JP4423818B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジン等の排気ガス中の粒子状物質及び窒素酸化物を、ディーゼルパティキュレートフィルタとこのフィルタに担持した窒素酸化物吸蔵還元型触媒で浄化する排気ガス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンから排出される粒子状物質(PM:パティキュレート:以下PM)の排出量は、窒素酸化物(以下NOx),一酸化炭素(以下CO)そして炭化水素(以下HC)等と共に年々規制が強化され、エンジンの改良のみでは、これらの規制に対応しきれなくなっており、これらの物質を排ガス後処理装置によって、低減する技術が開発されている。
【0003】
PMの捕集に関しては、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter :以下DPF)があり、このPMを捕集するDPFには多孔質のコーディエライトやセラミック製のモノリスハニカムのウオールフロータイプのフィルタや、セラミックや金属を繊維状にしてランダムに積層した繊維積層タイプのフィルタ等が研究開発され提案されている。
【0004】
このPM捕集用のDPFは、PMの捕集に伴って目詰まりが進行し、捕集したPMの量の増加に伴って排気ガス圧力(排圧)が上昇するので、捕集したPMを除去する必要があるが、最近では、PMの酸化除去を促進する酸化触媒をウオールフロータイプのフィルタの壁表面上に塗布した触媒付きフィルタで、PMの捕集と捕集したPMの酸化除去を連続的に行う連続再生型ディーゼルパティキュレートフィルタが提案されている。
【0005】
このフィルタに担持させる酸化触媒には、排気ガス中の一酸化窒素(NO)を酸化して二酸化窒素(NO2 )にする触媒や、PMを低温から直接酸素(O2 )で酸化させるPM酸化触媒(貴金属酸化触媒や酸化物酸化触媒)等がある。
【0006】
一方、NOxの浄化に関しては、その一つの手段としてNOx還元触媒があり、特開2000−282852号公報では、ウオールフロータイプのフィルタの壁面のエンジン側にNOx還元触媒層と酸化触媒層を被覆した排気浄化装置と、ウオールフロータイプのフィルタの壁面のエンジン側に酸化触媒を、排気出口側にNOx還元触媒層をそれぞれ被覆した排気浄化装置が提案されている。
【0007】
これらの排気浄化装置では、フィルタと貴金属系触媒等の酸化触媒層とゼオライト系触媒等のNOx還元触媒層を一体化して装置を小型軽量化すると共に、酸化触媒層とNOx還元触媒層の配置の工夫により、酸化触媒でPMの燃焼の促進して、NOx還元触媒へのPM付着によるNOx還元効率の低下を回避し、また、フィルタ再生時のPM燃焼時のNOx還元触媒への熱影響を少なくしてNOx還元触媒の劣化を防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−282852号公報で提案されている、これらの排気浄化装置においては、NOx浄化に、NOx還元触媒を使用しているので、NOx還元のために常時炭化水素等の還元剤を供給する必要があり、この還元剤を供給するための還元剤供給装置が必要となる。
【0009】
そして、この還元剤にエンジンの燃料を流用した場合には、燃料を排気通路に噴射するための噴射弁や配管が必要になる上に、燃費の悪化を招くという問題があり、また、エンジンの燃料以外のアンモニアや尿素を使用する場合には、噴射弁や配管に加えて、これらの還元剤用のタンクが必要になる上に、これらの還元剤を還元剤用のタンクに適宜補給する必要があるという問題がある。
【0010】
この排気通路への還元剤供給システムの設置が必要になると、特に既存の車両に、排気ガス装置を取り付ける際の作業が面倒になるので、装置面からも作業工数の面からコストアップとなり実用化が難しくなるという問題が発生する。
【0011】
また、特に、還元剤を必要とするNOx還元触媒の上流側に酸化触媒が配置されているため、還元剤が軽油の場合には酸化触媒により分解されてNOx還元効率のよい低分子量の炭化水素になり、また、SOF(可溶性有機成分)も分解されて還元剤として、効率よくNOxを還元するとされているが、ディーゼルエンジンの通常の燃焼状態のように排気中の酸素濃度が高い場合には、排気通路内に供給された還元剤は、上流側の酸化触媒によって酸化される可能性が大きく、NOx還元効率も低下し、燃費の悪化を招くと考えられる。
