JP4429327B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

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請求項に係る発明は、自動二輪車等に搭載されるエンジンの吸気装置で、二つのバルブ(メインバルブとサブバルブ)が吸気方向に併設された吸気装置に関するものである。
自動車や自動二輪車用のエンジンの吸気装置には、メインバルブとサブバルブとの二つのバルブを有するスロットルボディが設けられることがある。メインバルブはアクセルグリップやアクセルペダル等に接続されていて、それらによるスロットル操作に連動して開閉するものであり、サブバルブは、駆動用モータに連結されていて、ECU(電子制御ユニット)などの制御手段にて開度制御をされるものである。メインバルブのみを有する吸気装置では、急激なスロットル操作によってエンジンの回転数変化が円滑でなくなることがあるため、メインバルブと直列的にサブバルブを設けたうえでその開度を適切に制御する。そうすることにより、吸気流量の変動を滑らかにしてエンジンの回転数変化をスムーズにし、もって自動車等の運転フィーリングを向上させるのである。ただし、自動二輪車においては、エンジンの回転状況がライダーに伝わりやすいため、サブバルブを設けることによるこうしたメリットは、自動車(四輪車)におけるよりも顕著である。
吸気装置に上記のように二つのバルブがある場合、ファーストアイドル、すなわちエンジンが冷えている場合の始動時のアイドリングも、それら二つのバルブの開度制御によって実施される場合がある。たとえば下に示す特許文献1には、二つのバルブをもつ吸気制御装置によるファーストアイドルについてつぎのように紹介されている。
1) 燃料噴射用のインジェクタが取り付けられるスロットルボディに、運転者の操作に連動して開閉するメインバルブ(メインスロットルバルブ)と、エンジンの運転状況に応じてモータ駆動により開閉するサブバルブ(サブスロットルバルブ)とを備える。
2) 上記スロットルボディには、サブバルブの軸と一体的に回転する駆動側回転体と、メインバルブを動作させる被駆動側回転体と、両者を連動させる連動機構とを備える。
3) メインバルブが閉じた状態でサブバルブが全開にされるときに、サブバルブの回転が連動機構を介してメインバルブへ伝わるようにする。
4) エンジンの冷間始動(ファーストアイドル)の際は、たとえば水温センサからの検出値をもとに電子制御装置がサブバルブを一定時間全開にし、もって、上記の連動機構を介し、ファーストアイドルに必要な所定の微小角度だけメインバルブを開かせる。
特開2002−129987号公報
特許文献1に記載の吸気制御装置では、エンジンの冷間始動の際、サブバルブが全開(またはほぼ全開)になったときにのみメインバルブが開き、しかもそのメインバルブの開度(角度)は事前に設定された所定の角度に限られる。これに基づいて、当該装置には以下の点で改善の余地があるといえる。すなわち、
イ) エンジンが運転される環境によってファーストアイドルの状態が異なるものになる可能性がある。メインバルブ等の開度が上記のように限られていることから、たとえば常温常圧を想定して開度設定がされた場合には高地や寒冷地において始動が難しい場合があり、逆に高地・寒冷地に合わせて開度設定されていると、常温常圧においてファーストアイドルの回転数が高くなる場合があると考えられる。ファーストアイドル回転数が高目になることは、エンジンの静寂性や燃料消費、排気ガスによる環境影響などの点で好ましくなく、自動車や自動二輪車の商品性の面で不利である。
ロ) 同じ場所で運転するとしても、始動のたびにファーストアイドル回転数が異なるものになりがちである。エンジンの回転数は、潤滑油温度による摩擦抵抗の変化や気圧などにも影響されるものだが、エンジンの始動のたびに油温や気圧等が異なっているにもかかわらず上記のとおりバルブの開度がつねに一定であれば、ファーストアイドル回転数は毎回少しずつ異なるものになる。また、エンジンの温度が多少でも高くなるほど潤滑油の抵抗が減少するので、毎回のファーストアイドルの際、その終了までは、暖機が進むほどに機関回転数が上昇していくことにもなる。
ハ) 前記した連動機構の部品等について加工や組立の精度をよほど高くしないと、エンジンごとにファーストアイドル回転数が異なるものになりやすいと予想される。部品の精度が十分でない場合、サブバルブからメインバルブへの回転の伝達量が吸気制御装置ごとに異なったり、そのような伝達を受けて開くメインバルブの開度が所定の値でなくなったりするからである。その結果、相当のコストをかけて加工・組立上の精度を高くしないと、エンジンや自動車・自動二輪車に対するユーザーの印象を維持しがたいとも予想される。
請求項に係る発明は、運転環境や始動時期の影響を受けずにつねに適切な回転数でファーストアイドルを行うことができ、また吸気装置の関連部品について加工・組立の精度を特別な水準にしなくともファーストアイドル回転数に個体差を生じさせにくいという、エンジン用の好ましい吸気装置を提供するものである。
請求項に係る発明のエンジンの吸気装置は、スロットル操作に連動して開閉するメインバルブと、制御手段により開度制御されて開閉するサブバルブとを吸気方向に直列的に設けた吸気装置において、ファーストアイドルの際、スロットル操作を受けない(つまり閉状態寄りに戻されている)状態の前記メインバルブを、
a) エンジンの温度(水温もしくは油温をもってエンジンの温度とする場合を含む)に応じた連続的な異なる開度に制御される前記サブバルブの各開度に応じて、かつ、
b) 機関回転数を設定回転数(目標として設定する回転数)にするように
開くこととした点に特徴をもつ。
なお、前記メインバルブを「開く」とはいえ、ファーストアイドルのためのものであるからその開度は微小なものである。
