JP4425922B2 - 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるためのシステムおよび方法 - Google Patents

低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるためのシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4425922B2
JP4425922B2 JP2006534425A JP2006534425A JP4425922B2 JP 4425922 B2 JP4425922 B2 JP 4425922B2 JP 2006534425 A JP2006534425 A JP 2006534425A JP 2006534425 A JP2006534425 A JP 2006534425A JP 4425922 B2 JP4425922 B2 JP 4425922B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
signal
noise
output
bin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2006534425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007533972A (ja
Inventor
エム.バターズ ベネット
ノートン パトリック
レオナルド マイケル
ヴォレアデス デメトリオス
カリクスト デ アンドレード マルシオ
Original Assignee
ナティビス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ナティビス インコーポレイテッド filed Critical ナティビス インコーポレイテッド
Publication of JP2007533972A publication Critical patent/JP2007533972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4425922B2 publication Critical patent/JP4425922B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N37/00Details not covered by any other group of this subclass
    • G01N37/005Measurement methods not based on established scientific theories
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/032Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using magneto-optic devices, e.g. Faraday or Cotton-Mouton effect

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Description

本出願は、そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる、2002年3月29日出願のSQUIDデバイスおよび確率共鳴により分子電磁信号を測定し低しきい値信号を測定するための装置および方法(APPARATUS AND METHOD FOR MEASURING MOLECULAR ELECTROMAGNETIC SIGNALS WITH A SQUID DEVICE AND STOCHASTIC RESONANCE TO MEASURE LOW−THRESHOLD SIGNALS)という名称の米国特許出願第10/112,927号(代理人整理番号38547.8007.US00)、2003年3月28日出願の低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるためのシステムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR CHARACTERIZING A SAMPLE BY LOW−FREQUENCY SPECTRA)という名称の国際特許出願第PCT/US03/09544号(代理人整理番号38547.8005.WO00)、および2003年4月18日出願の低周波数スペクトル成分に基づくサンプル検出システムおよび方法(SYSTEM AND METHOD FOR SAMPLE DETECTION BASED ON LOW−FREQUENCY SPECTRAL COMPONENTS)という名称の国際特許出願第PCT/US03/11834号(代理人整理番号38547.8006.WO00)の一部継続出願であり、これらの利益を主張する。
原子または分子化合物を特徴付けるための様々な分光機器が存在する。それらには、これらに限定されないが、X線、UV、可視光、赤外線およびマイクロ波分光法や、核および電子スピン共鳴(NMRおよびESR)分光法が含まれる。一般に分光機器は、少なくとも4つの異なるタイプの化学分析的問題に対して有用である。第1は、原子および分子化合物をその分光写真的(spectrographic)特性、例えばスペクトル成分に従って特徴付けることであり、第2は、化合物を構成する原子のスペクトル特性に従って化合物の原子組成を決定することであり、第3は、化合物内の原子間相互作用のスペクトル特性に従って分子化合物の2次元または3次元コンフォメーションを決定することであり、第4は、検出する化合物の特徴的なスペクトル特性に従ってサンプル中の構成要素、例えば汚染物を検出および特定することである。
C. Temperton,"Implementation of a Self-Sorting In-Place Prime Factor FFT Algorithm",Journal of Computation Physics,v. 58,p. 283,1985 Bendat & Piersol,"Engineering Applications of Correlation and Spectral Analysis",1993
既存の分光機器の大部分は、感度、得られる情報、測定の容易さ、およびコストの点で何らかの固有の利点をもたらす。各機器はその他の方法では入手可能でない情報を提供するので、可能な限り多くの関連ある分光機器を化学分析に関与させることが一般に有益である。
本発明は、一態様で、例えばサンプル内の分子運動に関係する低周波数放射などの、サンプル材料の分光放射特性を特徴付ける方法を含む。この方法は、サンプル持続時間Tの間のサンプルの時間領域信号、および時間領域信号のサンプリングのサンプリングレートFを使用し、FTは全サンプルカウントSであり、Fは、サンプリングレートFでサンプリングされた時間領域信号の実高速フーリエ変換の周波数領域分解能fの約2倍であり、nが少なくとも10であるとしてS>fnである。プログラムは、格納した時間領域信号からS/n個のサンプルを選択し、そのサンプルに対して実高速フーリエ変換(RFFT)を実行する。次にRFFTを(例えば、最大値を1に設定することによって)正規化し、正規化信号から信号の平均出力を計算する。次にプログラムは、f個の選択した周波数のイベントビンのそれぞれにイベントカウントを配置する。ただし、対応する選択した周波数での測定出力≧平均出力εが成り立ち、0<ε<1であり、εは、イベントビンに配置された全カウント数がそのビン中の可能な最大ビンカウントの約20〜50%の間となるように選ばれる。これらのステップをn回反復し、選択した周波数範囲にわたる各イベントビンfについて、各ビン中のイベントカウント数を示すヒストグラムを生成する。
この方法は、RFFTからの正規化出力値をf個の対応する周波数の出力ビンに配置するステップと、nサイクルのプログラム動作の後、(a)f個の出力ビンのそれぞれに配置された蓄積値をnで割り、各ビン中の平均パワーを生成し、(b)各ビン中の平均出力をヒストグラム上に表示するステップとをさらに含むことができる。この方法は、ヒストグラム中の、所与のしきい値および平均出力より多いイベントカウントを有するビンを識別することをさらに含むことができる。
注目の材料に関連する低周波数スペクトルシグナチャであって、上記の方法で生成されるDC〜50kHzの周波数範囲内の周波数成分のリストを備えるシグナチャも開示されている。リスト中の周波数は、DCから50kHzの間の選択した周波数範囲内の複数のスペクトル増分のそれぞれで生じる、サンプル依存の確率的イベント(stochastic event)数からなるヒストグラムから識別することができる。
別の態様で、本発明は、低振動数分子運動を示すサンプルを調査するための装置を含む。この装置は、サンプルを収容するように適合され、磁気遮蔽および電磁遮蔽されたコンテナ、前記コンテナ中のサンプルへの注入のための調節可能ガウス雑音出力源、および注入されたガウス雑音に重ねられたサンプル源放射(sample source radiation)からなる電磁時間領域信号を検出する検出器を備える。装置内の電子コンピュータは、検出器から時間領域信号を受け取り、信号を処理して、選択したガウス雑音源の出力設定で、DCと50kHzの間の選択した周波数範囲内のサンプルに特徴的な低周波数スペクトル成分を表示するスペクトルプロットを生成する。
一般的な一実施形態で、電子コンピュータは、(i)DCから50kHzの間の選択した周波数範囲内で、複数の定義された時間枠のそれぞれにわたる時間領域信号の一連のフーリエスペクトルを計算し、(ii)フーリエスペクトルの平均を取るように機能する信号アナライザを備える。
通常、1〜5秒の時間領域間隔にわたってそれぞれ取られた、少なくとも5つのフーリエスペクトルが計算される。
別の一般的な実施形態で、電子コンピュータは、スペクトルイベントのヒストグラムを生成するための上述の方法を実施するように動作可能な機械読み取り可能なコードを備える。
装置内のガウス雑音源は、調節可能出力ガウス雑音発生器、ならびに磁気ケージおよびファラデーケージ内に含まれ、100mVから1Vの範囲の選択された雑音出力信号を雑音発生器から受けるヘルムホルツコイルとすることができる。インジェクタは、たとえばDCから8kHzの間の周波数でガウス雑音をサンプルに注入するように設計されている。
装置内の検出器は、電流信号を出力する1次微分型超伝導グラジオメータ、およびグラジオメータに動作可能に接続され電流信号を増幅された電圧信号に変換するSQUIDとすることができる。
装置内のコンテナは、サンプル収容領域を有する減衰管、その領域を囲む磁気遮蔽ケージ、および磁気遮蔽ケージ内に含まれ、やはりその領域を囲むファラデーケージを備えることができる。この実施形態では、ガウス雑音源は、ガウス雑音発生器ならびに磁気ケージおよびファラデーケージ内に含まれ、雑音発生器から雑音出力信号を受け取るヘルムホルツコイルを備えることができる。それはさらに、時間依存信号から定常雑音成分を除去する際に使用するために、前記雑音源および前記SQUIDに動作可能に接続され、雑音源からガウス雑音を受け取り、サンプルに注入されたガウス雑音に対して反転した形のガウス雑音を前記SQUIDに出力する信号反転器を備える。
さらに別の態様で、本発明は、低振動数分子運動を示すサンプルを調査する方法を含む。この方法を実施する際に、サンプルは磁気遮蔽および電磁遮蔽の両方を有するコンテナ内に配置され、選択した雑音振幅でガウス雑音がサンプルに注入される。注入したガウス雑音に重ねられたサンプル源放射からなる電磁時間領域信号が記録され、これから、ガウス雑音源の選択した出力設定で、DCから50kHzの間の選択した周波数範囲内の、サンプルに特徴的な低周波数のサンプル依存スペクトル成分を含むスペクトルプロットが生成される。最大数または最大数付近の、サンプルに特徴的なスペクトル成分を示すプロットが生成されるまで、選択した異なる雑音振幅で各ステップが反復される。
一実施形態で、(i)DCから50kHzの間の選択した周波数範囲内の、複数の定義された時間枠のそれぞれにわたる時間領域信号の一連のフーリエスペクトルを計算し、(ii)フーリエスペクトルの平均を取ることによってスペクトルプロットが生成される。
別の一般的な実施形態で、スペクトルプロットが上記のヒストグラム方法によって生成される。
本発明の上記およびその他の目的および特徴は、本発明の以下の詳細な説明を添付の図面と共に読むときにより完全に明らかとなるであろう。
図面では、同一の参照番号は、同一または相当に類似の要素または動作を識別する。任意の特定の要素または動作の議論を容易に識別できるように、参照番号中の最上位の1つまたは複数の桁は、その要素が最初に導入された図の番号を指す。
I. 定義
以下の用語は、別段の指示がない限り、以下の定義を有する。
「分子回転を示すサンプル」とは、サンプルを構成する又はサンプル中に存在する分子化合物または原子イオンのうちの1つまたは複数が回転を示す、気体、液体、または固体(固体金属を除く)のサンプル材料を指す。
「磁気遮蔽」とは、遮蔽材料の透磁率の結果として磁束の通過を阻止または防止する遮蔽を指す。
「電磁遮蔽」とは、たとえば標準ファラデー(standard Faraday)電磁遮蔽を指す。
「時間領域信号」または「時系列信号」とは、時間と共に変化する過渡的信号特性を有する信号を指す。
「サンプル源放射」とは、磁場中の分子ダイポールの回転などのサンプルの分子運動の結果として生じる磁束放射を指す。
「ガウス雑音」とは、ガウス出力分布を有する無秩序雑音を意味する。
「定常白色ガウス雑音」とは、予測可能な未来成分をまったく有しない無秩序ガウス雑音を意味する。
「周波数領域スペクトル」とは、時間領域信号のフーリエ周波数プロットを指す。
「スペクトル成分」とは、周波数、振幅、および/または位相領域で測定することのできる、時間領域信号内の単独のまたは反復される特性を指す。スペクトル成分は、一般には周波数領域に存在する信号を指す。
第1のサンプルを参照しての「類似サンプル」とは、第1サンプルと同一のサンプル、または第1サンプルとほぼ同一のサンプル成分を有するサンプルを指す。
「ファラデーケージ」とは、望ましくない電磁放射に対してグランドへの電気的経路を与え、それによって電磁的環境を静める電磁遮蔽構成を指す。
II. 装置
以下では、注目のサンプルの低周波数電磁放射または信号を検出、処理、および提示するためのシステムおよび方法を詳細に説明する。一実施形態で、既知の白色雑音信号またはガウス雑音信号がサンプルに導入される。ガウス雑音は、サンプルからの電磁放射を信号検出システムで十分に検出できるように設定される。検出された信号のセットは共に処理され、再現性および統計的関連性が保証される。得られる放射パターンまたはスペクトルを、特定の物質として表示、格納、および/または識別することができる。
以下の説明は、本発明の実施形態を完全に理解し、本発明の実施形態に関する説明を可能にするための特定の詳細を与える。しかし、こうした詳細なしに本発明を実施できることを当業者は理解するだろう。他の例では、本発明の実施形態の説明を不必要にあいまいにすることを避けるため、周知の構造および機能を詳細には図示または説明していない。
以下で詳細に説明するように、本発明の実施形態は、低しきい値分子電磁信号の反復可能な検出および記録のための装置および方法を提供することを対象とする。磁気的に遮蔽されたファラデーケージが、外部電磁信号からサンプル材料および検出装置を遮蔽する。磁気的に遮蔽されたファラデーケージ内では、コイルが白色雑音またはガウス雑音を注入し、非鉄トレイがサンプルを収容し、グラジオメータが低しきい値分子電磁信号を検出する。この装置は、超伝導量子干渉素子(「SQUID」)および前置増幅器をさらに備える。
この装置は、サンプルを磁気的に遮蔽されたファラデーケージ内に、雑音コイルおよびグラジオメータに近接して配置することによって使用される。白色雑音が、雑音コイルによって注入され、分子電磁信号が確率共鳴によって増大するまで変調される。次いで、ファラデーケージによって外部干渉から遮蔽された増大した分子電磁信号、および雑音コイルによって生成された磁場が、グラジオメータおよびSQUIDによって検出および測定される。次いで、信号が増幅され、任意の適切な記録または測定装置に送られる。
図1を参照すると、外側から内側の方向に、磁気シールドである導電性ワイヤケージ16、および電磁遮蔽を提供する内部導電性ワイヤケージ18および20を備える遮蔽構造10が示されている。別の実施形態で、外部磁気シールドはアルミニウムニッケル合金被膜を有する固体アルミニウム板材料で形成され、電磁遮蔽は固体アルミニウムでそれぞれ形成された2つの内部壁構造によって与えられている。
図2を参照すると、ファラデーケージ10は頂部で開いており、側部開口12および14を備える。ファラデーケージ10はさらに、互いに入れ子状に重ねられた3つの銅メッシュケージ16、18、および20を備える。銅メッシュケージ16、18、および20のそれぞれは、各ケージ間の誘電体障壁(図示せず)によって他のケージから電気的に分離されている。
側部開口12および14は、減衰管22および24をさらに備え、外部干渉源からケージの内部を分離しながらファラデーケージ10の内部へのアクセスを提供する。図3を参照すると、減衰管24は、互いに入れ子状に重ねられた3つの銅メッシュ管26、28、および30を備える。外部銅メッシュケージ16、18、および20はそれぞれ、銅メッシュ管26、28、および30のうちの1つに電気的に接続されている。減衰管24はさらに、穴34を有するキャップ32で覆われている。減衰管22は、同様に銅メッシュ管26、28、および30を備えるが、キャップ32を備えない。
図2を再び参照すると、低密度非鉄サンプルトレイ50がファラデーケージ10の内部に取り付けられている。サンプルトレイ50は、ファラデーケージ10から減衰管22および側部開口12を通じて取り外すことができるように取り付けられている。ファラデーケージ10の中心垂直軸から減衰管22の最外縁までの距離よりもそれぞれ長い3本のロッド52が、サンプルトレイ50に取り付けられている。3つのロッド52は、減衰管22の内部曲線(interior curve)に合致するように適合され、その結果、ロッドを減衰管内に静止させることによってサンプルトレイ50をファラデーケージ10の中心に配置することができる。図示する実施形態では、サンプルトレイ50およびロッド52は、ガラス繊維エポキシ製である。サンプルトレイ50およびロッド52を他の非鉄材料で作成することもでき、単一のロッドなどの他の手段によってトレイをファラデーケージ10内に取り付けることもできることが当業者に容易に理解されるだろう。
図2を再び参照すると、低温デュワー100が、ファラデーケージ10内のサンプルトレイ50の上に取り付けられている。開示の実施形態では、デュワー100はファラデーケージ10の頂部の開口内にはめ合わさるように適合され、Tristan Technologies,Inc.製のモデルBMD−6液体ヘリウムデュワーである。デュワー100は、ガラス繊維エポキシ複合材料で構成されている。非常に狭い視野のグラジオメータ110が、デュワー100内の、その視野がサンプルトレイ50を包含するような位置に取り付けられている。図示する実施形態では、グラジオメータ110は2%平衡(balance)を有する、公称直径1センチメートルの1次軸方向検出コイルであり、超伝導体で形成されている。グラジオメータは、平面型グラジオメータを除く任意の形態のグラジオメータとすることができる。グラジオメータ110は、ある低温直流超伝導量子干渉素子(「SQUID」)120の入力コイルに接続されている。開示の実施形態では、SQUIDは、Tristan Technologies,Inc.製のモデルLSQ/20 LTS dc SQUIDである。本発明の精神および範囲から逸脱することなく高温SQUIDまたは交流SQUIDを使用できることが当業者に理解されるだろう。代替実施形態では、SQUID120は雑音抑圧コイル124を備える。
