JP4418015B2 - 部品実装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板に電子部品を実装するための部品実装装置に関する。
従来のこの種の部品実装装置は、1台の基板搬送装置により搬入した1枚の基板に、部品供給装置から供給される部品を1台の部品移載装置により実装するものであり、基板1枚毎に部品の実装を行っていた。
このように、従来技術の部品実装装置は、基板1枚毎に部品の実装を行うものであるが、単位時間当たりの部品の移載個数はほゞ一定であり、また基板搬送装置による基板搬送中は部品の実装が中断されるので基板の生産性の向上に限界があった。
本発明は、それぞれが基板の搬入および搬出を行う2台の基板搬送装置を部品実装装置に設けるとともに、適切な制御を行うことによりこのような問題を解決することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、それぞれが異なる種類の基板を独立して搬送可能な第1基板搬送装置および第2基板搬送装置と、前記第1基板搬送装置に設けられた第1部品実装位置および前記第2基板搬送装置に設けられた第2部品実装位置と、前記第1基板搬送装置の外側に設けられ前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第1部品供給装置および前記第2基板搬送装置の外側に設けられ前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第2部品供給装置と、1台の部品採取ヘッドおよびこの1台の部品採取ヘッドを前記基板の面と平行な方向に移動するヘッド移送機構を有し前記第1部品供給装置および前記第2部品供給装置から供給される前記部品を前記1台の部品採取ヘッドで採取して前記基板上に実装する部品移載装置とを備えてなる部品実装装置であって、前記第1部品実装位置および前記第2部品実装位置のそれぞれに前記基板を位置決めした状態では、前記第1部品供給装置から前記部品を採取して前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を1回行い、前記第2部品供給装置から前記部品を採取して前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を1回行うことを繰り返し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の一方で基板を搬送中、或いは調整中であるときは、前記1台の部品採取ヘッドが前記ヘッド移送機構により移動されて、前記第1部品供給装置または前記第2部品供給装置から部品を採取し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の他方によって前記第1部品実装位置または前記第2部品実装位置に位置決めされた基板にのみ部品を実装するように前記部品移載装置を制御する実装制御手段を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、それぞれが異なる種類の基板を独立して搬送可能な第1基板搬送装置および第2基板搬送装置と、前記第1基板搬送装置に設けられた第1部品実装位置および前記第2基板搬送装置に設けられた第2部品実装位置と、前記第1基板搬送装置の外側に設けられ前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第1部品供給装置および前記第2基板搬送装置の外側に設けられ前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第2部品供給装置と、1台の部品採取ヘッドおよびこの1台の部品採取ヘッドを前記基板の面と平行な方向に移動するヘッド移送機構を有し前記第1部品供給装置および前記第2部品供給装置から供給される前記部品を前記1台の部品採取ヘッドで採取して前記基板上に実装する部品移載装置とを備えてなる部品実装装置であって、前記第1部品実装位置および前記第2部品実装位置のそれぞれに前記基板を位置決めした状態では、前記第1部品供給装置から前記部品を採取して前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を所定回数行い、前記第2部品供給装置から前記部品を採取して前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を、前記所定回数と異なる回数行うことを繰り返し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の一方で基板を搬送中、或いは調整中であるときは、前記1台の部品採取ヘッドが前記ヘッド移送機構により移動されて、前記第1部品供給装置または前記第2部品供給装置から部品を採取し