JP4419377B2 - フラッシュランプ光照射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体基板への光照射を行うフラッシュランプ光照射装置に係わり、更に詳しくは、極めて短時間で半導体基板の活性化等の処理を行うフラッシュランプ光照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トランジスタの製造工程においては種々の熱処理が行われており、その中でも、浅い拡散層であるpn接合の形成プロセスは重要な熱処理工程といわれる。pn接合を形成する場合、イオン注入によってシリコン基板中に不純物を導入し、続いて熱処理によって注入された不純物の活性化処理を行うが、かつては、活性化処理に拡散炉を使用する時代もあったが、近年ではハロゲンランプを用いて急速加熱処理が行われるようになってきた。しかし、より近年では一層の高集積化の進展により、pn接合深さは20nmオーダーが求められるようになり、最早ハロゲンランプによる急速加熱では薄い拡散層を制御することは困難となってきた。
【0003】
特開2002−198322号公報には、半導体の熱処理方法に関し、高エネルギーを有し、瞬時加熱が可能なフラッシュランプを使用する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−198322号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年は、シリコン基板の径は12インチが主流となり、光照射技術において大面積を均一に加熱することが要求されるようになってきた。不均一な加熱はウエーハ面内の不均一な温度分布となり、ウエーハ面内の温度分布が不均一になるとウエーハに結晶欠陥を生じ、半導体素子の性能、歩留まりに大きく影響を及ぼすと言われている。
【0006】
図11は、上記公報に開示された熱処理装置に類似する試作されたフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
この装置は、投入エネルギーが約5kJで管径が13.5mmのキセノンフラッシュランプを1.7mmの間隔(ピッチ間隔15.2mm)を置いて30本平面状に並列配置したもので、これらのフラッシュランプの中心から上部に26mm離間させた位置に平面ミラーとして鏡面仕上げしたアルミニウム板を配置し、石英からなる照射窓、チャンバー窓を介してフラッシュランプの中心の下方41.5mmの位置に基板ステージを設けている。
【0007】
図12は、上記のフラッシュランプ光照射装置において、フラッシュランプを一斉に点灯した際のサーモパイル方式のパワーメータで測定した被照射面上の放射照度分布(以下、照度分布と略す。)の一部を示すものである。
同図に示すように、15.2mmのピッチ間隔で、フラッシュランプ直下では高照度となり、フラッシュランプ間の間隙では低照度となる等間隔で強弱を有する照度分布となる。かかる強弱のある不均一な照度分布は、ウエーハ面上において高低のある温度分布となって現れ、これは、前述したように熱処理後の半導体素子の性能に悪影響を及ぼす。
【0008】
図13は、上記フラッシュランプ光照射装置において、30本のフラッシュランプを並列配置した状態で、中心付近の1本のフラッシュランプ(例えば、右から15本目)のみを点灯した場合の光学シミュレーションによって解析された被照射面における放射照度分布を示したものである。
同図において、縦軸は被照射面の相対放射照度(%)、横軸は点灯したフラッシュランプからの照射面位置(mm)を表している。
【0009】
同図から明らかなように、点灯したフラッシュランプの両側に配置されたフラッシュランプの直下近傍に大きな角状の突出した特異照度分布が観測される。さらに、点灯したフラッシュランプの両側のフラッシュランプ2本分隔てた位置にも、前記の特異照度分布よりは小さいものの、角状の突出した特異照度分布が観測される。これらの特異照度分布は、30本のフラッシュランプを一斉に点灯した際には、図12に示したような等間隔の強弱のある不均一な照度分布の発生原因と考えられる。
【0010】
上記の特異照度分布は、光学シミュレーションによって解析すると反射板方向に放射される光に起因して発生しているものであることが明らかとなった。
【0011】
図14は、上記のフラッシュランプ光照射装置の一部を拡大して示した正面断面図である。
同図に示すように、複数のフラッシュランプ11,12,13が並列配置されており、これらのフラッシュランプ11,12,13上には反射板が配置されており、この反射板を基準に対象位置にフラッシュランプ12の虚像が現れている。フラッシュランプ12から放射され反射板によって反射された反射光は、前記虚像から放射されるように形成され、その放射光の一部がフラッシュランプ11とフラッシュランプ12との間、およびフラッシュランプ12とフラッシュランプ13との間を通って直接半導体基板に照射される。
