JP4421688B2 - 歯車装置の潤滑装置および潤滑方法 - Google Patents

歯車装置の潤滑装置および潤滑方法 Download PDF

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    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0434Features relating to lubrication or cooling or heating relating to lubrication supply, e.g. pumps ; Pressure control

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業機械の歯車装置の潤滑、たとえば、工作機械の主軸頭用の歯車装置の潤滑に好適な歯車装置の潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、マシニングセンタなどの工作機械では、高速回転する主軸ヘッドに設けられた主軸にモータからの動力を伝達する歯車装置の歯車および軸受の潤滑が必要である。
歯車装置の潤滑を行なう潤滑油には、主として、互いに接触する二つの摩擦面に生じる摩擦抵抗や摩耗を減らし、機械の精度を保ち、耐用年数を長くするなどの減摩を行なう役割や、固体摩擦を境界摩擦に置き換えて、摩擦面に生じる熱を持ち去り、接触面の焼け付きを防ぎ、冷却剤としての役目がある。
歯車装置の潤滑方式としては、たとえば、油浴潤滑方式や、強制循環給油方式等の回収式の潤滑、滴下潤滑方式、噴霧潤滑方式などの全損式の潤滑が知られている。
【0003】
油浴潤滑方式は、歯車装置を構成する歯車、軸受等を直接潤滑油に浸し、歯車や軸受自身の回転を利用して潤滑を行なう。
油浴潤滑方式では、潤滑油に歯車等を直接浸すため、歯車等の動力損失が大きく、また、冷却効果が十分でない等の問題があり、たとえば、高速回転する主軸用の歯車装置の潤滑には適さない。
強制潤滑方式は、潤滑油が油圧ポンプで潤滑部に強制的に供給される方式であり、潤滑効果および冷却効果は高いが、歯車装置内の潤滑油を強制循環させるため、歯車の動力損失が大きく、また、主軸に装着した工具の加工時に供給される冷却液であるクーラントが、たとえば、主軸シール部等から歯車装置内に侵入しやすい、歯車装置から潤滑油が漏れ出しやすいという問題がある。
【0004】
滴下潤滑式は、給油器から一定油量を細孔から常時給油するものであり、給油量を調整可能である、歯車を潤滑油に浸すわけではないので歯車の動力損失は小さいといった特徴を有する。
しかしながら、歯車の高速回転時には、滴下された潤滑油が歯車の歯面によって飛ばされ十分な潤滑油を供給できない、冷却効果が少なく軸受の冷却が十分でない、歯車装置に給油された潤滑油を排出する必要があり、又クーラントが歯車箱内に侵入しやすいなどの問題が存在する。
噴霧潤滑方式は、霧吹きの原理を応用して、歯車装置の歯車箱内に圧縮空気との混合によって霧化された潤滑油(以下、オイルミストという)を供給して歯車や軸受を潤滑するものである。
噴霧潤滑方式は、歯車等の動力損失が少なく、オイルミストを確実に潤滑部に供給でき、潤滑油の消費量が少なく、圧縮空気による冷却効果も高く、歯車装置の潤滑に適用した場合には、歯車箱内の圧力が外部より上昇し、上記のクーラントが歯車箱内に侵入しにくい等の特徴を有することから、潤滑油の消費量、クーラントの歯車箱内への侵入および冷却効果の観点からは、歯車装置の潤滑には最も適した潤滑方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、噴霧潤滑方式では、オイルミストとして歯車装置内に供給するため、潤滑油の供給量に制限があり、潤滑油の供給量が十分でないという問題がある。
噴霧潤滑方式では、潤滑油をオイルミストにして供給するため、周囲の環境が汚染されるおそれもある。
また、噴霧潤滑方式による歯車の潤滑では、歯車の周りに発生する風損によって潤滑油が歯車に付着しない現象が知られている。たとえば、歯車の周りに発生する風速が50m/秒程度以上になると、オイルミストの質量が小さいことから歯車の回転によって発生する風によって吹き飛ばされ、オイルミストが歯車に付着せず、歯車の潤滑が十分に行なえないという問題もある。
