JP4421382B2 - 水硬性組成物用分散剤組成物 - Google Patents

水硬性組成物用分散剤組成物 Download PDF

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本発明は、水硬性組成物用の分散剤組成物に関する。
コンクリート、モルタル、ペーストおよびセメントミルクなどの水硬性組成物にポリカルボン酸系分散剤を用いると、その空気連行性が大きいので、水硬性組成物中に連行される空気量を安定に制御することが課題となる。
特許文献1には、特定のポリオキシアルキレン化合物と、非イオン界面活性剤とを含有するセメント添加剤により、セメント組成物の空気量を安定化することが試みられている。
しかし、一般にポリカルボン酸系分散剤に用いられる消泡剤は油性が強く、水溶液系であるポリカルボン酸系液状分散剤に含有させ一液化するための検討がなされている。特許文献2には、分枝構造及び/又は不飽和結合とアニオン基とを有するポリエチレンオキシド誘導体と、非イオン性消泡剤とを含有するセメント組成物用消泡剤によりポリカルボン酸と消泡剤とを一液化する技術が開示されている。
特開平11−209153(請求項1、段落0005) 特開2002−356356(請求項1、段落0003)
近年、コンクリートに代表される水硬性組成物に使用される骨材は、従来国内で豊富に採取できた川砂利、川砂、陸砂等が枯渇しつつあり、砕石、砕砂さらには外国産細骨剤等に移行している。その結果、かかる骨材を使用した水硬性組成物中の空気連行性が従来以上に不安定となる傾向があり、これにポリカルボン酸系分散剤を使用すると、従来使用してきた消泡剤では対応できない場合が多くなっている。
本発明者等は、このような従来に比べ空気量が安定しない細骨材とポリカルボン酸系分散剤を使用した水硬性組成物に適した消泡剤について見直した結果、特定のポリエーテル系消泡剤が、水硬性組成物の空気量を極めて安定にすることを見出した。
しかし、このポリエーテル系消泡剤は、従来の消泡剤に比べて、油性が強く、ポリカルボン酸系分散剤水溶液との一液化が容易でないことも判明した。即ち、当該ポリエーテル系消泡剤は、ポリカルボン酸系分散剤水溶液中で分離し易く、分離を防止するためには、貯蔵タンクに撹拌装置を設置する必要があり、経済性や騒音面で問題が生じ、また、同様に水で所要の濃度に希釈する場合も分離するという問題を抱えている。特許文献1、2の技術でも、これらの課題を解決できない。
本発明の課題は、空気量が安定しない細骨材に適した特定の消泡剤とポリカルボン酸系分散剤とを含有する安定な一液型の水硬性組成物用の分散剤組成物を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で示される化合物(I)〔以下、(I)成分という〕、3〜6価の多価アルコール由来の基と1分子当たり平均3〜50個のオキシエチレン基とを有する非イオン界面活性剤(II)〔以下、(II)成分という〕、下記一般式(a1)で示されるポリアルキレングリコール付加単量体(a1)と、下記一般式(a2−1)で示される単量体及び下記一般式(a2−2)で示される単量体から選ばれる単量体(a2)とを構成単位として含む共重合体(A)〔以下、(A)成分という〕、並びに水を含有し、(I)と(II)の重量比が(I)/(II)=90/10〜70/30であり、(I)と(II)と(A)の重量比が、〔(I)+(II)〕/(A)=0.01/100〜5/100であり、(I)と(II)と(A)の合計の含有量(固形分として)が5〜40重量%である、水硬性組成物用分散剤組成物に関する。
RO[(EO)s(PO)t]H (1)
〔式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルアリール基であり、EOはエチレンオキサイド基、POはプロピレンオキサイド基であり、s、tは平均付加モル数で、0≦s≦10かつ1≦t≦20の範囲の数である。EOとPOはブロック状に付加してもランダム状に付加してもよい。〕
Figure 0004421382
〔式中、
R1、R2:水素原子又は−CH3
R3:水素原子又は−COO(AO)nX
A:炭素数2〜4のアルキレン基
X:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基
m:0〜2の数
n:平均付加モル数であり2〜300の数
p:0又は1の数
を示す。〕
Figure 0004421382
〔式中、
R4、R5、R6:同一でも異なっていても良く、水素原子、−CH3又は(CH2)rCOOM2であり、(CH2)rCOOM2はCOOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
