JP4424719B2 - 新規化合物、物質変換方法及びそれを用いた記録方法 - Google Patents

新規化合物、物質変換方法及びそれを用いた記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆ディールス−アルダー(Diels−Alder)反応を用いて外部エネルギーの印加により色材の分子構造を変化させ、溶媒に対する溶解性を変化させるとともに所望の発色を生じさせることのできる(チオ)インジゴ系化合物の前駆体、物質変換方法ならびにそれを用いた新規な記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
化合物の、溶媒に対する溶解性を、局面に応じてコントロールすることは、様々な技術分野において、切望されている技術である。
【0003】
例えば、インクジェット記録を例にとってみると、インクジェット用インクの安定性に関しては、当該インク中に色材が溶解状態で存在していること、即ち単分子レベルで溶媒中に存在していることが好ましい。その一方で、通常の記録においては、当該インクが記録媒体上に付与された後には、色材を速やかに溶媒と分離させて記録媒体表面若しくは表面近傍に留めることが、高品位な画像を形成する上では好ましいとされている。一般的に、前者の性能は、所謂染料インクによって達成でき、一方後者の性能は所謂顔料インクによって達成できるものの、それらの両方を同時に達成することは通常は困難である。近年、顔料を微細化したり、顔料表面に水分散性の官能基を導入したりすることで、顔料に染料的な性質を付与する様々な技術が提案されているが、未だ改良の余地が残されている場合が多いのが実情である。また近年のインクジェットプリンタの性能の大幅な向上に伴って、インクジェットプリンタを単なる文字や画像の形成手段としてではなく、微細なパターンを有するデバイス、例えばDNAチップなどの製造装置として用いることが提案されてきている。
【0004】
一方、逆ディールス−アルダー(Retro Diels−Alder)反応をインクジェット記録システムに利用した技術としては、特開平11−349877号公報(特許文献1)に、インクジェットインク・キャリアーの粘度温度制御に逆ディールス−アルダー(Retro Diels−Alder)反応を利用した発明が開示されている。
【0005】
また、光・熱可逆性化合物を使用して極性(溶解性、凝集性)の制御をしている例としては、特開平10−31275号公報(特許文献2)に、トリアリルメタン系の化合物の紫外線・熱による分解反応や、フォトクロミック化合物のような光・熱可逆性化合物を使用して極性(溶解性、凝集性)の制御をしている例が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−349877号公報
【特許文献2】
特開平10−31275号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような技術的背景に鑑み、インク中では溶媒に対して溶解状態を維持して安定なインクを与え、ひとたび記録媒体に付与された後には、該溶媒に対する溶解性を失って、記録媒体の表面や表面とその近傍にとどまるような記録方法、例えば、インクジェット記録において、インク中の色材に対して染料の性質と顔料の性質とをその局面に応じて変化させることのできる性質を有する記録方法の開発が、インクジェット技術のより一層の発展に有効であるとの認識を得るに至った。本発明者らは、この様な認識に基づき様々な検討を行った結果、古来より建染染料として知られているインジゴやチオインジゴへと変換可能であり、また溶媒への可溶性を制御できる新規な化合物の合成に成功し、本発明を為すに至った。
【0008】
そこで本発明の目的は、溶媒に対する溶解性を制御することのできる、逆ディールス−アルダー反応によりチオインジゴやインジゴに変換できる新規な化合物、物質変換方法およびこれを用いた記録方法を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明により、外部エネルギーの印加により逆ディールス−アルダー反応によって溶媒可溶化基が脱離する機能を有する(チオ)インジゴ系化合物の前駆体を提供し、記録媒体上に存在させた状態で逆ディールス−アルダー反応させ顔料化させることを特徴とする新規記録方法が併せて提供される。
【0010】
本発明には以下の各態様が含まれる。
(1)下記式(I)で示される化合物:
【0011】
【化7】
Figure 0004424719
【0012】
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す。)
(2)下記式(II)で示される化合物:
【0013】
【化8】
Figure 0004424719
【0014】
(式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す。)
(3)下記式(I)で示される化合物:
【0015】
【化9】
Figure 0004424719
【0016】
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)及び下記式(II)で示される化合物:
【0017】
【化10】
Figure 0004424719
【0018】
(式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)から選択された少なくとも1種を記録媒体に付与する工程と、
該記録媒体に付与された該化合物に逆ディールス−アルダー反応を生じさせてチオインジゴ系化合物若しくはインジゴ系化合物に変換する工程と、
を有することを特徴とする記録方法。
(4)下記式(I)で示される化合物及び下記式(II)で示される化合物から選択される少なくとも1つの化合物に逆ディールス−アルダー反応を生じさせてチオインジゴ系化合物若しくはインジゴ系化合物に変換する工程を有する物質変換方法:
【0019】
【化11】
Figure 0004424719
【0020】
(式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)
【0021】
【化12】
Figure 0004424719
【0022】
(式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)。
(5)上記項目(4)に記載の物質変換方法を用いて情報を記録する工程を有する記録方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔本発明に用いる前駆体について〕
本発明にかかる前記式(I)で示される化合物は、チオインジゴ系化合物の前駆体(以下、チオインジゴ前駆体という)である。また、本発明にかかる前記式(II)で示される化合物は、インジゴ系化合物の前駆体(以下インジゴ前駆体という)である。これらの前駆体を総称する場合は、(チオ)インジゴ前駆体といい、これらの前駆体を逆ディールス−アルダー反応により変換して得られる化合物を(チオ)インジゴ系化合物と総称する。これらの前駆体は、所定の溶媒に対して相互作用するための溶媒可溶化基としての置換基R1〜R4を有し、置換基R1〜R4を選択することで極性溶媒に可溶とした場合には、逆ディールス−アルダー反応によって前駆体の分子からこれらの置換基を脱離させると、その結果として極性溶媒に対する溶解度が低下するものである。
【0024】
例えば、所定の溶媒が水もしくは水と親水性有機溶媒(例えば、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、グリセリン等)からなる水系媒体である場合においては、水に対する溶解度(25℃)が少なくとも1質量%以上となるように、溶媒に対して相互作用する置換基R1〜R4として、親溶媒性基、つまり親水性基としての水酸基を導入しておき、この水酸基を逆ディールス−アルダー反応により前駆体分子から脱離させることにより、溶解度を殆どゼロにすることができる。
【0025】
更に、R1〜R4がいずれも水素原子の場合は、エチレンブリッジが存在することで疎水性の有機溶媒対する溶解性が得られ、逆ディールス−アルダー反応によりこのエチレンブリッジを除去することで、疎水性有機溶媒に対して不溶化した(チオ)インジゴ系化合物を生じさせることができる。
【0026】
以下にこの化合物について、具体例を用いてより詳細に説明する。
〔チオインジゴ骨格を有する前駆体〕
次に、上記式(I)にかかり、疎水性の有機溶媒(以降「有機溶媒」と略)に対する溶解性を変化させることのできるチオインジゴ前駆体の具体例について説明する。
【0027】
下記式(III)で示されるチオインジゴ前駆体は、溶媒可溶化のための置換基としてエチレンブリッジを有し、該置換基によって有機溶媒に可溶であり(25℃における有機溶媒に対する溶解度1質量%以上)、該置換基は逆ディールス−アルダー反応によって該化合物の分子から脱離して、その結果として有機溶媒への溶解性が低下するものである。
