JP2016123326A - 収容構造を有する細胞構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な工程で且つ短時間で、任意の積層数を有する積層化された細胞シートを有する細胞構造体を作製する手段を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1枚の細胞シート(A)と、該少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)とを有し、該少なくとも1枚の細胞シート(A)が該少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間の内側に収容されており、該少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が封止されている、細胞構造体に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、収容構造を有する細胞構造体、及び該細胞構造体の作製方法に関する。
再生医療分野では、患者から採取した細胞を生体外で培養し、シート形状の細胞構造体(以下、「細胞シート」とも記載する)を作製した上で、該細胞シートを患者の生体内へ移植する技術が開発されている。特に、近年では、高齢化の進展に伴い、軟骨細胞由来の細胞構造体を用いる再生医療用途の製品に対する関心が高まっている。
細胞シートは、1枚ずつ患者の生体内へ移植することだけでなく、複数枚の細胞シートを積層した状態で移植することも可能である。例えば、非特許文献1は、複数枚の軟骨細胞由来の細胞シートを積層することによって得られた細胞構造体は、1枚の細胞シートと比較して脱分化が抑制されるだけでなく、サイトカイン等の有用物質の産生量が増大することを記載する。
特許文献1は、水に対する上限若しくは下限臨界溶解温度が0〜80℃である温度応答性ポリマーで表面を被覆した細胞培養基材上で、軟骨細胞、軟骨前駆細胞、滑膜由来細胞、滑膜幹細胞、骨芽細胞、間葉系幹細胞、脂肪由来細胞、脂肪由来幹細胞から選択される1種類又はそれ以上の種類の細胞を培養し、(1)培養液温度を上限臨界溶解温度以上又は下限臨界溶解温度以下とし、(2)培養した培養細胞シートをキャリアとしての支持膜に密着させ、(3)そのままキャリアと共に剥離し、(4)工程(3)で得られたキャリアに密着した培養細胞シートを、水に対する上限若しくは下限臨界溶解温度が0〜80℃である温度応答性ポリマーで表面を被覆した別の細胞培養基材上で培養された別の細胞シート上に密着させ、(5)前記(1)〜(4)の操作を繰り返すことを特徴とする、積層化培養細胞シートの製造方法を記載する。
非特許文献2は、複数枚の細胞シートを積層する際に、ゼラチン等の生体適合性物質のスタンプを用いて細胞シートを相互に接合する方法を記載する。
非特許文献3は、1枚の細胞シートを折り畳むことによって細胞シートを積層化する方法を記載する。
特許第4921353号公報
Kaneshiro, N.ら, Biochem. Biophys. Res. Commun., 2006年, 第349巻, p. 723-731 Hannachi, E.ら, Biomaterials, 2009年, 第30巻, p. 5427-5432 尾形顕及び出口眞二、日本歯周病学会会誌、2006年、第48巻、p. 192-200
従来技術の積層化された細胞シートの作製方法においては、改善すべき点が存在した。例えば、特許文献1に記載の方法の場合、細胞シートの表面に別の細胞シートを密着させた後で、細胞シート同士の細胞間接着を形成させるために、1週間程度の追加の培養期間が必要となる。このような追加の培養を実施しない場合、積層化された細胞シートの位置がずれる可能性がある。非特許文献2に記載の方法の場合、積層化された細胞シート同士の細胞間接着を形成させるための追加の培養は必要ではないが、積層化された細胞シートの位置を正確に合わせるために高度な技術が必要となる場合がある。非特許文献3に記載の方法の場合、m回(mは1以上の整数である)の折り畳み工程によって形成される細胞シートは2mの層となることから、任意の積層数の細胞シートを作製することが困難な場合がある。
それ故、本発明は、単純な工程で且つ短時間で、任意の積層数を有する積層化された細胞シートを有する細胞構造体を作製する手段を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、大きさの異なる2種類の細胞シートを準備し、大きい細胞シートの表面に小さい細胞シートを積層し、該小さい細胞シートの周囲を包囲するように該大きい細胞シートを配置することにより、大きい細胞シートの表面で画定される空間の内側に小さい細胞シートが積層化された状態で収容された構造を有する細胞構造体が形成されることを見出した。本発明者は、前記知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 少なくとも1枚の細胞シート(A)と、該少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)とを有し、該少なくとも1枚の細胞シート(A)が該少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間の内側に収容されており、該少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が封止されている、細胞構造体。
(2) 前記少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面が、前記少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面の最大面積に対して2倍以上の面積を有する、前記(1)に記載の細胞構造体。
(3) 1枚の細胞シート(A)及び1枚の細胞シート(B)を有する、前記(1)又は(2)に記載の細胞構造体。
(4) 前記少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の細胞構造体。
(5) 前記少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面が円形又は四角形である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の細胞構造体。
(6) 前記少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が、1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されている、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の細胞構造体。
(7) 前記1種以上の生体親和性を有する封止物質が、フィブリン、ゼラチン、コラーゲン、フィブロイン、グリコサミノグリカン、ペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、キチン、キトサン及びアルギン酸からなる群より選択される1種以上の化合物である、この物質に関しては下記、特許文献で述べられている前記(6)に記載の細胞構造体。