開示のグラジオメータ110とSQUID120の組合わせは、磁場を測定するときに5マイクロテスラ/√Hzの感度を有する。
SQUID120の出力は、Tristan Technologies,Inc.製のモデルSP低温ケーブル130に接続されている。低温ケーブル130は、デュワー100内外の温度に耐え、SQUID120からの信号を、ファラデーケージ10およびデュワー100の外に取り付けられているFLL(Flux−Locked Loop)140に転送する。開示の実施形態でのFLL140は、Tristan Technologies,Inc.製のiFL−301−L FLLである。
図1を参照すると、FLL140はさらに、SQUID120から受け取った信号を増幅し、ハイレベル出力回路142を介してiMC−303 iMAG(登録商標)SQUIDコントローラ150に出力する。FLL140はまた、モデルCC−60 6メータ光ファイバ複合接続ケーブル144を介してSQUIDコントローラ150に接続されている。光ファイバ接続ケーブル144およびSQUIDコントローラ150は、Tristan Technologies,Inc.製である。コントローラ150は、磁気遮蔽ケージ40の外部に取り付けられている。光ファイバ接続ケーブル144は、SQUIDコントローラ150からFLL140に制御信号を伝送し、測定すべき信号との電磁干渉の可能性をさらに低減する。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他のFLL、接続ケーブル、およびSquidコントローラを使用できることは当業者に明らかであろう。
SQUIDコントローラ150は、高分解能アナログ−デジタル変換器152、デジタル化信号を出力するための標準GP−IBバス154、およびアナログ信号を出力するためのBNCコネクタ156をさらに備える。図示する実施形態では、BNCコネクタは、パッチコード162を介して2現象オシロスコープ160に接続されている。
図2を参照すると、サンプルトレイがファラデーケージ10内に完全に挿入されたとき、2素子ヘルムホルツ変成器60がサンプルトレイ50のどちらかの側に設置される。図示する実施形態では、ヘルムホルツ変成器60のコイル巻線62および64は、直流から50キロヘルツの範囲で動作するように設計され、中心周波数25キロヘルツ、自己共振周波数8.8メガヘルツである。図示する実施形態では、コイル巻線62および64は、一般に矩形であり、ほぼ高さ8インチ、幅4インチである。他のヘルムホルツコイル形状も使用することができるが、グラジオメータ110およびサンプルトレイ50がヘルムホルツコイルによって生成される磁場の範囲内に配置されるような形状およびサイズであるべきである。コイル巻線62および64のそれぞれは、2つの低密度非鉄フレーム66および68の一方の上に取り付けられている。フレーム66および68は、ヒンジ式に互いに接続され、脚部70によって支持されている。フレーム66および68は、デュワー100の下部に対するフレームの垂直運動が可能となるようにスライド可能に脚部70に取り付けられている。フレームの運動により、ヘルムホルツ変成器60のコイル巻線62および64を調節して、グラジオメータ110で受け取られる白色雑音の振幅を変更することが可能となる。脚部70は、ファラデーケージ10の底部上に載り、またはエポキシ樹脂で接着されている。図示する実施形態では、フレーム66および68ならびに脚部70はガラス繊維エポキシ製である。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、サンプルトレイ50を取り囲む他の変成器またはコイルの構成も使用することができる。
図4を参照すると、ファラデーケージおよびその内容の断面図が示されており、ヘルムホルツ変成器60の巻線62がデュワー100およびファラデーケージ10との関係で示されている。図4では、サンプルトレイ50およびサンプル200の配置にも留意されたい。
図5を参照すると、ヘルムホルツコイル巻線62および64が垂直方向に固定され、追加の雑音コイル300がサンプルトレイ50の下に配置された代替実施形態が示されている。追加の雑音コイル300の巻線は、ヘルムホルツ変成器60の垂直巻線62および64に対してほぼ直角であり、したがって追加の雑音コイル300の巻線は、ファラデーケージ10の底部とほぼ平行な向きである。
この代替実施形態では、ヘルムホルツコイルに供給するのと同一の撚線対(図示せず)から雑音が雑音コイル300に供給される。雑音源は、雑音をヘルムホルツコイルに供給するのに使用されるのと同一の雑音発生器から発生する。雑音は、追加の雑音出力接続を介して雑音発生器でサンプリングされ、または雑音発生器への出力接続から平衡スプリッタ(balanced splitter)を介してサンプリングされる。追加の雑音コイル300での雑音信号の減衰は、その多くが市販されている調節可能RF信号減衰回路を通じて、または適切な一連の固定値RF減衰フィルタを介して行われる。
図6を参照すると、ヘルムホルツ変成器60のコイルを支持するフレームの詳細を知ることができる。図6の参照点は図4の視点から90度の角度であり、ファラデーケージ10が省略されている。ほぼ垂直な位置にあり、かつ互いに平行なヘルムホルツコイルのコイル巻線を示すように、フレーム66および68が配置されている。フレーム66’および68’は、ヘルムホルツ変成器のコイル巻線を互いに非平行な関係に配置するような、前記フレームを接合するヒンジ式接続の軸の周りの回転を示している。
図1を再び参照すると、振幅調節可能白色雑音発生器80が磁気遮蔽ケージ40の外部にあり、電気的ケーブル82により、フィルタ90を介してヘルムホルツ変成器60に電気的に接続されている。図3を参照すると、ケーブル82は側部開口12、減衰管24を通り、穴34を介してキャップ32を通る。ケーブル82は、内部磁気遮蔽86および外部磁気遮蔽88によってそれぞれ囲まれた銅導線84の撚線対をさらに備える同軸ケーブルである。他の実施形態で、導線は、銀または金などの任意の非磁性導電性材料とすることができる。内部磁気遮蔽86および外部磁気遮蔽88はキャップ32で終了し、撚線対84が、エンドキャップから図1に示したヘルムホルツ変成器60までの残りの距離に及ぶようにする。内部磁気遮蔽86は、キャップ32を通じてファラデーケージ16に電気的に接続され、外部磁気遮蔽は、図1に示した磁気的に遮蔽されたケージ40に電気的に接続されている。
図1を参照すると、白色雑音発生器80は、0から100キロヘルツの周波数スペクトルにわたってほぼ一様な雑音を生成することができる。図示する実施形態では、フィルタ90は、50キロヘルツより上の雑音を除去するが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の周波数範囲も使用することができる。
白色雑音発生器80はまた、パッチコード164を通じて2現象オシロスコープ160の他の入力に電気的に接続されている。
図1、2、および3を参照すると、測定すべき物質200のサンプルがサンプルトレイ50上に配置され、サンプルトレイがファラデーケージ10内に配置されている。第1の実施形態では、ヘルムホルツ変成器60に白色雑音を注入するのに白色雑音発生器80が使用される。雑音信号は、グラジオメータ110で誘導電圧を生成する。次いで、グラジオメータ110での誘導電圧がSQUID120によって検出および増幅され、SQUIDからの出力がFLL140によってさらに増幅され、SQUIDコントローラ150に送られ、次いで2現象オシロスコープ160に送られる。2現象オシロスコープ160は、白色雑音発生器80によって生成された信号を表示するのにも使用される。
白色雑音信号は、白色雑音発生器80の出力を変更することにより、および図2に示したヘルムホルツ変成器60をサンプル200の周りで回転することによって調節される。フレーム66および68のヒンジ式接続の軸の周りのヘルムホルツ変成器60の回転により、グラジオメータ110についてのヘルムホルツ変成器60のフェージングが変更される。所望の位相変更に応じて、フレーム66および68のヒンジ式接続により、巻線62および64を互いに平行のままにすると共に、サンプルトレイ50の周りに約30から40度回転することが可能となる。ヘルムホルツ変成器60によって生成された磁場の信号フェージングをグラジオメータ110について変更するために、ヒンジ式接続により、巻線62および64を平行から約60度まで回転することも可能となる。典型的な位相の調節は、この非平行の向きを含むが、ある環境では、例えば不規則な形状のサンプル200を収容するために、他の向きが好ましいことがある。雑音が検出しようとする分子電磁放射より30から35デシベル上になるまで雑音が加えられ、調節される。この雑音レベルでは、雑音は、周知の現象である確率共鳴により分子電磁信号の特徴を帯びる。グラジオメータ110によって検出された信号を反映するオシロスコープトレースが白色雑音発生器80から直接得られる信号を反映するトレースから変化したとき、求める確率的生成物が観測される。代替実施形態では、市販の任意の装置で信号を記録および処理することができる。
代替実施形態では、分子電磁信号を検出する方法は、SQUID120の雑音抑圧コイル124により、ヘルムホルツ変成器60で加えられる元の雑音信号と180°位相が異なる雑音を注入することをさらに含む。次いで、グラジオメータ110で検出される信号を反映するオシロスコープトレースが非ランダムとなったとき、求める確率的生成物を観測することができる。
雑音をどのように注入および調節するかに関わらず、スペクトルピークの増加が生じるときを観測することによって確率的生成物を求めることもできる。スペクトルピークは、オシロスコープ160上のラインプロットとして、または数値として観測することができ、あるいは他の周知の測定装置で観測することができる。
本発明の実施形態は、極めて低いしきい値の分子電磁信号を外部干渉なしに検出する方法および装置を提供する。本発明の実施形態はさらに、多種多様な信号記録および処理装置で容易に使用可能なフォーマットでのこうした信号の出力を可能にする。
次に図7を参照すると、上記の各図の分子電磁放射検出および処理システムに対する代替実施形態が示されている。システム700は、処理装置704に結合された検出ユニット702を備える。検出ユニット702の外部に処理装置704を図示しているが、処理装置の少なくとも一部を検出ユニット内に配置することもできる。
図7の断面図に示す検出ユニット702は、互いに入れ子状に重ねられた、または互いに同心の複数の構成要素を備える。サンプルチャンバまたはファラデーケージ706が金属ケージ708内に入れ子状に重ねられる。サンプルチャンバ706および金属ケージ708のそれぞれは、アルミニウム材料からなることができる。サンプルチャンバ706は、真空中に維持することができ、設定温度に温度制御することができる。金属ケージ708は、低域フィルタとして機能するように構成されている。
平行な加熱コイルまたは素子のセット710が、サンプルチャンバ706と金属ケージ708の間にあり、サンプルチャンバ706を取り囲んでいる。1つまたは複数の温度センサ711も加熱素子710およびサンプルチャンバ706に近接して配置されている。例えば、サンプルチャンバ706の外部の周りの異なる場所に、4つの温度センサを配置することができる。加熱素子710および温度センサ711は、サンプルチャンバ706内部をある温度に維持するように構成されている。
シールド712が金属ケージ708を取り囲んでいる。シールド712は、サンプルチャンバ706に対する追加の磁場遮蔽または分離を与えるように構成されている。シールド712は、鉛または他の磁気遮蔽材料からなることができる。サンプルチャンバ706および/または金属ケージ708によって十分な遮蔽が与えられるとき、シールド712は任意選択である。
G10絶縁を備えた寒剤層716がシールド712を取り囲んでいる。寒剤は液体ヘリウムとすることができる。寒剤層716(低温デュワーとも呼ばれる)は、動作温度4ケルビンである。外部シールド718が寒剤層716を取り囲んでいる。外部シールド718は、ニッケル合金からなり、磁気シールドとなるように構成されている。検出ユニット702によって与えられる全磁気遮蔽量は、デカルト座標系の3つの直交面に沿って約−100dB、−100dB、および−120dBである。
上述の様々な要素は、エアギャップまたは誘電体障壁(図示せず)によって互いに電気的に分離されている。説明を容易にするために、各要素を互いに原寸に比例するように図示していないことも理解されたい。
サンプルホルダ720を、手動で、または機械的にサンプルチャンバ706内に配置することができる。サンプルホルダ720を下げることができ、上げることができ、またはサンプルチャンバ706の頂部から取り除くことができる。サンプルホルダ720は、うず電流を導入せず、固有の分子回転をほとんどまたは全く示さない材料からなる。一例を挙げると、サンプルホルダ720は、高品質ガラスまたはパイレックス(登録商標)からなることができる。
検出ユニット702は、固体サンプル、液体サンプル、または気体サンプルを扱うように構成されている。検出ユニット702では様々なサンプルホルダを使用することができる。例えば、サンプルのサイズに応じて、より大きなサンプルホルダを使用することができる。別の例として、サンプルが空気に対して反応性があるとき、サンプルをカプセル化し、またはサンプルの周りに気密シールを形成するようにサンプルホルダを構成することができる。さらに別の例では、サンプルが気体であるとき、サンプルホルダ720なしにサンプルチャンバ706内部にサンプルを導入することができる。そのようなサンプルでは、サンプルチャンバ706が真空に保たれる。サンプルチャンバ706の頂部の真空シール721は、真空を維持し、かつ/またはサンプルホルダ720を収容することを助ける。
検出コイルとも呼ばれる感知コイル722および感知コイル724が、それぞれサンプルホルダ720の上および下に設けられている。感知コイル722、724のコイル巻線は、直流(DC)から約50キロヘルツ(kHz)の範囲で動作するように構成され、中心周波は数25kHzであり自己共振周波数は8.8MHzである。感知コイル722、724は、2次微分型であり、ほぼ100%の結合(coupling)を達成するように構成されている。一実施形態では、コイル722、724は概して矩形であり、G10ファスナ(G10 fastener)によって定位置に保たれている。コイル722、724は、2次微分型グラジオメータとして機能する。
ヘルムホルツコイル726および728は、本明細書で説明されるように、シールド712と金属ケージ708の間に垂直に配置することができる。コイル726および728のそれぞれは、互いに独立に上昇させることができ、または下降させることができる。白色またはガウス雑音生成コイルとも呼ばれるコイル726および728は、室温または周囲温度である。コイル726、728で生成される雑音は、約0.10ガウスである。
サンプルからの放射とコイル722、724との間の結合の程度は、コイル722、724に対してサンプルホルダ720を再配置することによって、またはサンプルホルダ720に対してコイル726、728の一方または両方を再配置することによって変更することができる。
処理装置704は、コイル722、724、726、および728に電気的に結合されている。処理装置704は、コイル726、728によってサンプルに注入すべき白色またはガウス雑音を指定する。処理装置104はまた、注入されたガウス雑音と混合されたサンプルの電磁放射からコイル722、724で誘導電圧を受け取る。
図8を参照すると、本発明の諸態様を利用する処理装置は、サンプル842をファラデーケージ844およびヘルムホルツコイル746内に挿入し、またはそれらから取り外すことを可能にするサンプルトレイ840を備える。SQUID/グラジオメータ検出器アセンブリ848が低温デュワー850内に配置されている。FLL852がSQUID/グラジオメータ検出器アセンブリ848とSQUIDコントローラ854との間に結合されている。SQUIDコントローラ854は、Tristanによって提供されるモデルiMC−303iMAG多重チャネルコントローラとすることができる。
アナログ雑音発生器856は、(上述の)雑音信号を位相ロックループ(phase lock loop)858に供給する。位相ロックループのx軸出力は、ヘルムホルツコイル846に供給され、例えば20dBだけ減衰させることができる。位相ロックループのy軸出力は、信号スプリッタ860で分割される。y軸出力の一方の部分は、グラジオメータに対する別個の入力を有するSQUIDの雑音相殺コイルに入力される。y軸信号の他の部分は、Tektronix TDS 3000b(例えばモデル3032b)のようなフーリエ機能を有するアナログ/デジタルオシロスコープなどのオシロスコープ862に入力される。すなわち、位相ロックループのx軸出力はヘルムホルツコイルを駆動し、反転形であるy軸出力は分割されてSQUIDおよびオシロスコープに入力される。したがって、位相ロックループは信号反転器として機能する。オシロスコープトレースは、例えば非定常スペクトル成分を生成するのに十分なレベルの雑音が達成された時を判定するために、アナログ雑音信号を監視するのに使用される。コントローラ854に結合されたアナログテープレコーダまたは記録装置864は、装置から出力された信号を記録し、好ましくは、広帯域(例えば50kHz)レコーダである。PCコントローラ866は、例えばRS232ポートを介して、コントローラ854とインターフェースするMS Windows(登録商標)ベースのPCとすることができる。
図9に、処理装置の別の実施形態のブロック図が示されている。2位相ロックインアンプ202が、第1の信号(例えば「x」信号または雑音信号)をコイル726、728に供給し、第2の信号(例えば「y」雑音または雑音相殺信号)を超伝導量子干渉素子(SQUID)206の雑音相殺コイルに供給するように構成されている。増幅器202は、外部参照なしにロックするように構成されており、Perkins Elmerモデル7265DSPロックインアンプとすることができる。この増幅器は「仮想モード」で動作し、仮想モードでは、増幅器は初期参照周波数にロックし、次いで、自由に動作して「雑音」にロックすることが可能となるように参照周波数を除去する。
アナログ雑音発生器200は、増幅器202に電気的に結合されている。発生器200は、増幅器202を介してコイル726、728でアナログ白色ガウス雑音を生成または誘導するように構成されている。一例を挙げると、発生器200は、General Radio製のモデル1380とすることができる。
インピーダンス変圧器204が、SQUID206と増幅器202との間に電気的に結合されている。インピーダンス変圧器204は、SQUID206と増幅器202との間のインピーダンス整合を実現するように構成されている。
SQUID206の雑音相殺機能は、オンまたはオフすることができる。雑音相殺機能がオンされるとき、SQUID206は、検出した放射から、注入された雑音成分を相殺し、または無効にすることができる。雑音相殺を実現するために、コイル726、728の第1の信号は、検出しようとする分子電磁放射より20dBまたは35dB上の雑音信号である。このレベルでは、注入された雑音は、確率共鳴により分子電磁信号の特徴を帯びる。SQUID206への第2の信号は雑音相殺信号であり、SQUID出力で雑音を無効にするのに十分な振幅で第1の信号から反転されている(例えば、第1の信号に対して位相が180度ずれている)。