M1、M2:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
r:0〜2の数
を示す。〕
Figure 0004421382
〔式中、
R7:水素原子又は−CH3
Z:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
を示す。〕
本発明によれば、特定の消泡剤とポリカルボン酸系分散剤とを含有する安定な一液型の水硬性組成物用の分散剤組成物が得られる。
先に述べた通り、(I)成分は、従来に比べ空気量が安定しない細骨材とポリカルボン酸系分散剤を使用した水硬性組成物に対して、安定に空気を連行できるものであるが、単独では、ポリカルボン酸系分散剤水溶液との一液化が容易でない。そこで、本発明者等は、濃厚なポリカルボン酸水溶液系に(I)成分を分散させることを試みた結果、(II)成分を極めて限定された条件下で併用することで、上記課題を解決するに至ったものである。
<(I)成分>
上記一般式(1)で表される化合物は、炭素数6〜22の高級アルコールやアルキルフェノール等にEO、PO等のアルキレンオキサイドを付加したものであるが、本発明では、空気量安定性の観点から、特にEOの平均付加モル数sが0≦s≦10の範囲にあるものが使用される。平均付加モル数sは、好ましくは0≦s≦5、更に好ましくは0≦s≦3の範囲である。又、POの平均付加モル数tは1≦t≦20の範囲にあるものが使用され、好ましくは1≦t≦15、更に好ましくは1≦t≦10の範囲である。更に、0≦s≦3且つ1≦t≦10の範囲のものが好ましく、特にs=0且つ3≦t≦6の範囲のものが好ましい。
また、一般式(1)中のRは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルアリール基であるが、Rとしては、炭素数8〜18、更に炭素数10〜16、特に炭素数12〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。
また、一般式(1)中の[(EO)s(PO)t]基がポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの混合形態の場合、EO基(C24O基)とPO基(C36O基)の付加形態はランダムでもブロックでもよい。また、乳化安定状態においての消泡性の観点から、化合物(I)は、一般式(1)中のEOとPOとがブロック状に付加した化合物であることが好ましい。なお、R基に結合するアルキレンオキサイド基は、EO、POのいずれが先であってもよい。
<(II)成分>
(II)成分は、(I)成分とポリカルボン酸系分散剤との一液化性の観点から、3〜6価の多価アルコール由来の基と1分子当たり平均3〜50個のオキシエチレン基とを有する非イオン界面活性剤であり、水酸基を3〜6個有する多価アルコールに、エチレンオキサイド(以下、EOと表記する)を平均で3〜50モル付加する、更には脂肪酸とエステル反応することで、或いは油脂にEOを付加することで得ることができる。1分子当たりのEOの平均付加モル数は、5〜40、10〜30が好ましい。
(II)成分としては、(1)糖アルコールのEO付加物もしくはその脂肪酸エステルの糖アルコール系非イオン界面活性剤、(2)糖のEO付加物もしくはその脂肪酸エステル等の糖系非イオン界面活性剤、及び(3)油脂のEO付加物から選ばれる一種以上が挙げられる。更には糖アルコールのEO付加物の脂肪酸エステル、油脂のEO付加物が、特にはこれらの併用が好ましい。
(1)糖アルコール系非イオン界面活性剤
糖アルコール系非イオン界面活性剤としては、糖アルコールのEO付加物、糖アルコールのEO付加物の脂肪酸エステルが挙げられる。ここで、糖アルコールとは、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース等の単糖類のアルデヒド基、ケトン基を還元して得られるアルコールであり、具体的には、トリオース由来のグリセリン、テトロース由来のエリトリット、トレイット、ペントース由来のアラビット、リビット、キシリット、ヘキソース由来のソルビット、マンニット、アルトリット、ガラクチット等が挙げられる。糖アルコールのEO付加物は、エーテル型の非イオン界面活性剤であるが、糖アルコール由来のエーテルエステル型の非イオン界面活性剤が更に好ましく、この場合、糖アルコールの一部の水酸基は脂肪酸とエステルを形成する。