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の他方によって前記第1部品実装位置または前記第2部品実装位置に位置決めされた基板にのみ部品を実装するように前記部品移載装置を制御する実装制御手段を備えたことである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、前記所定回数を1回又は2回とし、前記所定回数と異なる回数を2回又は1回とすることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、それぞれが異なる種類の基板を独立して搬送可能な第1基板搬送装置および第2基板搬送装置が第1部品実装位置および第2部品実装位置のそれぞれに前記基板を位置決めした状態では、1台の部品採取ヘッドがヘッド移送機構により移動されて、第1部品供給装置から部品を採取して前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を1回行い、前記第2部品供給装置から前記部品を採取して前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を1回行うことを繰り返し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の一方で基板を搬送中、或いは調整中であるときは、前記1台の部品採取ヘッドが前記ヘッド移送機構により移動されて、前記第1部品供給装置または前記第2部品供給装置から部品を採取し、前記第1基板搬送装置および第2基板搬送装置の他方によって前記第1部品実装位置または前記第2部品実装位置に位置決めされた基板にのみ部品を実装するので、各基板に対する部品の実装を簡素かつ安価な構成の部品実装装置で効率的に行うことができるとともに、基板の搬送による部品実装の中断を避けることができて、単位時間当たりの部品の移載個数は同じであっても基板の生産性を向上させることができる。
上記のように構成した請求項2係る発明においては、それぞれが異なる種類の基板を独立して搬送可能な第1基板搬送装置および第2基板搬送装置が第1部品実装位置および第2部品実装位置のそれぞれに前記基板を位置決めした状態では、1台の部品採取ヘッドがヘッド移送機構により移動されて、第1部品供給装置から部品を採取して前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を所定回数行い、前記第2部品供給装置から前記部品を採取して前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を前記所定回数と異なる回数行うことを繰り返し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の一方で基板を搬送中、或いは調整中であるときは、前記1台の部品採取ヘッドが前記ヘッド移送機構により移動されて、前記第1部品供給装置または前記第2部品供給装置から部品を採取し、前記第1基板搬送装置および第2基板搬送装置の他方によって前記第1部品実装位置または前記第2部品実装位置に位置決めされた基板にのみ部品を実装するので、各基板に対する部品の実装を簡素かつ安価な構成の部品実装装置で効率的に行うことができるとともに、基板の搬送による部品実装の中断を避けることができて、単位時間当たりの部品の移載個数は同じであっても基板の生産性を向上させることができる。
上記のように構成した請求項3係る発明においては、1台の部品採取ヘッドが第1部品実装位置に位置決めされた基板に部品を実装する作動を1回又は2回である所定回数行い、第2部品実装位置に位置決めされた基板に部品を実装する作動を前記所定回数と異なる2回又は1回行うことを繰り返すので、各基板に対する部品の実装を効率的に行うことができる。
部品実装装置の概略構造を示す平面図。 図1の2−2線に沿った第1および第2基板搬送装置の拡大断面図。 図2の3−3断面図。 図1に示す部品実装装置の制御系統を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態の作動を説明する概略平面図。 本発明の第1の実施形態の作動を説明する概略平面図。 本発明の第1の実施形態の作動を説明する概略平面図。 本発明の第2の実施形態を示す概略平面図。 本発明の第3の実施形態の片側生産での試実装状態を説明する図。 本発明の第3の実施形態の両側生産での試実装状態を説明する図。 本発明の第1の実施形態の作動を説明するフローチャート。 本発明の第2の実施形態の作動を説明するフローチャート。
以下に、部品実装装置、その作動を制御するプログラムおよび部品実装システムの説明をする。先ず図1〜図7により、部品実装装置の説明をする。この部品実装装置は、第1および第2基板搬送装置10a,10bと、各基板搬送装置10a,10bに付随したコンベア幅変更装置30と、部品移載装置40と、第1および第2部品供給装置45a,45bにより構成されている。