SQUID206は低温直接要素SQUID(direct element SQUID)である。一例を挙げると、SQUID206は、Tristan Technologies,Inc.製のモデルLSQ/20 LTS dC SQUIDである。あるいは、高温または交流SQUIDを使用することもできる。コイル722、724(例えば、グラジオメータ)とSQUID206(SQUID/グラジオメータ検出器アセンブリと総称する)は、組み合わさって約5マイクロテスラ/√Hzの磁場測定感度を有する。コイル722、724内の誘導電圧は、SQUID206で検出され、増幅される。SQUID206の出力は、約0.2〜0.8マイクロボルトの範囲の電圧である。
SQUID206の出力は、SQUIDコントローラ208への入力である。SQUIDコントローラ208は、SQUID206の動作状態を制御し、さらに、検出信号を調整するように構成されている。一例を挙げると、SQUIDコントローラ208は、Tristan Technologies,Inc.製のiMC−303iMAG多重チャネルSQUIDコントローラとすることができる。
SQUIDコントローラ208の出力は、増幅器210に入力される。増幅器210は、0〜100dBの範囲の利得を与えるように構成されている。雑音相殺ノードがSQUID206でオンにされているとき、約20dBの利得が与えられる。SQUID206が雑音相殺を与えないとき、約50dBの利得が与えられる。
増幅信号は、レコーダまたは記憶装置212に入力される。レコーダ212は、アナログの増幅された信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を格納するように構成されている。一実施形態では、レコーダ212は、Hz当り8600個のデータ点を格納し、2.46Mビット/秒を処理することができる。一例を挙げると、レコーダ212は、ソニーのデジタルオーディオテープ(DAT)レコーダとすることができる。DATレコーダを使用して、生の信号またはデータセットを、表示または特定の処理のために第3者に望み通りに送ることができる。
低域フィルタ214が、レコーダ212からのデジタル化データセットをフィルタする。低域フィルタ214はアナログフィルタであり、バターワースフィルタとすることができる。遮断周波数は約50kHzである。
次に、帯域フィルタ216が、フィルタ後のデータセットをフィルタする。帯域フィルタ216は、DCから50kHzの間の帯域幅を有するデジタルフィルタとなるように構成されている。帯域フィルタ216は、異なる帯域幅用に調節することができる。
帯域フィルタ216の出力は、フーリエ変換器プロセッサ218への入力である。フーリエ変換プロセッサ218は、時間領域のデータセットを周波数領域のデータセットに変換するように構成されている。フーリエ変換プロセッサ218は、高速フーリエ変換(FFT)型の変換を実行する。
フーリエ変換後のデータセットは、相関および比較プロセッサ220に入力される。レコーダ212の出力もプロセッサ220に入力される。プロセッサ220は、(雑音相殺がSQUID206によって与えられないとき)先に記録されたデータセットと当該データセットを相関させ、しきい値を求め、雑音相殺を実行するように構成されている。プロセッサ220の出力は、サンプルの分子低周波数電磁放射のスペクトルを表す最終データセットである。
グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などのユーザインターフェース(UI)222を、少なくともフィルタ216およびプロセッサ220に接続して信号処理パラメータを指定することもできる。フィルタ216、プロセッサ218、およびプロセッサ220は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装することができる。例えば、フィルタ216およびプロセッサ218を1つまたは複数の半導体チップに実装することができる。プロセッサ220は、コンピューティングデバイスに実装されたソフトウェアとすることができる。
この増幅器は「仮想モード」で動作し、仮想モードでは、増幅器が初期参照周波数にロックし、次いで、自由に動作して「雑音」にロックすることが可能となるように参照周波数を除去する。アナログ雑音発生器(これはGeneral Radioによって製造され、全くアナログの雑音発生器である)は、ヘルムホルツおよび雑音相殺コイルについて、それぞれ20dBおよび45−dBの減衰を必要とする。
ヘルムホルツコイルは、1パーセントの1/100の平衡を持つ約1立方インチのスイートスポット(sweet spot)を有することができる。代替実施形態では、ヘルムホルツコイルは、垂直方向の運動と(垂直アクセスの周りの)回転運動のどちらも行うことができ、平行からパイ(pie)形に広がることができる。一実施形態では、SQUID、グラジオメータ、および駆動変圧器(コントローラ)は、それぞれ1.8、1.5、および0.3マイクロヘンリーの値を有する。ヘルムホルツコイルは、スイートスポットで0.5ガウス/アンペアの感度を有することができる。
確率応答(stochastic response)には約10から15マイクロボルトが必要となる可能性がある。雑音を注入することにより、システムは、SQUID装置の感度を上げている。SQUID装置は、雑音なしで約5フェムトテスラの感度を有していた。このシステムは、雑音を注入し、この確率共鳴応答を使用することにより、25から35dBだけ感度を改善することができた。これはほぼ1500%の増加になる。
システムから信号を受信および記録した後、メインフレームコンピュータ、スーパーコンピュータ、または高性能コンピュータなどのコンピュータは、カリフォルニア州リッチモンドのSystat SoftwareによるAutosignalソフトウェア製品を前処理用に利用すると共に、Flexproソフトウェア製品が後処理を行うことなどにより、前処理および後処理の両方を行う。Flexproは、Dewetron,Inc.によって供給されるデータ(統計)分析ソフトウェアである。Autosignal製品およびFlexpro製品では以下の式またはオプションを使用することができる。
順変換
Figure 0004425922
逆変換
Figure 0004425922
FFTアルゴリズム:
Tempertonのprime factor FFTを用いたBest Exact N(非特許文献1参照)。
データテーパリングウィンドウ:
[cs4 BHarris min] 0.35875−0.48829cos(2Pii/(n−1))+0.14128cos(4Pii/(n−1))−0.01168(6Pii/(n−1)),i=0.n−1
[矩形]固定形状テーパリングが利用可能でない(No fixed shape tapering available)(オシロスコープ)
大きさ:sqrt(ReRe+ImIm) [Re=実数成分、Im=虚数成分]
振幅:2.0sqrt(ReRe+ImIm)/n
db、デシベル:10.0log10(ReRe+ImIm)
反復試験(replicate)の平均:
反復試験は、1e−8の小数点以下の精度の範囲内で一致するX値に基づく。
参照減算:
参照信号減算(ベースライン雑音)は、X(時間)軸に沿った各点(チャネル)でのy軸(振幅)に関して実行される。次いで、負のY値がゼロにされる。
相互相関:
関数は、総和および積分を使用して相互相関関数を計算する。信号は過渡的であるので、相関関数は、直接的な乗算および積分を使用して計算される。ソースチャネル(データ系列)の外部にある、計算に必要な値のすべては0とされる。t<0である点も計算される。
フーリエ有意水準:
モンテカルロデータがパラメータモデルにフィットされる。データサイズNが唯一の因子である場合、単一変量TableCurve 2Dパラメータモデルが使用される。セグメントサイズおよびオーバラップが追加の影響(influence)であるセグメント化されたFFTでは、3変数チェビシェフ多項式が実装される。これらは、Autosignalの下で選択されるオプションである。データセットは、個々に解析されることができ、またはデータセット1が解析され、次いでデータセット1の後半とデータセット2の前半、次いでデータセット2、次いで後半が解析されるという重複した方式で解析されることができる。
図10に、システム100で実施される信号検出および処理のフロー図を示す。サンプルに注目するとき、サンプルなしの時刻tでの第1のデータラン、サンプルを用いた時刻tでの第2のデータラン、サンプルを用いた時刻tでの第3のデータラン、およびサンプルなしの時刻tでの第4のデータランという、少なくとも4つの信号検出またはデータランが実行される。複数のデータランからデータセットを実行および収集することにより、最終的な(例えば相関後の)データセットの精度が向上する。4つのデータランでは、システム100のパラメータおよび条件は一定に保たれる(例えば、温度、増幅量、コイルの位置、雑音信号など)。
ブロック300で、適切なサンプル(または、第1または第4のデータランの場合はサンプルなし)がシステム100内に配置される。雑音が注入されていない所与のサンプルは、約0.001マイクロテスラ以下の振幅で、DC〜50kHzの範囲で電磁放射を放射する。そのような低い放射を取り込むために、ブロック301で白色ガウス雑音が注入される。
ブロック302で、コイル722、724が、サンプルの放射および注入された雑音を表す誘導電圧を検出する。誘導電圧は、データランの継続時間についての時間の関数として、電圧値(振幅および位相)の連続的ストリームからなる。データランは2〜20分の長さとなることが可能であり、したがって、データランに対応するデータセットは、時間の関数としての2〜20分の電圧値を備える。
ブロック304で、誘導電圧が検出されたとき、注入された雑音が相殺される。SQUID206の雑音相殺機能がオフにされるとき、このブロックは省略される。
ブロック306で、ブロック304で雑音相殺が行われたかどうかに応じて、データセットの電圧値が20〜50dBだけ増幅される。ブロック308で、増幅後データセットがアナログ−デジタル(A/D)変換され、レコーダ212に格納される。デジタル化されたデータセットは、数百万行のデータを備えることができる。
取得したデータセットを格納した後、ブロック310で、サンプルに関する少なくとも4つのデータランが行われたか(例えば、少なくとも4つのデータセットを取得したか)どうかを確認するためにチェックが実行される。所与のサンプルに関する4つのデータセットが得られている場合、ブロック312で低域フィルタリングが行われる。そうでない場合、次のデータランが開始される(ブロック300に戻る)。
デジタル化データセットを低域フィルタリング(ブロック312)および帯域フィルタリング(ブロック314)した後、フーリエ変換ブロック316でデータセットが周波数領域に変換される。
次に、ブロック318で、類似のデータセットが各データ点で互いに相関付けられる。例えば、第1のデータラン(例えば、ベースラインまたは周囲雑音データラン)に対応する第1のデータセット、および第4のデータラン(例えば、別の雑音データラン)に対応する第4のデータセットが互いに相関付けられる。所与の周波数での第1のデータセットの振幅値が、その所与の周波数での第4のデータセットの振幅値と同じである場合、その所与の周波数に関する相関値または数は1.0となる。あるいは、相関値の範囲を0〜100の間に設定することもできる。そのような相関または比較が第2および第3のデータラン(例えば、サンプルデータラン)についても行われる。取得したデータセットは格納されるので、後に、残りのデータランが完了したときに、それにアクセスすることができる。
SQUID206が雑音相殺を与えないとき、所定のしきい値レベルが各相関データセットに適用され、統計的に無関係の相関値が削除される。データランの長さ(データランが長くなると、取得されるデータの精度が高くなる)、およびサンプルの実際の放射スペクトルの他のタイプのサンプルに対する類似性に応じて、様々なしきい値を使用することができる。しきい値レベルに加えて、相関の平均が取られる。しきい値を使用し、相関の平均を取る結果、得られる相関データセット中の注入された雑音成分が非常に小さくなる。
雑音相殺がSQUID206で与えられる場合、しきい値の使用および相関の平均は不要である。
2つのサンプルデータセットが相関サンプルデータセットに改良され、2つの雑音データセットが相関雑音データセットに改良された後、相関雑音データセットが相関サンプルデータセットから引かれる。得られるデータセットが最終データセット(例えば、サンプルの放射スペクトルを表すデータセット)である(ブロック320)。
Hz当り8600個のデータ点が存在することができ、最終データセットは周波数範囲DC〜50kHzについてデータ点を有することができるので、最終データセットは、数億行のデータを有することができる。各行のデータは、周波数、振幅、位相、および相関値を含むことができる。
図11Aおよび11Bにサンプル放射スペクトルの例が示されている。図11Aに示すフーリエプロット400は、飽和塩化ナトリウム溶液のサンプルのスペクトルに対応する。図11Bに示すフーリエプロット500は、酵素のサンプルのスペクトルに対応する。
図16を参照して、ここでは上述のシステムに対する別の代替実施形態をシステム1600として説明する。一般に、本明細書に記載の代替例および代替実施形態は、先に説明した実施形態とほぼ同様であり、同じ参照番号は、しばしば共通の要素および機能を識別する。構成または動作の顕著な相違だけを詳細に説明する。
2次微分型グラジオメータが1602として示されており、そこで、ターゲットサンプルがコイルの上部対と下部対との間に配置されている。サンプルの両側の2つの内部コイルは互いに補完し、2つの外部コイル(頂部コイルおよび底部コイル)は互いに補完し、2つの内部コイルと対向する。このような構成により、サンプルからより大きな信号を抽出し、雑音阻止を改善することが可能となる。
図に示し、下記でより詳細に説明するが、システム1600は、デュワー内に延びる中心軸に沿った同心の一連の要素および構成を利用する。ステッパモータ1604が、この同心要素の構成内の軸上にサンプルを配置することを可能にする。具体的には、グラジオメータ1602の中央の所望の位置にサンプルを配置することができる。
同様に、機械マイクロメータまたはステッパモータなどのマイクロメータ調節機構1606が、システム内の要素(サンプルやグラジオメータなど)とヘルムホルツコイルを位置合わせすることを可能にする。そのようなヘルムホルツコイルの調節は、システム1600の製造および較正の助けとなるとともに、グラジオメータ1602に対して一様な場を供給するなど、システム内の場の厳密な位置合わせを可能にする。より良好な確率的結果を生み出し、システム内の雑音をオフセットさせ、または他の利点をもたらすために、場のオフセットまたは場の勾配の変化を与えることも有用であることがある。
図17A、17B、および18に、システム1600内の各要素の同心構成をより明確に示す。サンプル管は、低域フィルタリング金属シールド1802(ステンレス鋼合金など)の中心軸を貫いて延び、2kHz未満の信号を通過させる。外部磁気(MU)シールドは、グラジオメータ、ヘルムホルツコイル、およびサンプルを取り囲んでいる。システム1600の構成は、各図に関して一般に自明である。
General Radio製で、上で説明したランダム白色雑音発生器・モデル1381を、Noise/Com製のプログラム可能ガウス白色雑音発生器で置き換えることができる。そのような発生器は、一方が他方の反転である2つの出力を使用する。一方の出力をヘルムホルツコイルに接続することができ、他方の(反転した)出力を上述のSQUID雑音相殺コイルに接続することができる。
同様に、図19に示すように、上述のTektronixデジタルオシロスコープを、Stanford Research Systems製の2チャネル動的信号アナライザ1902・モデルSR785で置き換えることができる。そのような信号アナライザは、複数の時間領域信号をサンプリングし、複数の周波数領域FFTにわたってその平均を取ることによって入来信号を処理することができる。この結果、すべての非ランダム信号成分のフルスペクトル周波数領域レコードを得ることができる。行うことのできる他の変更には、デジタルオーディオテープ記憶システムをデジタルバーサタイルディスク(DVD)レコーダ1904で置き換えることが含まれる。さらに、下記で説明するヒストグラムを生成するソフトウェアと共に働く、Keithley製のデータ収集ボード1906・モデル3801を使用することができる。
図19に示す代替実施形態では、雑音相殺コイル1908がグラジオメータとSQUIDとの間に接続される(1次微分型グラジオメータを示すが、図16に示すような2次微分型グラジオメータも使用することができる)。図19には図示していないが、(ヘルムホルツコイルに加えられる雑音に対して反転された)反転雑音チャネルを雑音相殺コイル1908に加えることができる(そして、雑音信号を例えば45dBだけ減衰するインピーダンス変圧器を最初に通過させることができる)。図示していない代替実施形態では、SQUID120内のSQUID入力と出力コイルとの間に雑音相殺コイルを配置することができる。
図24〜27を参照すると、上述のシステムに対する代替実施形態が提示されている。図24を参照すると、雑音源2402は、検出器システム2400に雑音入力を供給する。雑音源2402は、予測可能な未来成分を有しない定常白色ガウス雑音を供給することができる。あるいは、雑音源2402は、スペクトルのある領域から別の領域にエネルギーをシフトする対数的特性を含む雑音である構造的雑音を供給することができ、または振幅が一定のままでランダム時間要素を供給することができる(例えば、幅は変化するが、振幅がほぼ一定のパルス)。予測可能な未来成分を有しない真にランダムな雑音に対して、これら2つは、それぞれピンクおよび一様な雑音を表す。さらに雑音源は、一定の振幅を有するが、時間、周波数、またはその両方が変化する一様な雑音を生成することができる。
雑音源2402は、雑音をヘルムホルツコイル726および728に供給し、反転した雑音を雑音コイル1908に供給する2チャンネル雑音発生器である。図示するように、実際には、雑音コイル1908は、2つのコイルを誘導的に結合する変圧器を形成する1対の雑音コイルである。もちろん、当業者は理解するであろうが、反転した雑音をSQUID206の入力に加える他のコイルまたは方法を使用することができる。反転した雑音は、2次微分型グラジオメータ1602で検出された非反転雑音の残りを相殺する。
図25を参照すると、システム2400に対する代替実施形態が検出器システム2500として示されている。ここで、雑音源2402は、第2の独立した雑音源2502と対にされている。第1の雑音源2402は、システム2400と同様に動作する。この雑音源は、確率共鳴の原理を使用してしきい値以下の分子信号を検出可能なレベルに上昇させる際に分子振動を利用する。第2の雑音源2502は第1の雑音源とほぼ同様とすることができ、非反転雑音信号を、雑音コイル1908とSQUID206の入力との間に配置された第2の雑音コイル2504に供給する。次いで、反転した雑音が、雑音コイル(または変圧器)2506を介してSQUID206の出力に加えられる。第2の雑音源2502は、SQUIDの入力で雑音を利用し、SQUIDの出力でその雑音を相殺する。