糖アルコールのEO付加物の脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数1〜24、好ましくは炭素数12〜18の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸が挙げられ、オレイン酸が好ましい。また、糖アルコールのエステル置換はモノ、セスキ、ジ、トリ等、エステル置換度は0から全ての−OHが置換されたものまでのどれでもよいが、エステル置換度は1〜3が好ましい。また、糖アルコールのEO付加物又はその脂肪酸エステルにおけるEOの平均付加モル数は3〜50、好ましくは5〜40、より好ましくは10〜30である。糖アルコール系非イオン界面活性性剤としては、糖アルコールのEO付加物の脂肪酸エステルが好ましく、中でもソルビトールのEO付加物の脂肪酸エステルが好ましい。
(2)糖系非イオン界面活性剤
糖系の非イオン界面活性剤としては、糖のEO付加物、糖のEO付加物の脂肪酸エステルが挙げられる。糖としては、上記糖アルコールで述べたような単糖類の他、しょ糖などの多糖類を用いることができ、糖のEO付加物におけるEO平均付加モル数も同様に、3〜50、好ましくは5〜40、より好ましくは10〜30である。エステルを構成する脂肪酸も上記で述べたものが使用できる。
(3)油脂のEO付加物
油脂のEO付加物の原料としての油脂の例としては、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、大豆油、菜種油、マニア油等の植物油、豚脂、牛脂等の動物油、魚油、これらの硬化油及び半硬化油、及び、これら油脂の精製工程で得られた回収油が挙げられる。これら油脂の中では硬化ヒマシ油が最も好ましい。油脂のEO付加物において、EOの平均付加モル数は3〜50、好ましくは5〜40、より好ましくは10〜30である。
本発明では、(II)成分として、ソルビトールのEO付加物の脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油EO付加物が好ましく、更にこれら両者の併用が好ましい。
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、一般式(a1)で示されるポリアルキレングリコール付加単量体(a1)と、一般式(a2)で示される単量体及び一般式(a3)で示される単量体から選ばれる単量体(a2)とを構成単位として含む共重合体であり、該共重合体は、ポリカルボン酸系分散剤として機能する。
(A)成分では、平均付加モル数nは、セメント分散性及び重合効率の観点から、2〜300モルである。セメント分散性の観点から、平均付加モル数nは2以上であり、5以上が好ましい。また、水硬性組成物の粘性を過度に大きくしない観点からnは100以下が好ましく、75以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、40以下がより更に好ましく、30以下が特に好ましい。
式(a1)中の平均n個のAOは、同一でも異なっていても良く、異なる場合はランダム付加でも、ブロック付加でも良い。
ポリアルキレングリコールの重合効率を考慮すると、平均付加モル数nは300以下であることが必要で、150以下が好ましく、130以下がより好ましい。
セメント分散性と水硬性組成物の物性の観点から、一般式(a1)中の平均付加モル数nは2〜50が好ましく、2〜40がより好ましく、5〜30がさらに好ましく、5〜20が特に好ましい。
本発明の(A)成分である共重合体では、単量体(a2)は、(a1)と(a2)の合計中の比率(以下、該比率をxと表記する)(a2)/〔(a1)+(a2)〕×100が2〜50重量%であることが好ましい。さらに一般式(a1)中のnに対して、2≦n≦75の場合、5≦x≦50が好ましく、75<n≦150の場合、2≦x≦30が好ましい。
本発明では、(A)成分として、nが異なる複数の共重合体を使用することもできる。また、平均付加モル数nが2〜300の範囲外の共重合体を使用することもできる。複数の共重合体を使用する場合、全体の平均付加モル数の平均値nAVが上記で説明したnと同様の範囲にあることが好ましい。更には、共重合体が単一、複数であるかにかかわらず、最終組成物における炭素数2〜4のアルキレンオキサイドの付加モル数の平均値が上記nの範囲にあることがより好ましい。平均値nAVは後述の実施例の計算方法に準じて算出できる。
(A)成分の共重合体は単独で使用してもよいが、好ましくはxの異なる2以上を混合することである。特に、xの異なる2つ又は3つの共重合体を用いるのが好ましい。
xの異なる2つの共重合体を使用する場合、一方のxをxi、他方のxをxiiとすると、両方の共重合体が2≦n≦75である場合、5≦xi<14且つ14≦xii<40であることが好ましく、より好ましくは10≦xii≦30であり、両方の共重合体が75<n≦150である場合、2≦xi<5、5≦xii<15であることが好ましく、より好ましくは、5≦xii≦10である。
