JP4419980B2 - 歪補正方法及び歪補正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ等の撮像装置から得られる画像データに含まれるレンズ歪誤差を補正する歪補正方法及び歪補正装置に関し、特に、LCD(Liquid Crystal Display)パネルの製造工程で使用される欠陥検査装置において、CCDカメラで撮像した画像信号に基づき、CCD素子上の座標(画像座標)をLCDパネル上の座標(実座標)に変換する場合に、前記画像座標に含まれるレンズ歪誤差を補正する歪補正方法及び歪補正装置に関する。
一般的に、CCDカメラ等の撮像装置から得られる画像データには、自身に備えられたレンズの歪曲収差に起因するレンズ歪誤差が含まれることが知られている。例えば、LCDパネルの製造工程で使用される検査装置(配線パターンの欠陥検査装置等)では、CCDカメラで撮像した配線パターン等の画像信号に基づいて、LCD座標系へのアドレス変換を行っているが、上記のようなレンズ歪誤差が画像信号に含まれるため、正確なLCD座標系のアドレス情報を得られないという問題がある。このような問題を解決するために、例えば、下記特許文献1には、予め上記レンズ歪誤差に応じて、CCD等の撮像素子の各画素に応じた歪補正量をメモリに記憶しておき、当該歪補正量に基づいて画像信号のレンズ歪誤差を補正する映像信号処理装置について開示されている。
特開平04−61570号公報
しかしながら、上記従来技術によると、撮像素子の各画素毎に歪補正量を記憶しなければならないため大容量のメモリが必要となり、装置コストの増加を招くという問題があった。近年、CCDカメラ等の撮像装置の高精細化に伴い、このような問題はより顕著となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、装置コストの増加を招くことなく、撮像装置から得られる画像信号に含まれるレンズ歪誤差を補正することを目的とする。より具体的には、表示基板の表面を、レンズを介して被写体を撮像する撮像素子の被写体として撮像して得られる画像信号に基づき、撮像素子上の座標(画像座標)を被写体(表示基板)上の座標(実座標)に変換する場合において、装置コストの増加を招くことなく、前記画像座標のレンズ歪誤差を補正することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、歪補正方法に係る第1の解決手段として、実運用前に、所定の格子状パターンのチャートを、レンズを介して被写体を撮像する撮像素子の被写体として撮像し、当該撮像素子から得られる画像信号に基づいて前記レンズに起因するレンズ歪誤差を補正し得る歪補正パラメータを求めて記憶し、実運用時に、表示基板の表面を前記撮像素子の被写体として撮像して得られる画像信号に対し、前記歪補正パラメータを用いた補正処理を施すことにより、前記撮像素子上の座標(画像座標)を被写体上の座標(実座標)に変換する歪補正方法であって、前記実運用前には、前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を縦方向に対して複数の領域(縦方向分割領域)に分割し、各縦方向分割領域毎に、横方向の画像座標を示す横方向画像座標と、前記格子状パターンの横方向の実座標を示す横方向実座標との関係を示す第1のn次近似式を求め、各縦方向分割領域毎に、横方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(横方向分割点)の横方向画像座標を前記第1のn次近似式に代入することにより、各横方向分割点の横方向実座標を算出し、各縦方向分割領域毎に、前記横方向分割点の横方向実座標と縦方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第2のn次近似式を求め、前記第2のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての横方向歪補正パラメータとして記憶する工程と、前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を横方向に対して複数の領域(横方向分割領域)に分割し、各横方向分割領域毎に、縦方向画像座標と前記格子状パターンの縦方向実座標との関係を示す第3のn次近似式を求め、各横方向分割領域毎に、縦方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(縦方向分割点)の縦方向画像座標を前記第3のn次近似式に代入することにより、各縦方向分割点の縦方向実座標を算出し、各横方向分割領域毎に、前記縦方向分割点の縦方向実座標と横方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第4のn次近似式を求め、前記第4のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての縦方向歪補正パラメータとして記憶する工程とを行い、前記実運用時には、前記表示基板の表面を前記レンズを介して前記撮像素子で撮像して得られる画像信号に対し、前記横方向歪補正パラメータ及び縦方向歪補正パラメータを用いた補正処理を施す工程を行うことを特徴とする。