【0012】
この虚像から放射されるように見える反射光が、各フラッシュランプ間の間隙を通って放射されるために、上記の特異照度分布が発生すると考えられる。即ち、上記の各特異照度分布は、反射板を介して擬似的に反射板上にフラッシュランプ12の位置と対称位置に形成されたフラッシュランプ12の虚像から放射されたように見える光が、各フラッシュランプ間の間隙を通って半導体基板面に照射することによって形成されていることが明らかとなった。
【0013】
さらに、図15に示すように、フラッシュランプ12から放射されて反射板に反射され、フラッシュランプの虚像から放射されるように見える反射光が、フラッシュランプの発光管近傍を通過する場合には、発光管によって屈折された光も上記の特異照度分布に相乗され、より一層強調された特異照度分布となることも明らかとなった。
【0014】
なお、フラッシュランプを所定の間隙を介して配列するために、上記に説明したような特異照度分布が発生することが明らかとなったが、この問題を回避するために、フラッシュランプ相互を密着して配置することも考えらえるが、発光管の管外径精度や取付精度、さらには大電流が流れるフラッシュランプで顕著に表れるローレンツ力等の問題によりフラッシュランプ間を密着して配置することはできない。
【0015】
本発明の目的は、フラッシュランプを所定の間隙を介して配置しても、等間隔の強弱のある照度分布の発生原因となる特異照度分布を小さくすることができ、より均一な照度分布が得られるフラッシュランプ光照射装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような手段を採用した。
第1の手段は、各々が略円筒状の発光管を有し、略平面状に配置された複数本のフラッシュランプと、該フラッシュランプからの光を被照射面側に反射する反射板とを有するフラッシュランプ光照射装置において、前記反射板は平面状に形成され、前記フラッシュランプの発光時、前記反射板に写るフラッシュランプの虚像の仮想の中心線から前記各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれ発光管間に放射される光が前記反射板を横切る部分に光拡散部が形成され、光拡散部以外が鏡面仕上げされていることを特徴とする。
【0017】
第2の手段は、各々が略円筒状の発光管を有し、略平面状に配置された複数本のフラッシュランプと、該フラッシュランプからの光を被照射面側に反射する反射板とを有するフラッシュランプ光照射装置において、前記フラッシュランプの発光時、前記反射板に写るフラッシュランプの虚像の仮想の中心線から前記各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれ発光管間に放射される光が前記反射板を少なくとも横切る部分に、開口部を形成したことを特徴とする。
【0019】
第3の手段は、各々が略円筒状の発光管を有し、略平面状に配置された複数本のフラッシュランプと、該フラッシュランプからの光を被照射面側に反射する反射板とを有するフラッシュランプ光照射装置において、前記フラッシュランプの発光時、前記反射板に写るフラッシュランプの虚像の仮想の中心線から前記各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれる発光管外表面の部分に、光拡散部を形成したことを特徴とする
【0020】
第4の手段は、第1の手段または第3の手段において、前記光拡散部がフロスト処理により形成されていることを特徴とする。
【0021】
第5の手段は、第1の手段において、前記反射板がアルミニウム製であり、前記光拡散部がアルマイト処理によって形成されていることを特徴とする。
【0022】
第6の手段は、第2の手段または第3の手段において、前記略平面状に配置された複数本のフラッシュランプに代えて略凸面状に配置された複数本のフラッシュランプから構成されていることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態を図1ないし図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の全体構成を示す正面断面図である。
同図において、1は、各々が略円筒状で、例えば、投入エネルギーが約5kJで管径が13.5mmの発光管を1.7mmの間隔(ピッチ間隔15.2mm)を置いて30本を略平面状に並列配置したフラッシュランプ、2は各フラッシュランプ1上に設けられたトリガー線、3は、例えば、フラッシュランプ1の中心から上部に26mm離間させた位置に配置され、平面状のアルミニウム板等からなる反射板、4は反射板3の一部に形成された光拡散部、5は石英ガラス等で構成された照射窓、6はチャンバー窓、7は基板ステージ、8は照射窓5、チャンバー窓6を介してフラッシュランプ1の中心の下方、例えば、41.5mmの基板ステージ7上の位置に載置された半導体基板である。
【0024】