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかに記載の細胞構造体を作製する方法であって、以下:
少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を準備する、細胞シート準備工程;
細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面に少なくとも1枚の細胞シート(A)を配置して、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を積層する、細胞シート積層工程;
細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように少なくとも1枚の細胞シート(B)を配置して、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容する、収容工程;
収容工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止する、封止工程;
を含む、前記方法。
(9) 前記細胞シート積層工程及び前記収容工程を同時に実施する、前記(8)に記載の方法。
(10) 前記細胞シート積層工程を実施した後で前記収容工程を連続的に実施する、前記(8)に記載の方法。
本発明により、単純な工程で且つ短時間で、任意の積層数を有する積層化された細胞シートを有する細胞構造体を作製する手段を提供することが可能となる。
図1は、複数枚の細胞シートを有する従来技術の積層化された細胞構造体と、本発明の細胞構造体とを示す図である。A:従来技術の積層化された細胞構造体の断面図;B:本発明の細胞構造体の一実施形態の断面図。 図2は、本発明の細胞構造体の一実施形態を示す図である。A:各部材の構成を示す斜視図;B:全体の斜視図;C:(1-I)-(1-I’)断面図;D:本発明の細胞構造体の別の実施形態の断面図。 図3は、本発明の細胞構造体の別の実施形態を示す図である。A:各部材の構成を示す斜視図;B:全体の斜視図;C:(2-I)-(2-I’)断面図。 図4は、本発明の細胞構造体の別の実施形態を示す図である。A:各部材の構成を示す斜視図;B:全体の斜視図;C:(3-I)-(3-I’)断面図。 図5は、本発明の細胞構造体の別の実施形態を示す図である。A:各部材の構成を示す斜視図;B:本発明の細胞構造体の作製方法における収容工程の概要を示す斜視図;C:全体の斜視図;D:(4-I)-(4-I’)断面図。 図6は、本発明の細胞構造体の別の実施形態を示す図である。A:各部材の構成を示す斜視図;B:本発明の細胞構造体の作製方法における収容工程の概要を示す斜視図;C:全体の斜視図;D:(5-I)-(5-I’)断面図。 図7は、本発明の細胞構造体の別の実施形態を示す図である。A:各部材の構成を示す斜視図;B:本発明の細胞構造体の作製方法における収容工程の概要を示す斜視図;C:全体の斜視図;D:(6-I)-(6-I’)断面図。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。
<1. 細胞構造体>
本発明は、少なくとも1枚の細胞シート(A)と、該少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)とを有する細胞構造体に関する。本発明において、「細胞構造体」は、細胞同士が細胞外マトリクスを介して細胞間接着を形成することによって生じる、複数の細胞からなる細胞の集合体を意味する。また、本発明において、「細胞シート」は、培養面に複数の細胞が配列することによって形成される層状形態(すなわちシート状の形態)を有する細胞構造体を意味する。本発明の細胞構造体は、通常は、シート形状である。
複数枚の細胞シートを有する従来技術の積層化された細胞構造体と、本発明の細胞構造体とを図1に示す。図1Aに示すように、従来技術の積層化された細胞構造体は、通常は複数枚の細胞シートが積層化された構造を有するシート形状である。従来技術においては、このような構成を有する細胞構造体を作製する場合、例えば特許文献1に記載の方法のように、複数枚の細胞シートを作製して、細胞シートの表面に別の細胞シートを密着させた後で、細胞シート同士の細胞間接着を形成させるために、1週間程度の追加の培養期間が必要となる。このような追加の培養を実施しない場合、細胞間接着が不十分となり、細胞シートの積層時及び/又は対象の患部への移植時等の僅かな振動によって、積層化された細胞シートの位置がずれる可能性が存在した。
これに対し、図1Bに示すように、本発明の細胞構造体100は、少なくとも1枚の細胞シート(A)1と、少なくとも1枚の細胞シート(A)1の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)2とを有する。少なくとも1枚の細胞シート(A)1は、少なくとも1枚の細胞シート(B)2の表面によって画定される空間の内側に収容されている。本発明において、前記構成を「収容構造」と記載する場合がある。本発明の細胞構造体は、収容構造を有することにより、所望の積層数の細胞シートを有する細胞構造体とすることができる。また、少なくとも1枚の細胞シート(B)2の表面の周縁部は、封止されている。本発明において、封止されている少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を、「封止部」と記載する場合がある。本発明の細胞構造体において、封止部は任意の位置に配置することができる。例えば、図1Bでは、封止部3は、シート形状の本発明の細胞構造体100の一方の表面に配置されている。しかしながら、封止部は、シート形状の本発明の細胞構造体の端部に配置されていてもよい。本発明の細胞構造体100は、少なくとも1枚の細胞シート(A)1が少なくとも1枚の細胞シート(B)2の表面によって画定される空間の内側に収容されており、且つ封止部3を有することにより、特許文献1に記載の方法のような追加の培養を実施して細胞シート同士の細胞間接着を形成させることなく、少なくとも1枚の細胞シート(A)1及び少なくとも1枚の細胞シート(B)2の位置を実質的に維持することができる。それ故、本発明の細胞構造体は、細胞シートの積層時及び/又は対象の患部への移植時等の振動による細胞シートの位置ずれを実質的に抑制することができる。
