JP4823726B2 - 生体高分子検出方法およびその検出装置 - Google Patents

生体高分子検出方法およびその検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、生体高分子検出方法およびその検出装置に関する。
バイオテクノロジーの研究において、特定の抗原を大量に作ることが必要なことがあるが、この作業には大変な手間と時間、費用が必要となる。しかし、特定の抗原と結び付く抗体(モノクロナール抗体)を用いることにより、精製にかかる時間、費用を激減させることが可能になる。例えば、マウスなどの動物に抗原を注射すると、体内に抗体が作られるが、抗体を作った抗体産生細胞は死滅してしまう。そのため、上記抗原の精製に際しては、一般的には細胞融合技術によって作製した不死の抗体産生細胞(ハイブリドーマ)が用いられる。しかしながら、ハイブリドーマにはいくつもの種類が存在し、その中で目的とする抗原を認識するモノクロナール抗体を作るハイブリドーマを選び出すことが必要である。
この工程では抗原を予め付着させた複数の小容器(ウェル)を用意し、そこにハイブリドーマによって生産されたモノクロナール抗体を分注し、それぞれのウェルについて反応したモノクロナール抗体の量を調べる。これには蛍光や放射線などによる標識(ラベル)を用いて調べるのが一般的である。しかしながら、上記した従来の方法では、蛍光標識では蛍光が退色する、いわゆるブリーチング現象が生じるために、短時間で評価しなければならず、その精度に問題がある。また、放射線の使用は特定管理区域で作業を行わなければならないことや、作業者の被曝の恐れもあり、安全上好ましい方法ではない。
本発明者らは抗原抗体反応検出装置において、抗原抗体反応に際して、数μmの粒子径の磁性微粒子で標識された抗体に対して交流磁界を印加し、SQUID磁気センサを用いて信号を高感度で検出する装置(例えば特許文献1、2参照。)をこれまでに提案した。また、直流磁界を印加する方法(例えば、特許文献3、4参照)も提案されている。しかしながら、これらの方法では、上記問題を解決しているものの、十分な感度があるとは言い難い状況にある。
特開2001−133458号公報 特開2004−061144号公報 特開平11−068180号公報 特開2004−157072号公報
本発明は、上記状況に鑑みて、熱応答性磁性ナノ粒子を用いて、生体高分子反応から発生する磁気信号を増大させ、高い感度を有する生体高分子検出方法およびその検出装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を達成するために、下記構成を有する。
〔1〕熱応答性磁性ナノ粒子を標識として用いて、交流磁界下で、標識された生体高分子から発生する磁気信号を計測する生体高分子検出方法であって、臨界溶液温度を持ちこの温度を境界として、冷却、加熱することにより凝集、分散する特性を有する熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の生体高分子に生体高分子反応で標識し、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕項記載の生体高分子検出方法において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の抗原に対する抗体を結合し、これを、溶液中の抗体に抗原抗体反応で標識し、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、抗原を検出することを特徴とする。
〔3〕上記〔1〕項記載の生体高分子検出方法において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の一本鎖DNAと相補性を有する一本鎖DNAで標識し、これを、溶液中の検出対象の一本鎖DNAとハイブリダイゼーションさせた後、磁気信号計測直前に、一本鎖DNAで標識していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、前記熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、検出対象の一本鎖DNAの検出を行うことを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の生体高分子検出方法において、熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とを含み、熱応答性重合体は、下限臨界溶液温度を有する重合体または上限臨界溶液温度を有する重合体であり、磁性ナノ粒子は、多価アルコールと磁気材料とを含む粒子であり、下限臨界溶液温度を有する重合体は、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン及びN−メタクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、上限臨界溶液温度を有する重合体は、アクリルアミド、アセチルアクリルアミド、ビオチノールアクリレート、N−ビオチニル−N’−メタクロイルトリメチレンアミド、N−アクロイルグリシンアミド、アクロイルザルコシンアミド、メタクリルザルコシンアミド、アクロイルニペコタミド及びアクロイルメチルウラシルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、多価アルコールは、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、磁気材料は、酸化物系磁性材料及び金属物系磁性材料からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