また、本発明では、歪補正方法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記実運用時に任意の点の画像座標を補正する場合、前記横方向歪補正パラメータを係数とする(n+1)個の第2のn次近似式に、前記任意の点の縦方向画像座標をそれぞれ代入して得られる前記任意の点の横方向実座標と、前記各横方向分割点の横方向画像座標とに基づき、前記任意の点に関する横方向実座標と横方向画像座標との関係を示す第5のn次近似式を求め、当該第5のn次近似式に、前記任意の点の横方向画像座標を代入することでレンズ歪誤差を補正して横方向実座標を算出し、また、前記縦方向歪補正パラメータを係数とする(n+1)個の第4のn次近似式に、前記任意の点の横方向画像座標をそれぞれ代入して得られる前記任意の点の縦方向実座標と、前記各第2の点の縦方向画像座標とに基づき、前記任意の点に関する縦方向実座標と縦方向画像座標との関係を示す第6のn次近似式を求め、当該第6のn次近似式に、前記任意の点の縦方向画像座標を代入することでレンズ歪誤差を補正して縦方向実座標を算出することを特徴とする。
また、本発明では、歪補正方法に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記実運用前に行われる工程では、各縦方向分割領域毎に縦方向の射影を算出し、当該射影において等間隔で並ぶ特徴点を抽出し、前記特徴点の横方向の画像座標を示す横方向画像座標と、前記格子状パターンの横方向における実際の特徴点の座標を示す横方向実座標とに基づいて前記第1のn次近似式を求め、また、各横方向分割領域毎に横方向の射影を算出し、当該射影において等間隔で並ぶ特徴点を抽出し、前記特徴点の縦方向の画像座標を示す縦方向画像座標と、前記格子状パターンの縦方向における実際の特徴点の座標を示す縦方向実座標とに基づいて前記第3のn次近似式を求めることを特徴とする。
また、本発明では、歪補正方法に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、前記実運用前に行われる工程では、前記各縦方向分割領域毎に算出した射影、及び前記横方向分割領域毎に算出した射影に対し、所定の低周波除去処理を施すことを特徴とする。
また、本発明では、歪補正方法に係る第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記実運用前に行われる工程では、前記低周波除去処理として、前記各縦方向分割領域毎に算出した射影、及び前記横方向分割領域毎に算出した射影に対し、それぞれ移動平均分の除去を行うことを特徴とする。
また、本発明では、歪補正方法に係る第6の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記実運用前に行われる工程では、前記低周波除去処理として、前記縦方向分割領域毎に算出した射影、及び前記縦方向分割領域毎に算出した射影に対し、それぞれフーリエ変換を行い、所定の周波数成分を除去した後、逆フーリエ変換を行うことを特徴とする。
一方、本発明では、歪補正装置に係る第1の解決手段として、実運用前に、所定の格子状パターンのチャートを、レンズを介して被写体を撮像する撮像素子の被写体として撮像し、当該撮像素子から得られる画像信号に基づいて前記レンズに起因するレンズ歪誤差を補正し得る歪補正パラメータを求めて記憶し、実運用時に、表示基板の表面を前記撮像素子の被写体として撮像して得られる画像信号に対し、前記歪補正パラメータを用いた補正処理を施すことにより、前記撮像素子上の座標(画像座標)を被写体上の座標(実座標)に変換する歪補正装置であって、前記実運用前に、前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を縦方向に対して複数の領域(縦方向分割領域)に分割し、各縦方向分割領域毎に、横方向の画像座標を示す横方向画像座標と、前記格子状パターンの横方向の実座標を示す横方向実座標との関係を示す第1のn次近似式を求め、各縦方向分割領域毎に、横方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(横方向分割点)の横方向画像座標を前記第1のn次近似式に代入することにより、各横方向分割点の横方向実座標を算出し、各縦方向分割領域毎に、前記横方向分割点の横方向実座標と縦方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第2のn次近似式を求める第1の信号処理手段と、当該第1の信号処理手段によって求めた前記第2のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての横方向歪補正パラメータとして記憶する第1の記憶手段と、前記実運用前に、前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を横方向に対して複数の領域(横方向分割領域)に分割し、各横方向分割領域毎に、縦方向画像座標と前記格子状パターンの縦方向実座標との関係を示す第3のn次近似式を求め、各横方向分割領域毎に、縦方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(縦方向分割点)の縦方向画像座標を前記第3のn次近似式に代入することにより、各縦方向分割点の縦方向実座標を算出し、各横方向分割領域毎に、前記縦方向分割点の縦方向実座標と横方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第4のn次近似式を求める第2の信号処理手段と、当該第2の信号処理手段によって求めた前記第4のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての縦方向歪補正パラメータとして記憶する第2の記憶手段と、実運用時に、前記表示基板の表面を前記レンズを介して前記撮像素子で撮像して得られる画像信号に対し、前記横方向歪補正パラメータ及び縦方向歪補正パラメータを用いた補正処理を施す第3の信号処理手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、装置コストの増加を招くことなく、撮像装置から得られる画像信号に含まれるレンズ歪誤差を補正することができる。