第1および第2基板搬送装置10a,10bは実質的に同一構造であるので、主として第1基板搬送装置10aにつき説明する。図2および図3に示すように、1対の外側支持脚12は基台11上に立設固定され、また各外側支持脚12と対向する1対の内側支持脚12aは外側支持脚12との間の距離が可変となるように、基台11上に外側支持脚12と直交する案内レール15を介して案内支持されたスライダ15a上に立設固定されている。各支持脚12,12aの上部には支持板13の両端部が固定され、各支持脚12,12aから上方に突出する各支持板13の上縁にはサイドレール14が固定され、各サイドレール14の上縁には支持レール20よりも内側に突出するフランジ部14aが形成されている。第2基板搬送装置10bは、内側支持脚12aが互いに隣接するように、第1基板搬送装置10aと平行に、かつ対称的に基台11上に設けられている。また基台11には、第2基板搬送装置10bの外側支持脚12より外側に、支持板39が立設固定されている。
支持板13と直交するよう配置された搬送用回転軸16の両端部は、各基板搬送装置10a,10bの一方の外側支持脚12に回転自在に支持され、中間の大部分を占めるスプライン軸部16aは対応する内側支持脚12aを回転および軸線方向摺動自在に貫通している。外側支持脚12と接する搬送用回転軸16の両端部には外側駆動用プーリ17が固定されている。また各内側支持脚12aのスプライン軸部16aが貫通する部分に形成されたボス部には内側駆動用プーリ17aが回転自在かつ軸線方向移動が拘束されるように支持され、この各内側駆動用プーリ17aはスプライン軸部16aに摺動自在にスプライン係合されて、搬送用回転軸16の回転が伝達されるようになっている。
主として図3に示すように、内側支持脚12aに固定された支持板13には、サイドレール14よりやや下側となる両端部とそれより内側下方にそれぞれ1対のプーリ18,19が回転自在に設けられ、また各プーリ18,19の中間部下側にもそれぞれプーリ19a,19bが回転自在に設けられている。内側駆動用プーリ17aとこれらの各プーリ18,19,19a,19bの間には凸形断面形状のコンベアベルト21が張り巡らされ、プーリ17a,18,19aにはコンベアベルト21の離脱を防止するためにコンベアベルト21の断面の凸部と係合する円周方向溝が設けられている。1対のプーリ18の間に張設される各コンベアベルト21の一部は、各サイドレール14のフランジ部14aとの間に一定の距離が保たれており、両プーリ18の間にはコンベアベルト21の凸部と係合する長手方向溝が形成されてコンベアベルト21のこの部分を支持する支持レール20が支持板13に固定されている。外側支持脚12に固定された支持板13にも同様のプーリ18,19,19a,19bが設けられ、外側駆動用プーリ17とこれらの各プーリ18,19,19a,19bの間にもコンベアベルト21が張り巡らされ、またコンベアベルト21を支持する支持レール20が設けられている。
搬送用回転軸16の一端は第2基板搬送装置10bの外側支持脚12を通って支持板39から突出されて、その先端にはプーリ16bが固定されている。基台11にはコンベア駆動用モータ22が支持され(支持構造は図示省略)、コンベア駆動用モータ22の出力軸に固定されたプーリ22aとプーリ16bの間に駆動用ベルト23を設け、搬送用回転軸16を介して各駆動用プーリ17,17aを回転することによりコンベアベルト21は移動される。以上に述べた基板搬送装置10a,10bにより、2つの基板Sa,Sbを部品実装装置に搬入しまた搬出する直線搬送方式の2つのコンベアが形成される。
各基板搬送装置10a,10b上部の内側および外側の各支持レール20間には、昇降装置(図示省略)により昇降されるバックアッププレート24aと、このバックアッププレート24aの上に立設固定された多数のバックアップピン24bよりなるバックアップ装置24が設けられている。図示のバックアップ装置24は搬送方向と直交する方向の幅が可変ではなく、従って後述するコンベア幅変更装置30により基板搬送装置10a,10bの搬送方向と直交する方向の幅が変更される都度、バックアッププレートは交換されることになる。しかしバックアップ装置24はこれに限らず、コンベア幅変更装置30の作動と連動して自動的に幅が変更されるものとして、基板搬送装置10a,10bの幅を変更する毎のバックアップ装置24の交換を不要とすることもできる。なお図2では作図を簡略化するために、バックアップ装置24は第2基板搬送装置10bにのみ表示したが、バックアップ装置24は第1基板搬送装置10aにも設けられている。
基板Sa,Sbは、第1および第2基板搬送装置10a,10bの各コンベアベルト21により両側縁が支持されて部品実装装置に搬入および搬出され、所定位置に搬送された状態でバックアップ装置24を上昇させれば、各基板Sa,Sbは持ち上げられ各サイドレール14のフランジ部14aに当接されて部品実装位置に位置される。