〔5〕生体高分子検出装置において、(a)臨界溶液温度を持ちこの温度を境界として、冷却または加熱することにより凝集、分散する特性を有する熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の生体高分子に生体高分子反応で標識する手段と、(b)前記生体高分子反応後の磁気信号計測前に、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加える手段と、(c)前記加えられた熱応答性磁性ナノ粒子を熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に保持することによって、前記熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させる手段と、(d)前記凝集肥大化した熱応答性磁性ナノ粒子で標識された生体高分子を移動させる移動機構と、(e)前記生体高分子に交流磁界を印加する交流磁界印加装置と、(f)クライオスタットと、(g)該クライオスタットの上部であって、前記生体高分子の近傍に配置されるSQUID磁気センサとを備え、(h)前記生体高分子の磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得るようにしたことを特徴とする。
〔6〕上記〔5〕項記載の生体高分子検出装置において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の抗原に対する抗体を結合し、これを、溶液中で抗原に抗原抗体反応で標識し、抗体と結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、抗原抗体反応を検出することを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕項記載の生体高分子検出装置において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の一本鎖DNAで標識し、一本鎖DNAで標識していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、DNAのハイブリダイズの検出を行うことを特徴とする。
〔8〕上記〔5〕〜〔7〕のいずれか1項記載の生体高分子検出装置において、熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とを含み、熱応答性重合体は、下限臨界溶液温度を有する重合体または上限臨界溶液温度を有する重合体であり、磁性ナノ粒子は、多価アルコールと磁気材料とを含む粒子であり、下限臨界溶液温度を有する重合体は、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン及びN−メタクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、上限臨界溶液温度を有する重合体は、アクリルアミド、アセチルアクリルアミド、ビオチノールアクリレート、N−ビオチニル−N’−メタクロイルトリメチレンアミド、N−アクロイルグリシンアミド、アクロイルザルコシンアミド、メタクリルザルコシンアミド、アクロイルニペコタミド及びアクロイルメチルウラシルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、多価アルコールは、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、磁気材料は、酸化物系磁性材料及び金属物系磁性材料からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
〔9〕上記〔4〕項記載の生体高分子検出方法において、熱応答性磁性ナノ粒子が、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とからなり、熱応答性重合体は、N−イソプロピルアクリルアミドからなる重合体またはN−アクロイルグリシンアミドからなる重合体であり、磁性ナノ粒子は、デキストランとフェライトとからなる粒子である。
〔10〕上記〔8〕項記載の生体高分子検出装置において、熱応答性磁性ナノ粒子が、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とからなり、熱応答性重合体は、N−イソプロピルアクリルアミドからなる重合体またはN−アクロイルグリシンアミドからなる重合体であり、磁性ナノ粒子は、デキストランとフェライトとからなる粒子である。
本発明によれば、熱応答性磁性ナノ粒子は、臨界溶液温度を持ち、この温度を境界として、冷却または加熱することにより凝集、分散する特性を有する。この特性を応用し、例えば、抗体に標識した1つの熱応答性磁性ナノ粒子の周囲に、追加した熱応答性磁性ナノ粒子を凝集させることで、交流磁界下で、標識された生体高分子から発生する磁気信号を増大させることができる。凝集させない場合に比べて、熱応答性磁性ナノ粒子を用いて凝集させた場合には、顕著な磁気信号の増幅効果が見られた。