より具体的には、表示基板の表面を、レンズを介して被写体を撮像する撮像素子の被写体として撮像して得られる画像信号に基づき、撮像素子上の座標(画像座標)を被写体上の座標(実座標)に変換する場合において、装置コストの増加を招くことなく、前記画像座標のレンズ歪誤差を補正することができ、その結果、精度良く画像座標を被写体上の座標(実座標)に変換することができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は本実施形態における歪補正装置の構成概略図である。この図に示すように、本歪補正装置10は、A/D変換部11、信号処理部12、画像データ記憶部13及び歪補正パラメータ記憶部14から構成されている。ここで、信号処理部12は、第1の信号処理手段、第2の信号処理手段及び第3の信号処理手段としての機能を有し、また、歪補正パラメータ記憶部14は、第1の記憶手段及び第2の記憶手段としての機能を有する。なお、図1において、符号20は、例えばCCDカメラ等の撮像装置であり、被写体30から入射される光を集光するレンズ21と、当該レンズ21を介して集光された光を受光して入射光量に応じた電気信号(画像信号)を出力するCCD22(撮像素子)から構成されている。
また、以下の説明においては、図1中に示されたXY座標系(X方向が横方向、Y方向が縦方向)を設定し、被写体30上に設定された座標(実座標)をX、Yとし、CCD22上に設定された座標(画像座標)をX、Yとする。
歪補正装置10において、A/D変換部11は、CCD22から入力される電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換して信号処理部12に出力する。上記のようなデジタル信号は、CCD22に設けられた各画素に応じた入射光量(輝度値)を示すものであり、つまり被写体30のデジタル画像データである。
信号処理部12は、上記A/D変換部11から入力されるデジタル画像データに基づいて、歪補正パラメータ(X座標歪補正パラメータ、Y座標歪補正パラメータ)を算出する歪補正パラメータ算出モードと、当該歪補正パラメータ算出モードによって算出した歪補正パラメータを用いてデジタル画像データに含まれるレンズ歪誤差を補正する歪補正モードとの2つの動作モードを備えている。より具体的には、歪補正パラメータ算出モード時において、信号処理部12は、上記A/D変換部11から入力されるデジタル画像データを画像データ記憶部13に一時的に記憶する一方、画像データ記憶部13からデジタル画像データを取得し、当該デジタル画像データに所定の画像処理を施すことにより歪補正パラメータを算出し、歪補正パラメータ記憶部14に記憶する。また、歪補正モード時において、信号処理部12は、歪補正パラメータ記憶部14に記憶されている歪補正パラメータを取得し、当該歪補正パラメータを用いて所定の演算処理を行うことにより、デジタル画像データの歪補正を行い、歪補正後のデジタル画像データを外部に出力する。
なお、本実施形態では、歪補正パラメータ算出モードによって歪補正パラメータを算出する場合、被写体30として、図2に示すように均等な格子状パターンが印刷されたチャート40を撮像し、当該チャート40のデジタル画像データに基づいて歪補正パラメータを算出する。図2において、符号41は、チャート40の画像における格子パターンのX方向のレンズ歪を100倍に拡大して示した一例である。このように、CCDカメラ20によって撮像された画像にはレンズ21の歪曲収差に起因して歪が生じ、デジタル画像データにはレンズ歪誤差が含まれることになる。
画像データ記憶部13は、例えばフラッシュメモリであり、信号処理部12の要求に応じてデジタル画像データを記憶する一方、当該記憶しているデジタル画像データを信号処理部12に出力する。歪補正パラメータ記憶部14は、例えばフラッシュメモリであり、上記信号処理部12の要求に応じて歪補正パラメータ(X座標歪補正パラメータ、Y座標歪補正パラメータ)を記憶する一方、当該記憶している歪補正パラメータを信号処理部12に出力する。
次に、このように構成された本歪補正装置10の動作について、各モード毎に説明する。
〔歪補正パラメータ算出モード〕
この歪補正パラメータ算出モードはCCDカメラ20の実運用前に、事前に行なわれるものであり、CCDカメラ20に設けられたレンズ21の光学特性に応じて個別に歪補正パラメータを求めるモードである。また、歪補正パラメータ算出モードでは、予め用意してある格子状パターンのチャート40をCCDカメラ20によって撮像する。なお、例えば、CCDカメラ20がLCDパネルの欠陥検査装置等で使用されるものである場合、チャート40に代えてLCDパネルを撮像しても良い。LCDパネルであっても、画素領域と配線パターンとによって等間隔な明暗のある格子状パターンが形成されているため、チャート40の代用品として使用することができる。以下の説明では、このチャート40のデジタル画像データが画像データ記憶部13に記憶されているものとする。
