JP4421786B2 - 培養細胞シート包装体およびその作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、培養細胞シートを輸送するのに適した培養細胞シート包装体およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、細胞や組織をインビトロ(生体外)で培養し、再び生体に適用することで治療を行う組織工学や再生医療が注目されている。殊に、患者の皮膚あるいは口腔粘膜等の一部を採取し、シート状に培養してから生体に適用する技術に関しては、実用化の段階に至っている。例えば、皮膚の場合、母斑、潰瘍、熱傷、刺青等の治療や、移植用皮膚を採取した採取部等に、培養表皮細胞シートの移植が試みられている。また、口腔粘膜の場合、歯周病や悪性腫瘍などの口腔内疾患による歯肉および粘膜組織の創傷・欠損に対する治療として、口腔粘膜上皮細胞を用いた培養細胞シートの移植が試みられている。これらの培養細胞シートは組織工学の手法を用いて作製され、上皮(表皮)細胞が5〜10層に重層化した薄いシート状の構造を持つことで、培養容器から剥離できる機械的強度を獲得し、紙状のキャリアに付着させ懸架することができる。しかし、このような培養細胞シートの作製は培養操作が繁雑であり普通の医療機関で簡単にできるわけではない。そのため、十分な培養設備が揃い、熟練した培養技術を有した大学病院などの専門施設でのみ、この培養細胞の移植治療が実施されているに過ぎない。
【0003】
このことから、専門施設で作製された培養細胞シートが適切にパッケージされて安定に輸送することができれば、一般的な手術設備がある多くの医療機関で適用することが可能となり、大勢の患者が培養細胞の移植治療を享受することができる。従来の培養細胞シートの輸送方法としては、培養の最終段階にある培養細胞シートを培養フラスコごと輸送し、医療機関で培養細胞シートを剥離して使用する方法が一般的に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように培養フラスコごと輸送する形態では、医療機関で培養細胞シートを剥離する手間がかかるという問題があった。また、培養フラスコ内の培養細胞シートが輸送時等においてズレて欠損したり、空気に接触して劣化したりするおそれがあるという問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決することを課題とするものであり、医療機関で培養細胞シートを剥離する手間がかからず、輸送時等において培養細胞シートがズレて欠損したり、空気に接触して劣化したりすることを防止できる培養細胞シート包装体を提供すること、およびそのような包装体を作製する作製方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発明の効果】
上記課題を解決するため、本発明の培養細胞シート包装体は、支持体と培養細胞シートとが重ね合わされて筒状に巻かれた状態で、少なくとも前記培養細胞シートの全体を浸すだけの量の液体培地と共に略筒状の容器内に収納されていることを特徴とする。
【0007】
この培養細胞シート包装体では、培養細胞シートが支持体ごと筒状に巻き丸められて略筒状の容器(例えば、細胞培養用遠沈管)に入っているため、培養フラスコごと輸送する形態に比べて医療機関での培養細胞シート剥離作業の手間を省くことができる。また、培養細胞シートが自由に動くことのできるスペース(空間)が少なく、輸送時等に液体培地が揺れたとしても培養細胞シートが支持体からズレて欠損したりすることを防止できる。更に、培養細胞シートは全体が液体培地に浸されているため、培養細胞シートが空気に触れて劣化することを回避できる。更にまた、培養細胞シートがそのまま筒状に巻かれるとすればシート面同士が密着することがあるのに対して、本発明では支持体と培養細胞シートとが重ね合わされて筒状に巻かれるため、シート面同士は支持体によって離隔されており、これにより互いにシート面同士が密着するのを防止できる。なお、本発明で「支持体と培養細胞シートとが重ね合わされ」とは、1つの支持体の片面と培養細胞シートとを重ね合わせた場合を含むのはもとより、1つの支持体を培養細胞シートで包み込んだり、1つの支持体を折り畳みその間に培養細胞シートを挟み込んだり、2つの支持体の間に培養細胞シートを挟み込んだりする場合を含むほか、これらを組み合わせた場合も含む意である。
【0008】
