JP4425851B2 - 移動体通信端末 - Google Patents

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Description

本発明は、アプリケーションプログラムを実行可能な携帯電話機等の移動体通信端末に関するものである。
従来、この種の移動体通信端末としては、プラットフォームに依存しないオブジェクト指向のプログラミング言語で記述されたアプリケーションプログラムを実行可能な携帯電話機が知られている。例えば、JAVA(登録商標。以下同様。)仮想マシン機能を実装し、JAVAで記述されたアプリケーションプログラムを実行できるようにした携帯電話機が知られている(特許文献1参照)。このような携帯電話機では、所定のサーバからダウンロードするなどして取得した様々なアプリケーションプログラムを利用することが可能である。また、BREW(登録商標。以下同様。)のアプリケーション実行環境上で動作するアプリケーションプログラムなどについても、同様である。
特開2000−347867号公報
近年、電子マネーサービス機能を携帯電話機に持たせるために、電子マネー処理用のICチップが携帯電話機に組み込まれ、上記アプリケーションプログラムとして、電子マネー用のアプリケーションプログラムが提供されるようになってきている。かかる携帯電話機では、電子マネー用のアプリケーションプログラムで使用するアプリケーション用データ記憶領域が、上記ICチップ内のメモリに設定される。そして、アプリケーションプログラムの実行中に、上記アプリケーション用データ記憶領域内のデータを利用することにより、電子マネー処理を行うことができる。
上記電子マネー処理用のICチップが組み込まれて電子マネー用のアプリケーションプログラムを実行可能な携帯電話機では、現金を持たずに買い物などができるというような便利さがある反面、悪用される危険性がある。例えば、この携帯電話機を落した場合、その携帯電話機を拾った人が電子マネー用のアプリケーションプログラムを実行して電子マネーによる買い物を行ったり買い物履歴や電子マネーの残高等のプライベート情報を閲覧したりする危険性がある。そのため、上記携帯電話機を落した場合には、予め登録しておいた特定の電話番号の電話機から上記携帯電話機に電話をかけることにより、携帯電話機における電子マネーサービス機能を利用できないようにロックすることが考えられる。
ところが、上記ロックのための電話等の着信を受けているときに上記電子マネー用のアプリケーションプログラムが実行されていると、そのアプリケーションプログラムの実行が優先されて電子マネーサービス機能をロックできないおそれがある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、電子マネー用のアプリケーションプログラムの実行中であっても、外部からの着信による電子マネーサービス機能のロックを確実に行うことができる移動体通信端末を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、アプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、該アプリケーションプログラムの実行を継続した状態で該着信を通知する着信通知動作モード及び該アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信優先動作モードのいずれかを、該アプリケーションプログラムの起動に先だって事前に設定可能な移動体通信端末であって、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止するように制御する制御手段と、上記実行中の電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作する電子マネー処理用の集積回路装置と、を備え、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを一時停止したときに、上記電子マネー処理用の集積回路装置への電源の供給を維持するように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止する。このように電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を一時停止することにより、電子マネーサービス機能を停止させることができるので、その移動体通信端末上での電子マネーサービス機能を強制的に使用不能にする電子マネーサービス機能のロックを確実に行うことができる。従って、電子マネー用のアプリケーションプログラムの実行中であっても、外部からの着信による電子マネーサービス機能のロックを確実に行うことができる。
また、この移動体通信端末では、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを一時停止したときに、上記電子マネー処理用の集積回路装置への電源供給を維持しておくことにより、電子マネー処理用の集積回路装置のパワーエージングが維持される。このようにパワーエージングが維持されることにより、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを一時停止した待機状態に電子マネー処理用の集積回路装置を動作させる外部からの無線呼出しがあったときに、その外部からの無線呼出しに即答することができ、電子マネー処理用の集積回路装置を用いた電子マネーサービス機能を即座に再開することができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の移動体通信端末において、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するときに、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について上記着信優先動作モードを設定するように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するという操作を行うだけで、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について着信優先動作モードに自動設定される。従って、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について着信動作モード設定のためのユーザの操作が不要になる。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の移動体通信端末において、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行が終了したときに、上記事前の着信動作モードの設定に戻すように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行が終了したときに、上記事前の着信動作モードの設定に戻るので、電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムについては、上記事前の着信動作モードの設定が維持される。従って、電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムでは上記事前の着信動作モードの再設定が不要になる。
また、請求項の発明は、請求項1、2又は3の移動体通信端末において、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを強制的に一時停止したときに、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムから上記電子マネー処理用の集積回路装置への論理的な接続が開いている場合には該論理的な接続を閉じるように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、電子マネー関連のアプリケーションプログラムを強制的に一時停止したときに、電子マネー関連のアプリケーションプログラムから電子マネー処理用の集積回路装置への論理的な接続が開いている場合には、その論理的な接続を閉じる。これにより、電子マネー処理用の集積回路装置に対する論理的な接続が開いている状態で電子マネー関連のアプリケーションプログラムが停止するという不安定な動作状態に陥らないようになる。
また請求項2の移動体通信端末において、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作し、その動作が可能な電子マネーサービス機能を規制するロック機能の設定が可能な電子マネー処理用の集積回路装置と、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動を指示するためのアプリケーション起動指示手段と、を備え、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動が指示されたときに、該電子マネーサービス機能のロックが有効になっているか否かを確認し、該電子マネーサービス機能のロックが有効になっている場合にはロックを解除するか否かを問い合せるメッセージを出力するように制御してもよい。