この現象を改善するために、圧縮空気の供給圧力を上昇させて歯車にオイルミストを噴霧すると、空気と歯車との間に生じる風切り音が大きくなり、周波数の高い音が発生する、いわゆる笛吹き現象による騒音が発生する。
【0006】
一方、歯車装置の歯車の潤滑は、比較的大量の潤滑油を要するが動力損失による発熱量は小さく、軸受の潤滑は、比較的少量の潤滑油でよいが高速回転では発熱が大きい。また、歯車は、高速回転になるほど潤滑油が飛ばされやすくなるため、比較的粘度の高い潤滑油が必要となるが、軸受は、高速回転になるほど発熱量が増加するため、潤滑油の剪断による発熱を抑える目的で比較的粘度の低い潤滑油が必要である。このため、単に噴霧潤滑方式による歯車装置の潤滑では、特に高速回転する歯車装置のより適切な潤滑が十分でなかった。
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、歯車装置内へのクーラントの侵入を防止でき、冷却効果が高く、高速回転される歯車装置の歯車および軸受の適切な潤滑が可能な歯車装置の潤滑装置および潤滑方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力軸と出力軸との間の動力伝達を行なう複数の歯車と、前記入力軸と出力軸と歯車の軸とを保持する軸受と、前記軸受を保持し前記複数の歯車を収容する歯車箱とを有する歯車装置の潤滑装置であって、圧縮空気との混合によって霧化された潤滑油を所定圧力で前記歯車箱内に供給して前記軸受を潤滑する軸受潤滑手段と、前記軸受潤滑手段からの霧化された潤滑油の粒径よりも大きな粒径に霧化された所定圧力の潤滑油の前記歯車への直接噴霧および一定量の潤滑油の前記歯車への直接の滴下の少なくともいずれかによる潤滑が可能な歯車潤滑手段とを有する。
【0009】
本発明では、歯車装置内の歯車と軸受のそれぞれに歯車潤滑手段と軸受潤滑手段とを有しており、潤滑油の粘度、潤滑油の供給量をそれぞれ独立に設定できる。
軸受潤滑手段は、圧縮空気との混合によって霧化された潤滑油を歯車箱内に噴霧するため、歯車箱内の圧力は外部より高くなり、歯車箱内にクーラントなどの液体が侵入することがなくなる。また、高速回転によって発熱しやすい軸受の潤滑に、冷却効果の大きい圧縮空気との混合によって霧化された潤滑油を用いるため、軸受に対する大きな冷却効果が得られる。
歯車潤滑手段は、霧化された潤滑油を歯車に直接噴霧または一定量の潤滑油を歯車へ直接滴下できるため、歯車の停止または低速回転時には潤滑油を歯車に滴下すれば、十分な量の潤滑油を歯車に供給でき、また、潤滑油の大量消費を防ぐことができる。また、高速回転時には、軸受潤滑手段よりも大きな粒径に霧化された所定圧力の潤滑油を歯車に供給することにより、霧化された潤滑油の質量が比較的大きくなり、霧化された潤滑油運動エネルギが大きくなるため、高速回転する歯車の歯面に付着しやすくなり、十分な量の潤滑油を歯車に供給可能となり、また、霧化された潤滑油の供給圧力を増加させなくてもよいことから騒音の問題も発生しにくくなる。
また、本発明では、歯車用と軸受用に大量の霧化された潤滑油が常に供給されるわけではないので、霧化された潤滑油よる周辺環境の汚染も低減される。
【0010】
前記軸受潤滑手段は、前記歯車箱内に吹き出し口が設けられ、霧化された潤滑油を噴出する軸受潤滑用ノズルと、潤滑油を圧縮空気との混合によって霧化して前記軸受潤滑用ノズルに供給する第1の噴霧給油手段とを具備し、前記歯車潤滑手段は、歯車箱内に吹き出し口が設けられ、霧化された潤滑油を前記歯車に直接噴霧可能で、かつ一定量の潤滑油を前記歯車に直接滴下可能な歯車潤滑用ノズルと、潤滑油を圧縮空気との混合によって霧化して前記歯車潤滑用ノズルに供給する第2の噴霧給油手段と、一定量の潤滑油を前記歯車潤滑用ノズルに供給する滴下給油手段と、前記第2の噴霧給油手段および前記滴下給油手段からの前記歯車潤滑用ノズルへの潤滑油の供給を選択的に切り換える切換手段とを具備する。
【0011】
前記切換手段は、前記歯車の回転速度に応じて前記第2の噴霧給油手段および前記滴下給油手段からの前記歯車潤滑用ノズルへの潤滑油の供給を切り換える。
【0012】