本発明において、「少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面」は、少なくとも1枚の細胞シート(A)の一方の表面を意味し、「少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面」は、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面のうち、少なくとも1枚の細胞シート(A)に対向する表面(すなわち、収容構造の内壁面を含む表面)を意味する。前記細胞シート(A)及び細胞シート(B)の数が2枚以上の場合、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び(B)の表面は、2枚以上の細胞シート(A)及び2枚以上の細胞シート(B)のうち、それぞれ最大の表面積を有するものの表面を意味する。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面は、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面の最大面積に対して、通常は2倍以上の面積を有しており、4倍以上の面積を有することが好ましい。少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面は、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面の最大面積に対して64倍以下の面積を有することが好ましく、16倍以下の面積を有することがより好ましい。前記細胞シート(A)及び細胞シート(B)の数が2枚以上の場合、前記範囲は、2枚以上の細胞シート(A)及び2枚以上の細胞シート(B)のうち、それぞれ最大の表面積を有するものに基づき定義される。少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面が、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面の最大面積に対して2倍以上の面積を有する場合、少なくとも1枚の細胞シート(A)を少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間の内側に収容することができる。また、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面が、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面の最大面積に対して前記下限値以上の面積を有する場合、少なくとも1枚の細胞シート(B)を折り畳むことによって、本発明の細胞構造体は所望の折り畳み構造を有することができる。
積層化された細胞シートを有する細胞構造体においては、1枚の細胞シートと比較して脱分化が抑制されるだけでなく、サイトカイン等の有用物質の産生量が増大することが知られている。それ故、積層化された細胞シートを有する細胞構造体を移植用途に適用する場合、1枚の細胞シートを移植用途に適用する場合と比較して、移植効率の向上が期待される。他方、積層化された細胞シートを有する細胞構造体においては、積層化された細胞シートの接合面への酸素及び/又は栄養成分等の供給が制限されることに起因して、該接合面における細胞生存率が低下する可能性がある。積層化された細胞シートの接合面における細胞生存率の低下は、積層化された細胞シートを有する細胞構造体を移植用途に適用する場合、移植効率の低下を引き起こす可能性がある。例えば特許文献1に記載の方法を用いて積層化された細胞シートを有する細胞構造体を作製する場合、細胞シート同士の接合面に細胞間接着を形成させるための追加の培養時に、前記のような接合面における細胞生存率の低下が生じる可能性がある。このように、積層化された細胞シートを有する細胞構造体において、細胞シートの層数は、移植効率に影響を与え得る。従来技術の積層化された細胞シートを有する細胞構造体においては、各細胞シートの細胞生存率等の観点から、3層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体の移植効率がもっとも高いことが知られている。しかしながら、例えば非特許文献3に記載の積層化された細胞シートのように、m回(mは1以上の整数である)の折り畳み工程によって形成される細胞シートは2mの層となり、任意の積層数(例えば3層)の細胞シートを作製することが困難な場合がある。
これに対し、本発明の細胞構造体において、細胞シート(A)及び細胞シート(B)の数は、互いに独立して少なくとも1枚であればよく、その具体的な枚数は特に限定されない。それ故、本発明の細胞構造体は、任意の積層数を有する積層化された細胞シートを有する細胞構造体として使用することができる。本発明の細胞構造体において、細胞シート(A)の数は、1又は2枚であることが好ましく、1枚であることがより好ましい。細胞シート(B)の数は、1又は2枚であることが好ましく、1枚であることがより好ましい。少なくとも1枚の細胞シート(B)の数が1枚である場合、少なくとも1枚の細胞シート(A)への酸素及び栄養成分等の供給が制限されることを実質的に回避することができる。本発明の細胞構造体は、1枚の細胞シート(A)及び1枚の細胞シート(B)を有することが特に好ましい。例えば、図1Bに示す実施形態において、本発明の細胞構造体100は、1枚の細胞シート(A)1及び1枚の細胞シート(B)2を有する。この実施形態の場合、本発明の細胞構造体100は、3層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。前記の数の細胞シート(A)及び細胞シート(B)を有することにより、本発明の細胞構造体は、高い移植効率を発現することができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)は、シート形状であってもよく、折り畳まれた形状であってもよい。本発明において、折り畳まれた細胞シートの形状を、「折り畳み構造」と記載する場合がある。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び/又は少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有する場合、折り畳み構造の具体的な態様は特に限定されない。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び/又は少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有することにより、1枚の細胞シート(A)及び/又は(B)を、それぞれ複数層の積層化された細胞シートとして使用することができる。これにより、細胞構造体の作製に必要となる細胞シートの数を削減することができる。また、本発明の細胞構造体は、任意の積層数を有する積層化された細胞シートを有する細胞構造体として使用することができる。
