JP4425397B2 - オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 - Google Patents
オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4425397B2 JP4425397B2 JP36279999A JP36279999A JP4425397B2 JP 4425397 B2 JP4425397 B2 JP 4425397B2 JP 36279999 A JP36279999 A JP 36279999A JP 36279999 A JP36279999 A JP 36279999A JP 4425397 B2 JP4425397 B2 JP 4425397B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- hydrocarbon group
- groups
- mmol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- NHBUPFSYJAJRBG-RQZCQDPDSA-N CC(CCCC1)C1/N=C/c(cc(cc1I)OC)c1O Chemical compound CC(CCCC1)C1/N=C/c(cc(cc1I)OC)c1O NHBUPFSYJAJRBG-RQZCQDPDSA-N 0.000 description 1
- ISOPAUPZUSZICS-FYJGNVAPSA-N CCCC(C)c1cc(C)cc(/C=N/C2C(C)CCCC2)c1O Chemical compound CCCC(C)c1cc(C)cc(/C=N/C2C(C)CCCC2)c1O ISOPAUPZUSZICS-FYJGNVAPSA-N 0.000 description 1
- YMOMRZLPUWKAON-MHWRWJLKSA-N Oc1c(/C=N/Cc2ccccc2)cccc1I Chemical compound Oc1c(/C=N/Cc2ccccc2)cccc1I YMOMRZLPUWKAON-MHWRWJLKSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
【発明の技術分野】
本発明は新規なオレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
一般にポリオレフィンは、機械的特性などに優れているため、各種成形体用など種々の分野に用いられている。近年ポリオレフィンに対する物性の要求が多様化しており、様々な性状のポリオレフィンが望まれており、またその生産性の向上も望まれている。
【0003】
従来からポリオレフィンを製造するための触媒として、チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触媒、およびバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒が知られている。
【0004】
また、高い重合活性でポリオレフィンを製造することのできる触媒としてジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)とからなるチーグラー型触媒が知られている。
【0005】
また、最近新しいオレフィン重合用触媒としてジイミン構造の配位子を持った遷移金属化合物(国際公開特許第9623010号参照)が提案されている。
さらに最近新しいオレフィン重合用触媒として、本願出願人は特開平11−315109号として、サリチルアルドイミン配位子を有する遷移金属化合物を提案した。該触媒は、25℃程度の温度で高いオレフィン重合活性を示す。しかし、工業的なプロセスでポリオレフィンを生産する場合には、より高温の方が反応熱の除去が容易である点、反応溶液の粘度が低減でき、生産性が向上する等の点で有利なため、高温においてより高い重合活性を有する重合用触媒が望まれている。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、高温において高い重合活性を有するオレフィン重合用触媒を提供することを目的としている。また本発明はこのような良性質の触媒を用いたオレフィンの重合方法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】
本発明におけるオレフィン重合用触媒は、下記一般式(II)で表される遷移金属化合物からなることを特徴としている。
【0017】
【化8】
【0018】
(式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、
mは1または2を示し、
R1は、脂環族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、水素原子を示し、
R14は、直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明では上記一般式(II)で表される遷移金属化合物であって、
式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、
mは1または2を示し、
R1は、脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基であって総炭素原子数5以上の基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、アルコキシ基を示し、
R14は、直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R12同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい、化合物
式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、
mは1または2を示し、
R1は、2−メチルシクロヘキシル基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、水素原子またはアルコキシ基を示し、
R14は、直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R12同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい、化合物
式中、Mは周期表第4族の遷移金属原子を示し、
mは1または2を示し、
R1は、脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、炭化水素基またはアルコキシ基を示し、
R14は、アリール基が置換した直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または環状飽和炭化水素基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R12同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい、化合物
も好ましい態様の一つである。
【0019】
上記一般式(II)で表される遷移金属化合物(A-2)は、
(B-1a)一般式 Ra mAl(ORb)nHpXq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)と
併用してオレフィン重合用触媒として用いられる。
【0020】
本発明に係るオレフィンの重合方法は、上記オレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合することを特徴としている。
【0021】
【発明の具体的な説明】
以下、本発明におけるオレフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法について具体的に説明する。
【0022】
なお、本明細書において「重合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
【0023】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、下記一般式(I)で表される遷移金属化合物から形成されている。
(A -1 )遷移金属化合物
遷移金属化合物(A-1)は、下記一般式(I)で表される化合物である。
【0024】
【化9】
【0025】
(なお、N……Mは、一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。)
一般式(I)中、Mは周期表第4〜5族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
【0026】
mは、1〜5の整数を示し、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1または2である。
Qは、窒素原子(-N=)または置換基R2 を有する炭素原子(-C(R2)=)を示し、好ましくは置換基R2 を有する炭素原子である。
【0027】
Aは、酸素原子(-O-)、イオウ原子(-S-)、セレン原子(-Se-)または置換基R5を有する窒素原子(-N(R5)-)を示し、より好ましくは酸素原子である。
【0028】
R1は、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、または、芳香族炭化水素基もしくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基を示す。
【0029】
なお、R1の定義において脂肪族炭化水素基というときは、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基で置換されている場合であっても上記一般式(I)中の窒素と直接結合している炭素原子が脂肪族骨格部分であるものを言い、脂環族炭化水素基というときは、芳香族炭化水素基もしくは脂肪族炭化水素基で置換されている場合であっても上記一般式(I)中の窒素と直接結合している炭素原子が脂環族骨格部分であるものを言う。
【0030】
R1としては、具体的には例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、tert-アミル、1,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、イソアミル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、1-エチルペンチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、1,5-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-メチルヘプチル、tert-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシルなどの炭素原子数が1〜30の脂肪族炭化水素基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチルシクロヘキシル、2,2-ジメチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、2,6-ジメチルシクロヘキシル、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル、アダマンチルなどの脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基であって炭素原子数が3〜30のもの;シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどの脂環族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基であって炭素原子数が6〜30のもの;ベンジルなどの芳香族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基であって炭素原子数が4〜30のものが挙げられる。
【0031】
R1としては、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基であって総炭素原子数が1〜30、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20のもの、または、芳香族炭化水素基もしくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基であって総炭素原子数が3〜30、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20のが望ましい。
【0032】
R2 〜R5 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
【0033】
炭化水素基として具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;ビニル、アリル、イソプロペニルなどの炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギルなど炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニルなどの炭素原子数5〜30の環状不飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェニルなどのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
【0034】
上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで置換されていてもよく、水素原子がハロゲンで置換された炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
【0035】
また、上記炭化水素基は、他の炭化水素基で置換されていてもよく、他の炭化水素基で置換された炭化水素基としては、例えばベンジル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げられる。
【0036】
これらのなかでは、特にメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニリル、ターフェニリル、フェナントリル、アントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基などが好ましい。
【0037】
酸素含有基は、基中に酸素原子を1〜5個含有する基であり、後述するヘテロ環式化合物残基は含まれない。また、窒素原子、イオウ原子、リン原子、ハロゲン原子またはケイ素原子を含み、かつこれらの原子と酸素原子とが直接結合している基も酸素含有基には含まれない。酸素含有基としては、例えばヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アリールアルコキシ基、アセトキシ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボナート基、ペルオキシ基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アリールアルコキシ基、アセトキシ基、カルボニル基などが好ましい。好ましい酸素含有基として具体的には、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル基などが挙げられる。酸素含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数は1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
【0038】
窒素含有基は、基中に窒素原子を1〜5個含有する基であり、後述するヘテロ環式化合物残基は含まれない。窒素含有基としては、例えばアミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となった基などが挙げられ、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基などが好ましい。好ましい窒素含有基として具体的には、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアミノ基;メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどイミノ基;アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズアミドなどのアミド基;アセトイミド、ベンズイミドなどのイミド基;ニトロ基などが挙げられる。窒素含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数は1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
【0039】
イオウ含有基は、基中にイオウ原子を1〜5個含有する基であり、後述するヘテロ環式化合物残基は含まれない。イオウ含有基としては、例えばスルフォネート基、スルフィネート基、アルキルチオ基、アリールチオ基、メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル基、チオアシル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などが挙げられ、スルフォネート基、スルフィネート基、アルキルチオ基、アリールチオ基などが好ましい。好ましいイオウ含有基として具体的には、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基;メチルチオ、エチルチオなどのアルキルチオ基;フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチルチオなどのアリールチオ基などが挙げられる。イオウ含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数は1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
【0040】
ホウ素含有基は、基中にホウ素原子を1〜5個含有する基であり、後述するヘテロ環式化合物残基は含まれない。ホウ素含有基としては、例えばボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基、BR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子等を示す。)で表される基などが挙げられる。
【0041】
アルミニウム含有基は、基中にアルミニウム原子を1〜5個含有する基である。アルミニウム含有基として具体的には、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の炭化水素基が1または2個置換した基、AlR4(Rは水素原子、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子などを示す。)で表される基が挙げられる。
【0042】
リン含有基は、基中にリン原子を1〜5個含有する基であり、後述するヘテロ環式化合物残基は含まれない。リン含有基としては、例えばホスホリル基、チオホスホリル基、ホスフィン基、ホスファイト基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基などが挙げられ、ホスフィン基、ホスファイト基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基などが好ましい。このましいリン含有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる。
