JP4429748B2 - サークルライン型真空成膜装置 - Google Patents

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本発明は、真空チャンバの内部で基材上に反射膜等の薄膜を成膜する真空成膜装置に関し、特にサークルライン型真空成膜装置に関する。
従来から、基材の表面に可視光を反射する反射膜を成膜して、例えば自動車のヘッドライトを構成する反射板を製造するための成膜装置として、種々の真空成膜装置が用いられている。
真空成膜装置としては、例えば、サークルライン型真空成膜装置が好適に用いられている(例えば、特許文献1参照)。このサークルライン型真空成膜装置は、その内部を実質的な真空状態に維持可能な略円筒状の真空チャンバを有している。この真空チャンバの周壁には、複数の処理ステーションが等間隔をあけて凹設されている。これらの処理ステーションは、例えば、その壁部に基材搬入口及び開閉ドアが設けられた少なくとも1つの基材搬入ステーションと、その壁部に基材搬出口及び開閉ドアが設けられた少なくとも1つの基材搬出ステーションと、基材の表面に吸着されている水分等を除去するための前処理が行われる前処理ステーションと、スパッタリングによって反射膜等の薄膜を成膜するためのスパッタリングステーションと、前記スパッタリングにより成膜された薄膜を保護する樹脂製の保護膜を重合するための重合ステーションとからなる。一方、真空チャンバの内部には、基材を収容可能な少なくとも1つの基材収容部を有する回転ベースが配設されている。この回転ベース上の基材収容部は、該回転ベースに対してその半径方向にスライド移動可能とされている。この回転ベースには回転軸が取り付けられており、この回転軸は前記真空チャンバの底壁を貫通して該真空チャンバの下部に配設された間欠回転可能な回転駆動装置に接続されている。そして、この回転駆動装置が間欠回転することによって、前記回転ベースは、基材収容部が各処理ステーションと対向する位置に位置決め停止されるように回転する。又、基材収容部が各処理ステーションと対向する位置に位置決め停止された後、基材収容部は回転ベースの半径方向にスライド移動されて各処理ステーションと共に密閉空間を形成する。尚、回転軸及び回転駆動装置を保護すべく、それらは、例えばハウジング等によって完全に包囲されている。
このサークルライン型真空成膜装置を用いて反射膜等を成膜する際には、先ず、サークルライン型真空成膜装置に付属する真空ポンプを動作させて、真空チャンバ内を所定の真空状態とする。この時、基材収容部は、基材搬入ステーションと対向する位置に配置されると共に、その縁部が基材搬入ステーションの周壁に当接されて基材収容部と基材搬入ステーションとによる密閉空間が形成されるように移動される。これによって真空チャンバ内は密閉空間とされ、例えば基材搬入口の開閉ドアを開いて基材搬入ステーションを開状態とした場合でも、真空チャンバ内が所定の真空状態を維持することが可能となる。真空チャンバ内が所定の真空状態となった後、作業者は開閉ドアを開いて基材搬入ステーションの基材搬入口を開き、その基材搬入口から基材を導入して基材収容部に取り付ける。次いで、作業者は開閉ドアを閉めて、基材搬入口を封鎖する。そして、真空ポンプを動作させて、基材収容部及び基材搬入ステーションの内部を所定の真空状態とする。基材収容部及び基材搬入ステーションの内部と、真空チャンバの内部とが同等の真空状態となったことが確認されると、回転駆動装置が間欠回転して、基材収容部が、例えば前処理ステーションと対向する位置に位置決め停止される。その後、基材収容部が回転ベースの半径方向にスライド移動され、これによって基材収容部と前処理ステーションとによる密閉空間が形成される。そして、この基材収容部と前処置ステーションとによる密閉空間の内部が更に高真空状態とされることにより、基材表面に吸着されている水分等を取り除く等の基材表面のクリーニングが所定時間行われる。この基材表面のクリーニングが完了すると、基材収容部は前処理ステーションから離脱される。すると、回転駆動装置が回転して、基材収容部がスパッタリングステーションと対向する位置に移動される。そして、基材表面をクリーニングする場合と同様にして形成される基材収容部とスパッタリングステーションとによる密閉空間の内部では、反射膜等を成膜するためのスパッタリングが行われる。このスパッタリングにより、基材の表面には、該基材表面に対して強い密着力を有する反射膜等の薄膜が成膜される。この基材表面への反射膜等の成膜が完了した後、基材収容部はスパッタリングステーションから離脱され、次いで、回転駆動装置が間欠回転して重合ステーションと対向する位置に位置決め停止される。そして、その重合ステーションと基材収容部とで密閉空間が形成され、その密閉空間内において保護膜の重合が行われる。この重合ステーションにおける保護膜の成膜により、スパッタリングによって形成された反射膜等の薄膜は、物理的な接触及び損傷から好適に保護される。次いで、反射膜等の薄膜上への保護膜の重合が完了した後、基材収容部は重合ステーションから離脱され、かつ回転駆動装置が間欠回転することによって、基材搬出ステーションと対向する位置に移動される。そして、基材収容部と基材搬出ステーションとによる密閉空間が形成されると、その密閉空間内が大気圧まで戻される。基材収容部と基材搬出ステーションとで形成される密閉空間の内部が大気圧まで戻されると、作業者は、基材搬出口の開閉ドアを開き、基材搬出ステーション内からスパッタリング及び保護膜重合が行われた基材を取り出す。
このように、従来のサークルライン型真空成膜装置では、作業者によって基材が基材収容部内に設置された後、その基材が設置された基材収容部が前処理ステーション、スパッタリングステーション、及び重合ステーションと順次密閉空間を形成するように移動される。この際、前処理ステーション、スパッタリングステーション、及び重合ステーション等の各処理ステーションにおいては、所定の前処理又は成膜処理が行われる。その結果、基材上には反射膜等の薄膜と該薄膜を保護するための保護膜とが成膜される。そして、各成膜が完了した基材は、作業者によって基材収容部から取り出される。
特開2003−139254号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、作業者が手動により基材収容部の内部へ基材を設置した後に、基材収容部と基材搬入ステーションとによって形成される密閉空間の内部の真空引きが行われていた。又、基材収容部と基材搬出ステーションとによって形成される密閉空間の内部が大気圧まで戻された後に、作業者により手動で基材収容部からの基材の搬出が行われていた。そして、そのため、反射膜及び保護膜等の成膜に係るタクトタイムの短縮化が阻害され、これにより反射板の生産効率の改善が困難となっていた。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、基材の受け渡しが自動で行われ、かつ生産効率を改善可能なサークルライン型真空成膜装置を提供することを目的としている。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明に係るサークルライン型真空成膜装置は、ロードロックチャンバと1以上の成膜用のプロセスチャンバとを備える真空チャンバと、前記真空チャンバ内で基材を前記ロードロックチャンバ内及び前記プロセスチャンバ内へ搬入しかつ前記ロードロックチャンバ内及び前記プロセスチャンバ内から搬出する第1の搬送手段と、前記真空チャンバ外で基材を前記ロードロックチャンバ内へ搬入しかつ前記ロードロックチャンバ内から搬出する第2の搬送手段とを有するマルチチャンバ型の真空成膜装置であって、前記ロードロックチャンバは、前記真空チャンバの内部に開口する内側開口と前記真空チャンバの外部に開口する外側開口とを有し、前記第1の搬送手段は、前記ロードロックチャンバ内への前記基材の搬入および搬出時に前記内側開口を閉鎖可能なゲート弁を有し、前記第2の搬送手段は、前記ロードロックチャンバ内への前記基材の搬入および搬出時に前記外側開口を閉鎖可能なドア弁を有し、前記第1の搬送手段及び第2の搬送手段は、さらに該第1の搬送手段のゲート弁と該第2の搬送手段のドア弁とが前記ロードロックチャンバの前記内側開口と前記外側開口とをそれぞれ閉鎖した状態で、前記基材を互いの間で受け渡し可能な基材保持手段をそれぞれ備えている(請求項1)。かかる構成とすると、基材の搬入及び搬出と同時にロードロックチャンバ内の圧力制御が可能となるので、反射膜及び保護膜等の成膜に係るタクトタイムの短縮化が可能となる。つまり、これにより、反射板の生産効率の改善が可能となる。
この場合、前記第1の搬送手段は伸張及び縮退により前記ゲート弁が前記ロードロックチャンバの前記内側開口を閉鎖及び開放するよう構成され、前記第2の搬送手段は伸張及び縮退により前記ドア弁が前記ロードロックチャンバの前記外側開口を閉鎖及び開放するよう構成されている(請求項2)。かかる構成とすると、簡易な構成によってロードロックチャンバを閉鎖及び開放することができる。
