JP4418063B2 - 水素の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素の製造方法に関し、さらに詳しくは、炭化水素から水蒸気改質法によって水素を製造方法に関する。この方法は、特に燃料電池用の水素の製造に利用できる方法である。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池用燃料などに使用する水素の製造方法として、炭化水素を水蒸気改質する方法が知られている。
この方法は、通常Ni等の金属を担持した触媒の存在下、加温、加圧下で低硫黄分に脱硫された天然ガスやLPGなどの軽質炭化水素と水蒸気を混合したガスを反応させて水蒸気改質を行なう方法であり、下記の反応式で表される。
n m +2nH2 O → nCO2 +(2n+m/2)H2
(ここでCn m は炭化水素の平均構造を示す。)
しかし、この方法を用いて灯油のような重質炭化水素から水素を製造する場合、触媒上に炭素が析出して反応が継続できなくなるという技術上の問題がある。
【0003】
一方、灯油などの重質の炭化水素は貯蔵が安全かつ容易であり、世界中に広く流通しているためこれを燃料電池の水素源とすることの要請は極めて強い。そのため、重質炭化水素を用いた水蒸気改質における炭化水素析出防止法が種々試みられている。
【0004】
一般的な炭化水素析出防止法としては、例えば水蒸気を過剰に導入する方法、すなわち、水蒸気と炭化水素中の炭素のモル比(スチーム/カーボン比:以下「S/C比」と略称する)を大きくする方法、例えば3以上にする方法がある。しかしながら、過剰な水蒸気を導入すると、効率よく水素を作る上で好ましくなく、なるべく化学量論値(S/C比=2)に近い条件で製造する方法が必要とされている。
【0005】
また、特開平6−315628号公報は、炭素の析出防止のため灯油留分を脱硫し、硫黄分を0.2ppm以下にした後、水蒸気改質して水素を製造する方法を開示している。しかし、そこに具体的に開示された水蒸気改質法はS/C比が3で行われている。つまり、この方法もS/C比を3以上にする方法の域を脱してはいないといえる。
【0006】
そこで、灯油のような重質炭化水素を、低いS/C比で水蒸気改質しても触媒に炭素が析出することなしに、高効率に水素を製造する方法の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、原料として灯油などの重質炭化水素を用い、過剰な水蒸気を導入しない(S/C比が低い)状況で水蒸気改質を行っても、触媒に炭素が析出して製造が妨害されることがなく、効率よく水素を製造できる方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究した結果、反応系に微量の酸素ガスを導入することによって、S/C比を低くしても触媒に炭素が析出する現象を抑えることができることを発見し本発明を完成したものである。したがって、本発明の要旨は以下の通りである。
【0009】
〔1〕 微量の酸素ガス(O2 )の存在下で炭化水素の水蒸気改質を行う水素の製造方法であって、O2 と炭化水素に由来する炭素(C)との比O2 /C(モル比)が0.001〜0.3である水素の製造方法。
〔2〕 O2 /C(モル比)が0.01〜0.1である前記〔1〕に記載の水素の製造方法。
〔3〕 炭化水素が沸点40℃以上の留分を50vol%以上含む炭化水素である前記〔1〕又は〔2〕に記載の水素の製造方法。
〔4〕 炭化水素が沸点140〜270℃の留分を90vol%以上含む炭化水素である前記〔1〕又は〔2〕に記載の水素の製造方法。
〔5〕 炭化水素が硫黄分1重量ppm以下の炭化水素である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
〔6〕 水蒸気改質がルテニウムを担持する水蒸気改質触媒を用いて行われる前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
〔7〕 水蒸気改質触媒がさらにジルコニウムを担持する触媒である前記〔6〕に記載の水素の製造方法。
〔8〕 水蒸気改質触媒がさらにコバルト及び/又はマグネシウムを担持する触媒である前記〔6〕又は〔7〕に記載の水素の製造方法。
〔9〕 水蒸気改質触媒がジルコニアを担体とする前記〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
〔10〕水蒸気改質触媒がα−アルミナを担体とする前記〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
〔11〕水蒸気(S)と炭化水素燃料に由来する炭素(C)との比S/C(モル比)が2〜3の状態で水蒸気改質を行う前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
〔12〕水蒸気改質触媒層の入口温度を630℃以下に保って水蒸気改質を行う前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
