高い把持力が必要な把持作業であっても効率的に作業できる。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、比例電磁式リリーフ弁45a,45bの圧力設定値を変更することで、把持力上限値を変更しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図13に示すように、ON/OFF弁44a,44bおよび比例電磁式リリーフ弁45a,45bを設けず、油路81a,81bに圧力センサ92a,92bを設けることとしてもよい。そして、圧力センサ92a,92bで検出した圧油の圧力が、上述の説明において把持力制御演算部63で演算された比例電磁式リリーフ弁45の設定圧力値を超えないように各コントロール弁41a,41bの指令値を演算して、コントロール弁41a,41bに出力する。これにより、上述した実施の形態の作用効果と同様の作用効果を奏する。さらに、この場合には、ON/OFF弁44a,44bおよび比例電磁式リリーフ弁45a,45bの代わりに安価な圧力センサ92a,92bを用いているので、製造コストを低減できる。
この場合における制御回路60の構成を示すブロック図を図14に示す。制御回路60は、レバー信号演算部61と、コントロール弁指令演算部62と、把持力制御演算部63とを有する。なお、制御回路60では、図14に示した構成が把持装置14a,14bのそれぞれについて独立して設けられている。
コントローラ70a,70bから出力された操作レバー71a,71bの操作量に応じた電圧は、レバー信号演算部61に入力される。レバー信号演算部61は、入力されたコントローラ70a,70bからの電圧に基づいて操作レバー71a,71bの操作の有無を判定してコントロール弁指令演算部62に出力する。把持力制御演算部63は、把持力設定器110a,110bの設定信号および圧力センサ92a,92bの検出圧力信号に基づいて、把持力設定器110a,110bで設定された把持力の上限値に対応する圧油の圧力と、圧力センサ92a,92bで検出した圧油の圧力とを比較して、その差分に応じた信号をコントロール弁指令演算部62に出力する。
コントロール弁指令演算部62は、把持力制御演算部63から出力された信号に基づいて各コントロール弁41a,41bの指令値を演算し、レバー信号演算部61で操作レバー71a,71bの操作が有ると判断された場合には、演算した指令値を各コントロール弁41a,41bに出力する。レバー信号演算部61操作レバー71a,71bの操作がないと判断された場合には、コントロール弁41a,41bのスプールを中立位置とするように指令値を出力する。
(2) 上述の説明における把持力の設定・制御方法について、それぞれ組み合わせて用いてもよい。たとえば、第1の実施の形態のおける把持力設定器110a,110bによる把持力の上限値の設定と、第2の実施の形態における、操作レバー71a,71bの操作量に応じた把持力の上限値の設定とを組み合わせてもよい。この場合、把持力設定つまみ111a,111bが把持力設定位置に回動されている場合には、把持力設定器110a,110bによる把持力の上限値によって把持力を制御し、把持力設定つまみ111a,111bがOFF位置113a,113bに回動されている場合には、第2の実施の形態における把持力制御が実施されるようにしてもよい。
また、把持力設定つまみ111a,111bが把持力設定位置に回動されている場合には、上述した把持力設定器110a,110bによる把持力の上限値と、上述した操作レバー71a,71bの操作量に応じて決定される把持力の上限値を比較して、低い方の値を把持力の上限値とするように把持力を制御してもよい。この場合、把持力設定つまみ111a,111bがOFF位置113a,113bに回動されていれば、比例電磁式リリーフ弁45a,45bへの圧油の流入を禁止するように制御してもよい。
これらの場合のように把持力の上限値を設定するときの制御回路60の構成を示すブロック図を図15に示す。制御回路60は、レバー信号演算部61と、コントロール弁指令演算部62と、把持力制御演算部63とを有する。なお、制御回路60では、図6に示した構成が把持装置14a,14bのそれぞれについて独立して設けられている。
コントローラ70a,70bから出力された操作レバー71a,71bの操作量に応じた電圧は、レバー信号演算部61に入力される。レバー信号演算部61は、入力されたコントローラ70a,70bからの電圧に基づいて操作レバー71a,71bの操作量を演算してコントロール弁指令演算部62および把持力制御演算部63に出力する。コントロール弁指令演算部62は、レバー信号演算部61で演算された操作レバー71a,71bの操作量に基づいて各コントロール弁41a,41bの指令値を演算して、コントロール弁41a,41bに出力する。把持力制御演算部63は、レバー信号演算部61で演算された操作レバー71a,71bの操作量、および、把持力設定器110a,110bの設定信号に基づいて、上述のように比例電磁式リリーフ弁45a,45bの設定圧力値を演算して、比例電磁式リリーフ弁45a,45bに指令値を出力するとともに、ON/OFF弁44a,44bをオンまたはオフする信号をON/OFF弁44a,44bに出力する。
