JP4428111B2 - 流体輸送用ホースの接続構造 - Google Patents
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Description
但し耐燃料透過性を有する樹脂層は材質的に硬い層であるため、これをホース本体管の軸端に到るまでその内面に積層形成すると、その内面に金属パイプ等剛性の相手パイプを直接嵌入させるようにすると、相手パイプと燃料輸送用ホース、詳しくはその内面の樹脂層との間のシール性が不十分となり、また相手パイプをホース軸端の開口からその内部に嵌入作業する際に大きな力を必要とし、作業性が悪化する問題を生ずる。
同図において200は燃料輸送用ホース(以下単にホースとする)で、202はゴムから成るホース本体管、204はその内面に積層形成された耐燃料透過性を有する透過バリア層としての硬質の樹脂層である。
ここで樹脂層204はホース200軸端に到るまでホース本体管202の内面に積層形成されている。
この接続構造では、相手パイプ208を直接樹脂層204に対して嵌入させる場合に比べてシール性は良好であり、また嵌入作業する際の作業性は改善される。
図5(B),(C)はその具体例を示している。
図5(B)に示しているようにこの接続構造では、ホース本体管202の端部212については樹脂層204を形成しないで、ホース本体管202の内面を露出せしめ、そのホース本体管202の内面を直接相手パイプ208の外面に弾性接触させるようにしている。
ここで弾性シール部材216は、相手パイプ208を嵌合させる前において環状の凹所214から径方向内方に突出しない状態、詳しくは端部212の内面から径方向内方に突出しない状態で凹所214内に収容されている(図5(C)参照)。
尚ホース200の内面には、相手パイプ208の先端部に軸方向に当接してその嵌入量を規定する、図中下向き即ち径方向内方への突出部218が形成されている。
ここではクランプ部材220は、帯状の締付部材222と締付機構224とを備えている。
また端部212においては弾性を有するホース本体管202の内面が直接相手パイプ208の外面と接触する構造であるため、ホース200と相手パイプ208との嵌合部分のシール性を良好となすことができる。
そこでここでは、相手パイプ208の先端部とホース200との間に耐燃料透過性を有する弾性シール部材216を設け、内部の燃料が相手パイプ208の外面とホース200の内面とを通じて端部212に達するのを防止している。
これにより端部212を通じて内部の燃料が外部に透過するのを良好に防止できる。
従ってこの接続構造にあっても、相手パイプ208を嵌入させる際の嵌入作業性、ひいてはホース接続の際の接続作業性に尚改善の余地のあるものであった。
これによりホース接続の際の接続作業性を良好となすことができる。
この弾性シールリングはまた、輸送流体に対して耐透過性を有しているため、内部の輸送流体がこの弾性シールリングを透過して、樹脂層の形成されていないホース本体管の端部内面に達するのが防止され、従って輸送流体が樹脂層の形成されていないホース本体管の端部内面からホース本体管を通じて外部に透過するのも良好に防止される。
そしてこれにより、ホース接続の際の良好な接続作業性と良好なシール性、更には輸送流体の耐透過性の何れも確保することが可能となる。
図1において、10は燃料輸送用ホース(以下単にホースとする)で、12はその主体を成す弾性体から成るホース本体管、14はその内面に積層形成された、燃料に対して耐透過性を有するバリア層としての硬質の樹脂層である。
ここで樹脂層14は、ホース10の端部16についてはホース本体管12の内面に積層形成されておらず、端部16についてはホース本体管12の内面が直接露出せしめられている。
その外径は端部16の内径と同等ないしこれより僅かに大きい径とされている。
この相手パイプ18は、嵌入側の先端が求心方向に湾曲した湾曲部20とされており、そしてこの先端から軸方向に離隔した位置に径方向外方に環状に膨出する膨出部22が形成されている。
ここでクランプ部材24は、帯状の締付部材26と締付機構28とを有している。
尚ホース10には外面に環状の突出部30,32が設けられており、端部16はこれら突出部30,32の間の位置において、クランプ部材24により縮径方向に締め付けられクランプされている。
この突出部34は、相手パイプ18をホース10軸端の開口からその内部に嵌入させる際、相手パイプ18の先端の湾曲部20に当接してその嵌入量を規定する働きをなす。