【0043】
ハロゲン含有基としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれる少なくとも1種を有する基が挙げられる。ハロゲン含有基として具体的には、PF6、BF4 などのフッ素含有基、ClO4 、SbCl6 などの塩素含有基、IO4 などのヨウ素含有基が挙げられる。
【0044】
ヘテロ環式化合物残基は、ヘテロ原子を1個以上含有する環構造を基中に有する基であり、ヘテロ原子としては、酸素、窒素、イオウ、リン、ホウ素が挙げられる。環構造としては、3〜18員環、好ましくは4〜7員環、より好ましくは5〜6員環のものが挙げられる。具体的には、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物の残基;フラン、ピランなどの含酸素化合物の残基;チオフェンなどの含硫黄化合物の残基など、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。
【0045】
ケイ素含有基は、基中にケイ素原子を1〜5個含有する基である。ケイ素含有基としては、例えばシリル基、シロキシ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、炭化水素置換シリルエーテル基、ケイ素置換アルキル基、ケイ素置換アリール基などが挙げられ、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シリルエーテル基、ケイ素置換アルキル基、ケイ素置換アリール基などが好ましい。好ましいケイ素含有基として具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどの炭化水素置換シリル基;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられ、炭化水素置換シリル基が特に好ましい。炭化水素置換シリル基の中では、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、トリフェニルシリルなどが好ましく、特にトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリルが好ましい。なおケイ素含有基が炭素原子を含む場合は、炭素原子数は1〜30、好ましくは1〜20の範囲にあることが望ましい。
【0046】
ゲルマニウム含有基として具体的には、上記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した基が挙げられる。
スズ含有基として具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した基が挙げられる。
【0047】
R4 としてはアルコキシ基、アリーロキシ基、ヒドロキシ基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基などの窒素含有基;アルキルチオ基、アリールチオ基などのイオウ含有基が好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アミノ基がより好ましい。特に好ましくはアルコキシ基である。
【0048】
なお上記、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基およびリン含有基は、その基を特徴づける原子団が、窒素原子または炭素原子と直接結合するような基であることが好ましい。
【0049】
R1 〜R5 は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。本発明では、特に、置換基R3とR4とが結合して芳香環を形成していることが好ましい。
【0050】
上記一般式(I)において、mが2以上のときは、いずれか1つの配位子に含まれるR2〜R5 のうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR2〜R5 のうちの1個の基とが連結されていていもよい。
【0051】
またmが2以上のときは、R1 同士、R2 同士、R3 同士、R4 同士、R5 同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には2〜4の整数であり、好ましくは2である。
【0052】
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
【0053】
炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基としては、上記一般式(I)中のR2 〜R5 として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0054】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
窒素含有基として具体的には、アミノ基;メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
【0055】
これらのうちXは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素、酸素含有基、窒素含有基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基がより好ましい。
なお、nが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互いに同一であっても、異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0056】
上記一般式(I)で表される遷移金属化合物は、中心金属Mのネットチャージパラメータが2.00以下、好ましくは1.40〜2.00の範囲にある。
ここでいう中心金属Mのネットチャージパラメーター(以下「NC」と略記することがある。)とは、上記一般式(I)においてXで示される置換基をすべてメチル基で置き換えた錯体の構造を半経験的分子軌道法PM3(tm)を用いて最適化し、その構造から、メチル基を一つ取り除いた構造を(I')とする。使用したプログラムはSPARTANrel.5.0.3である。得られた(I')の構造を用いて、非経験的分子軌道法プログラムGaussian98によりRHF波動関数を解き、中心金属の電荷としてマリケンチャージを求める。基底関数として中心金属は内殻にはHayとWadtの有効内殻ポテンシャルを用い、原子価殻には彼らのdouble zeta基底関数を採用し、それ以外の原子には3-21Gを用いた。このようにして求めたマリケンチャージの値をネットチャージパラメータと定義する。なお、下記式(I-a)、(I-b)または(II)で表される化合物も同様にしてネットチャージパラメータが求められる。
【0057】
NCは2.0以下の値であり、R1 が芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基である場合は、1.70〜2.0の範囲にあることが好ましく、R1 が芳香族炭化水素基もしくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基である場合は、1.50〜1.89の範囲にあることが好ましい。
【0058】
中心金属MのNCが2.0以下であると遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒として用いたときに、特に高温での重合活性に優れる。
上記一般式(I)で表される遷移金属化合物には、下記一般式(I-a)または(I-b)で表されるものがある。
【0059】
【化10】
【0060】
式中、M、m、A、nおよびXは、それぞれ上記一般式(I)中のM、m、A、nおよびXと同義である。
R1aは、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基を示し、具体的には例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、tert-アミル、1,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、イソアミル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、n-ヘプチル、1-エチルペンチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、1,5-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-メチルヘプチル、tert-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシルなどの炭素原子数が1〜30の脂肪族炭化水素基;ベンジルなどの芳香族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素であって総炭素原子数が6〜30のもの;シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどの脂環族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基であって総炭素原子数が4〜30のものが挙げられる。
【0061】
R1aとしては、炭素原子数が1〜30、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20のものが望ましい。
R2およびR5〜R9は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。具体的には上記一般式(I)のR2〜R5として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0062】
R2およびR5〜R9、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
【0063】
上記一般式(I-a)において、mが2以上の場合には、いずれか1つの配位子に属するR2およびR5〜R9で示される基のうちの少なくとも1個の基と、他の配位子に属するR2およびR5〜R9で示される基のうちの少なくとも1個の基とが連結されていてもよい。
【0064】
また、mが2以上のときは、R1a同士、R2 同士、R5 同士、R6 同士、R7 同士、R8 同士、R9 同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(I-a)で表される遷移金属化合物は、中心金属Mのネットチャージパラメータが1.70〜2.00、好ましくは1.895〜1.912の範囲にある。
【0065】
中心金属MのNCが上記範囲にあると遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒として用いたときに、特に高温での重合活性に優れる。
【0066】
【化11】
【0067】
式中、M、m、A、nおよびXは、それぞれ上記一般式(I)中のM、m、A、nおよびXと同義である。
R1bは、芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基を示し、具体的には例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2-メチルシクロヘキシル、2,2-ジメチルシクロヘキシル、2,6-ジメチルシクロヘキシル、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル、アダマンチル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルなどの脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基であって総炭素原子数が3〜30、好ましくは5〜30、より好ましくは5〜20のものが挙げられる。
【0068】
R2およびR5〜R9は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。具体的には上記一般式(I)のR2〜R5として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0069】
R2およびR5〜R9は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
【0070】
上記一般式(I-b)において、mが2以上の場合には、いずれか1つの配位子に属するR2およびR5〜R9で示される基のうちの少なくとも1個の基と、他の配位子に属するR2およびR5〜R9で示される基のうちの少なくとも1個の基とが連結されていてもよい。
【0071】
また、mが2以上のときは、R1b同士、R2 同士、R5 同士、R6 同士、R7 同士、R8 同士、R9 同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(I-b)で表される遷移金属化合物は、中心金属Mのネットチャージパラメータが、好ましくは1.50〜1.89、より好ましくは1.80〜1.89の範囲にある。
【0072】
中心金属MのNCが上記範囲にあると遷移金属化合物は、オレフィン重合用触媒として用いたときに、特に高温での重合活性に優れる。
以下に、上記一般式(I)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。なお、下記例示には上記一般式(I-a)または(I-b)で表される化合物が含まれる。また、下記例示のうち上記一般式(I)において、Qが置換基R2 を有する炭素原子であり、Aが酸素原子であり、R3 およびR4 が互いに結合して芳香環を形成した化合物であるものには、下記一般式(II)で表されるものが含まれる。
【0073】
【化12】
【0074】
【化13】
【0075】
【化14】
【0076】
【化15】
【0077】
なお、上記例示中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、nPrはn-プロピル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはn-ブチル基を、tBuはt-ブチル基を、nPentylはn-ペンチル基を nHexylはn-ヘキシル基を、nHeptylはn-へプチル基を、nOctylはn-オクチル基を、nNonylはn-ノニル基を、nDecylはn-デシル基を、nUndecylはn-ウンデシル基を、nDodecylはn-ドデシル基を、nOctadecylはn-オクタデシル基を、Phはフェニル基を示す。
【0078】
本発明では、上記のような化合物において、ジルコニウム金属をチタン、ハフニウムなどのジルコニウム以外の金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0079】
本発明の他の態様に係るオレフィン重合用触媒には、下記一般式(II)で表される遷移金属化合物からなるものがある。
【0080】
【化16】
【0081】
式中、M、nおよびXは、それぞれ上記一般式(I)中のM、nおよびXと同義である。
R1 は、上記一般式(I)中のR1 と同様の、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、または、芳香族炭化水素基もしくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基であり、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基であって好ましくは総炭素原子数5以上、より好ましくは5〜30のものであることが望ましく、芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基であって好ましくは総炭素原子数7以上、より好ましくは7〜30のものであることも望ましい。
【0082】
脂肪族炭化水素基としては、例えば炭素原子数1〜30のものが挙げられ、炭素原子数4〜30、好ましくは炭素原子数5〜30のものが好ましい。
具体的にはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、tert-アミル、1,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、イソアミル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、n-へプチル、1-エチルペンチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、1,5-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-メチルヘプチル、tert-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシルなどである。
【0083】
なかでもn-ペンチル、tert-アミル、1,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、イソアミル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、n-へプチル、1-エチルペンチル、1-メチルヘキシル、n-オクチル、1,5-ジメチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-メチルヘプチル、tert-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシルが好ましい。
【0084】
この脂肪族炭化水素基は、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基で置換されていてもよく、芳香族炭化水素基または脂環族炭化水素基で置換された脂肪族炭化水素基として具体的には、ベンジル、メチレンナフチル、メチレンフルオレニル、メチレンアントラニル、メチレンシクロプロピル、メチレンシクロブチル、メチレンシクロペンチル、メチレンシクロヘキシル、メチレン-2-メチルシクロヘキシル、メチレン-2,3-ジメチルシクロヘキシル、メチレン-2,2-ジメチルシクロヘキシル、メチレン-2,6-ジメチルシクロヘキシル、メチレン-2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル、メチレンアダマンチル、メチレンシクロプロピルメチル、メチレンシクロブチルメチル、メチレンシクロペンチルメチルなどの炭素原子数4〜30のものが挙げられる。
【0085】
なかでもベンジル、メチレンナフチル、メチレンフルオレニル、メチレンアントラニル、メチレンシクロブチル、メチレンシクロペンチル、メチレンシクロヘキシル、メチレン-2-メチルシクロヘキシル、メチレン-2,3-ジメチルシクロヘキシル、メチレン-2,2-ジメチルシクロヘキシル、メチレン-2,6-ジメチルシクロヘキシル、メチレン-2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル、メチレンアダマンチル、メチレンシクロプロピルメチル、メチレンシクロブチルメチル、メチレンシクロペンチルメチルなどの炭素原子数5〜30のものが好ましい。
【0086】
脂環族炭化水素基としては、例えば炭素原子数3〜30のものが挙げられ、炭素原子数7〜30のものが好ましい。具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニルなどが挙げられる。
