JP4421264B2 - 膜−電極構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子型燃料電池に用いられる膜−電極構造体の製造方法に関するものである。
石油資源が枯渇化する一方、化石燃料の消費による地球温暖化等の環境問題が深刻化している。そこで、二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源として燃料電池が注目されて広範に開発され、一部では実用化され始めている。前記燃料電池を自動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やすいことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池が好適に用いられる。
前記固体高分子型燃料電池に用いる膜−電極構造体として、図4示のように、白金等の触媒がカーボンブラック等の炭素粒子に担持された触媒粒子がイオン伝導性高分子バインダーにより一体化されることにより形成されている一対の電極触媒層3,3を備え、両電極触媒層3,3の間にイオン導伝可能な高分子電解質膜1を挟持すると共に、各電極触媒層3,3の上に、拡散電極5,5を積層した膜−電極構造体10が知られている。前記膜−電極構造体10は、さらに各拡散電極5,5の上に、ガス通路を兼ねたセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成する。
前記固体高分子型燃料電池では、一方の電極触媒層3を燃料極として該燃料極側の拡散電極5を介して水素、メタノール等の還元性ガスを導入し、他方の電極触媒層3を酸素極として該酸素極側の拡散電極5を介して空気、酸素等の酸化性ガスを導入する。このようにすると、燃料極側では、前記電極触媒層3に含まれる触媒の作用により、前記還元性ガスからプロトンが生成し、前記プロトンは高分子電解質膜1を介して、前記酸素極側の電極触媒層3に移動する。そして、前記プロトンは、前記酸素極側の電極触媒層3で、該電極触媒層3に含まれる触媒の作用により、該酸素極に導入される前記酸化性ガスと反応して水を生成する。従って、前記燃料極と酸素極とを導線により接続することにより電流を取り出すことができる。
ところで、膜−電極構造体10では、拡散電極4を形成するカーボンペーパー5は炭素繊維をシート状に形成したものであり、表面に凹凸が形成されているために、該カーボンペーパー5を電極触媒層3に直接積層したのでは、カーボンペーパー5と電極触媒層3との間で十分な密着性が得られない。そこで、カーボンペーパー5上に、カーボンブラック等の電子伝導性材料とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子等の撥水性材料とを含む下地層6を形成して拡散電極4の表面の凹凸を低減し、下地層6を介して電極触媒層3に積層し、加熱下に押圧することにより、膜−電極構造体10が製造されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来の製造方法では、下地層6により拡散電極4の表面の凹凸を低減する効果が不十分であり、電極触媒層3と拡散電極5との間で十分な密着性を得ることができないことがあるとの不都合がある。前記電極触媒層3と前記拡散電極5との間で十分な密着性を得ることができないと、前記膜−電極構造体10を用いて固体高分子型燃料電池を構成したときに、抵抗過電圧が大きくなり、発電性能が低減する。
特開平3−84866号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、電極触媒層と拡散電極との間で優れた密着性を得ることができる膜−電極構造体の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の膜−電極構造体の製造方法は、触媒を担持した電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む触媒ペーストをシート状支持体上に塗布し、乾燥させて、電極触媒層を形成する工程と、高分子電解質膜の両面に該電極触媒層を熱転写し、該高分子電解質膜の両面に該電極触媒層が接合された積層体を形成する工程と、撥水性材料と電子伝導性材料とを含む第1のスラリーを炭素基材層上に塗布し、乾燥させて、第1の下地層を形成し、次いで電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む第2のスラリーを該第1の下地層上に塗布し、乾燥させて、表面粗さの最大高さRmaxが40μm以下である第2の下地層を形成して、該炭素基材と両下地層とからなる拡散電極を形成する工程と、該積層体の該電極触媒層上に、予め形成された該拡散電極を、該第2の下地層を介して積層し加熱下に押圧して、該積層体と該拡散電極とを一体化する工程とを備え、両下地層は、該拡散電極の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときに、該拡散電極の一方の面と他方の面との差圧が0.98〜2.94kPaの範囲になるように形成されることを特徴とする。
