JP4424180B2 - 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents

不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化してそれぞれ対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造用複合酸化物触媒であって、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造でき媒の製造方法、製造された触媒、及びその保管方法に関する。
従来、プロピレンを分子状酸素により気相接触酸化してアクロレイン及びアクリル酸を製造するための触媒、また、イソブチレンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化してメタクロレイン及びメタクリル酸を製造するための触媒については種々提案されている。
これらの触媒は、対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を高収率で製造できることはもちろんであるが、同時に、充分に大きい機械的強度を有し、かつ長期間の工業的な使用に耐える耐久性を有しなければならない。
従来、これらの反応に使用される触媒の性能を改善するために触媒の有する比表面積、平均細孔半径、細孔容積などを特定の範囲に制御することなどが提案されている。例えば、特許文献1には、触媒の有する比表面積を100〜250m/g、に制御することが提案され,特許文献2には、細孔容積を0.2〜0.4ml/g、平均細孔半径を2000Åに制御することが提案され,また、特許文献3には、比評面積を5〜20m/g、平均細孔直径を0.1〜0.9μm、細孔容積を0.3〜0.9ml/gに制御することが提案されている。
更に、触媒を製造する際の乾燥や焼成における条件を制御して触媒の性能や機械的強度を改善することも提案されている。例えば、特許文献4や特許文献5には、550〜750℃での焼成を段階的に行うことや、予め予備焼成を行い、さらに、本焼成を行う多段焼成が提案されている。
しかしながら、これら従来技術による場合、それなりに効果は得られるものの、必ずしも満足いくものではなく、触媒の性能を向上させるのが容易で、かつ再現性に優れた新たな触媒及びそれらの製造方法が求められている。
特公昭53−5632号公報 特公平6−7924号公報 特開昭57−119837号公報 特公昭55−36384号公報 特公昭56−28180号公報
上記のような従来技術に鑑み、本発明の目的は、オレフィンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化してそれぞれ対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を高収率で再現性よく有利に製造できる触媒の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めたところ、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造するための、モリブデン、ビスマス、及び鉄を少なくとも含む複合酸化物触媒について、触媒の製造や保管時において触媒中に含まれる水分量が触媒の有する活性や選択性などの特性と大きく結びついており、これを適切な範囲に制御することにより上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明者の研究によると、後記する実施例や比較例に見られるように、モリブデン、ビスマス、及び鉄を少なくとも含む複合酸化物触媒の製造や保管時においてに含まれる水分量を、触媒の乾燥減量として0.5重量%以下に制御することにより、目的とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸について高い収率を有する触媒が得られることが見出された。
上記触媒の乾減量は、JIS R9301−3−1のL法によって求められる数値であるが、この乾燥減量が0.5重量%より大きい場合には、原因は明らかではないが、目的の反応に対する活性及び選択性が低下し、かつ安定した特性の触媒成形体が得られないことが見出された。
かくして、本発明は、下記の特徴を有する構成を要旨とするものである。
(1)オレフィンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に使用される、モリブデン、ビスマス、及び鉄を少なくとも含む複合酸化物触媒の製造方法であって、触媒の成分を含む混合溶液又は水性スラリーの乾燥物を焼成する際の降温時、及び上記乾燥物を焼成した後、焼成物を回収する際の雰囲気ガスの25℃換算での相対湿度を30%以下として、下記の式(1)で表される、製造する複合酸化物触媒の含有水分の乾燥減量0.5重量%以下とすることを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造用複合酸化物触媒の製造方法

乾燥減量= (W2−W1)/W2×100 (1)

(式中、W1は、触媒を110±5℃で2時間加熱した場合の重量を示し、W2は、上記加熱前の触媒の重量を示す。)
(2)触媒が下記の式(2)で表されることを特徴とする上記(1)に記載の複合酸化物触媒の製造方法
MoaBibCocNidFeeXfYgZhQiSijOk (2)