本発明の生体高分子検出方法は、熱応答性磁性ナノ粒子を標識として用いて、交流磁界下で、標識された生体高分子反応から発生する増幅された磁気信号を計測する生体高分子検出方法である。この方法では、臨界溶液温度を持ちこの温度を境界として、冷却または加熱することにより凝集、分散する特性を有する熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の生体高分子に生体高分子反応で標識した後、生体高分子反応後の磁気信号計測直前に、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝縮する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させ、その後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得る。磁気信号計測直前に、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加えるが、この量は、リガンドが結合した熱応答性磁性ナノ粒子の量に対して、過多に加えることが好ましく、1.1〜5倍量程度加えることがよい。
本発明において、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度は、用いられる熱応答性磁性ナノ粒子が上限臨界溶液温度(以下、UCSTと略すことがある)を有する場合には、上限臨界溶液温度以下であり、用いられる熱応答性磁性ナノ粒子が下限臨界溶液温度(以下、LCSTと略すことがある)を有する場合には、下限臨界溶液温度以上である。
本発明で用いられる熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体が磁性ナノ粒子に結合した構造を有している。熱応答性重合体は、熱応答性重合体の有する臨界溶液温度を境界として、冷却、加熱することにより、凝縮、分散する特性を有している。磁性ナノ粒子は、磁性とnmサイズの粒径を有する粒子である。この磁性ナノ粒子は、水溶液中で分散している状態では、交流磁界を印加しても、磁性ナノ粒子から発生する磁気信号は弱い。しかし、熱応答性重合体を結合させた磁性ナノ粒子(熱応答性磁性ナノ粒子を指す)は、この粒子を含む溶液を、冷却または加熱して、凝集する温度範囲とすることで、凝集した状態となり、この状態で交流磁界を印加すると、熱応答性磁性ナノ粒子塊から発生する磁気信号は増幅されて強くなる。
本発明では、熱応答性重合体としては、上限臨界溶液温度を有する重合体、下限臨界溶液温度を有する重合体などが利用できる。ここで、「上限臨界溶液温度を有する」とは、溶液の温度を下降させていき、臨界溶液温度を境界として、この温度以下で重合体の構造変化が生じ、重合体が凝縮する特性を有することをいう。また、「下限臨界溶液温度を有する」とは、溶液の温度を上昇させていき、臨界溶液温度を境界として、この温度以上で重合体の構造変化が生じ、重合体が凝集する特性を有することをいう。
本発明において、検出する生体高分子としては、DNA、RNA、抗原、抗体、ビタミン、酵素等が挙げられる。これらの生体高分子を検出するために、本発明の熱応答性磁性ナノ粒子には、検出対象の生体高分子と結合ための部位(リガンド)を結合する必要がある。例えば、生体高分子が一本鎖DNAの場合には、これとハイブリダイズするためのリガンドは、その一本鎖DNAと相補性を有する一本鎖DNAである。また、生体高分子がビオチンの場合には、リガンドは、アビジンである。また、生体高分子が抗体の場合には、リガンドは抗原である。なお、これらの部位には、更に、蛍光標識等を結合させることもできる。
本発明において、生体高分子反応とは、熱応答性磁性ナノ粒子に結合したリガンドと、検出対象の生体高分子とが結合する反応をいい、具体的には、抗原抗体、交雑(ハイブリダイゼーション)等の反応である。
本発明に用いられる熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とを含んでおり、更にリガンドを結合することで利用できる。熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とを含み、熱応答性重合体は、下限臨界溶液温度を有する重合体または上限臨界溶液温度を有する重合体であり、磁性ナノ粒子は、多価アルコールと磁気材料とを含む粒子である。
本発明に用いられる下限臨界溶液温度を有する重合体は、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリンアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン及びN−メタクリロイルモルホリン等からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、好ましくは、N−イソプロピルアクリルアミドからなる重合体である。
本発明に用いられる上限臨界溶液温度を有する重合体は、アクリルアミド、アセチルアクリルアミド、ビオチノールアクリレート、N−ビオチニル−N’−メタクロイルトリメチレンアミド、N−アクロイルグリシンアミド、アクロイルザルコシンアミド、メタクリルザルコシンアミド、アクロイルニペコタミド及びアクロイルメチルウラシル等からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、好ましくは、N−アクロイルグリシンアミドである。
本発明に用いられる多価アルコールは、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール及びソルビトール等からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはデキストランである。