【0012】
一方、排気ガス中のNOxを除去するための触媒の一つに、NOx吸蔵還元型触媒がある。このNOx吸蔵還元型触媒は、NOx吸蔵機能を持つバリウム等のNOx吸蔵物質と酸化触媒機能を有する白金等の活性触媒金属(酸化触媒)とを担持して、排気ガス中の酸素濃度等によってNOx吸蔵とNOx放出及び還元浄化の機能を果たす触媒である。
【0013】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、DPFのフィルタの上流側部分に酸化触媒を、また、下流側部分にNOx吸蔵還元型触媒をそれぞれ配備し、NOx吸蔵還元型触媒の弱点である硫黄被毒を回避しながら、高いNOx浄化率で、排気ガス中のPMとNOxの浄化を行うことができる排気ガス浄化装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するための排気ガス浄化装置は、次のように構成される。
【0015】
参考とする排気ガス浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられ、排気ガス中の粒子状物質を浄化するウオールフロータイプのフィルタを備えた排気ガス浄化装置において、前記フィルタの多孔質壁面の上流側部分に酸化触媒を担持した酸化触媒層を設けると共に、前記フィルタの多孔質壁面の下流側部分に窒素酸化物吸蔵物質と酸化触媒を含む窒素酸化物吸蔵還元型触媒を担持した窒素酸化物浄化触媒層を設けて構成される。
【0016】
このウオールフロータイプのフィルタは、多孔質のセラミックのハニカムのチャンネルの入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム等で形成でき、酸化触媒を担持した酸化触媒層は、このフィルタの多孔質壁面に塗布されたゼオライトやアルミナ等の多孔質触媒コート層に、白金(Pt)や酸化セリウム(CeO2 )等の酸化触媒を担持する等して形成できる。
【0017】
また、窒素酸化物(NOx)吸蔵還元型触媒は、排気ガス中のO2 濃度やCO濃度によってNOx吸蔵とNOx放出及び還元・浄化の機能を持つものであり、NOx吸蔵機能を持つカリウム(K)、バリウム(Ba)、ランタン(La)等のNOx吸蔵物質と、白金(Pt)やロジウム(Rh)等の触媒活性金属からなる酸化触媒とで形成でき、NOx浄化触媒層は、フィルタの多孔質壁面に塗布されたゼオライトやアルミナ等の多孔質触媒コート層に、これらのNOx吸蔵物質と酸化触媒を担持する等して形成できる。
【0018】
本発明の排気ガス浄化装置は、エンジンの排気通路に設けられ、排気ガス中の粒子状物質を浄化する繊維積層タイプのフィルタを備えた排気ガス浄化装置において、前記フィルタの上流側の繊維層に酸化触媒を担持させるか又は酸化触媒を担持した酸化触媒層を積層すると共に、排気ガス中の空燃比がリーンの状態では、NOがNO 2 に酸化されて吸蔵し、排気ガスの空燃比がリッチ状態では吸蔵していたNO 2 を放出する窒素酸化物吸蔵物質と酸化触媒を含む窒素酸化物吸蔵還元型触媒を、前記フィルタ上流に設けた酸化触媒又は前記酸化触媒層よりも下流のフィルタの繊維表面に担持させるか、又は前記窒素酸化物吸蔵還元型触媒を担持した窒素酸化物浄化触媒層を前記フィルタ上流側に設けた前記酸化触媒又は前記酸化触媒層よりも下流側の繊維層途中に設けて構成される。
【0019】
この繊維積層タイプのフィルタには、アルミナ等のセラミックの繊維や金属繊維をランダムに積層した不織布の繊維層を一層乃至数層重ねて形成し、この繊維層の積層体を耐熱金網で挟持し蛇腹状に折り曲げて中空円筒状に構成して、外側から内側へ排気ガスを流通させることにより、排気ガスを浄化するフィルタ等がある。
【0020】
この上流側又は下流側の繊維層をそれぞれの触媒の溶液に浸せきして、繊維層を形成する繊維表面にそれぞれの触媒を担持させて形成する。又は、繊維積層タイプのフィルタの繊維層の積層体の上流側の繊維層の表面に酸化触媒を担持した多孔質触媒コート層を塗布し、また、下流側の繊維層の表面に上記と同様なNOx吸蔵還元型触媒を担持した多孔質触媒コート層を塗布する。
【0021】