本発明は、入力軸と出力軸との間の動力伝達を行なう複数の歯車と、前記入力軸と出力軸と歯車の軸とを保持する軸受と、前記軸受を保持し前記複数の歯車を収容する歯車箱とを有する歯車装置の潤滑方法であって、前記歯車箱内に圧縮空気との混合によって霧化された所定の粒径の潤滑油を噴霧して前記軸受を潤滑し、前記歯車の停止時または所定の回転速度よりも低い回転時に、当該歯車に一定量の潤滑油を前記歯車に直接滴下し、前記歯車の前記所定の回転速度以上の回転時に前記軸受に噴霧する霧化された潤滑油よりも大きな粒径の霧化された潤滑油を当該歯車に直接噴霧して潤滑する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態の係る歯車装置の潤滑システムを説明するための図である。
図1において、本実施形態に係る歯車装置の潤滑システム1は、潤滑対象である歯車装置2と、軸受潤滑用ノズル35、歯車潤滑用ノズル36、37と、軸受用噴霧給油装置31と、歯車用噴霧給油装置32と、滴下給油装置33と、電磁弁41、42と、制御装置51とを有する。
【0014】
歯車装置2は、歯車箱61と、入力軸3と、出力軸4と、伝達軸5と、歯車8〜11と、軸受16〜21とを有している。
歯車箱61は、内部に空洞Hを有する箱体であり、内周壁部に軸受16,19,20,21をそれぞれ保持するための保持部61a〜61dが形成され、軸受17および18を保持するための突状の保持部61eおよび61fが内部に形成されている。
軸受16〜21には、歯車装置2が高速回転に適するように、たとえば、転がり軸受が使用される。
【0015】
入力軸3は、一端にモータMが接続され、入力軸3に嵌合固定された歯車8を挟むように設けられた軸受16および17によって回転自在に保持されている。出力軸4は、出力軸4に嵌合固定された歯車9を挟むように設けられた軸受18および19によって回転自在に保持されている。
【0016】
伝達軸5は、両端部が軸受20および21によって回転自在に保持されており、軸部に入力軸3に固定された歯車8と噛合する歯車10と、出力軸4に固定された歯車9と噛合する歯車11とが嵌合固定されている。
【0017】
上記構成の歯車装置2では、モータMの回転駆動力は、入力軸3に入力され、歯車8および10を介して伝達軸5に伝達され、歯車11および9を介して出力軸4に出力される。
歯車装置2は、たとえば、工作機械の主軸への動力伝達に適用され、たとえば、出力軸4が主軸として使用される。
【0018】
滴下給油装置33は、ポンプとポンプを駆動するモータを有しており、ポンプに接続された配管33a,電磁弁41および分岐配管41a,41bを通じて、歯車潤滑用ノズル36および37に一定量の潤滑油を供給する。
軸受用噴霧給油装置31は、圧縮空気との混合によって霧化された潤滑油(以下、オイルミストmという)を所定の圧力で配管31aを通じて軸受潤滑用ノズル35に供給する。
歯車用噴霧給油装置32は、軸受用噴霧給油装置31と同一の構成とすることができ、オイルミストmを所定の圧力で配管32a、電磁弁42および分岐配管42a,42bを通じて歯車潤滑用ノズル36,37に供給する。
軸受用噴霧給油装置31,歯車用噴霧給油装置32および滴下給油装置33から供給される潤滑油の種類、粘度等は全て同じものを使用することも可能であるが、本実施形態では、歯車潤滑用ノズル36に潤滑油を供給する歯車用噴霧給油装置32および滴下給油装置33からの潤滑油は、軸受潤滑用ノズル35に潤滑油を供給する軸受用噴霧給油装置31で使用する潤滑油よりも粘度の高い潤滑油を使用する。
これは、上述したように、歯車は高速回転になるほど潤滑油が飛ばされやすくなるため、比較的粘度の高い潤滑油が必要となるが、軸受は、高速回転になるほど発熱量が増加するため、潤滑油の剪断による発熱を抑える目的で比較的粘度低い潤滑油が必要であるからである。このような潤滑油の選択により、歯車および軸受のより適切な潤滑が可能となる。
なお、軸受用噴霧給油装置31および歯車用噴霧給油装置32の具体的構成については後述する。
【0019】
歯車潤滑用ノズル36は、歯車箱61内で吹き出し口が歯車10に向くように歯車箱61に気密に設けられている。歯車潤滑用ノズル37は、歯車箱61内で吹き出し口が歯車11に向くように歯車箱61に気密に設けられている。