〔13〕燃料電池用の水素を製造する前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の水素の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の態様について説明する。
本発明は、微量の酸素ガス(O2 )の存在下で炭化水素の水蒸気改質を行う水素の製造方法であって、O2 と炭化水素に由来する炭素(C)との比O2 /C(モル比)が0.001〜0.3、好ましくは0.001〜0.2,特に好ましくは0.01〜0.1である水素の製造方法である。
【0011】
本発明においては、O2 /C(モル比)が0.001未満では本発明の目的である炭素析出を抑制しがたい場合があり好ましくない。一方、O2 /C(モル比)が0.3を超えると生成した水素が燃焼し、水素の生成量を低下させることがあり、また、酸素ガス源として空気を用いた場合、導入した空気中のN2 による生成ガスの希釈の影響が大きく、水素分圧が低下するという不都合が生ずる。
【0012】
このO2 /C(モル比)は炭化水素の種類によって最適範囲が異なることがあり、灯油留分、すなわち、沸点が140〜270℃の留分を主成分とする炭化水素では、O2 /C(モル比)が0.01〜0.1で好適な場合が多い。
【0013】
本発明に用いる酸素ガスは、純酸素であっても空気であっても良い。通常、経済性を重視して空気を使用する。
上記酸素ガスは、水蒸気改質反応前に原料炭化水素と混合される。通常水蒸気と混合して水蒸気改質反応部へ導入される。
【0014】
本発明に使用する炭化水素は特に制限はなく、種々の炭化水素が使用できる。例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなど飽和脂肪族炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテンなど不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなど芳香族炭化水素など及びこれらの混合物が挙げられる。工業的に使用できる好適な原料としては、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油などである。
【0015】
本発明の効果が特に発揮されるのは、原料炭化水素が重質である場合、具体的には原料炭化水素の50%留出温度が40℃以上である原料炭化水素である。工業的にはナフサ、ガソリン、灯油、軽油などが挙げられる。さらに、本発明の効果が発揮されるのは、沸点が140〜270℃の留分を90%以上含有する炭化水素である。これに該当するものとしては灯油が挙げられる。
【0016】
これら重質の原料炭化水素を使用しても微量の酸素ガスが存在すれば酸素ガスが触媒上に析出する炭素と反応し無害化するものと考えられる。
また、本発明の炭化水素は硫黄含有量が少ないものが好ましい。硫黄含有量が多いと触媒の寿命を低下させるためである。したがって、炭化水素の硫黄含有量は1重量ppm以下、さらには0.5重量ppm以下、特に0.2重量ppm以下が好ましい。
【0017】
上記の硫黄含有量が少ない炭化水素は公知の方法によって脱硫すればよい。通常、水素化脱硫法が用いられ、その方法はCo−Mo/アルミナあるいはNi−Mo/アルミナなどの水素化脱硫触媒とZnOなどの硫化水素吸着剤を用い、圧力を常圧〜5MPa,温度200〜400℃の条件で行う。
【0018】
次に、本発明における水蒸気改質方法について説明する。
本発明においては水蒸気改質に使用する触媒は、特に制限はないが、以下のものが好適に用いられる。
【0019】
まず、担持金属としては、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)あるいはルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),白金(Pt)などの貴金属が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。
これらの中でも、Ruを担持する触媒が特に望ましく、少量の酸素ガスの存在下における水蒸気改質反応中の炭素析出を抑制する効果が大きい。このRuの担持量については、担体基準で0.05〜20重量%、さらには、0.05〜15重量%、特に0.1〜2重量%が好ましい。担持量が0.05重量%未満では、水蒸気改質反応の活性が極度に低下する場合があり好ましくなく、20重量%を越えても活性の顕著な増加は得られ難い。
【0020】