これらの構成により、フィルタの上流側部分に酸化触媒を、また、下流側にNOx吸蔵還元型触媒をそれぞれ担持させることにより、上流側の酸化触媒で排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)を酸化し、排気ガス中のCa,Zn,Fe等と化合させて、固体のサルフェートにして、フィルタに捕集させるので、SOxのNOx吸蔵還元型触媒への到達を防止でき、NOx吸蔵還元型触媒の硫黄被毒を回避できる。
【0022】
そして、NOx吸蔵還元型触媒は、一酸化炭素(CO)が存在すると、NOx吸蔵物質から二酸化窒素(NO2 )を放出する特性を持っているために、空燃比がリーンのNOx吸蔵運転の時に、排ガス中にCOが存在すると、NOx吸蔵能力が低下してしまうが、本発明の排気ガス浄化装置では、上流側の酸化触媒で排気ガス中のCOを酸化して除去するので、空燃比がリーン時におけるNOx吸蔵能力を高く維持できる。
【0023】
また、空燃比がリッチの再生運転の時には、排気ガス中に酸素(O2 )が無いために、大量のCOが発生するので、このCOがNOx吸蔵物質からのNO2 の放出を促進すると共に、このCOは還元剤となるので、放出されたNO2 はNOx吸蔵還元型触媒の酸化触媒により効率よく還元浄化される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化装置について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1に、本発明の実施の形態の排気ガス浄化装置1の配置を示す。
【0026】
この排気ガス浄化装置1は、図1に示すように、ディーゼルエンジン2の排気通路3に設けられる装置であり、排気ガスG中の粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)を浄化するウオールフロータイプのフィルタ4を備えて構成される。
【0027】
図2に示すように、このウオールフロータイプのフィルタ4は、コーディエライト、炭化ケイ素(SiC)やステンレス等で形成される構造材の担持体30に、排気ガスGの通路となる多数の多角形形状のチャンネル(セル)35を有しており、多孔質のセラミックのハニカムのチャンネル35の入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム等で形成される。
【0028】
そして、図3及び図4に示すように、このフィルタ4の多孔質壁面30の上流側部分30uに、酸化触媒21を担持した通気可能な酸化触媒層20を設けると共に、フィルタ4の多孔質壁面30の下流側部分30dに、窒素酸化物吸蔵物質(NOx吸蔵物質)41aと酸化触媒41bを含む窒素酸化物吸蔵還元型触媒(NOx吸蔵還元型触媒)41を担持した通気可能なNOx浄化触媒層40を設ける。
【0029】
この酸化触媒層20は、このフィルタ4の多孔質壁面30の上流側部分30uに塗布されたゼオライトやアルミナ(Al2 3 )等の多孔質触媒コート層に、白金(Pt)等や酸化セリウム(CeO2 )等の酸化触21を担持して通気可能に形成される。
【0030】
また、NOx浄化触媒層40は、フィルタ2の多孔質壁面30の下流側部分30dに塗布されたゼオライトやアルミナ等の多孔質触媒コート層に、NOx吸蔵物質41aと酸化触媒41bとからなるNOx吸蔵還元型触媒41を担持して形成される。
【0031】
このNOx吸蔵物質41aはNOx吸蔵機能を持つカリウム(K)、バリウム(Ba)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属や、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)等の希土類等の中の一つ又は幾つかの組み合わせで形成され、酸化触媒41bは白金(Pt)やロジウム(Rh)等の触媒活性金属で形成される。
【0032】
この構成により、NOx吸蔵還元型触媒41は、図9に模式的に示すように、排気ガス中の空燃比がリーン状態(O2 濃度が比較的高い)の時にNOx吸蔵物質41bでNOxを吸蔵し、空燃比がリッチ状態(O2 濃度が殆どゼロ)の時にNOx吸蔵物質41bでNOxを放出し、この放出したNOxを、酸化触媒41bの触媒作用によりCOやHC等の還元剤で還元して浄化する機能を持つことになる。
【0033】
次に、本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化装置1Aについて説明する。
【0034】