こうしたエンジンの吸気装置では、メインバルブがスロットル操作されていないとき、サブバルブが開度制御される間(全開にされた場合のみでなく)、上記a)のとおりサブバルブの開度に応じてメインバルブが開き、その開度は、サブバルブの開度に対応する大きさになる。したがって、ファーストアイドルの際、上記の制御手段によってサブバルブの開度を適切に操作すれば、メインバルブの開度についても特定の目的に沿った連続的な制御をすることが可能である。
この請求項の吸気装置では、上記b)のとおり、エンジンの回転数を設定値(設定回転数)にするという目的に沿ってメインバルブの開度を制御する。したがって、適切な制御機構ないし制御手法を採用することにより、運転環境や運転時期、または吸気装置(もしくはエンジン)の個体差によらずファーストアイドルの回転数を安定的に設定値に一致させることができる。設定された好ましい回転数でファーストアイドルが行われるなら、エンジンの静寂性や燃料消費、排気ガス量等の点で有利であり、自動車や自動二輪車の商品性も向上する。エンジンごとにファーストアイドル回転数の差が生じないようにすることを目的に給気装置の部品精度を特別に高くする、といった必要性もなくせる。
発明によるエンジンの吸気装置はとくに、前記設定回転数を前記エンジンの温度(水温もしくは油温をもって前記ンジンの温度とする場合を含む)に基づいて定めるとともに、前記エンジンの実際の回転数を検出して行うフィードバック制御によって、上記b)のとおり機関回転数を設定回転数にするよう前記メインバルブを開くのがよい。
フィードバック制御であるから、検出する実際の回転数をフィードバック信号として設定回転数の信号と比較し、その差をゼロとするような制御を行うのである。なお、この発明の装置でも、ファーストアイドルの際、前記a)のとおり前記サブバルブの開度に応じて前記メインバルブを開く。
上記のとおりフィードバック制御を行うことから、この吸気装置では、通常なら機関回転数に影響を及ぼす予測不能な外乱がある場合にも、ファーストアイドル時の機関回転数を設定回転数に合わせることができる。エンジンの運転環境や運転時期による各種条件の相違、また部品の加工・組立精度に起因する吸気装置の個体差などは上にいう外乱に相当するが、それらの影響を受けずに、好ましい回転数(つまり、暖機するのに適切な回転数)でファーストアイドルを行えるわけである。
またこの吸気装置では、エンジンの温度に基づいて設定回転数を定める。エンジンの温度は始動のたびに異なり、また、ファーストアイドルを行っている間にも刻々と変化するが、そのような温度に合った適切な回転数を、そのつど設定回転数とするのである。こうして定める設定回転数になるように制御を行うのであるから、この給気装置によれば、暖機運転を効率的に行えるほか、静寂性や燃料消費、排気ガス量等に関しても好ましい。なお、設定回転数は、エンジンの温度を何らかのセンサで検出したうえ、その信号をもとにたとえば前記の制御手段が演算して定めるようにするとよい。エンジンの温度のほかに大気圧をも検出し、大気圧のデータをも考慮して設定回転数を定めるようにするのも好ましい。
発明によるエンジンの吸気装置は、温度センサと回転数センサ(たとえばクランク角度センサ)等から得る信号に基づいて燃料供給量を制御するように構成された前記エンジンのための吸気装置であって、それら温度センサと回転数センサのそれぞれに、前記エンジンの温度と前記エンジンの実際の回転数を検出させるようにするとよい。
この吸気装置は、ファーストアイドルのための前記のような制御を行うにあたり、コスト面の増加をほとんど招かない。燃料供給量の制御のためにすでに温度センサや回転数センサなどが設けられているエンジンに付設される吸気装置であり、すでに設けられているそれらのセンサを、上記したファーストアイドルのためのエンジン温度の検出や回転数検出にも使用するからである。つまり、専用の新たなセンサ類を装備する必要がない。
一般的には、電子燃料噴射弁等を備えていて燃料供給量を制御するエンジンにおいては温度センサも回転数センサも装備されているため、この給気装置は多くの場合に上記のメリットを発揮する。また、検出したエンジンの温度や回転数に基づいて設定回転数やサブバルブの操作量を決定したりすることは、燃料供給量の制御に使用している制御装置(ECUなど)に行わせることが可能なので、メリットはさらに拡大される。
なお、前記したようにエンジンの温度のほかに大気圧をも考慮して設定回転数を定める場合には、燃料供給量制御のためにすでに備わっている大気圧センサ(吸気圧センサによって代用する場合を含む)を利用して大気圧(または吸気圧)を検出させるのが有利である。
発明の吸気装置はとくに、機関回転数を前記設定回転数にするための前記メインバルブの開度を、前記サブバルブの開度が全開未満(たとえば95%以下)であるときに対応させるとよい。つまり、前記サブバルブが全開でないときであってそれに対応した開度に前記メインバルブが開いたときに、前記エンジンの回転数が前記設定回転数になるよう定めるのである。
このようにした吸気装置では、前記サブバルブや前記メインバルブの開閉機構について加工または組立上の精度が高くない場合にも、ファーストアイドル時の機関回転数を十分に適切に制御できる。前記サブバルブの開度が全開未満という、いわば余裕しろを含む状態で、前記メインバルブを適切な開度に開いて機関回転数を設定回転数に一致させるからである。もし、前記サブバルブが全開であるときに設定回転数が実現するようにしたなら、たとえ前記のようにフィードバック制御を行って外乱の影響をなくすとしても、たとえば開閉機構に製作誤差(個体差)があって前記メインバルブの開度が限定された場合などには前記エンジンが前記設定回転数になり得ないことがある。その点、この発明の吸気装置なら、上記のように余裕しろが含まれるため、加工または組立上の精度に関連して幾らかの製作誤差があっても、上述のような好ましい制御を実現できる。
発明の吸気装置はさらに、前記サブバルブを、全閉状態から、開度100%の状態を超えた状態にまで変位し得る構造にするとよい。