歯車潤滑用ノズル36および37は、滴下給油装置33から一定量の潤滑油が供給され、潤滑油を歯車10および11に滴下可能となっているとともに、歯車用噴霧給油装置32から供給されるオイルミストmを歯車10および11に噴霧可能となっている。
歯車潤滑用ノズル36および37の構造は、滴下給油装置33から供給される潤滑油を滴下される細孔およびオイルミストmを噴霧する噴霧口をそれぞれ備える構造を持つ構成とすることができ、また、潤滑油の滴下および噴霧を共通に行なう吹き出し口を備える構成とすることも可能である。
【0020】
軸受潤滑用ノズル35は、歯車箱61内に吹き出し口が気密に設けられており、軸受用噴霧給油装置31から配管31aを通じて供給されたオイルミストmを歯車箱61内に噴霧する。歯車箱61内に噴霧されたオイルミストmは、歯車箱61内に充満し、歯車箱61内の気圧を上昇させる。
歯車箱61内に充満したオイルミストmは、歯車箱61内に保持された軸受16、19、20、および21の保持部を通じて歯車箱61の外に排出される。
なお、本実施形態では、軸受潤滑用ノズル35は歯車装置1の1ヵ所にのみ設けて、複数の軸受の潤滑を行なう構成となっているが、全ての軸受16〜21に対してそれぞれ軸受潤滑用ノズル35を設ける構成とすることも可能である。
【0021】
電磁弁41は、配管33aと配管41aとの間に設けられ、制御装置51からの制御信号41sに応じて配管33aと配管41aとの間の管路を開閉する。
電磁弁42は、配管32aと配管42aとの間に設けられ、制御装置51からの制御信号42sに応じて配管32aと配管42aとの間の管路を開閉する。
制御装置51は、電磁弁41,42の開閉を行なう制御信号41s,42sを出力するが、制御装置51は、たとえば、工作機械の主軸を含めて他の軸の駆動制御を行なうNC装置から構成される。
【0022】
図2に軸受用噴霧給油装置31および歯車用噴霧給油装置32の一構成例を示す。
図2に示す噴霧給油装置は、水分離器81を通じて圧縮空気PAが導入され、電磁弁82および減圧弁83を通じて所定の圧力に調整された圧縮空気PAがエア温度調整器85に供給される。
エア温度調整器85では、所定の圧力に調整された圧縮空気PAの温度が所定の温度に調整され、エア温度調整器85からミスト発生器90に温度調整された圧縮空気PAが供給される。
一方、潤滑油Oを収容したタンク86の底部には、ヒータ88が設けられており、このヒータ88によって潤滑油Oが一定の温度に保たれる。
タンク86に収容された潤滑油Oは、オイル吸引管87を通じてミスト発生器90に供給される。
【0023】
ミスト発生器90では、それぞれ供給された圧縮空気PAと潤滑油Oとが混合され、オイルミストmが発生され、バッフル92を通じてオイルミストmがタンク86内に放出され、タンク86に連通する配管31a(32a)にオイルミストmが供給される。
ミスト発生器90は、タンク86からオイル吸引管87を通じて供給される潤滑油Oの供給量を調整するオイル調整ネジ90aを備えている。このオイル調整ネジ90aと圧縮空気PAの圧力を調整することにより、ミスト発生器90は、発生させるオイルミストmの粒径を調整可能であり、オイルミストmの供給量を調整可能である。
本実施形態においては、軸受潤滑用ノズル35にオイルミストmを配管31aを通じて供給する噴霧給油装置31は、オイルミストmの粒径が、たとえば、1μm〜数μmの比較的質量の小さなものを発生する。
歯車潤滑用ノズル36,37にオイルミストmを配管32aを通じて供給する噴霧給油装置32は、オイルミストmの粒径が、たとえば、10μm〜1mm程度の比較的質量の大きなものを発生する。
【0024】
タンク86には、タンク86内の圧力、すなわち、オイルミストmの配管31a(32a)への供給圧力を調整することが可能な圧力調整スイッチ91が設けられており、この圧力調整スイッチ91によって配管31a(32a)を通じた軸受潤滑用ノズル35および歯車潤滑用ノズル36,37へのオイルミストmの供給圧力を調節することができ、オイルミストmの供給量を調整することができる。
【0025】
次に、本実施形態に係る歯車装置の潤滑システムの動作の一例について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、工作機械の制御装置51側で、主軸(モータM)が起動されると(ステップS1)、軸受の潤滑が開始される(ステップS2)。