本発明に用いられる磁気材料は、酸化物系磁性材料及び金属物系磁性材料からなる群から選ばれる少なくとも1種である。酸化物系磁性材料としては、フェライト等の酸化鉄、3d酸化物、4f酸化物等が利用でき、なかでも酸化鉄が好ましく利用できる。金属物系磁性材料としては、Fe、Co、Ni、4f金属等が利用でき、なかでもCo(コバルト)が好ましく利用できる。
本発明で用いる上限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子は、例えば、下記の方法で製造できる。
磁性ナノ粒子(40nm)は、以下の方法で製造できる。
100mlのフラスコに、塩化第二鉄・六水和物(1.0mol)及び塩化第一鉄・四水和物(0.5mol)混合水溶液を3ml、多価アルコールであるデキストラン(和光純薬社製、分子量32000〜40000)の10重量%水溶液60mlを入れ、メカニカルスターラーで攪拌し、この混合溶液を50℃に昇温した後、これに25重量%アンモニア溶液5.0mlを滴下し、1時間程度攪拌する。この操作で、デキストランが固定された、平均粒径が約40nmの磁性ナノ粒子が得られる。
上限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子は、例えば、以下の方法で製造できる。
10mM 炭酸ナトリウム溶液15mlに前記方法で調製した磁性ナノ粒子(40nm)1mlを添加し、2時間攪拌後、グリシジルメタクリレート100mgを添加し、72時間反応させる。透析後に濃縮し、メタクリル化磁性ナノ粒子が得られる。50mlの三口フラスコに、N−アクロイルグリシンアミド200mg、前記メタクリル化磁性ナノ粒子2mg及びビオチンモノマー3mgを入れ、蒸留水で20mlに調整する。この溶液を窒素置換した後、過硫酸アンモニウム30mgを添加し、50℃で2時間反応させることで、上限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子が得られる。この平均粒径は、約100nmになる(光散乱光度計による測定)。また、この微粒子はUCSTを20℃に有し、UCST未満の水溶液中では凝集し、磁石で容易に回収できる。溶液をUCST以上にすると直ちに分散し、磁石では容易に回収できない。
本発明で用いる下限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子は、例えば、以下の方法で製造できる。
50mlの三口フラスコに、N−イソプロピルアクリルアミド300mg、調製したビオチンモノマー3mg、磁性ナノ粒子(40nm)の2重量%水溶液2mlを入れ、蒸留水で20mlに調製する。この溶液を窒素置換した後、更に、0.2M 硝酸二アンモニウムセリウム(IV)硝酸溶液200μlを添加し、2時間攪拌し、反応を進行させることで、下限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子が得られる。この平均粒径は、約100nmになる(光散乱光度計による測定)。また、このナノ粒子はLCSTを37℃に有し、LCST未満の水溶液中では完全に分散し、磁石では容易に回収できないが、溶液をLCST以上にすると直ちに凝縮し、磁石で容易に回収できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例を示す抗原抗体反応検出装置の構成図、図2は図1に示す抗原抗体反応検出装置のA部拡大図である。
これらの図において、1は試料チューブ、2は試料(サンプル)、3はシリンジポンプ、4は支持筒、5はその支持筒4の両端に支持されるヘルムホルツコイル、6は断熱容器、7はその断熱容器6の上部であって、支持筒4の近傍に配置されるSQUID磁気センサ、8はSQUID駆動回路、9はロックインアンプ、10はレコーダ、11はヘルムホルツコイル5およびロックインアンプ9に接続される交流電源である。
次に、上限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子を用いた場合の計測について説明する。
熱応答性磁性ナノ粒子の計測には、試料2にヘルムホルツコイル5により交流磁界を印加したままSQUID磁気センサ7で計測する交流磁界法を適用した。試料2は、まず、0.005〜10μg/50μlの抗原MyosinをPCR(polymerase Chain Reaction)プレートに固定し、1次抗体の抗Myosinを反応させた。図3に示すように、熱応答性磁性ナノ粒子21の表面にアビジン22が結合した径100nmの熱応答性磁性ナノ粒子23と、ビオチン化した2次抗体24を、緩衝液中で結合、標識し、各プレートに添加、反応させた。熱応答性磁性ナノ粒子23と2次抗体24は、各1mg/mlの濃度で、それぞれ14μl、1μl使用した。まず、抗体標識された熱応答性磁性ナノ粒子23のみを0.45mT(テスラ)、100Hzの磁界中で計測した。この結果、抗原濃度4μg/50μlまで検出することができた。次に、各試料に0.1mg/mlの熱応答性磁性ナノ粒子を50μl追加して、2℃に冷却して凝集し、余剰な熱応答性磁性ナノ粒子を洗浄した。この後、同じ条件で再計測した結果、図4に示すように、熱応答性磁性ナノ粒子の追加前に比べて約3〜4倍信号が大きくなることが確認できた。図4において、横軸は抗原濃度(μg/50μl)、縦軸は磁気信号としての磁束(mφ0 )である。なお、下限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子を用いた場合の計測も、上記と同様の方法で実施できる。本発明において、「TM」とは、Thermo−responsive magnetic nano particlesを示す。