前記サブバルブの開度が100%の状態とは、回転式のサブバルブが角度変位して流れと平行になった状態、または、スライド式のサブバルブが流れと交差する方向へスライドして流路内に突出しない位置まで壁面中に退避した状態をさす。また、開度100%の状態を超えた状態まで変位するというのは、上記のような100%の状態を超えてさらに回転式の前記サブバルブが角度変位し、またはスライド式の前記サブバルブがスライド(流路の壁面中に隠れる)することを意味する。
このような吸気装置でも、サブバルブやメインバルブの開閉機構について加工または組立上の精度にかかわらず、ファーストアイドル時の機関回転数を十分適切に制御することが可能である。サブバルブを、開度100%の状態を超えた状態にまで変位できる構造にし、加工・組立上の精度に関連して幾らかの製作誤差があってもサブバルブが十分に広い範囲を開閉するようにしたため、好ましい設定回転数での運転が確保されるのである。
発明の給気装置はとくに、前記メインバルブと前記サブバルブとに、各軸回りの回転によって開閉する構造を採用し、前記サブバルブの軸上に設けたカム(の周面)に、前記メインバルブの軸に取り付けたレバー(の先端部)を接触させることにより、前記a)のとおり前記サブバルブの開度に応じて前記メインバルブが開くようにするとよい。
このようにすると、スロットル操作されていないときのメインバルブを、サブバルブの開度に応じ広い範囲で連続的に開閉させることができる。ファーストアイドル時の開閉であるから、サブバルブの開度に比べてメインバルブの開度は微小なものでなければならないが、そのような開度比率も自在に設定できる。サブバルブの軸上のカムとメインバルブの軸上のレバーとを接触させたうえサブバルブの軸を回転させれば、メインバルブの開度を連続的に調整することが可能であるうえ、カムの半径とレバーの長さとの関係から両バルブの開度比率の設定も容易に行えるからである。このような点から、この給気装置によれば、ファーストアイドルのための前記のような制御がとくに有利に行える。
発明の吸気装置は、閉じる側に戻されている(つまり、スロットル操作によって、または同操作を受けないときスプリング等の作用によってその側に戻されている)前記メインバルブを、
前記サブバルブの開度に応じて開くようにし、
前記サブバルブの一部の開度範囲(開度20%程度以下)では、前記サブバルブが全閉に近づくにもかかわらず開度(前記メインバルブの開度)を増す(微開にする)ようにする
とさらに好ましい。つまりたとえば、図7に示す太線Y11121314にしたがって、閉じる側にある前記メインバルブの開度を増減させるのである。
こうした吸気装置によれば、エンジンブレーキの効き具合やアイドリング回転数の設定を適切に行うことができる。たとえば坂道を下るとき、メインバルブを閉じる側に操作してエンジンブレーキを効かせるのが一般だが、閉じる側にあるメインバルブをサブバルブによって上記のとおり開閉できるなら、当該メインバルブを適宜の微開状態にすることにより、エンジンブレーキの利き具合を緩和することが可能である。
閉じる側にある前記メインバルブの開度をエンジンブレーキの緩和等のために微開にすることは、前記サブバルブを制御して全開に近くする(前記した発明の装置により、当該サブバルブの開度に応じて前記メインバルブを開く)ことによっても実現は可能である。しかしその場合、運転者が前記メインバルブを急激に開いたときエンジンの回転数変化が滑らかでなくなり、運転フィーリングの向上という前記サブバルブ本来の利点が生かされない可能性が高い。前記メインバルブを急開したとき、全開に近い状態の前記サブバルブが多少でも閉じて吸気流量の変動を抑制する機能を発揮するまでに、相当のタイムラグが発生するからである。
この発明の吸気装置は、そのようなタイムラグが発生しない点でも好ましい。すなわち、前記サブバルブが全閉に近い開度範囲にあるとき前記メインバルブの開度を微開にするようにしているので、その状態から運転者が前記メインバルブを急開したとしても、全閉に近い前記サブバルブの作用により、吸気流量の変動が効果的に抑制されるからである。
発明の吸気装置はとくに、前記メインバルブと前記サブバルブとに、各軸回りの回転によって開閉する構造を採用し、前記サブバルブの軸上に設けたカム(下記のとおりに開度を増減するためのプロフィールをもつもの)の周面に、前記メインバルブの軸に取り付けたレバーを接触させることにより、上記のとおり前記メインバルブが前記サブバルブの開度に応じて開き、前記サブバルブの一部の開度範囲では前記サブバルブが全閉に近づくにもかかわらず開度を増すようにするとよい。
発明によるエンジンの吸気装置は、制御手段により開度制御されて開閉するサブバルブと、スロットル操作に連動して開閉するとともにスロットル操作を受けないとき前記サブバルブの開度に応じて開くメインバルブとを吸気方向に併設した吸気装置であって、
・ ファーストアイドルの際、前記サブバルブがエンジンの温度に応じた連続的な異なる開度に制御され、そうした前記サブバルブの各開度に応じて、スロットル操作を受けない前記メインバルブが、機関回転数を設定回転数にするように開くことに加え、
エンジンのメインスイッチがONにされたのち該エンジンが始動する前に、前記制御手段が、前記エンジンの温度をもとに前記メインバルブの初期開度を決定するとともに、そのような初期開度を実現するよう前記サブバルブを駆動することを特徴とする。
また、さらに、エンジンが始動したのち、前記制御手段が、各時点での前記エンジンの温度に基づいて設定回転数を定め、前記エンジンの実際の回転数を検出して前記設定回転数と比較することにより行うフィードバック制御によって、機関回転数を前記設定回転数にするよう前記サブバルブの開度操作を行うこととするのもよい。
とくに、前記サブバルブが連続的な開度で開閉制御されるようにすると好ましい。
発明のエンジンの吸気装置によれば、運転環境や運転時期等によらずに、ファーストアイドル時の回転数を好ましい目標値に一致させることができる。そのため、短い時間で適切に暖機を行うことが可能であるほか、静寂性や燃料消費、排気ガス量等の点でも好ましい。給気装置の部品精度を特別に高くする必要性もなくなる。
