以下に添付図面を参照して、この発明にかかる用紙積載装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかる用紙積載装置を画像形成装置に装着した例を示す外観図である。図示するように、複写機などの画像形成装置200の排紙口側に、トレイ101を備えた用紙積載装置100を装着する。この用紙積載装置100の構成および動作については以下に詳述する。
図2は、本発明の実施の形態にかかる用紙積載装置の断面構成を示す説明図である。図において、符号1は画像形成装置20から排紙される記録紙を受け入れる搬送コロ、符号2は受け入れた記録紙をトレイ101側に排紙する排紙コロ、符号3は排紙コロ2と連動する戻し部材、符号5は搬送用の駆動モータ、符号6はトレイ101を水平方向にシフト駆動されるための駆動源であるトレイシフトモータ、符号7はトレイ101を上下(垂直方向)に駆動するためのトレイ上下モータである。
図2において、画像形成装置200から用紙積載装置100に搬送された用紙Pは、駆動モータ5によって回転している搬送コロ1と排紙コロ2によってトレイ101上に排紙される。この搬送コロ1と排紙コロ2の間には、用紙Pの搬送状態、つまり用紙Pの有無を検知する用紙検知部8が設けられている。トレイ101上に排紙された用紙Pは、戻し部材3によって排紙方向の上流側に戻され、用紙の後端がそろうように整合される。戻し部材3は、排紙コロ2の軸と連動するように構成されている。また、トレイ101には、トレイ101を用紙排出方向と直交する前後方向に移動させるシフト機構と、そのシフト機構を駆動するトレイシフトモータ6が設けられている。これにより用紙Pを前後方向にシフトして仕分ける構成を実現している。さらに、後述するように、シフト時のトレイ停止位置を決めるトレイ位置検出部がシフト機構内部に設けられている。また、用紙Pの積載枚数に応じてトレイ101が上下(垂直)方向に移動する機構を備えている。このシフト機構・トレイ位置検出部の構成および動作の詳細については後述する。
図3は、本発明の実施の形態にかかる用紙積載装置のシフト機構およびトレイ位置検出部の構成を示す説明図である。図示するように、トレイシフトモータ6の回転は、タイミングベルト9を介してウォームギア10に伝達し、このウォームギア10と噛み合うウォームホイール11へと伝えられる。ウォームホイール11は、偏心位置に取りつけられたピン12を有し、ピン12は、エンドフェンス13の上下方向に長い長穴13aに遊嵌される。また、エンドフェンス13には、トレイ101が懸架装着される。
したがって、トレイシフトモータ6の回転は、ウォームホイール11の回転となり、ピン12を回転運動させることで、エンドフェンス13が用紙排紙方向と直交する前後方向にシフト移動する。エンドフェンス13にはトレイ101が装着されているため、エンドフェンス13と同期してトレイ101がシフト移動する。さらに、このように、シフト機構は、ウォームホイール11の1回転でトレイ101が前後方向に1往復するように構成されている。
また、ウォームホイール11には回転中心が同軸となる回転検知板14を一体的に設け、その回転検知板14にはトレイ停止位置に対応したスリット15を複数設けてある。さらに、そのスリットの位置を検出するスリット位置検出部16を設けている。
図4は、本発明の実施の形態にかかる用紙積載装置の制御系の構成を示すブロック図である。用紙積載装置100は、メイン制御板110により各部が制御される。このメイン制御板110は画像形成装置200の制御部201に信号接続されたCPU18によって統括的に制御するものである。CPU18には、ステッピングモータである駆動モータ5を駆動する正逆ドライバー19、DCモータであるトレイシフトモータ6を駆動する正逆ドライバー20、DCモータであるトレイ上下モータ7を駆動する正逆ドライバー21、制御プログラムが格納されたROM24が接続されている。また、CPU18に対して、フィラー付フォトインタラプタを用いて用紙Pを検知しその信号をフィードバックする用紙検知部8、フォトインタラプタを用いて後述するシフト駆動用のスリット位置を検出しその信号をフィードバックするスリット位置検出部16、フィラー付フォトインタラプタを用いてトレイ101上の紙面位置を検知しその信号をフィードバックするトレイ紙面検知部22、フィラー付フォトインタラプタを用いてトレイ101の下限位置を検知しその信号をフィードバックするトレイ下限検知部23の各センサが接続されている。
すなわち、図4において、用紙積載装置100では、そのメイン制御板110によって全体が制御される。メイン制御板110は、マイクロコンピュータシステムによるCPU18を備え、このCPU18に用紙検知部8、スリット位置検出部16、駆動モータ5、トレイシフトモータ6、トレイ上下モータ7などを接続する。また、制御プログラムを格納するROM24、画像形成装置200の制御部201とも通信を行なうため、電気的にI/Fケーブルで接続されている。それにより、用紙積載装置100の電源も画像形成装置200から供給される。CPU18は、画像形成装置200からの制御信号、用紙検知部8からの用紙Pの搬送情報、スリット位置検出部16で回転検知板14のスリット検知情報などにより、モータ負荷を制御する。さらに、用紙検知部8から用紙Pの搬送情報がON/OFFにより入力されるため、用紙Pの紙間を検出する。