【0028】
【化13】
Figure 0004424719
【0029】
チオインジゴ系化合物は一般に骨格部分の平面性が高く、パイ−パイスタッキングにより溶媒に難溶(例えば、25℃における有機溶媒に対する溶解度1質量%未満)であるものが多いが、上記式(III)で示されるビシクロ[2,2,2]オクタジエン骨格が縮環したチオインジゴ前駆体は、嵩高いビシクロ[2,2,2]オクタジエン骨格並びにエチレンブリッジの存在によって有機溶媒に対して可溶化されている。そして、上記式(III)の化合物を逆ディールス−アルダー反応させて架橋部分のエチレンブリッジを脱離させると、溶媒可溶化置換基の脱離並びに嵩高さの減少による分子のスタッキングとが相まって、有機溶媒に対する溶解性が低下し、例えば25℃の有機溶媒に対して溶解しない、或いは殆ど溶解しない化合物となる。上記式(III)で示された化合物は、前記式(I)で示された化合物の一例として、R1及びR2がともに水素原子であるエチレンブリッジが溶媒に対する親和性を前駆体に付与しているものを挙げている。
【0030】
このような溶媒可溶化置換基としては、溶媒が水あるいは水性媒体である場合には、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などを挙げることができる。
【0031】
〔チオインジゴ前駆体の合成方法〕
上記式(I)で示されるチオインジゴ系顔料前駆体の合成方法について説明する。この化合物は例えば以下に示す反応経路1に従って合成することができる。下記反応経路1中、化学式に付された符号は、その化学式が示す化合物の番号を表し、矢印に付された符号は工程の番号を表す。
【0032】
【化14】
Figure 0004424719
【0033】
すなわち、市販のプロピオール酸エステルから、文献(テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.,22, 3347-3350(1981),M Shen et al.)に記載の方法を利用して上記1の化合物を得ることができる。次いで、化合物1をチオグリコール酸と縮合させることで化合物2を得る(i)NaH、HSCH2CO2H、DMF)。
【0034】
化合物2をLDAによりディックマン縮合させた後、酸により脱炭酸して化合物3を得る(ii)LDA、THF、−78℃;iii)濃塩酸、CH2ClCH2Cl)。次に、化合物3を酸化的二量化させて化合物4を得る(iv)K3Fe(CN)6、LDA、THF)。なお、ここで化合物3の酸化的二量化には、ヘキサシアノ鉄(III)カリウム以外に、ヨウ素(I2)を用いることもできるが、ヘキサシアノ鉄(III)カリウムは、化合物4を収率良く得られる点でより好ましい酸化剤である。
【0035】
上記化合物4は先に式(III)で示した化合物であり、逆ディールス−アルダー反応させることによって、有機溶媒に対して不溶化させることが可能である。
【0036】
こうして得られた化合物4の、25℃におけるクロロホルム1gに対する溶解度は1.4g、イソプロピルアルコール1gに対する溶解度は2.8g程度である。そして、この化合物を逆ディールス−アルダー反応させて得られるエチレンブリッジ基が脱離した化合物5は、25℃におけるクロロホルム溶媒に対する溶解度が殆どない化合物となる。
【0037】
〔ディールス−アルダー反応および逆ディールス−アルダー反応について〕
ディールス−アルダー反応は、共役二重結合の1,4位に二重結合又は三重結合を持った化合物が付加して6員環のヒドロ芳香環を生成する反応をいう。逆ディールス−アルダー反応とは、ディールス−アルダー反応の逆反応のことを指す。例えば、ビシクロ[2,2,2]オクタジエン骨格の縮環部分を有する化合物を逆ディールス−アルダー反応させることで、架橋部分のエチレンブリッジを脱離させることができる。そして当該エチレン部分に、当該化合物が溶媒に対する溶解性を増すような基を結合させておくことによって、溶解度のコントロールが可能となる。また、本発明にかかる逆ディールス−アルダー反応によるエチレンブリッジの脱離の結果、パイ共役系が構築される化合物の場合、更にはパイ共役系の構築の結果として分子の立体構造が嵩高い構造から、平坦な構造に変化するように分子構造を構築しておくことによって、当該化合物を逆ディールス−アルダー反応させた結果として得られる化合物の凝集性や会合性をも制御することができ、好ましい態様である。