この移動体通信端末では、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動が指示されたときに、電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づく動作が可能な電子マネーサービス機能のロックが有効になっているか否かを確認する。この電子マネーサービス機能のロックが有効になっている場合には、ロックを解除するか否かを問い合せるメッセージを出力することにより、電子マネーサービス機能のロックの有無の確認とそのロックの解除指示とを利用者が容易に行うことができるようになる。
なお、上記電子マネーサービス機能の「ロック」は、例えば移動体通信端末の本体側から電子マネー処理用の集積回路装置への電源の供給を絶つことにより実現することができる。また、上記「ロック」は、移動体通信端末の制御により電子マネー処理用の集積回路装置の動作設定を変更することで実現することもできる。
また、前記移動体通信端末において、上記電子マネーサービス機能のロックの解除を指示するためのロック解除指示手段と、上記制御手段は、上記電子マネーサービス機能のロックの解除が指示されたとき、利用者の認証処理を実行し、該利用者の認証結果に基づいて該電子マネーサービス機能のロック解除不可と判定された場合には、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動を中止するように制御してもよい。
この移動体通信端末では、上記出力されたメッセージを確認した利用者により電子マネーサービス機能のロックの解除が指示されたとき、利用者の認証処理を実行する。ここで、利用者の認証結果に基づいて電子マネーサービス機能のロック解除不可と判定された場合には、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動を中止することにより、電子マネーサービス機能の不正利用を防止することができる。
また請求項2の移動体通信端末において、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作し、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信可能な電子マネー処理用の集積回路装置を備え、上記制御手段は、待受け状態以外で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動を行うか否かを利用者に問い合せるメッセージを出力するように制御してもよい。
この移動体通信端末では、待受け状態以外で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき出力されるメッセージにより、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信したことを利用者に知らせることができる。また、上記メッセージにより、外部装置からの起動要求に応じて電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するか否かの指示を利用者に促すことができる。
また、前記移動体通信端末において、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動を指示するためのアプリケーション起動指示手段を備え、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動が指示されたとき、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するように制御してもよい。
この移動体通信端末では、上記起動要求に対応する電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動が指示されたときのみ、その電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動することにより、不用意に外部装置と通信を行って電子マネー関連のアプリケーションプログラムが起動するのを防止できる。
また、請求項の発明は、アプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、該アプリケーションプログラムの実行を継続した状態で該着信を通知する着信通知動作モード及び該アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信優先動作モードのいずれかを、該アプリケーションプログラムの起動に先だって事前に設定可能な移動体通信端末であって、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止するように制御する制御手段と、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作し、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信可能な電子マネー処理用の集積回路装置と、を備え、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するときに、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について上記着信優先動作モードを設定するように制御し、待受け状態で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外の他のアプリケーションプログラムの一時停止中に、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき、該一時停止中のアプリケーションプログラムを終了するか否かを利用者に問い合せるメッセージを出力するように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、待受け状態で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外の他のアプリケーションプログラムの一時停止中に、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき出力されるメッセージにより、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信したことを利用者に知らせることができる。また、上記メッセージにより、外部装置からの電子マネー関連のアプリケーションプログラム起動要求に応じて一時停止中のアプリケーションプログラムを終了するか否かの指示を、利用者に促すことができる。
また、請求項の発明は、アプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、該アプリケーションプログラムの実行を継続した状態で該着信を通知する着信通知動作モード及び該アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信優先動作モードのいずれかを、該アプリケーションプログラムの起動に先だって事前に設定可能な移動体通信端末であって、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止するように制御する制御手段と、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作し、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信可能な電子マネー処理用の集積回路装置と、を備え、上記制御手段は、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するときに、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について上記着信優先動作モードを設定するように制御し、待受け状態で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外の常駐型の他のアプリケーションプログラムの実行中に、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき、該実行中のアプリケーションプログラムを終了するか否かを利用者に問い合せるメッセージを出力するように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、待受け状態で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外の常駐型の他のアプリケーションプログラムの実行中に、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき出力されるメッセージにより、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信したことを利用者に知らせることができる。また、上記メッセージにより、外部装置からの電子マネー関連のアプリケーションプログラム起動要求に応じて実行中の常駐型アプリケーションプログラムを終了するか否かの指示を、利用者に促すことができる。
また、請求項の発明は、請求項5又は6の移動体通信端末において、上記他のアプリケーションプログラムの終了を指示するためのアプリケーション終了指示手段を備え、上記制御手段は、該他のアプリケーションプログラムの終了が指示されたとき、該他のアプリケーションプログラムを終了した後、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するように制御することを特徴とするものである。