つぎに、図5−1、図5−2を参照し、トレイシフト動作について説明する。図5−1は、トレイの停止位置が前後の2箇所の場合におけるシフト駆動およびトレイ停止位置検出の例を示し、図5−2は、図5−1における用紙束のシフト状態を示している。すなわち、これらの図は、トレイ停止位置をトレイシフト可能範囲の前端(画像形成装置の操作側)停止位置と、後端(画像形成装置の奥側)停止位置の2箇所に設けた場合を示している。また、図6は、3つのジョブを本シフト機構によって仕分けした状態を示すものである。
図5−1において、ウォームホイール11に一体的に設けた回転検知板14に、トレイ前端停止位置に対応したスリット15aと、後端停止位置に対応したスリット15bを対向位置に設けている。このスリット15a、15bはスリット位置検出部16により検出される。すなわち、回転検知板14のスリット15a、15bに対応した位置にフォトインタラプタのスリット位置検出部16を設け、各スリットに対応した位置のON/OFF信号がCPU18に入力され、CPU18によってトレイシフトモータ6が正逆ドライバー20を介して駆動制御される。
図5−1に示す状態は、トレイ前端停止位置に対応したスリット15aをスリット位置検出部16で検知している状態であり、トレイ101の停止位置は、図5−2に示すように、トレイ停止位置15Aにあり、トレイ101に排紙される用紙Pの幅方向の中央位置は、搬送路の中央位置と略同一位置で、常に同一位置に排紙される。したがって、この場合、用紙Pは、トレイ101の後端(画像形成装置の奥側)に偏って積載される。このときの、回転運動をトレイ101の前後シフト動作にするエンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aと、ウォームホイール11に取りつけられているピン12の位置は、図5−1の実線で示す位置になる。
図5−1に示す状態で、用紙Pを5枚毎に排紙して仕分けするため、トレイシフトモータ6を駆動すると、矢印方向にウォームホイール11が回転する。スリット位置検出部16によってトレイ後端停止位置に対応したスリット15bを検出し、トレイシフトモータ6を停止する。このとき、エンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aと、ウォームホイール11に取りつけられているピン12の位置は、破線位置に移動し、トレイ101は矢印I方向に移動し、トレイ停止位置(後端停止位置)15Bで停止する。トレイ101の移動量は、ピン12のX軸移動量だけ移動する。この状態で用紙Pをトレイ101に排出すると、用紙Pはトレイ101上の前端(画像形成装置の操作側)に偏って積載される。このときのトレイ101の移動量分用紙Pがずれて積載され、仕分けが行なわれる。
さらに、用紙Pを5枚毎に排紙して仕分けするため、トレイシフトモータ6を駆動して矢印方向にウォームホイール11を回転させ、スリット位置検出部16によって、トレイ前端停止位置に対応したスリット15aを検知し、トレイシフトモータ6を停止する。これにより、ウォームホイール11および回転検知板14が1回転し、トレイ101が前後に1往復移動し、元の状態に戻る。これを繰り返し実行することにより、トレイ101上の積載紙は図6に示すように仕分けされる。
つぎに、3箇所のシフト位置で仕分けする機構および動作例について図7−1、図7−2および図8−1〜3を参照し説明する。図7−1は、3箇所のシフト位置で仕分けするシフト機構を示すものである。ここでは、回転検知板14に、トレイ前端停止位置に対応したスリット15aと、後端停止位置に対応したスリット15bを対向位置に設け、さらに、その片側に中間中央位置に中間停止位置に対応したスリット15cを設ける。
図7−1に示す状態は、トレイ前端停止位置に対応したスリット15aをスリット位置検出部16で検出している状態である。ここでのトレイ停止位置は、図7−2に示す前端停止位置にあり、エンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aと、ウォームホイール11に取り付けられているピン12の位置は、実線で示す位置にある。このとき、用紙Pが排紙されると、トレイ101上の後端(画像形成装置の奥側)に偏って排紙される。
