JP4426981B2 - チューナ付弦楽器用弓 - Google Patents
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Description
これらの楽器を従来のチューナで調律する(チューニング)には、
1)チューナに備えられているマイクロホン等で空気中の楽音振動を拾って、その周期をチューナによって計測し、その計測結果をチューナに内蔵した表示器に表示させ、その表示に従って楽器の音をチューニングする。
2)弦楽器の駒部分或はネック部分等の楽器の本体に接触型のピックアップを取り付け、ピックアップで取り出した楽器の振動をケーブルを通じてチューナに入力し、チューナで振動の周期(周波数)を計測し、その計測結果を表示器に表示させ、その表示に従って楽器の音の高低をチューニングしている。
また、2)の場合、接触型ピックアップとチューナ本体との間にケーブルが存在し、行動が制限されわずらわしい。また最近では接触型マイクロホンとチューナとが一体化された小型チューナも販売されている。この小型チューナは楽器本体のネック部分に取り付けるか、駒部分に取り付けて使用するが、この実用状況ではチューナの表示が見難かったり、或るいは楽器から突出して見えるため、見栄えが悪いなどの不満が残る。また楽器本体にある程度の質量が有る異物を取り付けることは楽器にとって、また演奏者にとっても好ましい状態ではない。
この発明の実施形態2としては実施形態1で提案したチューナ付弦楽器用弓において、振動センサが出力する電気信号により導通状態に制御される半導体能動スイッチを備え、この半導体能動スイッチによってチューナ本体に対する電源のオン、オフ制御を実行する構造としたチューナ付弦楽器用弓を提案する。
この発明の実施形態4としては実施形態1又は2の何れかで提案した弦楽器用弓において、表示器を桿の周面に、桿の軸線を中心に螺旋状に装着した複数本の細条発光体によって構成したチューナ付弦楽器用弓を提案する。
この発明ではフロッグ部分に弓毛の振動を検知する振動センサを設け、この振動センサでとらえた弓毛の振動に対応した周波数の電気信号をチューナ本体に入力し、チューナ本体で各音名の標準周期(標準周波数)と比較し、その偏差を計測する。チューナ本体の計測結果を桿に装着した表示器に表示する。つまり、この発明では周囲が騒音状態であっても、振動センサで楽器音を捉えるから自己の楽器音を騒音に邪魔されずに確実に捕らえることができる。更に、弦楽器の弓は演奏状態では常時奏者の目前に位置し、この結果表示器の位置は見易い位置に配置される。
この発明では更に、チューナ本体6をフロッグ部2の厚み部分に収納する。チューナ本体6は振動センサ5が検出する楽器音に対応する周波数の電気信号が入力され、この電気信号の基本周期を抽出し、この基本周期がどの音名の周期に対応するかを判定し、更に、その音名の標準周期(標準周波数)との偏差(ピッチ誤差)を計測し、判定した音名と計測した偏差を表示する機能を備える。このようなチューナ本体は例えば特許第3011314号明細書、或は特開2004−198975号公報等に開示されているから、ここではその詳細説明を省略するが、チューナ本体6には音名表示部6Aを有し、この音名表示部6Aに入力した電気信号の基本周期がどの音名の周期に対応するかを表示する。更に、その音名の標準周期との偏差を表示器7に表示する。この発明では標準周期との偏差を表示する表示器7を桿1の周面に装着する点を特徴とするものである。
その実施例を図2に示す。図2において振動センサ5が出力する電気信号は被計測信号として直接チューナ本体6に入力される構成とは別に、電源オン、オフ制御回路8にも信号を入力し、振動センサ5が電気信号を出力している状態ではチューナ本体6への電源がオンの状態に維持されるように制御する。
この実施構造によれば桿1の表面であればどの向からも細条発光体7A、7B、7Cの発光状況を視認することができる。この結果、奏者に対する向が変わっても表示器7が見え難くなる状況が発生することは全くなく、この点で使い勝手の良いチューナ付弦楽器用弓を提供することができる。
最近の傾向として、チューナにメトロノーム機能を組込む例が見られる。調律器とメトロノームとはスイッチの切替えにより何れかを選択して起動させる例が多いが、チューナとメトロノームとを同時に動作させる案も提案されている。
以上説明したように、チューナ本体6が弓と一体化しているため、わざわざチューナを持って来てセットし、終ってから取り外しする等のチューニングのための余分な作業が一切無くなる。メリットは、いつも振動を検出する振動センサ5が一定のところに固定されているため、検出される信号のレベルや、振動波形が安定しており、それぞれの楽器に合った、最適なチューナを設計することができる。(従来のチューナは汎用な設計であるため、楽器の種類や、音程によって、誤動作やチューニングが不安定な音程があった。)
チューナが弓と一体化しているため、チューニングを行う時、弓にかける腕の力及び弓の押し引き(ボーイング)の速さによる音程の変化が、奏者と耳と、右手の弓のボーイングの感覚と、その手元のチューナを目で確認(同時に弓の動きそのもの)しながらチューニングを行える。つまり、弓の弾き方、その速度と右手の力の入れ方による音程の変化が、弓に内蔵されているチューナを見ていることにより、弓を動かせばその動きも同時に目で見ていることになる。特に、初心者は弓の動かし方、力の加え方によって音程が変わることを身をもって感じ取ることができ、上達に寄与する。また、上級者であっても、演奏中に何時も同じ位置にチューナがあるため、音程の確認などが、何の労することも無く自然に行える。つまり、音を出そうとする行為のみでチューニングを行うことができるようになり、従来にない全く新たな作用効果が得られる。
2 フロッグ部 8 電源オン、オフ制御回路
3 弓毛 9 スイッチ
4 スクリュー 10 マイクロホン
5 振動センサ 11 指針
6 チューナ本体 12 スピーカ
6A 音名表示部
Claims (4)
- 桿と、この桿の一端側に装着され、上記桿の軸線とほぼ平行な辺で構成される弓毛固定部を有するフロッグ部と、このフロッグ部の上記弓毛固定部と上記桿の他端との間に架張した弓毛とを備えた弦楽器用弓において、
上記フロッグ部に上記弓毛の振動を検出する振動センサと、この振動センサが発生する電気信号の周期と各音名の標準周期との偏差を計測するチューナ本体とを収納し、このチューナ本体の計測結果を上記桿の周面に装着した表示器に表示させる構造としたことを特徴とするチューナ付弦楽器用弓。 - 請求項1記載のチューナ付弦楽器用弓において、上記振動センサが出力する電気信号により導通状態に制御される半導体能動スイッチを備え、この半導体能動スイッチによって上記チューナ本体に対する電源のオン、オフ制御を実行する構造としたことを特徴とするチューナ付弦楽器用弓。
- 請求項1又は2の何れかに記載の弦楽器用弓において、上記表示器を上記桿の周面に上記桿の軸線と平行する姿勢に装着した複数本の細条発光体によって構成したことを特徴とするチューナ付弦楽器用弓。
- 請求項1又は2の何れかに記載の弦楽器用弓において、上記表示器を上記桿の周面に上記桿の軸線を中心に螺旋状に装着した複数本の細条発光体によって構成したことを特徴とするチューナ付弦楽器用弓。
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