この場合、前記第1の搬送手段は屈曲可能で先端に前記ゲート弁が取り付けられたリンク機構を有し、前記リンク機構の伸張及び屈曲により伸張及び縮退する(請求項3)。かかる構成とすると、簡易な構成によって伸張及び縮退してゲート弁を移動させることが可能となる。
又、上記の場合、前記基材保持手段の一方が前記基材又は該基材を保持するホルダを定位置に保持可能な固定保持具であり、かつ前記基材保持手段の他方が上下方向に移動して前記基材又はホルダを前記定位置から持ち上げ可能な移動保持具であり、該移動保持具が前記固定保持具に対して上下方向に相対的に移動されて前記基材又はホルダが前記固定保持具と前記移動保持具との間で受け渡される(請求項4)。かかる構成とすると、簡易な構成によって基材又は該基材を保持するホルダを保持することができると共に、基材又はホルダの受け渡しを的確に行うことが可能となる。
この場合、前記固定保持具がフックでありかつ前記移動保持具が揺動可能なアームであって、該アームが上下方向に揺動されて前記基材又はホルダが受け渡される(請求項5)。かかる構成とすると、基材又はホルダのフックとアームとの間における受け渡しを的確に行うことが可能となる。
又、この場合、前記フックが前記ゲート弁に配設され、前記アームが前記ドア弁に配設されている(請求項6)。かかる構成とすると、駆動されないフックがゲート弁側に配設されるので、そのゲート弁を有する第1の搬送手段の構成を簡易化することが可能になる。
又、上記の場合、前記第1の搬送手段は複数の前記ゲート弁及び前記リンク機構を点対称に有し、前記点対称な一対の前記リンク機構が伸張することにより前記ゲート弁の一対が前記ロードロックチャンバと前記プロセスチャンバとに当接する(請求項7)。かかる構成とすると、一方のゲート弁に加わる圧力が他方のゲート弁に加わる圧力によって打ち消されるので、真空チャンバ内を所定の真空状態で維持することが容易となる。
この場合、前記ロードロックチャンバ及び前記プロセスチャンバは前記真空チャンバの周方向に中心角を等分するように偶数配設され、前記第1の搬送手段は前記ロードロックチャンバ及び前記プロセスチャンバの数に対応する数の前記ゲート弁及び前記リンク機構を有し、前記ゲート弁及び前記リンク機構が前記点対称の中心点を中心に回動可能に配設されている(請求項8)。かかる構成とすると、等角度ピッチで基材を回転搬送することにより、成膜に係る各プロセスを同時に進行させることが可能になる。
又、上記の場合、前記プロセスチャンバが、対向する2つの成膜用電極を備えている(請求項9)。かかる構成とすると、一度の成膜処理によって基材の表裏に薄膜を成膜することが可能になり、成膜に係るタクトタイムを更に短縮化することが可能になる。
又、上記の場合、前記第2の搬送手段が、前記ドア弁が前記第2の搬送手段上で該第2の搬送手段に対して相対移動可能となるよう構成されている(請求項10)。
又、上記の場合、前記第2の搬送手段において前記ドア弁が所定の揺動部材を介して揺動自在に配設されており、前記揺動部材の揺動軸を揺動中心として前記ドア弁が揺動されて前記ロードロックチャンバ内への前記基材の搬入および搬出時に前記外側開口を閉鎖する(請求項11)。かかる構成とすると、安価でかつメンテナンス性の良い真空成膜装置を得ることが可能となる。
又、上記の場合、前記第2の搬送手段が、移動可能な搬送体上に配設されている(請求項12)。かかる構成とすると、第2の搬送手段を任意に移動させることができる。
本発明は以上に述べたような構成を有し、基材の受け渡しが自動で行われ、かつ生産効率を改善可能なサークルライン型真空成膜装置を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。このサークルライン型真空成膜装置では、例えば、自動車のヘッドライトで用いられる反射部材の反射膜、及び反射膜を保護する保護膜の成膜が行われる。
先ず、図1を参照しながら、本実施の形態に係るサークルライン型真空成膜装置の構成について説明する。
図1に示すように、サークルライン型真空成膜装置1は、大気側サークルライン2と、真空側サークルライン3とを備えている。ここで、大気側サークルライン2は、真空側サークルライン3への成膜処理前の基材の供給と、成膜処理が完了した基材の受け取りとを行うよう機能する。一方、真空側サークルライン3は、大気側サークルライン2から供給された成膜前の基材の表面クリーニング処理と、該表面クリーニング処理が完了した基材の表面に反射膜を成膜するスパッタリングと、該スパッタリングによって成膜された反射膜の表面に該反射膜を保護する保護膜を成膜する保護膜重合処理とを行うよう機能する。大気側サークルライン2と真空側サークルライン3とは、基材の受け渡しが的確に行われるように、大気側サークルライン2の基材受け渡し部と真空側サークルライン3の基材受け渡し部とが隣接するように配設されている。
ここで、大気側サークルライン2の構成について説明する。
大気側サークルライン2は、円盤状の第1の回転ベース4を有している。この第1の回転ベース4は、作業者が図1に示すロードステージ101で取り付けた基材8を後述する真空側サークルライン3のロードロック室11と対向する位置へ回転移動させると共に、ロードロックステージ102で引き渡されロードロック室11と対向する位置に移動された成膜が完了した基材を図1に示すアンロードステージ103へ回転移動させるよう機能する。従って、この第1の回転ベース4は、図1では時計回りに回転駆動可能に配設されている。そのため、この第1の回転ベース4の平面視における中心には回転軸5が止着されており、この回転軸5が図1では図示しない回転駆動手段によって回転駆動されることにより、第1の回転ベース4が回転軸5を回転中心として回転駆動される。そして、この第1の回転ベース4上の所定位置には、板状のドア弁6が複数設けられている。本実施の形態ではこのドア弁6は4つ設けられており、それぞれ、中心角90°ずつ離れて配設されている。又、このドア弁6の回転軸5に対向しない面上には、基材8が装着される基材ホルダ33を保持するために用いられる柱状のアーム31が設けられている。これらのアーム31を備えたドア弁6は、ロードステージ101において基材8が装着された基材ホルダ33をアーム31で支持し、基材ホルダ33を前記ロードロック室11内のロードロックステージ102において受け渡し、基材ホルダ33をアンロードステージ103へ移動させるよう機能する。又、ロードロックステージ102において基材ホルダ33の受け渡しを行う際に、ロードロック室11を後述する真空チャンバ10の外部から封鎖するよう機能する。そのため、各々のドア弁6には後に説明する図1では図示しないスライド機構が取り付けられており、ドア弁6がこのスライド機構によって第1の回転ベース4の半径方向に移動されることにより、基材8を所定の位置に配置すると共に、ロードロック室11を的確に封鎖する。尚、図1に示す予備ステージ104は、例えば、ドア弁6及びアーム31をクリーニングするために準備されたステージである。
次に、真空側サークルライン3の構成について説明する。
図1に示すように、真空側サークルライン3は、その内部を所定の真空状態に保持可能な略円筒状の真空チャンバ10を有している。そして、この真空チャンバ10には、該真空チャンバ10の壁部10aが各々直方体状に凹陥されてなる、ロードロック室11と、前真空室12と、スパッタ室13と、重合室14とが各々周方向に形成されている。これらのロードロック室11、前真空室12、スパッタ室13、及び重合室14は各々中心角90°ずつ離れて配設されている。ここで、ロードロック室11では、大気側サークルライン2との基材の受け渡しが行われる。又、前真空室12では、該前真空室12内を高真空状態とすることによる成膜前の基材の表面クリーニング処理が行われる。又、スパッタ室13では、前真空室12において表面クリーニング処理が行われた基材の被成膜面へのスパッタリングによる反射膜の成膜が行われる。又、重合室14では、スパッタ室13において基材の被成膜面に成膜された反射膜の表面への樹脂製の保護膜の成膜が行われる。従って、ロードロック室11の外壁には、基材の受け渡しが行われる開口が形成されている。又、スパッタ室13の壁部にはターゲット取り付け穴が形成されており、このターゲット取り付け穴にはスパッタ材料からなるターゲット(カソード)21が配設されている。又、重合室14の壁部には電極取り付け穴が形成されており、この電極取り付け穴には重合処理を行う際に用いられる電極22が配設され、更に、この電極22の背面には磁石23が配設されている。尚、図1には図示しないが、真空チャンバ10には、その内部を所定の真空状態又は常圧状態とするための第1の空気排出用配管及び空気導入用配管が接続されている。又、ロードロック室11及び前真空室12には、その内部を所定の真空状態又は常圧状態とするための第2の空気排出用配管及び空気導入用配管が接続されている。これらの第1及び第2の空気排出用配管及び空気導入用配管は、それぞれ、空気排出機構(真空ポンプ)及び空気導入機構に接続されている。又、スパッタ室13には、所定のスパッタ用ガスを導入及び排出するためのスパッタ用ガス供給配管及びスパッタ用ガス排出配管が設けられている。これらのスパッタ用ガス供給配管及びスパッタ用ガス排出配管は、それぞれ、スパッタ用ガス供給機構及びスパッタ用ガス排出機構に接続されている。更に、重合室14には、重合用ガスを導入及び排出するための重合用ガス供給配管及び重合用ガス排出配管が設けられている。これらの重合用ガス供給配管及び重合用ガス排出配管は、それぞれ、重合用ガス供給機構及び重合用ガス排出機構に接続されている。