なおこの実施の形態では、搬送用回転軸16は第1および第2基板搬送装置10a,10bに共通なものとして、両基板搬送装置10a,10bのコンベアベルト21を同時に駆動するようにしている。しかしながらコンベアベルト21の駆動装置はこのようなものに限らず、第1および第2基板搬送装置10a,10bにそれぞれ搬送用回転軸16を設けて異なるコンベア駆動用モータ22により回転されるようにしてもよく、そのようにすれば両基板搬送装置10a,10bのコンベアベルト21を互いに独立して駆動することができる。その場合には、各搬送用回転軸16は、図3において互いに反対側となる各支持脚12,12aに設ければよい。
次にコンベア幅変更装置30を、図2および図3により説明をする。搬送用回転軸16と平行に配置された1対の第1ねじ軸31は第1基板搬送装置10aの両支持脚12,12aおよびこれに支持される支持板13の間の距離を変更するものである。各第1ねじ軸31は、両端部が各基板搬送装置10a,10bの両方の外側支持脚12に回転自在に支持され、中間部は第2基板搬送装置10bの内側支持脚12aを回転および摺動自在に貫通し、主として第1基板搬送装置10a側に形成されたねじ部が第1基板搬送装置10aの内側支持脚12aに形成したボス部に螺合されている。各第1ねじ軸31の一端はそれぞれ第2基板搬送装置10bの外側支持脚12を通って支持板39から突出されて各先端にはプーリ31aが固定され、両プーリ31aの片側半分同士を連動用ベルト32を介して回転連結する。基台11には第1駆動モータ33が支持され(支持構造は図示省略)、第1駆動モータ33の出力軸に固定されたプーリ33aと一方のプーリ31aの残る半分の間に駆動用ベルト34を設け、これにより両第1ねじ軸31は第1駆動モータ33により連動して回転され、第1基板搬送装置10aの搬送方向と直交する方向の幅(両支持脚12,12aに支持された支持板13およびサイドレール14の間の距離)が変更される。
搬送用回転軸16と平行に配置された1対の第2ねじ軸35は第2基板搬送装置10bの両支持脚12,12aおよびこれに支持された支持板13の間の距離を変更するものである。各第2ねじ軸35は、両端部が両基板搬送装置10a,10bの外側支持脚12に回転自在に支持され、中間部は第1基板搬送装置10aの内側支持脚12aを回転および摺動自在に貫通し、主として第2基板搬送装置10b側に形成されたねじ部が第2基板搬送装置10bの内側支持脚12aに形成されたボス部に螺合されている。その他の関連部分の構造は第1ねじ軸31と実質的に同じであるので、対応する部材に第1ねじ軸31部より4大きい参照番号を付して詳細な説明は省略する。第2駆動モータ37が回転されれば、両第2ねじ軸35は互いに連動して回転され、第2基板搬送装置10bの搬送方向と直交する方向の幅は、第1基板搬送装置10aの幅とは独立して変更される。
なおこの実施の形態では、各基板搬送装置10a,10bの各外側支持脚12を基台11に固定し、各内側支持脚12aを独立して移動させるようにして、各基板搬送装置10a,10bの幅を独立して変更可能としている。しかしながらこれに限らず、各内側支持脚を基台11に固定し、各外側支持脚を2本のねじ軸により独立して移動させるようにしてもよいし、両基板搬送装置10a,10bの一方の外側支持脚と他方の内側支持脚を基台11に固定し、残る内側支持脚と外側支持脚を2本のねじ軸により独立して移動させるようにしてもよい。あるいは、両基板搬送装置10a,10bの一方の外側支持脚だけを基台11に固定し、2つの内側支持脚はねじ軸により一体的に移動し、他方の外側支持脚は2つの内側支持脚とは独立して別のねじ軸により移動させるようにしてもよい。
次に部品移載装置40は、図1に示すように、両基板搬送装置10a,10bの両端部の上側に互いに平行に配置されて基台11に支持された1対の固定レール41と、この固定レール41と直交して配置されて両端が固定レール41に沿って移動可能に支持された2つのヘッド移動レール42a,42bと、この各ヘッド移動レール42a,42bに沿ってそれぞれ移動可能に支持された2個の部品採取ヘッド43a,43bよりなるもので、固定レール41とヘッド移動レール42a,42bが、部品採取ヘッド43a,43bを基板Sa,Sbの面と平行な2方向に移動するヘッド移送機構を構成している。各部品採取ヘッド43a,43bは部品を吸着する昇降可能な吸着ノズル(図示省略)を備えている。ヘッド移動レール42a,42b、部品採取ヘッド43a,43bおよび吸着ノズルの移動は、それぞれサーボモータにより制御され、次に述べる部品供給装置45a,45bから供給される部品を吸着ノズルにより吸着して、前述のように基板搬送装置10a,10bの部品実装位置に保持された各基板Sa,Sb上に移載して実装するものである。