この移動体通信端末では、上記他のアプリケーションプログラムの終了が指示されたときのみ、他のアプリケーションプログラムを終了した後、上記起動要求に対応する電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動することにより、不用意に外部装置と通信を行って電子マネー関連のアプリケーションプログラムが起動するのを防止できる。また、利用者が認知しない状況で実行中のアプリケーションプログラムが突然終了して上記起動要求に対応する電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するということがなく、利用者に不快感を与えることがない。
なお、上記「移動体通信端末」としては、PDC(Personal Digital Cellular)方式、GSM(Global System for Mobile Communication)方式、TIA(Telecommunications Industry Association)方式等の携帯電話機、IMT(International Mobile Telecommunications)−2000で標準化された携帯電話機、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)方式の一つであるTD−SCDMA(MC:Multi Carrier)方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)などが挙げられる。
また、上記移動体通信端末における処理及び制御は、これらに設けられたコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現することもできる。このコンピュータで用いるプログラムの受け渡しは、デジタル情報としてプログラムを記録したFD、CD−ROM等の記録媒体を用いて行ってもいいし、コンピュータネットワーク等の通信ネットワークを用いて行ってもよい。
請求項1乃至の発明によれば、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、その電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を一時停止することにより、移動体通信端末における電子マネーサービス機能を停止させて強制的に使用不能にする電子マネーサービス機能のロックを確実に行うことができる。従って、電子マネー用のアプリケーションプログラムの実行中であっても、外部からの着信による電子マネーサービス機能のロックを確実に行うことができるという効果がある。
特に、請求項1の発明によれば、電子マネー関連のアプリケーションプログラムを一時停止した待機状態に電子マネー処理用の集積回路装置を動作させる外部からの無線呼出しがあったときに、その外部からの無線呼出しに即答することができ、電子マネー処理用の集積回路装置を用いた電子マネーサービス機能を即座に再開することができるという効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について着信動作モード設定のためのユーザの操作が不要になるという効果がある。
特に、請求項3の発明によれば、電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムに適用される上記事前の着信動作モードの再設定が不要になるという効果がある
に、請求項の発明によれば、電子マネー処理用の集積回路装置に対する論理的な接続が開いている状態で電子マネー関連のアプリケーションプログラムが停止するという不安定な動作状態に陥るのを防止できるという効果がある
に、請求項の発明によれば、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信したことを利用者に知らせることができるとともに、外部装置からの電子マネー関連のアプリケーションプログラム起動要求に応じて一時停止中のアプリケーションプログラムを終了するか否かの指示を、利用者に促すことができるという効果がある。
特に、請求項の発明によれば、電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信したことを利用者に知らせることができるとともに、外部装置からの電子マネー関連のアプリケーションプログラム起動要求に応じて実行中の常駐型アプリケーションプログラムを終了するか否かの指示を、利用者に促すことができるという効果がある。
特に、請求項の発明によれば、不用意に外部装置と通信を行って電子マネー関連のアプリケーションプログラムが起動するのを防止できる。しかも、利用者が認知しない状況で実行中のアプリケーションプログラムが突然終了して上記起動要求に対応する電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するということがなく、利用者に不快感を与えることがないという効果がある
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る移動体通信端末としての携帯電話機を用いることができる電子財布サービスシステムの一例を示す概略構成図である。この電子財布サービスシステムは、携帯電話機10を一種の財布のように使用できるサービスを提供するシステムであり、通信ネットワーク上に設けられた管理サーバ20や、各種施設や店舗等に設置された電子財布サービスの決済用端末装置であるリーダ/ライタ装置(以下、「R/W装置」という。)30等で構成されている。
上記管理サーバ20は、例えばWEB機能を具備したサーバで構成され、移動体通信ネットワークとしての携帯電話網40を介して携帯電話機10との間で通信可能に構成されている。この管理サーバ20と携帯電話機10との間の通信プロトコルとしては、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol )が用いられる。管理サーバ20は、電子財布サービスのアプリケーションプログラムの各機能について利用者の権限管理を実行する。また、管理サーバ20には、上記権限管理に必要な暗号処理やその暗号処理に用いる認証キー(暗号鍵)の管理を行う専用モジュールが設けられている。
上記R/W装置30は、各種施設や店舗等に設置された決済用端末装置であり、携帯電話機10と通信するための通信モジュール31を備えている。このR/W装置30としては、駅の改札ゲート装置のほか、バスなどの中にある運賃収受機や乗車口カード読み取り装置、駅やイベント会場等の発券装置、金融機関等の自動現金支払装置、店舗などのレジ装置、高速道路のETCの基地局などがある。携帯電話機10との間で所定の通信方式で無線通信する。この通信方式としては各種の方式を採用することができる。例えば、非接触ICカードを用いた非接触通信方式や、ブルートゥース(登録商標)・ETC等の電波を用いた近距離無線通信方式、赤外線を用いた通信方式、可視光を用いた通信方式等を採用することができる。データの転送には所定の通信プロコルが用いられ、その転送方式としては、シリアルデータ転送方式の他、多重転送方式、時分割転送方式等を採用することができる。また、R/W装置30は、例えば固定回線のネットワーク50を介して管理サーバ20と通信可能なパーソナルコンピュータ35が接続されている。管理サーバ20とパーソナルコンピュータ35との間の通信プロトコルとしては、例えばHTTPの他、FTPやTELNET、又は独自の通信プロトコルが用いられ、これらプロトコルを使用して各種データが送受される。このパーソナルコンピュータ35を介して、R/W装置30は、電子財布サービス関連のデータを管理サーバ20との間でやり取りすることができる。
なお、上記ネットワーク50には、適宜、携帯電話通信網40を利用するようにしてもよいし、他の通信回線ネットワークを利用するようにしてもよい。
上記携帯電話機10は、携帯電話通信網40の基地局41を介して、管理サーバ20と通信することができる。この携帯電話機10には、利用者が決済で使用可能なクレジットカード情報や実際の銀行口座から予め引き落とした貨幣情報が保管され、これらの電子財布関連の情報を管理するソフトウェアであるアプリケーションプログラムが組み込まれている。以下、アプリケーションプログラムは適宜「アプリケーション」と略し、上記電子財布関連の情報を管理するソフトウェアであるアプリケーションプログラムは、「財布アプリケーション」という。本実施形態では、この財布アプリケーションとして、JAVA(登録商標。以下同様。)やC++等のオブジェクト指向プログラミングで開発された、プラットフォームに依存しないアプリケーションプログラムを用いている。これらのアプリケーションプログラムは、ネットワーク上のサーバから適宜ダウンロードして携帯電話機10内に登録することができ、それらの中から利用者が選択して実行することができる。利用者が選択したアプリケーションプログラムは、携帯電話機10に構築されたJAVA実行環境やBREW(登録商標。以下同様。)実行環境上で実行される。
図2は、携帯電話機10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。この携帯電話機10は、主制御部110と無線通信部111とベースバンド処理部112と音入出力部113と表示部114と操作部115とを備える。