【0087】
この脂環族炭化水素基は、芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基を置換基として有していてもよく、芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基を置換基として有している脂環族炭化水素基として、具体的には2-メチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、2,2-ジメチルシクロヘキシル、2,6-ジメチルシクロヘキシル、2,2,6,6,-テトラメチルシクロヘキシル、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロプロピルフェニル、シクロブチルフェニル、シクロペンチルフェニル、シクロヘキシルフェニルなどの炭素原子数7〜30のものが挙げられる。
【0088】
mは、1または2を示し、好ましくは2である。
R10およびR11〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基またはイオウ含有基を示し、具体的には上記一般式(I)中のR2〜R5として例示したものと同様の、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基が挙げられる。
【0089】
R12としては、炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基が好ましく、特に酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基が好ましい。具体的には、上記と同様の炭化水素基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基が挙げられ、これらのなかではアルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基またはヒドロキシ基が好ましく、アルコキシ基が特に好ましい。
【0090】
R14は、炭化水素基または炭化水素置換シリル基を示し、具体的には上記一般式(I)中のR2〜R5として例示したものと同様の炭化水素基、炭化水素置換シリル基が挙げられる。
【0091】
次に上記置換基について、より具体的に説明する。
R12としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、ヒドロキシ基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ニトロ基などの窒素含有基;アルキルチオ基、アリールチオ基などのイオウ含有基が好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アミノ基がより好ましい。特に好ましくはアルコキシ基である。
【0092】
またR14は炭化水素基または炭化水素置換シリル基である。R14として好ましい炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基または炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などの置換基がさらに置換した基などが好ましく挙げられる。
【0093】
R14として好ましい炭化水素置換シリル基としては、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。特に好ましくは、トリメチルシリル、トリエチルフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、イソフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが挙げられる。
【0094】
本発明では、R14としては特に、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の分岐状アルキル基、およびこれらの基の水素原子を炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール基で置換した基(クミル基など)、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、または炭化水素置換シリル基であることも好ましい。
【0095】
以下に、上記一般式(II)で表される遷移金属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるものではない。なお、下記例示には上記一般式(I)で表される化合物が含まれる。
【0096】
【化17】
【0097】
【化18】
【0098】
【化19】
【0099】
【化20】
【0100】
【化21】
【0101】
【化22】
【0102】
【化23】
【0103】
なお、上記例示中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、nPrはn-プロピル基を、iPrはイソプロピル基を、nBuはn-ブチル基を、tBuはt-ブチル基を、nPentylはn-ペンチル基を nHexylはn-ヘキシル基を、nHeptylはn-へプチル基を、nOctylはn-オクチル基を、nNonylはn-ノニル基を、nDecylはn-デシル基を、nUndecylはn-ウンデシル基を、nDodecylはn-ドデシル基を、nOctadecylはn-オクタデシル基を、Phはフェニル基を示す。
【0104】
本発明では、上記のような化合物において、ジルコニウム金属をチタン、ハフニウムなどのジルコニウム以外の金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
【0105】
上記一般式(I)または(II)で表される遷移金属化合物の製造方法は、特に限定されることなく、例えば以下のようにして製造することができる。
一般式(I)で表される遷移金属化合物は、例えば遷移金属化合物を合成したときに配位子となる化合物(配位子前駆体)と、MXk(MおよびXは、上記一般式(I)中のMおよびXと同義であり、kはMの原子価を満たす数である。)で表される遷移金属M含有化合物とを反応させることで合成することができる。
【0106】
配位子前駆体は、β-ジケトン類、β-ケトエステル類化合物(チオケトン類、チオケトエステル類を含む)、アセチルアセトン類化合物などと、式R1-NH2 の第1級アミン類化合物(R1 は上記一般式(I)中のR1 と同義である。)例えばアニリン類化合物もしくはアルキルアミン類化合物と反応させることにより得られる。なお上記β-ジケトン類、β-ケトエステル類化合物(チオケトン類、チオケトエステル類を含む)、アセチルアセトン類化合物などは、市販または文献公知の方法で入手できる。
【0107】
配位子前駆体を合成するには、まず両方の出発化合物を溶媒に溶解し、次いで、得られた溶液を室温から還流条件で約1〜48時間撹拌すると、対応する配位子前駆体が良好な収率で得られる。
【0108】
溶媒としては、このような反応に通常使用されるものが用いられるが、なかでもメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、またはトルエン等の炭化水素溶媒が好ましい。
【0109】
配位子前駆体を合成する際、触媒として蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いてもよい。また、脱水剤として、モレキュラシーブス、硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムを用いたり、ディーンシュタークにより脱水を行うと、反応進行に効果的である。
【0110】
遷移金属M含有化合物の好ましい例としては、TiCl3、TiCl4、TiBr3、TiBr4、Ti(ベンジル)4、Ti(NiMe2)4、ZrCl4、Zr(NiMe2)4、Zr(ベンジル)4、ZrBr4、HfCl4、HfBr4、VCl4、VCl5、VBr4、VBr5、Ti(acac)3、およびこれらとテトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジエチルエーテルなどとの錯体などが挙げられる。
【0111】
次に、こうして得られた配位子前駆体と遷移金属M含有化合物とを反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することができる。
具体的には、合成した配位子前駆体を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させて塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低温下で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下で、約1〜48時間撹拌する。溶媒としては、このような反応に通常使用されるものが用いられ、なかでもエーテル、テトラヒドロフラン等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒などが好ましく使用される。また、フェノキサイド塩を調製する際に使用する塩基としては、n-ブチルリチウム等のリチウム塩、水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が好ましい。
【0112】
また、遷移金属M含有化合物の性質によっては、塩調製を経由せず、配位子前駆体と遷移金属M含有化合物とを直接反応させることで、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。
【0113】
さらに、合成した遷移金属化合物中の金属Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能である。また、例えばR1〜R5 の何れかがHである場合には、合成の任意の段階において、H以外の置換基を導入することができる。
【0114】
上記一般式(I-a)または(I-b)で表される遷移金属化合物は、例えばチオサリチリデン配位子、アニリノ配位子などの配位子を形成する化合物(配位子前駆体)と、遷移金属M含有化合物とを反応させることにより合成することができる。
【0115】
チオサリチリデン配位子を形成する配位子前駆体は、例えばチオサリチルアルデヒド類化合物と、アニリン類化合物またはアミン類化合物とを反応させることで得られる。
【0116】
配位子前駆体は、o-アシルベンゼンチオールと、アニリン類またはアミン類化合物とを反応させることでも得られる。
具体的には、例えばチオサリチルアルデヒド類化合物またはo-アシルベンゼンチオールと、窒素部が無置換のアニリン類化合物または1級アミン類化合物を溶媒に溶解し、この溶液を、室温ないし還流条件で1〜48時間程度撹拌することで得られる。ここで用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール溶媒またはトルエン等の炭化水素溶媒が好ましものとして例示できる。また触媒としては、蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等の酸触媒を用いることができる。反応中、ディーンシュタークを用いて系内の水を除くことは、反応の進行に効果的である。脱水剤としては、モレキュラーシーブ、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等を用いることができる。
【0117】
ここで用いられるo-アシルベンゼンチオールは、例えばo-アシルフェノールのOH基をジメチルチオカーバメートでチオカーバメート化した後、熱等で酸素原子とイオウ原子の変換反応を行うことが得ることができる。
【0118】
アニリノ配位子前駆体は、o-ホルムアニリン類化合物とアニリン類化合物またはアミン類化合物とを反応させることにより得られる。配位子前駆体は、o-アシルアニリンと、アニリン酸またはアミン類とを反応させることでも得ることができる。
【0119】
具体的には、例えば窒素部が無置換のo-ホルムアニリン類化合物または窒素部が無置換のo-アシルアニリンと、窒素部が無置換のアニリン類化合物または1級アミン類化合物を用い、上記と同様の方法で合成することができる。
【0120】
ここで用いられるo-アシルアニリンは、例えばo-アミノ安息香酸類化合物のカルボン酸基を還元することで得られる。また、アントラニル類化合物の、N-アルキル化反応を行うことでも、対応するN-アルキル-o-アシルアニリン類化合物を得ることができる。
【0121】
上記のようにして得られた配位子前駆体と遷移金属M含有化合物とを反応させることにより、対応する遷移金属化合物を合成することができる。具体的には、配位子前駆体を溶媒に溶解し、必要に応じて塩基と接触させてチオフェノキサイド塩またはアニリノ塩を調製した後、金属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の遷移金属M含有化合物と低温下混合し、−78℃ないし室温、または還流条件下で1時間ないし24時間程度撹拌することにより遷移金属化合物が得られる。
【0122】
ここで用いられる溶媒としては、エーテル、テトラヒドロフランなどの極性溶媒、トルエンなどの炭化水素溶媒が好ましいものとして例示できるが、この限りではない。塩基としては、n-ブチルリチウム等のリチウム塩;水素化ナトリウムなどのナトリウム塩;ピリジン、トリエチルアミン等の含窒素化合物などが好ましいものとして例示できるが、この限りではない。
【0123】
なお、遷移金属化合物によっては、チオフェノキサイド塩やアニリノ塩を調製することなく、配位子前駆体と金属化合物とを直接反応させることにより対応する化合物を合成することもできる。
【0124】
なお上記一般式(II)で表される遷移金属化合物も上記と同様にして合成することができる。
得られた遷移金属化合物は、270MHz 1H-NMR(日本電子 GSH-270)、FT-IR(SHIMADZU FT-IR8200D)、FD-質量分析(日本電子 SX-102A)、金属含有量分析(乾式灰化・希硝酸溶解後、ICP法により分析:SHIMADZU ICPS-8000)、炭素、水素、窒素含有量分析(ヘラウス社 CHNO型)などを用いて構造が決定される。
【0125】
上記のような方法で得られた遷移金属化合物は、通常定法により単離され重合に供されるが、遷移金属化合物を単離せず、配位子前駆体と金属化合物との反応溶液をそのまま重合に用いることもできる。
【0126】
以上のような、前記式(I)で表される遷移金属化合物は、1種単独または2種以上組み合わせてオレフィン重合触媒として用いられる。
本発明では、上記遷移金属化合物(A-1)または(A-2)を、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)と共に使用することは好ましい態様の一つである。
【0127】
(B-1) 有機金属化合物
本発明で用いられることのある(B-1)有機金属化合物として具体的には、下記のような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
【0128】
(B-1a) 一般式 Ra m Al(ORb)n Hp Xq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0129】
(B-1b) 一般式 M2 AlRa 4
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される周期表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
【0130】
(B-1c) 一般式 Ra Rb M3
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3 はMg、ZnまたはCdである。)
で表される周期表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
【0131】
前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のような化合物などを例示できる。
一般式 Ra m Al(ORb)3-m
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlX3-m
(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m AlH3-m
(式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
で表される有機アルミニウム化合物、
一般式 Ra m Al(ORb )nXq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
【0132】
(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物としてより具体的には
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリ tert-ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチルヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i-C4H9)xAly(C5H10)z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
Ra 2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどが挙げられる。
【0133】
また(B-1a)に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物が挙げられる。このような化合物として具体的には、
(C2H5)2AlN(C2H5)Al(C2H5)2 などが挙げられる。
【0134】
前記(B-1b)に属する化合物としては、
LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4 などが挙げられる。
またその他にも、(B-1)有機金属化合物としては、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用することもできる。
【0135】
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、例えばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せなどを使用することもできる。
【0136】
(B-1)有機金属化合物のなかでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記のような(B-1)有機金属化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0137】
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物
本発明で用いられることのある(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0138】
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0139】
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0140】
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0141】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