次に、本発明の第2実施例を示す一本鎖DNAを用いたDNAのハイブリダイゼーションの検出方法について説明する。
図5は比較例としての磁性ナノ粒子を用いた生体高分子検出原理図である。
この図に示すように、アルデハイドコート基板101上にプローブ一本鎖DNA102を固定して、Cy3蛍光標識103によって一本鎖DNA102が標識されていることを確認し、次に、磁性ナノ粒子(コア径11nm)105で標識した試料DNA片104をハイブリダイズし、後述するSQUID(超高感度)磁気センサで磁気計測を行う。この結果、試料DNA片104を加えていくと、磁気信号が試料DNA量に比例して増加することが確認できた。
以下、本発明にかかる上限臨界溶液温度を有する熱応答磁性ナノ粒子について説明する。
本発明で用いた上限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子は、マグナビート(株)から入手できる。この熱応答性磁性ナノ粒子は、約10℃で十分に凝集が完了する。
図6は比較例としての磁性微粒子(数μmサイズ)を用いた場合を示しており、かかる磁性微粒子(数μmサイズ)201は磁石202に反応して、凝集して大きな塊203となるが、図7(a)に示すように熱応答性磁性粒子がナノサイズとさらに小さくなると、この熱応答性磁性ナノ粒子31は「超常磁性」特性を示し、残留磁気を持たなくなり、磁石32に反応しなくなる。ただし、熱応答性磁性ナノ粒子31は、例えば、60℃より高い温度では、図7(b)に示すように、ナノサイズで「超常磁性」を示して分散が良く、10℃より低い温度では、図7(c)に示すように、凝集して大きな塊33となるように設計することができる。この大きな塊33の状態では本来の強磁性の性質を示すため、磁石32に引き寄せられ、大きな残留磁気を持つようになる。本発明では、この熱応答性磁性ナノ粒子の周囲にアビジンを付与して水に分散させたものを用意する。そして、ビオチン化したサンプル一本鎖DNA片にこれを結合させる。
図8は本発明の第2実施例を示す生体高分子検出の原理を示す模式図である。
図8(a)に示すように、最初にCy3蛍光標識42で標識されたプローブ一本鎖DNA41を基板40に固定し、蛍光顕微鏡でDNAの固定を確認する。次に、図8(b)に示すように、反応溶液温度60℃以上において熱応答性磁性ナノ粒子44で標識された試料DNA片43をハイブリダイズさせる。次に、図8(c)に示すように、DNA片に標識されていない熱応答性磁性ナノ粒子46を追加する。次に、図8(d)に示すように、最後に、反応溶液温度を10℃以下に低下させて、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集させる。そうすることによって、DNA片に標識された熱応答性磁性ナノ粒子44を肥大化させ、凝集・肥大化した磁性ナノ粒子の凝集塊47が生成される。また、ここで、凝集された未結合の一本鎖DNA片および余分な浮遊熱応答性磁性ナノ粒子48は磁石によって回収され、この後、結合された浮遊熱応答性ナノ粒子塊のみを磁石で磁化する。熱応答性磁性ナノ粒子はこの状態では凝集・肥大化した磁性ナノ粒子の凝集塊47となっているので、強磁性体の性質を示し、大きな残留磁気が数時間以上保持される。そこで、後述するSQUID磁気センサ上にこのDNAに標識された凝集・肥大化した熱応答性磁性ナノ粒子の凝集塊47を有する試料の基板を移動して、磁気信号として計測する。
この方法のもう一つの特徴として、未結合の一本鎖DNA片および浮遊した余剰熱応答性磁性ナノ粒子48を磁石で回収除去できることが挙げられる。これは洗浄の工程を減らすことができるので、大きなメリットとなる。
なお、下限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子についても、上記と同様の方法で実施できる。
図9は本発明の第2実施例を示す計測システムの模式図である。なお、この計測システムには試料に印加される交流磁界印加装置は省略されている。
この図において、51は上記した凝集肥大化した熱応答性磁性ナノ粒子で標識された生体高分子としての一本鎖DNAが搭載されるスライド基板、52はワイヤ、53は駆動モータ、54は制御装置、55はクライオスタット(低温保持容器)、56は磁気シールドボックス、57はこの低温保持容器55の上部であって、スライド基板51の近傍に配置されるSQUID(超高感度)磁気センサ、58は駆動回路、59はアンプ、60はX−Yペンレコーダ、61はパーソナルコンピュータである。
この計測システムは、(1)熱応答性磁性ナノ粒子の磁気信号計測をするSQUID(超高感度)磁気センサ57および駆動回路58と、(2)SQUID(超高感度)磁気センサ57を低温に保持するためのクライオスタット(低温保持容器)55と、(3)駆動モータ53とワイヤ52と制御装置54からなる基板移動機構と、(4)地磁気などの磁気ノイズを遮断するための磁気シールドボックス56などから構成される。駆動回路58は低ノイズ化を図るために用いる。
試料はスライド基板51に乗せられ、磁気シールドボックス56外に設置された移動機構によってSQUID(超高感度)磁気センサ57直上に移動させ、磁気センサ57の通過時の磁気信号を計測し、記録する。
