JP4429622B2 - 半導体発光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボンディング・パッドの配置構成を改善したDFBLD(distributed feedback laser diode)を含む半導体発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長可変型DFBLDと光導波路とSOA(semiconductor optical amplifier)とを組み合わせて構成された半導体発光装置が知られている。
【0003】
図3は従来例1である波長可変半導体レーザを含む半導体発光装置を表す要部平面図であり、図に於いて、1は装置基体、2はDFBLDを代表する電極、3はワイヤー・ボンディング用パッド、4はDFBLDの活性層から導出された光導波路、5はSOAのワイヤー・ボンディング用パッド、5AはSOA専用電極部分、6は端面AR(anti−reflective)コート膜をそれぞれ示している。尚、X1−X1、X2−X2、X3−X3は切断線であって、図5に(A)、(B)、(C)として表した要部切断側面に対応する。
【0004】
この半導体発光装置では、両端面にARコート膜6を形成する必要から、DFBLDのパッド3は、図3に見られるように、各DFBLDの直上、或いは、ストライプをなすDFBLDの共振器の側方に設けるようにしている。
【0005】
図4は従来例2である波長可変半導体レーザを含む半導体発光装置を表す要部平面図であり、図3に於いて用いた記号と同記号は同部分を示すか或いは同じ意味を持つものとする(例えば、非特許文献1を参照。)。尚、X4−X4は切断線であって、図5に(D)として表した要部切断側面と対応する。
【0006】
この半導体発光装置では、各DFBLDの電極2の先端を活性層端を越えて延在させ、中央に位置するものを最も長く、そして、側方に向かうにつれて短くなるように形成し、各電極2の先端に結合したパッド3を光導波路4上に設けている。
【0007】
図5は図3及び図4について説明した半導体発光装置を表す要部切断側面図であり、図3及び図4に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。図5を図3或いは図4とを併せ見ることで構造の理解が容易になる。
【0008】
図に於いて、7はパッシベーション膜、8はDFBLDの活性層、9はSOAの活性層をそれぞれ示している。
【0009】
図3に見られる半導体発光装置では、パッド3の配置構成から各DFBLDを代表する電極2の間隔は広くとる必要があり、その影響でDFBLDの動作や機能に無関係な空き領域が大きくなり、従って、装置サイズは大きくなるから製造歩留りが低下するおそれがある。
【0010】
また、図4に見られる半導体発光装置では、各パッド3の設置位置は相互にずれるから従来例1に比較すると全体的に小型化することができるのであるが、個々のDFBLDに於ける電極2の長さが相違する為、その抵抗値に差を生じ、各DFBLDの特性が不均一になる為、結果的に装置特性が低下することになる。因に、Auの抵抗率が2.35〔μΩ・cm〕、電極の断面が幅5〔μm〕で厚さが3〔μm〕である場合、電極長さ100〔μm〕で約0.15〔Ω〕の差になる。
【0011】
ところで、近年、TTG(tunable twin guide)−DFBLDと呼ばれ、レーザ動作電流の他に制御電流を注入するのみで発振波長を制御することができる半導体発光装置が提案されている。尚、提案されたTTG−DFBLDは単体であって、アレイ化されたものではない(例えば、非特許文献2を参照。)。
【0012】
このTTG−DFBLDは、単一モードでの連続的な波長制御性、高速波長制御性が良好で、且つ、波長制御機構が簡易である旨の利点をもっているので、波長多重方式(wavelength division multiplexing:WDM)の光ファイバ通信に於ける光源として期待されている。
【0013】
図6は従来例3であるTTG−DFBLDを含む半導体発光装置を表す要部平面図であり、図3乃至図5に於いて用いた記号と同記号は同部分を示すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0014】
従来例3は、電極2及びパッド3A及び3Bの配置構成から見た場合、従来例2の延長上に在るタイプに属するのであるが、従来例2と相違するところは、電極2に沿って制御電極2Aが設けられ、その制御電極2Aに制御電流を流すことに依って、制御電極2Aの下方、即ち、電極2で代表されるDFBLDの構成要素であるストライプ共振器の側方に位置するガイド層の屈折率を変えることで発振波長を変化させるようになっている。
【0015】
このように、TTG−DFBLDでは、レーザ動作電流を注入する為の電極2の他に制御電流を注入する為の制御電極2Aが必要であり、従って、1個分のTTG−DFBLDについて、少なくとも2本の電極を形成しなければならず、電極の長さ不同に起因する特性のばらつきは倍加し、しかも、図3或いは図4について説明したDFBLDに比較するとパッドの数も倍増する。
【0016】
図7は従来例4であるTTG−DFBLDを含む半導体発光装置を表す要部平面図であり、図3乃至図6に於いて用いた記号と同記号は同部分を示すか或いは同じ意味を持つものとする。尚、3Cは新たに付設したパッドを示している。
【0017】
従来例4が従来例3と相違するところは、発振波長を変化させる為の制御電極2A及び2Bを電極2の両側に沿って設けた点にあり、この構成では、発振波長の変化を良好に行うことが可能であるが、電極2、2A、2Bの抵抗値相違に起因する各TTG−DFBLDの特性ばらつきは更に大きくなり、しかも、パッドの数は従来例3に比較して倍増するので装置は更に大型化する。
【0018】
【非特許文献1】
OFC 2002 WF4「Narrow−stripe selective MOVPE technique and its application to WDM devices」
【非特許文献2】
Berthold Schmidt et al.,「IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS」vol.35,NO.5,MAY 1999 pp.794〜802