本発明の製造方法では、拡散電極を形成する際に、まず、炭素基材層上に第1の下地層を形成し、さらに該第1の下地層上に第2のスラリーを塗布し、乾燥させて、第2の下地層を形成する。前記第2の下地層は、前記第1の下地層上に塗布して、乾燥させることにより、該第1の下地層との間で優れた密着性を得ることができる。また、前記第2の下地層は、電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含むので、表面粗さの最大高さRmaxが40μm以下になるようにすることができ、前記拡散電極表面の凹凸を十分に低減することができる。
次に、本発明の製造方法では、前述のように予め前記第1の下地層の上に前記第2の下地層を形成した拡散電極を、該第2の下地層を介して前記電極触媒層に積層し、加熱下に押圧する。前記拡散電極の表面は、前記第2の下地層により凹凸が低減されているので、前述のように前記第2の下地層を介して前記電極触媒層に積層し、加熱下に押圧することにより、該電極触媒層と確実に接合することができ、該拡散電極と該電極触媒層との間で優れた密着性を得ることができる。
前記第2の下地層は、表面粗さの最大高さRmaxが40μmを超えるときには、前記拡散電極表面の凹凸を低減する効果を十分に得ることができない。
また、前記両下地層は、前記拡散電極の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときに、該拡散電極の一方の面と他方の面との差圧が0.98〜2.94kPaの範囲になるように形成される。本発明の製造方法によれば、前記差圧が前記範囲にあるときに、前記拡散電極表面の凹凸を低減して、該拡散電極と前記電極触媒層との間の密着性に優れた膜−電極構造体を得ることができる。
前記差圧が0.98kPa未満であるときには、前記第2のスラリーの塗布量が少なく、前記拡散電極表面の凹凸を低減する効果を十分に得ることができない。また、前記差圧が2.94kPaを超えるときには、前記第2のスラリーの塗布量は十分であり、前記拡散電極表面の凹凸を十分に低減することができるが、該拡散電極のガス拡散性が低くなり、形成された該膜−電極構造体により十分な発電性能が得られない。
また、本発明の製造方法は、前記第2の下地層が、単位面積に対する表面積の比が1.25以下である表面粗さを備えることを特徴とする。前記第2の下地層は、前記表面粗さを備えることにより、さらに確実に前記拡散電極表面の凹凸を低減することができる。前記第2の下地層が、単位面積に対する表面積の比が1.25を超える表面粗さを備えるときには、前記拡散電極表面の凹凸を低減する効果を十分に得ることができないことがある。
また、本発明の製造方法は、前記第2のスラリーが細孔形成材料を含むことを特徴とする。前記細孔形成材料としては、炭素繊維等を挙げることができる。前記細孔形成材料を含む前記第2のスラリーを前記第1の下地層上に塗布して、乾燥させることにより、前記炭素繊維同士の間に細孔が形成された前記第2の下地層を得ることができ、該細孔を介して前記還元性ガスまたは酸化性ガスを拡散させることができる。
また、本発明は、前記製造方法により得られた膜−電極構造体を用いる固体高分子型燃料電池にもある。本発明の固体高分子型燃料電池は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電気機器の電源、バックアップ電源等として用いることができる。また、本発明の固体高分子型燃料電池は、例えば、自動車、潜水艦等の船舶等の輸送用機器の動力等としても用いることができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の膜−電極構造体の製造方法を模式的に示す製造工程図であり、図2は本実施形態の膜−電極構造体の発電性能を示すグラフ、図3は本実施形態の膜−電極構造体の拡散電極の差圧と発電性能との関係を示すグラフである。
本実施形態の製造方法では、まず、スルホン化ポリアリーレン系ポリマーを調製する。尚、本明細書では、「スルホン化ポリアリーレン系ポリマー」とは、次式の構成を備えるポリマーのスルホン化物を意味する。
Figure 0004421264

前記2価の有機基としては、−CO−、−CONH−、−(CF−(pは1〜10の整数)、−C(CF−、−COO−、−SO−、−SO−等の電子吸引性基、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−等の基、さらに次式で表される電子供与性基等を挙げることができる。
Figure 0004421264

また、前記2価の電子吸引性基としては、−CO−、−CONH−、−(CF−(pは1〜10の整数)、−C(CF−、−COO−、−SO−、−SO−等の基を挙げることができる。
前記スルホン化ポリアリーレン系ポリマーは、例えば、式(1)で表されるポリアリーレン系ポリマーに濃硫酸を加えてスルホン化することにより調製することができる。
Figure 0004421264

式(1)において、m:n=0.5〜100:99.5〜0であり、lは1以上の整数である。