<X座標歪補正パラメータの算出処理>
図3は、X座標歪補正パラメータの算出処理を示すフローチャートである。
まず、信号処理部12は、画像データ記憶部13からチャート40のデジタル画像データを取得し、チャート40のCCD画像をY方向に対して複数の領域(縦方向分割領域)に分割する(ステップS1)。本実施形態では、図4に示すように、CCD画像をA〜Fの6つの領域に分割し、各縦方向分割領域A〜FのY方向における中心点の画像座標をそれぞれYCA〜YCFとする。
そして、信号処理部12は、縦方向分割領域AについてY方向の射影を算出する(ステップS2)。周知のように、射影とはある方向に並んだ画素の輝度値を加算する処理であり、ここでは、Y方向に並んだ画素の輝度値を加算し、当該加算値をX方向に対して順次算出する。図5(a)は、縦方向分割領域AにおけるY方向の射影の算出結果の一例である。なお、この図において、横軸はX方向の画像座標Xを示し、縦軸はY方向における輝度値の加算値を示している。この図5(a)に示すように、チャート40におけるX方向の格子部分が周期的に現れている様子が確認できる。
なお、このように射影を求めることにより、例えばチャート40の表面に異物が付着する等の原因により、ある画素領域の輝度値が周囲と比べて極端に低い場合に、以下に説明するX方向における特徴点の算出、つまり画像からX方向の格子部分を探索する処理を行う際に、正確な特徴点を算出できなくなる可能性を低減することができる。
続いて、信号処理部12は、ステップS2で算出した射影結果から移動平均分を除去する(ステップS3)。これにより、X方向に対して部分的に、若しくは左右によってコントラストが異なる場合であっても、オフセット部分がカットされるため、チャート40における格子間隔を検出しやすくなる。図5(b)は、移動平均分除去後の第1の領域Aにおける射影を示したものである。なお、このステップS3は、射影算出結果に含まれる低周波成分を除去する処理であれば良く、上記のように移動平均分除去処理に限定されない。例えば、デジタルフィルタリングを行なう方法や、フーリエ変換を行なった後に直流成分や雑音成分の周波数成分をカットして逆フーリエ変換を行う方法を採用することにより、上記のように移動平均分除去処理と同等の効果を得ることができる。
次に、信号処理部12は、上記のように求めた縦方向分割領域Aにおける射影のX方向の特徴点を算出する(ステップS4)。この特徴点とは、図5(b)に示す射影の谷部分のことである。この特徴点の算出方法としては、加算値が所定の閾値を通過する部分の画像座標Xを求める方法や、傾きの極性が変化する部分の画像座標Xを求める方法等がある。本実施形態では、後者の方法を採用し、図5(b)の射影について傾きの極性が変化する部分を検出した後、図5(a)においてその部分に該当する点と、その前後1点ずつとを含めた計3点を通過する2次曲線を最小二乗法等によって求め(図6参照)、その2次曲線の頂点を特徴点とし、当該特徴点の画像座標Xを算出する。このような方法により、少ない誤差でCCD画像からX方向の格子部分を探索することができる。
そして、信号処理部12は、上記のように算出した複数の特徴点の内、等間隔で並ぶ特徴点を抽出する(ステップS5)。図5に示すように、画像から特徴点を求める場合、ノイズ等の外乱の影響により、隣合う特徴点の間隔が均等でない部分が存在する。そこで、チャート40の格子状パターンにおける格子間隔は一定で既知であるため、その実際の格子間隔とステップS4で求めた特徴点の画像座標Xとを比較することにより、容易に実際の格子間隔で並ぶ特徴点を抽出することができる。なお、実際の格子間隔は一定であるが、画像座標XはCCDカメラ20の画像から得られるものであるためレンズ歪誤差を含んでいる。そのため、ある程度のマージンを有する範囲内で、等間隔で並ぶ特徴点を有効とするようにする。
上述したように、チャート40の格子状パターンにおける実際の格子間隔は既知であるため、ステップS5の処理により抽出した各特徴点について画像座標Xと格子状パターンの実座標Xとの関係を示すデータを得ることができる。よって、信号処理部12は、これらのデータから画像座標Xと実座標Xとの関係を示す第1のn次近似式を最小二乗法等によって算出する(ステップS6)。ここで、近似式の次数nは、レンズ21の光学特性に応じて適宜設定すれば良いが、3以上に設定することが補正精度の面から好ましい。以下では、次数n=3と設定した場合を想定して説明する。従って、画像座標Xと実座標Xとの関係は、下記(1)式で表される。なお、下記(1)式において、XLAは縦方向分割領域AにおけるX方向の実座標を示し、a、b、c、dは係数である。
Figure 0004419980
次に、信号処理部12は、X方向に対して等間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(横方向分割点)を求め、各横方向分割点の画像座標Xを上記(1)式に代入することにより、各横方向分割点の実座標XLAを算出する(ステップS7)。本実施形態では、次数n=3と設定したので、図7に示すように、4個の横方向分割点(点0、点1、点2、点3)について、それぞれ実座標XLAを算出する。ここで、点0、点1、点2、点3の画像座標Xをそれぞれ、XC0、XC1、XC2、XC3とすると、これらを上記(1)式に代入することにより、点0の実座標XLA(XC0)、点1の実座標XLA(XC1)、点2の実座標XLA(XC2)、点3の実座標XLA(XC3)が求まる。なお、ここで横方向分割点を(n+1)個とした理由については後述する。