本発明の培養細胞シート包装体において、前記容器は縦置きタイプであることが好ましい。この場合、輸送時等に容器を縦置きにしておけば、培養細胞シートが液体培地から露出して空気に触れる可能性を低減し、培養細胞シートの劣化をより確実に回避できる。
【0009】
本発明の培養細胞シート包装体において、前記支持体は創傷被覆材で形成されていることが好ましい。創傷被覆材で形成した支持体は培養細胞シートを支持するのに適するうえ、培養細胞シートを使用するときに支持体の支持を解く際の作業性がよい。ここで、創傷被覆材としては、例えば滅菌ガーゼ、滅菌和紙、滅菌不織布、ベスキチン(ユニチカ製)などが挙げられる。なお、支持体は、これに限らず、培養細胞シートにダメージを与えない柔軟性のある高分子材料(例えばシリコーンゴム)で形成されていてもよい。また、寒天培地等をシート状にしたものを利用することも可能である。
【0010】
本発明の培養細胞シート包装体において、前記支持体は折り目が下方にくるように二つ折りされた状態でその間に培養細胞シートを挟み込んで支持していることが好ましい。この場合、支持体は折り目が下方にくるように二つ折りにされているため、培養細胞シートが輸送時等において容器内で支持体からずり落ちることを防止する。
【0011】
本発明の培養細胞シート包装体において、前記支持体は第1支持シートと第2支持シートとからなり、前記第1支持シートはその片面が前記培養細胞シートと重ね合わされて一体となり、前記第2支持シートは折り目が下方にくるように二つ折りされた状態でその間に前記第1支持シートと一体化された前記培養細胞シートを挟み込んで支持していることが好ましい。この場合、第1支持シートにより培養細胞シートを広げた状態で支持するため、培養細胞シートが十分な強度を有していなくても取り扱いが容易となる。また、第2支持シートは折り目が下方にくるように二つ折りされているため、第1支持シートと一体になった培養細胞シートが輸送時等において容器内で第2支持シートからずり落ちることを防止する。
【0012】
本発明の培養細胞シート包装体は、温度が6〜30℃の間に維持されていることが好ましく、6〜25℃の間に維持されていることがより好ましく、12〜25℃の間に維持されていることが特に好ましい。温度が6〜30℃を外れると(凍結温度は除く)、長期にわたって生細胞率を高く保つことが困難になったりコロニー形成能が低下したりする傾向にある。同様の観点から6〜25℃がより好ましく、12〜25℃が特に好ましい。このように温度を所定範囲に維持するには、例えばサーモスタットを用いた温度調節機構を採用してもよいが、容器の周辺に蓄温剤を配置し、その蓄温剤の作用により前記温度を所定範囲に維持してもよい。例えば蓄温剤が融点t℃の内容物を有しているとすると、外気温がt℃以上のときに蓄温剤で囲まれた内部温度をt℃に維持しようとすればその内容物が固化した蓄温剤を用いればよい。こうすれば、内容物がすべて液化するまでの期間中、内部温度はt℃に維持される。一方、外気温がt℃以下のときに蓄温剤で囲まれた内部温度をt℃に維持しようとすればその内容物が液化した蓄温剤を用いればよい。こうすれば、内容物がすべて固化するまでの期間中、内部温度はt℃に維持される。
【0013】
本発明の培養細胞シート包装体は、前記液体培地が凍結されていてもよい。但し、解凍後に生細胞が増殖能力を保った状態で存在している必要があるので、凍結による細胞障害が最小限になるように配慮することが好ましい。このように凍結するには、例えば、凍害防止剤を添加した凍結保存用培地を前記液体培地として使用したり、ドライアイスや液体窒素などを用いて温度管理をしたりすればよい。また、このような場合には、前記略円筒状の容器として、凍結細胞保存用チューブ等の凍結保存に適したものを利用することが好ましい。
【0014】
本発明の培養細胞シート包装体は、例えば、支持体に培養細胞シートを重ね合わせて支持する支持工程と、前記支持工程により前記支持体に支持された培養細胞シートを略筒状に巻いて筒状体とする巻込工程と、前記巻込工程により略筒状に巻かれた前記筒状体を略筒状の容器に挿入したあとその容器内に少なくとも前記培養細胞シートの全体を浸すだけの量の液体培地を注入するか、前記培養細胞シートの全体を浸すだけの量の液体培地が注入された略筒状の容器に前記巻込工程により略筒状に巻かれた前記筒状体を挿入する浸漬工程とを含んでなる作製方法により作製される。この作製方法によれば、本発明の培養細胞シート包装体を容易に得ることができる。「支持体に培養細胞シートを重ね合わせて」とは、1つの支持体の片面と培養細胞シートとを重ね合わせた場合を含むのはもとより、1つの支持体を培養細胞シートで包み込んだり、1つの支持体を折り畳みその間に培養細胞シートを挟み込んだり、2つの支持体の間に培養細胞シートを挟み込んだりする場合を含むほか、これらを組み合わせた場合も含む意である。