更に、熱応答性磁性ナノ粒子において、より大きな信号を得るためには、図10に示すような酸化鉄系あるいはCo(コバルト)系のナノ粒子71をコアとした熱応答性磁性ナノ粒子を用いるとよい。この熱応答性磁性ナノ粒子71表面にアビジン72が結合し、また、ビオチン化した2次抗体73を、緩衝液中で結合、標識とするようにした。このように構成することにより、一桁大きい磁気信号を得ることが可能になると考えられる。なお、本発明では、溶液として、緩衝液などが利用できる。また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、抗原抗体反応の検出では、特に微量な酵素などモノクロナール抗体の作製において効率化をもたらす抗原抗体反応検出装置として、また、DNAのハイブリダイゼーションの検出を行うDNAチップやマイクロアレイなどに利用可能である。
本発明の第1実施例を示す抗原抗体反応検出装置の構成図である。 図1に示す抗原抗体反応検出装置のA部拡大図である。 本発明の第1実施例を示す熱応答性磁性ナノ粒子を示す模式図である。 本発明の第1実施例を示す抗原濃度(μg/50μl)に対する磁気信号としての磁束(mφ0 )の特性図である。 比較例としての磁性ナノ粒子を用いた生体高分子検出原理図である。 比較例としての磁性微粒子(数μmサイズ)を用いた場合を示す図である。 本発明の第2実施例の上限臨界溶液温度を有する熱応答性磁性ナノ粒子の特性の説明図である。 本発明の第2実施例を示す生体高分子検出の原理を示す模式図である。 本発明の第2実施例を示す計測システムの模式図である。 本発明にかかる酸化鉄系あるいはCo(コバルト)系のナノ粒子をコアとした熱応答性磁性ナノ粒子を示す図である。
符号の説明
1 試料チューブ
2 試料(サンプル)
3 シリンジポンプ
4 支持筒
5 ヘルムホルツコイル
6 断熱容器
7 SQUID磁気センサ
8 SQUID駆動回路
9 ロックインアンプ
10 レコーダ
11 交流電源
21,31,44 熱応答性磁性ナノ粒子
22 アビジン
23 アビジン化した熱応答性磁性ナノ粒子
24,73 ビオチン化した2次抗体
32 磁石
33 熱応答性磁性ナノ粒子の凝集塊
40 基板
41 プローブ一本鎖DNA
42 Cy3蛍光標識
43 試料DNA片
46 追加されたDNA断片に標識されていない熱応答性磁性ナノ粒子
47 凝集・肥大化した熱応答性磁性ナノ粒子の凝集塊
48 浮遊した余剰の熱応答性磁性ナノ粒子
51 スライド基板
52 ワイヤ
53 駆動モータ
54 制御装置
55 クライオスタット(低温保持容器)
56 磁気シールドボックス
57 SQUID(超高感度)磁気センサ
58 駆動回路
59 アンプ
60 X−Yペンレコーダ
61 パーソナルコンピュータ
71 酸化鉄系あるいはCo(コバルト)系の熱応答性磁性ナノ粒子
72 アビジン

Claims (10)

  1. 熱応答性磁性ナノ粒子を標識として用いて、交流磁界下で、標識された生体高分子から発生する磁気信号を計測する生体高分子検出方法であって、臨界溶液温度を持ちこの温度を境界として、冷却、加熱することにより凝集、分散する特性を有する熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の生体高分子に生体高分子反応で標識し、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることを特徴とする生体高分子検出方法。
  2. 請求項1記載の生体高分子検出方法において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の抗原に対する抗体を結合し、これを、溶液中の抗体に抗原抗体反応で標識し、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、抗原を検出することを特徴とする生体高分子検出方法。
  3. 請求項1記載の生体高分子検出方法において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の一本鎖DNAと相補性を有する一本鎖DNAで標識し、これを、溶液中の検出対象の一本鎖DNAとハイブリダイゼーションさせた後、磁気信号計測直前に、一本鎖DNAで標識していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、前記熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、検出対象の一本鎖DNAの検出を行うことを特徴とする生体高分子検出方法。
  4. 熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とを含み、熱応答性重合体は、下限臨界溶液温度を有する重合体または上限臨界溶液温度を有する重合体であり、磁性ナノ粒子は、多価アルコールと磁気材料とを含む粒子であり、下限臨界溶液温度を有する重合体は、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン及びN−メタクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、上限臨界溶液温度を有する重合体は、アクリルアミド、アセチルアクリルアミド、ビオチノールアクリレート、N−ビオチニル−N’−メタクロイルトリメチレンアミド、N−アクロイルグリシンアミド、アクロイルザルコシンアミド、メタクリルザルコシンアミド、アクロイルニペコタミド及びアクロイルメチルウラシルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、多価アルコールは、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、磁気材料は、酸化物系磁性材料及び金属物系磁性材料からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項記載の生体高分子検出方法。