図2は、図1に示したフラッシュランプ光照射装置の一部を拡大して示した正面断面図である。
同図において、11,12,13はそれぞれ30本のフラッシュランプ1のうち、3本を拡大して示したフラッシュランプ、111,121,131はそれぞれ各フラッシュランプ11,12,13の発光管、9は反射板3によってフラッシュランプ12との対称位置に形成されたフラッシュランプ12の虚像、10はフラッシュランプ12と平行に形成される虚像9の仮想の中心線である。なお、その他の構成は図1に示す同符号の構成に対応する。
【0025】
ここで、光拡散部4は、中心線10から各フラッシュランプ11,12,13の各発光管111,121,131の外表面に引いた接線面によって囲まれ、各発光管111,121,131間に放射される光が反射板3を横切る部分に形成される。
【0026】
ここで、光拡散部4は、反射板3をサンドブラス後に化学研磨を施すフロスト処理によって形成したり、また反射板3がアルミニウム製である場合は、アルマイト処理によって形成してもよい。
【0027】
また、光拡散部4の反射率をどの程度に設定するかについては、例えば、正反射率を10%以下に設定するとよい。このように設定することにより、後述する角状の突出した特異照度分布のピークを10%以下に減少させることができ、これでも十分実用上使用可能となるものである。
【0028】
図3は、図1に示すフラッシュランプ光照射装置において、複数本のフラッシュランプを並列配置した状態で、1本のフラッシュランプ、例えばフラッシュランプ12のみを点灯した場合の光学シミュレーションによって解析された被照射面における放射照度分布を示したものである。
同図において、縦軸は被照射面の相対放射照度(%)、横軸は点灯したフラッシュランプからの照射面位置(mm)を表している。
【0029】
同図から明らかなように、フラッシュランプ12の虚像9の中心線から各発光管111,121,131の外表面に引いた接線面によって囲まれ、各発光管111,121,131間に放射される光が反射板3を横切る部分が光拡散部4で形成されているので、フラッシュランプ12から放射され反射板3によって反射される光は光拡散部4によって拡散され、光拡散部4が設けてられていない時に発生していた、フラッシュランプ12の両側に配置されたフラッシュランプ11,13の直下近傍に生じていた大きな角状の突出した特異照度分布が小さくなり、さらには、フラッシュランプ11の両側のフラッシュランプ2本分隔てた位置に発生していた、前記の特異照度分布よりも小さな角状の突出した特異照度分布もより一層小さくなっていることが観測される。
【0030】
図4は、図1に示したフラッシュランプ光照射装置において、フラッシュランプを一斉に点灯した際のサーモパイル方式のパワーメータで測定した被照射面上の照度分布の一部を示すものである。
同図に示すように、本実施形態の発明によれば、上記に述べたように、光拡散部4を設けたことにより、角状に突出した特異照度分布が小さくなった結果、従来発生していた、ランプ直下では高照度、ランプの間隙では低照度となる等間隔の強弱のある照度分布が小さくなっていることが観測される。
【0031】
このように、本実施形態の発明によれば、従来のフラッシュランプ光照射装置に比べて、照度分布が均一化され、半導体基板であるウエーハ面上において高低のある温度分布を均一化することができ、熱処理後の半導体素子の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施形態を図5を用いて説明する。
図5は、図1に示したようなフラッシュランプ光照射装置において、その一部を拡大して示した本実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
同図において、20は反射板3の一部に形成された開口部である。その他の構成は図2に示す同符号の構成に対応する。
【0033】
ここで、開口部20は、各フラッシュランプ11,12,13の虚像の中心線から各フラッシュランプ11,12,13の各発光管111,121,131の外表面に引いた接線面によって囲まれ、各発光管111,121,131間に放射される光が反射板3を少なくとも横切る部分に形成される。
【0034】
本実施形態の発明によれば、開口部20が形成されているので、第1の実施形態の発明と同様に、フラッシュランプ12から放射され、反射板3によって反射される光は開口部20の部分で反射されなくなるため、開口部20を設けていない時に発生していた、点灯したフラッシュランプ12の両側に配置されたフラッシュランプ11,13の直下近傍に生じていた大きな角状の突出した特異照度分布や、点灯したフラッシュランプ11の両側のフラッシュランプ2本分隔てた位置に発生していた、前記の特異照度分布よりも小さな角状の突出した特異照度分布をより一層小さくすることが可能となる。
【0035】