システム2500の雑音相殺モデルは、SQUIDがしきい値以下の分子信号を雑音と合成し、それによって確率共鳴を介してしきい値以下の信号を検出可能なレベルに上昇させる双安定発振器として働けることを利用する。システム2500は、2段階の確率増幅(stochastic amplication)を効果的に提供する。さらにシステム2500は、ユーザがグラジオメータで、およびSQUIDで信号対雑音比を別個に改善することを可能にする。各雑音源はほぼ同様とすることができるが、応用例に応じて異なる雑音源を利用することもできる。
図26を参照すると、システム2400および2500に対する別の代替実施形態がシステム2600として示されている。システム2400とは異なり、システム2600は、反転された雑音をSQUID206の出力に加える。したがって、反転された雑音のコピーが、SQUID206とFLLまたは他の信号処理要素(図示せず)との間に配置された雑音相殺コイル1908に供給される。(この実施形態は位相変化の補正を必要とする。位相変化の補正は、FLL、ロックインアンプなどで処理することができる。)この場合も、システム2600は、SQUIDがヘルムホルツコイル726、728で放射された雑音をしきい値以下の分子信号と合成し、確率共鳴を使用してしきい値以下の分子信号を検出可能なレベルに上昇させる双安定発振器として働けることを利用する。
図27を参照すると、システム2700は、乱数発生器または他のソフトウェアベースのシステムを利用して、SQUID206の出力で確率増幅を生成する。ここでは、乱数発生器または他の適切なソフトウェアベースのシステムが、加工雑音(engineered noise)2701をヘルムホルツコイル726、728に注入する。この加工雑音は、Excelフォーマットで格納することのできる乱数の順次的なセットである。これらの乱数は、確率共鳴によってしきい値以下の信号を検出可能なレベルに上昇させる際に有用な雑音の生成を駆動するのに使用される。
SQUID206の出力は、データレコーダ212で記録される。信号プロセッサ2704(これは、コンピュータ上で動作するソフトウェア、1つまたは複数のDSPなどとすることができる)が、記録されたデータ信号から加工雑音を差し引く。言い換えれば、後処理で、Excelフォーマットで表される乱数が、乱数をSQUID出力から差し引くような形でSQUID出力から抽出される。確率増幅は、SQUIDからの出力を使用して、すべてソフトウェアで行われる。ソフトウェアおよび信号処理を使用することにより、雑音の振幅が一様であるがその周波数が無秩序である一様な雑音が生成される。乱数信号を生成する(次いで、それを除去する)ことのできるソフトウェアパッケージの一例は、MathsoftのMathcad(登録商標)である。
雑音入力信号をSQUID出力信号と位置合わせする際の補助として、規則的な間隔で高められた振幅などのタイミングマーク(timing mark)を乱数のシーケンスに含めることができる。入力信号と出力信号との間でこれらのマーカを位置合わせすることにより、雑音を容易に差し引くことが可能となる。結果は、加工雑音が差し引かれた分子信号だけを含む信号生成物2706である。
III. スペクトル情報を生成するヒストグラム方法
図20は、スペクトル情報を生成するヒストグラム方法におけるハイレベルのデータフロー図である。SQUIDから取得されたデータ(ボックス2002)または格納データ(ボックス2004)が16ビットWAVデータ(ボックス2006)として保存され、倍精度浮動小数点データ(ボックス2008)に変換される。変換されたデータを、保存することができ(ボックス2010)、または原(raw)波形として表示することができる(ボックス2012)。次いで、変換されたデータが、図21に関連して以下で説明する、フーリエ解析と名前を付けたボックス2014で示されるアルゴリズムに渡される。2016でヒストグラムを表示することができる。
図21を参照すると、ヒストグラムアルゴリズムの一般的フローは、離散的にサンプリングされた時間領域信号を取得し、フーリエ解析を使用してそれを周波数領域スペクトルに変換し、さらに解析することである。時間領域信号は、ADC(アナログ/デジタル変換器)から取得され、2102で示されるバッファに格納される。このサンプルは、SampleDuration秒の長さであり、毎秒SampleRate個のサンプルでサンプリングされ、したがってSampleCount(SampleDurationSampleRate)個のサンプルが得られる。信号から回復することのできるFrequencyRangeは、ナイキストによって定義されるように、SampleRateの半分と定義される。したがって、時系列信号が毎秒10000サンプルでサンプリングされる場合、FrequencyRangeは0Hzから5kHzとなる。使用することのできる1つのフーリエアルゴリズムは、Radix2実高速フーリエ変換(RFFT)であり、216までの2のべき乗という選択可能な周波数領域分解能(FFTSize)を有する。FrequencyRangeが8kHz以下にとどまる限り、少なくともヘルツ当たり1つのスペクトルビンを有するのに十分な分解能を実現するために、8192というFFTSizeが選択される。SampleDurationは、信頼性の高い結果を保証するためにSampleCount>(2)FFTSize10などのように、十分長くあるべきである。
このFFTが一度に作用することができるのはFFTSize個のサンプルだけであるので、プログラムは、最終的なスペクトルを得るために、サンプルに対してFFTを順次実行し、結果の平均を取らなければならない。各FFTについてFFTSize個のサンプルをスキップすることを選んだ場合、1/FFTSize^0.5の統計誤差が導入される。しかし、FFT入力をFFTSizeの半分だけ重なるように選んだ場合、この誤差は1/(0.81FFTSize)^0.5まで減少する。これにより、誤差が0.0110485435から0.0086805556まで減少する。全般的な誤差および相関分析に関する追加の情報については非特許文献2を参照されたい。
所与のウィンドウに関してFFTを実施する前に、データテーパリングフィルタを適用して、サンプリングエイリアシングによるスペクトル漏れを回避することができる。このフィルタは、例えば、矩形(フィルタなし)、ハミング、ハニング、バートレット、ブラックマン、およびブラックマン/ハリスの中から選ぶことができる。
例示的方法において、ボックス2104に示すように、FFTで出力される離散的周波数の数であるとともに、一度に操作される時間領域サンプルの数となる変数FFTSizeに対して8192が選択されている。FFTSize=8192は、分解能、またはサンプリングレートで指示される範囲内のビン数、であることに留意されたい。離散的RFFT(実FFT)が何回実行されるかを指示する変数nは、SampleCountをFFTビンの数FFTSize2で割ることによって設定される。アルゴリズムが意味をなす結果を生成するために、この数nは、少なくとも10から20であるべきであり(しかし、他のバルブ(valve)も可能である)、より弱い信号をピックアップするためにはより大きい数が好ましい。このことは、所与のSampleRateおよびFFTSizeに対して、SampleDurationは十分な長さでなければならないことを示唆する。ボックス2104にも示すように、0からnまでカウントするカウンタmはゼロに初期化される。
プログラムはまず、各ビン周波数でのカウントを累積するFFTSize個のヒストグラムビン用のバッファ2108、各ビン周波数での平均出力用のバッファ2110、および各mについてのFFTSize個のコピーされたサンプルを含むバッファ2112という3つのバッファを確立する。
プログラムは、ヒストグラムおよび配列を初期化し(ボックス2113)、2114で波形データのFFTSize個のサンプルをバッファ2112にコピーし、波形データに対してRFFTを実行する(ボックス2115)。FFTは、最高の振幅が1となるように正規化され(ボックス2116)、正規化信号から、すべてのFFTSize個のビンに関する平均出力が求められる(ボックス2117)。各ビン周波数について、その周波数でのFFTからの正規化値がバッファ2108内の各ビンに加えられる(ボックス2118)。
次いで、ボックス2119では、プログラムは、上記から計算した平均出力に対する各ビン周波数での出力を調べる。出力が平均出力の一定因子イプシロン(0と1との間)以内である場合、16で、それがカウントされ、対応するビンがヒストグラムバッファ内で増分される。そうでない場合、それは破棄される。
比較される平均出力はこのFFTの例だけに関するものであることに留意されたい。より低速ではあるが拡張したアルゴリズムは、ヒストグラムレベルを設定する前に、データを2回通過し、全時間にわたる平均を計算することがある。イプシロンとの比較は、周波数ビンにとって十分有意な出力値を表す助けになる。あるいはより広い観点からは、イプシロンを使用する式は、「この時にこの周波数で信号が存在するか?」という質問に答える助けになる。その答えが肯定である場合、(1)このビンにこの1回だけ到着した定常雑音、または(2)ほぼ毎回発生する実ローレベル(real low level)の周期的信号という2つの事柄の一方に起因する可能性がある。したがって、ヒストグラムカウントは、雑音ヒットを除き、そしてローレベル信号ヒットを高める。したがって、平均化およびイプシロン因子により、有意と考えられる最小の出力レベルを選択することが可能となる。
ボックス2120でカウンタmが増分され、mがnに等しくなるまで(ボックス2121)、WAVデータのn個のセットのそれぞれに上記のプロセスが反復される。各サイクルでは、各ビンについての平均出力が、関連するビンに2118で加えられ、2114で出力振幅条件が満たされたとき、各ヒストグラムビンが1だけ増分される。
すべてのnサイクルのデータが考慮されたとき、各ビン中の蓄積された合計平均出力を全サイクル数nで割ることによって各ビン中の平均出力が求められ(ボックス2122)、結果が表示される(ボックス2123)。例えばDC=0または60Hzの倍数の周波数などの、構造的雑音が存在する点を除き、各ビン中の平均出力は、比較的小さい数となる。このことが、図22A〜D(400、600、700、および900mVで生成されるヒストグラム)に図示されるプロットで示されている。図22A〜22Dのプロットは、ヒストグラムビンの一部、すなわち7953Hzから8533Hzまでのスペクトルだけを示している。図22Aおよび22Bに示すように、それぞれ400mVまたは600mVの注入雑音では確率的事象は不可視である。しかし、図22Cに示すように、700mVでは、可視の確率的事象が明白である。その後、図22Dに示すように、900mVでは確率的事象が失われる。
上記のステップで生成されるヒストグラムは、各ビン中に、その周波数での出力が(イプシロンそのFFT出力全体に関する平均出力)よりも高かった回数である0からnの間のカウントを含む。ビンカウントが非構造的雑音によって増分された場合、雑音は、時間と共にすべての周波数ビンにわたって分布することになり、したがって所与のビン中で多く加算されない。所与の周波数で一貫した信号が存在する場合、n個のタイムスライスのそれぞれで存在し、したがって、nに近づくビンカウントを有することになる。60ヘルツなどの大きい振幅の雑音およびその高調波(harmonics)は、高いビンカウントおよび高い平均出力の両方を有する。これらの周波数を区別することができ、低い平均出力を有するが高いビンカウントを有する、注目の周波数を区別することができる。
図22A〜22Dは、4つの異なる雑音出力の入力でこの方法により生成されたヒストグラムを示している。図示するように、プログラムは、各周波数での平均出力を垂直バーとして表示することができる。ヒストグラムビンカウントは、連結された上部の線として表すことができる。出力が「低」(例えば平均/3未満)と考えられ、ヒストグラムが一定のカウントを有する場合、連結線が、出力バーのピークとヒストグラムバーのピークとの間で観測可能となる。連結線で強調表示されるビンは、低エネルギー分子スペクトルの候補である可能性が高い。
図22A〜22Dと上記より、意味のあるヒストグラム、すなわち調査されているサンプルに関する確率共鳴効果を示すヒストグラムを生成する際に使用される、注目に値する2つの設定が存在することが理解できる。第1の設定は、サンプルに供給されるガウス白色雑音の出力レベルである。このレベルが低過ぎる場合、雑音レベルは確率共鳴を生み出すのに十分ではなく、ビンヒストグラムは雑音のみを反映する。出力の入力が高過ぎる場合、各ビンについて計算される平均出力レベルが高く、確率的事象を区別することができない。
第2の設定はイプシロンの値である。この値は、平均値を超えるイベントを区別するのに使用される出力値を決定する。値1では、出力が平均出力よりも決して大きくならないので、イベントは検出されない。イプシロンがゼロに近づくにつれて、ほぼあらゆる値がビン配置されることになる。0と1の間の、通常は構造的雑音についての合計ビンカウントの約20〜50%の間のビンカウントの数を与える値で、イプシロンは最大「スペクトル特性」を有することになり、確率共鳴イベントが純粋雑音よりも最も望まれていることを意味する。
したがって、本発明を実施する際に、雑音入力に関するパワーゲインを例えば0から1Vの間で100mVの増分で系統的に増大させることができ、各出力設定で、明確なピークを有するヒストグラムが観測されるまでイプシロンを調節することができる。例えば、処理されるサンプルが20秒の時間間隔を表す場合、異なる出力およびイプシロンのそれぞれについての合計処理時間は約25秒となる。明確な信号が観測されたとき、最大の識別可能なピーク数を有するヒストグラムを意味する最適なヒストグラムが生成されるまで、出力設定またはイプシロンあるいはその両方を改善することができる。
このアルゴリズムの下では、多数のビンが満たされ、関連するヒストグラムが、低周波数の雑音(環境雑音など)の一般的発生に起因する低周波数について表現されることがある。したがって、このシステムは、単に所与の周波数未満(例えば1kHz未満)のビンを無視するが、それでもなお、より高い周波数で十分なビン値を表現し、サンプル間の固有の信号シグナチャを求めることができる。
あるいは、イプシロン変数の目的は、各サイクルで求められた異なる平均出力レベルに適応することであるので、プログラムは、平均出力レベルをイプシロンの最適値に関係付ける事前に定義された機能を使用して、それ自体でイプシロンを自動的に調節することができる。
同様に、プログラムは、最適なピーク高さ又は特性がヒストグラムで観測されるまで、各出力設定でのピーク高さを比較し、雑音出力設定を自動的に調節することができる。
イプシロンの値は、すべての周波数について固定値とすることができるが、イプシロンについて周波数依存の値を使用して、例えばDCから1000までの低周波数で観測されることのあるより高い値の平均エネルギーに合わせて調節することも企図されている。周波数依存のイプシロン因子は、例えば、多数の低周波数FFT領域の平均を取り、より高い周波数で観測される平均値に匹敵する値に平均値を「調節」するイプシロンの値を求めることによって求めることができる。
図23A〜23Cを参照すると、ヒストグラムを生成するユーザインターフェースの一例が示されている。スライダバー2302は、最大で300〜600秒などのサンプル波形セグメントの長さを決定し、ユーザが波形内を効果的にスクロールすることを可能にする。ボックス2304は、ユーザが5、10、または20kHzなどのナイキスト周波数を設定することを可能にし、隣接するリセットボタンも設けられている。スライダバー2306は、ユーザがヒストグラムに関するベースラインを移動することを可能にし、60 Hzチェックボックス2308は、ユーザが60Hzビンおよびすべての関連する60Hz高調波を(図23Cで示すような)垂直線で識別することを可能にする。取得ボタン2312が選択されたとき、ソフトウェアは、図23Bに示すようなサンプルからの波形を生成または取得する。fftボタン2310が選択されたとき、ソフトウェアは、図23Cに示すようなヒストグラムプロットを生成する。
IV. 方法および応用例
本節では、サンプルを調査するための上述の装置の使用法、ならびにサンプルの特徴付けおよびサンプル成分の検出の際の装置の様々な応用例を説明する。サンプルを特徴付けることができる低周波数の分光シグナチャまたはデータセット、および、例えばサンプルの分光シグナチャを生成する際に使用される、サンプルの時間領域信号も本発明に従って開示される。
A.サンプルを調査する方法
本発明の方法の目的は、調査するサンプルに関する分光学的情報を生成することである。理解されるであろうが、情報は、選択された低周波数スペクトル範囲内のスペクトルプロット、またはサンプルを特徴付ける低周波数のスペクトル成分を識別するデータセット、またはサンプルについて識別される特性周波数に基づくサンプルまたはサンプル成分の実際の識別、という形とすることができる。
サンプルは、原子または分子成分を有する任意の材料とすることができる。例えば、分子回転を有し、好ましくはダイポールモーメントを有し、それによって磁場、例えば地磁場中の分子回転が低周波数電磁放射を生成するのに有効である、イオン化形態もしくは非イオン化形態またはプロトン化形態もしくは非プロトン化形態の、イオン性塩成分または分子化合物とすることができる。サンプルは通常は液体サンプルであるが、サンプルの少なくとも1つの成分が1つまたは複数の回転自由度を有する限り、気体または固体または半固体(semi−solid)とすることができる。典型的なサンプルは、溶媒中に溶解した1つまたは複数の溶質成分を有する水溶液または有機溶液である。溶質成分は注目のサンプル材料とすることができる。
サンプルは、適切な容器、好ましくは観測可能な低周波数のスペクトル成分をほとんど有しないパイレックス(登録商標)ガラスなどの容器内に配置され、次いで容器が、セクションIIで説明した装置コンテナ内に配置される。サンプルが装置コンテナ内に配置されると、ガウス雑音をサンプルに注入するようにガウス雑音発生器が活動状態にされる。注入されるガウス雑音の振幅(平均振幅)は、非定常複合時間領域信号成分を生成するのに十分であることが好ましい。このことは、例えばフーリエ変換機能を有するオシロスコープを使用して、周波数領域信号を例えば200〜800Hzウィンドウなどの適切な範囲内で観測することで行うことができる。検出可能な周波数成分が最初に観測されたとき、適切な雑音レベルが選択される。
雑音注入の間、記録装置が、事前に設定された時間間隔にわたって検出器からの時間領域電磁信号を記録する。必要な最終的なスペクトル分解能に応じて、記録間隔は、比較的短い期間、例えば30〜60秒とすることができ、または数分以上とすることができる。記録される信号は、適切な信号記憶装置、例えばテープまたはハードディスクに格納され、次に説明する後の信号処理操作で使用される。
一般には、記録されたサンプル時間領域信号を、同一のサンプル、あるいはそれほど好ましくはないが、まったく同一のサンプルまたは同一の注目のサンプル成分を有するサンプルの第2の時間領域信号と相互相関させることによってサンプル信号成分を高めることが望ましい。第2の信号に関する記録時間は、第1の信号と同じであることが好ましい。2つの信号は、時間領域で標準的な相互相関アルゴリズムを使用して相互相関される。この結果、時間の経過の中で持続する、両方の信号に共通の信号スペクトル成分を識別するスプレッドシートまたはスペクトル、および両方の信号に共通のスペクトル成分間の関係を評価する各成分についての相関値が得られる。