そして、信号処理部12は、ステップS2〜S7の処理を最後の縦方向分割領域Fまで行ったか否かを判定し(ステップS8)、「NO」の場合、ステップS2の処理に戻り、次の縦方向分割領域Bについて同様の処理を行う。つまり、各縦方向分割領域A〜FについてそれぞれステップS2〜S7の処理を行なうことにより、各縦方向分割A〜F毎に、画像座標Xと実座標Xとの関係を示す第1の3次近似式を求め、4個の横方向分割点(点0、点1、点2、点3)について、それぞれ実座標Xを算出する。このようにステップS8までの処理により、図8に示すように、各縦方向分割領域A〜F毎に求めた4個の横方向分割点の実座標Xと、各縦方向分割領域A〜FのY方向における中心点の画像座標YCA〜YCFとの関係を示すテーブルを求めることができる。なお、図8において、縦方向分割領域B〜Fの実座標をそれぞれXLB〜XLFとする。
そして、ステップS8において、「YES」の場合、つまり図8に示すような実座標Xと画像座標Yとの関係が得られた場合、信号処理部12は、図8のテーブルに基づき、実座標Xと画像座標Yとの関係を補正する(ステップS9)。上記のように、各横方向分割点について実座標Xを求めるが、これらの点はチャート40における実際の格子周期の1周期分ずれている場合がある。これは、レンズ歪に起因して点0、点1、点2、点3が直線にならないために起こる現象である。また、Y方向についてYCA〜YCFという短い間隔で横方向分割点の実座標Xを算出しているため、隣り合った横方向分割点の周期は最大でも1周期分である。従って、実際の格子周期より大きくずれた場合のみ、各横方向分割点についての実座標Xを1周期分ずらし、連続した値になるように補正する。
続いて、信号処理部12は、ステップS9の補正処理により最終的に得られた実座標Xと画像座標Yとの関係を示す第2のn次近似式(3次近似式)を、各横方向分割点についてそれぞれ算出する(ステップS10)。下記(2)式は、点0について算出された第2の3次近似式XL0(Y)を示し、下記(3)式は、点1について算出された第2の3次近似式XL1(Y)を示し、下記(4)式は、点2について算出された第2の3次近似式XL2(Y)を示し、下記(5)式は、点3について算出された第2の3次近似式XL3(Y)を示している。
Figure 0004419980
そして、信号処理部12は、上記のように算出した、実座標Xと画像座標Yとの関係を示す4個の第2の3次近似式の係数全てをX座標歪補正パラメータとして歪補正パラメータ記憶部14に記憶する(ステップS11)。つまり、3次近似式を採用した場合、X座標歪補正パラメータは16個となる。
仮に、各縦方向分割領域A〜F毎に求めた第1の3次近似式の係数をX座標歪補正パラメータとして記憶した場合、X座標歪補正パラメータは24個となる。また、縦方向分割領域の数が多くなる程、X座標歪補正パラメータはより多くなってしまう。さらに、この場合、X の係数であるaの誤差が大きいとすると、Xが大きい値である程、求める実座標Xの値に大きな誤差が生じることになる。従って、本実施形態のように、第1の3次近似式と等価な横方向分割点について、それぞれ実座標Xと画像座標Yとの関係を示す第2の3次近似式を求め、これら第2の3次近似式の係数を歪補正パラメータとして記憶することにより、補正精度を維持したまま、歪補正パラメータの数を極力減らすことが可能である。
<Y座標歪補正パラメータの算出処理>
図9は、Y座標歪補正パラメータの算出処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、上述した図3のステップS1〜S11の処理をY方向に対して同様に行うものであるので、詳細な説明は省略する。
まず、信号処理部12は、チャート40のCCD画像をX方向に対して複数の横方向分割領域に分割する(ステップS20)。本実施形態では、図10に示すように、画像をG〜Mの7つの領域に分割し、各横方向分割領域G〜MのX方向における中心点の画像座標をそれぞれXCG〜XCMとする。
そして、信号処理部12は、横方向分割領域GについてX方向の射影を算出する(ステップS21)。ここでは、X方向に並んだ画素の輝度値を加算し、当該加算値をY方向に対して順次算出する。続いて、信号処理部12は、ステップS21で算出した射影結果から移動平均分を除去する(ステップS22)。
次に、信号処理部12は、上記のように求めた横方向分割Gにおける射影の特徴点を算出し(ステップS23)、当該特徴点の内、等間隔で並ぶ特徴点を抽出する(ステップS24)。上述したように、チャート40の格子状パターンにおける実際の格子間隔は既知であるため、ステップS24の処理により抽出した各特徴点について画像座標Yと実座標Yとの関係を示すデータを得ることができる。そして、信号処理部12は、このようなデータから画像座標Yと実座標Yとの関係を示す第3の3次近似式を最小二乗法等によって算出する(ステップS25)。 画像座標Yと実座標Yとの関係は、下記(6)式で表される。なお、下記(6)式において、YLGは横方向分割GにおけるY方向の実座標を示し、e、f、g、hは係数である。
Figure 0004419980
次に、信号処理部12は、Y方向に対して等間隔で並ぶ、4個の点(縦方向分割点)を求め、各縦方向分割点の画像座標Yを上記(6)式に代入することにより、各縦方向分割点の実座標YLGを算出する(ステップS26)。本実施形態では、次数n=3と設定したので、4個の縦方向分割点(点10、点11、点12、点13)について、それぞれ実座標YLGを算出する。ここで、点10、点11、点12、点13の画像座標Yをそれぞれ、YC10、YC11、YC12、YC13とすると、これらを上記(6)式に代入することにより、点10の実座標YLG(YC10)、点11の実座標YLG(YC11)、点12の実座標YLG(YC12)、点13の実座標YLG(YC13)が求まる。