この本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化装置1Aは、図5〜図7に示すように、参考となる排気ガス浄化装置1と排気ガス中の粒子状物質(PM)を浄化するフィルタのタイプが異なる。
【0035】
この本発明に係る実施の形態のフィルタ4A,4B,4Cは、図5〜図10に示すように、繊維積層タイプのフィルタで形成され、アルミナ等のセラミックの繊維や金属繊維をランダムに積層した不織布の繊維層5a〜5dを一層乃至数層重ねて形成し、この繊維層繊維層5a〜5dの積層体5A,5B,5Cを耐熱金網6、7で挟持そ蛇腹状に折り曲げて中空円筒状に構成し、この中空円筒の一端側4aを閉塞する。排気ガスGは、この中空円筒状の繊維層5a〜5dの積層体5A,5B,5Cの外側から内側へ流通し浄化され、中空部4bの他端側4cから外部へ排出される。
【0036】
そして、図8及び図9に示すように、このフィルタ4A,4Bの上流側の繊維層5aの表面に、酸化触媒21を担持した多孔質触媒コート層20を塗布し、また、下流側の繊維層5dの表面にNOx吸蔵還元型触媒41を担持した多孔質触媒コート層40を塗布する。図8は、繊維層5aの耐熱金網6側、及び繊維層5dの耐熱金網7側に、多孔質触媒コート層20、40を設けた積層体5Aの例を示し、図9は、繊維層5aと繊維層5bとの間、及び繊維層5dと繊維層5cとの間に、多孔質触媒コート層20、40を設けた積層体5Bの例を示す。
【0037】
若しくは、上流側又は下流側の繊維層5a,5bをそれぞれの触媒21,41の溶液に浸せきした後乾燥及び熱処理して繊維層5a,5bを形成する繊維表面にそれぞれの触媒21,41を担持させてから、図10に示すように、この触媒21,41を担持した繊維層5a ,5d’を、触媒を担持していない繊維層5b,5cに積層して、積層体5Cを形成する。
【0038】
以上の構成の排気ガス浄化装置1、1Aによれば、排気ガスGは酸化触媒21に接触し他後に、フィルタ4,4A〜4Cを通過して、更に、NOx吸蔵還元型触媒41に接触してから排出されるので、次のようなプロセスで効率よく浄化される。
【0039】
先ず、通常のディーゼルエンジンや希薄燃焼ガソリンエンジン等の通常運転のように、排気ガス中にO2 が含まれる空燃比がリーンの酸素濃度が比較的高い状態では、図11に示すように、フィルタ4,4A〜4Cの上流側の酸化触媒21や下流側のNOx吸蔵還元型触媒の酸化触媒41bで、排気ガスG中のNOは、この排気ガスG中のO2 により酸化されてNO2 になり、このNO2 は、バリウム(Ba)等のNOx吸蔵物質41aが硝酸塩(例えばBa(NO3 2 )等の形で吸蔵するので、排気ガスG中のNOxが浄化される。
【0040】
また、上流側の酸化触媒21で、排気ガスG中のHC,COを酸化浄化し、NOx吸蔵還元型触媒41のCOによるNOx吸蔵能力の劣化を防止する。また、SOOT(スート:煤)等のPMはフィルタ4,4A〜4Cの多孔質壁面30や繊維の積層体5A〜5Cで捕集される。
【0041】
しかし、この状態が継続すると、NOx吸蔵機能を持つNOx吸蔵物質41aは、全て硝酸塩等に変化してNOx吸蔵機能を失ってしまうので、エンジンの運転状態を変更して、理論空燃比及び理論空燃比に近い空燃比であるリッチ燃焼を短時間(例えば、約0.1秒〜5秒程度)の間だけ行って、リッチスパイクガスと呼ばれる、排気ガス中のO2 を略ゼロとした高温の排気ガスを発生させて、NOx吸蔵還元型触媒41に送り、再生処理する。
【0042】
そして、NOx吸蔵還元型触媒41を再生する空燃比がリッチの酸素濃度は殆どゼロの状態では、フィルタ4,4A〜4Cの上流側では、O2 が殆どないため、HC,COは酸化されることなく、下流側に通過し、下流側ではO2 が殆どないので、図12に示すように、NOxを吸蔵したNOx吸蔵物質41aの硝酸塩(硝酸バリウム)等は元の状態(バリウム)に戻り、吸蔵していたNO2 を放出する。
【0043】
この再生時には、COが多いため、NOx吸蔵物質41aからのNO2 の放出と還元浄化を促進させることができるので、NOx吸蔵能力の再生に要する時間を短縮できる。
【0044】
この放出されたNO2 は、排気ガス中にO2 が存在しないので、酸化触媒41bの触媒作用により多孔質壁面30や繊維の積層体5A〜5Cを通過してきた排気ガス中のCO,HC,H2 等を還元剤として、窒素N2 に還元され浄化され、H2 O,CO2 と共に排出される。また、SOOT等のPMは多孔質壁面30や繊維の積層体5A〜5Cで捕集される。