主制御部110は、MPU(Micro Processing Unit)、RAM、ROM等を備え、所定の基本OSやミドルウェア等のプログラムが実行されることにより、ベースバンド処理部112等の各部を制御したり、ソフトウェア構成上のネイティブプラットフォーム環境やアプリケーション実行環境を構築したりする。
無線通信部111は、例えばシンセサイザ、周波数変換器,高周波増幅器などにより構成され、携帯電話通信網40の基地局41との間で無線通信するための高周波信号処理を実行する。
ベースバンド処理部112は、外部の移動体通信端末やサーバとの間で電話やデータ送受信の通信を行うためのデジタル処理を実行する。このベースバンド処理部112と上記無線通信部111との間はD/A変換器やA/D変換器を介して接続されている。
音入出力部113は、マイク、スピーカ、音信号処理部等で構成されている。マイクから出力されるアナログの音声信号は、音信号処理部でデジタル信号に変換され、主制御部110やベースバンド処理部112等に送られる。スピーカは、音信号処理部でデジタル信号から変換されたアナログ信号が入力され、通話中の音声を出力したり、メールの着信音、電話の呼び出し音、音楽などを出力したりする。なお、スピーカは、通話中の音声を聞くための受話器用スピーカ(レシーバ)と、着信音や音楽などを出力する外部出力用スピーカとを別々に設けて構成してもいいし、これらの受話器用スピーカ及び外部出力用スピーカを兼用するように一つのスピーカで構成してもよい。
表示部114は、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成され、主制御部110からの指令に基づいて各種画像を表示する。
操作部115は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)、通話開始キー、終話キー、スクロールキー、多機能キー等の複数のキーで構成されている。この操作部115は、利用者が通話開始、終話、メニュー選択、画面切り換え等を指示したり情報を入力したりするときに用いられる。
また、携帯電話機10は、電子財布サービスで用いられる電子マネー処理用の集積回路装置としての専用ICチップやICカードで構成された電子財布チップ部116を備えている。電子財布チップ部116は、前述のR/W装置30との間で、所定通信プロトコルによる通信を行うためのアンテナや無線通信回路を有している。
また、携帯電話機10は、GPS(Global Positioning System)部117、カメラ部118、センサー部119、電源供給部120、図示しない時計部等も備えている。
GPS部117は、GPS受信モジュールやGPSアンテナ等で構成され、地球の周りに配置されている複数のGPS衛星から電波を受信し、その受信結果に基づいて携帯電話機10が位置する緯度、経度及び高度のデータを算出する。
カメラ部118は、レンズや撮像デバイス等で構成され、人物や風景等を撮影する時に用いられる。撮像デバイスとしては、CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOSカメラを用いることができる。
センサー部119は、加速度センサー及び/又は地磁気センサー等で構成されている。上記加速度センサーは、1軸の加速度センサーであっていいし、2軸や3軸等の複数軸の加速度センサーであってもよい。また、上記地磁気センサーも、1軸の地磁気センサーであっていいし、2軸や3軸等の複数軸の地磁気センサーであってもよい。このセンサー部119の出力に基づいて、携帯電話機10の位置、向き、姿勢及び動きを示すデータを算出することができる。また、センサー部119の出力に基づいて、所定高度における基準位置から利用者の携帯電話機10が移動したときの加速度データや地磁気データの時間変化の情報である履歴情報から、携帯電話機10が位置している高度、角度等を示すデータを算出することができる。
電源供給部120は、充電可能なバッテリー、バッテリーから各部に所定電圧の電力を供給する電力供給回路、バッテリーを充電する充電回路などを備えている。
時計部はクロック回路等で構成され、正確な日時を計数し、更新処理等のための時刻情報を生成する。
図3は、携帯電話機10のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。携帯電話通信網40を介した電話やデータ通信等の携帯電話機10の基本的な動作は、ネイティブ130と呼ばれる電話機プラットフォームの実行環境上で実行される。このネイティブ130は、基本OSや、各種ミドルウェア、各種ドライバーソフト等で構成される。ミドルウェアとしては、電話処理ソフト、メールクライアント、メールブラウザ、HTTPクライアント、WWWブラウザ、アプリケーションマネージャ等のソフトが起動される。このネイティブ130内のドライバーソフトを介して、GPS部117におけるGPS制御ソフト131や、センサー部119におけるセンサー制御ソフト132等が実行される。
上記ネイティブ130上には、利用者からの起動指示があった場合など、必要に応じてJAVA等のアプリケーション実行環境(仮想マシン)140が構築される。このアプリケーション実行環境140上で、利用者によって登録され選択された、ゲーム151、位置情報サービス(LBS)152、電子財布153等の各種アプリケーションが実行される。
また、上記ネイティブ130上において、電子財布サービスを受けるためのセキュリティコントローラ135のソフトが実行される。このセキュリティコントローラ135は、電子財布アプリケーション153が実行されているアプリケーション実行環境140との間で、各種指令やデータを送受信する。また、セキュリティコントローラ135は、ネイティブ130内のHTTPクライアント130aや電子財布チップドライバ130bを介して、電子財布チップ部116との間で各種指令やデータを送受信する。これにより、電子財布チップ部116における電子財布チップ制御ソフト133が実行され、当該電子財布チップ制御ソフト133の実行により、電子財布チップ部116とR/W装置30との商品・サービスの取引や決済のための通信が制御される。また、電子財布チップ部116内のデータ記憶領域の管理や、それらのデータ記憶領域に対するデータの書き込みや読み出しなどが制御される。
更に、セキュリティコントローラ135は、アプリケーション実行環境140で実行される電子財布アプリケーション153の要求にしたがって、ネットワーク上の管理サーバ20との通信を制御し、電子財布サービスにおける決済などの処理に必要なデータの読み書きを実行する。
ここで、電子財布サービス用のプラットフォームは主に、ネイティブ130の一部(HTTPクライアント130a、電子財布チップドライバ130b)と、セキュリティコントローラ135と、アプリケーション実行環境140で実行される電子財布アプリケーション153と、電子財布チップ部116における電子財布チップ制御ソフト133とにより形成される。
図4は、アプリケーション実行環境(仮想マシン)140の構成の一例を示すブロック図である。このアプリケーション実行環境(仮想マシン)140は、オブジェクト指向プログラミングで開発されたアプリケーション151,152,153,・・・に利用される、仮想マシン、クラスライブラリ、実行環境管理ライブラリ、アプリケーション管理等のソフトウェアを提供し、アプリケーションの実行環境を管理する。
ここで、JAVA用の実行環境は、例えば、携帯電話機などの組み込み機器向けの機能セットであるJ2ME(JAVA 2 Micro Edition)の一つとして定義される想定実行環境CLDC(Connected Limited Device Configuration)と、仮想マシンとしてのKVM(K Virtual Machine)とを基本構成として構築することができる。
上記クラスライブラリは、所定の用途ごとにプロファイルと呼ばれる複数種類のクラスライブラリ群を構成している。この複数種類のプロファイルとしては、標準のクラスライブラリ群で構成されるMIDP(Mobile Information Device Profile)等の標準プロファイルと、電子財布アプリケーションやゲームアプリケーションなどの特定の用途に用いるクラスライブラリ群で構成される拡張プロファイルとがある。
上記アプリケーション実行環境140上で実行されるアプリケーションは、クラスライブラリAPI(アプリケーションインターフェース)を介して、アプリケーション実行環境140内にある標準プロファイル及び拡張プロファイルの関数等のクラスライブラリを呼び出して使用できるようになっている。
上記アプリケーション実行環境140の実行環境管理ライブラリが持つ機能としては、携帯電話(移動局)管理機能、ユーザインターフェース機能、メディア管理機能、時間管理機能、タイマー機能、イベント制御機能、通信管理機能、描画管理機能、ストレージ管理機能、メモリ管理機能、サウンド機能等がある。これらの実行環境管理ライブラリは、電話機プラットフォームAPIを介して、ネイティブ130内の電話機プラットフォームライブラリを呼び出して使用することができる。また、上記実行環境管理ライブラリは、セキュリティコントローラAPIを介して、セキュリティコントローラ135内のライブラリを呼び出して使用することができる。