信号相互相関によって得られるスペクトル分解能の改善を図12Aおよび12Bならびに図13Aおよび13Bに示す。各図は、周波数領域においてスペクトル範囲500〜530Hzでスペクトル成分をプロットするための、周波数領域での第1の時間依存信号の高速フーリエ変換(図12Aおよび13A)、または第1および第2の相互相関された周波数領域スペクトル(上記で言及したスプレッドシート)の高速フーリエ変換(図13Bおよび13B)である。
NaClサンプルに関する図12Aと12Bを比較すると、相互相関信号処理が信号対雑音比を著しく高め、522.5Hzにピークがあるサンプル特有のスペクトル成分をずっと詳細に引き出し、著しく細かいピーク位置も生み出すことがわかる。非相関信号および相関信号についての500〜530Hz範囲のスペクトル面の特徴がそれぞれ図13Aおよび13Bに示されているアルキルエーテル硫酸塩のサンプルに関して、同様の(かつ例示的な)結果が観測された。NaClサンプルの場合と同じく、相関信号から導出されたスペクトルは、ずっと低い信号対雑音比を与え、サンプル特有のスペクトル成分に関してずっと多くの詳細および情報を与えた。従来通り、信号相関を適用して、(周波数と振幅ではなく)周波数と位相に関するスプレッドシートを生成することがもできる。
上記による相関された時間領域スペクトルは、スペクトルに高速フーリエ変換を適用することによって周波数領域でプロットされ、スペクトル相関値は、y軸に振幅として表される。プロットは、DCから50kHzの周波数範囲内であり、好ましくはDCから6.5kHzの領域内である。下記から理解するであろうが、多くのサンプルの支配的なスペクトル面の特徴は、100〜1500Hzの範囲、特に500〜550Hzの範囲に見られ、したがって、生成されるスペクトルをそれに応じて、例えば500〜530Hzの範囲内に限定することができる。FTTは、周知のFTTアルゴリズムで実行される。さらに、又はあるいは、相関された時間領域信号を、位相領域または振幅もしくは絶対値領域信号に変換し、サンプルスペクトルの位相または振幅成分に関する信号情報を抽出することができる。
相互相関またはFFTステップによって周波数領域スペクトルが生成されると、調査するサンプルに特徴的な1つまたは複数の低周波数信号成分を識別するのにそのスペクトルが使用される。このステップは、ユーザが直接見ることによって実行することができ、またはスペクトルのコンピュータ分析によって実行することができる。
図14A〜14Fに、すべて約500〜530のスペクトル範囲における、脱イオン水(図14A)、飽和NaCl(図14B)、脱イオン水中の1%NaCl(図14C)、飽和NaBr(図14D)、アルキルエーテル硫酸塩(図14E)、および空のサンプル容器(図14F)というサンプルについてのスペクトル面の特徴を示す。図から分かるように、各サンプルは、明確な周波数での1つまたは複数のピークによって特徴付けられる特徴的なスペクトル成分を有する。
B.サンプルの特徴付け
本発明の別の態様によれば、本明細書で材料の低周波数シグナチャ信号とも呼ぶ、所与のサンプルの低周波数スペクトル成分のデータセットを生成するのに上記の方法が使用される。
上記のいくつかのサンプルについて示される500〜530のスペクトル範囲は、様々なサンプルで顕著なスペクトル面の特徴を有することを示すように選ばれた。サンプルのスペクトル周波数成分のより完全なデータセットを得るためには、より広い周波数範囲、例えば100〜1500Hzにわたるスペクトル成分を決定すべきである。一態様では、本発明は、例えば溶媒、気体、または溶液の溶質成分などの、所与のサンプル材料に関連するスペクトル成分のデータセットを含む。データセットは、例えば100〜1500Hzの範囲のサンプルの低周波数スペクトル成分のリストを備え、これらのスペクトル成分は、その相互スペクトル相関が背景スペクトル雑音より上の選択された統計的尺度(statistical measure)を有し、またはサンプルに固有な成分のうちの選択されたものである。
所与のサンプルに関する低周波数データセットを生成する際に様々な信号分析方法を使用することができる。1つの例示的方法では、相互相関されたサンプル信号スペクトルが、相互相関された雑音(サンプルなし)信号と比較される。次に、アルゴリズムは、各周波数点での相関値を見ながら、相互相関されたサンプルスペクトルおよび相互相関された雑音スペクトル全体にわたって例えば0.1Hz間隔の増分を進め、その点でのサンプル相関から雑音相関を差し引き、補正された相関値からなる周波数プロットを得る。これらの値は、特定のサンプルに関連し、例えば任意の雑音成分の相対的振幅に依存する。
一般には、(そのサンプル中の他の値と比較して)より高い相関値を有する周波数成分は、同一のサンプルの多数の調査にわたって持続する(観測される)傾向がある。持続するものを識別するために、上記と同様にそれぞれ得られる2つ以上のサンプルセット全体にわたってサンプルに関して観測された周波数成分が比較され、2つ(または利用可能ならばそれ以上)のセットで確認されるものだけがそのサンプルに関するデータセットの有効な成分として取られる。以下の表では、(表中で識別される)いくつかのサンプルに関するデータセットが、単一のサンプル調査から求められる相関と共に与えられている。イタリックで示される値(通常は小さい相関値を有する)は、同一のサンプル材料からの複数のデータセットで持続しないことが判明した。
したがって、例えば、表1の飽和NaClサンプルについて、522.58、523.12、523.47、および523.85Hzのスペクトル成分がサンプルごとに相関し、周波数範囲500〜530Hzでサンプルに関するデータセットを形成する。データセットの追加のメンバを、拡張した周波数範囲で含めることができる。
同様に、表3のアミノ酸サンプルについて、データセットは、約250から1400Hzの間の周波数範囲の262.93、257.81、257.23、536.68、448.05、531.37、528.80、593.44、588.68、583.74、578.61、769.59、および744.14での成分を含むことができる。NaClと比べてアミノ酸サンプルのスペクトル組成が多いことは、恐らくは、サンプル分子がより複雑であることを部分的に反映している。
Figure 0004425922
Figure 0004425922
Figure 0004425922
上記のデータは、単純な分子サンプル及びより複雑な分子サンプルのどちらも、固有の低周波数スペクトル成分によって特徴付けうることを実証している。所与のサンプル材料に関連するデータセットは、(表に示すように)スペクトル成分の関連する相関値も含むことができる。データセットは、例えば、未知のサンプル中の成分を識別する際に使用すること、および/またはサンプル中の材料の相対濃度を評価することに使用することができる。サンプル中の低濃度成分を識別する方法の使用を次節で議論する。
C.サンプル中の成分の識別
しばしば、未知の汚染物を有する液体サンプル、または検出することが望まれる汚染物を保持または支持することのできる他のサンプルなどの多成分サンプル材料中に存在する、例えばトレース汚染物などの、サンプル成分を検出することが望ましい。
本発明の別の態様による、サンプルの成分を検出する分析方法は、前述のように、(i)DCと50kHzとの間の選択された周波数範囲で、(ii)その相互スペクトル相関が背景スペクトル雑音より上の選択された統計的尺度を有する、サンプルの低周波数サンプルスペクトル成分をまず識別することを含む。
次いで、サンプルスペクトル成分が、サンプル中に存在すると思われる既知の化合物の特性低周波数スペクトル成分と比較される。典型的な例では、サンプル成分が、サンプル中に存在すると思われ、検出することが望まれる各成分のデータセットと比較される。サンプルの特性低周波数スペクトル成分のうちの1つまたは複数が既知のサンプルの1つまたは複数の低周波数スペクトル成分に対応する場合、例えば化合物などの成分がサンプル中に存在すると識別される。
図のセット11A〜11Fに示すように、化合物(アミノ酸)の検出は、非常に低いレベルで、例えばPPB以下の範囲で行うことができる。具体的には、1:100億のw/vの希釈であっても、約531Hzの特性スペクトル成分が観測される。図は、スペクトル成分相関に対応する信号振幅が化合物の希釈が増大すると共に減少することを実証している。しかし、低濃度での信号振幅の損失は、この例では、図の第1のグループに対する50秒から最も希釈されたサンプルに対する4.25分まで記録時間を延長することによって補償することができる(図11F)。
上記の例と同様に、スペクトル成分振幅が濃度の減少と共に低下する場合、化合物に関するデータセットが濃度依存振幅情報も含むと仮定して、化合物の量を信号振幅に基づいて評価することができる。
いくつかのケースでは、特性スペクトル成分の周波数が濃度の変化と共に系統的に3Hzもシフトすることも観測されている。そのような化合物では、スペクトル成分のうちの1つまたは複数の振幅および/または周波数シフトの変化により、サンプル中に存在する材料の量を評価することができる。濃度依存周波数シフトを示す材料について、その化合物に関するデータセットが特定の成分に関する濃度依存周波数ならびに濃度依存振幅を含むことができることを理解されるだろう。
D.時間領域信号
さらに別の態様では、本発明は、注目の材料に関連する時間領域信号を含む。時間領域信号およびその生成方法は上記で議論した。簡潔に言えば、磁気遮蔽および電磁遮蔽の両方を有するコンテナに注目のサンプルを配置し、ガウス雑音をサンプルに注入し、注入されたガウス雑音に重ねられたサンプル源放射からなる電磁時間領域信号を記録することによって信号が生成される。
スペクトル成分データセットが材料を特徴付けるのに使用されるのと同じように、この信号は、サンプルを特徴付けるのに使用することができる。あるいは、この信号は、注目の材料に関連するスペクトル成分の低周波数信号シグナチャを生成するのに使用することもできる。信号シグナチャは、やはり上述のように、(i)記録された時間領域信号を、同一または類似のサンプルから別々に記録された第2の時間領域信号と相互相関し、DCから50kHzの間の周波数範囲で周波数領域スペクトルを生成することによって生成することができる。
結論
文脈が明らかにそうでないことを必要とするのでない限り、説明および特許請求の範囲全体にわたって、「含む」、「備える」などの語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味に解釈すべきである。言い換えると、「含むがそれに制限されない」という意味に解釈すべきである。単数または複数を用いた上記の詳細な説明内の語は、それぞれ複数または単数も含むことができる。さらに、「本明細書」、「上記の」、「以下の」という語、および類似の意味の語は、本出願で使用されるとき、本出願全体を指し、本出願の何らかの特定の部分を指すのではないものとする。2つ以上の項目のリストを参照する際の「または」、「もしくは」という語が特許請求の範囲で使用されるとき、その語は、リスト中の項目のいずれか、リスト中の項目のすべて、およびリスト中の項目の任意の組合わせという語の解釈のすべてを網羅する。
本発明の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的なものではなく、上記で開示した厳密な形態に本発明を限定するのではないものとする。当業者は理解するであろうが、本発明の特定の実施形態、および実施例を例示の目的で上述したが、本発明の範囲内で様々な等価な修正形態が可能である。例えば、プロセスまたはステップを所与の順序で提示したが、代替実施形態は、異なる順序のステップを有するルーチンを実行することができ、一部のステップを削除、移動、追加、分割、結合、および/または改変することができる。これらの各ステップは、様々な異なる形で実施することができる。これらのステップを直列に実行するように示したが、その代わりに、これらのステップを並列に実行することができ、または異なる時間に実行することができる。
本明細書で与えた本発明の教示を、必ずしも本明細書に記載のシステムではなく、他のシステムに適用することもできる。詳細な説明に照らして、本発明に対してこれらおよび他の変更を行うことができる。上述の様々な実施形態の要素および動作を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。
添付の出願用紙に列挙されていることがある任意のものを含む上記の特許および出願および他の参考文献のすべては、参照により本明細書に組み込まれる。必要なら、上述の様々な参考文献のシステム、機能、および概念を利用して、本発明のさらに別の実施形態を提供するように本発明の諸態様を改変することができる。
上記の詳細な説明に照らして、本発明に対してこれらおよび他の変更を行うことができる。上記の説明は、本発明のある実施形態を詳述し企図される最良の形態を説明するが、上記を文中でどのように詳述したとしても、本発明を多くの方式で実施することができる。信号取得および分析システムの詳細は、その実装の詳細においてかなり異なる可能性があるが、それでもなお、本明細書で開示された本発明によって包含される。上述のように、本発明のある機能または態様を説明する際に使用した特定の用語は、その用語が関連する本発明の何らかの特定の特徴、機能、または、諸態様に制限されるように本明細書で再定義されていることを示唆すると理解すべきではない。一般に、添付の特許請求の範囲で使用される用語を、上記の詳細な説明の部分がそのような用語を明示的に定義しない限り、本明細書に開示された特定の実施形態に本発明を限定するように解釈すべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示の実施形態を包含するだけではなく、特許請求の範囲に記載の発明を実施または実装するすべての等価な方式も包含する。
本発明の一定の態様を特許請求の範囲で一定のクレーム形式で提示するが、本発明者等は、任意の数のクレーム形式の本発明の様々な態様を企図する。例えば、方法クレーム型において本発明の1つの態様のみが具現されるものとして記載されるが、コンピュータ読み取り可能な記録媒体クレーム型においても同様に具現されることができる。したがって、本発明者等は、本発明の他の態様に関するそのような追加のクレーム形式を追求するために、本出願を出願後に追加の請求項を追加する権利を留保する。
本発明の一実施形態に従って形成される分子電磁信号検出装置の一実施形態の等角投影図である。 図1に示すファラデーケージおよびその内容の拡大した詳細な図である。 図1および2に示す減衰管のうちの1つの拡大した断面図である。 図2に示すファラデーケージおよびその内容の断面図である。 図1から4に示す本発明の代替実施形態の断面図である。 本明細書に記載のヘルムホルツ変成器のコイルを支持するフレームの拡大した詳細な図である。 代替電磁放射検出システムの図である。 上記の図の検出システムに含まれる処理装置の図である。 図8の処理装置の代替処理装置の図である。 本システムにより実行される信号検出および処理のフロー図である。 第1のサンプルの放射のスペクトルプロットである。 第2のサンプルの放射のスペクトルプロットである。 非相関時間領域サンプル信号のフーリエ変換で生成された、飽和NaClのサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 相互相関されたサンプルスペクトルのフーリエ変換で生成された、飽和NaClのサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 非相関時間領域サンプル信号のフーリエ変換で生成された、アルキルエーテル硫酸塩のサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 相互相関されたサンプルスペクトルのフーリエ変換で生成された、アルキルエーテル硫酸塩のサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 脱イオン水のサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 飽和NaCl溶液のサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 脱イオン水中の1%NaClの溶液のサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 飽和NaBrサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 脱イオン水中のアルキルエーテル硫酸塩のサンプルについての500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 サンプルなしの場合の500〜530Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 50秒の記録および40分の相関で生成された、1:100重量/体積のアミノ酸溶液のサンプルの500から535Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 50秒の記録および40分の相関で生成された、w/v希釈1:10000のアミノ酸溶液のサンプルの500から535Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 50秒の記録および40分の相関で生成された、w/v希釈1:百万のアミノ酸溶液のサンプルの500から535Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 50秒の記録および40分の相関で生成された、w/v希釈1:1億のアミノ酸溶液のサンプルの500から535Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 50秒の記録および40分の相関で生成された、w/v希釈1:100億のアミノ酸溶液のサンプルの500から535Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 4:25分の記録および12時間の相関で生成された、w/v希釈1:100億のアミノ酸溶液のサンプルの500から535Hzの間のスペクトル領域内のスペクトルプロットである。 分子電磁信号検出装置の代替実施形態を示す概略図である。 図16の代替実施形態の断面図である。 図17Aの一部の拡大図である。 図17Bの等角断面図である。 図9の処理装置の代替処理装置の図である。 本発明のヒストグラムスペクトルプロット方法に関するデータフローのハイレベルフロー図である。 本発明によるスペクトルプロットヒストグラムを生成するアルゴリズムのフロー図である。 4つの異なる雑音出力レベルで取得されたサンプルのヒストグラムスペクトルである。 4つの異なる雑音出力レベルで取得されたサンプルのヒストグラムスペクトルである。 4つの異なる雑音出力レベルで取得されたサンプルのヒストグラムスペクトルである。 4つの異なる雑音出力レベルで取得されたサンプルのヒストグラムスペクトルである。 スペクトルプロットヒストグラムを生成および表示するユーザインターフェースを表示するコンピュータスクリーンショットである。 スペクトルプロットヒストグラムを生成および表示するユーザインターフェースを表示するコンピュータスクリーンショットである。 スペクトルプロットヒストグラムを生成および表示するユーザインターフェースを表示する、カラーのコンピュータスクリーンショットである。 図8、16、および19と類似の電磁放射検出システムの一実施形態の概略図である。 図24のシステムに対する第1の代替実施形態を示す概略図である。 図24のシステムに対する第2の代替実施形態の概略図である。 図24のシステムに対する第3の代替実施形態の部分的に概略的な部分的ブロック図である。