少なくとも1枚の細胞シート(B)は、結果として得られる本発明の細胞構造体の表面が、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面と実質的に相似形となるように折り畳まれていることが好ましい。この場合、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面積に対する結果として得られる本発明の細胞構造体の表面積の比によって規定される相似比は、通常は2以下であり、例えば1.5以下であり、典型的には1.2以下であり、特に1.0である。また、この場合、少なくとも1枚の細胞シート(B)は、n回の折り畳み構造を有することが好ましい。ここで、折り畳みの回数nは、通常は1以上の整数であり、1〜10の範囲の整数であることが好ましく、1〜5の範囲の整数であることがより好ましい。少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有することにより、その表面によって画定される空間を、所望の形状とすることができる。また、結果として得られる本発明の細胞構造体の表面を、所望の形状とすることができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間は、少なくとも1枚の細胞シート(B)の内表面と該空間に収容される少なくとも1枚の細胞シート(A)の外表面とが互いに離間するような形状であってもよく、実質的に密着するような形状であってもよい。本発明において、「少なくとも1枚の細胞シート(B)の内表面」は、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面のうち、少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容している少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間に面した部分を意味する。また、本発明において、「少なくとも1枚の細胞シート(A)の外表面」は、少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面のうち、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間に面した部分を意味する。少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間が前者の形状の場合、該空間は空隙部を有する。少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間は、少なくとも1枚の細胞シート(B)の内表面と該空間に収容される少なくとも1枚の細胞シート(A)の外表面とが実質的に密着するような形状であることが好ましい。この場合、前記空間には空隙部が実質的に存在しない。それ故、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の位置ずれを実質的に抑制することができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の形状は特に限定されない。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面は、互いに独立して、円形(例えば真円形若しくは楕円形)、及び三角形、四角形(例えば長方形若しくは正方形)、五角形又は六角形等の多角形からなる群より選択される形状であることが好ましい。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面は、いずれも同一の形状であることが好ましい。この場合、以下において説明する細胞シートの作製方法において、細胞シート積層工程及び収容工程を容易に行うことができる。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面は、いずれも円形又は四角形であることが好ましく、いずれも円形であることがより好ましい。この場合、例えば少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有することによって、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される収容構造及び封止部を容易に形成することができる。また、結果として得られる本発明の細胞構造体の表面を、所望の形状とすることができる。通常、円形の表面形状を有する細胞シートは、他の表面形状を有する細胞シートと比較して、細胞シートの全体に亘って細胞の状態の均質性が高い。それ故、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面がいずれも円形である場合、均質性の高い細胞構造体を得ることができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止する手段は、特に限定されない。粘着性若しくは凝固性等の性質によって細胞シート同士を接合し得る封止物質を用いてもよく、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を被覆、支持、挟持若しくは貼合することによって該周縁部を封止し得る封止部材を用いてもよい。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が封止物質を用いて封止される実施形態の場合、封止物質としては、結果として得られる本発明の細胞構造体を移植用途に適用する場合の生体親和性を考慮して、通常は、生体親和性を有する封止物質が使用される。本実施形態の場合、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部は、1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されていることが好ましい。前記1種以上の生体親和性を有する封止物質は、フィブリン、ゼラチン、コラーゲン、フィブロイン、グリコサミノグリカン、ペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、キチン、キトサン及びアルギン酸からなる群より選択される1種以上の化合物であることが好ましく、フィブリンがより好ましい。フィブリンは、動物において血液の凝固に関与するタンパク質である。それ故、フィブリンを用いて少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止することにより、結果として得られる本発明の細胞構造体を対象へ移植する際に、アナフィラキシー様アレルギー反応を引き起こす可能性を低下させることができる。これにより、本発明の細胞構造体を、安全性の高い移植材料とすることができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が封止部材を用いて封止される実施形態の場合、封止部材の形状は、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止する態様及び封止部の配置に基づき、フィルム、板又はクリップ等の任意の形状から適宜選択することができる。また、封止部材の材料は、以下において説明する細胞培養支持体を形成する材料と同様の材料から適宜選択することができる。本実施形態の場合、封止部が、シート形状の本発明の細胞構造体の一方の表面に配置されており、且つ少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸若しくはポリカプロラクタン、又はそれらの共重合体のような生体親和性ポリマーからなるフィルム形状の封止部材によって封止されていることが好ましい。この場合、フィルム形状の封止部材は、封止部の上面を被覆するように配置される。このような構成により、フィルム形状の封止部材を細胞培養支持体としても使用することができる。また、前記生体親和性ポリマーからなる封止部材を用いることにより、結果として得られる本発明の細胞構造体を対象へ移植する際に、該封止部材を除去することなくそのままの状態で対象の患部へ移植することができる。