また、ネイティブ130やセキュリティコントローラ135は、各種イベントが発生したとき、アプリケーション実行環境140を介してアプリケーション151,152,153,・・・に、その発生したイベントを通知することができる。
上記アプリケーション実行環境140上で実行可能なJAVAアプリケーションのうち、電子財布アプリケーション153は、プログラム関連情報としてのプロパティ情報であるJAD(Joint Application Design)ファイル内の記述で認識される。具体的には、JADファイルに電子財布アプリケーションであることを示す属性(例えば、「MIDlet-Wallet Partition Number」)が記述されることで認識される。また、JADファイルに電子財布アプリケーションの属性を示すアプリケーションの存在がある場合には、MIDxlet-Resident(Default: N)属性を無視し、デフォルト扱いとされる。これにより、電子財布アプリケーションを常駐型アプリケーション、常駐継続型アプリケーションに設定できないようにしている。更に、携帯電話機10の常駐アプリケーション設定画面において、電子財布アプリケーションは設定対象として表示されない。
図5は、携帯電話機10における財布アプリケーションが保存されるアプリケーションプログラム記憶部136と、その財布アプリケーションで用いるデータの保存されるアプリケーションデータ記憶部137との関係の一例を示すブロック図である。アプリケーションプログラム記憶部136は、ネイティブ130で制御管理される携帯電話機本体の内部メモリ(RAM、ROM等)に設定される。
一方、上記データ記憶部137は、電子財布チップ部(ICチップ)116の内部メモリ領域に設定される。このデータ記憶部137は、セキュリティコントローラ135により、ネイティブ130の電子財布チップドライバ130bを介して制御管理される。このデータ記憶部137は、システム用記憶領域137Sとユーザ登録用記憶領域137Uとを有する。システム用記憶領域137Sは、携帯電話機10に予め登録されているアプリケーションで用いるデータが記憶されるシステム登録アプリケーション用データ記憶領域(以下、「システム登録データ領域」という。)が設定されている。ユーザ登録用記憶領域137Uは、ユーザが登録するアプリケーションで用いるデータが記憶されるユーザ登録アプリケーション用データ記憶領域(以下、「ユーザ登録データ領域」という。)が設定される。
図5の例において、アプリケーションプログラム記憶部136には、複数の電子財布アプリケーションA,B,M,・・・が保存されている。これらのアプリケーションは、使用者の本人性が確認されたときのみ実行される認証型のアプリケーションであり、実体的な減課金処理を行うアプリケーションである。図中の「X」や「Y」はそれぞれ、互いに異なる二つの電子マネー環境(電子マネー取扱事業者)を示している。「X 電子財布アプリケーションA(実行アプリケーション)」と、「Y 電子財布アプリケーションB(実行アプリケーション)」及び「Y 電子財布アプリケーションM(実行アプリケーション)」とは、電子マネー環境(電子マネー取扱事業者)が互いに異なる。
上記複数の電子財布アプリケーションのうち、電子財布アプリケーションA,Bは、携帯電話機10に予め組み込まれているシステム登録のアプリケーションである。また、電子財布アプリケーションMは、例えば、ユーザがネットワーク上の所定のサーバからダウンロードして登録したユーザ登録のアプリケーションである。
一方、データ記憶部137には、各電子財布アプリケーションに対応するアプリケーション用データ記憶領域(以下、「データ記憶領域」という。)137A,137B,・・・,137M,・・・が、電子財布アプリケーションごとに設定されている。
図5のデータ記憶部137の例では、複数の電子マネー事業者毎及び電子財布アプリケーション毎に複数の「パーティション」で領域を区切られている。この「パーティション」は、実体的な現金情報(貨幣情報)が保存される保存領域を構成する区画である。それぞれのパーティションには、各電子財布アプリケーションが識別できるようにコード(識別番号)が付与される。このパーティションの中に、各電子財布アプリケーションに従属したデータ記憶領域137A,137B,・・・,137M,・・・が設定される。一つのパーティションには、一つのデータ記憶領域を設けてもいいし、複数のデータ記憶領域を設けてもよい。
ここで、上記システム登録の電子財布アプリケーションA,B,・・・に対応するシステム登録データ記憶領域137A,137B,・・・は、データ記憶部137のシステム用記憶領域137S内に設定される。一方、上記ユーザ登録の電子財布アプリケーションM,・・・に対応するユーザ登録データ記憶領域137M,・・・は、データ記憶部137のユーザ登録用記憶領域137U内に設定される。
上記システム登録データ記憶領域137A,137B,・・・及びユーザ登録データ記憶領域137M,・・・には、「領域A」、「領域B」、「その他」のように領域表示名が付けられている。ここで、ユーザ登録データ記憶領域137M,・・・については、システム登録データ記憶領域と容易に識別できるように、「その他」という領域表示名が設定されている。
また、各データ記憶領域の配下には、「ブロック」と呼ばれる実データの記憶領域が設けられている。この「ブロック」は、電子財布アプリケーションの操作により媒介される現金データの属性ごとに、その現金データの属性情報と、それに関連する情報とが保存されるファイルディレクトリである。
本人認証に用いられる鍵情報は、管理サーバに保存してもいいし、データ記憶領域(ブロック)に保存してもいいし、また、アプリケーションプログラム記憶領域に保存してもよい。
各電子財布アプリケーションのプロパティ情報が記述されるJADファイルには、必須の属性情報として、その電子財布アプリケーションがデータ記憶領域「エリア」を発行する「パーティション」の識別番号が記述される。また、JADファイルには、オプションの属性情報として、電子財布アプリケーションが発行するデータ記憶領域「エリア」の識別番号及びそのサイズ(ブロック数)も記述される。
また、オプションの属性情報としては、パーティションの記録容量のサイズ(パーティションサイズ)やアプリケーションIDも記述される。パーティションサイズは、生成したパーティションのサイズ(ブロック数)である。また、アプリケーションIDは、R/W装置30からのアプリケーション起動に使用されるアプリケーションの識別コードであり、アプリケーション提供者ごとに付与される。
図6は、電子財布アプリケーションとデータ記憶領域との対応関係の一例を示す説明図である。この例では、図示しないパーティション分割用のアプリケーションにより、三つの「パーティション0」、「パーティション1」及び「パーティション10」が生成されている。「パーティション0」及び「パーティション1」は、電子マネー事業者X社が提供する電子財布の所有者用のパーティションであり、「パーティション10」は、電子マネー事業者Y社が提供する電子財布の所有者用のパーティションである。また、電子財布アプリケーションA,B,Cはシステム登録のアプリケーションであり、電子財布アプリケーションMは、ユーザ登録のアプリケーションである。
ここで、例えば、電子財布アプリケーションAは、「パーティション0」内の「領域A」に対してデータの読み出し及び書き込みができる。電子財布アプリケーションCは、「パーティション0」内の「領域A」に対してデータの読み出しのみ、「領域C」に対してデータの読み出し及び書き込みができる。電子財布アプリケーションBは、「パーティション1」内の「領域B」に対してデータの読み出し及び書き込みができる。
また、ユーザ登録の電子財布アプリケーションMは、ユーザ登録用記憶領域137Uにある「パーティション10」内の「その他」に対して、データの読み出し及び書き込みができる。
図7は、携帯電話機10において電子財布アプリケーションを利用する場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
携帯電話機10のメインメニュー画面でデータフォルダーを選択すると、アプリケーションライブラリや、電子財布機能を利用するためのM−コマースライブラリ等が表示される。電子財布アプリケーションは、アプリケーションライブラリのほかM−コマースライブラリにも表示される。電子財布アプリケーションの表示及びリストを操作した場合の振る舞いは、ゲーム等の他のアプリケーションの場合と同様である。
図7において、メインメニュー画面で選択したデータフォルダーの画面で、M−コマースを選択すると、M−コマースのメニュー画面171が表示される。このM−コマースのメニュー画面171上で、例えば特定の電子財布アプリケーション(図の例では「電子財布アプリ1」)を選択し、「オプション」の「選択」を選択したり、多機能キーを示す「◎」を選択したりすると、その選択した電子財布アプリケーションが実行される。
また、上記メニュー画面171上で、「他のM−コマース」を選択し、「オプション」の「選択」を選択したり、多機能キーを示す「◎」を選択したりすると、WEBブラウザが起動し、M−コマースのポータルサイトにアクセスする。
また、上記メニュー画面171上で、特定の電子財布アプリケーション(図の例では「電子財布アプリ1」)を選択し、「オプション」の「削除」を選択すると、その選択した電子財布アプリケーションの削除実行をユーザに問い合せる画面が表示される。そして、この問い合せ画面で、ユーザが「Yes」を選択すると、上記選択した電子財布アプリケーションの削除処理が実行される。一方、ユーザが「No」を選択すると、M−コマースのメニュー画面171に戻る。このM−コマースのメニュー画面171に戻る際に、「削除を中止しますか?」といったポップアップを表示してもよい。