このような構成により図8−1〜図8−3に示す5枚毎の3箇所シフトによる仕分けが実現する。以下、その例について述べる。トレイシフトモータ6を駆動し、スリット15cをスリット位置検出部16で検出して停止した場合、エンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aと、ウォームホイール11に取り付けられているピン12の位置は、短破線で示す位置であり、トレイ停止位置は中間停止位置15Cである。この状態で用紙Pをトレイ101に排出すると、用紙Pはトレイ101上の略中央に排紙される。指定枚数を排出し積載した後、トレイシフトモータ6を正逆駆動することによって、排紙された用紙Pは、図8−1に示すように中間停止位置15Cの位置に積載される。
また、同様に回転検知板14のスリット15b,15cを使用してトレイ101の移動位置を制御した場合、排出された用紙Pは、図8−2に示すように積載される。さらに、回転検知板14のスリット15a,15b,15cの3箇所を使用してトレイ101の移動位置を制御した場合、排出された用紙Pは、図8−3に示すように積載される。
なお、回転検知板14はスリット15a,15b,15cの3箇所が設けられているが、そのうち2箇所のスリット15a,15bを使用してトレイ101の移動位置を制御することも可能である。この場合、排紙された用紙Pは、図6に示すように積載される。
以上説明したようにトレイ停止位置を3箇所設けることにより、前後2箇所の場合と比較してトレイ移動量を少なくすることができ、トレイシフト時間を短縮することが可能になる。したがって、紙間時間が短い高速の画像形成装置に対応することが可能になる。
つぎに、回転検知板14のスリットを4箇所設けてトレイ101の移動制御を行なう例について図9−1〜2、図10−1〜5、図11−1〜2を参照し説明する。
回転検知板14に、トレイ前端停止位置の対応したスリット15aと、トレイ後端停止位置に対応したスリット15bを対向位置に配置し、その片側の中間中央位置に中間停止位置に対応したスリット15cを配置し、さらに片側の中間中央位置に中間停止位置に対応したスリット15dを配置する。すなわち、スリット15c、15dに対応したトレイ中間停止位置は同一位置となる。
図9−1に示す状態は、トレイ前端停止位置に対応したスリット15aをスリット位置検出部16で検出している状態であって、トレイ停止位置は、図9−2に示すように、前端停止位置15Aにあり、エンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aと、ウォームホイール11に取り付けられているピン12の位置は、実線で示す位置である。このとき用紙Pが排紙されると、トレイ101上の後端(画像形成装置の奥側)に偏って排紙される。
トレイシフトモータ6を駆動し、スリット15cをスリット位置検出部16で検出し停止した場合、エンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aと、ウォームホイール11に取り付けられているピン12の位置は、短破線で示す位置であり、トレイは中間移動位置15Cに停止する。このときのトレイ移動量は、ピン12のX軸移動量分移動する。この状態で用紙Pをトレイ101に排出すると、用紙Pはトレイ101の略中央に排紙される。指定の枚数を排出した後、トレイシフトモータ6を正逆駆動することによって、排紙された用紙Pは、図10−1に示すように積載される。
また、同様に回転検知板14のスリット15b,15cを使用してトレイ101の移動位置を制御した場合、排紙された用紙Pは、図10−2に示すようになる。また、同様に回転検知板14のスリット15b,15dおよび15a,15dを使用してトレイ101の移動位置を制御した場合、排出された用紙Pは、それぞれ図10−3、図10−4に示すように積載される。さらに、回転検知板14のスリット15a,15c,15b,15dの4箇所を使用してトレイ101の移動位置を制御した場合、排紙された用紙Pは、図10−5に示すように積載される。
この例では、回転検知板14のスリットは、15a,15c,15b,15dの4箇所であるが、そのうち2箇所15a,15bを使用してトレイ101の移動位置を制御することも可能である。この場合、排紙された用紙Pは、図6に示すように積載される。なお、上記の例の場合、スリット15c,15dを使用してのトレイ移動制御は、ともに同一の中間停止位置であるため、排出した用紙Pは仕分けされない。
ところで、図9−1において、回転検知板14のスリット15aの幅を他の3箇所のスリット幅とは異なる幅に設定する。この幅の違い(反対に、スリット15a以外の幅による検知でも可)をスリット位置検出部16により検知することにより、トレイ101の絶対位置を認識することが可能になる。絶対位置を認識することにより、上記のように仕分けができない位置で制御することが回避される。また、DCモータの場合、負荷により回転速度が変動するため、トレイ101に用紙Pが大量に排出された状態で電源が投入された場合でも、イニシャル動作で回転検知板14を1回転以上回転させることにより、スリット幅の相対比較でトレイ位置の絶対位置を認識することができる。