そして、信号処理部12は、ステップS21〜S26の処理を最後の横方向分割領域Mまで行ったか否かを判定し(ステップS27)、「NO」の場合、ステップS21の処理に戻り、次の横方向分割Hについて同様の処理を行う。つまり、各横方向分割領域G〜MについてそれぞれステップS21〜S26の処理を行なうことにより、各横方向分割領域G〜M毎に、画像座標Yと実座標Yとの関係を示す第3の3次近似式を求め、4個の縦方向分割点(点10、点11、点12、点13)について、それぞれ実座標Yを算出する。このようにステップS27までの処理により、図8と同様な、各横方向分割領域G〜M毎に求めた4個の縦方向分割点の実座標Yと、各横方向分割領域G〜MのX方向における中心点の画像座標XCG〜XCMとの関係を示すテーブルを求めることができる。
そして、ステップS27において、「YES」の場合、信号処理部12は、実座標Yと画像座標Xとの関係を示すテーブルに基づき、図3のステップS9と同様な処理により、実座標Yと画像座標Xとの関係を補正する(ステップS28)。続いて、信号処理部12は、ステップS28の補正処理により最終的に得られた実座標Yと画像座標Xとの関係を示す第4の3次近似式を、各縦方向分割点についてそれぞれ算出する(ステップS29)。下記(7)式は、点10について算出された第4の3次近似式YL10(X)を示し、下記(8)式は、点11について算出された第4の3次近似式YL11(X)を示し、下記(9)式は、点12について算出された第4の3次近似式YL12(X)を示し、下記(10)式は、点13について算出された第4の3次近似式YL13(X)を示している。
Figure 0004419980
そして、信号処理部12は、上記のように算出した、実座標Yと画像座標Xとの関係を示す4個の第4の3次近似式の係数全てをY座標歪補正パラメータとして歪補正パラメータ記憶部14に記憶する(ステップS30)。つまり、Y座標歪補正パラメータは、X座標歪補正パラメータと同様に16個となり、記憶すべき歪補正パラメータは合計32個となる。
〔歪補正モード〕
次に、CCDカメラ20の実運用時において、上述した歪補正パラメータ算出モードによって算出した歪補正パラメータを用いてCCDカメラ20から得られるデジタル画像データに含まれるレンズ歪誤差を補正する歪補正モードについて説明する。なお、CCDカメラ20がLCDパネルの欠陥検査装置等で使用される場合、被写体30としてLCDパネルを撮像し、このデジタル画像データが画像データ記憶部13に記憶されているものとする。
<X座標の歪補正処理>
図11は、X座標の歪補正処理を示すフローチャートである。
まず、信号処理部12は、歪補正パラメータ記憶部14からX座標歪補正パラメータを取得し(ステップS40)、上記(2)〜(5)式で示される3次近似式を生成する(ステップS41)。そして、信号処理部12は、LCDパネルのCCD画像における任意の点Pの画像座標YCPを上記(2)〜(5)式にそれぞれ代入し、(2)式から実座標XL0(YCP)、(3)式から実座標XL1(YCP)、(4)式から実座標XL2(YCP)、(5)式から実座標XL3(YCP)を算出する(ステップS42)。
これら(2)〜(5)式は、横方向分割点(点0〜点3)についてそれぞれ求められたものであるので、信号処理部12は、点0〜点3の画像座標XC0〜XC3とステップS42で算出した実座標XL0〜XL3との関係から、下記(11)式に示すような第5の3次近似式を算出する(ステップS43)。
Figure 0004419980
そして、信号処理部12は、任意の点Pの画像座標XCPを上記(11)式に代入することにより、任意の点Pの画像座標XCPのレンズ歪誤差を補正し、LCDパネル上の実座標XLPに変換する(ステップS44)。このように、任意の点Pに関する画像座標XCと実座標XLとの関係を示す第5の3次近似式を算出する場合、4個の係数を求めなければならないため、ステップS42において画像座標XCと実座標XLとの関係を示すデータは少なくとも4セット分必要である。従って、図3のステップS7において、横方向分割点を4個、つまり(n+1)個とする必要がある。
<Y座標の歪補正処理>
図12は、Y座標の歪補正処理を示すフローチャートである。
まず、信号処理部12は、歪補正パラメータ記憶部14からY座標歪補正パラメータを取得し(ステップS50)、上記(7)〜(10)式で示される3次近似式を生成する(ステップS51)。そして、信号処理部12は、LCDパネルの画像における任意の点Pの画像座標XCPを上記(7)〜(10)式にそれぞれ代入し、(7)式から実座標YL10(XCP)、(8)式から実座標YL11(XCP)、(9)式から実座標YL12(XCP)、(10)式から実座標YL13(XCP)を算出する(ステップS52)。
これら(7)〜(10)式は、縦方向分割点(点10〜点13)についてそれぞれ求められたものであるので、信号処理部12は、点10〜点13の画像座標YC10〜YC13とステップS52で算出した実座標YL10〜YL13との関係から、下記(12)式に示すような第6の3次近似式を算出する(ステップS53)。
Figure 0004419980