Claims (11)

  1. 低振動数分子運動を示すサンプルを調査するための装置であって、
    前記サンプルを収容するように適合され、磁気遮蔽および電磁遮蔽の両方を有するコンテナと、
    前記コンテナ中の前記サンプルに向けて白色またはガウス雑音を送るための調節可能な白色またはガウス雑音出力源と、
    前記送られた白色またはガウス雑音に重ねられたサンプル源放射からなる電磁時間領域信号を検出するための検出器と、
    前記検出器から前記時間領域信号を受信し、前記信号を処理して、前記選択した白色またはガウス雑音源の選択した出力設定で、DCと50kHzとの間の選択した周波数範囲内の前記サンプルに特徴的な低周波数スペクトル成分を表示するスペクトルプロットを生成するように適合された電子コンピュータであって、前記雑音出力源の調節、前記雑音に対するサンプル露出、および対応するサンプル放射の検出が、ほぼ最適なピーク高または波形特性がサンプル放射に観測されるまで反復される電子コンピュータと、
    前記電子コンピュータからの信号のスペクトルプロットに基づいて、前記サンプル中の成分を識別すること又はサンプルを特徴付けることを助けるユーザインターフェースと
    を備え
    前記電子コンピュータは、機械読み取り可能なコードを含み、前記機械読み取り可能なコードは、
    (i)サンプル持続時間Tにわたって前記サンプルの前記時間領域信号を格納することと、
    (ii)前記時間領域信号をサンプリングするサンプリングレートFを選択することであって、F * Tは、全サンプルカウントSであり、Fは、サンプリングレートFでサンプリングされた前記時間領域信号の実高速フーリエ変換の周波数領域分解能fの約2倍であり、nが少なくとも10であるとしてS>f * nであることと、
    (iii)前記格納した時間領域信号からS/n個のサンプルを選択し、前記選択したサンプルに対して実高速フーリエ変換(RFFT)を実行し、RFFT信号を生成することと、
    (iv)前記RFFT信号を正規化し、前記RFFT信号の平均出力を計算することと、
    (v)f個の選択した周波数イベントビンのそれぞれにイベントカウントを配置することであって、対応する選択した周波数での測定出力は、平均出力に0<ε<1である値εを掛けたものよりも大きく、イベントビンに配置した全カウント数がそのビン中の可能な最大ビンカウントの約20〜50%の間となるように選ばれることと、
    (vi)ステップ(iii〜v)を反復することと、
    (viii)選択した周波数範囲にわたり各イベントビンfについて、各ビン中のイベントカウント数を示すヒストグラムを生成することと
    を行うように動作可能な機械読み取り可能なコードを備えることを特徴とする装置。
  2. 前記電子コンピュータは、(i)複数の定義された時間枠のそれぞれにわたる前記時間領域信号の100Hzと50kHzとの間の選択した周波数範囲内の一連のフーリエスペクトルを計算し、(ii)前記フーリエスペクトルの平均を取るように機能する信号アナライザを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記計算することは、1〜5秒の時間領域間隔にわたってそれぞれ取られた、少なくとも5つのフーリエスペクトルを計算することを含むことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記機械読み取り可能なコードは、(iv)で、前記RFFT信号からの正規化出力値をf個の対応する周波数出力ビンに配置し、(viii)で、(a)f個の出力ビンそれぞれに配置された蓄積値をnで割り、各ビン中の平均出力を生成し、(b)前記各ビン中の前記平均出力を前記ヒストグラム内に表示するようにさらに動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 前記機械読み取り可能なコードは、(viii)で、所与のしきい値および平均出力より上のイベントカウントを有する前記ヒストグラム中のビンを識別するようにさらに動作可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 前記白色またはガウス雑音源は、調節可能出力白色またはガウス雑音発生器、および前記磁気遮蔽および電磁遮蔽内に含まれ、雑音発生器から100mVから1Vの範囲の選択した雑音出力信号を受けるヘルムホルツコイルを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 前記発生器が、DCと2kHzとの間の周波数で白色またはガウス雑音を前記サンプルに注入するように設計されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 前記検出器は、電流信号を出力する2次微分型グラジオメータ、および前記グラジオメータに動作可能に接続され、前記電流信号を増幅された電圧信号に変換するSQUIDであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. 低振動数分子運動を示すサンプルを調査する方法であって、
    磁気遮蔽および電磁遮蔽の両方を有するコンテナ内に前記サンプルを配置し、
    (a)選択した雑音振幅で白色またはガウス雑音を前記サンプルに注入することと、
    (b)前記注入した白色またはガウス雑音に重ねられたサンプル源放射からなる電磁時間領域信号を記録することと、
    (c)前記白色またはガウス雑音源の選択した出力設定で、100と50kHzとの間の選択した周波数範囲内の前記サンプルに特徴的な低周波数のサンプル依存スペクトル成分を含むスペクトルプロットを生成することと、
    (d)前記サンプルに特徴的なスペクトル成分の最大数または最大数付近を示すプロットが生成されるまで、選択した異なる雑音振幅で(a)〜(c)を反復することと、
    (e)スペクトル成分の最大数または最大数付近を示す前記プロットに基づいて、前記サンプルを特徴付けること又は1つまたは複数の格納されたプロットとの比較に基づいて前記サンプル中の成分を識別することと
    を含み、
    前記生成することは、(i)100Hzと50kHzとの間の選択した周波数範囲内の複数の定義された時間枠のそれぞれにわたり時間領域信号の一連のフーリエスペクトルを計算し、(ii)前記フーリエスペクトルの平均を取ることを含み、
    前記計算することは、
    (i)サンプル持続時間Tにわたり前記サンプルの時間領域信号を格納することと、
    (ii)前記時間領域信号をサンプリングするためのサンプリングレートFを選択することであって、F * Tは全サンプルカウントSであり、Fは、サンプリングレートFでサンプリングされた前記時間領域信号の実高速フーリエ変換の周波数領域分解能fの約2倍であり、nが少なくとも10であるとしてS>f * nであることと、
    (iii)前記格納した時間領域信号からS/n個のサンプルを選択し、前記選択したサンプルに対して実高速フーリエ変換(RFFT)を実行して、RFFT信号を生成することと、
    (iv)前記RFFT信号を正規化し、前記RFFT信号の平均出力を計算することと、
    (v)f個の選択した周波数イベントビンのそれぞれにイベントカウントを配置することであって、0<ε<1として、対応する選択周波数での測定出力>平均出力 * εであり、εは、イベントビンに配置した全カウント数がそのビン中の可能な最大ビンカウントの約20〜50%の間となるように選ばれることと、
    (vi)ステップ(iii)から(v)を反復することと、
    (viii)選択した周波数範囲にわたり各イベントビンfについて、各ビン中のイベントカウント数を示すヒストグラムを生成することと
    を含むことを特徴とする方法。
  10. (iv)で、前記RFFT信号からの正規化出力値をf個の対応する周波数出力ビンに配置することと、(viii)で、(a)前記f個の出力ビンのそれぞれに配置された蓄積値をnで割り、各ビン中の平均出力を生成し、(b)各ビン中の前記平均出力を前記ヒストグラム上に表示することとをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 所与のしきい値および平均出力より上のイベントカウントを有する前記ヒストグラム中のビンを識別することをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
JP2006534425A 2003-10-09 2004-10-08 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるためのシステムおよび方法 Expired - Lifetime JP4425922B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/683,875 US6995558B2 (en) 2002-03-29 2003-10-09 System and method for characterizing a sample by low-frequency spectra
PCT/US2004/033383 WO2005036131A2 (en) 2003-10-09 2004-10-08 Characterizing a sample by low-frequency spectra