これにより、本発明の細胞構造体を、安全性の高い移植材料とすることができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を構成する細胞は、特に限定されない。生体に存在するあらゆる組織若しくは器官自体、又はそれに由来する各種の細胞を用いることができる。本発明の細胞構造体に適用される細胞は、接着性の組織又は細胞であることが好ましい。例えば、生体内の各組織、臓器を構成する上皮細胞若しくは内皮細胞、収縮性を示す骨格筋細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、軟骨細胞、神経系を構成するニューロン若しくはグリア細胞、線維芽細胞、生体の代謝に関係する肝実質細胞、非肝実質細胞、又は脂肪細胞等を使用することができる。或いは、本発明の細胞構造体に適用される細胞は、胚性幹細胞(ES細胞)、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞、単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞、又は人工多能性幹細胞(iPS細胞)等であってもよく、分化が終了した細胞であってもよい。本発明の細胞構造体に適用される細胞は、前記組織又は器官から直接採取した初代細胞系でもよく、該初代細胞を何代か継代させた継代細胞系であってもよい。細胞が由来する動物も特に限定されず、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ヤギ又はヒツジ等の動物に由来する細胞を使用することができる。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を構成する細胞の種類は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を構成する細胞の種類が互いに同一の場合、細胞の脱分化を抑制し、且つ/又はサイトカイン等の有用物質の産生量を増大させることができる。少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を構成する細胞の種類が互いに異なる場合、結果として得られる本発明の細胞構造体を、複数の細胞からなる移植材料とすることができる。
本発明の細胞構造体が2枚以上の細胞シート(A)を有する場合、該2枚以上の細胞シート(A)を構成する細胞の種類は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。また、本発明の細胞構造体が2枚以上の細胞シート(B)を有する場合、該2枚以上の細胞シート(B)を構成する細胞の種類は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。2枚以上の細胞シート(A)及び/又は2枚以上の細胞シート(B)を構成する細胞の種類が互いに同一の場合、細胞の脱分化を抑制し、且つ/又はサイトカイン等の有用物質の産生量を増大させることができる。2枚以上の細胞シート(A)及び/又は2枚以上の細胞シート(B)を構成する細胞の種類が互いに異なる場合、複数の細胞からなる移植材料とすることができる。
本発明の細胞構造体は、場合により細胞構造体の少なくとも一方の表面に細胞培養支持体を有してもよい。細胞培養支持体を有することにより、本発明の細胞構造体の移送を簡便に実施することができる。本発明の細胞構造体において、封止部がシート形状の細胞構造体の一方の表面に配置されている実施形態の場合、細胞培養支持体は、封止部が配置されている表面に配置されることができる。この場合、細胞培養支持体は、封止部の上面を被覆するように配置されたフィルム形状の封止部材としても機能し得る。或いは、図2Dに示すように、細胞培養支持体14は、封止部が配置されている表面とは別の表面に配置されていてもよい。細胞培養支持体を形成する材料は、特に限定されない。細胞培養支持体を形成する材料は、当該技術分野において細胞シート等の細胞構造体の支持体に通常使用される各種の材料から適宜選択することができる。細胞培養支持体を形成する材料としては、例えば、金属、ガラス、セラミック、樹脂及びエラストマー等、並びにこれらの複合材料を挙げることができる。前記樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリイミド(PI)、ナイロン(Ny)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン及びアクリル等を挙げることができる。また、前記樹脂材料は、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸若しくはポリカプロラクタン、又はそれらの共重合体のような生体親和性ポリマーであってもよい。細胞培養支持体を形成する材料が前記生体親和性ポリマーである場合、結果として得られる本発明の細胞構造体を対象へ移植する際に、該細胞培養支持体を除去することなくそのままの状態で患部へ移植することができる。これにより、本発明の細胞構造体を、安全性の高い移植材料とすることができる。
細胞培養支持体の形状は、特に限定されない。細胞培養支持体の形状は、本発明の細胞構造体の形状、及び/又は所望の用途等に基づき、円形(例えば真円形若しくは楕円形)、及び三角形、四角形(例えば長方形若しくは正方形)、五角形又は六角形等の多角形からなる群より選択される形状から適宜選択される。
以下、図2〜7を参照しながら、本発明の細胞構造体の好ましい実施形態についてさらに説明する。
本発明の細胞構造体の好ましい一実施形態を図2に示す。本実施形態において、細胞構造体110は、1枚の細胞シート(A)11と、該1枚の細胞シート(A)11の周囲を包囲するように配置された1枚の細胞シート(B)12とを有する。細胞シート(A)11及び細胞シート(B)12の表面の形状は、いずれも円形である。図2Bに示すように、本発明の細胞構造体110の表面の形状は、通常は、細胞シート(A)11の表面と実質的に相似形の円形となる。1枚の細胞シート(B)12の表面は、1枚の細胞シート(A)11の表面の最大面積に対して、通常は2倍以上の面積を有する。1枚の細胞シート(B)12は、細胞構造体110の表面が、1枚の細胞シート(A)11の表面と実質的に相似形の円形の形状となるように折り畳まれていることが好ましい。
図2Cに示すように、1枚の細胞シート(A)11は、1枚の細胞シート(B)12の表面によって画定される空間の内側に収容されている。また、1枚の細胞シート(B)12の表面の周縁部は、封止部13を形成することによって封止されている。1枚の細胞シート(B)12の表面の周縁部は、前記で説明した1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されていることが好ましい。本実施形態の場合、本発明の細胞構造体110は、3層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。それ故、本発明の細胞構造体110は、各細胞シートの細胞生存率等の観点から高い移植効率を発現することができる。