軸受の潤滑は、噴霧給油装置31からオイルミストmが配管31aを通じて軸受潤滑用ノズル35に供給されることによって行なわれ。
軸受潤滑用ノズル35から噴霧されたオイルミストmは、歯車箱61に充満し、全ての軸受16〜21を潤滑し、同時に各歯車8〜11にもオイルミストmは付着する。
所定の圧力のオイルミストmが歯車箱61内に供給されることにより、歯車箱61内の気圧が上昇する。工具による切削によって発生する熱を冷却するためのクーラントが主軸周辺で供給されるが、歯車箱61内の気圧が上昇しているため、クーラントが歯車箱61内に侵入することはない。
【0026】
主軸の起動と同時に、制御装置51からは電磁弁41および42に対して制御信号41s、42sが出力される(ステップS3)。
このときの制御信号41s、42sは、電磁弁41を開き、電磁弁42を閉じる信号である。
電磁弁41が開くことにより、歯車潤滑用ノズル36および37からは、滴下給油装置33から供給される潤滑油が歯車10および11に滴下される(ステップS4)。
低速で回転する歯車10および11には、歯車潤滑用ノズル36および37から滴下された潤滑油が十分な量付着し、歯車10と歯車8および歯車11と歯車9との噛合面の適切な潤滑が行なわれる。
【0027】
制御装置51では、モータMに装着された回転速度検出器TGの検出した回転速度に基づいて、主軸の回転速度、すなわち各歯車の回転速度が予め設定された所定の回転速度に達したか否かを判断しており(ステップS5)、所定の回転速度以下である場合には、歯車潤滑用ノズル36および37からの潤滑油の滴下が行なわれる。
主軸の回転速度が所定の回転速度よりも大きくなると、制御装置51は電磁弁41,42に対して制御信号を出力する(ステップS6)。
このときの制御信号は、電磁弁41を閉じ、電磁弁42を開く信号である。
電磁弁41が閉じ、電磁弁42が開くことにより、歯車潤滑用ノズル36および37からの潤滑油の滴下は停止し、これに代わって歯車潤滑用ノズル36および37からはオイルミストmが噴霧される(ステップS7)。
歯車潤滑用ノズル36および37から噴霧されるオイルミストmは、上述したように粒径が比較的大きく、質量が比較的大きいので、歯車8,11が高速回転していても、十分な量のオイルミストmが歯車の歯面の付着する。
オイルミストmがの粒径が比較的大きく、歯車8,11の歯面に付着しやすいことから、噴霧給油装置32で設定されるオイルミストmの供給圧力は比較的小さくてよく、歯車潤滑用ノズル36および37から吹き出される空気と歯車8,11との間に生じる騒音は発生しにくくなる。
【0028】
制御装置51では、主軸の回転速度が変化しないかを常時監視しており(ステップ8)、所定の回転速度以下となった場合には、制御信号を電磁弁41,41に出力して(ステップS9)、歯車潤滑用ノズル36および37からの潤滑油の供給を滴下に切り換える(ステップS10)。
【0029】
以上のような動作が主軸を起動している間中、繰り返し行なわれ、歯車装置2の全ての軸受16〜21は、比較的小さな粒径のオイルミストmによって潤滑され、各歯車は停止または低速時には潤滑油が滴下され、高速時には比較的粒径の大きなオイルミストmが噴霧されて潤滑される。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、歯車装置2に軸受16〜21を潤滑するための軸受潤滑用ノズル35と、歯車8〜11を潤滑するための歯車潤滑用ノズル36,37を別個に設けたことにより、軸受16〜21と歯車8〜11とに供給する潤滑油の粘度や種類を独立に設定したり、潤滑油の供給量をそれぞれ独立に設定できるため、軸受16〜21および歯車8〜11のより適切な潤滑が可能になる。
【0031】
また、本実施形態によれば、オイルミストmの粒径を歯車8〜11に供給する場合と軸受16〜21に供給する場合とで独立に設定でき、歯車潤滑用ノズル36,37からのオイルミストmの粒径を比較的大きくすることにより、歯車の高速回転時であってもオイルミストmを歯車に付着しやすくすることが可能である。
また、歯車8〜11のオイルミストmの噴霧および潤滑油の滴下による潤滑を歯車8〜11の回転速度に応じて選択することにより、歯車8〜11の停止、低速回転および高速回転に関わらず常に、歯車8〜11へ潤滑油を十分に供給することができる。