(3) 上述の説明では、把持力の上限値設定方法が各フロント作業腕A,Bのどちらも同じ構成となっているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、フロント作業腕Aとフロント作業腕Bとで、把持力の上限値設定方法が異なっていてもよく、各フロント作業腕A,Bにそれぞれ上述した任意の把持力の上限値設定方法を採用できる。また、フロント作業腕A,Bのいずれか一方のみに上述の説明における任意の把持力の上限値設定方法を採用し、いずれか他方には上述した把持力の上限値設定方法を採用しない従来の作業機と同様の把持力制御方法を採用することとしてもよい。
たとえば、一方のフロント作業腕に関して、第1の実施の形態のおける把持力の上限値設定方法を採用し、他方のフロント作業腕に関して、第2の実施の形態における把持力の上限値設定方法を採用してもよい。さらに、左右のフロント作業腕のそれぞれについて、第1の実施の形態のおける把持力の上限値設定方法と、第2の実施の形態における把持力の上限値設定方法のいずれかを選択できるように構成してもよい。このように構成することで、たとえば、より頻繁に動かすオペレータの利き腕で操作する把持装置については、操作レバー71a,71bの操作量に応じて把持力の上限値を設定するように選択し、他方の腕で操作する把持装置については、把持力設定器によって把持力の上限値を設定するように選択するなど、オペレータにとって操作し易い作業機を実現できる。また、作業の内容によって把持力の上限値設定方法を選択できるので、様々な対象物に応じて適切に把持できる優れた作業機が実現できる。
(3) 上述の説明では、コントローラ70a,70bは、いわゆる電気レバーと呼ばれる操作装置であったが、本発明はこれに限定されない。たとえば、パイロットポンプと、パイロットポンプの圧油を直接制御するパイロット弁を有するコントローラと、パイロット圧油でスプール駆動量が制御されるコントロール弁とを用いることで、上述した実施の形態および変形例の作用効果と同様の作用効果を奏する。この場合、圧力センサによってコントロール弁へ供給されるパイロット圧油の圧力を検出して、操作レバーの把持方向の操作量を検出することで、上述の説明と同様の制御ができる。なお、第1の実施の形態と同様の把持力の制御を行う場合、操作レバーの操作量を検出するための圧力センサは不要である。
(5) 上述の説明において、比例電磁式リリーフ弁45a,45bには、互いに最大設定圧力Pmaxが異なるものを用いてもよい。
(6) 上述の説明では、各フロント作業腕A,Bは、取付体7a,7bと、ブーム10a,10bと、アーム12a,12bと、把持装置14a,14bとを有する多関節構造の腕であるが、各フロント作業腕A,Bにおける関節自由度は、上述の説明に限定されない。また、各フロント作業腕A,Bで関節自由度が互いに異なっていてもよい。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
以上の実施の形態およびその変形例において、たとえば、第1および第2の流量制御手段はコントロール弁41a,41bに、第1および第2の操作手段はコントローラ70a,70bに、第1および第2の可変リリーフ手段は比例電磁式リリーフ弁45a,45bに、リリーフ手段はメインリリーフ弁42にそれぞれ対応する。第1および第2の把持力検出手段は圧力センサ92a,92bに、第1および第2の把持力設定手段は把持力設定器110a,110bに、第1および第2の作業腕は、第1フロント作業腕Aおよび第2フロント作業腕Bにそれぞれ対応する。把持力制御手段は、制御回路60とON/OFF弁44a,44bと、比例電磁式リリーフ弁45a,45bとによって、または、制御回路60と圧力センサ92a,92bとによって実現される。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明による第1の実施の形態の作業機100の斜視図である。 作業機100の平面図である。 作業機100の把持装置14a,14bの構造を示す図である。 作業機100のシリンダ30a,30bを駆動する油圧回路を示す図である。 把持力設定器110a,110bを示す図である。 制御回路60の構成を示すブロック図である。 作業機100によって破損しやすい長尺物1000を把持する作業を示した図である。 作業機100による構造物1010の解体作業を示した図である。 第2の実施の形態におけるシリンダ30a,30bを駆動する油圧回路を示す図である。 操作レバー71aの把持方向の操作量と比例電磁式リリーフ弁45aの圧力設定値との関係を示す図である。 操作レバー71aの把持方向の操作量と把持装置14a,14bで発揮される最大の把持力との関係を示す図である。 第2の実施の形態における制御回路60の構成を示すブロック図である。 シリンダ30a,30bを駆動する油圧回路の変形例を示す図である。 図13に示した油圧回路の各部を制御する制御回路60の構成を示すブロック図である。 制御回路60の構成を示すブロック図の変形例である。