式(1)で表されるポリアリーレン系ポリマーは、例えば、次のようにして調製することができる。まず、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3重量部、4,4’−ジクロロベンゾフェノン53.5重量部、炭酸カリウム34.6重量部を、N,N−ジメチルアセトアミドとトルエンとの混合溶媒中、窒素雰囲気下で加熱し、撹拌しながら130℃で反応させる。反応により生成する水をトルエンと共沸させて系外に除去しながら、水の生成が殆ど認められなくなるまで反応させた後、反応温度を徐々に150℃まで上げてトルエンを除去する。150℃で10時間反応を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン3.3重量部を加え、さらに5時間反応させる。
得られた反応液を冷却後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過して除去し、濾液をメタノール中に投入する。沈殿した生成物を濾別、回収して乾燥後、テトラヒドロフランに溶解する。これをメタノールで再沈殿することにより、次式(2)で表されるオリゴマーが得られる。前述のようにして得られる式(2)のオリゴマーでは、lの平均値は、例えば、18.9である。
Figure 0004421264

次に、式(2)で表されるオリゴマー28.4重量部、2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン29.2重量部、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.37重量部、ヨウ化ナトリウム1.36重量部、トリフェニルホスフィン7.34重量部、亜鉛末11.0重量部をフラスコに取り、乾燥窒素置換する。次に、N−メチル−2−ピロリドンを加え、80℃に加熱して撹拌下に4時間重合を行う。重合溶液をテトラヒドロフランで希釈し、塩酸/メタノールで凝固させ回収する。回収物に対してメタノール洗浄を繰り返し、テトラヒドロフランに溶解する。これをメタノールで再沈殿して精製し、濾集したポリマーを真空乾燥することにより、式(1)で表されるポリアリーレン系ポリマーが得られる。
式(1)で表されるポリアリーレン系ポリマーのスルホン化は、例えば、該ポリアリーレン系ポリマーに96%硫酸を加え、窒素気流下に24時間撹拌することにより行うことができる。
前記スルホン化ポリアリーレン系ポリマーとして、式(1)で表されるポリアリーレン系ポリマーのスルホン化物に代えて、次式(3)で表されるスルホン化ポリアリーレン系ポリマーを用いてもよい。
Figure 0004421264

式(3)で表される共重合体は、次式(4)で表されるモノマーと、前記式(2)で表されるオリゴマーとを共重合させた後、スルホン酸エステル基(−SO3CH(CH3)C25)を加水分解してスルホン酸基(−SO3H)とすることにより得ることができる。
Figure 0004421264

本実施形態の製造方法では、次に、前記スルホン化ポリアリーレン系ポリマーをN−メチルピロリドン等の溶媒に溶解して、高分子電解質溶液を調製する。そして、前記高分子電解質溶液からキャスト法により成膜し、オーブンにて乾燥することにより、図1(a)に示すように、例えば乾燥膜厚30〜50μmの高分子電解質膜1を形成する。
次に、白金等の触媒をカーボンブラック(ファーネスブラック)等の電子伝導性材料に、例えば触媒:電子伝導性材料=1:1の重量比で担持させて触媒粒子を調製する。次に、前記触媒粒子を、イオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品名))溶液に、例えば触媒粒子:イオン伝導性材料=1:1の重量比で均一に分散させることにより、触媒ペーストを調製する。
次に、図1(b)示のフッ素樹脂系離型フィルム2上に、前記触媒ペーストを触媒量が例えば0.5mg/cmとなるようにスクリーン印刷し、例えば100℃の温度で30分間乾燥させて、電極触媒層3を形成する。次に、図1(c)示のように、高分子電解質膜1を一対の電極触媒層3,3で挟持し、フッ素樹脂系離型フィルム2上からホットプレスする。
前記ホットプレスは、例えば、100〜150℃の範囲の温度で、1〜5MPaの範囲の面圧を掛け、5〜30分間行う。この結果、電極触媒層3が高分子電解質膜1側に転写され、高分子電解質膜1と接合される。次いで、フッ素樹脂系離型フィルム2を剥離すると、図1(d)示のように、高分子電解質膜1が一対の電極触媒層3,3で挟持された積層体4が得られる。
次に、図1(e)示の拡散電極5を形成する。拡散電極5の形成は、まず、撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子と、電子伝導性材料としてのカーボンブラックとを、例えば撥水性材料:電子伝導性材料=6:4の重量比で混合して得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させることにより、第1のスラリーを調製する。そして、前記第1のスラリーを、炭素基材層としてのカーボンペーパー6上に塗布して、乾燥させることにより、例えば乾燥膜厚10〜40μmの第1の下地層7を形成する。