部品供給装置45a,45bは、図1に示すように、フィーダテーブルの上に並んで設置された複数のフィーダよりなるものであり、各フィーダは例えばテープ型のものである。このテープ型フィーダは部品を所定ピッチで封入した細長いテープを供給リールに巻き付けて保持し、部品採取ヘッド43の吸着ノズルにより吸着(採取)される部品を1個ずつ基板搬送装置10a,10b側となるテープ型フィーダの先端部に送り込むものである。テープは部品を保持するテープ本体とこれを覆うカバーテープよりなり、フィーダの先端部ではカバーテープが引き剥がされて部品が吸着可能となり、部品が吸着されたテープ本体は下側に折り曲げられて巻き取られるようになっている。この実施の形態では部品供給装置45a,45bは第1および第2基板搬送装置10a,10bの両外側に1つずつ設けてある。
この部品実装装置の作動は、図4に示すように、制御装置60により制御され、制御装置60にはさらに通信部61、入力部64、表示部65、記憶部63および装着計画作成部62が接続されている。通信部61は、この部品実装装置を含む生産ラインを管理するホストコンピュータとの間の通信を行うもので、例えば生産される品種毎の実装データ(実装される部品種とその実装座標のデータ)と、生産計画データ(品種毎の生産順番と生産枚数を示すデータ)とがホストコンピュータから部品実装装置に送信される。
装着計画作成部62は、ホストコンピュータから送信された各品種毎の実装データおよび生産計画データに基づいて、部品実装装置で実際に実行される実装プログラムを作成するものである。すなわち、生産予定の基板の品種毎の数量に応じた最適な部品供給装置45a,45b内のフィーダの配置や、2品種を同時に生産するときのそれぞれの実装速度比率を考慮した実装シーケンスを決定し、2台の基板搬送装置10a,10bがともに基板Sa,Sbの搬送中であるといった生産効率を下げる状況を回避した実装プログラムを作成する。なお、装着計画作成部62が行う実装プログラム作成処理はホストコンピュータで実行し、できあがった実装プログラムを部品実装装置に送信するようにしてもよい。
記憶部63は、部品実装装置に関する各種プログラム、データ、ログなどが記憶されている。この実施の形態では、ホストコンピュータから送信された品種毎の実装データおよび生産計画データと、それらに基づいて装着計画作成部62によって作成された実装プログラムが記憶される。入力部64は必要なデータや指令などを入力するキーボード、押しボタンなどである。表示部65は、必要な情報を表示するための液晶またはCRTなどによる表示装置である。
次に上述した部品実装装置の作動の説明をする。
(第1の実施の形態)
先ず図5〜図7により、2台の基板搬送装置10a,10b、2つの部品供給装置45a,45bおよび1つの部品採取ヘッド43を有する部品移載装置40を備えた第1の実施の形態の作動の説明をする。この第1の実施の形態の部品実装装置は、前述のように、2台の基板搬送装置10a,10bがともに基板Sa,Sbの搬送中であるという状況を回避する実装プログラムにより作動されている。
11に示すフローチャートにより、第1の実施の形態の作動の説明をする。両基板搬送装置10a,10bの何れもが、それぞれの支持する基板Sa,Sbを搬送中でなく、またそれぞれの幅を変更中でもない場合は、制御装置60は制御動作をステップ100からステップ101〜103を通ってステップ104に進める。このステップ104では、部品移載装置40の部品採取ヘッド43は部品供給装置45a,45bから指定された部品を吸着して、両基板搬送装置10a,10b上の部品実装位置に保持された基板Sa,Sb上の所定座標位置に部品を実装する。
部品移載装置40の部品採取ヘッド43による部品の実装は、例えば図5に示すように、第2部品供給装置45bから吸着した部品を第2基板搬送装置10bに保持された基板Sbに実装し、次に第1部品供給装置45aから吸着した部品を第1基板搬送装置10aに保持された基板Saに実装し、再び第2部品供給装置45bから吸着した部品を基板Sbに実装し、次に第1部品供給装置45aから吸着した部品を基板Saに実装するというように、部品を各基板Sa,Sbに交互に実装してもよい。あるいはまた、部品採取ヘッド43による部品の実装は、図7に示すように、第2部品供給装置45bから吸着した部品を基板Sbに実装する作動を1回行い、次に第1部品供給装置45aから吸着した部品を基板Saに実装する作動を2度繰り返し、再び第2部品供給装置45bから吸着した部品を基板Sbに実装する作動を1回行い、次に第1部品供給装置45aから吸着した部品を基板Saに実装する作動を2度繰り返すというように、各基板Sa,Sbに対する部品の実装頻度を異ならせてもよい。この2番目の例の部品実装頻度の比率は基板Sbへの実装が1に対し基板Saへの実装が2の割合であるが、連続して同一基板に部品を実装する繰り返し回数をその都度異ならせることにより、この比率は任意の値とすることができる。