【0038】
上記好ましい態様を実現するために逆ディールス−アルダー反応後に分子間で水素結合や、ファンデルワールス力、静電相互作用、極性による相互作用が大きくなる系を設計することがより好ましい。従来であれば会合状態が大きくなっているため制御が困難であった系においても、反応前後の化合物の性質を設計することによって効果的に凝集性や会合性を制御することが可能となる。
【0039】
本発明にかかる前駆体によれば、溶媒可溶化基を必要に応じて有する架橋部分が逆ディールス−アルダー反応によって、脱離した後の各化合物を、安定で安全性の高いものにすることが可能であり、系に悪影響を与えるような可逆的な反応や副次的な反応は起こさないように反応を制御することが好ましい。一般的にジエン化合物とジエノフィル化合物間でのディールス−アルダー反応系は、発熱反応(ディールス−アルダー反応)と吸熱反応(逆ディールス−アルダー反応)との平衡反応であることから可逆性反応であることが知られている。この点を利用した技術としては、先に挙げたように、特開平11−349877号公報(特許文献1)に、インクジェットインク・キャリアーの粘度温度制御にディールス−アルダー反応系が利用されている発明が開示されている。しかし、該発明に使用されているディールス−アルダー反応系は可逆反応であるため、溶解性が減少した状態で、冷却をされると再度、環化反応(ディールス−アルダー環化反応)を誘発し、溶解性が再び増加することが考えられる。また、同公報においては、化合物が逆ディールス−アルダー反応した状態では、反応生成物が、不安定なジエン化合物とジエノフィル化合物で存在するため、副反応として酸化反応を誘発することが懸念され、本発明のような用途には不適であると考えられる。さらに、特開平10−31275号公報(特許文献2)ではトリアリルメタン系の化合物の紫外線・熱による分解反応や、フォトクロミック化合物のような光・熱可逆性化合物を使用して極性(溶解性、凝集性)の制御をしている例が開示されている。しかし、該発明に利用されている極性制御部はラジカルイオン開裂的に分解する系であるため、非可逆的な状態を形成することは可能であるものの、副生成物が極めて活性なラジカルである為、予期し得ない副反応を誘発してしまうことが考えられる。また、フォトクロミック反応は可視・紫外光線、および熱に対する可逆反応であるため、1つの状態を維持することが極めて困難であり、本発明のような用途には不適当であると考えられる。
【0040】
このような好ましい態様にするためには脱離した化合物と前駆体から生成した化合物が再びディールス−アルダー反応を起こすジエンとジエノフィルの関係で反応しないことが必要である。本発明の場合、脱離した化合物が反応性2重結合を持たない化合物へと自動酸化、還元等によって逆反応が不可能な物質に変換される仕組みを持たせて反応を非可逆的に進行させていることが特徴となっている。
【0041】
〔逆ディールス−アルダー反応のさせ方〕
前記式(I)で示されるチオインジゴ誘導体に対して逆ディールス−アルダー反応を起こさせる方法としては、この誘導体に対して、例えば、加熱、光、電磁波や放射線の照射等から選ばれる少なくとも1つの手段によりエネルギーを付与する方法を挙げることができる。例えば、先に反応経路1で示した化合物4に対して逆ディールス−アルダー反応を生じさせるのに十分な強度のエネルギーを付与することによって、これを所望の色を呈するチオインジゴ5に変換することができる。
【0042】
〔インジゴ前駆体〕
前記式(II)で示される化合物の具体例として、下記構造式(IV)で示されるインジゴ前駆体を挙げることができる。
【0043】
【化15】
Figure 0004424719
【0044】
この化合物は、やはり前記式(III)で示した化合物と同様に、ビシクロ[2,2,2]オクタジエン骨格に結合してなるエチレンブリッジによって有機溶媒に対する溶解性を保持しており、加熱、光、電磁波や放射線の照射等から選ばれる少なくとも1つの手段によりエネルギーを付与することで、逆ディールス−アルダー反応によってエチレンブリッジを脱離させることによって、当該化合物の分子から脱離する結果、有機溶媒に対する良好な溶解性を失うことになる。
【0045】
〔インジゴ前駆体の合成方法〕
上記式(IV)で示されるインジゴ顔料前駆体の合成方法について説明する。この化合物は前記反応経路1で示したチオインジゴ前駆体の合成で用いたチオグリコール酸をブトキシオキシカルボニル(BOC)によって保護されたグリシン(glycine)に代えることによって合成することができる。
