JP4418227B2 - 大気圧プラズマ源 - Google Patents
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Description
それらのうちアーク放電に関する技術の具体例としては、例えば、対向配置された電極間に、高電圧を印加して強制的にアーク放電させ、それら電極間にガスを送入してその風力により放電を拡張させる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、マイクロ波励起の具体例としては、低圧あるいは真空の容器(チャンバ)内にガスを供給し、マイクロ波を励起源としてプラズマを発生させる技術がある(例えば、特許文献5〜6参照。)。
例えば、基板表面の改質,エッチングや成膜,超微粒子生成,排ガス処理等のドライプロセスにおいては、高密度なプラズマが利用されている。
また、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)などのボンディング部の洗浄、フィルムの表面処理や空気清浄などには、密度が低く低温のプラズマが利用されている。
この大気圧プラズマ源に関しては、例えば、プラズマ発生方法として直流パルス放電を用い、しかも、プラズマの吹き出し口を横長断面(幅広)に形成した技術が提案されている(例えば、特許文献7参照。)。
このことから、ドライプロセスへの利用を目的とした大気圧プラズマ源は、プラズマ発生方法を高周波励起方式とする必要がある。
この現象は他方式のプラズマ源でも出現するが、マイクロ波や高周波励起の無電極型のプラズマ源においては、熱フィラメントなどの積極的な電子源が無いためにその傾向が著しい。
すなわち、放電開始に充分な条件を作成できないプラズマ源においては、外的に偶発的な刺激が加えられない限り放電しないと考えられる。
すなわち、大気圧プラズマ源においては、放電開始時の荷電粒子が必要充分でないことから、放電開始の困難性あるいはプロセス中の放電停止が顕著となる。
そのため、プラズマの吹き出し口を大型化すると、プロセスでは非現実的な大電力電源が必要になり、これにより、投入されるエネルギーに起因してプラズマ源が破壊され、さらには、熱によりプラズマ源を構成する材料からの汚損も問題となっていた。
しかも、吹き出し口を大型化すると、吹き出されるプラズマの密度にバラツキが生じるため、プロセスに支障をきたしていた。
特に、大気圧下における無電極のプラズマ源は、プラズマ発生のための条件が非常に厳しい。そこで、プラズマの放電開始時に必要充分な電子,イオンあるいはラジカル種などを補助プラズマ発生手段から供給することで、主プラズマ発生手段においては、放電開始や放電維持を確実かつ安定的に行なうことができる。
例えば、低圧プラズマにおいては、放電開始時に、ガス流量を増加させガス圧力を上げたり、供給電力を増加させたりする方法がある。この問題点としては、プロセスに最適な条件とは異なるプラズマが発生することで、デバイスそのものの性能に影響を与えることが挙げられる。
さらに、紫外線ランプを使用する方法がある。この問題点としては、プラズマ容器に紫外線を透過する材質を使う必要があり、制約となることが挙げられる。
このため、主プラズマ発生手段においては、その供給されたプラズマにより、放電開始や放電維持を容易かつ安定的に行なうことができる。
これに対し、本発明は、小電力でプラズマを発生させる補助プラズマ発生装置を設けることにより、主プラズマ発生装置では、小電力かつ高密度のプラズマを発生可能としている。これにより、プラズマの吹き出し口を大型化しても、高密度のプラズマを低電力で発生させることができる。したがって、大電力電源を必要とせず、投入されるエネルギーによりプロセス源が破壊されることもなく、しかも、熱によりプラズマ源を構成する材料からの汚損も解消できる。
このため、補助プラズマ発生手段から主プラズマ発生手段へプラズマを送る管と原料ガスを流す管とを同一構成とすることができ、これにより、大気圧プラズマ源の構造を簡易なものとすることができる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすれば、補助プラズマ発生手段における金属汚損を防止できる。
なお、金属汚損などの障害の多くは、主プラズマ発生手段で発生するため、技術的に主プラズマ発生手段を無電極とするのがよい。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすれば、処理対象物に応じた形状のプラズマジェットを噴出できる。
なお、様々な形状に対応するため、「開口面に対して垂直上方向」の他、「水平方向」に湾曲した状態で帯状に形成することもできる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすると、主プラズマ管が吹き出し口と同じ方向に湾曲しているため、吹き出し口から噴出されるプラズマの密度を均一化できる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすれば、原料ガスを、補助プラズマ発生手段を通過せずに主プラズマ発生手段に供給することができる。
この場合は、補助プラズマ発生手段によりガスが分解されたり、ターゲットに達するまでの過程により、これら作用に寄与するイオン及びラジカルが消失したりするのは好ましくない。
そこで、補助プラズマ発生手段を通さずにプロセス用ガスを主プラズマ発生手段に供給することで、ガスが分解することや、ターゲットに達するまでにイオン等が消失することを防止・抑制できる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすると、ガスが分解することや、ターゲットに達するまでにイオン等が消失することを防止・抑制して、プロセスに大きく作用するある特定のイオンあるいはラジカルを効率よく生成することができる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすると、分岐した各導波経路ごとのマイクロ波電力及び位相を調整でき、これにより、全体に密度の均一なプラズマを生成できる。したがって、吹き出し口から噴出されるプラズマの密度のバラツキを抑制できる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすれば、給電用主アンテナにより、主プラズマ管に対してマイクロ波を給電できる。これにより、主プラズマ管内でプラズマを発生させ、プラズマジェットとして噴出させることができる。
大気圧プラズマ源をこのような構成とすると、給電用補助アンテナにより、補助プラズマ管に対してマイクロ波を給電できる。これにより、補助プラズマ管内でプラズマを発生させ、主プラズマ管へ供給することができる。
しかも、導波管内にマイクロ波の導波経路を分岐する一又は二以上の隔壁を設けることにより、導波管内にほぼ均等にマイクロ波が分散されるため、プラズマジェットの吹き出し口が大型化しても、プラズマ密度のバラツキを抑制できる。
まず、本発明の大気圧プラズマ源の実施形態1について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態の大気圧プラズマ源の構造を示す外観斜視図、図2は、図1の大気圧プラズマ源の側面断面図、図3は、正面断面図(図2のA−A断面図)、図4は、底面図である。
この輸送管10により送られる原料ガスとしては、例えば、He,Ne,N2,Arあるいは、N2/Arの混合ガス(大気圧プラズマ源1を基板の表面改質等に用いる場合)などがある。
さらに、輸送管10は、硬質な材料で形成されていてもよく、また、フレキシブルな材質で形成されていてもよい。
この主プラズマ発生手段20の内部構造を、図1〜図3に示す。
主プラズマ管(プラズマ室)21は、例えば石英ガラスなどで形成されており、上方に接続された輸送管10から原料ガスが導入される。そして、この主プラズマ管21の内部では、原料ガスが、主導波管22を通って送られてきたマイクロ波により励起され、プラズマが発生する。
この主プラズマ管21においては、補助プラズマ発生装置30からのプラズマ(第一のプラズマ)に誘引され第二のプラズマが発生する。この第一のプラズマによる第二のプラズマの発生については後記詳述する。
吹き出し口23は、図4に示すように、開口が帯状に形成されている。これにより、一度に広い範囲でのプラズマ放電が可能となる。
また、吹き出し口23の開口(帯状)の角部は、丸みを帯びていてもよく、しかも、楕円に近い形状であってもよい。
このように本発明の大気圧プラズマ源1は、吹き出し口23の開口面が広い面積である点で、基板の表面改質等に代表されるドライプロセスへの利用に適している。
この主導波管22の内部には、主プラズマ管21が設けられる。主プラズマ管21は、図2に示すように、先端を閉じた主導波管22の先端(最終衝突面)24から1/4波長(供給されるマイクロ波の波長の1/4波長(1/4λ))のところ、すなわち、定在波の最大振幅位置(腹)に設置される。
これにより、電子が運動する幅を小さくし、小型のプラズマ室であっても、プラズマ室壁にあたる電子の個数を減らすことができる。このため、プラズマの質向上、プラズマ室壁の損傷防止にもなる。
この補助プラズマ発生手段30の内部では、輸送管10により送られてきた原料ガスが、マイクロ波励起によりプラズマ化されて、プラズマ(第一のプラズマ)が発生する。
しかも、補助プラズマ管31で放電されるプラズマは、プロセスとは直接関係がないため、プラズマ密度は低くてもよい。
このように補助プラズマ管31は、容積を小さくでき、しかも発生するプラズマ密度は低くてもよいことから、補助プラズマ発生手段30は、主プラズマ発生手段20に比べて小型にすることができる。
なお、本実施形態においては、主プラズマ発生手段20と補助プラズマ発生手段30との双方で、同じプラズマ発生方法(マイクロ波励起方法)を用いることとしているが、双方とも同じプラズマ発生方法とすることに限るものではなく、それぞれ異なるプラズマ発生方法を用いることもできる。
条件によっては、この輸送中にプラズマの大半が消失する可能性があるが、発明者による実験の結果、平均自由行程を越えるような距離、すなわち大半のプラズマが失われるような距離や条件であっても、所望の効果が得られることが確かめられた。
このため、主プラズマ発生手段20では、補助プラズマ発生手段30で生成されたイオン、電子、あるいはラジカルの一部が送られてくるために、これらイオン等に誘引されて極めて点火しやすくなり、かつ放電状態を維持しやすくなっており、安定したプラズマが得られる。
そこで、マイクロ波励起の大気圧プラズマ源に補助プラズマ発生手段30を取り付けると、輸送管10の長さを例えば30cmとした場合においても、比較的低い電力(例えば、1/10程度の電力)で安定したプラズマ放電及び維持が可能である。このことにより、少ない電力で大面積の大気圧プラズマ源を構成できる。
さらに、補助プラズマ発生手段30の補助プラズマ管31は、図1,図6,図7においては、輸送管10の口径方向の断面積よりも広い面積が確保された箱型のプラズマ室としているが、これに限るものではなく、例えば、図8に示すように、輸送管10の一部をそのまま補助プラズマ管31として使用することもできる。この場合、補助導波管32を通って送られてきたマイクロ波が供給(照射)される輸送管10上の箇所が補助プラズマ管31に相当する。
成膜やエッチングなどに使われるプロセス用ガスは、プロセスに大きく作用するある特定のイオンあるいはラジカルを効率よく生成する必要がある場合が多い。
この場合は、補助プラズマ発生手段30によりガスが分解されたり、ターゲットに達するまでの過程により、これら作用に寄与するイオン及びラジカルが消失したりする場合がある。
そこで、図9に示すように、補助プラズマ発生手段30を通さずに原料ガスを直接主プラズマ発生手段20へ送る第一ガス導入管25や、補助プラズマ発生手段30を通さずに輸送管10を介して原料ガスを主プラズマ発生手段20へ送る第二ガス導入管11などを設けることができる。
マイクロ波電源は、2.45[GHz],最大電力1[kW]の連続波出力のものを、補助プラズマ用,主プラズマ用として二台使用した。
補助導波管32の内径は、96×9[mm]とし、補助プラズマ管31は石英管とし、内径は9[mm]とした。補助プラズマ管31と主プラズマ管21との間は、内径15[mm]のアルミナセラミック管で接続した。主導波管22の内径は96×18.5[mm]とした。
主プラズマ発生手段20は、吹き出し口23が94[mm]×3[mm]の帯状に形成されており、主プラズマ管21が直方体に形成されたものを使用した。
また、点火後は、主プラズマ発生手段20のみでプラズマの持続が可能であった。しかも、ガス流量、マイクロ波電力を調整し、プラズマを吹き出し口23から一様に噴出させることが可能であった。
次に、本発明の大気圧プラズマ源の実施形態2について、図10を参照して説明する。
同図は、本実施形態の大気圧プラズマ源の構造を示す斜視図である。
本実施形態は、実施形態1と比較して、主導波管の構造が相違する。すなわち、実施形態1では、主導波管が単に断面が矩形の筒状に形成されていたのに対し、本実施形態では、主導波管がマイクロ波の導波方向に対して水平横方向に拡張されて形成されており、かつ、主導波管の内部に一又は二以上の隔壁を設けた点で相違する。他の構成要素は実施形態1と同様である。
したがって、図10において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
幅の広い帯状のものを処理対象物としてプラズマジェットを照射し処理するためには、幅の広い均質なプラズマを生成する必要がある。この場合、主プラズマ源20を複数台並べることも考えられるが、コスト面や各プラズマ源の管理面で問題となる。
そこで、主導波管22をマイクロ波の導波方向に対して水平横方向に拡張した構造とする。これにより、主プラズマ管21や吹き出し口23の形状を帯状(横長状)に形成でき、したがって、大面積のプラズマジェットを処理対象物に対し照射することができる。
隔壁26は、マイクロ波の導波経路を複数に分岐するように配置されている。
この隔壁26で区切られた各分岐経路は、それぞれ独立した導波管と考えることができる。
この隔壁26の位置や長さを変更することにより、それぞれの導波管に分配されるマイクロ波の電力及び位相を調整することができる。
ただし、隔壁26の間隔は、主導波管22の遮断波長の制約から1/2波長(供給されるマイクロ波の波長の1/2波長(1/2λ))以上にする必要がある。
主プラズマ発生手段20のプラズマが吹き出し口23は、被処理物の形状によって、主導波管22の物理的な制約の範囲内において、吹き出し口23の形状を変更することもできる。
ただし、この公報に記載の仕切板は、導波管ではなくプラズマ管に設けられており、プラズマを均等に分配することをその役割としている。また、この公報記載のプラズマ処理方法は、プラズマ発生方法として電極間に高周波電圧を印加したグロー放電によるものであるため、マイクロ波は用いていない。つまり、その公報には、導波管に関する記載は無く、その仕切板もマイクロ波の導波経路を分岐するものではない。
主プラズマ管21や吹き出し口23は、図11,図12に示すように、湾曲した形状に形成できる。
吹き出し口23や主プラズマ管21をこのような湾曲した形状とすることにより、処理対象物の形状等に応じたプラズマジェットを噴出できる。このような形状は、円盤状の外周部のみを処理する必要がある場合に適している。
吹き出し口23や主プラズマ管21をこのような湾曲した形状とすることにより、被処理物に適した形状のプラズマを作成することができる。
この場合、主プラズマ管21についても、同図に示すように、吹き出し口23の湾曲方向と同一の方向に湾曲した形状に形成することができる。
吹き出し口23や主プラズマ管21をこのような湾曲した形状とすることにより、パイプの内面や、樋(とい)状の被処理物の表面処理などに適用できる。
屈曲した形状に形成された吹き出し口23を有する主プラズマ発生手段20の構造例を図13に示す。
吹き出し口23の屈曲方向は、同図に示すように、たとえば、マイクロ波の導波方向とは逆の方向、すなわち、主導波管22の先端(最終衝突面)24から遠のく方向とすることができる。この場合、主プラズマ管21も、吹き出し口23の屈曲方向と同一の方向に屈曲した形状に形成される。
これらのように、吹き出し口23の屈曲方向をマイクロ波の導波方向とは逆の方向や同一方向とすると、被処理物の表面処理などに適用でき、特に、複雑な形状の被処理物への対応が可能となる。
この場合、主プラズマ管21についても、吹き出し口23の屈曲方向と同一の方向に屈曲した形状に形成することができる。
吹き出し口23や主プラズマ管21をこのような形状とすることにより、パイプの内面や、樋(とい)状の被処理物の表面処理などに適用できる。
しかも、一つの吹き出し口23に、湾曲部分と屈曲部分との双方をそれぞれ一又は二以上形成することもできる。
これらのような形状とすることで、複雑な形状の被処理物に対応できる。
例えば、上述した実施形態では、主プラズマ発生手段や補助プラズマ発生手段をそれぞれ一つずつ備えた構成を示したが、それら主プラズマ発生手段や補助プラズマ発生手段は、それぞれ二つ以上備えた構成とすることもできる。
次に、本発明の大気圧プラズマ源の実施形態3について、図14を参照して説明する。
同図は、本実施形態の大気圧プラズマ源の構造を示す外観斜視図である。
本実施形態は、実施形態1と比較して、マイクロ波を供給する手段が相違する。すなわち、実施形態1では、マイクロ波が主導波管や補助導波管により供給されていたのに対し、本実施形態では、給電用主アンテナや給電用補助アンテナにより供給される点で相違する。他の構成要素は実施形態1と同様である。
したがって、図14において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
なお、主プラズマ発生手段20の主プラズマ管21と補助プラズマ発生手段30の補助プラズマ管31とは、例えば石英などで形成されており、一体化して製作されている。
給電用主アンテナ27は、主プラズマ管21に対してマイクロ波を供給するアンテナであって、導体で形成されており、帯状に一様にマイクロ波を供給するためのモノポールアンテナ27−1で構成することができる。
なお、モノポールアンテナ27−1は、同図においては、二枚設けられているが、二枚に限るものではなく、例えば、一枚であってもよく、あるいは、三枚以上であってもよい。
また、同軸ケーブル28に代えて、同軸管(図示せず)を用いることもできる。
給電用補助アンテナ33は、補助プラズマ管31に対してマイクロ波を供給するアンテナであって、導体で形成されており、補助プラズマ管31の外周に沿って巻きつけるように螺旋状に形成されたスパイラルアンテナ33−1とすることができる。
なお、同軸ケーブル34に代えて、同軸管(図示せず)を用いることもできる。
ゆえに、導波管による給電に代えて、導体によるアンテナ給電によっても、本発明を構成することができる。
導波管は、その横幅に遮断波長が存在するために、1/2λ以下にすることはできない。しかし、同軸ケーブルあるいは同軸管を用いてアンテナによる給電とすれば、寸法的な制約が小さく、小型化が可能である。
それらモノポールアンテナ27−1やスパイラルアンテナ33−1の材質は、良導体であればいずれも使用可能であるが、プラズマの輻射熱に直接晒されることから、アルミニウム、ステンレス、金メッキされた銅など、酸化しにくく融点が高く赤外線の反射率が高い金属が望ましい。
形状は、丸線、板状、パイプなどを大きさ、インピーダンス整合の状態によって使い分けすることが望ましい。
それらモノポールアンテナ27−1やスパイラルアンテナ33−1を用いた場合、実用的には、マイクロ波漏洩防止のため、大気圧プラズマ源1の全体を金属板などで覆い、電磁遮断する必要がある。
なお、導体で構成される給電用アンテナは、特願2003−78556号公報「プラズマ源」に記載の技術で実現可能である。
補助プラズマ管31には、放電容易なArガスを原料ガスとして流し、補助的にスパーク放電タイプの点火器を使用し、マイクロ波を500W印加してプラズマ発生させた。プラズマ発生後は、Arガスを止め、プロセスに最適なガスに切り替えても放電維持可能であった。
補助プラズマが放電している状態では、主プラズマ管21は、200Wのマイクロ波電力投入で放電開始した。
10 輸送管
11 第二ガス導入管
20 主プラズマ発生手段
21 主プラズマ管
22 主導波管
23 吹き出し口
24 先端(最終衝突面)
25 第一ガス導入管
26 隔壁
27 給電用主アンテナ
27−1 モノポールアンテナ
28 同軸ケーブル
30 補助プラズマ発生手段
31 補助プラズマ管
32 補助導波管
33 給電用補助アンテナ
33−1 スパイラルアンテナ
34 同軸ケーブル
Claims (10)
- 大気圧下においてマイクロ波により原料ガスを励起させてプラズマを発生させるプラズマ発生手段を有した大気圧プラズマ源であって、
マイクロ波励起により第一のプラズマを発生させる補助プラズマ発生手段と、
この補助プラズマ発生手段からの前記第一のプラズマに誘引されて、前記大気圧下でマイクロ波励起により第二のプラズマを発生させる主プラズマ発生手段と、
前記原料ガスを前記主プラズマ発生手段へ送る輸送管とを備え、
前記補助プラズマ発生手段が、
前記輸送管の途中に設けられて前記原料ガスを流す補助プラズマ管と、
この補助プラズマ管を流れる前記原料ガスを励起させるために前記補助プラズマ管へマイクロ波を送る補助導波管とを備え、
前記主プラズマ発生手段が、
前記第二のプラズマを内部で発生させる主プラズマ管と、
前記第二のプラズマを外部へ向けて放出させる吹き出し口とを備え、
この吹き出し口の開口が、帯状に形成され、
前記補助プラズマ管が、前記輸送管の口径方向の断面積よりも広い断面積が確保された箱型のプラズマ室であり、
この箱型の補助プラズマ管の容積が、前記主プラズマ管の容積よりも小さくなっており、
前記輸送管が、前記補助プラズマ管の内部で発生したプラズマを前記第一のプラズマとして前記主プラズマ発生手段へ送る
ことを特徴とする大気圧プラズマ源。 - 前記補助プラズマ管が、絶縁物で形成された
ことを特徴とする請求項1記載の大気圧プラズマ源。 - 前記主プラズマ発生手段又は補助プラズマ発生手段のうち、少なくとも主プラズマ発生手段は、無電極で、プラズマを発生させる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の大気圧プラズマ源。 - 前記吹き出し口の開口の全体又は一部が、一又は二以上の湾曲又は屈曲を有した形状に形成された
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の大気圧プラズマ源。 - 前記主プラズマ発生手段の主プラズマ管が、前記吹き出し口の開口の湾曲方向又は屈曲方向と同一方向に湾曲又は屈曲して形成された
ことを特徴とする請求項4記載の大気圧プラズマ源。 - 前記補助プラズマ発生手段を通さずに前記原料ガスを直接に前記主プラズマ発生手段へ送る第一のガス導入管を備えた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の大気圧プラズマ源。 - 前記補助プラズマ発生手段を通さずに前記輸送管を介して前記原料ガスを前記主プラズマ発生手段へ送る第二のガス導入管を備えた
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の大気圧プラズマ源。 - 前記主プラズマ発生手段が、前記主プラズマ管へマイクロ波を送る主導波管を備え、
この主導波管が、前記マイクロ波の導波経路を分岐する一又は二以上の隔壁を備えた
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の大気圧プラズマ源。 - 前記主導波管に代えて、又は、前記主導波管に加えて、給電用主アンテナを備えた
ことを特徴とする請求項8記載の大気圧プラズマ源。 - 前記補助導波管に代えて、又は、前記補助導波管に加えて、給電用補助アンテナを備えた
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の大気圧プラズマ源。
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