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、複数のDFBLDを含む半導体発光装置に於いて、個々のDFBLDの特性が均一となるようにして半導体発光装置全体の性能を向上させ、しかも、小型化しようとする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
アレイ状に配置された半導体レーザと、前記半導体レーザの電極と、前記半導体レーザの共振器方向の一方側及び他方側に設けられた半導体領域と、前記一方側及び他方側に形成されて前記電極と結ばれたボンディング用パッドとを備えてなることが基本になっている。
【0021】
前記手段を採ることに依り、半導体発光装置を構成する複数の半導体レーザとワイヤー・ボンディング用パッドとの距離は略一定となって、特性の均一性は向上し、従って、半導体発光装置全体の性能が向上し、しかも、パッドの配置構成に起因して無駄な空領域は少なくなるので小型化が達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1及び実施の形態2
図1は本発明に於ける実施の形態である半導体発光装置を表す要部平面図であり、(A)は実施の形態1、(B)は実施の形態2である。
【0023】
図に於いて、11は装置基体、12はDFBLDを代表する電極、12Aは制御電極、13A及び13Bはワイヤー・ボンディング用パッド、14はDFBLDの活性層から導出された光導波路、15はSOAのワイヤー・ボンディング用パッド、15AはSOA専用電極部分、16は端面ARコート膜をそれぞれ示している。
【0024】
図1(A)に表されている実施の形態1に於いて、パッド13Aは電極12を間に於いて前端側に、そして、パッド13Bは後端側にそれぞれ振り分けて配設してあり、電極12は1本おきにパッド13Aか13Bに振り分けて接続してある。
【0025】
実施の形態1に見られる構成にした場合、各DFBLDについて、電極12からパッド13A或いはパッド13Bまでの距離は略同じになるので抵抗値のばらつきは発生せず、従って、DFBLDの特性は均一になって半導体発光装置の特性は向上する。そして、同じサイズのパッドを同じ個数備えた従来の半導体発光装置と比較した場合には、全体として小型化できることは明らかである。
【0026】
図1(B)に表されている実施の形態2に於いて、パッド13Aはレーザ動作電流を注入する電極12及び制御電極12Aを間に於いて前端側に、そして、パッド13Bは後端側にそれぞれ振り分けて配設してあり、電極12はパッド13Aに、また、制御電極12Aはパッド13Bにそれぞれ接続してある。
【0027】
実施の形態2は、TTG−DFBLDを含む半導体発光装置であって、各DFBLDについて、電極12とパッド13Aまでの距離、及び、制御電極12Aとパッド13Bまでの距離は各々一定であるから、この場合も各DFBLDの特性均一化、及び、装置小型化の目的は達成される。
【0028】
実施の形態3
図2は本発明に於ける実施の形態3である半導体発光装置を表す要部平面図であり、図1に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0029】
実施の形態3が実施の形態2と比較して相違するところは、電極12を挟むように制御電極12A及び12Bを形成してあり、新たに形成した制御電極12BはDFBLDの後端側に形成した共通ワイヤー・ボンディング用パッド13Cに共通接続したことにある。
【0030】
この場合、DFBLDを代表する電極12と接続するパッド13A及び制御電極12Aと接続するパッド13Bは、全てDFBLDの前端側に集まってしまうが、それでも図6について説明した従来例と比較した場合、電極とパッドまでの距離の差は約1/2以下にすることができ、従って、抵抗値の差も1/2以下にすることができるので、装置の性能は向上し、また、小型化されることは勿論であり、DFBLDの個数が多い場合に有効である。
【0031】
【発明の効果】
本発明に依る半導体発光装置に於いては、アレイ状に配置された半導体レーザと、前記半導体レーザの電極と、前記半導体レーザの共振器方向の一方側及び他方側に設けられた半導体領域と、前記一方側及び他方側に形成されて前記電極と結ばれたボンディング用パッドとを備える。
【0032】
前記構成を採ることに依り、半導体発光装置を構成する複数の半導体レーザとワイヤー・ボンディング用パッドとの距離は略一定となって、特性の均一性は向上し、従って、半導体発光装置全体の性能が向上し、しかも、パッドの配置構成に起因して無駄な空領域は少なくなるので小型化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に於ける実施の形態である半導体発光装置を表す要部平面図である。
【図2】本発明に於ける実施の形態3である半導体発光装置を表す要部平面図である。
【図3】従来例1である波長可変半導体レーザを含む半導体発光装置を表す要部平面図である。
【図4】従来例2である波長可変半導体レーザを含む半導体発光装置を表す要部平面図である。
【図5】図3及び図4について説明した半導体発光装置を表す要部切断側面図である。
【図6】従来例3であるTTG−DFBLDを含む半導体発光装置を表す要部平面図である。
【図7】従来例4であるTTG−DFBLDを含む半導体発光装置を表す要部平面図である。
【符号の説明】
11 装置基体
12 DFBLDを代表する電極
12A及び12B 制御電極
13A及び13B ワイヤー・ボンディング用パッド
13C 共通ワイヤー・ボンディング用パッド
14 DFBLDの活性層から導出された光導波路
15 SOAのワイヤー・ボンディング用パッド
15A SOA専用電極部分
16 端面ARコート膜
Claims (3)
- アレイ状に配置された半導体レーザと、
前記半導体レーザの電極と、
前記半導体レーザの共振器方向の一方側及び他方側に設けられた半導体領域と、
前記一方側及び他方側に形成されて前記電極と結ばれたボンディング用パッドと
を備えてなることを特徴とする半導体発光装置。 - 1個の半導体レーザについて複数の電極及びボンディング用パッドが形成されてなること
を特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。 - 前記半導体レーザの共振器方向の一方端側に設けられた共通ボンディング用パッドと、
前記半導体レーザの共振器方向の他方端側に設けられた個別ボンディング用パッドと
を備えてなることを特徴とする請求項2記載の半導体発光装置。
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