一方、真空チャンバ10内には、円盤状の第2の回転ベース15が配設されている。この第2の回転ベース15は、大気側サークルライン2からロードロック室11を介して供給された基材を、周方向に配置された前真空室12、スパッタ室13、重合室14の対向する位置へと順次移動させるよう機能する。従って、この第2の回転ベース15は、真空チャンバの内部において図1では時計回りに回転駆動可能に配設されている。そのため、この第2の回転ベース15の平面視における中心には回転軸16が止着されており、この回転軸16が図1では図示しない回転駆動手段によって回転駆動されることにより、第2の回転ベース15が回転軸16を回転中心として回転駆動される。そして、この第2の回転ベース15上の、ロードロック室11、前真空室12、スパッタ室13、及び重合室14と対向可能な位置には、板状のゲート弁17がそれぞれ設けられている。又、これらのゲート弁17の回転軸16に対向しない面上には、基材ホルダ33を保持するために用いられるフック32が設けられている。これらのフック32を備えたゲート弁17は、必要に応じてロードロック室11、前真空室12、スパッタ室13、重合室14の内部に基材ホルダ33及びフック32を介して保持される基材8を配置すると共に、その際にロードロック室11、前真空室12、スパッタ室13、及び重合室14を真空チャンバ10の内部から封鎖するよう機能する。そのため、各々のゲート弁17の背後には伸縮可能なリンク機構18が取り付けられており、ゲート弁17は、このリンク機構18が第2の回転ベース15の半径方向に伸縮されることにより、必要に応じて基材8を所定の位置に配置すると共に、ロードロック室11、前真空室12、スパッタ室13、重合室14を封鎖する。ここで、リンク機構18のゲート弁17と接続されていない他端は、回転軸16によって保持されている。
上記サークルライン型真空成膜装置1を構成する大気側サークルライン2及び真空側サークルライン3の動作、ひいては大気側サークルライン2及び真空側サークルライン3を構成する各構成要素の動作は、制御装置100によって適宜制御される。
次に、図2及び図3を参照しながら、本発明の実施の形態1に係るサークルライン型真空成膜装置における基材受け渡し機構の構成について詳細に説明する。
図2は、図1に示したサークルライン型真空成膜装置における基材受け渡し機構の構成を模式的に示す横断図である。又、図3は、図1に示したサークルライン型真空成膜装置における基材受け渡し機構の構成を模式的に示す縦断図である。尚、図2及び図3では、大気側サークルラインのドア弁と真空側サークルラインのゲート弁とが対向する位置に配置された場合の状態を示している。
図2及び図3に示すように、サークルライン型真空成膜装置1における基材受け渡し機構では、真空チャンバ10の外側(大気側)にドア弁6が、真空チャンバ10の内側(真空側)にゲート弁17が、各々設けられている。そして、これらのドア弁6及びゲート弁17の間には、ロードロック室11が設けられている。ドア弁6及びゲート弁17は、ドア弁6が真空チャンバ10の外側から、ゲート弁17が真空チャンバ10の内側から、各々ロードロック室11の壁部11aに対して略垂直に当接可能とされている。即ち、ドア弁6とゲート弁17とが共に壁部11aに当接した場合には、ロードロック室11は密閉空間となる。そして、このように必要に応じてドア弁6及びゲート弁17をロードロック室11の壁部11aに当接させてロードロック室11を密閉空間とするために、ドア弁6及びゲート弁17は、それぞれを図1に示した第1の回転ベース4及び第2の回転ベース15の半径方向にスライド移動させるためのスライド機構9及びリンク機構18によって保持されている。例えば、スライド機構9によってドア弁を第1の回転ベース4の半径方向にスライド移動させることにより、ドア弁6はロードロック室11の壁部11aに大気側から当接する。又、リンク機構18によってゲート弁17を第2の回転ベース15の半径方向にスライド移動させることにより、ゲート弁17はロードロック室11の壁部11aに真空側から当接する。そして、ドア弁6を保持するスライド機構9は、図2及び図3においては図示しないスライド機構駆動手段及び回転軸5によって保持されている。このスライド機構駆動手段は、油圧又はエアシリンダや、次に述べるリンク機構18と同様のリンク機構によって構成される。又、ゲート弁17を保持するリンク機構18は、回転軸16によって保持されている。又、ドア弁6をスライド移動可能とするスライド機構9は、複数のローラ19を有している。これらのローラ19は直線状に配設されたレール24上に配置されており、このレール24上をローラ19が回転移動することによって、スライド機構9は第1の回転ベース4の半径方向にスライド移動される。尚、レール24は、第1の回転ベース4上に固定されている。一方、ゲート弁17の回転軸16側の側面下方には、台車26が設けられている。この台車26は、複数のローラ20を有している。これらのローラ20は直線状に配設されたレール25上に配置されており、このレール25上をローラ20が回転移動することによって、ゲート弁17は第2の回転ベース15の半径方向にスライド移動される。尚、レール25は、第2の回転ベース15上に固定されている。
前述したように、ドア弁6は、スライド機構駆動手段が動作することによって第1の回転ベース4の半径方向にスライド移動される。又、ゲート弁17は、リンク機構18が動作することによって第2の回転ベース15の半径方向にスライド移動される。ここで、リンク機構18はいわゆる平行リンクで構成されており、屈曲可能な第1のリンク部材18a及び第2のリンク部材18bと、棒状の連結部材18cとを有している。そして、第1のリンク部材18a及び第2のリンク部材18bの一端は、ゲート弁17の背面に回動自在に接続されている。又、この第1のリンク部材18a及び第2のリンク部材18bの他端は、回転軸16に回動自在に接続されている。又、第1のリンク部材18aの所定位置には連結部材18cの一端が回動自在に連結されており、この連結部材18cの他端は上下駆動される回転軸16と同軸状に配設された上下駆動部材41に回動自在に連結されている。従って、上下駆動部材41が上下移動すると、その上下移動が連結部材18cを介して第1のリンク部材18aに伝達され、これにより第1のリンク部材18a及び第2のリンク部材18bが第2の回転ベース15の半径方向に伸縮する。つまり、ゲート弁17は、上下駆動部材41が上下に移動することによって、第2の回転ベース15の半径方向にスライド移動される。
一方、ドア弁6には、ここでは図示されない基材が装着された基材ホルダ33を支持するための3つの棒状のアーム31が設けられている。図2及び図3に示すように、このアーム31は、ドア弁6の板状本体6aを貫通するように設けられている。このアーム31の先端部には、基材ホルダ33を下方より支持するための凹部が形成されている。又、アーム31の基端は、一対の回転軸27a及び27bに止着されている。この一対の回転軸27a及び27bは各々ブラケット6bによって回動自在に支持されており、このブラケット6bはドア弁6の板状本体6aの背面の所定の位置に止着されている。つまり、アーム31は、回転軸27a及び27bを回転中心として揺動自在に配設されている。又、アーム31が止着されている回転軸27a及び27bの各々には、板状の連結部材37が各々止着されている。又、この各々の連結部材37の端部には、該連結部材37の端部を上下に移動させて回転軸27a及び27bを同期して回転させるべく、板状のリンク部材36が各連結部材37に対して回動自在に取り付けられている。このリンク部材36の下端にはバネ38が止着されており、このバネ38の下端は、スライド機構9に止着されている。又、回転軸27bには、板状のアーム35が止着されている。このアーム35の回転軸27bに止着されていない他端は、アクチュエータ34に、変角部34aを介して接続されている。尚、アクチュエータ34は、例えば、スライド機構9に固定されている。以上のように構成されたドア弁6では、アクチュエータ34が動作してアーム35の変角動作により回転軸27bが回転すると、その回転軸27bの回転は連結部材37及びリンク部材36を介して回転軸27aにも伝達される。つまり、回転軸27a及び回転軸27bが同期して回転するので、アーム31も同期して揺動される。アーム31がこのように動作することで、このアーム31は、基材ホルダ33をその下方より支持することが可能となり、かつ支持する基材ホルダ33をゲート弁17の側面に配設されたフック32に掛けることが可能となる。又、フック32に掛けられている基材ホルダ33をその下方より持ち上げて移動させることが可能となる。