また、トレイ停止位置と対応したスリットの4箇所すべてを同一幅にした場合、図示しないが、さらにトレイ停止位置と対応しないスリットを設けることでスリット以外の幅が均等ではなくなるため、それを検知してトレイ101の絶対位置を認識することが可能になる。
ところで、前述した図7−1〜2、図8−1〜3で示したように片側のみに中間停止位置を設けた場合、ピン12、エンドフェンス13に設けられている上下方向に長い長穴13aの使用箇所は、全体を使用するわけではなく、片側に偏った位置を使用することで使用頻度が高まるため、その部分の部品消耗による耐久性に懸念がある。これに対して上記の例では、スリット15a,15bの両側に中間停止位置に対応したスリットを追加することで、ピン12、長穴13の部分的ではなく、定期的(1回のジョブ毎、あるいは数回のジョブ毎)に使用箇所を変更し、全体を使用してトレイ位置制御(仕分け)することが可能になるため、部分使用により耐久性を向上させることができる。
図11−1、図11−2に示す例では、前ジョブで排出された用紙Pを取り除かずに、次のジョブを排紙した場合における用紙Pの仕分け状態を示している。ともにスリット15a(トレイ前端停止位置),15c(トレイ中間停止位置),15b(トレイ後端停止位置)を使用してトレイシフト制御を行なっているが、図11−1の場合、[1]の排出束が前ジョブのものか、後ジョブのものか仕分け状態を見ただけででは判断することができない。しかし、図11−2に示すように、後ジョブの開始を前ジョブで使用していないスリット15b(後端停止位置)で行なうことにより、[1]の排出束が後ジョブのものであることが見た目で判別することが可能になる。
つぎに、以上述べてきたトレイのシフト制御についてフローチャートを参照し説明する。なお、以下の一連の制御は、用紙積載装置100のメイン制御板110におけるCPU18により、ROM24に格納されている以下に述べるフローチャートなどのアルゴリズムをソフトウエア化した制御プログラムにしたがって実行される。まず、図12〜図18に示すフローチャートを参照し、トレイ停止位置をトレイシフト可能範囲の前端停止位置と、後端停止位置およびその片側の中間位置の3箇所に設けた場合の制御動作について説明する。
図12は、本発明の実施の形態にかかる用紙積載装置100のメインルーチン処理を示すフローチャートである。電源ON時に、まず、イニシャル動作を行ない(ステップS11)、通紙開始か否かを判断する(ステップS12)。ここで通紙開始であれば、通紙制御を実行する(ステップS13)。
図13は、図12におけるイニシャル動作を示すフローチャートである。まず、画像形成装置200から機種情報等を入手し、搬送速度などを認識する(ステップS21)。続いて、トレイ位置のイニシャル動作を行ない(ステップS22)、さらにその他のイニシャル動作を実行する(ステップS23)。すなわち、ステップS22では、回転検知板14を1回転させ、トレイ停止位置に対応したスリットの位置から停止していた位置を認識し、元の位置で停止する。
図14は、図12における通紙制御の動作を示すフローチャートである。まず、駆動モータ5をONし(ステップS31)、用紙検知部(搬送センサ)8からの情報により、用紙P、1枚目の後端を検知したか否かを判断する(ステップS32)。ここで、用紙P、1枚目の後端を検知していなければ、さらに用紙P,2枚目の先端を検知したか否かを判断し(ステップS33)、用紙P,2枚目の先端を検知していなければ、さらにトレイシフト要求であるか否かを判断する(ステップS34)。ここで、トレイシフトの要求があると判断した場合、後述するシフト制御(図15参照)を実行する(ステップS35)。ステップS34においてトレイシフトの要求でなければ、その他の制御(内容については省略)を実行し(ステップS36)、規定枚数の通紙を完了したか否かを判断する(ステップS37)。ここで、規定枚数の通紙を完了したと判断したならば、さらに後述する停止シフト制御(図18参照)を実行し(ステップS38)、駆動モータ5をOFFする(ステップS39)。一方、ステップS32において用紙P、1枚目の後端を検知した場合、紙間カウンター(CPU18によるソフトカウンターを用いる)をスタートさせ(ステップS40)、ステップS34に進む。また、ステップS33において用紙P,2枚目の先端を検知したならば、紙間カウンターを停止し(ステップS41)、ステップS34に進む。
すなわち、図14においては、駆動モータ5をONして用紙検知部(搬送センサ)8が用紙P、1枚目の後端を検知したかを確認し、検知した場合、紙間カウンターをスタートさせる。つぎに用紙検知部(搬送センサ)8が用紙P、2枚目の先端を検知したかを確認し、検知した場合、紙間カウンターを停止し、紙間時間を認識し、紙間カウンターをクリアする。このように、CPU18が用紙検知部(搬送センサ)8を使用して用紙Pの紙間時間を認識することで、画像形成装置200からあえて情報を入手する必要がなくなる。また、画像形成装置200の制御用ソフトウエアを変更しなくても対応することができる。なお、この制御部分の制御を実施しない場合は、紙間時間に関わる情報を画像形成装置200からもらう必要がある。また、この制御を用紙P1枚目でトレイシフトを実施する必要がない。最短で仕分けが必要になるのは、2枚目以降である。