さらに記載したエンジンの吸気装置ならとくに、外乱の影響を受けずに、ファーストアイドル時の機関回転数を好ましい目標値に合わせることができる。目標値とする回転数は前記エンジンの温度に合わせて設定するので、効率的に暖機運転を行える。
さらに記載した吸気装置は、前記エンジンにすでに配置されている温度センサや回転数センサ等を利用してファーストアイドルの制御を行うので、専用の新たなセンサ類を装備する必要がなく、コスト面でとくに有利である。
さらに記載した吸気装置は、とくに、前記サブバルブや前記メインバルブの開閉機構について加工または組立上の精度が高くない場合にも、ファーストアイドル時の機関回転数を十分適切に制御することができる。またそれにより、製作精度を向上させるために必要なコストを削減できるメリットもある。
さらに記載の給気装置によれば、前記メインバルブの開度を連続的に調整することが容易であり、ファーストアイドルのための制御をとくに有利に行える。
さらに記載の吸気装置によれば、エンジンブレーキの効き具合やアイドリング回転数の設定を適切に行うことができる。運転者がメインバルブを急激に開いたときにも、前記サブバルブ本来の機能が生かされて前記エンジンの回転数変化が滑らかである。
さらに記載の吸気装置なら、カムのプロフィールを変更するだけで、エンジンブレーキの効き具合やアイドリング回転数の設定を変更することができる。
発明の実施についての一形態を図1〜図6に示す。図1は、エンジン1の全体的な側面図であり、図2は、そのエンジン1の吸気装置10に設けられたスロットルボディ11の内部を示す(図1に表れる断面とは逆の側の断面にて示す)縦断面図である。図3は、スロットルボディ11とその外側に取り付けられた機器を第三角法にしたがう三図によって示すもので、図3(a)は右側面図、同(b)は正面図、同(c)は左側面図である。図4は、スロットルボディ11の背面図であって図3(a)におけるIV−IV矢視図である。また図5は、サブバルブ21とメインバルブ31とについて開度の関係を示す線図であり、図6は、吸気装置10におけるファーストアイドル時の制御系を示すブロック線図である。
図1に示すエンジン1は、自動二輪車(図示省略)に搭載される2気筒・水冷4サイクルエンジンである。図中の符号1aはシリンダヘッド、1bはクランク軸、1cはオイルパンである。シリンダヘッド1aには、内部の燃焼室に吸入空気と燃料(混合気)を供給する吸気装置10として、図示のように吸気チャンバー13やスロットルボディ11などが接続されている。スロットルボディ11には、吸気流路のうち下流側(シリンダヘッド1aに近い部分)の部分に燃料を噴射するインジェクタ12が設けられているほか、サブバルブ21とメインバルブ31とが、吸気流路に沿って上流側からこの順に配置されている。
このエンジン1では、インジェクタ12による燃料供給量をエンジンの状況に応じて自動調整する、いわゆる電子式燃料噴射(Electronic Fuel Injection)制御が採用されている。そのためこのエンジン1には、運転状況を検出するための幾つかのセンサとともに、それらによる検出信号をもとに適切な燃料供給量を演算してインジェクタ12に指示信号を送る、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる制御手段(図6における符号2)が接続されている。上記したセンサとしては、たとえば、スロットルボディ11のサブバルブ21とメインバルブ31とについてそれぞれ開度を検出するために、図3(c)のとおり開度センサ24・34が設けられているほか、図1に示すクランク軸1bの軸端付近にクランク角度センサ(図示省略。図6の符号3c)が設けられていたり、オイルパン1cの内部に油温センサ(図示省略。図6の符号3a)が設けられていたりする。同様に図示は省略しているが、エンジン1には、大気圧を検出する大気圧センサ(図6の符号3b)や、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ、吸気の温度や圧力を知る吸気温センサ・吸気圧センサなども設けられている。
スロットルボディ11内のサブバルブ21とメインバルブ31は、図2に示すように、それぞれ軸22・32に取り付けられた円形板(バルブ本体)が回転することにより開度変更するバタフライ弁である。メインバルブ31は、スロットルボディ11の流路の中央に配置された軸32の中心線に沿って取り付けられており、サブバルブ21は、同様に流路中央にある軸22の中心線から数mm(メインバルブ31の板厚相当分)だけ偏心した箇所に取り付けられている。双方のバルブ21・31は、流路方向の間隔(軸間距離)をせまくして配置されており、ともに全開になったときは、図のように上記の偏心分だけ両バルブ本体が位置を異にして平行になり、双方の一部同士が接触する位置関係にある。
図4のとおりスロットルボディ11内には吸気流路が並列に二つ形成されているので、流路ごとに設けられたサブバルブ21とメインバルブ31とはいずれも二つずつあることになる。サブバルブ21のそれぞれは共通の軸22上に取り付けられ、その軸の一方の端部に、駆動部20としてのステッピングモータ23が接続されている。メインバルブ31(図2)についても、サブバルブ21と同様に共通の軸32上に二つが取り付けられ、その軸の一方の端部に、駆動部30としてのスロットルプーリ33が設けられている。
スロットルプーリ33には、自動二輪車のスロットルグリップ(図示省略)に連結された、図3(a)に示す2本のスロットルケーブル33a・33bが結び付けられている。スロットルグリップの操作(スロットル操作)によって一方のスロットルケーブル33aが引かれると、スロットルプーリ33とともにメインバルブ31が回転してスロットルボディ11内の流路を開き、他方のスロットルケーブル33bが引かれると、スロットルプーリ33とメインバルブ31とが逆に流路を閉じる向きに回転する。なお、スロットルプーリ33は、図3(b)のとおりコイルスプリング33dを介してスロットルボディ11上に設けられており、スロットル操作をされないときにはそのスプリング33dから力を受けて、メインバルブ31を閉じる向きに戻される。