このように、本発明の実施の形態1に係るサークルライン型真空成膜装置1では、スライド機構駆動手段が駆動されてスライド機構9がローラ19を介してレール24上をスライド移動されることによって、ドア弁6が第1の回転ベース4の半径方向にスライド移動される。又、上下駆動部材41の上下移動によりリンク機構18が駆動されゲート弁17が台車26及びローラ20を介してレール25上をスライド移動されることによって、ゲート弁17が第2の回転ベース15の半径方向にスライド移動される。そして、ドア弁6及びゲート弁17がこのようにしてスライド移動されることにより、ロードロック室11は密閉空間とされる。又、その際、ロードロック室11内においては、基材が装着された基材ホルダ33の大気側サークルラインから真空側サークルラインへの引き渡し、及び、真空側サークルラインから大気側サークルラインへの引き渡しが好適に行われる。
次に、図4を参照しながら、本発明の実施の形態1に係るサークルライン型真空成膜装置で用いる基材ホルダ、及びその支持構成について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る基材ホルダの構成、及びその支持構成を模式的に示す斜視図である。尚、図4では、基材ホルダに基材が装着された状態を示している。又、ドア弁周辺の構成は簡略化して示している。
図4に示すように、サークルライン型真空成膜装置を用いて基材の被成膜面に所定の反射膜を成膜する際、基材8は基材ホルダ33に装着される。この基材ホルダ33は、各々円柱状の、第1の構成部材33a及び33bと、第2の構成部材33c及び33dと、第3の構成部材33e及び33fと、第4の構成部材33g及び33hとにより構成されている。ここで、第1の構成部材33a及び33bは、共に同一の太さ及び長さとなるよう構成されている。又、第2の構成部材33c及び33dは、共に同一の太さ及び長さとなるよう構成されている。又、第3の構成部材33e及び33fは、共に同一の太さ及び長さとなるよう構成されている。更に、第4の構成部材33g及び33hは、共に同一の太さ及び長さとなるよう構成されている。そして、図4に示すように、第1の構成部材33a及び33bには第2の構成部材33c及び33dが前記第1の構成部材33a及び33bに対して垂直となるように一定の間隔を空けて止着されており、この第2の構成部材33c及び33dが相互に略平行に配置されているため、第1の構成部材33a及び33bも相互に略平行となるよう保持されている。又、第2の構成部材33c及び33dの所定の位置には、第3の構成部材33e及び33fと、第4の構成部材33g及び33hとが止着されている。これらの第3の構成部材33e及び33fと第4の構成部材33g及び33hとは、各々、第1の構成部材33a及び33bにより形成される平面に対して垂直となるよう、第2の構成部材33c及び33dの所定の位置に止着されている。つまり、第1〜第4の構成部材33a〜33hは、互いに垂直な関係が保持されるように固定されている。そして、このように構成された基材ホルダ33の第3の構成部材33e及び第4の構成部材33gには一方の基材8が取り付けられており、又、第3の構成部材33f及び第4の構成部材33hには他方の基材8が取り付けられている。各々の基材8は、図4では図示しないが、基材8に設けられている貫通孔に所定のボルトが挿入され、このボルトが第3〜第4の構成部材33e〜33hの先端部に螺着される等して、第3〜第4の構成部材33e〜33hに取り付けられている。本実施の形態では、一対の基材8は、図4に示すように隣接して取り付けられている。
ところで、基材8が装着された基材ホルダ33が図4に示すゲート弁17に装着される際、基材ホルダ33は、ゲート弁17に配設されたフック32によって支持される。具体的には、このフック32は第1のフック32a〜第3のフック32cからなり、第1のフック32aは基材ホルダ33の第1の構成部材33aに対応する位置に、又、第2及び第3のフック32b及び32cは第1の構成部材33bに対応する位置に、それぞれ配設されている。そして、これらの第1〜第3のフック32a〜32cには凹部42が形成されており、この各々の凹部42は基材ホルダ33の第1の構成部材33a及び33bを下方より支持可能な形状を有している。つまり、基材ホルダ33がゲート弁17に装着される際、基材ホルダ33は、その第1の構成部材33aが第1のフック32aの凹部42により、又、第1の構成部材33bが第2のフック32b及び第3のフック32cの凹部42によって、それぞれ下方より支持される。このように、第1のフック32a〜第3のフック32cのそれぞれに基材ホルダ33の第1の構成部材33a及び33bに適合する凹部42が形成されているので、基材ホルダ33はゲート弁17に対して好適に装着される。
一方、基材8が装着された基材ホルダ33が図4に示すドア弁6に装着される際には、基材ホルダ33は、ドア弁6に設けられているアーム31によって支持される。図4においては、基材ホルダ33を構成する第1の構成部材33a及び33bがアーム31によって支持されている状態を示している。具体的には、このアーム31は第1のアーム31a〜第3のアーム31cからなり、第1のアーム31aは基材ホルダ33の第1の構成部材33bを、又、第2及び第3のアーム31b及び31cは基材ホルダ33の第1の構成部材33aを、それぞれ下方より支持する。そして、アーム31が第1の構成部材33a及び33bを下方より支持するため、第1のアーム31a〜第3のアーム31cの先端部には凹部40が形成されている。この凹部40は、基材ホルダ33の第1の構成部材33a及び33bに適合する形状を有している。つまり、凹部40に基材ホルダ33の第1の構成部材33a及び33bが嵌合することにより、基材ホルダ33はアーム31によって支持される。尚、アーム31が基材ホルダ33の第1の構成部材33a及び33bを下方より支持する際、このアーム31は回転軸27a及び回転軸27bを回転中心として揺動される。この時、第1のアーム31aと第2のアーム31b及び第3のアーム31cとは、前述したように同期して揺動される。このように、第1のアーム31a〜第3のアーム31cのそれぞれに基材ホルダ33の第1の構成部材33a及び33bに適合する凹部40が形成されているので、基材ホルダ33はドア弁6に対して好適に装着される。
次に、以上のように構成されたサークルライン型真空成膜装置の動作の一例について、図1を参照しながら説明する。
サークルライン型真空成膜装置1を用いて基材8の被成膜面上に反射膜等の薄膜を成膜する際、作業者は、その成膜を行う前に、基材8を基材ホルダ33に所定の固定具を用いて装着する。この時、図1に示すように、基材8を、その被成膜面が同一方向を向くように基材ホルダ33に装着する。ここでは、基材8は中空の半球形状を有しており、この中空の半球形状の基材の内面が被成膜面である。基材ホルダ33に基材8を装着した後、作業者は、その基材8が装着された基材ホルダ33をロードステージ101において大気側サークルライン2が有するドア弁6に装着する。そして、制御装置100を起動する。すると、真空側サークルライン3ではリンク機構18によって各ゲート弁17が第2の回転ベース15の半径方向に移動され、それぞれのゲート弁17がロードロック室11、前真空室12、スパッタ室13、及び重合室14の各々の壁部に当接し、これにより真空チャンバ10が密閉空間とされる。この時、リンク機構18は、図3に例示した屈曲した状態から、一直線状に完全に延びきった状態に変化する。そして、サークルライン型真空成膜装置1に付属する真空ポンプが作動して真空側サークルライン3の真空チャンバ10の内部から空気が排出され、その真空チャンバ10内の空間が所定の真空状態とされる。真空チャンバ10内が所定の真空状態とされると、大気側サークルライン2が有する第1の回転ベース4が回転軸5の回転により図1では時計回りに90°回転され、これにより基材ホルダ33が真空側サークルライン3のロードロック室11と対向する位置に配置される。又、基材ホルダ33が装着されているドア弁6が図1では図示されないスライド機構によって第1の回転ベース4の半径方向に移動され、これによりドア弁6が真空側サークルライン3のロードロック室11の壁部に当接する位置まで移動される。即ち、基材8が装着された基材ホルダ33は、ロードロック室11内のロードロックステージ102に配置される。