また、上記メニュー画面171上で、特定の電子財布アプリケーション(図の例では「電子財布アプリ1」)を選択し、「オプション」の「プロパティ」を選択すると、その選択した電子財布アプリケーションのプロパティ画面172が表示される。プロパティ画面172には、上記電子財布チップ部(IC)116を使用するか否かを示す情報や、上記選択した電子財布アプリケーションに対応するデータ記憶領域に関する記憶領域情報が表示される。この記憶領域情報としては、上記選択した電子財布アプリケーションに対応するデータ記憶領域であるパーティション領域の識別情報(エリア名)及びサイズ(ブロック数)等が表示される。
図7の例では、上記電子財布チップ部(IC)116を使用する旨、上記選択した電子財布アプリケーションに対応するデータ記憶領域の識別情報(使用エリア)が「エリアA」である旨、及び、その「エリアA」のサイズ(ICサイズ)が5ブロックである旨がそれぞれ、表示されている。これらの情報は、JAVAアプリケーションの場合、前述のJADファイルに記述された属性に基づいて判断されて取得される。例えば、上記電子財布チップ部(IC)116を使用するか否かは、電子財布アプリケーション特有の属性である「MIDlet-Wallet Partition Number」が存在するか否かで判断される。この属性が存在する場合には、電子財布チップ部(IC)116を使用すると判断して「使用する」と表示する。一方、この属性が存在しない場合には、電子財布チップ部(IC)116を使用しないと判断して「使用しない」と表示する。または、「IC対応」の項目自体を表示しない。また、上記選択した電子財布アプリケーションに対応するデータ記憶領域の識別情報(使用エリア)は、上記「MIDlet-Wallet Partition Number」の属性の値で判断する。この属性の値で指定されたパーティションに割り振られた名称(例えば、「エリアA」、「エリアB」、・・・)が、データ記憶領域の識別情報(使用エリア)として表示される。また、上記選択した電子財布アプリケーションに対応するデータ記憶領域のサイズ(ICサイズ)は、電子財布アプリケーション特有の属性である「MIDlet-Wallet Area-<n>」の値で判断される。この「MIDlet-Wallet Area-<n>」属性に設定された値の合計(単位:ブロック)が、データ記憶領域のサイズ(ICサイズ)として表示される。
図8は、上記電子財布アプリケーションで使用される電子財布チップ部116の設定処理を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
利用者が携帯電話機10のメインメニュー画面で「設定」を選択すると、電子財布機能の設定を行うためのM−コマース設定画面173が表示される。このM−コマース設定画面173で、「ICカードステータス」以外を選択すると、ユーザ認証画面174が表示される。このユーザ認証画面174で所定の暗証番号を入力して「OK」を選択すると、M−コマース設定画面173で設定された機能が実行される。なお、ユーザ認証の方法としては、暗証番号の入力のほか、指紋や静脈パターン、顔認証等身体的特徴を判定する手段等を用いた生体認証を用いてもよい。
一方、利用者がM−コマース設定画面173で、「ICカードステータス」を選択すると、最新のステータス情報を示すICカードステータス表示画面が表示される。
図9は、上記電子財布アプリケーションを登録するときの登録処理の一例を示すフローチャートである。まず、電子財布アプリケーションのダウンロードが完了した後、ユーザの操作により、電子財布アプリケーションの追加登録指示を受け付けると(S1)、ダウンロードした電子財布アプリケーションのプログラムファイルを、上記所定のアプリケーションプログラム記憶部136に書き込む登録処理が実行される(S2)。
次に、電子財布アプリケーションのプロパティ情報に基づいて、登録対象の電子財布アプリケーションに対応するユーザ登録データ記憶領域を設定するか否かを判定する(S3)。
ここで、上記ユーザ登録データ記憶領域を設定すると判定された場合には、図5のデータ記憶部137におけるユーザ登録用記憶領域137Uに、ユーザ登録データ記憶領域「その他」を設定する(S4)。
なお、上記電子財布アプリケーションの追加登録において、複数のユーザ登録データ記憶領域を設定する場合、それらの領域の表示名は、例えば「その他1」、「その他2」のように、互いに識別できるように設定する。
上記構成の携帯電話機10において、追加登録の電子財布アプリケーションに対応付けてユーザ登録データ記憶領域を設定するアプリケーション登録手段は、前述の主制御部110を用いて構成される。また、上記アプリケーションプログラムの追加登録を指示するためのアプリケーション登録指示手段は、操作部(キー)115を用いて構成される。
上記登録処理によれば、ユーザが電子財布アプリケーションを追加登録するとき、そのアプリケーションに対応するユーザ登録データ記憶領域「その他」137Mが、ユーザ登録用記憶領域137Uに登録される。従って、ユーザ登録データ記憶領域「その他」137Mが対応付けられて設定される電子財布アプリケーションをプラグインするようにユーザが登録して使用できる。
図10は、上記構成の携帯電話機10で電子財布アプリケーションを起動するときの処理の一例を示すフローチャートである。この携帯電話機10では、電子財布アプリケーション以外のアプリケーションの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、着信通知動作モード及び着信優先動作モードのいずれかを事前に設定できる。着信通知動作モードは、アプリケーションの実行を継続した状態で着信を通知する着信動作モードである。一方、着信優先動作モードは、アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信動作モードである。
まず、ユーザの操作により、指定の電子財布アプリケーションの起動指示を受け付けると(S101)、電子財布サービス機能のロックが有効か否かチェックされる(S102)。ここで、電子財布サービス機能のロックが有効でない場合、すなわち電子財布サービス機能がロックされていない場合は、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、上記指定の電子財布アプリケーションの実行中について上記着信優先動作モードが設定され、その電子財布アプリケーションが起動される(S106、S107)。
一方、電子財布サービス機能のロックが有効である場合すなわち電子財布サービス機能がロックされている場合は、そのロックを解除するか否かをユーザに問い合せるメッセージが表示される(S103)。この表示を確認したユーザは、携帯電話機10を操作し、「ロック解除(Yes)」又は「ロック解除なし(No)」を指示する。この指示内容がチェックされ(S104)、「ロック解除なし(No)」が指示された場合は、上記電子財布アプリケーションを起動せずに終了する。
「ロック解除(Yes)」が指示された場合は、所定の暗証番号の入力や生体認証などによるユーザ認証処理が行われる。このユーザ認証がチェックされ(S105)、本人認証が確認されなかった場合(NG)は、上記電子財布アプリケーションを起動せずに終了する。一方、本人認証が確認された場合(OK)は、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、上記指定の電子財布アプリケーションの実行中について上記着信優先動作モードが設定され、その電子財布アプリケーションが起動される(S106、S107)。
なお、上記電子マネーサービス機能の「ロック」は、例えば携帯電話機の本体側から電子財布チップ部116への電源の供給を絶つことにより実現することができる。また、上記「ロック」は、携帯電話機の制御により、電子財布チップ部の動作設定を変更することでそのロック機能をオン状態とすることにより実現することもできる。
図11は、上記電子財布アプリケーションの実行中に着信があったときの一時停止処理の一例を示すフローチャートである。上記所定の手順で起動した電子財布アプリケーションの実行中に電話の着信があったときには、電子財布アプリケーションから前述の電子財布チップ部116への論理的な接続がオープンになっているか否かが確認される(S201,S202)。ここで、電子財布チップ部116への論理的な接続がオープンになっている場合(Yes)には、その接続がクローズされる(S203)。
次に、電子財布チップ部116への電源供給が維持された状態で、電子財布アプリケーションが一時停止される(S204)。
図12は、上記構成の携帯電話機10において外部装置であるR/W装置30から受信した起動要求に基づいて電子財布アプリケーションを起動するときの前処理の一例を示すフローチャートである。まず、R/W装置30から起動要求を受信すると、携帯電話機10がアプリケーション実行可能な状態か否かが確認される(S301,S302)。ここで、携帯電話機10における、ユーザ固有の設定により、アプリケーションの実行を不可としている場合(No)には、電子財布アプリケーションを起動しないで終了する。
次に、アプリケーション実行可能な状態の場合には、次の(1)、(2)及び(3)に示す携帯電話機10の各種状態に応じて処理内容が異なる。