【0046】
この式(IV)で示される化合物を逆ディールス−アルダー反応させて得られるエチレンブリッジが脱離した化合物は、25℃における有機溶媒に対する溶解性を持たない(溶解度ゼロ)化合物となる。
【0047】
〔本発明に係る記録方法について〕
・光情報記録への適用
これまで述べてきた(チオ)インジゴ系化合物前駆体から(チオ)インジゴ系化合物への物質変換を利用することで、たとえば二値データを記録することができる。たとえば、基体上の(チオ)インジゴ系化合物前駆体を含む薄膜に光ビームをスポット状に照射することで光照射部のみを(チオ)インジゴ系化合物に変換して情報を記録するといった光情報記録に適用することが考えられる。
・その他の記録への適用
以上説明した(チオ)インジゴ前駆体を用いた本発明に係る記録方法の他の態様としては、この前駆体の少なくとも1種を色材として用い、この前駆体を記録情報に応じて記録媒体の所定位置に付与し、更にエネルギーを付与して前駆体を(チオ)インジゴ系化合物に変換して所望の色の着色部を形成する工程を有する記録方法が挙げられる。記録媒体への色材の付与方法としては以下に示す方法を例示することができる。
・インクジェット記録方法への適用
(チオ)インジゴ前駆体の溶媒可溶化基を選択して水性溶媒に溶解し得る構造とし、これを水性溶媒に、必要に応じて添加される各種化合物とともに添加してインクを調製する。このインクを液滴吐出手段(インクジェットヘッド)を用いて液滴として記録媒体上に付与し、記録媒体に付与された(チオ)インジゴ前駆体に、外部からのエネルギー付与により逆ディールス−アルダー反応を生じさせて、(チオ)インジゴ前駆体をそれに対応するチオインジゴ系またはインジゴ系化合物に変換させる。このようにして形成されたチオインジゴ系またはインジゴ系化合物は水性溶媒に不溶となり、(チオ)インジゴ系化合物からなる色材の記録媒体への安定定着を達成できる。
【0048】
記録媒体に保持させた(チオ)インジゴ前駆体に逆ディールス−アルダー反応を生じさせる際に金属化合物を共存させることで、逆ディールス−アルダー反応の開始温度を、単独で存在している状態の(チオ)インジゴ前駆体の逆ディールス−アルダー反応の開示温度よりも大幅に低下させることができる。なお、この反応開始温度は、示差走査熱量分析装置を用いることによって観測できる。
【0049】
このような用途に利用し得る金属化合物としては、(チオ)インジゴ前駆体が有している溶媒可溶化基と吸着する部位を有しているものが、(チオ)インジゴ前駆体に逆ディールス−アルダー反応を生じさせる為のエネルギーをE1としたときに、(チオ)インジゴ前駆体が金属化合物と共存した際の逆ディールス−アルダー反応を生じさせる為のエネルギーE2を、E1よりも特に低くすることができる点で好ましい。そして、金属化合物の具体例としては、例えば上記式(I)〜(II)において、R1〜R4が水酸基である場合には、Al、Mn、Co、Ni、Fe、Ag、Cr、Se、Mg、V、Cu及びMoから選択された金属の酸化物や水酸化物から選ばれる少なくとも1つなどが好適に用いられる。
【0050】
記録媒体に付与した(チオ)インジゴ前駆体の逆ディールス−アルダー反応の際に金属化合物と共存させる方法の一例としては、記録媒体に金属化合物を含有させておく方法を挙げることができる。
【0051】
更に、金属化合物を含んでいる記録媒体を用いる代わりに、金属化合物を溶解、分散或いは溶解及び分散させた液体を調製し、この液体を記録媒体上の、少なくともインクジェット用インクが付与される領域に、記録媒体上において該インクと該液体とが混合されるように液滴吐出手段を用いて付与してもよい。このとき、液体の付与順は、インクを付与した後でもよく、インクを付与する前でもよい。さらに液滴吐出手段を用いて吐出したインクの滴と、液滴吐出手段を用いて吐出した液体の滴とを、双方の滴が記録媒体に着弾する前に混合させ、その混合物を記録媒体に着弾させる方法も本発明の記録方法の一形態として挙げることができる。更には、上記の液体を、液滴吐出手段を用いずに、記録媒体にローラー等を用いて塗布してもよい。
【0052】
また、本発明では水系溶媒を用いることが環境的観点から好ましいが、本発明では脂溶性有機溶媒を使用して記録することももちろん可能である。
【0053】