そして、信号処理部12は、任意の点Pの画像座標YCPを上記(12)式に代入することにより、任意の点Pの画像座標YCPのレンズ歪誤差を補正し、LCDパネル上の実座標YLPに変換する(ステップS54)。
信号処理部12は、上述したX座標及びY座標の歪補正処理をCCD画像の全ての点の画像座標について行い、歪補正後の画像データを外部に出力する。
以上のように、本実施形態によれば、歪補正パラメータを近似式の係数として記憶しているため、従来のように、撮像素子(CCD22)の各画素に応じた歪補正量を記憶する必要がない。従って、装置コストの増加を招くことなく、画像座標のレンズ歪誤差を補正することができ、その結果、精度良く画像座標をLCDパネル上の座標(実座標)に変換することができる。
なお、上記実施形態では、CCDカメラ20の外部に歪補正装置10が接続されている場合について説明したが、これに限定されず、撮像装置であるCCDカメラ20の内部に歪補正装置10を設けても良い。
本発明の一実施形態における歪補正装置の構成概略図である。 CCDカメラ20から得られるCCD画像に含まれるレンズ歪を示す説明図である。 本発明の一実施形態における歪補正装置10の歪補正パラメータ算出モードにおけるX座標歪補正パラメータの算出処理を示すフローチャートである。 X座標歪補正パラメータの算出処理についての第1の説明図である。 X座標歪補正パラメータの算出処理についての第2の説明図である。 X座標歪補正パラメータの算出処理についての第3の説明図である。 X座標歪補正パラメータの算出処理についての第4の説明図である。 X座標歪補正パラメータの算出処理についての第5の説明図である。 本発明の一実施形態における歪補正装置10の歪補正パラメータ算出モードにおけるY座標歪補正パラメータの算出処理を示すフローチャートである。 Y座標歪補正パラメータの算出処理についての第1の説明図である。 本発明の一実施形態における歪補正装置10の歪補正モードにおけるX座標の歪補正処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における歪補正装置10の歪補正モードにおけるY座標の歪補正処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…歪補正装置、11…A/D変換部、12…信号処理部、13…画像データ記憶部、14…歪補正パラメータ記憶部、20…CCDカメラ、21…レンズ、22…CCD、30…被写体


Claims (7)

  1. 実運用前に、所定の格子状パターンのチャートを、レンズを介して被写体を撮像する撮像素子の被写体として撮像し、当該撮像素子から得られる画像信号に基づいて前記レンズに起因するレンズ歪誤差を補正し得る歪補正パラメータを求めて記憶し、実運用時に、表示基板の表面を前記撮像素子の被写体として撮像して得られる画像信号に対し、前記歪補正パラメータを用いた補正処理を施すことにより、前記撮像素子上の座標(画像座標)を被写体上の座標(実座標)に変換する歪補正方法であって、
    前記実運用前には、
    前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を縦方向に対して複数の領域(縦方向分割領域)に分割し、
    各縦方向分割領域毎に、横方向の画像座標を示す横方向画像座標と、前記格子状パターンの横方向の実座標を示す横方向実座標との関係を示す第1のn次近似式を求め、
    各縦方向分割領域毎に、横方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(横方向分割点)の横方向画像座標を前記第1のn次近似式に代入することにより、各横方向分割点の横方向実座標を算出し、
    各縦方向分割領域毎に、前記横方向分割点の横方向実座標と縦方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第2のn次近似式を求め、
    前記第2のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての横方向歪補正パラメータとして記憶する工程と、
    前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を横方向に対して複数の領域(横方向分割領域)に分割し、
    各横方向分割領域毎に、縦方向画像座標と前記格子状パターンの縦方向実座標との関係を示す第3のn次近似式を求め、
    各横方向分割領域毎に、縦方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(縦方向分割点)の縦方向画像座標を前記第3のn次近似式に代入することにより、各縦方向分割点の縦方向実座標を算出し、
    各横方向分割領域毎に、前記縦方向分割点の縦方向実座標と横方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第4のn次近似式を求め、
    前記第4のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての縦方向歪補正パラメータとして記憶する工程と
    を行い、
    前記実運用時には、
    前記表示基板の表面を前記レンズを介して前記撮像素子で撮像して得られる画像信号に対し、前記横方向歪補正パラメータ及び縦方向歪補正パラメータを用いた補正処理を施す工程を行う
    ことを特徴とする歪補正方法。
  2. 前記実運用時に任意の点の画像座標を補正する場合、