【0142】
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物(例えば、塩素化物、臭素化物など)などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
【0143】
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。
【0144】
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
【0145】
【化24】
【0146】
式中、R20は炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
R21は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。
【0147】
前記一般式(III)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸と
R20−B−(OH)2 …(IV)
(式中、R20は前記と同じ基を示す。)
有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
【0148】
前記一般式(IV)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、
メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n-プロピルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n-ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5-ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0149】
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
【0150】
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0151】
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
(B-3) 遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
本発明で用いられることのある遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)は、上記一般式(I)または(II)で表される遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物であり、このような化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
【0152】
具体的には、ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、例えばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0153】
イオン性化合物としては、例えば下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。
【0154】
【化25】
【0155】
式中、R22としては、H+、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。
【0156】
R23〜R26は、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルボニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンなどが挙げられる。
【0157】
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
【0158】
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
【0159】
R22としては、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0160】
またイオン性化合物として、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などを挙げることもできる。
【0161】
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、例えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0162】
N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、例えばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0163】
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、例えばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0164】
さらにイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、下記式(VI)または(VII)で表されるホウ素化合物などを挙げることもできる。
【0165】
【化26】
【0166】
(式中、Etはエチル基を示す。)
【0167】
【化27】
【0168】
ボラン化合物として具体的には、例えば
デカボラン(14);
ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0169】
カルボラン化合物として具体的には、例えば
4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバノナボラン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチルシリル-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-メチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0170】
ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素および錫から選ばれる原子と、バナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンタングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジンン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドニオブ酸、およびこれらの酸の塩、例えば周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等との塩、トリフェニルエチル塩等との有機塩が使用できるが、この限りではない。
【0171】
上記のような(B-3)イオン化イオン性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
本発明ではオレフィンの重合に際し、上記遷移金属化合物(A-1)または(A-2)を単独で用いてもよく、
遷移金属化合物(A-1)または(A-2)と、
(B-1)有機金属化合物
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも一種の化合物(B)とを用いてもよい。
【0172】
遷移金属化合物として、例えば上記一般式(II)で表される化合物を用い、成分(B)を併用した場合、遷移金属化合物(A)は、重合系内において下記一般式(II-a)で表される化合物を形成する。
【0173】
【化28】
【0174】
(式中、R1、R10〜R14、M、m、nおよびXは、それぞれ上記一般式(II)中の、R1、R10〜R14、M、m、nおよびXと同義であり、Yはいわゆる弱配位性のアニオンを示す。)
上記一般式(II-a)において金属MとYの結合は共有結合していてもよく、イオン結合していてもよい。
【0175】
Yの例としては、
Chemical Review誌88巻1405ページ(1988年)
Chemical Review誌93巻927ページ(1993年)
WO 98/30612 6ページに記載の弱配位性アニオンが挙げられ、具体的には
AlR4 -
(Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、
酸素原子、窒素原子、リン原子、水素原子、ハロゲン原子もしくはこれらを含有する置換基、または
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基、または
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基に、酸素原子、窒素原子、リン原子もしくはハロゲン原子が置換した基、または
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基に、酸素原子、窒素原子、リン原子もしくはハロゲン原子を有する置換基が置換した基を示す。)
BR4 -
(Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、
酸素原子、窒素原子、リン原子、水素原子、ハロゲン原子もしくはこれらを含有する置換基、または
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基、または
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基に、酸素原子、窒素原子、リン原子もしくはハロゲン原子が置換した基、または
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基もしくは脂環族炭化水素基に、酸素原子、窒素原子、リン原子もしくはハロゲン原子を有する置換基が置換した基を示す。)
またはPF6-、SbF5-、トリフルオロメタンスルホネート、p-トルエンスルホネート等が挙げられる。
【0176】
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
上記遷移金属化合物(A-1)または(A-2)(以下「成分(A)」ということがある。)、
必要に応じて、上記(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物および(B-3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)(以下「成分(B)」ということがある。)
とともに、さらに必要に応じて下記担体(C)および/または後述するような有機化合物(D)を含むことができる。
【0177】
(C)担体
本発明で必要に応じて用いられる(C)担体は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
【0178】
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2 など、またはこれらを含む複合物または混合物、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgOなどを使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl2O3を主成分とするものが好ましい。
【0179】
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2 、Al(NO3)3 、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支ない。
【0180】
このような多孔質酸化物は、種類および製法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にあることが望ましい。このような担体は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
【0181】
無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によってを微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0182】
粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
【0183】
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
【0184】
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
【0185】
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上のものが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104Åの範囲について測定される。
【0186】
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。
【0187】
化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0188】
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+ などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0189】
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0190】
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
【0191】
有機化合物としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
【0192】
(D)有機化合物成分
本発明において(D)有機化合物成分は、必要に応じて、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
【0193】
アルコール類およびフェノール性化合物としては、通常、R30−OHで表されるものが使用され、ここで、R30は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示す。
【0194】
アルコール類としては、R30がハロゲン化炭化水素のものが好ましい。また、フェノール性化合物としては、水酸基のα,α'-位が炭素原子数1〜20の炭化水素で置換されたものが好ましい。
【0195】
カルボン酸としては、通常、R31−COOHで表されるものが使用される。R31は炭素原子数1〜50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示し、特に、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基が好ましい。
【0196】
リン化合物としては、P−O−H結合を有するリン酸類、P−OR、P=O結合を有するホスフェート、ホスフィンオキシド化合物が好ましく使用される。
スルホン酸塩としては、下記一般式(VIII)で表されるものが使用される。
【0197】
【化29】
【0198】
式中、Mは周期表1〜14族の元素である。
R33は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0199】
Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
mは1〜7の整数であり、nは1≦n≦7である。
【0200】
図1に、本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程を示す。
重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(2)成分(A)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
【0201】
上記(1)〜(4)の各方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていてもよい。
成分(B)が担持されている上記(3)(4)の各方法においては、必要に応じて担持されていない成分(B)を、任意の順序で添加してもよい。この場合成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。
【0202】
また、上記の担体(C)に成分(A)および成分(B)が担持された固体触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された固体触媒成分上に、さらに、触媒成分が担持されていてもよい。
【0203】
本発明に係るオレフィンの重合方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合することによりオレフィン重合体を得る。
【0204】
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいずれにおいても実施できる。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などを挙げることができ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
【0205】
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-3モルになるような量で用いられる。必要に応じて担体(C)と共に、必要に応じて後述するような特定の有機化合物成分(D)(成分(D))を含むこともできる。
【0206】
成分(B-1)は、成分(B-1)と、成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-1)/M〕が、通常0.01〜100000、好ましくは0.05〜50000となるような量で用いられる。成分(B-2) は、成分(B-2)中のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-2)/M〕が、通常10〜500000、好ましくは20〜100000となるような量で用いられる。成分(B-3)は、成分(B-3)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3)/M〕が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
【0207】
成分(D)は、成分(B)が成分(B-1)の場合には、モル比〔(D)/(B-1)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分(B)が成分(B-2)の場合には、モル比〔(D)/(B-2)〕が通常0.001〜2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分(B)が成分(B-3)の場合には、モル比〔(D)/(B-3)〕が通常0.01〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いられる。
【0208】