また、xの異なる3つの共重合体を使用する場合、各共重合体のxをそれぞれ、xi、xii、xiiiとすると、全ての共重合体が2≦n≦75である場合、5≦xi<14、14≦xii≦21、21<xiii≦40であることが好ましく、全ての共重合体が75<n≦150である場合、2≦xi<5、5≦xii≦10、10<xiii≦30であることが好ましい。
単量体(a1)の具体例として、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端低級アルキル基封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化合物、及び、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物が好ましく用いられ、一般式(a1)中のR3は水素原子が好ましく、p=1、m=0が好ましい。アルキレンオキサイド(式(a1)中のAO基)はオキシエチレン基が好ましい。より好ましくはアルコキシ、特に好ましくはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。
式(a2−1)で表される単量体として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸系単量体、又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、好ましくは、(メタ)アクリル酸又はこれらのアルカリ金属塩である。
式(a2−2)で表される単量体として、(メタ)アリルスルホン酸又はこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
単量体(a2)は、共重合体の分子量制御の観点より、式(a2−1)で表される単量体のみを使用することが更に好ましい。
共重合体を構成する単量体混合物中の単量体(a1)と単量体(a2)の合計量は50重量%以上、特には80重量%以上、更には100重量%が好ましい。単量体(a1)と単量体(a2)以外の共重合可能な単量体として、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等が挙げられる。
本発明に係る共重合体は、公知の方法で製造することができる。例えば、特開平11-157897号公報の溶液重合法が挙げられ、水や炭素数1〜4の低級アルコール中、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の重合開始剤存在下、要すれば、亜硫酸ナトリウムやメルカプトエタノール等を添加し、50〜100℃で0.5〜10時間反応させればよい。
本発明の(A)成分の共重合体は、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/標準物質ポリスチレンスルホン酸ナトリウム換算/水系)が10000〜100000、特に10000〜80000の範囲が好ましい。
<分散剤組成物>
本発明の分散剤組成物では、(I)成分と(II)成分の重量比は、(I)/(II)=90/10〜70/30であり、(I)成分及び(II)成分の乳化性と、製剤化の乳化安定性の点から、(I)/(II)=70/30〜80/20が好ましい。
また、本発明の分散剤組成物では、(I)成分と(II)成分と(A)成分の重量比は、〔(I)+(II)〕/(A)=0.01/100〜5/100であり、コンクリート空気量の経時安定性の観点から、〔(I)+(II)〕/(A)=0.05/100〜0.5/100が好ましい。
また、本発明の分散剤組成物では、(I)成分と(II)成分と(A)成分の合計の含有量(固形分として)は、5〜40重量%であり、計量精度とハンドリングの観点から、10〜30重量%が好ましい。