サブバルブ21については、上記のとおり連結されたステッピングモータ23(図3・図4を参照)と、そのモータ23をコントロールする制御手段2(前記のECU。図6を参照)とによって、その開度が制御される。スロットル操作によってメインバルブ31が急激に開閉された場合にも不快な加減速等が生じないよう、サブバルブ21を、前記の各種センサで検出される運転状況に合った適切な開度に操作するのである。
図3等に示す吸気装置10では、ファーストアイドルと呼ばれる冷間始動時のアイドリングを、上記したサブバルブ21とメインバルブ31、およびそれらの駆動部20・30を利用して、機関回転数を制御しながら行うこととしている。その制御の概要は、スロットル操作を受けないために閉じる向きに戻されているメインバルブ31の開度を、サブバルブ21の駆動部20であるステッピングモータ23を介し、サブバルブ21の開度とともに制御することである。そのような制御のための構成、および制御の詳細は以下のとおりである。
まず図3(a)のように、スロットルボディ11の外側においてサブバルブ21の軸22に、サブバルブ21と一体に回転するようカム25を取り付けるとともに、メインバルブ31の軸32にレバー36を取り付けて両者が接触し得るようにする。すなわち、レバー36は、軸32を中心にメインバルブ31とともに回転するように取り付け、スロットル操作されないためにメインバルブ31が閉じ側にあるとき(つまり、図3(a)において右回りに戻されているとき)、レバー36の先端部に設けたローラ36aがカム25の周面に接触するようにそれぞれの位置を定める。そしてカム25の周面には、サブバルブ21が全閉状態から開く向き(図3(a)における左回り)に回転変位するとき半径が次第に増大するようなプロフィールを形成する。これにより、スロットル操作がされないときにサブバルブ21が開度変化をすると、それにともなってカム25がレバー36を動かし、メインバルブ31が連続的に開度を変える。こうしてサブバルブ21とともにメインバルブ31の開度を変化させるなら、ステッピングモータ23を用いるサブバルブ21の開度制御によって、適切なファーストアイドルを実現することが可能になる。なお、カム25の半径の変化量に比べてレバー36の長さ(メインバルブ31の軸32から先端部のローラ36aまで)は十分に長いことから、上記のようにカム25に接触しながら変化するレバー36およびメインバルブ31の角度範囲はわずか(全閉状態から最大2〜3°まで)である。
ステッピングモータ23によるサブバルブ21の開閉は、図2に示すように、全閉状態から全開状態をやや超えた状態までの範囲で行えるようにしている。すなわちサブバルブ21は、全閉状態(図示のA位置)から、バルブ本体である板の表面が吸気流の方向と平行になった100%開度の状態(図示のB位置)を超えて、さらに5°前後余分に回転した状態(図示のC位置)にまで角度変位することができる。このように開閉角度の範囲を設定すれば、サブバルブ21は、全開状態を確実に実現することができ、そのバルブ本体や軸22、または駆動部20中の他の部分に製作または組立上の誤差があったとしても、支障なく全開になる。なお、図3(a)に示すカム25も、サブバルブ21とともに回転変位をすることから、サブバルブ21の最大角度変位(図2のC位置)に対応する角度まで、レバー36との接触点の半径が増大するようにカムプロフィールを定めている。
カム25とそれに接触するレバー36との作用でメインバルブ31を開閉するに関しては、さらにつぎのような構成も採用している。
すなわち、第一には、メインバルブ31の軸32とレバー36との間を、図3(b)に示すコイルバネ(緩衝部材)37を含む緩衝機構を介し連結している。具体的に述べるなら、軸32やスロットルプーリ33に対して回転フレーム35を一体に取り付ける一方、軸32等に対して相対回転し得るようにレバー36を取り付け、レバー36のうちローラ36aのある先端部とは逆の側において一体に設けた突片36bを、圧縮して装着したコイルバネ37とともに上記回転フレーム35の枠内におさめ入れる。こうすることによりレバー36は、回転フレーム35とコイルバネ37とで拘束されながら軸32やスロットルプーリ33とともに回転することになる。急なスロットル操作によってメインバルブ31が閉じ側に戻されるとき、図3(a)においてレバー36が右回りに速やかに回転してカム25に当たるが、コイルバネ37が緩衝作用を発揮することから、その際の衝撃が小さいものとなる。またこの構成により、スロットルグリップ(図示省略)を減速側に強く操作する場合、メインバルブ31を、サブバルブ21のカム25によって規定される開度よりも、さらにコイルバネ37の縮みしろだけ閉じ側に強制変位させることができるという、減速性能に関する利点ももたらされる。
カム25とレバー36とによるメインバルブ31の開閉に関する第二の付加的構成は、カム25にレバー36が接触してメインバルブ31が開き始めるタイミングを、図3(b)等に示す調整ネジ38によって適宜に変更できるようにしたことである。調整ネジ38は、メインバルブ31の軸32等と一体に回転する上記の回転フレーム35に取り付け(緩み防止のためのスプリングを付属させている)、その先端部を、回転フレーム35の枠内にあるレバー36の突片36bに接触させたものである。このネジ38を押し込み、たとえばコイルバネ37を縮める向きにレバー36の角度位置(初期角度)を変更すれば、メインバルブ31が閉じた状態でのレバー36(ローラ36a)がカム25からやや離れる向きに変位し、サブバルブ21が開き側にやや大きく角度変位したときはじめてカム25がレバー36を動かしてメインバルブ31を開き始めるようになる。この吸気装置10の場合、図5のように、スロットル操作されないために閉じられているメインバルブ31が、サブバルブ21の開度が約40%になったとき開き始めるよう設定している。