(チオ)インジゴ前駆体の金属化合物の存在下での特性変化のために必要なエネルギーの低減は、(チオ)インジゴ前駆体と金属化合物との接触や、金属化合物への(チオ)インジゴ前駆体の吸着によるこれらの反応によって達成することができる。インクジェット記録の場合は、先に述べたとおり、記録媒体に金属化合物を含有させておき、そこに(チオ)インジゴ前駆体を含むインクを付与する方法や、記録媒体に対して、(チオ)インジゴ前駆体を含むインクと、金属化合物を含む液体と、を別々にこれら記録媒体上やその内部で接触できるよう付与する、また複合的な方法として金属化合物に(チオ)インジゴ前駆体を吸着させた状態で記録する方法を挙げることができる。金属化合物によって(チオ)インジゴ前駆体の特性を変化させた状態を記録媒体に得た段階で、熱などのエネルギーを付与して(チオ)インジゴ前駆体から(チオ)インジゴ系化合物を生じさせて安定定着した画像を得ることができる。
【0054】
ここで、液滴吐出手段を用いて滴として吐出させるための(チオ)インジゴ前駆体を含むインクについて説明する。インク中の(チオ)インジゴ前駆体の含有量としては、0.1質量%〜10質量%とすることが、高品位な記録物を安定して得る上で好ましい。またこのようなインクの溶媒としては、例えば(チオ)インジゴ前駆体の溶解性に基づいて選択した水或いは水及び水溶性有機溶媒の混合物が好ましく使用される。
【0055】
ここで水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコール類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体;エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類;チオジグリコール;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類等が挙げられる。上記水溶性有機溶剤の含有量は、一般的にはインクの全重量に対して質量%で1〜40%、好ましくは2〜30%の範囲である。上記の如き有機溶媒を併用する場合は有機溶媒を単独でも2種以上の混合物としても使用できるが、好ましい水溶性有機溶剤は、1価アルコール類、ケトン類、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びその誘導体(中でもそのアルキルエーテル類)である。更に必要に応じて、従来公知の保湿剤、界面活性剤、粘度調整剤、酸化防止剤、等の添加材料をインクに用いることも可能である。保湿剤の添加量は1質量%から30質量%の範囲が好ましく、更に好適には3質量%から20質量%の範囲が望ましい。界面活性剤の添加量は0.01質量%から10質量%の範囲が好ましく、更に好適には0.05質量%から3質量%の範囲が望ましい。インクの好ましい物性は粘度、表面張力、pH(いずれも25℃)について下記の通りである。粘度は1.5から10cpsの範囲が好ましく、1.8から5cpsの範囲であれば更に好ましい。表面張力は25から45dyn/cmの範囲が好ましい。
【0056】
pHの好ましい範囲は含有する(チオ)インジゴ前駆体の種類により異なってくると考えられるが、4から10、さらに好適には6から9の範囲が好ましいと考えられる。
・他の記録方法
インクジェット記録以外に、本発明にかかる記録方法に利用できる記録方式としては、熱昇華型記録方式のように記録媒体に金属化合物を添加した状態で、(チオ)インジゴ前駆体を含むインクリボンを用いて記録媒体に記録する方式や、またその逆方法として溶媒に金属化合物を溶解した形で、バーコーター、ロールコーター、刷毛塗りのような塗布手段で、(チオ)インジゴ前駆体を含むインクリボンを用いて画像情報に応じて(チオ)インジゴ前駆体が付与されている記録媒体に金属化合物を塗布する方式が考えられる。
【0057】
更に複合的な記録方法として、金属化合物に第1の化合物を吸着させた化合物を記録媒体に付着せしめる方法も考えられる。
【0058】
本発明の記録方法は、染料を色材とするインクを用いたインクジェット記録方法などの他の記録方法と併用してもよい。
【0059】
【実施例】
次に、本発明に基づく実施例を示し、本発明の効果をより明らかにするが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
〔合成例1(チオインジゴ前駆体の合成)〕
先に示した反応経路1に従って、逆ディールス−アルダー反応で脱離可能な溶媒可溶化置換基を有する本発明のチオインジゴ前駆体を色材として合成した。
【0060】