また、上述した2つの例では部品は実装される基板Sa,Sbに近い方の部品供給装置45a,45bから吸着している。


11に示すフローチャートによる作動の説明に戻り、図6に示すように、第2基板搬送装置10bが基板Sbを搬送中であるか、または第2基板搬送装置10bがその幅を変更中である場合は、制御装置60は制御動作をステップ100からステップ101を通ってステップ102またはステップ103に進め、さらにステップ106に進める。第2基板搬送装置10bが基板Sbを搬送中、または第2基板搬送装置10bがその幅を変更中である場合には、基板Sbに部品を実装することはできないので、このステップ106では、図6に示すように、部品移載装置40の部品採取ヘッド43は第1部品供給装置45aから指定された部品を順次吸着して、第1基板搬送装置10aの部品実装位置に保持された基板Saにのみ部品を順次実装する。このように部品採取ヘッド43は基板Sbに対する部品の実装を行わず、その代わり第1基板搬送装置10aに保持された基板Sa上に対する部品の実装を集中して行うので、その間における基板Saに対する部品の実装時間は短縮され、実装効率が向上される。
同様に、第1基板搬送装置10aが基板Saを搬送中であるか、または第1基板搬送装置10aがその幅を変更中である場合は、制御装置60は制御動作をステップ100またはステップ101からステップ105に進める。この場合も、部品採取ヘッド43は第2部品供給装置45bから指定された部品を順次吸着して、第2基板搬送装置10bの部品実装位置に保持された基板Sbにのみ部品を順次実装する。このように部品採取ヘッド43は基板Saに対する部品の実装は行わず、その代わり第2基板搬送装置10bに保持された基板Sb上に対する部品の実装を集中して行うので、その間における基板Sbに対する部品の実装時間は短縮され、実装効率が向上される。
(第の実施の形態)
次に図8,12に示す第の実施の形態の説明をする。この実施の形態は、2台の基板搬送装置10a,10b、2つの部品供給装置45a,45bおよび1つ又は2つの部品採取ヘッド43または43a,43bを有する部品移載装置40を備えた部品実装装置を用いて、2台の基板搬送装置10a,10bのうち、一方は定生産品種の製品用基板のみを搬送する定生産品種専用とし、他方は基板幅の異なる割込み品種の製品用基板を搬送する割込み品種用とするものである。
A品種の製品を多数枚生産する計画であったときに、緊急でB品種の製品を割込み生産する指示がホストコンピュータから制御装置60に入力された場合、基板搬送装置10a,10bを2台とも定生産品種から割込み品種の製品を生産するように段取り替えすると、段取り替えに要するロス時間が多くなる。特に、割込み品種の製品の生産枚数が少数であるときに、2台とも段取り替えすると、大きな時間ロスとなる。
この段取り替えのロス時間を減少するために、2台の基板搬送装置10a,10bのうち、一方を定生産品種の製品用基板のみを搬送する定生産品種専用に設定し、他方を基板幅の異なる割込み品種の製品用基板を搬送する割込み品種用に設定する。この設定を行う設定手段としては、例えば記憶部63に基板搬送装置を定生産品種専用に設定する場合は、”1”をセットし、割込み品種用に設定する場合は、“0”をセットする設定領域を基板搬送装置10a,10b毎に設け、例えば基板搬送装置10aを定生産品種専用、基板搬送装置10bを割込み品種用に設定する場合、基板搬送装置10a,10bの設定領域に夫々“1”、“0”を制御装置60の入力部64から入力する。そして、基板搬送装置10a側の部品供給装置45aには、定生産品種の製品用部品のフィーダを全面的にセットし、基板搬送装置10b側の部品供給装置45aには、割込み品種の製品用部品のフィーダをセットするために空きスロットを残しておく。
基板搬送装置10a,10bに定生産品種の製品用基板(A基板)が搬送されて、定生産品種の製品(A製品)が通常生産されているときに(ステップ131)、割込み品種の製品(B製品)の生産がホストコンピュータから制御装置60に入力されると(ステップ132)、割込み品種用基板搬送装置10bでA基板の搬入を停止して排出する払い出し処理が行なわれる(ステップ133)。基板搬送装置10bにより部品実装位置に搬送された基板に部品を実装する実装プログラムがA製品用実装プログラムからB製品用実装プログラムに切替えられ(ステップ134)、基板搬送装置10bの搬送方向と直交する方向の幅が、B基板に対応したレール幅に変更される(ステップ135)。基板搬送装置10aでA基板に部品実装し、基板搬送装置10bでB基板に部品実装しても、部品採取ヘッド43a,43bが干渉せず、同時実装が可能であるか否か判定され(ステップ136)、可能であれば、基板搬送装置10aでのA基板への部品実装、基板搬送装置10bでのB基板への部品実装が同時に行われる(ステップ137)。同時生産が不可能な場合、基板搬送装置10aでは部品実装が休止され、基板搬送装置10bでは指令された枚数だけB基板に部品実装が行われる(ステップ138)。指令枚数のB基板に部品実装が完了すると(ステップ139)、基板搬送装置10bがA製品生産用に戻され、基板搬送装置10a,10bでA製品が通常生産される。