(1)待受け画面以外の場合
(2)待受け画面で且つ電子財布アプリケーション以外のアプリケーションが一時停止中の場合
(3)常駐設定された電子財布アプリケーション以外のアプリケーションが実行中の場合
上記(1)の待受け画面以外の場合(S303判定でのNo)は、ユーザに対して、例えば「待ち受け画面に戻ってから再度かざして下さい。」といったメッセージを表示し(S304)、電子財布アプリケーションを起動しないで終了する。上記メッセージとしては、例えば、待受け画面に戻ってからR/W装置30に携帯電話機10をかざすように促すメッセージを表示する。
上記(2)の待受け画面で且つ電子財布アプリケーション以外のアプリケーションが一時停止中の場合(S305判定でのYes)は、一時停止中のアプリケーションを終了するか否かを確認するためのプロンプト表示を行う(S306)。ここで、利用者がアプリケーションを終了しない旨を指示する操作を行ったとき(No)は、電子財布アプリケーションを起動しないで終了する。一方、利用者がアプリケーションの終了を指示する操作を行ったとき(Yes)は、一時停止中のアプリケーションを終了した後(S307)、上記指定の電子財布アプリケーションを起動する(S308)。
上記(3)のように、常駐設定された電子財布アプリケーション以外のアプリケーションが実行中か否かが確認され(S309)、その常駐型アプリケーションが実行中の場合(Yes)は、実行中の常駐型アプリケーションを終了するか否かを確認するためのプロンプト表示を行う(S310)。ここで、利用者が上記常駐型のアプリケーションを終了しない旨を指示する操作を行ったとき(S309判定でのNo)は、電子財布アプリケーションを起動しないで終了する。一方、利用者が上記常駐型のアプリケーションの終了を指示する操作を行ったとき(S310判定でのYes)は、実行中のアプリケーションを終了した後(S311)、上記指定の電子財布アプリケーションを起動する(S308)。
なお、上記待受け画面で電子財布アプリケーション以外のアプリケーションが一時停止中でもなく(S305判定でのNo)、常駐型のアプリケーションの実行中でもない場合(S310判定でのNo)は、上記指定の電子財布アプリケーションを起動する(S308)。
図13は、上記R/W装置30からの起動要求に基づく電子財布アプリケーションの起動処理の一例を示すフローチャートである。R/W装置30から所定フォーマットの起動要求を受信し、図12の前処理において電子財布アプリケーションを起動することになった場合(S308)は、前述のネイティブ130の電子財布チップドライバ130bや起動コントロール等で起動要求(コマンド)の内容が解析される(S401,S402)。そして、アプリケーション実行環境140のアプリケーションマネージャに対して、アプリケーション識別IDやアプリケーション起動パラメータが通知される。アプリケーション実行環境140のアプリケーションマネージャは、所定容量以上のアプリケーション起動パラメータを受け取ってメモリ上に保持し、電子財布アプリケーションに通知することができる。
次に、上記アプリケーション自動起動の設定がONになっているか否かが確認される(S403)。ここで、アプリケーション自動起動の設定がOFFになっている場合(No)は、上記指定の電子財布アプリケーションを起動しないで終了する。
一方、アプリケーション自動起動の設定がONになっている場合(Yes)は、上記アプリケーション識別IDに基づいて、上記指定のアプリケーションがインストールされているか否かが確認される。上記指定のアプリケーションがインストールされていない場合(No)は、所定のメッセージ(例えば「電子財布アプリケーションが存在しません。」というメッセージ)を表示し、電子財布アプリケーションを起動しないで終了する。上記指定のアプリケーションがインストールされている場合(Yes)は、指定の電子財布アプリケーションを起動し、所定の電子財布サービス機能が利用できるようにする(S406)。この場合、アプリケーション実行環境140のアプリケーションマネージャは、起動した電子財布アプリケーションが終了するまで、アプリケーション起動パラメータを保持し続け、電子財布アプリケーションから規定のAPIで呼び出された際はアプリケーション起動パラメータの情報を通知する。
上記構成の携帯電話機10において、上記電子財布アプリケーション起動等の制御を行う制御手段は、前述の主制御部110を用いて構成される。上記アプリケーションの起動を指示するためのアプリケーション起動指示手段、上記電子マネーサービス機能(電子財布サービス機能)のロックの解除を指示するためのロック解除指示手段、及びアプリケーションの終了を指示するためのアプリケーション終了指示手段は、操作部(キー)115を用いて構成される。
以上、本実施形態によれば、電子財布アプリケーションの実行中に着信を受けたときには、一般のアプリケーションについて設定された事前の着信動作モード設定にかかわらず、電子財布アプリケーションの実行を強制的に一時停止する。このように電子財布アプリケーションの実行中に外部からの着信を受けたときには、その電子財布アプリケーションの実行を一時停止することにより、携帯電話機10における電子財布サービス機能を停止させて強制的に使用不能にする電子財布サービス機能のロックを確実に行うことができる。従って、電子財布アプリケーションの実行中であっても、外部からの着信による電子財布サービス機能のロックを確実に行うことができる。
また、本実施形態によれば、電子財布アプリケーションを起動するという操作を行うだけで、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、電子財布アプリケーションの実行中について着信優先動作モードに自動設定される。従って、電子財布アプリケーションの実行中について着信動作モード設定のためのユーザの操作が不要になる。
また、本実施形態によれば、電子財布アプリケーションの実行が終了したときに、上記事前の着信動作モードの設定に戻るので、電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムについては、上記事前の着信動作モードの設定が維持される。従って、電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムに適用される上記事前の着信動作モードの再設定が不要になる。
また、本実施形態によれば、電子財布アプリケーションを一時停止したときに、電子財布チップ部116への電源供給を維持しておくことにより、電子チップ部116のパワーエージングが維持される。従って、電子財布アプリケーションの一時停止を解除したときに、電子財布チップ部116を用いた電子財布サービス機能を即座に再開することができる。
特に、本実施形態によれば、電子財布アプリケーションを強制的に一時停止したときに、電子財布アプリケーションから電子財布チップ部116への論理的な接続が開いている場合には、その論理的な接続を閉じている。これにより、電子財布チップ部116に対する論理的な接続が開いている状態で電子マネー関連のアプリケーションプログラムが停止するという不安定な動作状態に陥るのを防止できる。
また、本実施形態によれば、電子財布アプリケーションの起動時に電子財布サービス機能のロックが有効になっている場合には、そのロックを解除するか否かを問い合せるメッセージを出力することにより、電子財布サービス機能のロックの有無の確認とそのロックの解除指示とを利用者が容易に行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、上記出力されたメッセージを確認した利用者により電子財布サービス機能のロックの解除が指示されたとき、利用者の認証処理を実行している。そして、利用者の認証結果に基づいて電子財布サービス機能のロック解除不可と判定された場合には、電子財布アプリケーションの起動を中止しているので、電子マネーサービス機能の不正利用を防止することができる。
また、本実施形態によれば、待受け状態以外で電子財布アプリケーションの起動要求をR/W装置30から受信したとき出力されるメッセージにより、電子財布アプリケーションの起動要求の受信を利用者に知らせることができる。また、上記メッセージにより、R/W装置30からの起動要求に応じて電子財布アプリケーションを起動するか否かの指示を利用者に促すことができる。
また、本実施形態によれば、上記起動要求に対応する電子財布アプリケーションの起動が指示されたときのみ、その電子財布アプリケーションを起動することにより、不用意にR/W装置30と通信を行って電子財布アプリケーションが起動するのを防止できる。
また、本実施形態によれば、待受け状態で電子財布アプリケーション以外の他のアプリケーションの一時停止中に、電子財布アプリケーションの起動要求をR/W装置30から受信したとき出力されるメッセージにより、その電子財布アプリケーションの起動要求の受信を利用者に知らせることができる。また、上記メッセージにより、R/W装置30からの電子財布アプリケーションの起動要求に応じて一時停止中のアプリケーションを終了するか否かの指示を、利用者に促すことができる。
また、本実施形態によれば、待受け状態で電子財布アプリケーション以外の常駐型の他のアプリケーションの実行中に、電子財布アプリケーションの起動要求をR/W装置30から受信したとき出力されるメッセージにより、その電子財布アプリケーションの起動要求の受信を利用者に知らせることができる。また、上記メッセージにより、R/W装置30からの電子財布アプリケーションの起動要求に応じて実行中の常駐型アプリケーションを終了するか否かの指示を、利用者に促すことができる。