また、このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合温度は、通常−50〜+250℃、好ましくは0〜200℃、特に好ましくは60〜170℃の範囲である。重合圧力は、通常常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
【0209】
得られるオレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。さらに、使用する成分(B)の違いにより調節することもできる。
【0210】
本発明では、前記のオレフィン重合用触媒を用いることにより、高い活性で、特に高温でも、分子量の高いオレフィン重合体を製造することができる。
このようなオレフィン重合用触媒により重合することができるオレフィンとしては、炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;
炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状オレフィン、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン;
極性モノマー、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸無水物などのα,β-不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのα,β-不飽和カルボン酸金属塩;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジル類;
フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニルなどのハロゲン化オレフィン類などを挙げることができる。
【0211】
また、オレフィンとして、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることもできる。ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4〜30、好ましくは4〜20であり二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の化合物が用いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン;
7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン;
さらに、オレフィンとして、芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;
および3-フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。これらのオレフィンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0212】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィン重合用触媒および重合方法は、高温において高い重合活性でポリオレフィンを製造することができる。
【0213】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0214】
なお、本実施例において、極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。なお、合成例で得られた化合物の構造は、270MHz 1H-NMR(日本電子 GSH-270)、FD−質量分析(日本電子SX-102A)等を用いて決定した。
【0215】
【合成例1】
充分に乾燥、アルゴン置換した500mlの反応器に、2-tert-ブチルフェノール7.51g(50mmol)とTHF54mlを仕込み、0℃にてエチルマグネシウムブロミドを55.6mmol含むエーテル溶液18.53mlを15分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。トルエン180mlを加え、100℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を約40ml留去することで白濁スラリーとした。室温まで冷却後、パラホルムアルデヒド3.75g(125mmol)およびトリエチルアミン10.45ml(75mmol)を添加し、88℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷後、10%塩酸にてクエンチし、有機層を濃縮してシリカゲルカラムにより精製することで、3-t-ブチルサリチルアルデヒド6.22g(収率70%)を得た。
【0216】
1H-NMR(CDCl3): 1.42(s,9H) 6.94(t,1H) 7.25-7.54(m,2H) 9.86(s,1H) 11.79(s,1H)
充分に窒素置換した200mlの反応器にエタノール80ml、n-オクタデシルアミン6.06g(22.5mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド2.84g(15.0mmol)を装入し、酢酸を少量添加し、室温で24時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去して、下記式(A)で示される黄色結晶の化合物(A)4.56g(収率70.7%)を得た。
【0217】
1H-NMR(CDCl3): 0.89(t,3H) 1.26(s,30H) 1.44(s,9H) 1.53-1.75(m,2H) 3.57(t,2H) 6.79(t,1H) 7.08-7.11(dd,1H) 7.26-7.32(dd,1H) 8.32(s,1H) 14.22(s,1H)
【0218】
【化30】
【0219】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(A)0.86g(2.0mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを2.2mmol含むn-ヘキサン溶液1.43mlを10分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2錯体を0.38g(1.0mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテルとヘキサンとの混合溶液で再結晶することにより、下記式(1)で示される鮮黄色結晶の化合物(1)を0.220g(収率21.6%)得た。
【0220】
1H-NMR(CDCl3): 0.88(t,6H) 1.25(s,78H) 1.57(s,4H) 3.59(t,4H) 6.92(t,2H) 7.20-7.26(dd,2H) 7.55-7.62(dd,2H) 8.15(s,1H)
FD-質量分析: 1018
【0221】
【化31】
【0222】
【合成例2】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール50ml、シクロヘキサンメチルアミン2.28g(20.14mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド2.98g(16.73mmol)を装入し、室温で20時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた液体をシリカゲルカラムトグラフィー精製することにより、下記式(B)で示される黄色液体の化合物(B)3.38g(収率74%)を得た。
【0223】
1H-NMR(CDCl3): 0.95-1.82(m,11H) 1.44(s,9H) 3.42(d,2H) 6.76-7.32(m,3H) 8.28(s,1H) 14.19(s,1H)
【0224】
【化32】
【0225】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(B)0.97g(3.55mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.84mmol含むn-ヘキサン溶液2.40mlを10分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.66g(1.75mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体を塩化メチレン120mlで洗浄し、ろ液を濃縮後、再度エーテルで洗浄することにより、下記式(2)で示される黄色粉末の化合物(2)を0.57g(収率46%)得た。
【0226】
1H-NMR(CDCl3): 0.50-1.74(m,22H) 1.58(s,18H) 3.32(m,4H) 6.90-7.60(m,6H) 8.01(s,2H)
FD-質量分析: 706
【0227】
【化33】
【0228】
【合成例3】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール50ml、2-メチルシクロヘキシルアミン2.27g(20.05mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド2.89g(16.23mmol)を装入し、酢酸を少量添加し、室温で24時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた液体をシリカゲルカラムトグラフィー精製することにより、下記式(C)で示される黄色液体の化合物(C)3.65g(収率82%)を得た。
【0229】
1H-NMR(CDCl3): 0.81-0.85(m,3H) 1.03-1.83(m,9H) 1.44(s,9H) 2.65-2.74(td,1H) 6.78-7.32(m,3H) 8.30,8.33(s,s,1H) 14.19,14.24(s,s,1H)
【0230】
【化34】
【0231】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(C)0.96g(3.51mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.86mmol含むn-ヘキサン溶液2.41mlを10分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で2時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.66g(1.75mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル50mlで洗浄し、ろ液を濃縮後、塩化メチレンとへキサンとの混合溶液で再結晶することにより、下記式(3)で示される黄色粉末の化合物(3)を0.47g(収率38%)得た。
【0232】
1H-NMR(CDCl3): 0.69-1.90(m,24H) 1.62(s,18H) 3.65-3.90(m,2H) 6.86-7.64(m,6H) 8.14-8.27(m,2H)
FD-質量分析: 706
【0233】
【化35】
【0234】
【合成例4】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール50ml、2,3-ジメチルシクロヘキシルアミン2.31g(18.16mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド3.11g(17.45mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、下記式(D)で示される黄色液体の化合物(D)4.97g(収率99.1%)を得た。
【0235】
1H-NMR(CDCl3): 0.75-1.00(m,6H) 1.00-1.95(m,8H) 1.44(s,9H) 2.73-3.30(m,1H) 6.77-7.32(m,3H) 8.30-8.36(m,1H) 14.20-14.33(m,1H)
【0236】
【化36】
【0237】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(D)1.20g(4.18mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを4.24mmol含むn-ヘキサン溶液2.70mlを10分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.79g(2.09mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル30ml、塩化メチレン70mlで洗浄し、ろ液を濃縮後、再度エーテルとヘキサンとの混合溶液で洗浄することにより、下記式(4)で示される黄色粉末の化合物(4)を0.37g(収率24%)得た。
【0238】
1H-NMR(CDCl3): 0.10-1.90(m,28H) 1.61(s,18H) 2.55-2.75(m,2H) 6.70-7.70(m,6H) 8.10-8.40(m,2H)
FD-質量分析: 734
【0239】
【化37】
【0240】
【合成例5】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、ベンジルアミン0.90g(0.84mmol)および3-t-ブチルサリチルアルデヒド1.50g(8.42mmol)を装入し、これを室温で撹拌しながら、モリキュラーシーブを少量添加し、65℃で4時間撹拌した。この反応液をろ過した後、ろ液を減圧濃縮した。これに冷MeOH40mlを入れ、撹拌しながら−78℃で冷却することにより、下記式(E)で示される黄色固体の化合物(E)1.80g(収率80%)を得た。
【0241】
1H-NMR(CDCl3): 1.45(s,9H) 4.82(s,2H) 6.78-7.45(m,8H) 8.47(s,1H) 13.89(bs,1H)
【0242】
【化38】
【0243】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(E)0.50g(1.87mmol)とエーテル40mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを1.93mmol含むn-ヘキサン溶液1.20mlを10分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で15時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.352g(1.87mmol)含むTHF溶液50mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと自然昇温し、室温で終夜撹拌した。この溶液を60℃で3時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル100mlとヘキサン100mlの混合溶媒でリスラリーし、ろ過した。これをヘキサン100mlで洗浄し、濾物を減圧乾燥することにより、下記式(5)で示される薄黄白色固体の化合物(5)を0.30g(収率46%)得た。
【0244】
1H-NMR(CDCl3): 1.60(s,18H) 4.65(d,2H) 4.95(d,2H) 6.70-7.70(m,16H) 7.85(s,2H)
FD-質量分析: 694
【0245】
【化39】
【0246】
【合成例6】
充分に乾燥、アルゴン置換した1リットルの反応器に、エチルマグネシウムブロミドを110mmol含むエーテル溶液36.6mlとエーテル73.4mlを仕込み、0℃にて2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール18.39g(100mmol)をTHF90mlで希釈した溶液を30分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。トルエン350mlを加えた後、100℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を約180ml留去することで白濁スラリーとした。50℃まで冷却後、パラホルムアルデヒド4.50g(150mmol)およびトリエチルアミン21.0ml(150mmol)を添加し、80〜90℃にて1.5時間撹拌した。室温まで放冷後、10%塩酸にてクエンチし、有機層を濃縮して析出する固体を減圧乾燥して、3-t-ブチル-5-メトキシサリチルアルデヒド11.66g(収率56%)を得た。
【0247】
1H-NMR(CDCl3): 1.4(s,9H) 3.8(t,3H) 6.8(s,1H)-7.2(d,1H) 9.9(s,1H) 11.5(s,1H)
充分に窒素置換した500mlの反応器にエタノール156ml、n-ヘキシルアミン2.53g(25mmol)および3-t-ブチル-5-メトキシサリチルアルデヒド5.20g(25mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、下記式(F)で示される黄色結晶の化合物(F)6.96g(収率97%)を得た。
【0248】
1H-NMR(CDCl3): 0.9(t,3H) 1.3(s,6H) 1.4(s,9H) 1.7-1.8(m,2H) 3.6(t,2H) 3.8(s,3H) 6.6(s,1H) 7.0(s,1H) 8.3(s,1H) 13.8(s,1H)
【0249】
【化40】
【0250】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(F)1.17g(4.0mmol)とエーテル40mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを4.2mmol含むn-ヘキサン溶液2.61mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.755g(2.0mmol)含むTHF溶液40mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル20mlを加え、スラリーとした後、エーテル(10ml×2)で洗浄しながら、ろ過した。ろ液を10mlまで濃縮した後、0℃で一晩静置することにより、下記式(6)で示される黄橙色結晶の化合物(6)を0.85g(収率58%)得た。
【0251】
1H-NMR(CDCl3): 0.9(t,6H) 1.0-1.4(s,12H) 1.6(s,18H) 3.6(t,4H) 3.8(s,6H) 6.7(s,2H) 7.2(s,2H) 8.2(s,1H)
FD-質量分析: 742
【0252】
【化41】
【0253】
【合成例7】
充分に窒素置換した200mlの反応器にエタノール50ml、シクロヘキシルアミン1.23g(12.4mmol)および3-t-ブチル-5-メトキシサリチルアルデヒド2.55g(12.2mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別し、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、下記式(G)で示される黄橙色結晶の化合物(G)2.34g(収率66%)を得た。
【0254】
1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.85(m,19H) 3.18-3.23(m,1H) 3.77(s,3H) 6.59-6.60(d,1H) 6.95-6.96(d,1H) 8.33(s,1H) 13.75(s,1H)
FD-質量分析: 289
【0255】
【化42】