本発明の分散剤組成物は、組成物の安定性を損なわない限り、(I)成分、(II)成分、(A)成分以外の添加剤(材)を含有することもできる。例えば、樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、アルカンスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル(塩)、蛋白質材料、アルケニルコハク酸、α−オレフィンスルホネート等のAE剤;遅延剤;起泡剤;増粘剤;珪砂;AE減水剤;塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、沃化カルシウム等の可溶性カルシウム塩、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物等、硫酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸塩、チオ硫酸塩、蟻酸(塩)、アルカノールアミン等の早強剤又は促進剤;発泡剤;樹脂酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等の防水剤;高炉スラグ;流動化剤;防泡剤;フライアッシュ;高性能減水剤;シリカヒューム;亜硝酸塩、燐酸塩、酸化亜鉛等の防錆剤;(メタ)アクリル酸アルキル等の高分子エマルジョンが挙げられる。
本発明の分散剤組成物は、生コンクリート、コンクリート振動製品分野の外、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、石膏スラリー用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、グラウト用、寒中用等の種々のコンクリートの何れの分野においても有用である。
本発明の分散剤組成物は、千葉県佐原産山砂、千葉県君津産陸砂、紀ノ川産川砂、埼玉県岩瀬産砕砂などの比較的空気量が安定な骨材を用いた水硬性組成物はもとより、宝塚産砕砂、中国福建省ミン江産川砂、瀬戸内産海砂、埼玉県津久見産石灰砕砂、高知県鳥潟産石灰砕砂、滋賀県琵琶湖産湖底砂、栃木県葛生産石灰砕砂といった従来の消泡剤では空気量の安定性に劣る骨材を用いた水硬性組成物に対しても、安定な空気連行性を付与することができる。
実施例1〜22及び比較例1〜11
表1の(I)成分、表2の(II)成分を表3の比率で用いて表3に示す消泡剤組成物を調製し、該消泡剤組成物10gを水100mlに乳化させ、内径10mmの目盛り付き試験管に30ml入れる。これを、上面を開放した状態で30℃で30日放置後、上面に浮遊した油分を測定し、下記の基準で乳化性を判定した。結果を表3に示す。
◎:0.5ml以下
○:0.5mlを超え1ml以下
△:1mlを超え2ml以下
×:2ml以上
また、下記の(A)成分1000gに、表3の組成の上記消泡剤組成物2gを添加した液状分散剤組成物を調製し、上記同様に、内径10mmの目盛り付き試験管に該分散剤組成物を30ml入れる。これを、上面を開放した状態で30℃で30日放置後、上面に浮遊した油分を測定し、下記の基準で一液化の程度を判定した。結果を表3に示す。なお、表3中、[(I)+(II)]/(A)重量比、及び(I)+(II)+(A)の重量%は、それぞれ固形分での比率である。
◎:0.1ml以下
○:0.1mlを超え0.5ml以下
△:0.5mlを超え1ml以下
×:1ml以上
なお、ここで用いた(A)成分は、
(イ)メタノールEO(EOp5)付加物・メタクリル酸モノエステル/メタクリル酸(76.8/23.2重量比)共重合体ナトリウム塩(Mw23000)を50重量%、
(ロ)メタノールEO(EOp10)付加物・メタクリル酸モノエステル/メタクリル酸(80.2/19.8重量比)共重合体ナトリウム塩(Mw45000)を40重量%、
(ハ)メタノールEO(EOp18)付加物・メタクリル酸モノエステル/メタクリル酸(87.7/12.3重量比)共重合体ナトリウム塩(Mw56000)を10重量%、
含有する共重合体混合物である。なお、EOpはエチレンオキサイド平均付加モル数であり、Mwは重量平均分子量である。当該共重合体混合物のnAVは、7.2であった。これは、以下の式により算出した。
Figure 0004421382
Figure 0004421382
Figure 0004421382
Figure 0004421382
<試験例>
表4に示す細骨材(S)と粗骨材(G)と、上記実施例5で調製した消泡剤及び市販の消泡剤等を用いて、表5に示すコンクリート配合条件に対してコンクリート試験を行なった。細骨材のうち、S1は経時的な空気量が安定なもの、S2、S3は経時的な空気量が不安定なものである。コンクリートの練り混ぜは、50リットル傾胴ミキサーを用い、30リットル分の材料を32rpmで180秒混練(アジテータは2rpm)して行った。粗骨材、細骨材、セメント、(A)成分〔実施例1等で用いた共重合体混合物〕、消泡剤を含んだ混練り水を加え、上記条件で練り混ぜを行ない排出したフレッシュコンクリートについて、日本工業規格(スランプ:JIS A 1101)に準拠してスランプ値を測定した。その際、AE剤(マイテイ−AE−23、花王株式会社製)を用いて、空気量を5.0体積%にした。試験は20℃に温度管理された実験室で行なった。スランプ値と空気量は経時的に測定し、安定性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0004421382