次に、電子伝導性材料としてのカーボンブラックと、細孔形成材料としての炭素繊維(例えば、昭和電工株式会社製VGCF(商品名))とを、イオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品名))溶液に添加して、例えば電子伝導性材料:細孔形成材料:イオン伝導性材料=1:1:1の重量比で混合し、超音波を例えば10分間照射して均一に分散させることにより、第2のスラリーを調製する。そして、前記第2のスラリーを、第1の下地層7上に塗布して、例えば100℃の温度で30分間乾燥させることにより、例えば乾燥後の塗布量が0.1〜1.2mg/cmの第2の下地層8を形成する。
この結果、カーボンペーパー6上に第1の下地層7を備え、下地層7上にさらに第2の下地層8を備える拡散電極5が形成される。前記下地層8は、前記炭素繊維を含む前記第2のスラリーにより形成されているので、該炭素繊維間の間隙に細孔が形成された多孔質体となっている。
拡散電極5が形成されたならば、次に図1(f)に示すように、拡散電極5を、第2の下地層8を介して電極触媒層3に積層し、カーボンペーパー6上からホットプレスする。前記ホットプレスは、例えば、100〜150℃の範囲の温度で、1〜5MPaの範囲の面圧を掛け、5〜30分間行う。この結果、拡散電極5が第2の下地層8を介して電極触媒層3に接合された膜−電極構造体9が得られる。
次に、式(1)で表されるポリアリーレン系ポリマーのスルホン化物を用い、第2の下地層8の乾燥後の塗布量を0.35mg/cmとした膜−電極構造体9(実施例1)、該塗布量を0.70mgとした膜−電極構造体9(実施例2)、第2の下地層8を全く形成していない図4示の膜−電極構造体10(比較例1)について、表面粗さの最大高さRmax、単位面積に対する表面積の比、拡散電極4の厚さ方向に0.5リットル/cm/分の流量で空気を流通したときの該拡散電極4の一方の面と他方の面との差圧を測定した。結果を表1に示す。
また、前記実施例1,2の膜−電極構造体9と、比較例1の膜−電極構造体10とを用いて発電を行った。このときの電流密度に対する端子電圧の変化を図2に示す。
Figure 0004421264
図2のように、第2の下地層8を形成した膜−電極構造体9(実施例1,2)において優れた発電性能が得られることから、膜−電極構造体9では、電極触媒層3と拡散電極5との間で優れた密着性が得られていることが明らかである。
次に、第2の下地層8の乾燥後の塗布量を0〜12mg/cm の範囲で変量して、拡散電極4の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときの該拡散電極4の一方の面と他方の面との差圧が0.49〜3.43kPaの範囲で変量された膜−電極構造体9を製造して、発電を行った。前記各膜−電極構造体9について、前記差圧と、電流密度0.7A/cm、1.4A/cmのときの端子電圧との関係を図3に示す。
図3から、前記差圧が0.98〜2.94kPaの範囲にある膜−電極構造体9によれば、前記差圧が0.98kPa未満または2.94kPaを超える膜−電極構造体9よりも優れた発電性能を得ることができることが明らかである。
尚、本実施形態では、スルホン化ポリアリーレン系ポリマーからなる高分子電解質膜1を用いる場合を例として説明しているが、高分子電解質膜1はイオン伝導性を備える高分子体であればよく、このような高分子体として例えばパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品名))等を挙げることができる。
本発明の膜−電極構造体の製造方法の一例を模式的に示す製造工程図。 本発明の膜−電極構造体の発電性能の一例を示すグラフ。 本発明の膜−電極構造体の発電性能の一例を示すグラフ。 従来の膜−電極構造体の一構成例を示す説明的断面図。
符号の説明
1…高分子電解質膜、 2…シート状支持体、 3…電極触媒層、 4…積層体、 5…拡散電極、 6…炭素基材層、 7…第1の下地層、 8…第2の下地層、 9…膜−電極構造体。

Claims (6)

  1. 触媒を担持した電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む触媒ペーストをシート状支持体上に塗布し、乾燥させて、電極触媒層を形成する工程と、
    高分子電解質膜の両面に該電極触媒層を熱転写し、該高分子電解質膜の両面に該電極触媒層が接合された積層体を形成する工程と、
    撥水性材料と電子伝導性材料とを含む第1のスラリーを炭素基材層上に塗布し、乾燥させて、第1の下地層を形成し、
    次いで電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む第2のスラリーを該第1の下地層上に塗布し、乾燥させて、表面粗さの最大高さRmaxが40μm以下である第2の下地層を形成して、
    該炭素基材と両下地層とからなる拡散電極を形成する工程と、