【0045】
そして、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)を上流側の酸化触媒31で酸化して、排気ガス中のCa,Zn,Fe等と化合させて、固体のサルフェートにすることができ、このサルフェートは多孔質壁面30や繊維の積層体5A〜5Cで捕集できるので、SOxのNOx吸蔵還元型触媒41への接触を防止して、NOx吸蔵還元型触媒41の硫黄被毒を回避できる。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の排気ガス浄化装置によれば、次のような効果を奏することができる。
【0047】
常時NOx還元用の還元剤を供給することなく、酸化触媒とNOx吸蔵還元型触媒を担持したフィルタにより、排気ガス中のPMを捕集及び酸化して浄化できると共に、排気ガス中のNOxをNOx吸蔵還元型触媒による吸蔵、及び放出と還元により、効率よく浄化することができるので、還元剤供給装置が不要になり、燃費の悪化を防止できる。
【0048】
そして、フィルタの上流側部分に酸化触媒を、また、下流側部分にNOx吸蔵還元型触媒を配設する構成により、上流側部分の酸化触媒で排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)を酸化して、排気ガス中のCa,Zn,Fe等と化合させて、フィルタで捕集できる固体のサルフェートとし、フィルタで捕集するので、排気ガス中のSOxがNOx吸蔵還元型触媒への到達するのを防止でき、NOx吸蔵還元型触媒の硫黄被毒を回避できる。
【0049】
更に、空燃比がリーンのNOx吸蔵運転において、フィルタの上流側の酸化触媒で排気ガス中のCOを酸化除去するので、COによるNOx吸蔵能力の劣化を防止して高い浄化率を維持でき、また、空燃比がリッチの再生運転において、排気ガス中にO2 が無いために発生するCOで、NOx吸蔵物質からのNO2 の放出と還元浄化を促進させることができ、NOx吸蔵能力の再生に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気ガス浄化装置の配置を示す図である。
【図2】本発明の参考となる排気ガス浄化装置のウオールフロータイプのフィルタの構成を示す図である。
【図3】図2のフィルタの拡大図である。
【図4】図2のフィルタの部分拡大図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化装置の繊維積層タイプのフィルタの構成を示す図である。
【図6】図5のフィルタにおける排気ガスの流れを示す図である。
【図7】図6の部分拡大図である。
【図8】図5のフィルタの積層構造の参考例を示す図である。
【図9】図5のフィルタの積層構造の例を示す図である。
【図10】図5のフィルタの積層構造の他の例を示す図である。
【図11】NOx吸蔵還元型触媒によるNOx浄化のメカニズムを示す模式的な図で、通常燃焼等の空燃比がリーン状態の排気ガスを供給している状態を示す。
【図12】NOx吸蔵還元型触媒によるNOx浄化のメカニズムを示す模式的な図で、通常燃焼等の空燃比がリッチ状態の排気ガスを供給している状態を示す。

Claims (1)

  1. エンジンの排気通路に設けられ、排気ガス中の粒子状物質を浄化する繊維積層タイプのフィルタを備えた排気ガス浄化装置において、前記フィルタの上流側の繊維層に酸化触媒を担持させるか又は酸化触媒を担持した酸化触媒層を積層すると共に、排気ガス中の空燃比がリーンの状態では、NOがNO 2 に酸化されて吸蔵し、排気ガスの空燃比がリッチ状態では吸蔵していたNO 2 を放出する窒素酸化物吸蔵物質と酸化触媒を含む窒素酸化物吸蔵還元型触媒を、前記フィルタ上流に設けた酸化触媒又は前記酸化触媒層よりも下流のフィルタの繊維表面に担持させるか、又は前記窒素酸化物吸蔵還元型触媒を担持した窒素酸化物浄化触媒層を前記フィルタ上流側に設けた前記酸化触媒又は前記酸化触媒層よりも下流側の繊維層途中に設けたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
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