まず、反応経路1に示す化合物1をTetrahedron Letters, Vol. 22, No.35, pp 3347-3350, 1981に従って合成し、得られた化合物1から化合物2を合成した(下記反応式参照)。
【0061】
【化16】
Figure 0004424719
【0062】
すなわち、50mlナスフラスコにNaH(0.062g、2.60mmol)を入れ、窒素置換し、dry−DMF(2ml)を加えたあと水浴で冷やした。これとは別に、25mlナスフラスコに化合物1(0.200g、0.62mmol)を入れ、窒素置換し、dry−DMFを加え、チオグリコール酸(0.090ml、1.30mmol)を入れたものをトランスファーチューブにより先程の50mlナスフラスコにゆっくり滴下し、1時間攪拌した。反応終了をTLCにより確認してから反応容器に0.1Mクエン酸水溶液をpH3になるまで加え、酢酸エチルで抽出し、5%HClで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hexane)により精製することで目的物(化合物2)を得た(収量0.29g:収率87.8%)。
1HNMR(CDCl3)δ:1.26−1.38(7H)、3.75(2H)、4.18(1H)、4.21−4.26(3H)、6.25(1H)、6.43(1H)
13CNMR(CDCl3)δ:14.2、24.7、33.0、37.9、40.9、60.4、128.4、131.6、135.6、154.5、164.6、175.1、195.9
IR(KBr)/cm-1:2358、2341、1718、1681
MS(FAB−POS241) 267(69)、177(55)、153(100)、149(69)
次に、化合物3を合成した(下記反応式参照)。
【0063】
【化17】
Figure 0004424719
【0064】
すなわち、25mlナスフラスコを窒素置換し、dry-THF(5.5ml)とジイソプロピルアミド(0.68ml、4.84mmol)を加えたあと、0℃まで冷やし、n-ブチルリチウムをゆっくり滴下した。そして、反応容器を-78℃まで冷やした。25mlナシフラスコに化合物2(0.325g、1.21mmol)を入れ、窒素置換し、dry-THF (2ml)を加えたものを先程の容器にトランスファーチューブにより滴下し、1時間攪拌した。反応終了をTLCにより確認してから反応容器に5%HClをpH2になるまで加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮した。濃縮したものをジクロロエタンに溶かし、濃塩酸を2〜3滴加え、5時間攪拌し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hexane)により精製することで目的物を得た(収量:0.16g、収率74%)。
1HNMR(CDCl3)δ:1.23−1.62(4H)、3.73(2H)、3.88(1H)、4.00(1H)、6.33(1H)、6.45(1H)
13CNMR(CDCl3)δ:25.5、25.6、33.9、41.3、43.6、131.4、135.9、185.2、193.9
IR(KBr)/cm-1:2965、2938、1660
MS(EI348):178(64)、150(100)、121(100)
次に、化合物3からチオインジゴ前駆体としての化合物4を合成した(以下の反応式参照)。
【0065】
【化18】
Figure 0004424719
【0066】
すなわち、50mlナスフラスコに化合物3(0.120g、0.67mmol)を入れ、窒素置換し、dry−THFを加え、反応容器を−78℃まで冷やした。そして、25mlナスフラスコを窒素置換し、dry−THF(5.5ml)とジイソプロピルアミド(0.68ml、4.84mmol)を加えたあと、0℃まで冷やし、n−ブチルリチウムをゆっくり滴下した。これを先程の50mlナスフラスコにトランスファーチューブにより加え、ヨウ素(0.102g、0.80mmol)を加え、3時間攪拌した。反応を水によりクエンチし、酢酸エチルで抽出、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hexane)により精製することで目的物を得た(収量:0.027g、収率23%)。
1HNMR(CDCl3)δ:1.44−1.63(4H)、4.01(1H)、4.15(1H)、6.36(1H)、6.47(1H)