その結果、本実施形態の発明においても、従来のフラッシュランプ光照射装置に比べて、照度分布が均一化され、半導体基板であるウエーハ面上において高低のある温度分布が均一化され、熱処理後の半導体素子の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施形態を図6を用いて説明する。
図6は、図1に示したようなフラッシュランプ光照射装置において、その一部を拡大して示した本実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【0037】
同図において、30は各フラッシュランプ11,12,13の反射板3が設けられる側の発光管111,121,131の外表面に形成された光拡散部である。その他の構成は図2に示す同符号の構成に対応する。
【0038】
ここで、光拡散部30は、各フラッシュランプ11,12,13の虚像の中心線から各フラッシュランプ11,12,13の各発光管111,121,131の外表面に引いた接線面によって囲まれた各発光管111,121,131の外表面の部分に形成される。
【0039】
なお、ここで、光拡散部30は、発光管の上記外表面をすりガラス状に加工したり、または別途光拡散処理が施されたガラス等からなる光拡散部材を取り付けるようにして形成される。
【0040】
本実施形態の発明は、各発光管111,121,131の外表面の一部に光拡散部30が形成されているので、フラッシュランプ12から反射板3に向けて放射される光が光拡散部30によって拡散されるので、光拡散部30が設けられていない時に発生していた、点灯したフラッシュランプ12の両側に配置されたフラッシュランプ11,13の直下近傍に生じていた大きな角状の突出した特異照度分布や、点灯したフラッシュランプ11の両側のフラッシュランプ2本分隔てた位置に発生していた、前記の特異照度分布よりも小さな角状の突出した特異照度分布をより一層小さくすることが可能となる。
【0041】
その結果、本実施形態の発明においても、従来のフラッシュランプ光照射装置に比べて、照度分布が均一化され、半導体基板であるウエーハ面上において高低のある温度分布も均一化され、熱処理後の半導体素子の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【0042】
次に、本発明の第4の実施形態を図7および図8を用いて説明する。
図7および図8は、それぞれ図1に示したようなフラッシュランプ光照射装置において、その一部を拡大して示した本実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【0043】
これらの図において、40は反射板3の一部に形成され反射板3に対して所定の球面状の傾斜角を有する傾斜面部、41は反射板3の一部に形成され反射板3に対して所定の傾斜角を有する傾斜面部、91〜93は、反射板3の傾斜面部40によってフラッシュランプ12との対称位置に形成された複数のフラッシュランプ12の虚像、101〜103はフラッシュランプ12と平行な虚像91〜93の仮想の中心線、94は、反射板3の傾斜面部41によってフラッシュランプ12との対称位置に形成されたフラッシュランプ12の虚像、104はフラッシュランプ12と平行な虚像94の仮想の中心線であり、その他の構成は図2に示す同符号の構成に対応する。
【0044】
ここで、これらの傾斜面部40,41は、図2において説明したように、虚像9の中心線10から各フラッシュランプ11,12,13の各発光管111,121,131の外表面に引いた接線面によって囲まれ、各発光管111,121,131間に放射される光が反射板3を横切る部分に形成される。
【0045】
本実施形態の発明は、まず、図7に示したフラッシュランプ光照射装置においては、傾斜面部40が半径Rからなる球面状の傾斜面を有するので、傾斜面部40に対するフラッシュランプ12の虚像91〜93は、図示するような位置に、連続的に無数に形成され、この虚像91〜93から放射されるように見え、傾斜面部40によって反射される光は、各発光管111,121,131間の間隙を介して半導体基板8には放射されることはない。
【0046】
また、図8に示したフラッシュランプ光照射装置においては、傾斜面部41が所定の平面状の傾斜面を有するので、傾斜面部41に対するフラッシュランプ12の虚像94は、図示するような位置に形成され、虚像94から放射されるように見え、傾斜面部41によって反射される光は、各発光管111,121,131間の間隙を介して半導体基板8には放射されることはない。
【0047】
その結果、傾斜面部40,41が設けられていない時に発生していた、点灯したフラッシュランプ12の両側に配置されたフラッシュランプ11,13の直下近傍に生じていた大きな角状の突出した特異照度分布や、点灯したフラッシュランプ11の両側のフラッシュランプ2本分隔てた位置に発生していた、前記の特異照度分布よりも小さな角状の突出した特異照度分布をより一層小さくすることが可能となる。
【0048】
そのため、本実施形態の発明においても、従来のフラッシュランプ光照射装置に比べて、照度分布が均一化され、半導体基板であるウエーハ面上において高低のある温度分布が均一化され、熱処理後の半導体素子の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【0049】
図9は、本実施形態の発明において、反射板3に対して傾斜面部40,41の傾斜をどの程度に設定すべきかを説明するための図である。
同図において、Hrはフラッシュランプ11,12,13と反射板3間の距離、s(=ピッチ間隔P−管径d)はフラッシュランプ11,12,13間の距離、a、b、cはそれぞれフラッシュランプ12の反射板3への入射角である。
【0050】
ここで、光線2が反射板3に入射角bで入射した場合、光線2はフラッシュランプ11,12,13間の間隙sの中央を通過する。また、間隙幅sを考慮すると、光線2の反射板3への入射角度がb±tan(s/2/Hr)−1の範囲で、光線2はフラッシュランプ11,12,13の間隙を通過することができる。
【0051】
つまり、光線2は、フラッシュランプの配置面に対して、b+tan(s/2/Hr)−1以上傾いている場合、隣のフラッシュランプの間隙を通過することができない。
【0052】
光線1,3についても、光線2と同様に考えることができ、a≒cあるので、光線1,3も反射板に対して、b+tan(s/2/Hr)−1以上傾いている場合、隣のフラッシュランプの隙間を通過することができない。
【0053】
従って、傾斜面部40,41は、フラッシュランプ11,12,13の配置面に対して、少なくともb+tan(s/2/Hr)−1以上傾いていることが必要であることが分かる。
【0054】
図10は、図1に示した複数のフラッシュランプが略平面状に配置されているものに代えて、複数のフラッシュランプが略凸面状に配置されたフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【0055】
上記の各実施形態では、複数のフラッシュランプが略平面状に配置されている場合について説明したが、図10に示すように、複数のフラッシュランプ1を、被照射面の中央付近では反射板3側に突出し、中央から離れるに従い被照射面に近づくように構成してもよい。
【0056】
このように構成しても、第1,2,4の実施形態の発明で行ったと同様に、フラッシュランプ1の発光時、反射板3に写るフラッシュランプ1の虚像の仮想の光中心線から各フラッシュランプ1の各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれ発光管間に放射される光が反射板を横切る部分に、光拡散部、開口部または傾斜面部を形成することが可能であり、また、第3の実施形態の発明で行ったと同様に、フラッシュランプの発光時、反射板3に写るフラッシュランプ1の虚像の仮想の中心線から各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれる発光管外表面の部分に光拡散部を形成することが可能である。
【0057】
図10に示すフラッシュランプ光照射装置によれば、第1ないし第4の実施形態の発明の効果に加えて、被処理物である半導体基板の中央付近と円周方向とで照射される光量を調節でき、均質な照射光を得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
請求項1ないし請求項3に記載の発明によれば、従来のフラッシュランプ光照射装置に比べて、照度分布が均一化され、半導体の熱処理工程に利用した場合には、半導体基板であるウエーハ面上において高低のある温度分布を均一化することができ、熱処理後の半導体素子の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【0059】
請求項4に記載の発明によれば、光拡散部をフロスト処理により容易に形成することが可能となる。
【0060】
請求項5に記載の発明によれば、反射板がアルミニウム製の場合は、光拡散部をアルマイト処理によって容易に形成することが可能となる。
【0061】
請求項6に記載の発明によれば、略凸面状に配置された複数本のフラッシュランプから構成されたフラッシュランプ光照射装置においても、従来のフラッシュランプ光照射装置に比べて、照度分布が均一化され、半導体の熱処理工程に利用した場合には、半導体基板であるウエーハ面上において高低のある温度分布を均一化することができ、熱処理後の半導体素子の性能への悪影響を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の全体構成を示す正面断面図である。
【図2】図1に示したフラッシュランプ光照射装置の一部を拡大して示した正面断面図である。
【図3】図1に示すフラッシュランプ光照射装置において、複数本のフラッシュランプを並列配置した状態で、1本のフラッシュランプのみを点灯した場合の光学シミュレーションによって解析された被照射面における放射照度分布を示した図である。
【図4】 図1に示したフラッシュランプ光照射装置において、フラッシュランプを一斉に点灯した際のサーモパイル方式のパワーメータで測定した上記の半導体基板上の照度分布の一部を示す図である。
【図5】第2の実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【図6】 第3の実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【図7】第4の実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【図8】第4の実施形態の発明に係るフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【図9】第4の実施形態の発明において、反射板3に対して傾斜面部40,41の傾斜をどの程度に設定すべきかを説明するための図である。
【図10】複数のフラッシュランプが略凸面状に配置されたフラッシュランプ光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【図11】公報に開示された熱処理装置に類似する試作された光照射装置の構成を示す正面断面図である。
【図12】図11に示したフラッシュランプ光照射装置において、フラッシュランプを一斉に点灯した際のサーモパイル方式のパワーメータで測定した被照射面上の照度分布の一部を示す図である。
【図13】図11に示したフラッシュランプ光照射装置において、30本のフラッシュランプを並列配置した状態で、中心付近の1本のフラッシュランプを点灯した場合の光学シミュレーションによって解析された被照射面における放射照度分布を示した図である。
【図14】図11に示したフラッシュランプ光照射装置の一部を拡大して示した正面断面図である。
【図15】図11に示したフラッシュランプ光照射装置の一部を拡大して示した正面断面図である。
【符号の説明】
1,11,12,13 フラッシュランプ
111,121,131 発光管
2 トリガー線
3 反射板
4 光拡散部
5 照射窓
6 チャンバー窓
7 基板ステージ
8 半導体基板
9,91〜93,94 虚像
10,101〜103,104 虚像の仮想の中心線
20 開口部
30 光拡散部
40,41 傾斜面部
Claims (6)
- 各々が略円筒状の発光管を有し、略平面状に配置された複数本のフラッシュランプと、該フラッシュランプからの光を被照射面側に反射する反射板とを有するフラッシュランプ光照射装置において、
前記反射板は平面状に形成され、前記フラッシュランプの発光時、前記反射板に写るフラッシュランプの虚像の仮想の中心線から前記各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれ発光管間に放射される光が前記反射板を横切る部分に光拡散部が形成され、光拡散部以外が鏡面仕上げされていることを特徴とするフラッシュランプ光照射装置。 - 各々が略円筒状の発光管を有し、略平面状に配置された複数本のフラッシュランプと、該フラッシュランプからの光を被照射面側に反射する反射板とを有するフラッシュランプ光照射装置において、
前記フラッシュランプの発光時、前記反射板に写るフラッシュランプの虚像の仮想の中心線から前記各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれ発光管間に放射される光が前記反射板を少なくとも横切る部分に、開口部を形成したことを特徴とするフラッシュランプ光照射装置。 - 各々が略円筒状の発光管を有し、略平面状に配置された複数本のフラッシュランプと、該フラッシュランプからの光を被照射面側に反射する反射板とを有するフラッシュランプ光照射装置において、
前記反射板は平面状に形成され、前記フラッシュランプの発光時、前記反射板に写るフラッシュランプの虚像の仮想の中心線から前記各フラッシュランプの各発光管の外表面に引いた接線面によって囲まれる発光管外表面の部分に、光拡散部を形成したことを特徴とするフラッシュランプ光照射装置。 - 前記光拡散部がフロスト処理により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のフラッシュランプ光照射装置。
- 前記反射板がアルミニウム製であり、前記光拡散部がアルマイト処理によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュランプ光照射装置。
- 前記略平面状に配置された複数本のフラッシュランプに代えて略凸面状に配置された複数本のフラッシュランプから構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のフラッシュランプ光照射装置。
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