通常、用紙Pを画像形成装置200から受け入れる毎に、その用紙のサイズ、トレイシフトを行ない仕分けを行なうかを画像形成装置200から情報を入手する。すなわち、操作者により、画像形成装置200のオペレーションパネルから仕分けの指示、あるいはプリンタなどの場合はホスト側からの仕分けの指示があった場合、その情報が本装置に送信される。したがって、用紙Pに対してトレイシフトの要求があった場合、シフト制御(図15参照)を実行する。なお、この実施の形態では説明する必要のない制御をその他の制御としてサブルーチン化し、その説明は省略する。
つぎに、規定の枚数を通紙完了かを確認し、完了していない場合は、上述の動作を繰り返し実行する。一方、規定の枚数を通紙完了した場合は後述するが、現在のトレイ停止位置および今回のシフト制御を認識し、次回のジョブの初めの用紙と今回の最終用紙束とを仕分けし、ジョブの違いが判るように、次回のジョブの排紙のためのトレイ制御を実行する。これが終了したならば、駆動モータ5を停止させ、このルーチンを抜ける。
図15は、図14におけるシフト制御の動作を示すフローチャートである。まず、前のサブルーチンで認識した紙間時間でシフト制御が間に合うかを判断し、その結果に応じて、前端・後端シフトあるいはシフト中間使用制御を実行する。すなわち、前端と後端移動によるシフト時間が紙間時間より小さいかを判断し(ステップS51)、シフト時間が紙間時間より小さいと判断した場合はシフト前後端制御(図16参照)を実行する(ステップS52)。一方、前端と後端移動によるシフト時間が紙間時間より大きい場合には、さらに前端または後端から中間移動によるシフト時間が紙間時間より小さいかを判断し(ステップS53)、前端または後端から中間移動によるシフト時間が紙間時間より小さいと判断した場合には、シフト中間使用制御(図17参照)を実行する(ステップS54)。
このように、通常の前端と後端のトレイシフト動作で間に合う場合には、シフト前後制御を実行する。一方、トレイシフト量を変更しても高速機対応をする必要がある場合は、シフト使用制御を実行する。また、シフト量を変更しても紙間時間の方が速い場合は、積載不良による用紙束のくずれなど発生を回避するため、シフト動作を行なわない。
図16は、図15におけるシフト前後端制御の動作を示すフローチャートである。まず、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS61)、以前のトレイ停止位置が前端であったか否かを判断する(ステップS62)。こここで、前端であると判断すると、さらに回転検知板14のスリット15bを検知したか否かを判断し(ステップS63)、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS64)。一方、ステップS62において停止位置が前端でなければ、さらに回転検知板14のスリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS65)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS66)。
図17は、図15におけるシフト中間使用制御の動作を示すフローチャートである。まず、現在は前端であるか否かを判断し(ステップS71)、前端で停止していたならば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS72)、さらに回転検知板14のスリット15cを検知したか否かを判断し(ステップS73)、スリット15cを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS74)。一方、ステップS71において前端で停止していなければ、さらに前端から中間制御であるかを否かを判断する(ステップS75)。ここで前端から中間制御であれば、トレイシフトモータ6を逆転駆動し(ステップS76)、回転検知板14のスリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS77)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS78)。一方、ステップS75において前端から中間制御でなければ、さらに現在は中間であるか否かを判断し(ステップS79)、中間であれば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS80)、さらに回転検知板14のスリット15bを検知したか否かを判断し(ステップS81)、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS82)。一方、ステップS79において中間でなければ、トレイシフトモータ6を逆転駆動し(ステップS83)、回転検知板14のスリット15cを検知したか否かを判断し(ステップS84)、スリット15cを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS85)。