(式中、XはNa,K,Rb,Cs及びTlのいずれか少なくとも一種を示し、YはB,P,As及びWのいずれか少なくとも一種を示し、ZはMg、Ca、Zn、Ce及びSmのいずれか少なくとも一種を示し、Qはハロゲン原子を示し、a〜kはそれぞれの元素の原子比を示し、a=12のとき、0.5≦b≦7、0≦c≦10、0≦d≦10、1≦c+d≦10、0.05≦e≦3、0.0005≦f≦3、0≦g≦3、0≦h≦1、0≦i≦0.5、0≦j≦40、であり、kは他の元素の酸化状態を満足させる値である。)
(3)オレフィンがプロピレンであり、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸がそれぞれ、アクロレイン及びアクリル酸であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の複合酸化物触媒の製造方法
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法によって得られることを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造用複合酸化物触媒。
)上記()に記載の複合酸化物触媒の保管方法であって、触媒保管する際の雰囲気ガスの25℃換算での相対湿度を30%以下にせしめることを特徴とする保管方法。
本発明の方法によれば、モリブデン、ビスマス、及び鉄を少なくとも含む複合酸化物触媒について、該触媒の製造や保管において触媒中に含まれる水分量を制御するという新規な発想の手段により、オレフィンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化してそれぞれ対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造するための、高活性であり、選択性が高く、かつ、長期にわたり安定した性能を有する触媒が提供される。
本発明で提供される触媒は、モリブデン、ビスマス、及び鉄を少なくとも含む複合酸化物触媒である。かかる3つの成分を含む複合酸化物触媒であれば、特に制限はないが、なかでも、下記の式(2)で表される触媒が好ましく適用できる。

MoaBibCocNidFeeXfYgZhQiSijOk (2)

上記の式(2)において、Moはモリブデン、Biはビスマス、Coはコバルト、Niはニッケル、Feは鉄、Siはケイ素、Oは酸素を示し、また、X、Y、Z、Q、a、b、c、d、e、f、g、h、i及びjは、上記において定義したとおりである。なかでも、Qは、塩素原子であるのが好適である。
本発明の上記組成を有する触媒は、その各元素成分を含有する原料化合物の所要量を水性媒体中に適宜溶解又は分散させることにより、触媒成分を含む混合溶液又はその水性スラリーが製造される。各触媒成分の原料は、それぞれの元素の硝酸塩、アンモニウム塩、水酸化物、酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩などが用いられる。例えば、モリブデンとしては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、塩化モリブデンなどが使用される。水性媒体には、必要に応じて粘度を調整するためにアルコールなどの非水溶媒を添加することができる。
上記の触媒成分を含む混合溶液又は水性スラリーは、安定した温度管理をするために加温することが好ましく、また、各成分の偏在を防ぐために充分に攪拌、混合することが好ましい。充分に攪拌した後、該混合溶液又は水性スラリーは、好ましくは、100〜350℃にて、好ましくは、0.1秒〜24時間加熱し乾燥され、乾燥物とされる。乾燥法及び得られる乾燥物の状態については特に限定はない。乾燥方法は、例えば、通常のスプレードライヤー、スラリードライヤー、ドラムドライヤーなどを用いて粉体状の乾燥物を得てもよいし、また、通常の箱型乾燥機、トンネル型過熱炉を用いてブロック状の乾燥物を得てもよい。得られた乾燥物はそのまま焼成することもできるが、必要に応じて粉砕した後、所望の形状、大きさに成形して焼成することが好ましい。
上記乾燥物の成形方法としては、押出し成形、造粒成形、打錠法などの任意の成形方法が使用できる。成形物の形状、大きさなどについて特に制限はなく、既知の形状、大きさなどから適宜選ぶことができる。例えば、形状については、球状、円柱状、リング状などのいずれでもよい。大きさは、最長径が3〜15mmであるのが好ましい。