13CNMR(CDCl3)δ:25.4、25.8、33.9、40.4、131.7、136.0、136.2、179.01、179.04、184.5
IR(KBr)/cm-1:2965、2935、2362、1635、1602
合成例2
ンジゴ前駆体の合成]
チオグリコール酸をブトキシオキシカルボニル(BOC)で保護したグリシン(glycine)に代えた以外は合成例1と同様にして、下記構造のインジゴ前駆体を合成した。
【化19】
Figure 0004424719
【0067】
実施例3
[インクジェットインクの作成および画像記録]
合成例1および2で得られたチオインジゴ前駆体またはインジゴ前駆体の各々の3質量%アセトン溶液を調製した。各溶液を2枚のガラス板上に塗布して乾燥膜厚が約10μmの、チオインジゴ前駆体の薄膜、ならびにインジゴ前駆体の薄膜を形成した。次いで各ガラス板をホットプレートに載せてガラス板を150℃の温度に1時間維持した。その結果、チオインジゴ前駆体薄膜を付したガラス板は、逆ディールス−アルダー反応によって、チオインジゴ由来の赤紫色に変色した。次にガラス基板表面から変色した膜の一部を採取し、同定を行ったところ、拡散反射UV-Visスペクトルの極大吸収波長は543nmであり、市販品のチオインジゴ(東京化成工業社製)のそれと一致し、またマススペクトルの296(100)の親ピーク、元素分析値(C16H8O2S2)C:64.84%, H:2.72%, O:10.80% であったことから、ガラス基板上の変色した膜が、チオインジゴであることを確認した。また、インジゴ前駆体薄膜は、インジゴ由来の青色に変色した。また青色の変色が、インジゴ前駆体に逆ディールス−アルダー反応が生じた結果としてのインジゴの生成であることを、上記チオインジゴ前駆体の場合と同様に同定データから確認した。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、情報の記録に有用に用いることのできる溶媒に対する溶解性を制御でき、また逆ディールス−アルダー反応により(チオ)インジゴ系化合物へと変換可能な新規な化合物を得ることができる。また本発明によれば、情報の記録に有効な物質変換方法、およびこれを用いた記録方法を得ることができる。

Claims (5)

  1. 下記式(I)で示されることを特徴とする化合物:
    Figure 0004424719
    (式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)。
  2. 下記式(II)で示されることを特徴とする化合物:
    Figure 0004424719
    (式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)。
  3. 下記式(I)で示される化合物:
    Figure 0004424719
    (式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)及び下記式(II)で示される化合物:
    Figure 0004424719
    (式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)から選択された少なくとも1種を記録媒体に付与する工程と、
    該記録媒体に付与された該化合物に逆ディールス−アルダー反応を生じさせてチオインジゴ系化合物若しくはインジゴ系化合物に変換する工程と、
    を有することを特徴とする記録方法。
  4. 下記式(I)で示される化合物及び下記式(II)で示される化合物から選択される少なくとも1つの化合物に逆ディールス−アルダー反応を生じさせてチオインジゴ系化合物若しくはインジゴ系化合物に変換する工程を有することを特徴とする物質変換方法:
    Figure 0004424719
    (式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)
    Figure 0004424719
    (式(II)中、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、あるいは水酸基、カルボキシル基及びアミノ基から選ばれる基を示す)。
  5. 請求項4に記載の物質変換方法を用いて情報を記録する工程を有することを特徴とする記録方法。
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