また、担持金属の組合わせの具体例としては、Ruとジルコニウムとを担持したものが挙げられる。Ruとジルコニウムは同時に担持してもよく、別々に担持してもよい。ジルコニウムの含量は、ZrO2 に換算して、担体基準で0.5〜20重量%,さらには、0.5〜15重量%,特に1〜15重量%が好ましい。この種の担持金属の場合、さらにコバルトおよび/またはマグネシウムを添加したものが好適なものとして挙げられる。ここでコバルトの含有量は、コバルト/ルテニウムの原子比で表わすと、0.01〜30,さらには、0.1〜30,特に0.1〜10重量%が好ましく、マグネシウムの含有量は、マグネシア(MgO)換算で0.5〜20重量%,さらには0.5〜15重量%。特に1〜15重量%が好適である。
【0021】
一方、本発明の水蒸気改質に使用する触媒の担体としては、無機酸化物が用いれ、具体的には、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア及びそれらの混合物が挙げられる。これらの中でもアルミナとジルコニアが特に好ましい。
【0022】
本発明の水蒸気改質用触媒の好ましい態様の一つとして、Ruをジルコニアに担持した触媒がある。このジルコニアは、単体のジルコニア(化学式:ZrO2 )でも良いし、マグネシアのような安定化成分を含む安定化ジルコニアでも良い。安定化ジルコニアとしては、マグネシア、イットリア、セリア等を含むものが好適である。
【0023】
本発明の水蒸気改質用触媒の好ましい態様のもう一つとしては、Ruとジルコニウム、又はRuとジルコニウムの他にさらにコバルトおよび/またはマグネシウムをとをアルミナ担体に担持した触媒を挙げることができる。アルミナとしては特に耐熱性と機械的強度に優れるα−アルミナが好ましい。
【0024】
次に、本発明の水素の製造方法においては、水蒸気(S)と炭化水素燃料に由来する炭素(C)との比S/C(モル比)が2〜5、さらには2〜4、特に2〜3の状態で水蒸気改質を行う方法が好ましい。S/C(モル比)が5を超える高い状態で水蒸気改質を行うと過剰の水蒸気を作る必要がる場合があり、熱ロスが大きく、水素製造の効率が低下する。また、S/Cが2を下回ると水素の発生量が低下してしまう場合があるため、本発明の水素製造法では好ましくはない。
【0025】
さらに本発明の水素の製造方法においては、水蒸気改質触媒層の入口温度を630℃以下、さらには600℃以下に保って水蒸気改質を行う方法が好ましい。
水蒸気改質触媒層の入口温度は、酸素添加により温度上昇する傾向にあるが、これをコントロールする必要がある。入口温度が630℃を超えると、原料炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカル経由で触媒あるいは反応管壁に炭素が析出し運転が困難になる場合があるためである。入口温度のコントロール方法については特に制限はなく、例えば、リアクター内部の触媒層入口温度を測定するセンサーを設置し、さらに入口付近の温度を調整する手段を設ける。具体的には、温度を調整する手段としては、リアクターを加熱するバーナー等の熱量を調整したり、入口付近を冷却する手段を設ける方法が挙げられる。
【0026】
なお、触媒層の出口温度は、特に制限はないが、好ましくはは650〜800℃で行う。触媒層の出口温度が650℃未満では水素の生成量が充分でない場合があり、800℃を越える温度で反応するにはリアクターを特に耐熱性材料にすることが必要になる場合があり、経済性の点で好ましくないからである。
【0027】
本発明の水素の製造方法においては、その他の条件については制限はないが通常以下の条件で行う。
反応圧力は、常圧〜3MPa,さらには常圧〜1MPaが好ましく用いられる。また、、炭化水素の流量については、室温でガス状の軽質炭化水素の場合、GHSVが100〜100,000h-1、室温で液状の重質炭化水素の場合、LHSVが0.1〜100h-1で通常行われる。
【0028】
なお、本発明の水素の製造方法は、酸素ガス源として空気を用いても、空気中のN2 ガスによる生成ガスの希釈の影響が少なく、水素分圧の低下が小さいので、特に燃料電池用の水素製造法としてに好適である。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0030】
[実施例1]
(1)触媒調製
α−アルミナ粉末に水20重量%を加えニーダーで混合した後、圧縮成形し直径5mm、長さ5mmの円柱状成形体を得た。これを、100℃〜300℃の燃焼炉排ガスで乾燥した後、1,280℃で26時間乾燥し、アルミナ担体を得た。
ジルコニウムのオキシ塩化物(ZrO(OH)Cl)の水溶液(ZrO2 に換算して2.5g)に3塩化ルテニウム(RuCl3 /nH2 O):Ru38%含有)0.66g、硝酸コバルト(Co(NO3)36H2 O)2.47g、および硝酸マグネシウム(Mg(NO3 )26H2 O)6.36gを溶解するまで1時間以上攪拌した。溶液の総量は10ccとなりこれを含浸液とした。
この含浸液を、上記アルミナ担体50gにポアフィリング法により含浸させた。これを120℃、5時間乾燥した。さらに、500℃で2時間乾燥したのち、16〜32メッシュに粒径を調整し、触媒1とした。触媒1の組成は、いずれも担体基準でRu:0.5重量%、ジルコニウムがジルコニア換算で5.0重量%、コバルトが1.0重量%、マグネシウムがマグネシア換算で2.0重量%であった。