【0015】
【実施例】
1.培養上皮細胞シートの作製
インフォームド・コンセントを行った患者から約1cm2の皮膚組織を採取した。採取した皮膚組織は上皮剥離用培地で処理を行うことにより、真皮層と上皮層とに分離し、この上皮層をトリプシン処理することで上皮細胞懸濁液を作製した。次いで、培養フラスコの底面にフィーダ細胞を敷設した後、上皮細胞懸濁液を播種した。フィーダ細胞としては、マイトマイシンCにより増殖能を抑制したマウス線維芽細胞を使用した。細胞播種後、5v/v%FBS(ウシ胎児血清)−DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)を培養用培地として注入し、フィーダ細胞の存在下で上皮細胞を培養した。上皮細胞のコロニー形成が確認された後、継続的に培養することにより、コンフルエント状態を経て重層化(シート化)し、培養上皮細胞シートが形成された。また、培養上皮細胞シートが形成される頃には、フィーダ細胞のほとんどは培養系から排除されていた。
【0016】
2.培養上皮細胞シート包装体の作製
培養上皮細胞シート包装体の作製方法について、図1に基づいて説明する。培養上皮細胞シート10が培養されている培養フラスコ12に剥離用培地(400PU/mLディスパーゼ培地)を加え、CO2インキュベータ(37℃、10%CO2)で30分間インキュベートした。その後、培養フラスコ12がピール・オフ・フラスコの場合には上面のシール部材を剥離し、通常の培養フラスコの場合には上面部分をホットナイフで切断した。続いて、ピンセットを用いて培養上皮細胞シート10の周囲の一部が培養フラスコ12から剥離することを確かめた後、培地を抜き去り、PBS(リン酸緩衝液)で2回洗浄した。そして、2回目のPBSは培養上皮細胞シート10の乾燥を防止するために、次工程直前まで培養フラスコ12に入れたままにした。洗浄後、ピンセットを用いて培養上皮細胞シート10の周囲をこそげた後、PBSを少量残して抜き去った(図1(a)参照)。
【0017】
培養上皮細胞シート10の全面積よりもやや小さな面積を持つ滅菌不織布又はベスキチンS(ユニチカ製)を第1支持シート14として用意し、この第1支持シート14を培養フラスコ12内の培養上皮細胞シート10の上に重ね合わせ、培養上皮細胞シート10のうち第1支持シート14の周囲からはみ出た部分を第1支持シート14に折り返し、培養上皮細胞シート10と第1支持シート14とを一体化した(図1(b)参照)。一方、滅菌トレイに少量の液体培地(輸送用培地)を入れ、第1支持シート14の約2倍の面積を持つ滅菌不織布又はベスキチンM(ユニチカ製)を第2支持シート16として用意し、この第2支持シート16を滅菌トレイ内に敷いた。そして、第1支持シート14と一体化した培養上皮細胞シート10を懸架し、滅菌トレイ内の第2支持体16の上に載せ、第2支持体16を二つ折りにした(図1(c)参照)。このようにして、二つ折りにした第2支持体16の間に第1支持シート14と一体化した培養上皮細胞シート10を挟み込んだ(図1(d)参照)。以上が「支持工程」である。
【0018】
続いて、これを折り目16aと直角に巻き丸めて筒状体17とし(図1(e)参照、「巻込工程」)、これを輸送用培地18(抗生物質含有DMEM)を入れたコニカルチューブ19(ファルコン社製)に折り目16aが下方となるようにして挿入し、キャップ20を閉めて封入し、培養上皮細胞シート包装体22とした(図1(f)参照、「浸漬工程」)。このときの輸送用培地18は、培養上皮細胞シート全体を浸すのに十分な量とした。また、コニカルチューブ19は縦置きタイプである。なお、以上の操作は無菌状態で行った。
【0019】