(第の実施の形態)
次に図9,10に示す第の実施の形態の説明をする。この実施の形態は、基板搬送装置で部品実装する基板を第1品種の製品基板(A基板)から第2品種の製品基板(第B基板)に変更する場合、該基板搬送装置で変更後の基板に部品を試実装し、問題がなければ本実装を開始するものである。基板搬送装置でA基板への部品実装が終了した後に、直ちにB基板に部品実装を開始し、B基板への部品実装に品質不良が生じると、不良品、生産時間のロスが発生する。このため、生産現場では生産の切替え時に、変更後に使用される基板搬送装置で事前にB基板に部品を試実装することが行われている。しかし、試実装後、長時間が経過すると、部品実装装置の状態が変化し、またB基板への部品実装に必要なフィーダが部品供給装置にセットされていることを確認しなければならない点を考えると、B基板への部品実装の開始直前に試実装を行うことが好ましい。そこで、部品実装装置が、2台の基板搬送装置10a,10bを備えていることを利用し、一方の基板搬送装置でのA基板への部品実装と並行して他方の基板搬送装置でB基板に部品を試実装する。
に示すように、例えば、基板搬送装置10aが定生産品種専用、基板搬送装置10bが割込み品種用に設定され、基板搬送装置10aで第1定生産品種の製品用基板(A基板)に部品が本実装され、基板搬送装置10bでは部品実装が行なわれない片側生産が行われているときに、第2定生産品種の製品用基板(B基板)を実装する片側生産が指令された場合、基板搬送装置10bでB基板に部品実装する実装プログラムがセットされ、基板搬送装置10bの幅が、B基板に対応したレール幅に変更される。基板搬送装置10aでA基板に部品が本実装され、基板搬送装置10bでB基板に部品が試実装される。試実装を開始するタイミングは、第1定生産品種から第2定生産品種への切替えが生産計画で決まっている場合は、第1定生産品種の製品の生産状況と第2定生産品種の製品の試生産時間および検査、修正に必要な時間を考慮して決定される。第2定生産品種への切替えが急に指令された場合、切替え指令があった時点で第2定生産品種の製品基板への試実装を開始する。部品を実装されたB基板は基板搬送装置10bから搬出されてリフロー、検査が行われる。検査は、装着位置と部品、フィーダのセット間違い、装着精度などの項目について行なわれる。検査の結果問題があれば、基板搬送装置10bでのB基板への部品実装の調整、セットされたフィーダの変更など問題箇所の修正が行なわれる。問題が解消されると、基板搬送装置10bでB基板に部品の本実装が開始され、基板搬送装置10aでのA基板への部品実装が計画枚数に達すると終了される。そして、基板搬送装置10bを定生産品種専用、基板搬送装置10aを割込み品種用に設定変更するために、制御装置60の記憶部63の基板搬送装置10a,10bの設定領域に夫々“0”、“1”が入力部64から入力される。
10に示すように、基板搬送装置10aが定生産品種専用、基板搬送装置10bが割込み品種用に設定され、基板搬送装置10a,10bで第1品種の製品用基板(A基板)に部品を本実装する両側生産が行われているときに、第2品種の製品用基板(B基板)に部品を本実装する両側生産が指令された場合は、先ず、基板搬送装置10bでB基板に部品を試実装するために、基板搬送装置10bでA基板の搬入を停止して払い出し処理が行なわれる。基板搬送装置10bで基板に部品実装する実装プログラムがA基板への実装プログラムからB基板への実装プログラムに切替えられ、基板搬送装置10bの幅が、B基板に対応したレール幅に変更される。基板搬送装置10aでA基板に部品が本実装され、基板搬送装置10bでB基板に部品が試実装される。試部品実装されたB基板は基板搬送装置10bから搬出されてリフロー、検査が行われる。検査の結果問題があれば、問題箇所が修正され、基板搬送装置10bでB基板に部品の本実装が開始される。次に、基板搬送装置10aでのA基板への部品実装が計画枚数に達すると、基板搬送装置10aで、基板搬送装置10bの場合と同様にB基板への部品の試実装が行なわれ、問題点を洗い出して解消した後にB基板への部品の本実装が開始される。
上述した各実施の形態では、2台の基板搬送装置10a,10bは各部品実装装置毎に設けており、このようにすれば各基板搬送装置10a,10bの幅の変更は、1ロットの最後の基板が部品実装装置を通過する毎に行うことができ、次のロットの基板の生産開始までの待ち時間を短くすることができる。しかしながら本発明はこれに限られるものではなく、基板搬送装置は生産ライン全体にわたる1つのものとして実施することも可能である。