すなわち、図17は、通常とはトレイシフト量を変更し、高速機対応したシフト中間使用のサブルーチンであり、以下の動作を実行する。現在のトレイ停止位置を確認し、前端の場合は、トレイシフトモータ6を正転駆動して中間位置に移動させ、トレイシフトモータ6を停止する。前端でない場合は、前端、中間移動制御であるかを判断し、その場合は、現在中間位置に停止しているため、前端位置に移動する。前端、中間移動制御でない場合、後端、中間移動制御であるため、現在の停止位置が中間位置かを判断する。中間位置の場合は、後端位置に移動する。そうでない場合は、後端停止位置のため、中間停止位置に移動し、このサブルーチンを抜ける。
図18は、図14における停止シフト制御の動作を示すフローチャートであり、今回のジョブと次ジョブの仕分け区別のための準備作業である停止シフト制御のサブルーチンを示すものである。まず、現在の停止位置が前端か、後端か、中間のいずれかであるかを判断する(ステップS91)。前端である場合、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS92)、スリット15bを検知したか否かを判断し(ステップS93)、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS94)。一方、ステップS91において後端であると判断した場合、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS95)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS96)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS97)。一方、ステップS91において中間であると判断した場合、さらに前端を使用した制御であったか否かを判断する(ステップS98)。ここで、前端を使用した制御であれば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS99)、スリット15bを検知したか否かを判断し(ステップS100)、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS101)。ステップS98において前端を使用した制御でなければ、トレイシフトモータ6を逆駆動し(ステップS102)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS103)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS104)。
すなわち、図18では、現在のトレイ停止位置を確認し、前端停止位置の場合は、反対の後端停止位置にトレイ101を移動させ制御を終了する。後端停止位置の場合、反対の前端停止位置にトレイ101を移動させ制御を終了する。中間停止位置の場合、前端停止位置を使用した制御であったかを確認し、前端を使用した制御の場合、使用していなかった後端停止位置に移動し制御を終了する。前端を使用していなかった制御の場合、前端停止位置に移動し制御を終了する。
つぎに、上述した動作とは異なる、スリットを4箇所設けた制御例について図19〜図21を参照し説明する。以下、この制御例を便宜上、4箇所スリット制御と呼称する。なお、この場合におけるメインルーチンは前述した図12のフローチャートと同様であり、このメインルーチンにおける通紙制御は図14と、シフト制御は図15と、シフト前後端制御は図16とそれぞれ同様の動作を行なうためここでの重複説明は省略する。以下、異なる制御動作について説明する。
図19は、4箇所スリット制御におけるイニシャル動作を示すフローチャートである。まず、画像形成装置200から機種情報等を入手し、搬送速度などを認識する(ステップS111)。続いて、トレイ位置のイニシャル動作を行ない(ステップS112)、さらにその他のイニシャル動作を実行する(ステップS113)。すなわち、ステップS112では、回転検知板14を1回転させ、トレイ停止位置に対応したスリットの位置から停止していた位置を認識し、元の位置で停止する。また、シフト中間制御を実施するために、トレイ停止が前端の場合、シフト中間制御の初期位置は前端⇔15c位置をセットし、トレイ停止位置が後端の場合、シフト中間制御の初期位置は後端⇔15d位置をセットする。