円形の細胞シートを有する本発明の細胞構造体の別の好ましい実施形態を図3に示す。本実施形態において、細胞構造体120は、2枚の細胞シート(A)21と、該2枚の細胞シート(A)21の周囲を包囲するように配置された1枚の細胞シート(B)22とを有する。2枚の細胞シート(A)21及び1枚の細胞シート(B)22の形状は、いずれも円形である。図3Bに示すように、本発明の細胞構造体120の表面の形状は、通常は、細胞シート(A)21の表面と実質的に相似形の円形となる。2枚の細胞シート(A)21は、互いに同一の大きさであってもよく、異なる大きさであってもよい。1枚の細胞シート(B)22の表面は、2枚の細胞シート(A)21の表面の最大面積に対して、通常は2倍以上の面積を有する。1枚の細胞シート(B)22は、細胞構造体120の表面が、2枚の細胞シート(A)21のうち、より大きい表面積を有するものの表面と実質的に相似形の円形の形状となるように折り畳まれていることが好ましい。
図3Cに示すように、2枚の細胞シート(A)21は、1枚の細胞シート(B)22の表面によって画定される空間の内側に収容されている。また、細胞シート(B)22の表面の周縁部は、封止部23を形成することによって封止されている。1枚の細胞シート(B)22の表面の周縁部は、前記で説明した1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されていることが好ましい。本実施形態の場合、本発明の細胞構造体120は、4層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。
円形の細胞シートを有する本発明の細胞構造体の別の好ましい実施形態を図4に示す。本実施形態において、細胞構造体130は、1枚の細胞シート(A)31と、該1枚の細胞シート(A)31の周囲を包囲するように配置された2枚の細胞シート(B)32とを有する。1枚の細胞シート(A)31及び2枚の細胞シート(B)32の形状は、いずれも円形である。図4Bに示すように、本発明の細胞構造体130の表面の形状は、通常は、細胞シート(A)31の表面と実質的に相似形の円形となる。2枚の細胞シート(A)32は、互いに同一の大きさであってもよく、異なる大きさであってもよい。2枚の細胞シート(B)32の表面は、1枚の細胞シート(A)31の表面の最大面積に対して、通常は2倍以上の面積を有する。2枚の細胞シート(B)32は、細胞構造体130の表面が、1枚の細胞シート(A)31の表面と実質的に相似形の円形の形状となるように折り畳まれていることが好ましい。
図4Cに示すように、1枚の細胞シート(A)31は、2枚の細胞シート(B)32の表面によって画定される空間の内側に収容されている。また、2枚の細胞シート(B)32の表面の周縁部は、封止部33を形成することによって封止されている。この場合、封止部33は、図4Cに示すように、2枚の細胞シート(B)32のそれぞれの表面の周縁部が別々に封止されることによって形成されていてもよく、2枚の細胞シート(B)32の表面の周縁部が積層された状態で一緒に封止されることによって形成されていてもよい。2枚の細胞シート(B)32の表面の周縁部は、前記で説明した1種以上の生体親和性を有する封止物質によってそれぞれ封止されていることが好ましい。本実施形態の場合、本発明の細胞構造体130は、5層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。
円形の細胞シートを有する本発明の細胞構造体の各実施形態において、封止部13、23、33は、シート形状の細胞構造体110、120、130の一方の表面に配置されていることが好ましい。封止部は、細胞構造体の他の部分と比較して、細胞シートの層数が異なる場合がある。また、封止部を含む表面は、他方の表面と比較して、平滑性が低い可能性がある。それ故、封止部が配置されている表面とは別の表面を、対象の患部に接触させる移植面とすることが好ましい。これにより、本発明の細胞構造体110、120、130の移植効率を向上させることができる。
本発明の細胞構造体の別の好ましい実施形態を図5に示す。本実施形態において、細胞構造体140は、1枚の細胞シート(A)41と、該1枚の細胞シート(A)41の周囲を包囲するように配置された1枚の細胞シート(B)42とを有する。1枚の細胞シート(A)41及び1枚の細胞シート(B)42の形状は、いずれも四角形である。図5Cに示すように、本発明の細胞構造体140の表面の形状は、通常は、細胞シート(A)41の表面と実質的に相似形の四角形となる。1枚の細胞シート(B)42の表面は、1枚の細胞シート(A)41の表面の最大面積に対して、通常は2倍以上の面積を有する。1枚の細胞シート(B)42は、通常は1回の折り畳み構造を有する。1枚の細胞シート(B)42は、細胞構造体140の表面が、1枚の細胞シート(A)41の表面と実質的に相似形の四角形の形状となるように折り畳まれていることが好ましい。
図5Dに示すように、1枚の細胞シート(A)41は、1枚の細胞シート(B)42の表面によって画定される空間の内側に収容されている。また、1枚の細胞シート(B)42の表面の周縁部は、封止部43を形成することによって封止されている。1枚の細胞シート(B)42の表面の周縁部は、前記で説明した1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されていることが好ましい。本実施形態の場合、本発明の細胞構造体140は、その表面の略全体に亘って、3層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。それ故、本発明の細胞構造体140は、各細胞シートの細胞生存率等の観点から高い移植効率を発現することができる。
四角形の細胞シートを有する本発明の細胞構造体の別の好ましい実施形態を図6に示す。本実施形態において、細胞構造体150は、2枚の細胞シート(A)51と、該2枚の細胞シート(A)51の周囲を包囲するように配置された1枚の細胞シート(B)52とを有する。2枚の細胞シート(A)51及び1枚の細胞シート(B)52の形状は、いずれも四角形である。図6Cに示すように、本発明の細胞構造体150の表面の形状は、通常は、細胞シート(A)51の表面と実質的に相似形の四角形となる。2枚の細胞シート(A)51は、互いに同一の大きさであってもよく、異なる大きさであってもよい。1枚の細胞シート(B)52の表面は、2枚の細胞シート(A)51の表面の最大面積に対して、通常は2倍以上の面積を有する。1枚の細胞シート(B)52は、通常は1回の折り畳み構造を有する。1枚の細胞シート(B)52は、細胞構造体150の表面が、2枚の細胞シート(A)51のうち、より大きい表面積を有するものの表面と実質的に相似形の四角形の形状となるように折り畳まれていることが好ましい。
図6Dに示すように、2枚の細胞シート(A)51は、1枚の細胞シート(B)52の表面によって画定される空間の内側に収容されている。また、前記細胞シート(B)52の表面の周縁部は、封止部53を形成することによって封止されている。1枚の細胞シート(B)52の表面の周縁部は、前記で説明した1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されていることが好ましい。本実施形態の場合、本発明の細胞構造体150は、その表面の略全体に亘って、4層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。