これにより、ロードロック室11は、大気側サークルライン2が有するドア弁6と、真空側サークルライン3が有するゲート弁17とによって完全に封鎖される。ロードロック室11がドア弁6とゲート弁17とによって完全に封鎖されると、基材8が装着された基材ホルダ33がドア弁6側からゲート弁17側へと引き渡される。この際、アーム31が下方へ揺動されることによって、基材ホルダ33がドア弁6側からゲート弁17側へと引き渡される。又、この基材ホルダ33の引き渡しと同時に、真空ポンプが作動してロードロック室11の内部から空気が排出される。つまり、基材ホルダ33のドア弁6側からゲート弁17側への引き渡しと、ロードロック室11の真空引きとが同時に行われる。ここで、図1に示すように大気側サークルライン2は4つのドア弁6を有しており、第1の回転ベース4が間欠的に回転駆動されることによって、ロードステージ101にける各々のドア弁6への基材ホルダ33の装着が連続して行われる。そして、第1の回転ベース4が間欠的に回転駆動されると共に図示しないスライド機構が動作されて、各々のドア弁6に装着された基材ホルダ33が次々にロードロックステージ102へ配置される。一方、真空側サークルライン3は4つのゲート弁17を有しており、第2の回転ベース15が間欠的に回転駆動されると共にリンク機構18が動作されることによって、ロードロックステージ102においてはドア弁6からのゲート弁17への基材ホルダ33の引き渡しが連続して行われる。
基材ホルダ33のドア弁6側からゲート弁17側への引き渡しと、ロードロック室11内の真空引きとが完了すると、基材ホルダ33が装着されたゲート弁17、及びその他のゲート弁17はリンク機構18によってロードロック室11等の壁部から離脱され、その後第2の回転ベース15上の所定位置に移動される。すると、真空側サークルライン3が有する第2の回転ベース15が回転軸16の回転によって図1では時計回りに90°回転して、これにより基材ホルダ33が装着されたゲート弁17が前真空室12と対向する位置に配置される。又、基材ホルダ33が装着されているゲート弁17がリンク機構18によって第2の回転ベース15の半径方向に移動され、これによりゲート弁17が真空側サークルライン3の前真空室12の壁部に当接する位置まで移動される。即ち、基材8が装着された基材ホルダ33は、前真空室12内の所定の位置に配置される。これにより、前真空室12は、ゲート弁17によって完全に封鎖される。この封鎖された前真空室12においては、その内部に残存する分子が排気されて真空チャンバ10内よりも更に高真空状態とされることにより、基材8の表面に吸着されている水分等を除去するためのクリーニング処理が行われる。この前真空室12におけるクリーニング処理によって、基材8の被成膜面は後に行われるスパッタリングに適した表面状態とされる。
前真空室12における基材8のクリーニング処理が完了すると、基材ホルダ33が装着されたゲート弁17、及びその他のゲート弁17はリンク機構18によって前真空室11等の壁部から離脱され、その後、第2の回転ベース15上の所定位置に移動される。すると、真空側サークルライン3が有する第2の回転ベース15が回転軸16の回転によって更に90°回転して、これにより基材ホルダ33が装着されたゲート弁17がスパッタ室13と対向する位置に配置される。又、基材ホルダ33が装着されているゲート弁17がリンク機構18によって第2の回転ベース15の半径方向に移動され、これによってゲート弁17が真空側サークルライン3のスパッタ室13の壁部に当接する位置まで移動される。即ち、基材8が装着された基材ホルダ33は、スパッタ室13内の所定の位置に配置される。これにより、スパッタ室13は、ゲート弁17によって完全に封鎖される。この封鎖されたスパッタ室13においては、その内部が差動排気された後にスパッタ用ガス(例えば、アルゴンガス)が導入されると共にスパッタ放電が行われることにより、基材8の被成膜面に反射膜等の薄膜が成膜される。
スパッタ室13内において基材8の被成膜面への反射膜等の成膜が完了すると、基材ホルダ33が装着されたゲート弁17、及びその他のゲート弁17はリンク機構18によってスパッタ室13等の壁部から離脱され、その後、第2の回転ベース15上の所定位置に移動される。すると、真空側サークルライン3が有する第2の回転ベース15が回転軸16の回転によって更に90°回転して、これにより基材ホルダ33が装着されたゲート弁17が重合室14と対向する位置に配置される。又、基材ホルダ33が装着されているゲート弁17がリンク機構18によって第2の回転ベース15の半径方向に移動され、これによってゲート弁17が真空側サークルライン3の重合室14の壁部に当接する位置まで移動される。即ち、基材8が装着された基材ホルダ33は、重合室14内の所定の位置に配置される。これにより、重合室13は、ゲート弁17によって完全に封鎖される。この封鎖された重合室14においては、その内部が独立排気された後に重合用ガス(反応ガス)が導入されると共に重合放電が行われることにより、基材8の被成膜面に形成された反射膜等の薄膜の表面に所定の保護膜が成膜される。この重合室14における保護膜の形成により、スパッタリングによって形成された反射膜等の薄膜は、物理的な接触及び損傷から好適に保護される。
重合室14内において基材8に成膜された反射膜等の表面上への保護膜の成膜が完了すると、基材ホルダ33が装着されたゲート弁17、及びその他のゲート弁17はリンク機構18によって重合室14等の壁部から離脱され、その後、第2の回転ベース15上の所定位置に移動される。すると、真空側サークルライン3が有する第2の回転ベース15が回転軸16の回転によって更に90°回転して、これにより基材ホルダ33が装着されたゲート弁17がロードロック室11と対向する位置に再び配置される。そして、基材ホルダ33が装着されているゲート弁17がリンク機構18によって第2の回転ベース15の半径方向に移動され、これによってゲート弁17が真空側サークルライン3のロードロック室11の壁部に当接する位置まで再び移動される。即ち、基材8が装着された基材ホルダ33は、ロードロック室11内の所定の位置に配置される。この時、ロードロック室11の壁部には、他の基材ホルダ33を他のゲート弁17へ引き渡した後の、基材ホルダ33を有しない状態のドア弁6が当接している。そして、アーム31が下方に揺動した状態になっている。つまり、ロードロック室11は、ドア弁6とゲート弁17とによって封鎖された状態となる。そして、ロードロック室11がドア弁6とゲート弁17とによって完全に封鎖されると、アーム31が上方に揺動して、基材8が装着された基材ホルダ33がゲート弁17側からドア弁6側へと引き渡される。又、この基材ホルダ33の引き渡しと同時に、ロードロック室11内を常圧状態とすべく、ロードロック室11の内部に空気が流入される。つまり、基材ホルダ33のゲート弁17側からドア弁6側への引き渡しと、ロードロック室11への空気の流入とが同時に行われる。その後、基材ホルダ33のゲート弁17側からドア弁6側への引き渡しが完了し、かつロードロック室11内が常圧状態とされると、基材ホルダ33が装着されたドア弁6は図示しないスライド機構によってロードロック室11の壁部から離脱され、その後、第1の回転ベース4上の所定位置に移動される。すると、大気側サークルライン2が有する第1の回転ベース4が回転軸5の回転によって時計回りに90°回転して、これにより基材ホルダ33が装着されたドア弁6がアンロードステージ103と対向する位置に配置される。そして、基材ホルダ33が装着されているドア弁6がスライド機構によって第1の回転ベース4の半径方向に移動され、これによって基材ホルダ33が大気側サークルライン2のアンロードステージ103に移動される。尚、ロードロック室11内が事前に常圧状態とされているので、ドア弁6はロードロック室11から容易に離脱される。又、ゲート弁17がロードロック室11の壁部に真空チャンバ10の内側より当接しているので、真空チャンバ10の内部では所定の真空状態が保持される。その後、作業者は、このアンロードステージ103に移動された基材ホルダ33を取り出し、更に、その取り出された基材ホルダ33からスパッタリング及び重合によって各成膜が完了した基材8を取り出す。