10a,10b…基板搬送装置、25a,25b…外側のガイドレール、26a,26b…中央側のガイドレール、30…コンベア幅変更装置、40…部品移載装置、41,42a,42b…ヘッド移送機構(固定レール、ヘッド移動レール)、43,43a,43b…部品採取ヘッド、45a,45b…部品供給装置、60…制御装置、63…記憶部、64…入力部、Sa,Sb…基板

Claims (3)

  1. それぞれが異なる種類の基板を独立して搬送可能な第1基板搬送装置および第2基板搬送装置と、前記第1基板搬送装置に設けられた第1部品実装位置および前記第2基板搬送装置に設けられた第2部品実装位置と、前記第1基板搬送装置の外側に設けられ前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第1部品供給装置および前記第2基板搬送装置の外側に設けられ前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第2部品供給装置と、1台の部品採取ヘッドおよびこの1台の部品採取ヘッドを前記基板の面と平行な方向に移動するヘッド移送機構を有し前記第1部品供給装置および前記第2部品供給装置から供給される前記部品を前記1台の部品採取ヘッドで採取して前記基板上に実装する部品移載装置とを備えてなる部品実装装置であって、
    前記第1部品実装位置および前記第2部品実装位置のそれぞれに前記基板を位置決めした状態では、前記第1部品供給装置から前記部品を採取して前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を1回行い、前記第2部品供給装置から前記部品を採取して前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を1回行うことを繰り返し、
    前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の一方で基板を搬送中、或いは調整中であるときは、前記1台の部品採取ヘッドが前記ヘッド移送機構により移動されて、前記第1部品供給装置または前記第2部品供給装置から部品を採取し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の他方によって前記第1部品実装位置または前記第2部品実装位置に位置決めされた基板にのみ部品を実装するように前記部品移載装置を制御する実装制御手段を備えたことを特徴とする部品実装装置。
  2. それぞれが異なる種類の基板を独立して搬送可能な第1基板搬送装置および第2基板搬送装置と、前記第1基板搬送装置に設けられた第1部品実装位置および前記第2基板搬送装置に設けられた第2部品実装位置と、前記第1基板搬送装置の外側に設けられ前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第1部品供給装置および前記第2基板搬送装置の外側に設けられ前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に装着する複数種類の部品を供給する第2部品供給装置と、1台の部品採取ヘッドおよびこの1台の部品採取ヘッドを前記基板の面と平行な方向に移動するヘッド移送機構を有し前記第1部品供給装置および前記第2部品供給装置から供給される前記部品を前記1台の部品採取ヘッドで採取して前記基板上に実装する部品移載装置とを備えてなる部品実装装置であって、
    前記第1部品実装位置および前記第2部品実装位置のそれぞれに前記基板を位置決めした状態では、前記第1部品供給装置から前記部品を採取して前記第1部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を所定回数行い、前記第2部品供給装置から前記部品を採取して前記第2部品実装位置に位置決めされた前記基板に実装する作動を、前記所定回数と異なる回数行うことを繰り返し、
    前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の一方で基板を搬送中、或いは調整中であるときは、前記1台の部品採取ヘッドが前記ヘッド移送機構により移動されて、前記第1部品供給装置または前記第2部品供給装置から部品を採取し、前記第1基板搬送装置および前記第2基板搬送装置の他方によって前記第1部品実装位置または前記第2部品実装位置に位置決めされた基板にのみ部品を実装するように前記部品移載装置を制御する実装制御手段を備えたことを特徴とする部品実装装置。
  3. 請求項2において、前記所定回数を1回又は2回とし、前記所定回数と異なる回数を2回又は1回とすることを特徴とする部品実装装置。
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