メインバルブ31の開閉に関する付加的構成の第三は、上記のカム25を、簡単に取り替えられるようサブバルブ21の軸22上に取り付けたことである。カム25は、軸22に対しキーをはさんで(またはスプラインを形成して)挿入したうえ、図4等に示すとおりナット26等で固定することにより取り付けている。ナット26等を外したうえでカム25を軸22から抜き出し、新たなカム25を軸22に挿入して再びナット26等を装着すれば、カム25の交換が完了する。プロフィールの異なるカム25を使用すると、サブバルブ21の開度調整を通じて行うファーストアイドルの態様が異なるものとなるので、このようにカム25の交換が容易であることは、ファーストアイドルパターンを自動二輪車の特性や用途、環境等に適合させやすい、という利点に直結する。
上記のような吸気装置10を有する図1のエンジン1において、ファーストアイドルを含む始動時の制御を下記i)〜v)のように行っている。
i) エンジン1のメインスイッチ(図示省略)がONにされると、制御手段2(ECU。図6を参照)を起動する。制御手段2は、初期化動作としてサブバルブ21の角度変位をリセットするとともに、前述の各センサからインプットされる大気圧や水温(または油温)を記憶する。
ii) 制御手段2は、上記の大気圧や水温(または油温)をもとに、あらかじめROM(制御手段2の記憶部)に記憶したマップからファーストアイドルのためのメインバルブ31の初期開度を決定し、メインバルブ31がそのような初期開度になるようステッピングモータ23を駆動してサブバルブ21を回転させ、その状態で待機させる。
iii) スタータースイッチ(図示省略)がONにされると、スターターモータ(図示省略)によってエンジン1が始動する。このときのサブバルブ21およびメインバルブ31の開度は、上記ii)で設定した適切な初期開度であるから、始動時に機関回転数は所定の回転数になる。
iv) エンジン1が始動したことをクランク角度センサ3c等からの信号により制御手段2が判断すると、機関回転数によるフィードバック制御をともなうファーストアイドルを開始する。実施する制御を、図6に示すブロック線図にしたがって説明するとつぎのようになる。
1) 制御手段2は、油温センサ3a(または水温センサ)および大気圧センサ3bからの信号を入力部2aによって受け、それをもとに演算部2bにおいて目標回転数(設定回転数)を決める。
2) クランク角度センサ3cによって実際の機関回転数を検出し、その信号を制御手段2の比較部2cに戻して、上記した目標回転数の信号と比較する。
3) 比較により得た差(制御偏差)に基づいて制御手段2の調節部2dが適切な操作量を決定し、操作部2eに送る。
4) 操作部2eは、上記の操作量に応じた適切な角度だけ図3等のステッピングモータ23を回転させてサブバルブ21の開度操作をする。
5) サブバルブ21の開度に応じ図3(a)のカム25の角度が変わるので、それとレバー36との関係からメインバルブ31の開度が変わり、もってエンジン1の回転数(rpm)が目標回転数に近づくよう変化する。
6) 変化した機関回転数をクランク角度センサ3cにて検出し、それを、刻々と変わる油温(または水温)や大気圧に応じて制御手段2が逐次に定める目標回転数と比較し、相当する適当量だけモータ23を操作する、という制御を継続する。それにより、エンジン1において、運転環境や暖機状況に応じた適切な回転数でのファーストアイドルが実現する。
v) 制御手段2は、油温センサ3aもしくは水温センサの信号から十分に暖機されたと判定したとき、またはタイマー(図示省略)を介し相当程度の時間(3〜5分)が経過したと判定したときは、ファーストアイドルを終了し、ユーザーがアイドルスクリュー(図示省略)で事前に設定したアイドル回転数での通常のアイドリングに移行させる。なお、走行のために自動二輪車のミッションが入れられたときも、エンジンブレーキの効果を生かすこと等を目的に、ファーストアイドルを終了することとしている。油温や水温が一定温度以上である以上、暖機後に機関停止をし再始動する場合にも、ファーストアイドルは不要として行わない。
なお、上記のii)において設定するメインバルブ31の初期開度や、上記iv)において定める目標回転数は、サブバルブ21が全開になったときに実現するのではなく、少なくとも常温常圧(15℃・1気圧)の運転環境ではサブバルブ21の開度が最大80%程度まで開いたとき実現するように、サブバルブ21とメインバルブ31とについて各駆動部20・30の関係を定めている。つまり、サブバルブ21とメインバルブ31とのそれぞれの開度は、図5に示す太線Y123の関係にしたがい、通常のファーストアイドルではその範囲(Y1〜Y3)でのみ変化することになる。このように、サブバルブ21が全開未満という余裕のある段階で好適な状態を実現できるようにすれば、各バルブ21・31やそれらの駆動部20・30について加工または組立上の精度が高くない場合にも、ファーストアイドルの制御を適切に行うことが可能になる。なお、図5に示すX1からX2にかけての線は、サブバルブ21を全閉状態(図2のA位置)から100%開度を超える角度(図2のC位置)にまで角度変位させるとき、カム25(ある標準的なプロフィールをもつもの)にレバー36を接触させ続けるとすればメインバルブ31にもたらされる開度を示す線である(メインバルブ31の開度が0以下というのは、開き側と逆向きに角度変位することをさす)。