ここでOリング40は、図2(B)に示しているように相手パイプ18を嵌入する前の状態では、その内周側がリング溝38から径方向内方に突出している。
ここでリング溝38は端部16の内面と実質同じ内径を有する箇所に形成されており、従ってOリング40は、相手パイプ18の嵌入前の状態で端部16の内面よりも径方向内方に突出している。
而してこのOリング40は、相手パイプ18をホース10軸端の開口からその内部に軸方向に嵌入させたとき、相手パイプ18の外面によって径方向外方に圧縮変形させられ、その状態で相手パイプ18の外面とホース10の内面、詳しくは樹脂層14の内面との間を良好にシールする。
ここでOリング40は、燃料に対して耐透過性を有する材料で構成されている。
即ち、図2(A)に示しているようにホース10に対して相手パイプ18をホース10軸端の開口からその内部に嵌入させる。
このとき、相手パイプ18の先端の湾曲部20がホース10の径方向内方の突出部34に当る位置までこれを内部に嵌入させる。
その際、相手パイプ18の膨出部22はホース本体管12の内面に積層形成された樹脂層14の先端36を通過することが無いので、その際に樹脂層14による大きな嵌入抵抗が働くことは無く、従って小さい力で相手パイプ18を容易にホース10内部に円滑に嵌入させることができる。
その後、図1に示しているようにホース10における端部16を外面からクランプ部材24にて縮径方向に締め付け、端部16を相手パイプ18に固定しクランプする。
このとき膨出部22は、クランプ部材24によるクランプ箇所よりも図1中左方に位置している。換言すればこの膨出部22よりも図中右方位置において、クランプ部材24により端部16を縮径方向に締め付け、クランプする。
これによりホース接続の際の接続作業性を良好となすことができる。
このOリング40はまた燃料に対して耐透過性を有しているため、内部の燃料がこのOリング40を透過して、樹脂層14の形成されていないホース本体管12の端部16内面に達するのが防止され、従って燃料が樹脂層14の形成されていないホース本体管12の端部16内面からホース本体管12を通じて外部に透過するのも良好に防止できる。
図4はその具体例を示している。
このうち図4(A)は断面形状がD字形状の弾性シールリング42を用いた例で、また(B)の例は断面形状が四角形状の弾性シールリング44を用いた例を、更に(C)は断面形状が達磨形状をなす弾性シールリング46を用いた例を示している。
これら何れの場合においても弾性シールリング42,44,46はそれぞれリング溝48,50,52への装着状態且つ相手パイプ18を嵌入する前の状態で、内周側が各リング溝48,50,52即ち端部16の内面よりも所定寸法ΔH1,ΔH2,ΔH3だけ径方向内方に突出している。
12 ホース本体管
14 樹脂層
16 端部
18 相手パイプ
22 膨出部
24 クランプ部材
36 先端
38,48,50,52 リング溝
40 Oリング(弾性シールリング)
42,44,46 弾性シールリング
Claims (2)
- ゴム等の弾性体から成るホース本体管の内面に、輸送流体に対して耐透過性を有するバリア層としての、該ホース本体管よりも硬質の樹脂層を該ホース本体管の端部を除いて積層形成して成る流体輸送用ホースに対し、剛性の相手パイプをホース軸端の開口より前記端部の内面に嵌入させて、該端部をクランプ部材により外面から縮径方向に締め付けてクランプし、前記相手パイプに固定するようになした流体輸送用ホースの接続構造において、
前記相手パイプには嵌入側の先端より軸方向に離隔した位置に環状且つ径方向外方の膨出部を形成して、該膨出部を前記樹脂層の先端と前記クランプ部材によるクランプ箇所との間の位置で前記ホース本体管の前記端部の内面に嵌合させるとともに、前記相手パイプの嵌入側の先端と該膨出部との間の軸方向位置において前記樹脂層の内面に形成したリング溝に前記輸送流体に対して耐透過性を有する弾性シールリングを該リング溝から径方向内方に突出する状態で装着して、該弾性シールリングを前記相手パイプの外面にて径方向外方に弾性圧縮せしめ、該相手パイプと樹脂層との間をシールさせるようになしたことを特徴とする流体輸送用ホースの接続構造。 - 請求項1において、前記流体輸送用ホースが自動車の燃料輸送用ホースであることを特徴とする流体輸送用ホースの接続構造。
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