    該積層体の該電極触媒層上に、予め形成された該拡散電極を、該第2の下地層を介して積層し加熱下に押圧して、該積層体と該拡散電極とを一体化する工程とを備え
    両下地層は、該拡散電極の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときに、該拡散電極の一方の面と他方の面との差圧が0.98〜2.94kPaの範囲になるように形成されることを特徴とする膜−電極構造体の製造方法。
  2. 前記第2の下地層は、単位面積に対する表面積の比が1.25以下である表面粗さを備えるように形成されることを特徴とする請求項1記載の膜−電極構造体の製造方法。
  3. 前記第2のスラリーは細孔形成材料を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の膜−電極構造体の製造方法。
  4. 触媒を担持した電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む触媒ペーストをシート状支持体上に塗布し、乾燥させて、電極触媒層を形成する工程と、
    高分子電解質膜の両面に該電極触媒層を熱転写し、該高分子電解質膜の両面に該電極触媒層が接合された積層体を形成する工程と、
    撥水性材料と電子伝導性材料とを含む第1のスラリーを炭素基材層上に塗布し、乾燥させて、第1の下地層を形成し、次いで電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む第2のスラリーを該第1の下地層上に塗布し、乾燥させて、表面粗さの最大高さRmaxが40μm以下である第2の下地層を形成して、該炭素基材と両下地層とからなる拡散電極を形成する工程と、
    該積層体の該電極触媒層上に、予め形成された該拡散電極を、該第2の下地層を介して積層し加熱下に押圧して、該積層体と該拡散電極とを一体化する工程とを備え
    両下地層は、該拡散電極の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときに、該拡散電極の一方の面と他方の面との差圧が0.98〜2.94kPaの範囲になるように形成される製造方法により得られる膜−電極構造体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  5. 触媒を担持した電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む触媒ペーストをシート状支持体上に塗布し、乾燥させて、電極触媒層を形成する工程と、
    高分子電解質膜の両面に該電極触媒層を熱転写し、該高分子電解質膜の両面に該電極触媒層が接合された積層体を形成する工程と、
    撥水性材料と電子伝導性材料とを含む第1のスラリーを炭素基材層上に塗布し、乾燥させて、第1の下地層を形成し、次いで電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む第2のスラリーを該第1の下地層上に塗布し、乾燥させて、表面粗さの最大高さRmaxが40μm以下である第2の下地層を形成して、該炭素基材と両下地層とからなる拡散電極を形成する工程と、
    該積層体の該電極触媒層上に、予め形成された該拡散電極を、該第2の下地層を介して積層し加熱下に押圧して、該積層体と該拡散電極とを一体化する工程とを備え
    両下地層は、該拡散電極の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときに、該拡散電極の一方の面と他方の面との差圧が0.98〜2.94kPaの範囲になるように形成される製造方法により得られる膜−電極構造体を備える固体高分子型燃料電池を用いることを特徴とする電気機器。
  6. 触媒を担持した電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む触媒ペーストをシート状支持体上に塗布し、乾燥させて、電極触媒層を形成する工程と、
    高分子電解質膜の両面に該電極触媒層を熱転写し、該高分子電解質膜の両面に該電極触媒層が接合された積層体を形成する工程と、
    撥水性材料と電子伝導性材料とを含む第1のスラリーを炭素基材層上に塗布し、乾燥させて、第1の下地層を形成し、次いで電子伝導性材料とイオン伝導性材料とを含む第2のスラリーを該第1の下地層上に塗布し、乾燥させて、表面粗さの最大高さRmaxが40μm以下である第2の下地層を形成して、該炭素基材と両下地層とからなる拡散電極を形成する工程と、
    該積層体の該電極触媒層上に、予め形成された該拡散電極を、該第2の下地層を介して積層し加熱下に押圧して、該積層体と該拡散電極とを一体化する工程とを備え
    両下地層は、該拡散電極の厚さ方向に0.5リットル/cm /分の流量で空気を流通したときに、該拡散電極の一方の面と他方の面との差圧が0.98〜2.94kPaの範囲になるように形成される製造方法により得られる膜−電極構造体を備える固体高分子型燃料電池を用いることを特徴とする輸送用機器。
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