  5. (a)臨界溶液温度を持ちこの温度を境界として、冷却または加熱することにより凝集、分散する特性を有する熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の生体高分子に生体高分子反応で標識する手段と、
    (b)前記生体高分子反応後の磁気信号計測前に、リガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加える手段と、
    (c)前記加えられた熱応答性磁性ナノ粒子を熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に保持することによって、前記熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させる手段と、
    (d)前記凝集肥大化した熱応答性磁性ナノ粒子で標識された生体高分子を移動させる移動機構と、
    (e)前記生体高分子に交流磁界を印加する交流磁界印加装置と、
    (f)クライオスタットと、
    (g)該クライオスタットの上部であって、前記生体高分子の近傍に配置されるSQUID磁気センサとを備え、
    (h)前記生体高分子の磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得るようにしたことを特徴とする生体高分子検出装置。
  6. 請求項5記載の生体高分子検出装置において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の抗原に対する抗体を結合し、これを、溶液中で抗原に抗原抗体反応で標識し、抗体と結合していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、抗原抗体反応を検出することを特徴とする生体高分子検出装置。
  7. 請求項5記載の生体高分子検出装置において、前記熱応答性磁性ナノ粒子に、検出対象の生体高分子に対するリガンドを結合し、これを、溶液中の一本鎖DNAで標識し、一本鎖DNAで標識していない熱応答性磁性ナノ粒子を加え、熱応答性磁性ナノ粒子が凝集する温度に溶液の温度を保持することによって、熱応答性磁性ナノ粒子を凝集肥大化させた後、交流磁界を印加して、磁気信号計測時にリガンドと結合していない熱応答性磁性ナノ粒子の無添加状態の磁気信号と比較して大きな磁気信号を得ることで、DNAのハイブリダイズの検出を行うことを特徴とする生体高分子検出装置。
  8. 熱応答性磁性ナノ粒子は、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とを含み、熱応答性重合体は、下限臨界溶液温度を有する重合体または上限臨界溶液温度を有する重合体であり、磁性ナノ粒子は、多価アルコールと磁気材料とを含む粒子であり、下限臨界溶液温度を有する重合体は、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン及びN−メタクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、上限臨界溶液温度を有する重合体は、アクリルアミド、アセチルアクリルアミド、ビオチノールアクリレート、N−ビオチニル−N’−メタクロイルトリメチレンアミド、N−アクロイルグリシンアミド、アクロイルザルコシンアミド、メタクリルザルコシンアミド、アクロイルニペコタミド及びアクロイルメチルウラシルからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体からなる重合体であり、多価アルコールは、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール及びソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、磁気材料は、酸化物系磁性材料及び金属物系磁性材料からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5〜7のいずれか1項記載の生体高分子検出装置。
  9. 熱応答性磁性ナノ粒子が、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とからなり、熱応答性重合体は、N−イソプロピルアクリルアミドからなる重合体またはN−アクロイルグリシンアミドからなる重合体であり、磁性ナノ粒子は、デキストランとフェライトとからなる粒子である、請求項4記載の生体高分子検出方法。
  10. 熱応答性磁性ナノ粒子が、熱応答性重合体と磁性ナノ粒子とからなり、熱応答性重合体は、N−イソプロピルアクリルアミドからなる重合体またはN−アクロイルグリシンアミドからなる重合体であり、磁性ナノ粒子は、デキストランとフェライトとからなる粒子である、請求項8記載の生体高分子検出装置。
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