【0031】
(2)水素製造実験
表1に示す性状の炭化水素を原料とし、2基の固定床流通式反応器を連結した反応装置で水素製造実験を行った。一段目の反応器で原料炭化水素の脱硫を行なった。脱硫は、反応器上段にCo−Mo触媒を充填し、下段にZnOを充填し、反応圧力は常圧、反応温度は、330℃、LHSV=1.3h-1で行った。二段目の反応器に上記の触媒1を充填し、脱硫処理を行った原料炭化水素、水蒸気および空気を導入した。この時の反応条件は以下の通りである。
【0032】
スチーム/カーボン比=2.0、
酸素/カーボン比(O2/C)=0.02、
原料油のLHSV=2.0h-1
反応圧力=常圧
触媒層入口温度=550℃(反応器を加熱する炉の温度をコントロール)
触媒層出口温度=680℃
上記反応を100時間連続して行った後に、二段目の触媒1を抜き出し,触媒上の炭素析出を計測し、炭素析出率(%)を求めた。炭素析出率(%)は
〔炭素析出した部分の長さ〕/〔全触媒層の長さ〕×100(%)
で算出した。
測定結果を表2に示した。
【0033】
[実施例2]
(1)触媒調製
水酸化ジルコニウム200gを500℃で1時間焼成し、ジルコニア担体を得た。この担体を塩化ルテニウム水溶液に浸漬させたのち、80℃に加熱しながら1時間攪拌し水分を蒸発させた。
その後、得られた乾燥物を500℃で1時間焼成した。これを16〜32メッシュに粒径を整え触媒2とした。触媒2のルテニウム含有量は0.5 重量%であった。
【0034】
(2)水素製造実験
触媒1の代わりに触媒2を用いた以外は、実施例1と同様に水素製造実験を行った。反応を100時間実験後に、二段目の触媒2を抜き出し炭素析出率(%)を求めた。
測定結果を表2に示した。
【0035】
[比較例1]
二段目の反応器に空気の導入をしなかった(O2 /C=0)以外は、実施例1と同様に水素製造実験を実施した。
反応を100時間連続して行った後に、二段目の触媒1を抜き出し、炭素析出率(%)を求めた。測定結果を表2に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0004418063
【0037】
【表2】
Figure 0004418063
【0038】
[結果の考察]
沸点が140以上の留分の重質炭化水素を用い,低S/C比(S/C=2.0)で水蒸気改質を行っても、微量の酸素ガス(O2 /C=0.02)が存在する状態で水蒸気改質を行うと、触媒への炭素析出が著しく抑制される(実施例1、2と比較例1との比較)。
【0039】
【発明の効果】
微量の酸素ガスの存在下であって、O2 /C比が0.001〜0.3で水蒸気改質により水素を製造すると、灯油などの重質炭化水素を用い、かつ過剰な水蒸気を導入しなく場合でも触媒への炭素析出を抑制でき安定に、効率的に水素を製造できる。
【0040】
また、本発明の方法により製造された水素は、空気中のN2 による生成ガスの希釈の影響が少なく、水素分圧の低下が小さいので、特に燃料電池用の水素製造法としてに好適である。
【0041】

Claims (13)

  1. 微量の酸素ガス(O2)の存在下で炭化水素の水蒸気改質を加熱しながら行う水素の製造方法であって、O2と炭化水素に由来する炭素(C)との比O2/C(モル比)が0.001〜0.1である水素の製造方法。
  2. 2/C(モル比)が0.01〜0.1である請求項1に記載の水素の製造方法。
  3. 炭化水素が沸点40℃以上の留分を50vol%以上含む炭化水素である請求項1又は2に記載の水素の製造方法。
  4. 炭化水素が沸点140〜270℃の留分を90vol%以上含む炭化水素である請求項1又は2に記載の水素の製造方法。
  5. 炭化水素が硫黄分1重量ppm以下の炭化水素である請求項1〜4のいずれかに記載の水素の製造方法。
  6. 水蒸気改質がルテニウムを担持する水蒸気改質触媒を用いて行われる請求項1〜5のいずれかに記載の水素の製造方法。
  7. 水蒸気改質触媒がさらにジルコニウムを担持する触媒である請求項6に記載の水素の製造方法。
  8. 水蒸気改質触媒がさらにコバルト及び/又はマグネシウムを担持する触媒である請求項6又は7に記載の水素の製造方法。
  9. 水蒸気改質触媒がジルコニアを担体とする請求項6〜8のいずれかに記載の水素の製造方法。
  10. 水蒸気改質触媒がα−アルミナを担体とする請求項6〜8のいずれかに記載の水素の製造方法。
  11. 水蒸気(S)と炭化水素燃料に由来する炭素(C)との比S/C(モル比)が2〜3の状態で水蒸気改質を行う請求項1〜10のいずれかに記載の水素の製造方法。
  12. 水蒸気改質触媒層の入口温度を630℃以下に保って水蒸気改質を行う請求項1〜11のいずれかに記載の水素の製造方法。
  13. 燃料電池用の水素を製造する請求項1〜12のいずれかに記載の水素の製造方法。
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