【0256】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(G)0.86g(2.99mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.31mmol含むn-ヘキサン溶液2.15mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.566g(1.50mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル100ml、塩化メチレン90mlで洗浄し、ろ液を濃縮することにより、下記式(7)で示される黄色粉末の化合物(7)を0.27g(収率25%)得た。
【0257】
1H-NMR(CDCl3): 0.98-2.12(m,38H) 3.46-3.87(m,8H) 6.63-6.64(d,2H) 7.19-7.20(d,2H) 8.20(s,2H)
FD-質量分析: 738
【0258】
【化43】
【0259】
【合成例8】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、シクロヘキサンメチルアミン1.05g(9.27mmol)および3-t-ブチル-5-メトキシサリチルアルデヒド1.92g(9.23mmol)を装入し、室温で73時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別し、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、下記式(H)で示される橙色液体の化合物(H)2.70g(収率96%)を得た。
【0260】
1H-NMR(CDCl3): 0.93-1.86(m,11H) 1.43(s,9H) 3.42(d,2H) 3.77(s,3H) 6.60(d,1H) 6.96(d,1H) 8.25(s,1H) 13.71(bs,1H)
【0261】
【化44】
【0262】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(H)0.84g(2.57mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.04mmol含むn-ヘキサン溶液1.90mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1.5時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.52g(1.34mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液の溶媒を留去した。得られた固体をエーテル40ml、塩化メチレン100mlで洗浄し、ろ液を濃縮後、再度エーテルとへキサンとの混合液で洗浄することにより、下記式(8)で示される黄色粉末の化合物を0.67g(収率63%)得た。
【0263】
1H-NMR(CDCl3): 0.53-1.85(m,22H) 1.55(s,18H) 3.22-3.40(m,4H) 3.80(s,6H) 6.64-6.67(m,2H) 7.10-7.26(m,2H) 7.96(s,2H)
FD-質量分析: 766
【0264】
【化45】
【0265】
【合成例9】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、2-メチルシクロヘキシルアミン1.72g(15.19mmol)および3-t-ブチル-5-メトキシサリチルアルデヒド2.64g(12.68mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別し、エタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、下記式(I)で示される黄色粉末の化合物(I)2.82g(収率73%)を得た。
【0266】
1H-NMR(CDCl3): 0.83(d,3H) 1.00-1.89(m,9H) 1.43(s,9H) 2.64-2.73(td,1H) 3.78(s,3H) 6.60(d,1H) 6.96(d,1H) 8.27(s,1H) 13.7(s,1H)
【0267】
【化46】
【0268】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(I)0.91g(3.00mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.36mmol含むn-ヘキサン溶液2.10mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で2時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.57g(1.51mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル10ml、塩化メチレン60mlで洗浄したのち、ろ液を濃縮し、再度エーテルとへキサンとの混合液で洗浄することにより、下記式(9)で示される黄色粉末の化合物(9)を0.54g(収率46%)得た。
【0269】
1H-NMR(CDCl3): 0.60-2.90(m,24H) 1.60(s,18H) 2.50-2.70(m,2H) 3.47(m,6H) 6.61-6.64(m,2H) 7.21,7,22(s,s,2H) 8.15-8.23(m,2H)
FD-質量分析: 766
【0270】
【化47】
【0271】
【合成例10】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、ベンジルアミン1.61g(15.0mmol)および3-t-ブチル-5-メトキシサリチルアルデヒド3.12g(15.0mmol)を装入し、室温で1.5時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別し、メタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより、下記式(J)で示される黄橙色結晶の化合物(J)3.25g(収率73%)を得た。
【0272】
1H-NMR(CDCl3): 1.42(s,9H) 3.78(s,3H) 4.80(s,2H) 6.62-7.43(m,7H) 8.41(s,1H) 13.52(s,1H)
【0273】
【化48】
【0274】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(J)0.89g(3.00mmol)とエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.15mmol含むn-ヘキサン溶液2.01mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で3時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.57g(1.50mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液の溶媒を留去した。得られた固体をエーテル30ml、塩化メチレン20mlで洗浄したのち、ろ液を濃縮し、再度エーテル20mlで洗浄することにより、下記式(10)で示される黄色粉末の化合物(10)を0.58g(収率51%)得た。
【0275】
1H-NMR(CDCl3): 1.51(s,18H) 3.75(s,6H) 4.60-5.10(m,4H) 6.35-7.25(m,14H) 7.82(s,2H)
FD-質量分析 :754
【0276】
【化49】
【0277】
【合成例11】
充分に乾燥、窒素置換した1リットルの反応器に、2-tert-ブチル-4-メチルフェノール9.68g(58.93mmol)とTHF100mlを仕込み、0℃にてエチルマグネシウムブロミドを69.00mmol含むエーテル溶液23.00mlを30分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。トルエン100mlを加え、95℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を留去することで白濁スラリーとした。室温まで冷却後、トルエン100ml、パラホルムアルデヒド4.50g(149.90mmol)およびトリエチルアミン12.50ml(89.93mmol)を添加し、95℃にて2時間撹拌した。室温まで放冷後、1N塩酸300mlにてクエンチし、有機層を濃縮してシリカゲルカラムにより精製することで、3-t-ブチル-5-メチルサリチルアルデヒド7.36g(収率65%)を得た。
【0278】
1H-NMR(CDCl3): 1.41(s,9H) 2.32(s,3H) 7.19(d,1H) 7.33(d,1H) 9.83(s,1H) 11.60(s,1H)
充分に窒素置換した200mlの反応器にエタノール50ml、n-ヘキシルアミン1.52g(15.02mmol)および3-t-ブチル-5-メチルサリチルアルデヒド2.86g(14.90mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去することにより、下記式(K)で示される黄色液体の化合物(K)4.14g(収率100%)を得た。
【0279】
1H-NMR(CDCl3): 0.89(t,3H) 1.25-1.43(m,4H) 1.43(s,9H) 1.60-1.77(m,2H) 2.28(s,3H) 3.56(t,2H) 6.89(s,1H) 7.11(d,1H) 8.27(s,1H) 13.94(s,1H)
【0280】
【化50】
【0281】
充分に乾燥、アルゴン置換した300mlの反応器に、化合物(K)4.16g(15.10mmol)とエーテル70mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを15.04mmol含むn-ヘキサン溶液9.40mlを30分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を2.85g(7.56mmol)含むTHF溶液80mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル50ml、塩化メチレン200mlで洗浄したのち、ろ液を濃縮し、再度エーテル20mlで洗浄することにより、下記式(11)で示される黄色粉末の化合物(11)を4.30g(収率80%)得た。
【0282】
1H-NMR(CDCl3): 0.74-1.54(m,18H) 1.55(s,18H) 2.31(s,6H) 3.37-3.68(m,4H) 6.99(s,2H) 7.36(s,2H) 8.09(s,2H)
FD-質量分析: 710
【0283】
【化51】
【0284】
【合成例12】
充分に窒素置換した200mlの反応器にエタノール70ml、2-メチルシクロヘキシルアミン1.83g(16.17mmol)および3-t-ブチル-5-メチルサリチルアルデヒド3.06g(15.92mmol)を装入し、室温で24時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより、下記式(L)で示される黄色結晶の化合物(L)3.00g(収率66%)を得た。
【0285】
1H-NMR(CDCl3): 0.79-0.83(m,3H) 0.96-1.88(m,9H) 1.43(s,9H) 2.28(s,3H) 2.63-2.72(td,1H) 6.90(d,1H) 7.11(d,1H) 8.26(s,1H) 13.93(s,1H)
【0286】
【化52】
【0287】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(L)0.87g(3.03mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを2.98mmol含むn-ヘキサン溶液1.90mlを10分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で2時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.57g(1.50mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体をエーテル80mlで洗浄したのち、ろ液を濃縮し、エーテルとへキサンとの混合溶液で再結晶することにより、下記式(12)で示される黄色粉末の化合物(12)を0.44g(収率40%)得た。
【0288】
1H-NMR(CDCl3): 0.65-1.90(m,24H) 1.60(s,18H) 2.32(s,6H) 3.68-3.90(m,2H) 6.98(s,2H) 7.37(s,2H) 8.14-8.22(m,2H)
FD-質量分析: 734
【0289】
【化53】
【0290】
【合成例13】
充分に乾燥、窒素置換した200mlの反応器に、パラクレゾール34.15g(316.0mmol)、アンバーリスト-15E(商品名、オルガノ社製)2.50g、トルエン20mlを仕込み、80℃にて4-クミルフェノール14.40g(105.0mmol)をトルエン30mlで希釈した溶液を滴下し、17時間撹拌した。室温まで冷却後へキサンで洗いながらろ過した後、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2-クミル-4-メチルフェノール10.52g(44%)を得た。
【0291】
1H-NMR(CDCl3): 1.75(s,6H) 2,40(s,3H) 7.10-7.30(m,8H) 11.17(s,1H)
充分に窒素置換した500mlの反応器にエチルマグネシウムブロミドを63.1mmol含むエーテル溶液21.0mlとTHF40mlを仕込み、0℃にて2-クミル-4-メチルフェノール13.61g(60.1mmol)をTHF20mlで希釈した溶液を1時間かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で30分撹拌した。トルエン220mlを加えた後、100℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を約50ml留去することで白濁スラリーとした。24℃まで冷却後、パラホルムアルデヒド4.37g(145.5mmol)およびトリエチルアミン12.0ml(86.0mmol)を添加し、90℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷後、18%塩酸42mlにてクエンチし、有機層を濃縮した後、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、3-クミル-5-メチルサリチルアルデヒド14.13g(収率92%)を得た。
【0292】
1H-NMR(CDCl3): 1.75(s,6H) 2.40(s,3H) 7.10-7.42(m,7H) 8.55(s,1H) 13.18(s,1H)
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、n-ヘキシルアミン1.82g(18.0mmol)および3-クミル-5-メチルサリチルアルデヒド3.81g(15.0mmol)を装入し、室温で3時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、下記式(M)で示される化合物(M)3.97g(収率78%)を得た。
【0293】
1H-NMR(CDCl3): 0.85(t,3H) 1.27(s,6H) 1.52-1.70(m,2H) 1.71(s,6H) 2.34(s,3H) 3.45(t,2H) 6.92-7.35(m,7H) 8.22(s,1H) 13.49(s,1H)
【0294】
【化54】
【0295】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(M)1.01g(3.00mmol)とエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.45mmol含むn-ヘキサン溶液2.20mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2錯体を0.622g(1.65mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル20mlを加え、スラリーとした後、エーテル10mlで洗浄しながらろ過した。ろ液を濃縮し、再度ヘキサンとエーテルとの混合溶液で洗浄することにより下記式(13)で示される淡黄色粉末の化合物(13)を0.53g(収率42%)得た。
【0296】
1H-NMR(CDCl3): 0.50-2.00(m,34H) 2.25-2.45(m,6H) 2.50-2.75(m,4H) 6.90-7.55(m,14H) 8.85(s,2H)
FD-質量分析: 832
【0297】
【化55】
【0298】
【合成例14】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、シクロヘキシルアミン0.99g(10.0mmol)および3-クミル-5-メチルサリチルアルデヒド2.54g(10.0mmol)を装入し、室温で20時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別し、冷メタノールで洗浄した後、減圧乾燥することにより下記式(N)で示される淡黄色結晶の化合物(N)2.85g(収率85%)を得た。
【0299】
1H-NMR(CDCl3): 1.10-1.65(m,6H) 1.65-1.82(m,4H) 1.75(s,6H) 2.35(s,3H) 3.12(m,1H) 6.95-7.33(m,7H) 8.28(s,1H) 13.42(s,1H)
【0300】
【化56】
【0301】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(N)1.01g(3.00mmol)とエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.15mmol含むn-ヘキサン溶液2.01mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2錯体を0.566g(1.50mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30mlを加え、スラリーとした後、エーテル(10ml×2)で洗浄しながら、ろ過した。ろ液を濃縮し、再度ヘキサンとエーテルとの混合溶液で洗浄することにより下記式(14)で示される淡黄色粉末の化合物(14)を0.91g(収率73%)得た。
【0302】
1H-NMR(CDCl3): 0.85-2.10(m,32H) 2.28,2.38(s,s, 6H) 3.62(m,2H) 6.95-7.50(m,14H) 8.10(s,2H)
FD-質量分析: 830
【0303】
【化57】
【0304】
【合成例15】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、2-メチルシクロヘキシルアミン0.91g(8.04mmol)および3-クミル-5-メチルサリチルアルデヒド1.96g(7.71mmol)を装入し、室温で15時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより下記式(O)で示される黄色結晶の化合物2.65g(収率98%)を得た。
【0305】
1H-NMR(CDCl3): 0.70-0.80(m,3H) 0.85-1.90(m,15H) 2.33,2.34(s,s,3H) 2.60,3.23(m,1H) 6.95-7.30(m,7H) 8.20-8.30(m,1H) 13.35(s,1H)
【0306】
【化58】