図20−1、図20−2は、4箇所スリット制御におけるシフト中間使用制御の動作を示すフローチャートである。まず、現在の停止位置が、前端、後端、中間(15c)、中間(15d)のいずれかであるかを判断する(ステップS121)。前端であると判断した場合、さらに前端⇔中間のスリット15cを使用する制御であるかを判断し(ステップS122)、スリット15cを使用する制御であれば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS123)、スリット15cを検知したか否かを判断し(ステップS124)、スリット15cを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS125)。一方、ステップS122においてスリット15cを使用する制御でなければ、トレイシフトモータ6を逆回転し(ステップS126)、スリット15dを検知したか否かを判断する(ステップS127)。ここで、スリット15dを検知したならば、トレイモータ6の駆動を停止する(ステップS128)。
一方、ステップS121において後端であると判断した場合、後端⇔中間のスリット15cを使用する制御であるかを判断し(ステップS129)、スリット15cを使用する制御であれば、トレイシフトモータ6を逆転駆動し(ステップS130)、スリット15cを検知したか否かを判断し(ステップS131)、スリット15cを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS132)。一方、ステップS129においてスリット15cを使用する制御でなければ、トレイシフトモータ6を正回転し(ステップS133)、スリット15dを検知したか否かを判断する(ステップS134)。ここで、スリット15dを検知したならば、トレイモータ6の駆動を停止する(ステップS135)。
一方、ステップS121において中間(15c)であると判断した場合、さらに前端⇔中間(15c)を使用する制御であるかを判断し(ステップS136)、スリット15cを使用する制御であれば、トレイシフトモータ6を逆転駆動し(ステップS137)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS138)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS139)。一方、ステップS136においてスリット15cを使用する制御でなければ、トレイシフトモータ6を正回転し(ステップS140)、スリット15bを検知したか否かを判断する(ステップS141)。ここで、スリット15bを検知したならば、トレイモータ6の駆動を停止する(ステップS142)。
一方、ステップS121において中間(15d)であると判断した場合、さらに前端⇔中間(15d)を使用する制御であるかを判断し(ステップS143)、スリット15dを使用する制御であれば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS144)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS145)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS146)。一方、ステップS143においてスリット15dを使用する制御でなければ、トレイシフトモータ6を逆回転し(ステップS147)、スリット15bを検知したか否かを判断する(ステップS148)。ここで、スリット15bを検知したならば、トレイモータ6の駆動を停止する(ステップS149)。
すなわち、図20−1、図20−2において、通常とはトレイシフト量を変更し、高速機に対応した中間使用制御を行なう。まず、現在のトレイ停止位置を確認し、トレイ101のシフト位置を決める。前端位置の場合、スリット15cを使用した制御であるかを確認し、スリット15cの使用時にはトレイ101をスリット15cに対応した位置に移動させる。スリット15cを使用していない場合には、スリット15dを使用した制御であるため、トレイ101をスリット15dに対応した位置に移動させる。後端停止位置、中間停止位置15C、中間停止位置15Dの場合も同様に判断し、トレイ101を移動させる。交互に2点の停止位置で仕分けを行なう。
図21−1〜3は、4箇所スリット制御における停止シフト制御の動作を示すフローチャートである。まず、現在の停止位置は、前端、後端、中間(15c)、中間(15d)のいずれかであるかを判断する(ステップS151)。前端停止位置と判断した場合、さらにシフト前後端制御であったか否かを判断する(ステップS152)。ここで、シフト前後端制御であると判断した場合、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS153)、スリット15bを検知したか否かを判断し(ステップS154)、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS155)。一方、ステップS152においてシフト前後端制御でないと判断した場合、さらに前端⇔中間(15c)制御であるかを判断する(ステップS156)。