四角形の細胞シートを有する本発明の細胞構造体の別の好ましい実施形態を図7に示す。本実施形態において、細胞構造体160は、1枚の細胞シート(A)61と、該1枚の細胞シート(A)61の周囲を包囲するように配置された1枚の細胞シート(B)62とを有する。1枚の細胞シート(A)61及び1枚の細胞シート(B)62の形状は、いずれも四角形である。図7Cに示すように、本発明の細胞構造体160の表面の形状は、通常は、細胞シート(A)61の表面と実質的に相似形の四角形となる。1枚の細胞シート(B)62の表面は、1枚の細胞シート(A)61の表面の最大面積に対して、通常は4倍以上の面積を有する。1枚の細胞シート(B)62は、通常は2回の折り畳み構造を有する。1枚の細胞シート(B)62は、細胞構造体160の表面が、1枚の細胞シート(A)61の表面と実質的に相似形の四角形の形状となるように折り畳まれていることが好ましい。
図7Dに示すように、1枚の細胞シート(A)61は、1枚の細胞シート(B)62の表面によって画定される空間の内側に収容されている。また、前記細胞シート(B)62の表面の周縁部は、封止部63を形成することによって封止されている。1枚の細胞シート(B)62の表面の周縁部は、前記で説明した1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されていることが好ましい。本実施形態の場合、本発明の細胞構造体160は、その表面の略全体に亘って、5層の積層化された細胞シートを有する細胞構造体として機能し得る。
四角形の細胞シートを有する本発明の細胞構造体の各実施形態において、封止部43、53、63は、シート形状の細胞構造体140、150、160の端部に配置されていることが好ましい。このような構成により、本発明の細胞構造体は、その表面の略全体に亘って高い平滑性を有することができる。これにより、本発明の細胞構造体は、いずれの表面を対象の患部に接触させる移植面とした場合であっても、高い移植効率を発現することができる。
<2. 細胞構造体の作製方法>
本発明は、細胞構造体の作製方法に関する。本発明の細胞構造体の作製方法は、細胞シート準備工程、細胞シート積層工程、収容工程及び封止工程を含むことが必要である。以下、各工程について、詳細に説明する。
[2-1. 細胞シート準備工程]
本発明の方法は、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を準備する、細胞シート準備工程を含むことが必要である。
本工程において準備される少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の形状、数及び細胞の種類は、前記で説明した本発明の細胞構造体に適用される好ましい形状、数及び細胞の種類であることが好ましい。
本工程において、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を準備するために適用される細胞培養容器、細胞培養支持体及び細胞培養基材等の培養器具、細胞、並びに細胞シートの作製方法は、特に限定されない。例えば、温度応答性ポリマーが表面に被覆された細胞培養支持体を用いて細胞培養を行う方法、遠心力若しくは磁力を作用させながら細胞培養容器中で細胞培養を行う方法、高密度培養法、高分子ゲルを用いた作製法、凍結により細胞シートを得る方法、又はビトロネクチン等の接着性タンパク質でコーティングされた培養容器を用いる方法等の、当該技術分野で公知の各種の方法を使用することができる。本工程に適用される細胞シートの作製方法としては、例えば、特開平5-192138号公報、特開2014-143970号公報、特開2014-143971号公報、特許第5407343号公報、国際公開第2012/115244号、国際公開第2011/142364号、特開2004-33136号、特開2011-115058号、及び特開2014-143970号等に記載の方法を挙げることができる。いずれの方法であっても、本工程に適用することができる。
[2-2. 細胞シート積層工程]
本発明の方法は、細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面に少なくとも1枚の細胞シート(A)を配置して、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を積層する、細胞シート積層工程を含むことが必要である。
本工程において、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を配置及び積層する手段は、特に限定されない。また、本発明の細胞構造体が2枚以上の細胞シート(A)及び/又は細胞シート(B)を有する場合、2枚以上の細胞シート(A)及び/又は細胞シート(B)を配置及び積層する順序は、特に限定されない。本工程は、例えば、ピンセット等の器具を用いて少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を取り扱うことによって実施してもよく、例えば特許第5051677号公報に記載の方法のように、細胞シートを自動的に積層化する方法を適用することによって実施してもよい。
本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(A)が折り畳み構造を有する場合、本工程は、少なくとも1枚の細胞シート(A)を折り畳んで、折り畳み構造を有する少なくとも1枚の細胞シート(A)を形成させる工程をさらに含むことが好ましい。このような工程を実施することにより、折り畳み構造を有する少なくとも1枚の細胞シート(A)を少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面に配置及び積層することができる。
[2-3. 収容工程]
本発明の方法は、細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように少なくとも1枚の細胞シート(B)を配置して、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容する、収容工程を含むことが必要である。
本工程において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容する態様は、特に限定されない。例えば、本発明の細胞構造体において、少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有する場合、少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)をn回(nは前記で定義した通りである)折り畳むことにより、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容することができる。例えば、本発明の細胞構造体が四角形の細胞シートを有する実施形態の場合、図5B、6B及び7Bに示すように、少なくとも1枚の細胞シート(A)41、51、61の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)42、52、62を折り畳むことにより、少なくとも1枚の細胞シート(B)42、52、62の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)41、51、61を収容することができる。