このように、本発明に係るサークルライン型真空成膜装置1では、第1の回転ベース4と第2の回転ベース15とが共に回転駆動され、それぞれの回転ベース上に配設された複数のドア弁6及びゲート弁17が順次対向することによって、ロードロック室11においてはドア弁6とゲート弁17との間で基材8の受け渡しが連続して行われる。この際、この基材8の受け渡しと同時に、ロードロック室11の内部が所定の真空状態、又は常圧状態とされる。そして、ドア弁6とゲート弁17とによって封鎖されたロードロック室11の内部で基材8の受け渡しが行われる際に、その基材8の受け渡しと同時にロードロック室11の内部が所定の真空状態、又は常圧状態となるよう制御されるため、基材8の受け渡しとロードロック室11内の圧力制御とが個別に行われる場合と比して、タクトタイムを短縮することが可能になる。これにより、例えば自動車のヘッドライトで用いられる反射部材を連続的にかつ効率良く生産することが可能になる。又、本実施の形態では、リンク機構18が屈曲可能に構成されている。そして、ロードロック室11と、そのロードロック室11に対向するスパッタ室13とに一対のゲート弁17が当設して該ロードロック室11及び該スパッタ室13を閉鎖する際には、リンク機構18は伸張されて直線形状とされる。その結果、一方のゲート弁17に加わる圧力と、他方のゲート弁17に加わる圧力とは同軸状に逆方向に作用して相互に打ち消されるので、例えばロードロック室11の内部が常圧状態とされてゲート弁17に大気圧が加わった場合であっても、真空チャンバ内を所定の真空状態で維持することが容易となる。これは、ゲート弁17のサイズが拡大され、これによりゲート弁17に加わる圧力が増大した場合に、特に効果的である。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。尚、実施の形態1で示したサークルライン型真空成膜装置と、本実施の形態で示すサークルライン型真空成膜装置とでは、スパッタ室におけるターゲットの配設形態、及び、重合室における電極及び磁石の配設形態のみが異なっている。従って、本実施の形態の説明では、実施の形態1と同様の構成を有している部分についての詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1は、実施の形態1の場合と同様、大気側サークルライン2と、真空側サークルライン3とを備えている。又、このサークルライン型真空成膜装置1は、これら大気側サークルライン2及び真空側サークルライン3の動作、及びそれらを構成する各構成要素の動作を制御する制御装置100を備えている。
大気側サークルライン2では、実施の形態1と同様、回転軸5を回転中心として回転駆動される第1の回転ベース4上に基材8が装着される。ここで、図5に示すように、実施の形態1では一対の基材8はその被成膜面が同一方向を向くように装着されたが、本実施の形態では基材8はその被成膜面が第1の回転ベース4の接線方向において互いに逆方向を向くように装着される。この基材8の装着は、ロードステージ101で行われる。又、ロードロックステージ102では、大気側サークルライン2と真空側サークルライン3との間の基材8の受け渡しが行われる。又、アンロードステージ103では、基材8の取り外しが行われる。尚、予備ステージ104は、基材8が装着されるここでは図示されない基材ホルダ等のクリーニングが行われる。
一方、真空側サークルライン3では、実施の形態1の場合と同様、ロードロック室11において大気側サークルライン2と真空側サークルライン3との間の基材8の受け渡しが行われる。又、前真空室12においては、基材8のクリーニング処理が行われる。又、スパッタ室13においては、基材8の被成膜面へのスパッタリングによる成膜が行われる。又、重合室14においては、スパッタリングにより成膜された薄膜の表面に重合により保護膜が成膜される。これらのクリーニング処理、スパッタリング、及び重合は、基材8が第2の回転ベース15の回転軸16を回転中心とする回転駆動により前真空室12、スパッタ室13、重合室14へと順次移動されることによって実施される。ここで、図5に示すように、本実施の形態では基材8が第1の回転ベース4の接線方向において互いに逆方向を向くように装着されているので、ターゲット(カソード)21はその基材8の装着形態に合わせてスパッタ室13の両側壁に対向するように配設されている。これにより、基材8の被成膜面へのスパッタリングが好適に行われるようになる。又、重合室14においても、電極22及び磁石23は重合室14の両側壁に対向するように配設されている。これによって、基材8の被成膜面に成膜された薄膜上への保護膜の成膜が好適に行われるようになる。
尚、サークルライン型真空成膜装置1のその他の構成、及び動作については、実施の形態1と同様である。
本実施の形態で示したサークルライン型真空成膜装置1によれば、基材8の表裏全体にスパッタリング膜及びその保護膜を成膜する必要がある場合、基材8の表裏に対向するようにして2つのターゲット21が配設されているので、1回のスパッタリングによって基材8の表裏全体に反射膜等の薄膜を成膜することができる。又、同様に、基材8の表裏に対向するようにして2組の電極22及び磁石23が配設されているので、1回の重合処理によって基材8の表裏全体に保護膜を成膜することが可能になる。つまり、成膜タクトタイムの短縮が可能になる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。尚、実施の形態1で示したサークルライン型真空成膜装置と、本実施の形態で示すサークルライン型真空成膜装置とでは、大気側サークルラインにおけるドア弁の配設形態のみが異なっている。従って、本実施の形態の説明では、実施の形態1と同様の構成を有している部分についての詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1も、実施の形態1の場合と同様、大気側サークルライン2と、真空側サークルライン3とを備えている。又、このサークルライン型真空成膜装置1は、これら大気側サークルライン2及び真空側サークルライン3の動作、及びそれらを構成する各構成要素の動作を制御するための制御装置200を備えている。しかし、本実施の形態では、大気側サークルライン2における第1の回転ベース4上には、2つのドア弁6A及び6Bが相互に対向するように(つまり、中心角180°ずつ離れて)配設されている。尚、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1のその他の構成については、実施の形態1と同様である。
本実施の形態に係るサークルライン型真空成膜装置1では、基材8が装着された基材ホルダ33のドア弁6A及び6Bへの装着、及びそのドア弁6A及び6Bからの離脱は、共にロード・アンロードステージ105において行われる。ここで、このロード・アンロードステージ105は、本実施の形態では、ロードロックステージ102の回転軸5に対する点対称な位置とされている。従って、図6に示すように、例えばドア弁6Aがロード・アンロードステージ105に対向する位置に配置された場合、ドア弁6Bはロードロックステージ102に対向する位置に配置されることになる。そして、その状態で成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33がドア弁6Aに装着されると、このドア弁6Aを備える第1の回転ベース4が回転軸5を回転中心として図6では時計回りに180°回転駆動され、これによりドア弁6Aはロードロックステージ102と対向する位置に配置される。その後、成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33は、ロードロック室11内で第2の回転ベース15が有するゲート弁17に引き渡される。一方、基材ホルダ33をゲート弁17に引き渡した後の空状態のドア弁6Aには、成膜後の基材8が装着されている基材ホルダ33がロードロック室11内でゲート弁17から引き渡される。この成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33が装着されたドア弁6Aは、その後、第1の回転ベース4が時計回りに180°回転駆動されることによりロード・アンロードステージ105と対向する位置に配置される。そして、ロード・アンロードステージ105において基材ホルダ33がドア弁6Aから離脱される。尚、この基材ホルダ33が離脱された空状態のドア弁6Aには、成膜前の基材8を保持する基材ホルダ33が再び装着される。ここで、本実施の形態ではドア弁6Aとドア弁6Bとが中心角180°ずつ離れて対向するように配設されており、大気側サークルライン2への基材8の搬入、及び大気側サークルライン2からの基材8の搬出はドア弁6A及びドア弁6Bによって交互に行われる。
このように、本実施の形態に係るサークルライン型真空成膜装置1では、回転軸5が回転されて第1の回転ベース4が180°回転駆動されることにより、ロード・アンロードステージ105において装着された基材ホルダ33のロードロックステージ102への搬入と、ロードロックステージ102において引き渡された基材ホルダ33のロード・アンロードステージ105への搬出とが連続して行われる。尚、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1のその他の動作については、実施の形態1と同様である。