上記の成形にあたっては、成形物の機械的強度、粉化度を改善するために一般に知られているガラス繊維などの無機繊維、各種ウィスカーなどを使用してもよい。また、触媒物性を再現性よく制御するために、硝酸アンモニウム、セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸など一般に結合剤として知られている添加物を使用することもできる。
本発明では、上記複合酸化物触媒を担体に担持した担持触媒としても使用できる。担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイド、酸化チタン、酸化マグネシウム、アルミニウムスポンジ、シリカ−チタニアなどの一般に知られている担体が広く使用できる。この担持触媒の製造の場合にも、機械的強度などを改善するために前記したような無機繊維などを添加してもよく、また、触媒物性を再現性よく制御するために前記したような結合剤を使用することもできる。
本発明では、上記のようにして得られた触媒成分を含む乾燥物の成形物は続いて焼成される。焼成は、好ましくは、酸素含有ガスの存在下に好ましくは400〜650℃、特に好ましくは450〜600℃にて、好ましくは、1分〜24時間、特に好ましくは、10分〜10時間にて行われる。
本発明において、上記の焼成は雰囲気焼成炉を用いることができる。雰囲気焼成炉としては、例えば、固定床反応器に触媒を充填し雰囲気ガスの流通下で外部から加熱する方法、前記固定床反応器が熱交換型である方法、マッフル炉内部に雰囲気ガスを流通する方法、トンネル炉内部に雰囲気ガスを流通する方法、キルン炉内部に雰囲気ガスを流通する方法等を用いることができる。雰囲気ガス流量の制御の容易さを考慮すると、好ましくは固定床反応器に触媒を充填し雰囲気ガスの流通下で外部から加熱する方法、より好ましくは熱交換型固定床反応器に触媒を充填し雰囲気ガスの流通下で外部から加熱する方法を用いることができる。雰囲気ガスは、空気のほか、空気と窒素などの不活性ガスの混合気体を用いることができる。経済的に有利なことから、好ましくは空気を用いることができる。
本発明では、上記したように、触媒に含有される水分量を触媒の乾燥減量として0.5重量%以下に制御するために、焼成に用いる雰囲気ガスは、通常、除湿などを行うことにより、相対湿度を下げることが好ましい。また、雰囲気ガスの流通下で焼成を行った後に焼成触媒を降温する際に降温時の雰囲気ガスの相対湿度を所定範囲に制御することが好ましい。かくして、降温時の雰囲気ガスの、25℃における相対湿度は30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下は更により好ましい。降温時の雰囲気ガスの上記相対湿度が30%より大きい場合には、降温後に触媒を焼成炉から取り出す時点で、触媒の含水率が上昇して、触媒の乾燥減量が0.5重量%より大きくなる場合がある。
また、本発明で焼成炉より触媒を取り出し、回収する操作において、触媒が接する雰囲気ガスは、25℃における相対湿度が30%以下であることが好ましい。この雰囲気ガスの相対湿度が30%より大きい場合、上記操作が長時間におよぶと、触媒の含水率が上昇して、触媒の乾燥減量が0.5重量%より大きくなる場合がある。
更に、本発明では、上記のようにして焼成した触媒の保管時の雰囲気ガスの25℃における相対湿度を30%以下にせしめることが好ましい。触媒の保管中の雰囲気ガスの相対湿度が30%より大きい場合、触媒の含水率が上昇して、触媒の乾燥減量が0.5重量%より大きくなる場合がある。触媒を相対湿度30%以下に調節して保管するために、デシケーター、オートドライヤー等を用いることができる。かくして、触媒は、乾燥減量が0.5%以下の触媒をポリ袋、樹脂容器、ドラム缶等に密封して水蒸気を遮断して保管することにより、好適に乾燥減量を0.5重量%以下に保持することができる。
このようにして本発明の触媒は、その乾燥減量が0.5重量%以下であることが必要である。乾燥減量が0.5重量%より大きい場合には、上記のように、目的とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の収率が低下してしまう。なかでも、本発明では、乾燥減量が0.3重量%以下が好ましく、特には0.01〜0.2重量%が好適である。一方、乾燥減量は0.01重量%より小さくとも触媒の性能面では問題はないが、そうするための設備投資が多大になり経済上不利となる。なお、触媒の乾燥減量は、JIS R9301−3−1のL法によって求められる数値である。即ち触媒を110±5℃で2時間加熱した後の重量を、W1とし、加熱前の触媒の重量をW2とした場合、次の式(1)によって求められる。