表4中、細骨材(S)の密度、吸水率はJIS A 1109により、また粗骨材(G)の密度、吸水率はJIS A 1110により、またFMはJIS A 1102により測定したものである。
Figure 0004421382
表5中、(A)成分の重量%は、対セメント固形分重量%である。また、消泡剤の重量%は、対(A)成分固形分重量%である。また、消泡剤の市販品は、フォームレックス797(日華化学社)である。また、W/Cは(Wの単位重量/Cの単位重量)×100により、s/aは〔S体積/(S体積+G体積)〕×100により算出される。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物(I)、3〜6価の多価アルコール由来の基と1分子当たり平均3〜50個のオキシエチレン基とを有する非イオン界面活性剤(II)、下記一般式(a1)で示されるポリアルキレングリコール付加単量体(a1)と、下記一般式(a2−1)で示される単量体及び下記一般式(a2−2)で示される単量体から選ばれる単量体(a2)とを構成単位として含む共重合体(A)、並びに水を含有し、(I)と(II)の重量比が(I)/(II)=90/10〜70/30であり、(I)と(II)と(A)の重量比が、〔(I)+(II)〕/(A)=0.05/100〜0.5/100であり、(I)と(II)と(A)の合計の含有量(固形分として)が5〜40重量%である、水硬性組成物用分散剤組成物。
    RO[(EO)s(PO)t]H (1)
    〔式中、Rは炭素数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルアリール基であり、EOはエチレンオキサイド基、POはプロピレンオキサイド基であり、s、tは平均付加モル数で、0≦s≦10かつ1≦t≦20の範囲の数である。EOとPOはブロック状に付加してもランダム状に付加してもよい。〕
    Figure 0004421382

    〔式中、
    R1、R2:水素原子又は−CH3
    R3:水素原子又は−COO(AO)nX
    A:炭素数2〜4のアルキレン基
    X:水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基
    m:0〜2の数
    n:平均付加モル数であり2〜300の数
    p:0又は1の数
    を示す。〕
    Figure 0004421382

    〔式中、
    R4、R5、R6:同一でも異なっていても良く、水素原子、−CH3又は(CH2)rCOOM2であり、(CH2)rCOOM2はCOOM1又は他の(CH2)rCOOM2と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM1、M2は存在しない。
    M1、M2:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    r:0〜2の数
    を示す。〕
    Figure 0004421382

    〔式中、
    R7:水素原子又は−CH3
    Z:水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基又は置換アルキルアンモニウム基
    を示す。〕
  2. 化合物(I)が、一般式(1)中のEOとPOとがブロック状に付加した化合物である請求項1記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  3. 非イオン界面活性剤(II)が、糖アルコールのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル及び油脂のエチレンオキサイド付加物から選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  4. 非イオン界面活性剤(II)のエチレンオキサイド平均付加モル数が5〜40である請求項1〜3の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  5. 化合物(I)と非イオン界面活性剤(II)の重量比が、(I)/(II)=70/30〜80/20である請求項1〜4の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
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