図3(a)に示すカム25は、前記したとおり簡単な手順によって別のプロフィールのものに交換することができる。そのようにカム25を交換することによって、吸気装置10におけるサブバルブ21とメインバルブ31との開度の関係を図7のようにするのも好ましい。つまり、まずカム25(図3(a))には、その周面にレバー36の先端部を接触させ続けながらサブバルブ21(図2)の開度を変更するとき図7のX111213の線にしたがってメインバルブ31が開度変化をなすようなカムプロフィールを与える。そして前記した調整ネジ38(図3(b)・(c))の作用により、Y1213の間ではサブバルブ21の開度にかかわらずメインバルブ31の開度は0となるようにする。こうすることにより、スロットル操作にて、またはスプリング33d(図3(b))の作用によって閉じる側に置かれているメインバルブの開度を、図7に示す太線Y11121314にしたがって増減させるのである。
交換した上記のカム25によれば、閉じる側に戻されているメインバルブが、
・ サブバルブ21の開度が10%以上・40%以下の範囲(Y12〜Y13)では、メインバルブ31の開度はゼロであり、
・ サブバルブ21の開度が40%以上の範囲(Y13〜Y14)では、サブバルブ21の開度の増加とともにメインバルブ31の開度も増加する。その一方、
・ サブバルブ21開度が10%以下の範囲(Y12〜Y11)では、サブバルブ21の開度が減少して全閉に近づくときメインバルブ31の開度が逆に増加する(微開になる)。
カム25を変更することによってサブバルブ21とメインバルブ31との開度関係に図7のような関係を付与すれば、エンジンブレーキの効き具合をやや緩和することができ、またアイドリング回転数を適切に設定するISC(アイドルスピードコントロール)が可能になる。サブバルブ21が全閉に近い開度範囲にあるときメインバルブ31の開度を微開にするのであるから、エンジンブレーキを効かして坂道走行をしているとき等に運転者がスロットル操作にてメインバルブ31を急激に開いたとしても、全閉に近い状態にあるサブバルブ21の作用によって吸気流量の変動が効果的に抑制され、運転フィーリングに関して好ましい。なお、サブバルブ21は、吸気量がゼロになることがないよう、全閉状態であっても隙間のある設定としている。そのため、吸気量は(したがってエンジンブレーキの効き具合等も)メインバルブ31の開度を支配的要素として決定される。
発明の実施に関する他の形態を図8および図9に示す。図8は、自動二輪車用のエンジン41に関する全体的な側面図(図8(a))およびその一部の断面図(同(b))であって、図9は、当該エンジン41における制御機器等の配置および接続を示す模式図である。エンジン41は、自動二輪車(図示省略)に搭載されるV型2気筒の水冷4サイクルエンジンである。図8(a)中、符号41a・41bはシリンダヘッド、41cはクランク軸、41dはカム軸、41eはクランクケースである。シリンダヘッド41a・41bには、内部の燃焼室に吸入空気と燃料(混合気)を供給する吸気装置50として、図8(b)のように吸気チャンバー53やスロットルボディ51などが設けられている。
スロットルボディ51は、図1〜図4等に記載して先に説明したスロットルボディ1と同様の構成・機能を有するものである。図9のように、吸気流路のうち下流側(図8(b)のシリンダヘッド41a近い部分)に燃料を噴射するインジェクタ52(および図8(b)のシリンダヘッド41bに燃料を噴射するインジェクタ52b)が設けられているほか、サブバルブ61とメインバルブ71とが、吸気流路に沿って上流側からこの順に配置されている。サブバルブ61については、図8(b)に示すようにそれを取り付けた軸62の軸端部にカム65を取り付け、一方のメインバルブ71の軸72にはレバー76を取り付けて、そのレバー76の先端部がカム65の周面に接触するようにし、サブバルブ61の開度に応じてメインバルブ71の開度が決まり得るようにしている。
図1〜図4等に示したエンジン1と同様、このエンジン41にも、インジェクタ52(および52b)による燃料供給量をエンジンの状況に応じて自動調整する電子式燃料噴射制御が採用されている。そのため、運転状況を検出するための幾つかのセンサとともに、それらによる検出信号をもとに適切な燃料供給量を演算してインジェクタ52等に指示信号を送るECU(電子制御ユニット)と呼ばれる制御手段が接続されている。そのような制御手段とセンサとの接続状態等を模式図にしたものが図9である。
図9において、符号42はラジエータ、43は燃料タンク、81はバッテリー、82はECUである。バッテリー81およびECU82は、電線(電力線および制御線)82aを介して種々のセンサまたは操作機器(アクチュエータ)などに接続されている。ECU82等に接続されたセンサ・操作機器類として、つぎのものがある。
まず、燃料タンク43に関連して、燃料圧力の調整を行うプレッシャレギュレータ84aが設けられ、それが燃料ポンプ84bおよび燃料配管84cを経由して燃料噴射用インジェクタ52・52bに接続されている。吸気系に関しては、吸気チャンバー53の付近に吸気温度センサ83fが設けられているほか、スロットルボディ51のサブバルブ61に開閉用アクチュエータ(ステッピングモータ)63および開度センサ64が連結され、同じくスロットルボディ51のメインバルブ71にも別の開度センサ74が連結されている。また、スロットルボディ51の吸気通路内に向けて吸気圧力センサ83dが設けられる一方、外気に向けて大気圧力センサ83cが設けられてもいる。排気系については、排気管上に、混合気濃度が理論混合比より濃いか薄いかを検知するためのO2センサ83iがあるほか、二次エアの通路に二次エア制御バルブ85dが設けられてもいる。冷却水系統には、ラジエータ42に対してラジエータファンモータ85cが設けられているほか、冷却水通路に冷却水温センサ83eが取り付けられている。各部の回転速度や車速に関しては、クランクケース41e(図8)の壁面上などに、クランク角度センサ83a、カム角度センサ83b、ギヤポジションセンサ83h、および車速センサ83jが取り付けられている。クランクケース41eにはさらに、スタータコントロールリレー85aやデコンプ制御ソレノイド(始動時に圧縮圧を緩和するためのもの)も取り付けられている。そのほか、自動二輪車(図示せず)の車体上には、転倒検知センサ(車体の転倒を検知してエンジンを停止させるためのもの)が設けられている。以上のようなセンサ等の配置およびECU82との接続は、電子式燃料噴射制御が採用されたエンジンにおいてはその形式(V型か直列型か等)や気筒数等によらず一般的に採用されるものであり、図1〜図4等に示したエンジン1についても同様に構成されている。