このようにして得られた培養上皮細胞シート包装体22をチューブ立てに立てた状態で断熱輸送器に入れ、その周辺温度を6〜30℃に保つように調整した(「温度維持工程」)。例えば、培養上皮細胞シート包装体22の温度を13℃前後に保つ場合、予め断熱輸送器内を13℃程度に温度設定したあと、チューブ立てに立てた培養上皮細胞シート包装体22をこの断熱輸送器内に入れ、培養上皮細胞シート包装体22の周りに融点13℃の内容物を持つ蓄温剤を配置した後、断熱輸送器を密閉すればよい。このとき外気温が13℃より高ければ蓄温剤の内容物を固化させておくことによりその内容物がすべて液化するまでの期間は13℃前後で維持される。また、外気温が13℃より低ければ蓄温剤の内容物を液化させておくことによりその内容物がすべて固化するまでの期間は13℃前後で維持される。同様に融点23℃の内容物を持つ蓄温剤を用いれば23℃前後で維持される。更に、融点13℃の内容物を持つ蓄温剤と融点23℃の内容物を持つ蓄温剤とを併用すれば、13〜23℃で維持される。
【0020】
以上詳述した培養上皮細胞シート包装体22によれば、培養上皮細胞シート10が支持体である第1および第2支持シート14,16ごと筒状に巻き丸められて略筒状の容器であるコニカルチューブ19に入っているため、培養上皮細胞シート同士が接触することを防止し、また、輸送時等に液体培地である輸送用培地18が揺れたとしても培養上皮細胞シート10が第1および第2支持シート14,16からズレて欠損したりすることを防止できる。また、培養上皮細胞シート10は全体が輸送用培地18に浸漬されているため、培養上皮細胞シート10が空気に触れて劣化することを回避できる。更に、第1および第2支持シート14,16と培養上皮細胞シート10とを重ね合わせて筒状に巻いてコニカルチューブ19内に収納すればよいため、容易に包装体22を作製できる。更にまた、コニカルチューブ19は縦置きタイプであるため、輸送時等に包装体22を縦置きにしておけば、コニカルチューブ19内に空隙があったとしても培養上皮細胞シート10が輸送用培地18から露出して空気に触れる可能性を低減でき、培養上皮細胞シート10の劣化をより確実に回避できる。そしてまた、第1支持シート14は培養上皮細胞シート10を広げた状態で支持するため、培養上皮細胞シート10が十分な強度を有していなくても取り扱いが容易となり、また、第2支持シート16は折り目16aが下方にくるように二つ折りされているため、第1支持シート14と一体になった培養上皮細胞シート10が輸送時等においてコニカルチューブ19内で第2支持シート16からずり落ちることを防止する。
【0021】
3.培養上皮細胞シート包装体の保存温度
上記1.で作製した培養上皮細胞シートの3症例について、保存温度を6℃、12℃、25℃、30℃とした恒温実験を行った。実験では、経過日数に対する各保存温度のトリパンブルー排除試験による生細胞率を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、15日目と30日目は2症例のみについて生細胞率を調べた。表1の分数は、全症例数を分母とし、生細胞率の基準値を25%に設定したときの適合症例数を分子として表したものである。この表1から明らかなように、6℃では8日目まで、12℃では30日目まで、25℃では15日目まで、30℃では4日目まで基準値である25%を全例クリアした。
【0022】
【表1】
【0023】
同じく3症例について保存温度を6℃、12℃、25℃、30℃とした恒温実験において、経過日数に対する鏡検(顕微鏡検査)によるコロニー形成能を調べた。その結果を下記表2に示す。なお、15日目と30日目は2症例のみについてコロニー形成能を調べた。表2の分数は、全症例数を分母とし、コロニー形成能があると認められたもの(コロニーが1個以上発見されたもの)の症例数を分子として表したものである。この表2から明らかなように、6℃では4日目まで、12℃では30日目まで、25℃では15日目まで、30℃では2日目まで、全例コロニーを形成した。
【0024】
【表2】
【0025】
以上の結果によれば、6℃〜30℃の範囲で2日間、6℃〜25℃の範囲で4日間、12℃〜25℃の範囲で15日間保存可能であるといえる。したがって、例えば輸送に要する日数を考慮して保存温度を適宜選定すればよい。
【0026】
尚、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。例えば、上記実施例の培養上皮細胞シート包装体22は、輸送用培地18が凍結されていてもよい。但し、解凍後に生細胞が存在し増殖能力を保っている必要があることから、凍結による細胞障害を最小限にするよう配慮することが好ましい。このように凍結するには、例えば、凍害防止剤を添加した凍結保存用培地を輸送用培地として使用したり、ドライアイスや液体窒素などを用いて温度管理をしたりすればよい。また、コニカルチューブの代わりに凍結・解凍に適するクライオチューブ(ヌンク社製)を用いることが好ましい。