    前記横方向歪補正パラメータを係数とする(n+1)個の第2のn次近似式に、前記任意の点の縦方向画像座標をそれぞれ代入して得られる前記任意の点の横方向実座標と、前記各横方向分割点の横方向画像座標とに基づき、前記任意の点に関する横方向実座標と横方向画像座標との関係を示す第5のn次近似式を求め、当該第5のn次近似式に、前記任意の点の横方向画像座標を代入することでレンズ歪誤差を補正して横方向実座標を算出し、
    また、前記縦方向歪補正パラメータを係数とする(n+1)個の第4のn次近似式に、前記任意の点の横方向画像座標をそれぞれ代入して得られる前記任意の点の縦方向実座標と、前記各第2の点の縦方向画像座標とに基づき、前記任意の点に関する縦方向実座標と縦方向画像座標との関係を示す第6のn次近似式を求め、当該第6のn次近似式に、前記任意の点の縦方向画像座標を代入することでレンズ歪誤差を補正して縦方向実座標を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の歪補正方法。
  3. 前記実運用前に行われる工程では、
    各縦方向分割領域毎に縦方向の射影を算出し、当該射影において等間隔で並ぶ特徴点を抽出し、前記特徴点の横方向の画像座標を示す横方向画像座標と、前記格子状パターンの横方向における実際の特徴点の座標を示す横方向実座標とに基づいて前記第1のn次近似式を求め、
    また、各横方向分割領域毎に横方向の射影を算出し、当該射影において等間隔で並ぶ特徴点を抽出し、前記特徴点の縦方向の画像座標を示す縦方向画像座標と、前記格子状パターンの縦方向における実際の特徴点の座標を示す縦方向実座標とに基づいて前記第3のn次近似式を求める
    ことを特徴とする請求項1または2記載の歪補正方法。
  4. 前記実運用前に行われる工程では、前記各縦方向分割領域毎に算出した射影、及び前記横方向分割領域毎に算出した射影に対し、所定の低周波除去処理を施すことを特徴とする請求項3記載の歪補正方法。
  5. 前記実運用前に行われる工程では、前記低周波除去処理として、前記各縦方向分割領域毎に算出した射影、及び前記横方向分割領域毎に算出した射影に対し、それぞれ移動平均分の除去を行うことを特徴とする請求項4記載の歪補正方法。
  6. 前記実運用前に行われる工程では、前記低周波除去処理として、前記縦方向分割領域毎に算出した射影、及び前記縦方向分割領域毎に算出した射影に対し、それぞれフーリエ変換を行い、所定の周波数成分を除去した後、逆フーリエ変換を行うことを特徴とする請求項4記載の歪補正方法。
  7. 実運用前に、所定の格子状パターンのチャートを、レンズを介して被写体を撮像する撮像素子の被写体として撮像し、当該撮像素子から得られる画像信号に基づいて前記レンズに起因するレンズ歪誤差を補正し得る歪補正パラメータを求めて記憶し、実運用時に、表示基板の表面を前記撮像素子の被写体として撮像して得られる画像信号に対し、前記歪補正パラメータを用いた補正処理を施すことにより、前記撮像素子上の座標(画像座標)を被写体上の座標(実座標)に変換する歪補正装置であって、
    前記実運用前に、前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を縦方向に対して複数の領域(縦方向分割領域)に分割し、各縦方向分割領域毎に、横方向の画像座標を示す横方向画像座標と、前記格子状パターンの横方向の実座標を示す横方向実座標との関係を示す第1のn次近似式を求め、各縦方向分割領域毎に、横方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(横方向分割点)の横方向画像座標を前記第1のn次近似式に代入することにより、各横方向分割点の横方向実座標を算出し、各縦方向分割領域毎に、前記横方向分割点の横方向実座標と縦方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第2のn次近似式を求める第1の信号処理手段と、
    当該第1の信号処理手段によって求めた前記第2のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての横方向歪補正パラメータとして記憶する第1の記憶手段と、
    前記実運用前に、前記撮像素子で撮像された前記格子状パターンのチャートの画像を横方向に対して複数の領域(横方向分割領域)に分割し、各横方向分割領域毎に、縦方向画像座標と前記格子状パターンの縦方向実座標との関係を示す第3のn次近似式を求め、各横方向分割領域毎に、縦方向において所定の間隔で並ぶ、少なくとも(n+1)個の点(縦方向分割点)の縦方向画像座標を前記第3のn次近似式に代入することにより、各縦方向分割点の縦方向実座標を算出し、各横方向分割領域毎に、前記縦方向分割点の縦方向実座標と横方向画像座標との関係を示す(n+1)個の第4のn次近似式を求める第2の信号処理手段と、
    当該第2の信号処理手段によって求めた前記第4のn次近似式の係数を前記歪補正パラメータの1つとしての縦方向歪補正パラメータとして記憶する第2の記憶手段と、
    実運用時に、前記表示基板の表面を前記レンズを介して前記撮像素子で撮像して得られる画像信号に対し、前記横方向歪補正パラメータ及び縦方向歪補正パラメータを用いた補正処理を施す第3の信号処理手段と
    を具備することを特徴とする歪補正装置。
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