図8に示すエンジン41においては、ECU82等とともに一般的に配置されるセンサ類のうちから、とくに冷却水温センサ83eと大気圧力センサ83c、およびクランク角度センサ83aとを利用し、それぞれの信号に基づいて、ファーストアイドルの際の機関回転数の適切な制御を行う。すなわち、i)冷却水温センサ83eおよび大気圧力センサ83cの信号に基づいてECU82がエンジンの温度と大気圧とを知り、ii)当該温度・圧力に基づいてファーストアイドルのための適切な設定回転数(目標回転数)をECU82が設定する。iii)さらにECU82が、クランク角度センサ83aの信号によりエンジン41の実際の回転数(回転速度)を検出したうえ、iv)エンジン41が設定回転数になるよう、ECU82が、アクチュエータ63を介するサブバルブ61の操作により、スロットル操作を受けないために閉じる向きに戻されているメインバルブ31の開度をコントロール(フィードバック制御)する。v)冷却水温センサ83eや大気圧力センサ83cの信号が刻々と変わるのに対応して、ECU82は逐次に設定回転数を定め、かつ上記のとおりフィードバック制御を行う。
電子式燃料噴射制御のエンジンにおいて一般的に採用されるセンサ類を使用するのであるから、上記のようにファーストアイドル回転数の制御を行うにあたり専用の制御機器が不要であり、コスト上有利である。
発明の実施に関する一形態としてエンジン1の全体を示す側面図である。吸気装置10の一部は断面にて表している。 図1のエンジン1において吸気装置10に設けられたスロットルボディ11の内部を示す(図1に表れる断面とは逆の側の断面にて示す)縦断面図である。 スロットルボディ11とその外側に取り付けられた機器を、第三角法にしたがう図3(a)・(b)・(c)によって示している。図3(a)は右側面図、同(b)は正面図、同(c)は左側面図である。 スロットルボディ11の背面図であって図3(a)におけるIV−IV矢視図である。 吸気装置10のサブバルブ21とメインバルブ31とについて開度の関係を示す線図である。 吸気装置10におけるファーストアイドル時の制御系を示すブロック線図である。 吸気装置10のサブバルブ21とメインバルブ31とについて開度の関係を示す、図5とは別の線図である。 発明の実施に関して他の形態を示す図面であり、図8(a)はエンジン41に関する全体的な側面図、同(b)は同(a)におけるb−b断面図である。 図8のエンジン41における制御機器等の配置および接続を示す模式図である。
符号の説明
1・41 エンジン
2・82 制御手段(ECU)
3a・3b・3c・83a・83c・83e センサ
10・50 吸気装置
11・51 スロットルボディ
20 サブバルブ駆動部
21・61 サブバルブ
22・62 軸
23・63 ステッピングモータ(アクチュエータ)
25・65 カム
30 メインバルブ駆動部
31・71 メインバルブ
32・72 軸
33 スロットルプーリ
36・76 レバー
37 コイルバネ(緩衝機構)
38 調整ネジ

Claims (6)

  1. 制御手段により開度制御されて開閉するサブバルブと、スロットル操作に連動して開閉するとともにスロットル操作を受けないとき前記サブバルブの開度に応じて開くメインバルブとが、吸気方向に併設された吸気装置であって、
    ファーストアイドルの際、前記サブバルブがエンジンの温度に応じた連続的な異なる開度に制御され、そうした前記サブバルブの各開度に応じて、スロットル操作を受けない前記メインバルブが、機関回転数を設定回転数にするように開くこと
    および、エンジンのメインスイッチがONにされたのち該エンジンが始動する前に、前記制御手段が、前記エンジンの温度をもとに前記メインバルブの初期開度を決定するとともに、そのような初期開度を実現するよう前記サブバルブを駆動すること
    を特徴とするエンジンの吸気装置。
  2. 前記エンジンが始動したのち、前記制御手段が、各時点での前記エンジンの温度に基づいて設定回転数を定め、前記エンジンの回転数を検出して前記設定回転数と比較することにより行うフィードバック制御によって、機関回転数を前記設定回転数にするよう前記サブバルブの開度操作を行うことを特徴とする請求項1に記載したエンジンの吸気装置。
  3. 機関回転数を前記設定回転数にするための前記メインバルブの開度が、前記サブバルブの開度が全開未満であるときに対応するものであることを特徴とする請求項1または2に記載したエンジンの吸気装置。
  4. 前記サブバルブが、全閉状態から開度100%の状態を超えた状態にまで変位し得ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したエンジンの吸気装置。
  5. 前記メインバルブと前記サブバルブとがそれぞれ軸回りの回転によって開閉するものであり、前記サブバルブの軸上に設けたカムに前記メインバルブの軸に取り付けたレバーを接触させることにより、上記のとおり前記サブバルブの各開度に応じて前記メインバルブが開くことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載したエンジンの吸気装置。
  6. 閉じる側に戻されている前記メインバルブが、前記サブバルブの開度に応じて開き、前記サブバルブの一部の開度範囲では、前記サブバルブが全閉に近づくにもかかわらず開度を増すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載したエンジンの吸気装置。
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