【0307】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(O)1.08g(3.08mmol)とエーテル20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.14mmol含むn-ヘキサン溶液2.00mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.58g(1.54mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30ml、塩化メチレン50mlを加え、ろ過した後、ろ液を濃縮し、エーテルで再結晶することにより下記式(15)で示される黄色粉末の化合物(15)を0.39g(収率30%)得た。
【0308】
1H-NMR(CDCl3): 0.20-2.50(m,42H) 3.38-3.65(m,2H) 6.90-7.70(m,14H) 8.05-8.25(m,2H)
FD-質量分析: 858
【0309】
【化59】
【0310】
【合成例16】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、2-(1-アダマンチル)-4-メチル-フェノール11.22g(46.30mmol)とTHF100mlを仕込み、0℃にてエチルマグネシウムブロミドを48.60mmol含むエーテル溶液16.20mlを30分かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で2.5時間撹拌した。トルエン300mlを加え、100℃に加熱することで白濁スラリーとした。室温まで冷却後、パラホルムアルデヒド3.80g(126.54mmol)およびトリエチルアミン7.10g(70.17mmol)を添加し、85℃にて30分間撹拌した。室温まで放冷後、10%塩酸にてクエンチし、有機層を濃縮して析出する固体を減圧乾燥して、3-(1-アダマンチル)-5-メチルサリチルアルデヒド10.51g(収率84%)を得た。
【0311】
1H-NMR(CDCl3): 2.2-1.8(s,16H) 2.3 (s,3H) 7.5-7.0(m,2H) 9.8(s,1H) 11.6(s,1H)
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、シクロヘキシルアミン0.55g(5.55mmol)および3-(1-アダマンチル)-5-メチルサリチルアルデヒド1.51g(5.57mmol)を装入し、室温で18時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより下記式(P)で示される黄色結晶の化合物(P)1.73g(収率89%)を得た。
【0312】
1H-NMR(CDCl3): 1.18-1.70(m,10H) 1.79(t,6H) 2.11(s,3H) 2.30(s,6H) 2.31(s,3H) 3.12-3.28(m,1H) 6.97(d,1H) 7.02(s,1H) 8.17(s,1H) 13.98(s,1H)
【0313】
【化60】
【0314】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(P)1.01g(2.88mmol)とTHF20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを2.87mmol含むn-ヘキサン溶液1.83mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2錯体を0.54g(1.44mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で15時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30ml、塩化メチレン70mlを加えスラリーとした後、ろ過した。ろ液を濃縮し、ヘキサンとエーテルとの混合溶液で再結晶することにより下記式(16)で示される黄色粉末の化合物(16)を0.99g(収率79%)得た。
【0315】
1H-NMR(CDCl3): 0.70-2.20(m,50H) 2.27(s,6H) 3.80-3.95(m,2H) 6.87(d,2H) 7.04(d,2H) 8.31(s,2H)
FD-質量分析: 862
【0316】
【化61】
【0317】
【合成例17】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、2-メチルシクロヘキシルアミン0.67g(5.92mmol)および3-(1-アダマンチル)-5-メチルサリチルアルデヒド1.50g(5.55mmol)を装入し、室温で18時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより、下記式(Q)で示される黄色粉末の化合物(Q)1.67g(収率82%)を得た。
【0318】
1H-NMR(CDCl3): 0.81(d,3H) 0.95-1.75(m,9H) 1.79(d,6H) 2.08(s,3H) 2.18(d,6H) 2.28(s,3H) 2.60-2.75(td,1H) 6.89(s,1H) 7.05(d,1H) 8.25,8.28(s,s,1H) 13.88,13.90(s,s,1H)
【0319】
【化62】
【0320】
充分に乾燥、アルゴン置換した100mlの反応器に、化合物(Q)1.00g(2.74mmol)とTHF20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを2.75mmol含むn-ヘキサン溶液1.75mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1.5時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.52g(1.37mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30ml、塩化メチレン70mlを加えスラリーとした後、ろ過した。ろ液を濃縮し、ヘキサンとエーテルとの混合溶液で再結晶することにより下記式(17)で示される黄色粉末の化合物(17)を0.50g(収率41%)得た。
【0321】
1H-NMR(CDCl3): 0.60-2.20(m,54H) 2.32(s,6H) 3.70-3.92(m,2H) 6.90-7.00(m,2H) 7.26,7.31(s,s,2H) 8.00-8.30(m,2H)
FD-質量分析: 890
【0322】
【化63】
【0323】
【合成例18】
充分に乾燥、窒素置換した200mlの反応器に、アニソール25.31g(203.90mmol)、アンバーリスト-15(商品名、オルガノ社製)2.00g、トルエン30mlを仕込み、95℃にて1-アダマンチルアルコール15.52g(101.9mmol)をトルエン20mlで希釈した溶液を滴下し、5.5時間撹拌した。室温まで冷却後、析出した結晶をヘキサンで洗浄した後、減圧乾燥することにより、2-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェノール12.20g(46%)を得た。
【0324】
1H-NMR(CDCl3): 1.78(s,6H) 2.09(s,3H) 2.12(s,6H) 3.76(s,3H) 4.30(bs,1H) 6.58(s,2H) 6.83(s,1H)
充分に窒素置換した500mlの反応器にエチルマグネシウムブロミドを49.60mmol含むエーテル溶液16.50mlとTHF10mlを仕込み、0℃にて2-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェノール12.31g(47.20mmol)をTHF50mlで希釈した溶液を15分かけて滴下し、その後、トルエン150mlを加えた後、95℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を約40ml留去することで白濁スラリーとした。20℃まで冷却後、パラホルムアルデヒド3.43g(114.30mmol)およびトリエチルアミン9.40ml(67.50mmol)を添加し、90℃にて30分間撹拌した。室温まで放冷後、18%塩酸32mlにてクエンチし、有機層を水100ml、炭酸水素ナトリウム水溶液50ml、塩化ナトリウム水溶液100mlで洗浄した後、濃縮し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、3-(1-アダマンチル)-5-メトキシサリチルアルデヒド4.95g(収率37%)を得た。
【0325】
1H-NMR(CDCl3): 1.78(s,6H) 2.09(s,3H) 2.12(s,6H) 3.82(s,3H) 6.80(s,1H) 7.13(s,1H) 9.87(s,1H) 11.57(s,1H)
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、シクロヘキシルアミン0.37g(3.73mmol)および3-(1-アダマンチル)-5-メトキシサリチルアルデヒド1.03g(3.59mmol)を装入し、室温で5.5時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより、下記式(R)で示される化合物(R)1.24g(収率94%)を得た。
【0326】
1H-NMR(CDCl3): 1.20-1.80(m,10H) 1.80(s,6H) 2.08(s,3H) 2.15(s,6H) 3.15-3.30(m,1H) 3.77(s,3H) 6.58(d,1H) 6.89(d,1H) 8.32(s,1H) 13.76(s,1H)
【0327】
【化64】
【0328】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(R)1.00g(2.72mmol)とTHF10mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを2.83mmol含むn-ヘキサン溶液1.80mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1.5時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.51g(1.36mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30ml、塩化メチレン70mlを加えた後、ろ過した。ろ液を濃縮し、再度エーテルとへキサンとの混合溶液で洗浄することにより、下記式(18)で示される黄色粉末の化合物(18)を0.16g(収率13%)得た。
【0329】
1H-NMR(CDCl3): 0.50-2.40(m,50H) 3.80(s,6H) 3.80-4.00(m,2H) 6.62(d,2H) 7.14(d,2H) 8.18(s,2H)
FD-質量分析: 894
【0330】
【化65】
【0331】
【合成例19】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール30ml、2-メチルシクロヘキシルアミン0.44g(3.89mmol)および3-(1-アダマンチル)-5-メトキシサリチルアルデヒド1.06g(3.70mmol)を装入し、室温で5時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより、下記式(S)で示される化合物(S)1.27g(収率90%)を得た。
【0332】
1H-NMR(CDCl3): 0.82(d,3H) 1.00-1.80(m,9H) 1.79(s,6H) 2.07(s,3H) 2.17(d,H) 2.65-2.75(m,1H) 3.77(s,3H) 6.59(d,1H) 6.90(d,1H) 8.27,8,30(s,s,1H) 13.66,13.88(s,s,1H)
【0333】
【化66】
【0334】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(S)1.00g(2.63mmol)とTHF20mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを2.67mmol含むn-ヘキサン溶液1.70mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で1.5時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.50g(1.32mmol)含むTHF溶液20mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30ml、塩化メチレン70mlを加えた後、ろ過した。ろ液を濃縮し、再度エーテルで洗浄することにより、下記式(19)で示される黄色粉末の化合物(19)を0.65g(収率54%)得た。
【0335】
1H-NMR(CDCl3): 0.20-2.40(m,54H) 3.65-3.95(m,2H) 3.80(s,6H) 6.59-6.65(m,2H)7.13-7.16(m,2H) 8.14-8.23(m,2H)
FD-質量分析: 923
【0336】
【化67】
【0337】
【合成例20】
充分に乾燥、窒素置換した200mlの反応器に、アニソール43.00g(346.4mmol)、アンバーリスト-15(商品名、オルガノ社製)4.30g、トルエン50mlを仕込み、105℃にてα-メチルスチレン81.88g(692.8mmol)をトルエン50mlで希釈した溶液を滴下し、7.5時間撹拌した。室温まで冷却後トルエンで洗いながらろ過した後、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2-クミル-4-メトキシフェノール24.28g(28%)を得た。
【0338】
1H-NMR(CDCl3): 1.67(s,6H) 3.82(s,3H) 3.96(s,1H) 6.72-7.38(m,8H)
充分に窒素置換した1リットルの反応器にエチルマグネシウムブロミドを130.7mmol含むエーテル溶液43.5mlとTHF70mlを仕込み、0℃にて2-クミル-4-メトキシフェノール30.16g(124.5mmol)をTHF80mlで希釈した溶液を30分かけて滴下し、その後、トルエン500mlを加えた後、100℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を約40ml留去することで白濁スラリーとした。15℃まで冷却後、パラホルムアルデヒド9.04g(301.3mmol)およびトリエチルアミン24.8ml(178.0mmol)を添加し、90℃にて15分間撹拌した。室温まで放冷後、18%塩酸84mlにてクエンチし、有機層を水400ml、炭酸水素ナトリウム水溶液200ml、塩化ナトリウム水溶液(200ml×2)で洗浄した後、濃縮し、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、3-クミル-5-メトキシサリチルアルデヒド27.27g(収率81%)を得た。
【0339】
1H-NMR(CDCl3): 1.82(s,6H) 3.85(s,3H) 7.15-7.38(m,7H) 9.80(s,1H) 11.3(s,1H)
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、シクロヘキシルアミン1.09g(11.0mmol)および3-クミル-5-メトキシサリチルアルデヒド2.85g(10.0mmol)を装入し、室温で2時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより、下記式(T)で示される化合物(T)2.54g(収率72%)を得た。
【0340】
1H-NMR(CDCl3): 1.11-1.55(m,6H) 1.55-1.85(m,4H) 1.75(s,6H) 3.11(m,1H) 3.82(s,3H) 6.63-7.29(m,7H) 8.28(s,1H) 13.20(s,1H)
【0341】
【化68】
【0342】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(T)1.05g(3.00mmol)とエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.15mmol含むn-ヘキサン溶液2.01mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で3時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2錯体を0.57g(1.50mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル30mlを加え、スラリーとした後、塩化メチレン50mlで洗浄しながらろ過した。ろ液を濃縮し、再度塩化メチレンとエーテルとの混合溶液で洗浄することにより、下記式(20)で示される黄色粉末の化合物(20)を0.67g(収率52%)得た。
【0343】
1H-NMR(CDCl3): 0.90-2.10(m,32H) 3.67(m,2H) 3.77,3.85(s,s 6H) 6.60-7.41(m,14H) 8.11(s,2H)
FD-質量分析: 863
【0344】
【化69】
【0345】
【合成例21】
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール40ml、2-メチルシクロヘキシルアミン1.25g(11.0mmol)および3-クミル-5-メトキシサリチルアルデヒド2.85g(10.0mmol)を装入し、室温で3時間撹拌を続けた。析出した固体をろ過にて分別した後、減圧乾燥することにより、下記式(U)で示される化合物(U)2.73g(収率75%)を得た。
【0346】
1H-NMR(CDCl3): 0.70-0.80(d,3H) 0.9-1.83(m,9H) 1.75(s,6H) 2.62(m,1H) 3.82(s,3H) 6.68-7.31(m,7H) 8.23(s,1H) 13.13(s,1H)
【0347】
【化70】
【0348】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(U)1.10g(3.00mmol)とエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.15mmol含むn-ヘキサン溶液2.01mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で2時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2 錯体を0.57g(1.50mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル10ml、塩化メチレン30mlを加え、スラリーとした後、塩化メチレン20mlで洗浄しながら、ろ過した。ろ液を濃縮し、再度塩化メチレンとエーテルとの混合溶液で洗浄することにより下記式(21)で示される黄色粉末の化合物(21)を0.78g(収率58%)得た。
【0349】
1H-NMR(CDCl3): 0.60-0.80(m,36H) 3.52(m,2H) 3.77(s,6H) 6.50-7.60(m,14H) 8.12(s,2H)
FD-質量分析: 891
【0350】
【化71】
【0351】
【合成例22】
充分に乾燥、窒素置換した300mlの反応器に、4-フェニルフェノール34.04g(200.0mmol)、アンバーリスト-15E(商品名、オルガノ社製)3.40g、トルエン150mlを仕込み、105℃にてt-ブチルアルコール148.20g(200.0mmol)をトルエン10mlで希釈した溶液を滴下し、16時間撹拌した。室温まで冷却後、溶液をへキサン500ml中に移し、ヘキサンで洗いながらろ過した。濃縮後、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2-t-ブチル-4-フェニルフェノール31.15g(69%)を得た。