本実施の形態で示したサークルライン型真空成膜装置1によれば、大気側サークルライン2への成膜前の基材8の投入と、大気側サークルライン2からの成膜後の基材8の回収とが一人の作業者によって一カ所で行われるので、反射部材の製造に係るコストダウンが可能になる。又、サークルライン型真空成膜装置1のコストダウンが可能になる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。尚、実施の形態1で示したサークルライン型真空成膜装置と、本実施の形態で示すサークルライン型真空成膜装置とでは、大気側サークルラインにおけるドア弁の配設形態のみが異なっている。従って、本実施の形態の説明においても、実施の形態1と同様の構成を有している部分についての詳細な説明は省略する。
図7に示すように、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1も、実施の形態1の場合と同様、大気側サークルライン2と、真空側サークルライン3と、これら大気側サークルライン2及び真空側サークルライン3の動作、及びそれらを構成する各構成要素の動作を制御するための制御装置300とを備えている。しかし、本実施の形態で示すサークルライン型真空成膜装置1では、大気側サークルライン2における第1の回転ベース4上に、回転軸5を回転中心として第1の回転ベース4に対し回転移動が可能なように2つのドア弁6A及び6Bが配設されている。これらのドア弁6A及び6Bは、図7では図示しない所定の回転駆動手段を介して、第1の回転ベース4上に配設されている。尚、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1のその他の構成については、実施の形態1と同様である。
以下、大気側サークルライン2の動作について説明する。ここで、大気側サークルライン2の動作説明を、図7に示すようにドア弁6Aがロードステージ101と対向する位置に、又、ドア弁6Bがロードロックステージ102と対向する位置に、各々配置されている状態から始める。又、ここでは、ドア弁6Aには成膜前の基材8を保持する基材ホルダ33が装着されるものとし、ドア弁6Bには成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33が装着されるものと仮定する。尚、本実施の形態に係るサークルライン型真空成膜装置1では、成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33のドア弁6A又は6Bへの装着は、実施の形態1の場合と同様、ロードステージ101において行われる。又、ドア弁6A又は6Bとゲート弁17との間の基材ホルダ33の受け渡しも、実施の形態1の場合と同様、ロードロックステージ102において行われる。更に、成膜後の基材8が装着された基材ホルダ33のドア弁6A又は6Bからの離脱も、同様にしてアンロードステージ103において行われる。
ロードステージ101において成膜前の基材8を保持する基材ホルダ33がドア弁6Aに装着され、かつロードロックステージ102において成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33がゲート弁17からドア弁6Bに移動されると、各ドア弁6A及び6Bが第1の回転ベース4上の所定の位置にスライド移動された後、この第1の回転ベース4が回転軸5を回転中心として図7では時計回りに90°回転駆動される。そして、これにより、ドア弁6Aはロードロックステージ102と対向する位置に配置され、かつドア弁6Bはアンロードステージ103と対向する位置に配置される。その後、成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33は、ロードロック室11内でドア弁6Aから第2の回転ベース15が有するゲート弁17に引き渡される。又、ドア弁6Bからは、成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33が離脱される。この基材ホルダ33が離脱されたドア弁6Bは、その後、第1の回転ベース4上において回転軸5を回転中心として時計周りにアンロードステージ103と対向する位置からロードステージ101と対向する位置へと180°単独に回転駆動(首振り)される。つまり、ドア弁6Bはロードステージ101と対向する位置に再び配置される。尚、この時、第1の回転ベース4は回転駆動されない。
ドア弁6Bが180°単独に回転駆動されロードステージ101と対向する位置に再び配置されると、そのドア弁6Bへの成膜前の基材8を保持する基材ホルダ33の装着と、ロードロックステージ102における成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33のゲート弁17からドア弁6Bへの移動とが行われる。そして、上記と同様にして、第1の回転ベース4が時計回りに90°回転駆動された後、ドア弁6Bからゲート弁17への成膜前の基材8を保持する基材ホルダ33の引き渡しと、ドア弁6Aからの成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33の離脱が行われる。
このように、本実施の形態に係るサークルライン型真空成膜装置1では、回転軸5が回転されて第1の回転ベース4が90°回転駆動されることにより、ロードステージ101において装着された基材ホルダ33のロードロックステージ102への搬入と、該ロードロックステージ102において引き渡された基材ホルダ33のアンロードステージ103への搬出とがドア弁6A及び6Bによって交互に行われる。又、アンロードステージ103において基材ホルダ33が離脱されたドア弁6A又は6Bは、その後180°単独で回転移動されることにより、ロードステージ101と対向する位置に再び配置される。尚、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1のその他の動作については、実施の形態1と同様である。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。尚、実施の形態1で示したサークルライン型真空成膜装置と、本実施の形態で示すサークルライン型真空成膜装置とでは、真空側サークルラインへの基材ホルダの搬入形態、及び真空側サークルラインからの基材ホルダの搬出形態のみが異なっている。従って、本実施の形態の説明においても、実施の形態1と同様の構成を有している部分についての詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1は、真空側サークルライン3と、この真空側サークルライン3の動作、及びそれを構成する各構成要素の動作を制御するための制御装置400とを備えている。そして、真空側サークルライン3におけるロードロック室11を形成する壁部の所定位置には、2つのドア弁6A及び6Bがヒンジ28を介して揺動可能に配設されている。これらのドア弁6A及び6bは平面視においてロードロック室11の両側に配設されており、それぞれヒンジ28を揺動中心としてここでは水平方向に揺動されることによりロードロック室11を大気側より閉鎖可能な位置に設けられている。尚、これらドア弁6A及び6Bの構造、及び、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1のその他の構成については、実施の形態1と同様である。
本実施の形態に係るサークルライン型真空成膜装置1を用いて基材上に成膜を行う際、作業者は先ず、成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33を図8に示す例えばドア弁6Aに装着する。勿論、基材ホルダ33を図8に示すドア弁6Bに装着してもよい。尚、この時、ロードロック室11は開放されその内部は大気圧とされているが、このロードロック室11の壁部にはゲート弁17が真空チャンバ10の内部より当接しているので、該真空チャンバ10の内部は所定の真空状態で保持されている。そして、前記ドア弁6Aを揺動させて、ロードロック室11を閉鎖する。つまり、ロードロック室11は、ドア弁6Aとゲート弁17とによって密閉空間とされる。そして、その後、実施の形態1の場合と同様にして、成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33がロードロック室11内で第2の回転ベース15が有するゲート弁17に引き渡される。又、成膜前の基材8が装着された基材ホルダ33を引き渡した後の空状態のドア弁6Aには、成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33がロードロック室11の内部においてゲート弁17から引き渡される。ドア弁6Aに成膜後の基材8を保持する基材ホルダ33が引き渡されると、ロードロック室11が大気圧まで戻された後にドア弁6Aが揺動されて図8に示す位置に再び配置され、そのドア弁6Aから基材ホルダ33が離脱される。ここで、ドア弁6Bの動作はドア弁6Aと同様であり、ドア弁6Aとドア弁6Bとが交互に揺動されることによって所定の反射部材が連続的に製造される。