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009258652A Division JP2010032551A (ja) 2003-10-09 2009-11-12 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるための方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007533972A JP2007533972A (ja) 2007-11-22
JP4425922B2 true JP4425922B2 (ja) 2010-03-03

Family

ID=34435399

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006534425A Expired - Lifetime JP4425922B2 (ja) 2003-10-09 2004-10-08 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるためのシステムおよび方法
JP2009258652A Pending JP2010032551A (ja) 2003-10-09 2009-11-12 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるための方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009258652A Pending JP2010032551A (ja) 2003-10-09 2009-11-12 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるための方法

Country Status (8)

Country Link
US (3) US6995558B2 (ja)
EP (1) EP1671144A4 (ja)
JP (2) JP4425922B2 (ja)
CN (1) CN1864073B (ja)
AU (1) AU2004280998B2 (ja)
BR (1) BRPI0415235B1 (ja)
CA (1) CA2538988C (ja)
WO (1) WO2005036131A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9417257B2 (en) 2004-07-27 2016-08-16 Nativis, Inc. System and method for collecting, storing, processing, transmitting and presenting very low amplitude signals
US10046172B2 (en) 2013-03-15 2018-08-14 Nativis, Inc. Controller and flexible coils for administering therapy, such as for cancer therapy

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6724188B2 (en) * 2002-03-29 2004-04-20 Wavbank, Inc. Apparatus and method for measuring molecular electromagnetic signals with a squid device and stochastic resonance to measure low-threshold signals
US6995558B2 (en) * 2002-03-29 2006-02-07 Wavbank, Inc. System and method for characterizing a sample by low-frequency spectra
EP1511995A4 (en) 2002-04-19 2005-10-19 Wavbank Inc SYSTEM AND METHOD FOR DETECTING SAMPLES BASED ON LOW FREQUENCY SPECTRAL COMPONENTS
GB0424717D0 (en) * 2004-11-09 2004-12-08 Metis Instr & Equipment N V Sensor for measuring magnetic flux
US7620509B2 (en) * 2005-11-03 2009-11-17 Tektronix, Inc. Detection of time-frequency codes using a spectrogram
FR2894673B1 (fr) * 2005-12-14 2014-10-31 Luc Montagnier Procede de caracterisation d'un element biochimique presentant une activite biologique,par analyses des signaux electromagnetiques de basses frequences
JP4823726B2 (ja) 2006-03-17 2011-11-24 国立大学法人豊橋技術科学大学 生体高分子検出方法およびその検出装置
US8659380B2 (en) * 2006-05-19 2014-02-25 Abb Technology Ltd. Reactor shield
US20100277164A1 (en) * 2006-09-01 2010-11-04 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Method and apparatus for signal recovery
JP4399610B2 (ja) * 2006-09-26 2010-01-20 国立大学法人九州工業大学 磁気特性測定方法及びシステム
US8150037B2 (en) * 2007-02-20 2012-04-03 Carnegie Mellon University Apparatus and method for secure, user-friendly deployment of information
WO2008137485A2 (en) * 2007-05-04 2008-11-13 California Institute Of Technology Low field squid mri devices, components and methods
US8647272B2 (en) * 2007-06-21 2014-02-11 Rf Science & Technology Inc Non-invasive scanning apparatuses
US10264993B2 (en) * 2007-06-21 2019-04-23 Rf Science & Technology Inc. Sample scanning and analysis system and methods for using the same
US8259299B2 (en) * 2007-06-21 2012-09-04 Rf Science & Technology Inc. Gas scanning and analysis
US8647273B2 (en) * 2007-06-21 2014-02-11 RF Science & Technology, Inc. Non-invasive weight and performance management
US8382668B2 (en) * 2007-06-21 2013-02-26 Rf Science & Technology Inc. Non-invasive determination of characteristics of a sample
US8022864B2 (en) * 2007-11-08 2011-09-20 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Commerce Detection of transient signals in doppler spectra
US8405379B1 (en) 2008-09-18 2013-03-26 Luc Montagnier System and method for the analysis of DNA sequences in biological fluids
KR101012107B1 (ko) * 2009-04-22 2011-02-07 한국표준과학연구원 다채널 squid신호의 데이터 획득 시스템
TWI407121B (zh) * 2010-06-15 2013-09-01 Jiann Fuh Chen 運用於高壓電纜放電音射檢測之裝置
US8942783B2 (en) * 2011-06-09 2015-01-27 Element 1 Systems Llc Stochastic resonance and brownian motion for the reduction of sudden infant death syndrome (SIDS)
WO2013082672A1 (en) * 2011-12-07 2013-06-13 Quintessencelabs Pty Ltd Integrated quantum-random noise generator using quantum vacuum states of light
PL2929342T3 (pl) 2012-12-10 2020-05-18 Arcelormittal Sposób określania stanu i pozostałego okresu użytkowania rur reformingowych ze stali austenitycznej i tym podobnych
US20140288876A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-25 Aliphcom Dynamic control of sampling rate of motion to modify power consumption
US10094897B2 (en) * 2014-07-25 2018-10-09 Gersh Z. Taicher Nuclear magnetic resonance apparatus and methods
JP6357391B2 (ja) 2014-09-22 2018-07-11 日本電子株式会社 情報処理装置、及び情報処理方法
US10076963B2 (en) 2014-09-24 2018-09-18 Rohm Co., Ltd. Current mode control type switching power supply device
CN104300226B (zh) * 2014-09-29 2017-05-03 北京智谷睿拓技术服务有限公司 实现定向天线的方法、装置以及定向天线
CN105911487B (zh) * 2016-04-14 2018-12-14 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种超导磁传感器探测线圈及探测器
CN106199680A (zh) * 2016-09-13 2016-12-07 清华大学 慢中子探测装置
JP7188907B2 (ja) * 2018-04-27 2022-12-13 ラピスセミコンダクタ株式会社 対象物判定装置、プログラム、対象物判定方法、及び半導体装置
US10088535B1 (en) 2018-06-06 2018-10-02 QuSpin, Inc. System and method for measuring a magnetic gradient field
CN109686528B (zh) * 2018-12-18 2020-08-11 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) 一种高温超导储能磁体装置
EP4153296A1 (en) 2020-05-22 2023-03-29 Nearfield Atomics Inc. Systems for therapy delivery using near field magnetic induction devices
RU2747100C1 (ru) * 2020-07-07 2021-04-26 Федеральное государственное бюджетное научное учреждение "Федеральный исследовательский центр "Красноярский научный центр Сибирского отделения Российской академии наук" (ФИЦ КНЦ СО РАН, КНЦ СО РАН) Сканирующий спектрометр ферромагнитного резонанса
WO2022182631A1 (en) 2021-02-26 2022-09-01 NearField Atomics Inc. Systems and methods to keep drivers, pilots, or others alert or focused by electromagnetic delivery of signals
EP4291911A1 (en) 2021-03-22 2023-12-20 Nearfield Atomics Inc. Systems and methods for measuring magnetic fields from solvated target molecules using a magnetoresistive sensor
US12038999B2 (en) * 2021-12-13 2024-07-16 SiliconIntervention Inc. Fast Fourier transforms with incomplete input data replacement
CN114910833A (zh) * 2022-04-22 2022-08-16 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 一种信号接收系统、方法、设备及存储介质
CN117272022B (zh) * 2023-09-19 2024-07-05 北京中关村集成电路设计园发展有限责任公司 一种mems振荡器的检测方法