乾燥減量=(W2−W1)/W2×100 (1)

本発明の複合酸化物触媒の有する比表面積、平均細孔直径、及び細孔容積については、既存の触媒の有する範囲のもので、特に制限されないが、それぞれ、比表面積は、5〜25m/g、平均細孔直径は、0.03〜1μm、細孔容積は0.2〜0.7cc/gが好ましい。
本発明において、上記の触媒を使用し、オレフィンを分子状酸素または分子状酸素含有ガスを使用して気相酸化し、それぞれ対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する手段は、既存の方法により行うことができる。例えば、反応器としては、固定床管型反応器を用いて行われる。この場合、反応は、反応器を通じて単流通法でもリサイクル法であってもよく、この種の反応に一般的に使用される条件下で実施できる。
例えば、プロピレン1〜15容量%、分子状酸素3〜30容量%、水蒸気0〜60容量%、窒素、炭酸ガスなどの不活性ガス20〜80容量%などからなる混合ガスを、内径が好ましくは15〜50mmの各反応管に充填した触媒層に250〜450℃、0.1〜1MPaの加圧下、空間速度(SV)300〜5000hr-1で導入される。また、本発明では、より生産性を上げるために高負荷反応条件下、例えば、より高い原料濃度、又は高い空間速度の条件下でも運転することもできる。
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定して解釈されるものでないことはもちろんである。なお、下記において、転化率、選択率、収率は、次の式で算出される。なお、相対湿度は、25℃におけるものである。
・プロピレン転化率(モル%)=(反応したプロピレンのモル数/供給したプロピレンのモル数)×100
・アクロレイン収率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数)/供給したプロピレンのモル数)×100
・アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数)/供給したプロピレンのモル数)×100
実施例1
パラモリブデン酸アンモン105.5gを加温した純水500mlに溶解させた。次に硝酸第二鉄10.1g、硝酸ニッケル48.5g、硝酸コバルト48.5gを加温した純水100mlに溶解させた。これらの溶液を、充分に撹拌しながら徐々に混合してスラリーを製造した。
次に、純水40mlにホウ砂0.96g及び硝酸カリウム0.51gを加温下に溶解させて、上記スラリーに加えた。次に、シリカ72.9gを加えて、充分に撹拌した。続いて純水20mlに硝酸2.7mlを加えてさらに硝酸ビスマス24.1gを加えて、撹拌混合した。
このスラリーを加熱乾燥した後、空気雰囲気で300℃/1時間の熱処理に付した。得られた粒状固体を粉砕し、打錠成形機にて径5mm、高さ4mmの錠剤に成形した。
次に熱交換型固定床反応器に成形体を充填し、雰囲気ガスとして、温度25℃における相対湿度20%以下の空気を流通させた。外部より加熱して505℃、4時間の焼成を行った。温度25℃、相対湿度20%以下の空気流通下に室温まで冷却した。相対湿度20〜30%の環境下で触媒を回収して、複合酸化物触媒を製造した。
仕込み原料から計算される触媒は、次の原子比を有する複合酸化物である。
Mo:Bi:Ni:Co:Fe:Na:B:K:Si =12:1:3.3:3.3:0.6:0.1:0.2:0.1:24
得られた複合酸化物触媒の乾燥減量は0.18重量%であった。
この触媒20mlを内径15mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付反応管に充填し、プロピレン濃度10%、スチーム濃度17%及び空気濃度73%の原料ガスを反応温度315℃、常圧にて接触時間2.0秒にて通過させて、プロピレンの酸化反応を実施した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、焼成後、温度25℃における相対湿度20%以下の空気流通下に100℃まで冷却した後、焼成機を開放し、触媒を温度25℃、相対湿度60〜80%の環境下で一晩放冷した。次に、温度25℃、相対湿度60〜80%の環境下で取り出しした以外は実施例1と同様にして複合酸化物触媒を製造した。
得られた触媒の乾燥減量は0.91%であった。また、該触媒を使用し実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応を行った結果を表1に示す。
比較例2
実施例1で得られた触媒を、温度25℃、相対湿度90〜98%の雰囲気下で24時間保管した。得られた触媒の乾燥減量は1.7%であった。該触媒を使用し実施例1と同様にしてプロピレンの酸化反応の結果を表1に示す。
Figure 0004424180
本発明の方法により製造された触媒は、オレフィンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造用に使用される。製造された不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸は、各種化学品の原料、汎用樹脂のモノマー、吸水性樹脂などの機能性樹脂のモノマー、凝集剤、増粘剤となどとして広範な用途に使用される。

Claims (5)

  1. オレフィンを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化して対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に使用される、モリブデン、ビスマス、及び鉄を含む複合酸化物触媒の製造方法であって、触媒の成分を含む混合溶液又は水性スラリーの乾燥物を焼成する際の降温時、及び上記乾燥物を焼成した後、焼成物を回収する際の雰囲気ガスの25℃換算での相対湿度を30%以下として、下記の式(1)で表される、製造する複合酸化物触媒の含有水分の乾燥減量0.5重量%以下とすることを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造用複合酸化物触媒の製造方法

    乾燥減量= (W2−W1)/W2×100 (1)

    (式中、W1は、触媒を110±5℃で2時間加熱した場合の重量を示し、W2は、上記加熱前の触媒の重量を示す。)
  2. 触媒が下記の式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の複合酸化物触媒の製造方法

    MoaBibCocNidFeeXfYgZhQiSijOk (2)

    (式中、XはNa,K,Rb,Cs及びTlのいずれか少なくとも一種を示し、YはB,P,As及びWのいずれか少なくとも一種を示し、ZはMg、Ca、Zn、Ce及びSmのいずれか少なくとも一種を示し、Qはハロゲン原子を示し、a〜kはそれぞれの元素の原子比を示し、a=12のとき、0.5≦b≦7、0≦c≦10、0≦d≦10、1≦c+d≦10、0.05≦e≦3、0.0005≦f≦3、0≦g≦3、0≦h≦1、0≦i≦0.5、0≦j≦40、であり、kは他の元素の酸化状態を満足させる値である。)
  3. オレフィンがプロピレンであり、不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸がそれぞれ、アクロレイン及びアクリル酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合酸化物触媒の製造方法
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られることを特徴とする不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸の製造用複合酸化物触媒
  5. 請求項に記載の複合酸化物触媒の保管方法であって、触媒保管する際の雰囲気ガスの25℃換算での相対湿度を30%以下にせしめることを特徴とする保管方法。
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