また、本実施形態によれば、上記他のアプリケーションの終了が指示されたときのみ、そのアプリケーションプログラムを終了し、上記起動要求に対応する電子財布アプリケーションを起動することにより、不用意にR/W装置30と通信を行って電子財布アプリケーションが起動するのを防止できる。また、利用者が認知しない状況で実行中のロールプレイングゲーム等のアプリケーションが突然終了して上記起動要求に対応する電子財布アプリケーションR/W装置30を起動するということがなく、利用者に不快感を与えることがない。
また、本実施形態によれば、携帯電話機で実行可能なアプリケーションのプロパティ情報に対する無駄な属性判定動作を回避しつつ、電子財布アプリケーションが常駐型アプリケーションとして表示・実行されないようにすることにより、電子財布アプリケーションの不正使用をより確実に防止することができる。
また、上記実施形態においては、携帯電話機10を例に挙げて説明したが、本発明は、他の移動体通信端末についても同様に適用できるものである。
本発明の実施形態に係る携帯電話機を用いることができる電子財布サービスシステムの概略構成図。 携帯電話機のハードウェア構成の一例を示すブロック図。 携帯電話機のソフトウェア構成の一例を示すブロック図。 アプリケーション実行環境の構成の一例を示すブロック図。 携帯電話機におけるアプリケーションプログラム記憶部とアプリケーションデータ記憶部との関係の一例を示すブロック図。 電子財布アプリケーションとデータ記憶領域との対応関係の一例を示す説明図。 携帯電話機において電子財布アプリケーションを利用する場合の画面遷移の一例を示す説明図。 電子財布アプリケーションで使用される電子財布チップ部の設定処理を行う場合の画面遷移の一例を示す説明図。 電子財布アプリケーションを登録するときの登録処理の一例を示すフローチャート。 電子財布アプリケーションを起動するときの処理の一例を示すフローチャート。 電子財布アプリケーションの実行中に着信があったときの一時停止処理の一例を示すフローチャート。 R/W装置から受信した起動要求に基づいて電子財布アプリケーションを起動するときの前処理の一例を示すフローチャート。 R/W装置からの起動要求に基づく電子財布アプリケーションの起動処理の一例を示すフローチャート。
符号の説明
10 携帯電話機
20 管理サーバ
30 R/W装置
31 通信モジュール
35 パーソナルコンピュータ
40 携帯電話通信網
50 固定回線のネットワーク
110 主制御部
116 電子財布チップ部
137 データ記憶部

Claims (7)

  1. アプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、該アプリケーションプログラムの実行を継続した状態で該着信を通知する着信通知動作モード及び該アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信優先動作モードのいずれかを、該アプリケーションプログラムの起動に先だって事前に設定可能な移動体通信端末であって、
    電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止するように制御する制御手段と、
    上記実行中の電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作する電子マネー処理用の集積回路装置と、を備え、
    上記制御手段は、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを一時停止したときに、上記電子マネー処理用の集積回路装置への電源の供給を維持するように制御することを特徴とする移動体通信端末。
  2. 請求項1の移動体通信端末において、
    上記制御手段は、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するときに、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について上記着信優先動作モードを設定するように制御することを特徴とする移動体通信端末。
  3. 請求項1又は2の移動体通信端末において、
    上記制御手段は、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行が終了したときに、上記事前の着信動作モードの設定に戻すように制御することを特徴とする移動体通信端末
  4. 求項1、2又は3の移動体通信端末において、
    上記制御手段は、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを強制的に一時停止したときに、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムから上記電子マネー処理用の集積回路装置への論理的な接続が開いている場合には該論理的な接続を閉じるように制御することを特徴とする移動体通信端末。
  5. アプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、該アプリケーションプログラムの実行を継続した状態で該着信を通知する着信通知動作モード及び該アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信優先動作モードのいずれかを、該アプリケーションプログラムの起動に先だって事前に設定可能な移動体通信端末であって、
    電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止するように制御する制御手段と、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作し、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信可能な電子マネー処理用の集積回路装置と、を備え、
    上記制御手段は、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するときに、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について上記着信優先動作モードを設定するように制御し、
    待受け状態で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外の他のアプリケーションプログラムの一時停止中に、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき、該一時停止中のアプリケーションプログラムを終了するか否かを利用者に問い合せるメッセージを出力するように制御することを特徴とする移動体通信端末。
  6. アプリケーションプログラムの実行中に着信を受けたときの着信動作モードとして、該アプリケーションプログラムの実行を継続した状態で該着信を通知する着信通知動作モード及び該アプリケーションプログラムの実行を一時停止する着信優先動作モードのいずれかを、該アプリケーションプログラムの起動に先だって事前に設定可能な移動体通信端末であって、
    電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中に外部からの着信を受けたときには、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行を強制的に一時停止するように制御する制御手段と、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムに基づいて動作し、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を外部装置から受信可能な電子マネー処理用の集積回路装置と、を備え、
    上記制御手段は、
    上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するときに、上記事前の着信動作モード設定にかかわらず、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムの実行中について上記着信優先動作モードを設定するように制御し、
    待受け状態で上記電子マネー関連のアプリケーションプログラム以外の常駐型の他のアプリケーションプログラムの実行中に、上記電子マネー関連のアプリケーションプログラムの起動要求を受信したとき、該実行中のアプリケーションプログラムを終了するか否かを利用者に問い合せるメッセージを出力するように制御することを特徴とする移動体通信端末。
  7. 請求項5又は6の移動体通信端末において、
    上記他のアプリケーションプログラムの終了を指示するためのアプリケーション終了指示手段を備え、
    上記制御手段は、
    該他のアプリケーションプログラムの終了が指示されたとき、該他のアプリケーションプログラムを終了した後、該電子マネー関連のアプリケーションプログラムを起動するように制御することを特徴とする移動体通信端末
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