また、軸受16〜21および歯車8〜11を所定の圧力で供給されるオイルミストmによって潤滑をすることにより、歯車箱61内の圧力がオイルミストmの供給圧力によって昇圧され、外部からの歯車箱61へのクーラント等の液体の侵入が防止できる。
また、軸受専用の軸受潤滑用ノズル35を設けて、オイルミストmによって軸受を潤滑することにより、軸受に対して高い冷却効果が得られ、より高速回転に適した歯車装置の潤滑が可能になる。
また、歯車装置2の歯車および軸受をすべてオイルミストによって潤滑するわけではないので、オイルミストの必要量を削減することができ、ランニングコストを抑制できるとともに、周辺環境の汚染を抑制することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、高速回転される歯車装置の歯車および軸受の適切な潤滑が可能となる。
また、霧化された潤滑油を所定の圧力で供給する軸受用潤滑手段を具備することにより、軸受の高い冷却効果が得られる潤滑が可能となる。
また、歯車箱内へのクーラントの侵入を防止できる、噴霧潤滑における騒音の問題も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る歯車装置の潤滑システムの構成を示す図である。
【図2】噴霧給油装置の一構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る歯車装置の潤滑システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…歯車装置の潤滑システム
2…歯車装置
31…軸受用噴霧給油装置
32…歯車用噴霧給油装置
33…滴下給油装置
35…軸受潤滑用ノズル
36,37…歯車潤滑用ノズル
41,42…電磁弁
51…制御装置

Claims (2)

  1. 入力軸と出力軸との間の動力伝達を行なう複数の歯車と、前記入力軸と出力軸と歯車の軸とを保持する軸受と、前記軸受を保持し前記複数の歯車を収容する歯車箱とを有する歯車装置の潤滑装置であって、
    圧縮空気との混合によって霧化された潤滑油を所定圧力で前記歯車箱内に供給して前記軸受を潤滑する軸受潤滑手段と、
    前記軸受潤滑手段からの霧化された潤滑油の粒径よりも大きな粒径に霧化された所定圧力の潤滑油の前記歯車への直接噴霧および一定量の潤滑油の前記歯車への直接の滴下が可能な歯車潤滑手段と
    を有し、
    前記軸受潤滑手段は、
    記歯車箱内に吹き出し口が設けられ、霧化された潤滑油を噴出する軸受潤滑用ノズルと、
    滑油を圧縮空気との混合によって霧化して前記軸受潤滑用ノズルに供給する第1の噴霧給油手段と
    具備し、
    前記歯車潤滑手段は、
    車箱内に吹き出し口が設けられ、霧化された潤滑油を前記歯車に直接噴霧可能で、かつ一定量の潤滑油を前記歯車に直接滴下可能な歯車潤滑用ノズルと、
    滑油を圧縮空気との混合によって霧化して前記歯車潤滑用ノズルに供給する第2の噴霧給油手段と、
    定量の潤滑油を前記歯車潤滑用ノズルに供給する滴下給油手段と、
    前記歯車の停止時または所定の回転速度よりも低い回転時には前記滴下給油手段から、前記歯車の前記所定の回転速度以上の回転時には前記第2の噴霧給油手段から潤滑油を供給するように前記歯車潤滑用ノズルへの潤滑油の供給を選択的に切り換える切換手段と
    具備する
    歯車装置の潤滑装置。
  2. 入力軸と出力軸との間の動力伝達を行なう複数の歯車と、前記入力軸と出力軸と歯車の軸とを保持する軸受と、前記軸受を保持し前記複数の歯車を収容する歯車箱とを有する歯車装置の潤滑方法であって、
    前記歯車箱内に圧縮空気との混合によって霧化された所定の粒径の潤滑油を噴霧して前記軸受を潤滑し、
    前記歯車の停止時または所定の回転速度よりも低い回転時に、当該歯車に一定量の潤滑油を前記歯車に直接滴下し、前記歯車の前記所定の回転速度以上の回転時に前記軸受に噴霧する霧化された潤滑油よりも大きな粒径の霧化された潤滑油を当該歯車に直接噴霧して潤滑する
    歯車装置の潤滑方法。
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