Family Cites Families (67)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4031462A (en) * 1975-07-07 1977-06-21 Motorola, Inc. Frequency spectrum analyzer
US4095168A (en) 1977-02-22 1978-06-13 Varian Associates, Inc. Rf pick-up coil circuit for a wide tuning range nuclear magnetic resonance probe
US4365303A (en) 1980-02-07 1982-12-21 The Perkin-Elmer Corporation Method and apparatus for determining the nature of an unknown chemical substance
US4751515A (en) 1980-07-09 1988-06-14 Corum James F Electromagnetic structure and method
US4692685A (en) 1984-03-14 1987-09-08 Blaze Kevin L Electrical measuring apparatus, and methods for determining the condition or identity of biological material
DE3573018D1 (en) 1984-09-25 1989-10-19 Richard Distl Measurement arrangement for analysing electromagnetic radiation
FR2598414B1 (fr) 1985-11-12 1988-10-14 Centre Nat Rech Scient Composition pharmaceutique contenant de l'hispiduline ou un derive et utilisation de ces composes dans la preparation de compositions anti-asthmatiques
US4682027A (en) 1986-04-25 1987-07-21 Varian Associates, Inc. Method and apparatus for sample confirmation in gas chromatography
JP2624696B2 (ja) * 1987-07-31 1997-06-25 日本分光株式会社 スペクトル推定装置
CA2008009C (en) * 1989-01-20 1994-05-03 Hajime Hayashi Apparatus for measuring magnetic field
FR2659553B1 (fr) 1990-03-13 1992-07-10 Inst Nat Sante Rech Med Procede de preparation de compositions homeopathiques a partir d'une solution initiale contenant une substance active.
FR2659740B1 (fr) 1990-03-13 1992-07-10 Inst Nat Sante Rech Med Procede de controle de la dilution et de la contamination de solutions a haute dilution.
JPH0464059A (ja) * 1990-07-03 1992-02-28 Kuwabara Yasunaga 分析データ処理装置
MY107650A (en) 1990-10-12 1996-05-30 Exxon Res & Engineering Company Method of estimating property and / or composition data of a test sample
US5254950A (en) 1991-09-13 1993-10-19 The Regents, University Of California DC superconducting quantum interference device usable in nuclear quadrupole resonance and zero field nuclear magnetic spectrometers
JPH0614899A (ja) * 1991-11-06 1994-01-25 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 脳磁界計測装置
US5311125A (en) * 1992-03-18 1994-05-10 Lake Shore Cryotronics, Inc. Magnetic property characterization system employing a single sensing coil arrangement to measure AC susceptibility and DC moment of a sample
JPH05297089A (ja) 1992-04-20 1993-11-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 磁気センサ
US5541413A (en) 1992-04-24 1996-07-30 Thiokol Corporation Acousto-optic tunable filter-based surface scanning system and process
US5343147A (en) 1992-09-08 1994-08-30 Quantum Magnetics, Inc. Method and apparatus for using stochastic excitation and a superconducting quantum interference device (SAUID) to perform wideband frequency response measurements
US6084309A (en) * 1992-10-20 2000-07-04 Fujitsu Limited Semiconductor device and semiconductor device mounting structure
US6028558A (en) 1992-12-15 2000-02-22 Van Voorhies; Kurt L. Toroidal antenna
FR2700628B1 (fr) 1993-01-21 1995-03-24 Benvenistre Jacques Procédé et dispositif de transmission sous forme de signal de l'activité biologique d'une matière porteuse à une autre matière porteuse, et de traitement d'un tel signal, et produit obtenu avec un tel procédé.
US5458142A (en) 1993-03-19 1995-10-17 Farmer; Edward J. Device for monitoring a magnetic field emanating from an organism
US5508203A (en) 1993-08-06 1996-04-16 Fuller; Milton E. Apparatus and method for radio frequency spectroscopy using spectral analysis
GB9403245D0 (en) * 1994-02-21 1994-04-13 Univ Manitoba A device to monitor chemical reactions
US5583432A (en) 1994-04-11 1996-12-10 Sci-Nostics Limited Electrical method and apparatus for non-contact determination of physical and/or chemical properties of a sample, particularly of blood
US6020782A (en) 1994-05-25 2000-02-01 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Noise assisted signal processor with nonlinearly coupled arrays of nonlinear dynamic elements
US5574369A (en) 1994-08-19 1996-11-12 Hibbs; Andrew D. Detection and communications device employing stochastic resonance
US5606691A (en) * 1994-11-10 1997-02-25 Harman Interactive Inc. Method of searching a database using selected criterion having implicit logical operation
US5656937A (en) 1995-06-07 1997-08-12 Conductus, Inc. Low-noise symmetric dc SQUID system having two pairs of washer coils and a pair of Josephson junctions connected in series
US5696691A (en) * 1995-06-29 1997-12-09 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Self-adjusting statistical noise analyzer with interference suppression
US5734353A (en) 1995-08-14 1998-03-31 Vortekx P.C. Contrawound toroidal helical antenna
JP3473210B2 (ja) 1995-08-31 2003-12-02 株式会社島津製作所 生体磁気計測装置
US5737342A (en) * 1996-05-31 1998-04-07 Quantum Corporation Method for in-chip testing of digital circuits of a synchronously sampled data detection channel
US5789961A (en) 1996-06-28 1998-08-04 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Noise- and coupling-tuned signal processor with arrays of nonlinear dynamic elements
JP3518184B2 (ja) 1996-08-02 2004-04-12 株式会社日立製作所 検出コイル一体型squid
US5944782A (en) * 1996-10-16 1999-08-31 Veritas Software Corporation Event management system for distributed computing environment
JP3742998B2 (ja) * 1997-03-26 2006-02-08 住友電気工業株式会社 磁性体濃度の検出方法及び装置
US5959548A (en) 1997-10-31 1999-09-28 Halliburton Energy Services, Inc. Electromagnetic signal pickup device
US6133734A (en) * 1997-12-30 2000-10-17 Schlumberger Technology Corporation Method and apparatus for evaluating an earth formation using nuclear magnetic resonance techiques
JP3334599B2 (ja) * 1998-03-12 2002-10-15 ティーディーケイ株式会社 磁気抵抗効果素子の磁化方向測定方法及び装置
US6196057B1 (en) 1998-04-02 2001-03-06 Reliance Electric Technologies, Llc Integrated multi-element lubrication sensor and lubricant health assessment
FR2777656B1 (fr) 1998-04-20 2000-06-16 Digibio Procede d'amplification de la formation de complexes ligands-recepteurs et ses utilisations
FR2780651B1 (fr) 1998-07-01 2001-07-20 Digibio Procede pour activer une solution inactive et a tres faible concentration d'une subsdeterminee biologique et/ou chimique dans un solvant
US6159444A (en) 1998-09-11 2000-12-12 The Regents Of The University Of California NMR/MRI with hyperpolarized gas and high Tc SQUID
FR2783605A1 (fr) 1998-09-23 2000-03-24 Digibio Procede, systeme et dispositif pour produire a partir d'une substance des signaux, notamment des signaux electriques, caracteristiques de l'activite biologique et/ou chimique de ladite substance
FR2783606B1 (fr) 1998-09-23 2000-11-24 Digibio Procede et systeme pour produire une substance ou un signal ayant un effet coagulant ou anticoagulant. applications therapeutiques de ladite substance ou dudit signal
JP3655753B2 (ja) 1998-10-07 2005-06-02 日本電気株式会社 超伝導電流計測回路とそれを用いた電流計測装置
JP2002532690A (ja) * 1998-12-10 2002-10-02 ユニバーシティー オブ メリーランド 周囲温度の対象物を結像するための走査単電子トランジスタ顕微鏡
US6323632B1 (en) 1999-08-13 2001-11-27 Coulter International Corp. Solid state RF oscillator-detector for flow cytometer
US6136541A (en) 1999-02-22 2000-10-24 Vialogy Corporation Method and apparatus for analyzing hybridized biochip patterns using resonance interactions employing quantum expressor functions
US6142681A (en) 1999-02-22 2000-11-07 Vialogy Corporation Method and apparatus for interpreting hybridized bioelectronic DNA microarray patterns using self-scaling convergent reverberant dynamics
US6411108B1 (en) * 1999-11-05 2002-06-25 Sensor Technologies, Inc. Noncontact signal analyzer
US6285249B1 (en) 2000-01-21 2001-09-04 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Controlled stochastic resonance circuit
JP2001237901A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Ando Electric Co Ltd 波形解析方法その装置
US6201821B1 (en) 2000-06-05 2001-03-13 Agilent Technologies, Inc. Coherent population trapping-based frequency standard having a reduced magnitude of total a.c. stark shift
JP3877131B2 (ja) * 2000-11-10 2007-02-07 ホーチキ株式会社 火災検知器及び火災検知方法
US6586931B2 (en) * 2001-04-20 2003-07-01 Baker Hughes Incorporated NMR logging in the earth's magnetic field
JP3757815B2 (ja) * 2001-04-27 2006-03-22 株式会社日立製作所 生体磁場計測装置
JP4193382B2 (ja) 2001-07-19 2008-12-10 株式会社日立製作所 磁場計測装置
US6825655B2 (en) * 2001-08-31 2004-11-30 Imego Ab Method and arrangement for detecting changes of a magnetic response in magnetic particles
US6760674B2 (en) * 2001-10-08 2004-07-06 Microchip Technology Incorporated Audio spectrum analyzer implemented with a minimum number of multiply operations
AP2004003127A0 (en) 2002-02-06 2004-09-30 Univ California Squid detected NMR and MR1 at ultralow fields
US6724188B2 (en) 2002-03-29 2004-04-20 Wavbank, Inc. Apparatus and method for measuring molecular electromagnetic signals with a squid device and stochastic resonance to measure low-threshold signals
US6995558B2 (en) * 2002-03-29 2006-02-07 Wavbank, Inc. System and method for characterizing a sample by low-frequency spectra
EP1511995A4 (en) * 2002-04-19 2005-10-19 Wavbank Inc SYSTEM AND METHOD FOR DETECTING SAMPLES BASED ON LOW FREQUENCY SPECTRAL COMPONENTS

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9417257B2 (en) 2004-07-27 2016-08-16 Nativis, Inc. System and method for collecting, storing, processing, transmitting and presenting very low amplitude signals
US10046172B2 (en) 2013-03-15 2018-08-14 Nativis, Inc. Controller and flexible coils for administering therapy, such as for cancer therapy
US11103721B2 (en) 2013-03-15 2021-08-31 Natives, Inc. Controller and flexible coils for administering therapy, such as for cancer therapy

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010032551A (ja) 2010-02-12
BRPI0415235A (pt) 2006-12-12
CN1864073B (zh) 2010-05-05
EP1671144A2 (en) 2006-06-21
JP2007533972A (ja) 2007-11-22
CA2538988C (en) 2011-02-15
WO2005036131A3 (en) 2005-07-07
EP1671144A4 (en) 2007-04-18
AU2004280998A1 (en) 2005-04-21
BRPI0415235B1 (pt) 2017-07-04
CA2538988A1 (en) 2005-04-21
US20060158183A1 (en) 2006-07-20
AU2004280998B2 (en) 2008-04-10
US6995558B2 (en) 2006-02-07
US20070210790A1 (en) 2007-09-13
CN1864073A (zh) 2006-11-15
WO2005036131A2 (en) 2005-04-21
US20040183530A1 (en) 2004-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4425922B2 (ja) 低周波数スペクトルでサンプルを特徴付けるためのシステムおよび方法
CA2684009C (en) System and method for characterizing a sample by low-frequency spectra
AU2013290020B2 (en) Miniaturized molecular interrogation and data system
JP4726900B2 (ja) 非常に低振幅な信号を収集、記憶、処理、伝送および提示するためのシステムおよび方法
US6952652B2 (en) System and method for sample detection based on low-frequency spectral components
JP2006508328A5 (ja)
AU2007291894A1 (en) Method and apparatus for signal recovery
Liu et al. Design and implementation of a tuning-matching framework for a high-sensitivity broad band proton precession magnetometer sensing coil
Gaunkar et al. Broadband analysis of response from magnetic cores used in inductive sensors for pulsed nuclear magnetic resonance applications
Sakuta et al. Noise reduction process with generalized harmonics analysis for high-temperature superconducting quantum interference device magnetocardiography

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090612

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090910

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090917

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091009

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091019

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091204

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4425922

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250