符号の説明
1 走行体 3 旋回体
10 ブーム 12 アーム
14a,14b 把持装置 30a,30b シリンダ
41a,41b コントロール弁 42 メインリリーフ弁
44a,44b ON/OFF弁 45a,45b 比例電磁式リリーフ弁
60 制御回路 70a,70b コントローラ
92a,92b 圧力センサ 110a,110b 把持力設定器
A 第1フロント作業腕 B 第2フロント作業腕

Claims (2)

  1. 対象物を把持する把持爪を有する把持装置であって、作業機械の右側に設けられた第1の作業腕に取り付けられる第1の把持装置と、
    対象物を把持する把持爪を有する把持装置であって、前記作業機械の左側に設けられた第2の作業腕に取り付けられる第2の把持装置と、
    前記第1の把持装置の把持爪を開閉駆動する第1のアクチュエータに対して供給される圧油を制御する第1の流量制御手段と、
    前記第2の把持装置の把持爪を開閉駆動する第2のアクチュエータに対して供給される圧油を制御する第2の流量制御手段と、
    第1の操作部の操作に基づいて、前記第1の流量制御手段によって前記第1のアクチュエータに供給される圧油の流量を調節する第1の操作手段と、
    第2の操作部の操作に基づいて、前記第2の流量制御手段によって前記第2のアクチュエータに供給される圧油の流量を調節する第2の操作手段と、
    前記第1および第2の把持装置の把持爪の把持力をそれぞれ独立して制御する把持力制御手段と、
    前記把持力制御手段で制御される前記第1の把持装置の把持爪の把持力の上限値である第1の把持力設定値を設定するための第1の設定つまみを有する第1の設定器と、
    前記把持力制御手段で制御される前記第2の把持装置の把持爪の把持力の上限値である第2の把持力設定値を設定するための第2の設定つまみを有する、前記第1の設定器とは異なる第2の設定器とを備え、
    前記作業機械の右側に設けられた前記第1の作業腕の配設位置に対応するように前記第1の設定つまみを右側に設け、前記作業機械の左側に設けられた前記第2の作業腕の配設位置に対応するように前記第2の設定つまみを左側に設け
    前記把持力制御手段は、前記第1の把持装置の把持爪を閉じるように前記第1の流量制御手段から前記第1のアクチュエータに供給される圧油に関して前記第1のアクチュエータと並列に設けられて、前記第1の把持装置の把持爪の把持力が前記第1の把持力設定値を超えないように前記第1のアクチュエータに供給される圧油をリリーフする第1の可変リリーフ手段と、前記第2の把持装置の把持爪を閉じるように前記第2の流量制御手段から前記第2のアクチュエータに供給される圧油に関して前記第2のアクチュエータと並列に設けられて、前記第2の把持装置の把持爪の把持力が前記第2の把持力設定値を超えないように前記第2のアクチュエータに供給される圧油をリリーフする第2の可変リリーフ手段とを有することを特徴とする把持力制御装置であり、
    前記把持力制御装置は、さらに、
    前記第1および第2の可変リリーフ手段で設定され得るリリーフ圧力の最高圧力よりも高いリリーフ圧力に設定されるリリーフ手段と、
    第1のアクチュエータと並列、かつ、前記第1の可変リリーフ手段と直列な油路上に設けられ、前記第1の把持装置の把持爪を閉じるために前記第1の流量制御手段から前記第1のアクチュエータに供給される圧油の一部を前記第1の可変リリーフ手段に供給するか否かを切り替える第1の切替手段と、
    第2のアクチュエータと並列、かつ、前記第2の可変リリーフ手段と直列な油路上に設けられ、前記第2の把持装置の把持爪を閉じるために前記第2の流量制御手段から前記第2のアクチュエータに供給される圧油の一部を前記第2の可変リリーフ手段に供給するか否かを切り替える第2の切替手段とを備えることを特徴とする把持力制御装置。
  2. 請求項1に記載の把持力制御装置と、
    前記作業機械の右側に設けられて、前記第1の把持装置が取り付けられる第1の作業腕と、
    前記作業機械の左側に設けられて、前記第2の把持装置が取り付けられる第2の作業腕と、
    前記第1および第2の作業腕が取り付けられる旋回体と、
    前記旋回体を旋回可能に保持する走行体とを備えることを特徴とする作業機械。
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