ここで、前端⇔中間(15c)制御であれば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS157)、スリット15bを検知したか否かを判断し(ステップS158)、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS159)、次回の中間制御を後端⇔スリット15dの制御に設定する(ステップS160)。一方、ステップS156において前端⇔中間(15c)制御でなければ、トレイシフトモータ6を正回転し(ステップS161)、スリット15bを検知したか否かを判断する(ステップS162)。ここで、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS163)、次回の中間制御を後端⇔スリット15cの制御に設定する(ステップS164)。
一方、ステップS151において後端停止位置であると判断した場合、さらにシフト前後端制御であったか否かを判断する(ステップS165)。ここで、シフト前後端制御であると判断した場合、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS166)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS167)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止する(ステップS168)。一方、ステップS165においてシフト前後端制御でないと判断した場合、さらに後端⇔中間(15c)制御であるかを判断する(ステップS169)。ここで、後端⇔中間(15c)制御であれば、トレイシフトモータ6を正転駆動し(ステップS170)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS171)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS172)、次回の中間制御を先端⇔スリット15dの制御に設定する(ステップS173)。一方、ステップS169において後端⇔中間(15c)制御でなければ、トレイシフトモータ6を正回転し(ステップS174)、スリット15aを検知したか否かを判断する(ステップS175)。ここで、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS176)、次回の中間制御を先端⇔スリット15cの制御に設定する(ステップS177)。
一方、ステップS151において中間(15c)の停止位置であると判断した場合、前端⇔中間(15c)の制御であるかを判断する(ステップS178)。ここで、前端⇔中間(15c)の制御であると判断した場合、トレイシフトモータ6を正回転し(ステップS179)、スリット15bを検知したか否かを判断する(ステップS180)。ここで、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS181)、次回の中間制御を後端⇔スリット15dの制御に設定する(ステップS182)。一方、ステップS178において前端⇔中間(15c)の制御でないと判断した場合、トレイシフトモータ6を逆回転し(ステップS183)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS184)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS185)、次回の中間制御を先端⇔スリット15dの制御に設定する(ステップS186)。
一方、ステップS151において中間(15d)の停止位置であると判断した場合、前端⇔中間(15d)の制御であるかを判断する(ステップS187)。ここで、前端⇔中間(15d)の制御であると判断した場合、トレイシフトモータ6を逆回転し(ステップS188)、スリット15bを検知したか否かを判断する(ステップS189)。ここで、スリット15bを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS190)、次回の中間制御を後端⇔スリット15cの制御に設定する(ステップS191)。一方、ステップS187において前端⇔中間(15d)の制御でないと判断した場合、トレイシフトモータ6を正回転し(ステップS192)、スリット15aを検知したか否かを判断し(ステップS193)、スリット15aを検知したならば、トレイシフトモータ6を停止し(ステップS194)、次回の中間制御を先端⇔スリット15cの制御に設定する(ステップS195)。
すなわち、上記の停止シフト制御では、現状のトレイ停止位置の確認を行ない、さらに今回どのようなトレイシフト制御を行なったかを確認し、次ジョブの最初の積載位置を、今回使用していない端面停止位置に設定し、その位置にトレイ101を移動させる。またもう片方のトレイ停止位置も特定位置ばかりにしないように順次使用するように設定し、その制御を終了する。