本発明の方法において、細胞シート積層工程及び収容工程は、同時に実施してもよく、連続的に(すなわち別々に)実施してもよい。いずれの場合も、本発明の方法の実施形態に包含される。細胞シート積層工程及び収容工程を同時に実施する実施形態の場合、例えば、細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように、細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面に少なくとも1枚の細胞シート(A)を配置することにより、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を積層し、且つ少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容することができる。また、細胞シート積層工程及び収容工程を連続的に実施する実施形態の場合、例えば、細胞シート積層工程を実施して、積層された少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を得た後で、該細胞シート積層工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように少なくとも1枚の細胞シート(B)を配置することにより、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容することができる。
[2-4. 封止工程]
本発明の方法は、収容工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止する、封止工程を含むことが必要である。
本工程において、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止する手段は、前記で説明した各種手段を適用することができる。前記手段を用いて少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止することにより、特許文献1に記載の方法のような追加の培養を実施することなく、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の位置が実質的に維持される細胞構造体を、短時間で得ることができる。
本発明の方法においては、例えば特許文献1に記載の方法の如く追加の培養を行う等の手段により、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の間に細胞間接着を形成させる必要はない。それ故、従来技術の方法と比較して、単純な工程で且つ短時間で、任意の積層数を有する積層化された細胞シートを有する細胞構造体を作製することができる。
100, 110, 120, 130, 140, 150, 160…本発明の細胞構造体
1, 11, 21, 31, 41, 51, 61…少なくとも1枚の細胞シート(A)
2, 12, 22, 32, 42, 52, 62…少なくとも1枚の細胞シート(B)
3, 13, 23, 33, 43, 53, 63…封止部
4…細胞培養支持体

Claims (10)

  1. 少なくとも1枚の細胞シート(A)と、該少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように配置された少なくとも1枚の細胞シート(B)とを有し、該少なくとも1枚の細胞シート(A)が該少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面によって画定される空間の内側に収容されており、該少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が封止されている、細胞構造体。
  2. 前記少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面が、前記少なくとも1枚の細胞シート(A)の表面の最大面積に対して2倍以上の面積を有する、請求項1に記載の細胞構造体。
  3. 1枚の細胞シート(A)及び1枚の細胞シート(B)を有する、請求項1又は2に記載の細胞構造体。
  4. 前記少なくとも1枚の細胞シート(B)が折り畳み構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞構造体。
  5. 前記少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面が円形又は四角形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞構造体。
  6. 前記少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部が、1種以上の生体親和性を有する封止物質によって封止されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞構造体。
  7. 前記1種以上の生体親和性を有する封止物質が、フィブリン、ゼラチン、コラーゲン、フィブロイン、グリコサミノグリカン、ペクチン、ヒアルロン酸、コンドロイチン、キチン、キトサン及びアルギン酸からなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項6に記載の細胞構造体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞構造体を作製する方法であって、以下:
    少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を準備する、細胞シート準備工程;
    細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面に少なくとも1枚の細胞シート(A)を配置して、少なくとも1枚の細胞シート(A)及び少なくとも1枚の細胞シート(B)を積層する、細胞シート積層工程;
    細胞シート準備工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(A)の周囲を包囲するように少なくとも1枚の細胞シート(B)を配置して、少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面で画定される空間の内側に少なくとも1枚の細胞シート(A)を収容する、収容工程;
    収容工程で得られた少なくとも1枚の細胞シート(B)の表面の周縁部を封止する、封止工程;
    を含む、前記方法。
  9. 前記細胞シート積層工程及び前記収容工程を同時に実施する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記細胞シート積層工程を実施した後で前記収容工程を連続的に実施する、請求項8に記載の方法。
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