【0027】
また、本発明はコラーゲン等のマトリクスに線維芽細胞を組み込んだ培養真皮のようなものに対しても適用することができる。このような培養真皮の場合、ミクロ的にはスポンジ形状(多孔体)であるが、マクロ的にはシート形状であり、上述の培養細胞シートと同様に扱うことができる。さらに、支持体をキャリアとして利用するのではなく、ハンドリング(操作性)の良好なものとする等の目的のために、支持体とマトリクスとを一体的に形成しても良い。
【0028】
さらにまた、本発明における支持体の形態としては、上記実施例に挙げたシート状のものに限定されず、この形態以外のものであってもよい。例えば、複数の孔を支持体表面に設けたものや、支持体がメッシュやネットのような格子状,網状のものであってもよい。さらに、細胞培養シートの周囲のみを支持するような枠状のものや、ストライプ状に線状の支持体を複数配置するようにしたものを利用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】培養上皮細胞シート包装体の作製フローである。
【符号の説明】
10…培養上皮細胞シート、12…培養フラスコ、14…第1支持シート、16…第2支持シート、16a…折り目、17…筒状体、18…輸送用培地、19…コニカルチューブ、20…キャップ、22…培養上皮細胞シート包装体。
Claims (11)
- 支持体と培養細胞シートとが重ね合わされて筒状に巻かれた状態で、少なくとも前記培養細胞シートの全体を浸すだけの量の液体培地と共に筒状の容器内に収納されている培養細胞シート包装体であって、
前記支持体は、第1支持シートと第2支持シートとからなり、
前記第1支持シートは、前記培養細胞シートの全面積よりも小さな面積を持ち、一方の面に重ね合わされた前記培養細胞シートのうち前記一方の面の周囲からはみ出た部分が他方の面に折り返されることにより、前記培養細胞シートと一体化されており、
前記第2支持シートは、折り目が下方にくるように二つ折りされた状態でその間に前記第1支持シートと一体化された前記培養細胞シートを挟み込んで支持している、
培養細胞シート包装体。 - 前記容器は縦置きタイプである請求項1記載の培養細胞シート包装体。
- 前記支持体は創傷被覆材で形成されている請求項1又は2記載の培養細胞シート包装体。
- 温度が6〜30℃の間に維持されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の培養細胞シート包装体。
- 前記容器の周辺に配置された蓄温剤により前記温度に維持されている請求項4記載の培養細胞シート包装体。
- 前記液体培地が凍結している請求項1〜3のいずれか1項に記載の培養細胞シート包装体。
- 培養細胞シートの全面積よりも小さな面積を持つ第1支持シートと二つ折りした状態で該第1支持シートを挟み込むことが可能な第2支持シートとからなる支持体を用意し、前記第1支持シートの一方の面に前記培養細胞シートを重ね合わせ、前記培養細胞シートのうち前記一方の面の周囲からはみ出た部分を前記第1支持シートの他方の面に折り返したあと、前記第1支持シートと一体化された前記培養細胞シートを二つ折りされた状態の前記第2支持シートの間に挟み込んで支持する支持工程と、
前記支持工程により前記支持体に支持された培養細胞シートを略筒状に巻いて筒状体とする巻込工程と、
前記巻込工程により略筒状に巻かれた前記筒状体を前記第2支持シートの折り目が下方にくるように略筒状の容器に挿入したあとその容器内に少なくとも前記培養細胞シートの全体を浸すだけの量の液体培地を注入するか、前記培養細胞シートの全体を浸すだけの量の液体培地が注入された略筒状の容器に前記巻込工程により略筒状に巻かれた前記筒状体を挿入する浸漬工程と
を含んでなる培養細胞シート包装体の作製方法。 - 前記容器は縦置きタイプである請求項7記載の培養細胞シート包装体の作製方法。
- 前記支持体は創傷被覆材で形成されている請求項7又は8記載の培養細胞シート包装体の作製方法。
- 前記浸漬工程後の前記容器の温度を6〜30℃の間に維持する温度維持工程を含んでなる請求項7〜9のいずれか1項に記載の培養細胞シート包装体の作製方法。
- 前記浸漬工程後の前記容器の温度を前記液体培地が凍結する温度に維持する温度維持工程を含んでなる請求項7〜9のいずれか1項に記載の培養細胞シート包装体の作製方法。
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