【0352】
1H-NMR(CDCl3): 1.48(s, 9H) 4.78(s,1H) 6.70-6.58(m,8H)
充分に窒素置換した1リットルの反応器にエチルマグネシウムブロミドを200.4mmol含むエーテル溶液66.80mlとTHF100mlを仕込み、0℃にて2-t-ブチル-4-フェニルフェノール43.16g(190.7mmol)をTHF90mlで希釈した溶液を40分間かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で30分間撹拌した。トルエン700mlを加えた後、100℃に加熱し、エーテルとTHFとの混合溶液を52ml留去することで白濁スラリーとした。−20℃まで冷却後、パラホルムアルデヒド13.84g(460.9mmol)およびトリエチルアミン38.1ml(273.4mmol)を添加し、90℃にて30分間撹拌した。氷冷後、18%塩酸133mlにてクエンチし、有機層を水300ml、炭酸水素ナトリウム水溶液300ml、塩化ナトリウム水溶液300mlで洗浄した後、濃縮し、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、3-t-ブチル-5-フェニルサリチルアルデヒド37.73g(収率78%)を得た。
【0353】
1H-NMR(CDCl3): 1.47(s,9H) 7.29-7.79(m,7H) 9.70(s,1H) 11.78(s,1H)
充分に窒素置換した100mlの反応器にエタノール50ml、n-ヘキシルアミン1.21g(12.0mmol)および3-t-ブチル-5-フェニルサリチルアルデヒド2.54g(10.0mmol)を装入し、室温で1時間撹拌を続けた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、下記式(V)で示される化合物(V)3.38g(収率94%)を得た。
【0354】
1H-NMR(CDCl3): 0.90(t,3H) 1.20-1.50(m,6H) 1.48(s,9H) 1.72(m,2H) 3.61(t,2H) 7.27-7.56(m,7H) 8.40(s,1H) 14.29(s,1H)
【0355】
【化72】
【0356】
充分に乾燥、アルゴン置換した50mlの反応器に、化合物(V)1.01g(3.00mmol)とエーテル30mlを仕込み、−78℃に冷却し撹拌した。これにn-ブチルリチウムを3.15mmol含むn-ヘキサン溶液1.97mlをゆっくり滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間撹拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に冷却したZrCl4(THF)2錯体を0.57g(1.50mmol)含むTHF溶液30mlに滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しながら撹拌を続けた。さらに室温で20時間撹拌した後、反応液を溶媒留去した。得られた固体にエーテル20mlを加え、スラリーとした後、塩化メチレン10mlで洗浄しながらろ過した。ろ液を濃縮し、再度エーテル30mlで洗浄することにより、下記式(22)で示される黄色粉末の化合物(22)を0.49g(収率39%)得た。
【0357】
1H-NMR(CDCl3): 0.7-0.9(m,6H) 1.1-2.0(s,34H) 3.8-4.1(m,4H) 7.2-8.1(m,14H) 8.3,8.8(brs,s,2H)
FD-質量分析: 834
【0358】
【化73】
【0359】
得られた化合物のNCの値を表1に示す。
【0360】
【表1】
【0361】
【実施例1〜8、参考例1〜9】
充分に窒素置換したステンレス製1リットルオートクレーブにヘプタン500mlを装入し、75℃にして、エチレンで液相および気相を飽和させた。その後、メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換算で1.25mmol、表2に示す化合物をそれぞれ表2に記載の量を加え、エチレン圧力8kg/cm2-G にて15分間重合を行った。
【0362】
得られたポリマー懸濁液を少量の塩酸を含む大量のアセトン:メタノール=1:1に加えてポリマーを析出させ、グラスフィルターで濾過し、溶媒を除いた後、メタノールで洗浄した。ポリマーを80℃にて10時間減圧乾燥した後、ポリエチレンを得た。その結果を下記表2に示す。
【0363】
【比較例1】
実施例1〜8、参考例1〜9の重合において、ジルコニウム化合物として下記ジルコニウム化合物(23)(NC=2.01)を用い、添加量を0.00005mmolとしたこと以外は同様にして重合を行った結果、得られたポリエチレンは2.61gであり、重合活性は209kg/mmol−Zr・hrであった。また得られたポリエチレンの極限粘度[η]は1.95dl/gであった。その結果を下記表2に示す。
【0364】
【化74】
【0365】
【表1】
【0366】
【実施例9〜13、参考例10〜16】
実施例1〜8、参考例1〜9の重合において、重合温度を90℃とし、触媒量を表3に記載の量としたこと以外は同様にして重合を行った。その結果を下記表3に示す。
【0367】
【比較例2】
実施例9〜13、参考例10〜16の重合において、ジルコニウム化合物をジルコニウム化合物(23)とし、添加量を0.00025mmolとしたこと以外は同様にして重合を行った結果、得られたポリエチレンは3.87gであり、重合活性は62kg/mmol−Zr・hrであった。また得られたポリエチレンの極限粘度[η]は4.19dl/gであった。その結果を下記表3に示す。
【0368】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程を示す説明図である。
Claims (5)
- 下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B-1a)一般式 Ra mAl(ORb)nHpXq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒;
mは1または2を示し、
R1は、脂環族炭化水素基で置換されている脂肪族炭化水素基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、水素原子を示し、
R14は、直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。) - 下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B-1a)一般式 Ra mAl(ORb)nHpXq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒;
mは1または2を示し、
R1は、脂環族炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化水素基であって総炭素原子数5以上の基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、アルコキシ基を示し、
R14は、直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R12同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。) - 下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B-1a)一般式 Ra mAl(ORb)nHpXq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒;
mは1または2を示し、
R1は、2−メチルシクロヘキシル基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、水素原子またはアルコキシ基を示し、
R14は、直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R12同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。) - 下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、
(B)(B-1a)一般式 Ra mAl(ORb)nHpXq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物と
からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒;
mは1または2を示し、
R1は、脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環族炭化水素基を示し、
R10、R11およびR13は、水素原子を示し、
R12は、炭化水素基またはアルコキシ基を示し、
R14は、アリール基が置換した直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または環状飽和炭化水素基を示し、
mが2の場合には、R1同士、R12同士、R14同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。) - 請求項1ないし4のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合することを特徴とするオレフィンの重合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36279999A JP4425397B2 (ja) | 1998-12-25 | 1999-12-21 | オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37081498 | 1998-12-25 | ||
JP10-370814 | 1998-12-25 | ||
JP36279999A JP4425397B2 (ja) | 1998-12-25 | 1999-12-21 | オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000239312A JP2000239312A (ja) | 2000-09-05 |
JP4425397B2 true JP4425397B2 (ja) | 2010-03-03 |
Family
ID=26581424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36279999A Expired - Lifetime JP4425397B2 (ja) | 1998-12-25 | 1999-12-21 | オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4425397B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100770291B1 (ko) * | 2001-07-30 | 2007-10-25 | 삼성토탈 주식회사 | 다핵으로 연결된 전이금속 화합물 촉매 및 이를 이용한중합체 제조방법 |
CN1914253B (zh) | 2004-01-30 | 2011-08-31 | 三井化学株式会社 | 聚合物及其用途 |
CN101061144B (zh) | 2004-11-19 | 2010-12-29 | 三井化学株式会社 | 乙烯类聚合物微粒、含有官能团的乙烯类聚合物微粒及其制造用催化剂载体 |
CN101155632A (zh) | 2005-04-07 | 2008-04-02 | 三井化学株式会社 | 含烯烃类聚合物的囊状微粒 |
KR101267146B1 (ko) | 2008-01-07 | 2013-05-24 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 신규한 중합체 입자 및 그 용도 |
JP5555225B2 (ja) | 2009-03-12 | 2014-07-23 | 三井化学株式会社 | 金属酸化物多孔質体の製造方法 |
US8791284B2 (en) | 2009-07-01 | 2014-07-29 | Mitsui Chemicals, Inc. | Organometallic compound and production method thereof |
KR101551553B1 (ko) | 2011-01-21 | 2015-09-08 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 성형체 |
EP2871216A4 (en) | 2012-07-06 | 2016-03-02 | Mitsui Chemicals Inc | POLYMER PARTICLES AND THEIR USE |
KR101746744B1 (ko) | 2013-02-08 | 2017-06-13 | 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 | 고체상 폴리알루미녹세인 조성물, 올레핀 중합용 촉매, 올레핀 중합체의 제조 방법, 및 고체상 폴리알루미녹세인 조성물의 제조 방법 |
CN115819644B (zh) * | 2021-09-18 | 2024-01-09 | 中国科学技术大学 | 负载型催化剂及其制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-12-21 JP JP36279999A patent/JP4425397B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000239312A (ja) | 2000-09-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4108141B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP4237200B2 (ja) | α−オレフィン・共役ジエン共重合体 | |
KR100391486B1 (ko) | 올레핀 중합 촉매 및 올레핀 중합 촉매를 이용한 올레핀중합 방법 | |
JP4425397B2 (ja) | オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 | |
JP3973765B2 (ja) | 遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒ならびに重合方法 | |
JP3964053B2 (ja) | 遷移金属化合物からなるオレフィン重合用触媒ならびに重合方法 | |
JP4676219B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP3945559B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP2015182992A (ja) | 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒、および、オレフィン系重合体の製造方法 | |
JP3880747B2 (ja) | オレフィン重合用触媒および重合方法 | |
JP2003268030A (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP3937200B2 (ja) | 新規な遷移金属錯体、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP3983184B2 (ja) | オレフィン重合用触媒および該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法 | |
JP3864013B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP3930197B2 (ja) | オレフィン重合用触媒および重合方法 | |
JP4472409B2 (ja) | α−オレフィン・環状オレフィン共重合体の製造方法 | |
JP4030473B2 (ja) | 希土類金属含有化合物、これを含むオレフィン重合触媒、及び該重合触媒を用いるオレフィンの重合方法 | |
JP2002256013A (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP4646486B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP4606667B2 (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP3747354B2 (ja) | 遷移金属化合物およびオレフィン重合用触媒ならびに重合方法 | |
JP4567920B2 (ja) | 新規なオレフィン重合用触媒および該触媒を用いたオレフィンの重合方法 | |
JP2007297453A (ja) | オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 | |
JP3976971B2 (ja) | オレフィン重合用触媒および重合方法 | |
JP5424678B2 (ja) | 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒およびポリオレフィンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061020 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061101 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061226 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070130 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070301 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070410 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20070502 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20090717 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091029 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20091029 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091209 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4425397 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131218 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |