JP3957397B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置に関し、特に、プラズマCVDおよびプラズマエッチングに応用されるプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のプラズマ処理装置の一例は特開平7−307200号公報に開示される。このプラズマ処理装置で使用される従来のプラズマ生成用アンテナを図20〜図26を参照して説明する。
【0003】
図20は従来のプラズマ生成用アンテナの作用を説明する図である。プラズマ生成用アンテナ101には、高周波電力を供給するための高周波電力供給系102が付設されている。高周波電力供給系102は、高周波電源103とスタブチューナ104と電力供給用同軸コネクタ105から構成されている。プラズマ生成用アンテナ101は、放電容器106において大気側に設置され、真空窓107を介して放電容器106内に高周波電力を放射する。なお高周波電源103は、プラズマ生成用アンテナ101の共振周波数とほぼ等しい周波数の高周波電力を発生し、500MHzのUHF波を発生できるものが好適である。高周波電源103の出力電力は例えば1000W程度である。
【0004】
上記装置を動作させるには、一度、真空容器108に配置された排気系109により、真空容器108と真空窓107を載置した放電容器106とからなる真空槽内を所定の真空状態にする。その後、ガス導入系110により反応ガスを放電容器106内に導入し、同時に真空排気して、100Pa以下の所定の減圧状態を保つ。そして、高周波電力供給系102によってプラズマ生成用アンテナ101に高周波電力を導入し、放電容器106内でプラズマを生成して反応ガスの粒子を活性化させる。放電容器106内に設置された基板保持機構112に保持された被処理基板113の表面は、放電容器106内で生成されたプラズマ中の活性種により処理される。
【0005】
図21は上記プラズマ生成用アンテナ101の下面図、図22はプラズマ生成用アンテナ101の拡大縦断面図を示す。プラズマ生成用アンテナ101は、6本のロッド121を、上面部を有する内径350mm程度の円筒状アンテナ容器101aの内壁から中心に向かい60度間隔で放射状に設置し、さらに各ロッド121の先端を導電性のリング122で接続して構成している。プラズマ生成用アンテナ101において、隣り合う2本のロッド121とそれを結合するリング122とにより構成される伝送路の長さが、供給される高周波電力の波長の1/2とほぼ等しくなるような構造である。
【0006】
また、上記の電力供給用同軸コネクタ105をプラズマ生成用アンテナ101の上面に1ヶ所設け、高周波電力供給系102からプラズマ生成用アンテナ101に高周波電力を供給して、放電容器106の内部空間にプラズマを発生させる。ここで、同軸コネクタ105は外部導体123と内部導体124から構成されており、外部導体123はアンテナ容器101aに、内部導体124は6本の内の1本のロッド121に接続されている。ロッド121は、それぞれが外径15mm、長さ120mm程度の金属製の棒または筒状の部材である。またリング122は直径100mm、幅10mm、厚さ1mm程度の金属製の円環である。ロッド121およびリング122の材質としては、アルミニウムまたは銅等の金属または合金が用いられる。ロッド121とアンテナ容器101a、ロッド121とリング122との接続は、溶接、ハンダ付け、ロー付けまたはネジ止め等の方法により行われ、電気的に接続されている。
【0007】
さらにプラズマ生成用アンテナ101には、スタブ125がプラズマ生成用アンテナの上面板(アンテナ容器101aの上面部)から配置され、各ロッド121との間で容量を形成している。ここでスタブ125の材質としては、アルミニウムまたは銅等の金属または合金が用いられ、プラズマ生成用アンテナ101の上面と電気的に接続されている。プラズマ生成用アンテナ101の調整は、主としてスタブ125とロッド121の間隔を調整して容量を変更することによって、各ロッド121およびプラズマ生成用アンテナ101の全体での共振条件が満たされるように、行われる。この状態でスタブ125は固定される。通常、この調整は、真空窓107の真空側にプラズマを想定した導電性のダミーを配置して行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来例に示したプラズマ生成用アンテナ101は、特定の周波数に対して共振条件を満たすようにスタブ125とロッド121の間隔で容量調整が行うことにより用いられる。実際に調整されたプラズマ生成用アンテナ101の周波数特性を図23に示す。横軸は周波数、縦軸はリターンロスを示している。この調整は、真空窓107の真空側にプラズマを想定した導電性のダミーを配置し、プラズマ生成用アンテナ101が500MHzで共振条件を満たすように行われた例である。この調整においては、プラズマ生成用アンテナ101に高周波電力が供給されたとき、ロッド121の先端には高電圧が誘起される。そこで、大気放電の発生を難しくするため、ロッド121には、鋭角な部分を排除した例えば円筒形状のものが用いられる。
【0009】
図24と図25はそれぞれロッド121の正面図と端面図を示し、併せてロッドとスタブの位置関係を示している。スタブ125とロッド121の間の容量は、ほぼスタブ125から光学的に見ることができる(光学的可視の)ロッド121の表面で決まる。スタブ125とロッド121の距離が狭くなると、スタブ125から光学的可視であるロッド表面からスタブまでの距離は、最短距離と最遠距離の間での相対的な差が大きくなる。その結果、スタブ125とロッド121の間の領域で形成される単位面当たりの容量の分布状態の不均一性は、大きくなる方向に向かい、電界の集中が発生して大気放電が発生する。
【0010】
図26はスタブ125とロッド121の最短距離に対する容量の計算結果を示す。ここで、従来例で示したロッド121の直径は15mmである。従って、図26に示した計算結果では、スタブとロッドの最短距離での容量から、その最短距離から概ね7.5mm遠くなった位置での容量までが、スタブとロッドの空間で連続的に存在する。スタブとロッドの最短距離が10mmの場合には容量の差は約170%程度であるが、スタブとロッドの最短距離が2mmの場合には約500%程度となる。従ってスタブ125とロッド121の距離が狭い場合には、スタブとロッドの距離が最短となる領域に電界が集中するため大気放電が発生する。
【0011】
またスタブ125とロッド121の容量調整によっては、スタブとロッドの距離が狭い状態、すなわち大きな容量が必要となる場合がある。例えば、図26において、スタブ125とロッド121の最短距離が3mm以下となる領域である。この領域を使用する場合、スタブとロッドの距離に対する容量の変化量が大きいため、微調整が難しいという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、上記の問題を解決するもので、調整が容易に行え、プラズマ生成中にプラズマ生成用アンテナ内での大気放電を抑制したプラズマ処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るプラズマ処理装置は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0014】
第1のプラズマ処理装置(請求項1に対応)は、アンテナ容器内に複数のロッドが一定間隔でアンテナ容器の中心に向かい放射状にかつ同一平面状に配置され、アンテナ容器の上面とロッドとの間で容量を形成しかつ共振状態を作るスタブがアンテナ容器の上面に配置され、アンテナ容器の上面の一部を貫通してロッドに高周波電力を供給する電力供給機構が設けられたプラズマ生成用アンテナを備え、このプラズマ生成用アンテナから真空窓を通して放電容器内へ高周波電力を供給してプラズマを発生するように構成され、さらに上記ロッドは断面形状が三角形である筒形状または棒状の部材であって、その断面で、底辺に相当する部分がスタブに対向する平坦面を形成しかつ頂部に相当する部分が真空窓に対する最近接部となるように構成される。スタブに対向するロッドの部分を平坦面の形状に形成したので、スタブとロッドが互いに平面で対向し、両者の間で距離が最短となる領域が比較的に広い領域となるため、スタブとロッドの間の空間で最大となる電界密度を低下させ、スタブとロッドの間の大気放電が抑制され、同時にスタブとロッドの距離調整の感度を落とすことができる。これによってプラズマ生成用アンテナの調整を容易にする。
【0018】
のプラズマ処理装置(請求項に対応)は、上記の発明構成において、好ましくは、プラズマ生成用アンテナ内に形成される伝送路の共振周波数が、高周波電力の周波数と実質的に等しくなるように構成される。
【0019】
のプラズマ処理装置(請求項に対応)は、上記の各発明構成において、好ましくは、複数のロッドの先端部が導電性リングに結合され、隣り合う2本のロッドとリングとにより構成される伝送路の長さが、高周波電力の波長の1/2と実質的に等しくなるように構成される。
【0020】
のプラズマ処理装置(請求項に対応)は、上記の各発明構成において、好ましくは、導電性リングではその中心軸方向の寸法がロッドの先端部の先端面の中心軸方向の寸法と同一であり、導電性リングはロッドの先端面に結合されていることを特徴とする。
【0021】
のプラズマ処理装置(請求項に対応)は、上記の各発明構成において、好ましくは、高周波電力の周波数は100MHzから1000MHzの範囲に含まれる周波数であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図8を参照して本発明の第1実施形態に係るプラズマ処理装置を説明する。図1は本実施形態によるプラズマ生成用アンテナを備えたプラズマ処理装置の構成図である。プラズマ生成用アンテナ20は、誘電体で作られた真空窓13を介して放電容器12の上部の開口面に取り付けられている。このプラズマ生成用アンテナ20には、当該プラズマ生成用アンテナに高周波電力を供給するための高周波電力供給系30が付設されている。高周波電力供給系30は、高周波電源31とスタブチューナ32と電力供給用同軸コネクタ34から構成されている。なお高周波電力供給系30における高周波電源31は、プラズマ生成用アンテナ20の共振周波数とほぼ等しい周波数の高周波電力を発生させるものである。本実施形態では、例えば500MHzのUHF波を発生できるものが使用される。高周波電源31の出力電力は例えば1000W程度である。
【0024】
上記プラズマ処理装置の動作は次の通りである。一度真空容器11に設けた排気系16によって、真空容器11と真空窓13を配置した放電容器12とからなる真空槽内を所定の真空状態にした後、ガス導入系17により反応ガスを放電容器12内に導入し、同時に真空排気して100Pa以下の所定の減圧状態を保つ。そして高周波電力供給系30により、プラズマ生成用アンテナ20に高周波電力を導入する。放電容器12内でプラズマを生成し、反応ガスの粒子を活性化させ、プラズマを維持する。真空槽内に設置された基板保持機構14に保持された被処理基板15の表面は、放電容器12内で生成されたプラズマ中の活性種により処理される。
【0025】
本発明では、プラズマ処理装置の構成要素の1つであるプラズマ生成用アンテナの構成と調整法に特徴がある。プラズマ生成用アンテナ20は、図1に示されるように、放電容器12に設置され、この放電容器内へ高周波電力を放射する目的で使用される。以下の実施形態の説明では主にプラズマ生成用アンテナの構成の特徴に関して説明される。
【0026】
図2は第1実施形態によるプラズマ生成用アンテナ20の縦断面図を示し、図3はプラズマ生成用アンテナ20の下面図を示す。
【0027】
プラズマ生成用アンテナ20で、アンテナ容器10に配置されるスタブ21および電力供給用コネクタ34の寸法、部材、構成は、以下に説明する通り、従来技術で示したプラズマ生成用アンテナ20の場合と実質的に同一である。このことは他の実施形態でも同じである。
【0028】
本実施形態におけるプラズマ生成用アンテナ20は、例えば6本のロッド22を、例えば一端が閉じられた上面部を有する内径350mm程度の円筒状のアンテナ容器10の内壁からアンテナ容器の中心に向かい60度間隔で放射状にかつ同一平面内に設置し、さらにそれらの先端下部を導電性のリング23で接続して結合している。また電力供給用同軸コネクタ34を1ヶ所設け、高周波電力供給系30から高周波電力を供給して、放電容器12の内部空間にプラズマを発生させる。同軸コネクタ34は外部導体34aと内部導体34bから構成されており、外部導体34aはアンテナ容器10に、内部導体34bはロッド22に接続されている。6本のロッド22のそれぞれは、例えば、直径15mm、長さ120mm程度の金属製の円筒状の部材である。ロッド22の詳細は図4〜図6を参照して後述される。またリング23は例えば直径100mm、幅10mm、厚さ1mm程度の金属製の円環である。ロッド22およびリング23の材質としては、アルミニウムまたは銅等の金属または合金が用いられる。ロッド22とアンテナ容器10の接続、およびロッド22とリング23の接続は、溶接、ハンダ付け、ロー付けまたはネジ止め等の方法により行われ、電気的に接続されている。さらにスタブ21がアンテナ容器10の上面から配置されている。スタブ21の材質としては、アルミニウムまたは銅等の金属または合金が用いられ、電気的にアンテナ容器10に接続されている。
【0029】
図4〜図6はそれぞれロッド22の正面図、平面図、端面図を示す。ロッド22は全体形状がほぼ円筒形状であり、その寸法は好ましくは直径15mm、長さ120mm程度である。ロッド22の先端部(図4および図5の左端)におけるスタブ21に対向する部分とその周辺部分は平坦となっており(以下「平坦面22a」という)、かつ当該平坦面22aがスタブ21の対向面21aに平行となるように切り欠いて形成されている。図ではスタブ21は破線にて示されている。平坦面22aは、ロッド22の中心軸に平行で、好ましくは2mmの幅で形成されている。
【0030】
次にプラズマ生成用アンテナ20の調整例を示す。図7は、導電性ダミーを真空窓13の真空側に配置しプラズマ生成時を想定して調整を行った場合のプラズマ生成用アンテナ20の周波数特性である。横軸は周波数、縦軸はリターンロスを示している。図7に示すように、プラズマ生成用アンテナ20は、スタブ21の位置を調整することにより、プラズマ生成状態で500MHzでの共振条件を満たすことができる。
【0031】
図8にスタブ21とロッド22の最短距離に対する容量の計算結果35を示す。また比較を行うため、従来技術で説明したロッド121の場合の計算結果36も併せて示した。ロッド121を用いた場合に、共振条件を満たすスタブ125とロッド121の間の最短距離は約2mmである。ロッド22を用いて高周波電力周波数500MHzで共振条件を満たす容量を得るスタブ21とロッド22の距離近傍での容量変化率は、スタブ125とロッド121の距離に対する容量変化率に比して小さくなっている。従ってロッド22を用いた場合に共振条件を満たすためのスタブ21の位置調整は、ロッド121を用いた場合に比較して感度を落とすことが可能である。このとき、ロッド121の場合にはスタブとロッドの最短距離が2mm前後であったが、ロッド22の場合にはスタブとロッドの切り欠いた平坦面22aとの最短距離は6mm前後であった。図8に示した計算結果と、実際のスタブ21とロッド22の距離との間には若干の差があったが、周辺構造の影響であると考えられる。またロッド22を上記の構造とすることで、スタブ21とロッド22の間の最短距離となるロッド22の面積を増加させることも可能である。これにより、スタブ21とロッド22の間の空間において最大となる電界密度を低下させることが可能となり、スタブ21とロッド22の間の電界が集中するのを抑制し、大気放電の発生を抑制することもできる。
【0032】
以上により、本実施形態によるロッド22を用いたプラズマ生成用アンテナ20によれば、スタブ21とロッド22の間の空間で最大となる電界密度を低下させ、スタブ21とロッド22の間の大気放電が抑制でき、同時にスタブ21とロッド22の距離調整の感度を落とすことができる。これによって、プラズマ生成用アンテナ20の調整を容易に行える。
【0033】
次に図9〜図11を参照して本発明の第2実施形態を説明する。この実施形態によるプラズマ処理装置では、第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナでロッド部分のみが異なり、それ故にロッドの構成のみについて説明する。その他の構成は前述の第1実施形態と同じである。図9〜図11はそれぞれロッド41の正面図、平面図、端面図を示す。本実施形態によるロッド41では、スタブ21が対向する部分41aが全面的に平坦となっており、第1実施形態に比較して電界が集中する部分すなわち角部を少なくすることで、大気放電発生の可能性をさらに抑制することができる。
【0034】
次に図12〜図14を参照して本発明の第3実施形態を説明する。この実施形態によるプラズマ処理装置では、第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナでロッド部分のみが異なり、それ故にロッドの構成のみについて説明する。その他の構成は前述の第1実施形態と同じである。図12〜図14はそれぞれロッド42の正面図、平面図、端面図を示す。本実施形態によるロッド42では、断面形状が矩形(図示例では縦長の長方形)である角柱棒状部材とした。ロッド42の寸法は、例えば、長さ120mm、断面は長軸が15mm、短軸が5mmの矩形である。ロッド42は、その矩形断面で短軸となる1つの面42aがスタブ21に対向するように配置されている。
【0035】
本実施形態によるロッド42では、スタブ21が対向する面42aが全面的に平坦であり、電界が集中する部分すなわち角部を少なくすることでき、大気放電発生の可能性をさらに抑制することが可能である。このとき、スタブ21と対向する面の両端の角をR1程度の小さな曲面とすると、さらに大気放電を抑制することが可能となる。以上によれば、本実施形態のロッド42を備えたプラズマ生成用アンテナ20を用いることで、前述の各実施形態と同様の効果を達成可能であると同時に、スタブとロッド間の大気放電をさらに抑制することができる。
【0036】
次に図15〜図19を参照して本発明の第4実施形態を説明する。本実施形態では、前述の実施形態と比較してロッドとリングの形状が異なる。その他の構成は前述の実施形態と同じである。図15に本実施形態の特徴部の構成のみを示し、プラズマ生成用アンテナ50の縦断面図である。図15において上記実施形態で説明した要素と同一要素には同一の符号を付している。プラズマ生成用アンテナ50において、ロッド51の配置は第1実施形態で示した配置と同一である。ロッド51の中心部側の先端部にリング52が接続されている。
【0037】
図16〜図18はそれぞれロッド51の正面図、平面図、端面図である。ロッド51は棒状または筒形状であって、その断面形状は、直径15mmの外接円53に接する正三角形であり、ロッド51の長さは前述の実施形態のロッドの長さと同一である。ロッド51の断面において三角形頂点の1つの頂点51aが真空窓13に向かい、その頂点51aと対向する一辺に対応する部分51bがスタブ21の面21aと平行に対向する配置となっている。ロッド51ではスタブ21が対向する面51bが全面的に平坦であり、電界が集中する部分すなわち角部を少なくすることで、大気放電発生の可能性を抑えることができる。ここで、スタブ21と対向する面51bの両端の角をR3程度の小さな曲面とすると、さらに大気放電を抑制することができる。本実施形態によれば、ロッド51の断面形状を正三角形としたが、ロッド51の断面形状を二等辺三角形とし、等辺となる2辺の頂点が真空窓13に向かう最近接部とすることも可能である。
【0038】
また本実施形態によれば、ロッド51の形態上、その先部下端に上記各実施形態のリング23を接続することが難しい。ロッド51をリング23で接続するためには、ロッド51の先部上端で接続することも可能である。しかし、従来例と同一の調整を行っても、生成されるプラズマの安定性が悪い問題があった。この原因として、プラズマ生成用アンテナ内の電気経路の内、各ロッド間の電気的接続はリング23で行われているが、プラズマが生成された場合にはさらにロッド間でプラズマを経由する電気的経路も無視することができないことが挙げられる。そしてプラズマを経由する電気的経路では、プラズマ振動等の不安定性に起因するインピーダンスの変化が発生し、プラズマ生成用アンテナ全体の共振状態に影響を与えるため、プラズマを安定に維持不可能となったと考えられる。従って、ロッド51の中心側先部は、その下端がリングに接続される必要がある。そこで、本実施形態では、図19に拡大して示された前述のリング52が用いられる。
【0039】
図19において、リング52の寸法は、例えば直径100mm、幅1mm、厚さ9mm程度となっている。従って、リング52は、その中心軸に対して垂直な面の寸法が、当該中心軸に平行な面の寸法に比して小さくなっている。リング52の中心軸方向の寸法は、ロッド51が接続される先端面の同方向の寸法と同一となっており、ロッド51の先端面に接合されている。ここでリング52の材質としてはアルミニウムまたは銅等の金属または合金が用いられ、リング52はロッド51と電気的に接続されている。これにより、ロッド51の先部下端もリング52で接続されることとなり、プラズマを経由する電気的経路の影響を小さくすることが可能となる。
【0040】
さらに本実施形態によるリング52を用いた場合には、プラズマ生成効率を向上させることができる。通常、上記実施形態で示したプラズマ生成用アンテナではロッドの先端に高電圧が印加される。そしてリングがロッドの先端に接続されていることから、リングも高電圧が印加された状態となる。従って、放電容器12内に生成されるプラズマとロッドの間で容量による電力結合が発生すると考えられる。ここで、容量による電力結合は、プラズマ生成効率を低くし、さらには、真空窓13の真空側に負シースを形成し、真空窓13のスパッタリングを発生させ、汚染源となる。容量による電力結合は、概ねプラズマに投影されるリングの面積とプラズマまでの距離との積の積分に比例していると考えられる。従って、本実施形態のリング52を用いた場合、プラズマに投影されるリングの面積を小さくできる。同時に、ロッド51の形状は、プラズマから光学的可視となるロッド52の表面とプラズマとの平均的距離を長くできるため、プラズマとの間で形成される容量を小さくすることが可能である。従って、従来例および前述の各実施形態に比較して、放電容器12内で生成されるプラズマとの容量による電力結合を小さくすることが可能であり、プラズマ生成効率の向上と真空窓13のスパッタリングを小さくすることができる。
【0041】
以上により、本実施形態のロッド51を用いたプラズマ生成用アンテナを用いることで、上記各実施形態と同様の効果を達成でき、同時にプラズマ生成効率の向上と真空窓13のスパッタリングを抑制することもできる。本実施形態で示したリング52は、前述の各実施形態においても適用可能である。
【0042】
上記の実施形態では、6本のロッドを具備したプラズマ生成用アンテナの例を示したが、本発明はロッドの数には依らず適用可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、プラズマ処理装置のプラズマ生成用アンテナにおいてスラブとロッドの対向する部分の空間が多くなるように特定の形態を有するロッドを用いたため、容易に調整が行え、プラズマ生成中にプラズマ生成用アンテナ内での大気放電を抑制することができ、スタブとロッドの距離調整の感度を落とすことができ、これによってプラズマ生成用アンテナの調整を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のプラズマ生成用アンテナを備えたプラズマ処理装置の構成図である。
【図2】第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナの拡大縦断面図である。
【図3】第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナの下面図である。
【図4】第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの正面図である。
【図5】第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの平面図である。
【図6】第1実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの端面図である。
【図7】第1実施形態において、プラズマ生成中を想定した導電性のダミーを用いて調整を行ったプラズマ生成用アンテナの周波数特性を示す図である。
【図8】第1実施形態と従来例によるプラズマ生成用アンテナのロッドとスタブの最短距離に対する容量の変化を示す図である
【図9】本発明の第2実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの正面図である。
【図10】第2実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの平面図である。
【図11】第2実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの端面図である。
【図12】本発明の第3実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの正面図である。
【図13】第3実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの平面図である。
【図14】第3実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの端面図である。
【図15】本発明の第4実施形態によるプラズマ生成用アンテナの縦断面図である。
【図16】第4実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの正面図である。
【図17】第4実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの平面図である。
【図18】第4実施形態におけるプラズマ生成用アンテナのロッドの端面図である。
【図19】第4実施形態によるプラズマ生成用アンテナに用いたリングの外観斜視図である。
【図20】従来例のプラズマ処理装置の構成図である。
【図21】従来例のプラズマ生成用アンテナの下面図である。
【図22】従来例のプラズマ生成用アンテナの縦断面図である。
【図23】従来例において、導電性のダミーを真空窓の真空側に配置してプラズマ生成時を想定して調整を行った場合のプラズマ生成用アンテナの周波数特性を示す図である。
【図24】従来例のプラズマ生成用アンテナに用いたロッドの正面図である。
【図25】従来例のプラズマ生成用アンテナに用いたロッドの端面図である。
【図26】従来例のプラズマ生成用アンテナのロッドとスタブの最短距離に対する容量の変化を示す図である。
【符号の説明】
10 アンテナ容器
11 真空容器
12 放電容器
13 真空窓
14 基板保持機構
15 被処理基板
16 排気系
17 ガス導入部
20 プラズマ生成用アンテナ
21 スタブ
22 ロッド
23 リング
34a 外部導体
34b 内部導体
51 ロッド
52 リング

Claims (5)

  1. アンテナ容器内に複数のロッドが一定間隔で前記アンテナ容器の中心に向かい放射状にかつ同一平面状に配置され、前記アンテナ容器の上面と前記ロッドとの間で容量を形成しかつ共振状態を作るスタブが前記アンテナ容器の上面に配置され、前記アンテナ容器の上面の一部を貫通して前記ロッドに高周波電力を供給する電力供給機構が設けられたプラズマ生成用アンテナを備え、このプラズマ生成用アンテナから真空窓を通して放電容器内へ前記高周波電力を供給してプラズマを発生するようにしたプラズマ処理装置において、
    前記ロッドは断面形状が三角形である筒形状または棒状の部材であって、その断面で、底辺に相当する部分が前記スタブに対向する平坦面を形成しかつ頂部に相当する部分が前記真空窓に対する最近接部となっていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記プラズマ生成用アンテナ内に形成される伝送路の共振周波数が、前記高周波電力の周波数と実質的に等しくなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記複数のロッドの先端部が導電性リングに結合され、隣り合う2本の前記ロッドと前記リングとにより構成される伝送路の長さが、前記高周波電力の波長の1/2と実質的に等しくなるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記導電性リングではその中心軸方向の寸法が前記ロッドの前記先端部の先端面の中心軸方向の寸法と同一であり、前記導電性リングは前記ロッドの前記先端面に結合されていることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記高周波電力の周波数は100MHzから1000MHzであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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