このように、本実施の形態では、ドア弁6A及びドア弁6Bが交互に揺動されることによって、ドア弁6Aによる真空側サークルライン3への基材8の搬入及び真空側サークルライン3からの基材8の搬出と、ドア弁6Bによる真空側サークルライン3への基材8の搬入及び真空側サークルライン3からの基材8の搬出とが交互に行われる。尚、本実施の形態におけるサークルライン型真空成膜装置1のその他の動作については、実施の形態1と同様である。
本実施の形態で示したサークルライン型真空成膜装置1によれば、サークルライン型真空成膜装置1を最もシンプルな構成とすることができるので、安価でかつメンテナンス性の良いサークルライン型真空成膜装置1を提供することが可能になる。
尚、実施の形態1〜4では、大気側サークルラインが装置設置場所に固定されている例(又は、大気側サークルラインと真空側サークルラインとが相対的に変位しない例)について説明したが、大気側サークルラインが例えば台車等の搬送体上に配設されており、この搬送体を移動することによって大気側サークルラインを移動することが可能とされていてもよい。かかる構成としても実施の形態1〜4と同様の効果が得られる。
又、実施の形態5では、2つのドア弁が共に真空側サークルラインにおける真空チャンバにヒンジを介して配設されている例について説明したが、このような構成に限定されず、前記2つのドア弁が共に、又は個別に、例えば台車等の搬送体上に配設されており、この搬送体を移動することによって2つのドア弁を一緒に、又は個別に移動することが可能とされていてもよい。かかる構成としても実施の形態5と同様の効果が得られる。
又、以上の説明では、真空成膜装置としてサークルライン型真空成膜装置を例示して説明したが、特にこのサークルライン型真空成膜装置に限定されることは無く、基材ホルダに基材を装着して薄膜を成膜する真空成膜装置等全般において本発明を実施又は応用することができる。
又、以上の説明では、ゲート弁にフックを、ドア弁にアームを、各々配設しているが、それとは逆に、ゲート弁にアームを、ドア弁にフックを、各々配設してもよい。
本発明に係るサークルライン型真空成膜装置は、基材の受け渡しが自動で行われ、かつ生産効率を改善可能なサークルライン型真空成膜装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。 図1に示したサークルライン型真空成膜装置における基材受け渡し機構の構成を模式的に示す横断図である。 図1に示したサークルライン型真空成膜装置における基材受け渡し機構の構成を模式的に示す縦断図である。 本発明の実施の形態1に係る基材ホルダの構成、及びその支持構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。 本発明の実施の形態3に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。 本発明の実施の形態4に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。 本発明の実施の形態5に係るサークルライン型真空成膜装置の構成を模式的に示す横断図である。
符号の説明
1 サークルライン型真空成膜装置
2 大気側サークルライン
3 真空側サークルライン
4 第1の回転ベース
5 回転軸
6 ドア弁
6A ドア弁
6B ドア弁
6a 板状本体
6b ブラケット
8 基材
9 スライド機構
10 真空チャンバ
10a 壁部
11 ロードロック室
11a 壁部
12 前真空室
13 スパッタ室
14 重合室
15 第2の回転ベース
16 回転軸
17 ゲート弁
18 リンク機構
18a 第1のリンク部材
18b 第2のリンク部材
18c 連結部材
19 ローラ
20 ローラ
21 ターゲット(カソード)
22 電極
23 磁石
24 レール
25 レール
26 台車
27a 回転軸
27b 回転軸
28 ヒンジ
31 アーム
31a 第1のアーム
31b 第2のアーム
31c 第3のアーム
32 フック
32a 第1のフック
32b 第2のフック
32c 第3のフック
33 基材ホルダ
33a 第1の構成部材
33b 第1の構成部材
33c 第2の構成部材
33d 第2の構成部材
33e 第3の構成部材
33f 第3の構成部材
33g 第4の構成部材
33h 第4の構成部材
34 アクチュエータ
34a 変角部
35 アーム
40 凹部
41 上下駆動部材
42 凹部
101 ロードステージ
102 ロードロックステージ
103 アンロードステージ
104 予備ステージ
105 ロード・アンロードステージ
100〜400 制御装置

Claims (12)

  1. ロードロックチャンバと1以上の成膜用のプロセスチャンバとを備える真空チャンバと、前記真空チャンバ内で基材を前記ロードロックチャンバ内及び前記プロセスチャンバ内へ搬入しかつ前記ロードロックチャンバ内及び前記プロセスチャンバ内から搬出する第1の搬送手段と、前記真空チャンバ外で基材を前記ロードロックチャンバ内へ搬入しかつ前記ロードロックチャンバ内から搬出する第2の搬送手段とを有するマルチチャンバ型の真空成膜装置であって、
    前記ロードロックチャンバは、前記真空チャンバの内部に開口する内側開口と前記真空チャンバの外部に開口する外側開口とを有し、
    前記第1の搬送手段は、前記ロードロックチャンバ内への前記基材の搬入および搬出時に前記内側開口を閉鎖可能なゲート弁を有し、
    前記第2の搬送手段は、前記ロードロックチャンバ内への前記基材の搬入および搬出時に前記外側開口を閉鎖可能なドア弁を有し、
    前記第1の搬送手段及び第2の搬送手段は、さらに該第1の搬送手段のゲート弁と該第2の搬送手段のドア弁とが前記ロードロックチャンバの前記内側開口と前記外側開口とをそれぞれ閉鎖した状態で、前記基材を互いの間で受け渡し可能な基材保持手段をそれぞれ備えている、真空成膜装置。
  2. 前記第1の搬送手段は伸張及び縮退により前記ゲート弁が前記ロードロックチャンバの前記内側開口を閉鎖及び開放するよう構成され、
    前記第2の搬送手段は伸張及び縮退により前記ドア弁が前記ロードロックチャンバの前記外側開口を閉鎖及び開放するよう構成されている、請求項1記載の真空成膜装置。
  3. 前記第1の搬送手段は屈曲可能で先端に前記ゲート弁が取り付けられたリンク機構を有し、前記リンク機構の伸張及び屈曲により伸張及び縮退する、請求項2記載の真空成膜装置。
  4. 前記基材保持手段の一方が前記基材又は該基材を保持するホルダを定位置に保持可能な固定保持具であり、かつ前記基材保持手段の他方が上下方向に移動して前記基材又はホルダを前記定位置から持ち上げ可能な移動保持具であり、該移動保持具が前記固定保持具に対して上下方向に相対的に移動されて前記基材又はホルダが前記固定保持具と前記移動保持具との間で受け渡される、請求項1記載の真空成膜装置。
  5. 前記固定保持具がフックでありかつ前記移動保持具が揺動可能なアームであって、該アームが上下方向に揺動されて前記基材又はホルダが受け渡される、請求項4記載の真空成膜装置。
  6. 前記フックが前記ゲート弁に配設され、前記アームが前記ドア弁に配設されている、請求項5記載の真空成膜装置。
  7. 前記第1の搬送手段は複数の前記ゲート弁及び前記リンク機構を点対称に有し、前記点対称な一対の前記リンク機構が伸張することにより前記ゲート弁の一対が前記ロードロックチャンバと前記プロセスチャンバとに当接する、請求項3記載の真空成膜装置。
  8. 前記ロードロックチャンバ及び前記プロセスチャンバは前記真空チャンバの周方向に中心角を等分するように偶数配設され、
    前記第1の搬送手段は前記ロードロックチャンバ及び前記プロセスチャンバの数に対応する数の前記ゲート弁及び前記リンク機構を有し、
    前記ゲート弁及び前記リンク機構が前記点対称の中心点を中心に回動可能に配設されている、請求項7記載の真空成膜装置。
  9. 前記プロセスチャンバが、対向する2つの成膜用電極を備えている、請求項1記載の真空成膜装置。
  10. 前記第2の搬送手段が、前記ドア弁が前記第2の搬送手段上で該第2の搬送手段に対して相対移動可能となるよう構成されている、請求項1記載の真空成膜装置。
  11. 前記第2の搬送手段において前記ドア弁が所定の揺動部材を介して揺動自在に配設されており、
    前記揺動部材の揺動軸を揺動中心として前記ドア弁が揺動されて前記ロードロックチャンバ内への前記基材の搬入および搬出時に前記外側開口を閉鎖する、請求項1記載の真空成膜装置。
  12. 前記第2の搬送手段が、移動可能な搬送体上に配設されている、請求項1記載の真空成膜装置。


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