JP4417992B2 - 自吸式ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気水分離を効率よく行わせることのできる自吸式ポンプ装置に関するものである。
従来、家庭用の全自動洗濯機及び洗濯乾燥機などの洗濯機では、主に節水を目的として風呂水等を洗濯水として利用するため自吸式ポンプ装置を搭載している。この自吸式ポンプ装置としては、吸込口用筒体とポンプランナー収納室とを連結した中継パイプを気水分離室の中央近傍を貫くように配置し、ポンプランナーを囲繞してポンプランナー収納室を形成し、かつポンプランナーの回転遠心力によりポンプランナーの外方へ押しやられる流体をポンプランナー収納室から気水分離室へ吐出させる吐出開口を有する水案内壁部を備え、この吐出開口から吐出した流体の流れが、中継パイプとポンプケーシング本体内側壁の間を通過し、中継パイプの周囲を旋回するようにすることで、気水分離室内を貫く中継パイプを、流体の流れを形の良い縦渦とする案内部材とした構成のものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−90685号公報
しかしながら、上記特開2001−90685号公報に記載された自吸式ポンプ装置の構成では、ポンプランナーの回転によって、水案内壁部の吐出開口から気水分離室側に吐出させた流体の流れが、ポンプケーシング本体内を旋回しながらゆっくりと上昇する縦渦となるため、その流体の流速の変化が生じ難い状態となり、気水分離が効率よく行われないという問題があった。
さらに、上記特開2001−90685号公報に記載された自吸式ポンプ装置では、流体の流れを形の良い縦渦とする案内部材となるところの気水分離室内を貫く中継パイプを、吸込口用筒体に接続するストレート部、このストレート部の下端から直角に湾曲した湾曲部を有するL字状パイプ部、及びこのL字状パイプ部の湾曲部の開放部分を取り囲むように形成された逆流防止部からなる第1パイプ部材と、ポンプランナー収納室の下面を構成する平坦面、この平坦面のごく一部を利用して形成するL字状パイプ部、及び第1パイプ部材との接続部とからなる第2パイプ部材とから構成するようにしており、複雑な構成としているため、製作性が悪いという問題があった。
本発明は、上記背景技術の現状を鑑みてなされたもので、その主たる目的は、気水分離を効率よく行わせることのできる自吸式ポンプ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、気水分離を効率よく行わせるとともに、吸込口用筒体とポンプランナー収納室との連通を製作性の優れた構成で行い得る自吸式ポンプ装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、気水分離を効率よく行わせるとともに、ポンプランナー収納室から気水分離室側に吐出させた流体に含まれる空気が戻し水口からポンプランナー収納室内に流入するのを抑止できる自吸式ポンプ装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、簡単な構成で気水分離を効率よく行わせ得る自吸式ポンプ装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、気水分離を効率よく行わせるとともに、簡単な構造で吸上げた水の逆流防止が図られる自吸式ポンプ装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、気水分離を効率よく行わせるとともに、呼び水の流出を抑止し得る自吸式ポンプ装置を提供することにある。
内部が気水分離室と駆動用モータ収納室とに左右に仕切られて前記気水分離室の上部に内部に流体を吸込ませるための吸込口用筒体及び内部に吸込まれた流体を外部に吐出させる吐出口用筒体を設けたポンプケーシング本体と、このポンプケーシング本体の底部開口を封止する深皿状のベースカバーと、前記駆動モータ収納室に収納された駆動モータとを備え、前記駆動モータ収納室の下方に位置して前記ポンプケーシング本体と前記ベースカバーとの間に、前記駆動モータの回転軸に連結したポンプランナーが収納されるポンプランナー収納室と前記吸込口用筒体を吸込水通路及び吸込室を介して連通してなるとともに、前記吸込水通路を、前記気水分離室内を貫き前記ベースカバー内底に向かって延在し、前記ベースカバーに設けた吸水通路用連結筒体と連結される細長筒状体を含む構成とし、かつ、前記吸込室から前記吸込水通路側への流体の逆流を阻止する逆流防止弁を設けてなる自吸式ポンプ装置において、
前記ポンプケーシング本体に設けた吸込口用筒体より延在する吸水通路用連結筒体とポンプケーシング本体との間を第2塞ぎ体で密閉し、細長筒状体とポンプケーシング本体との間を第1塞ぎ体で密閉し、ポンプランナー収納室から前記気水分離室側に吐出した流体が、前記気水分離室内および吸水通路用連結筒体および細長筒状体の周囲に沿って旋回するのを阻止する旋回阻止体を具備することを特徴とする縦型自吸式ポンプ装置である。
さらに、本発明の他の目的を達成するために、前記ベースカバー内底には、前記細長筒状体の下端側が連結嵌合される吸込水通路用連結筒体と、この吸込水通路用連結筒体に連通した水平弁座部と、この水平弁座部に隣接するところの前記逆流防止弁を取り付けるための逆流防止弁用取り付け凹部と、前記吸込室の外周壁となる立ち上がり外周壁部とを形成するとともに、前記ポンプランナーの回転遠心力により前記ポンプランナーの外方に押しやられた流体を前記ポンプランナー収納室から前記気水分離室側に吐出させる吐出開口を有する渦巻き形状の水案内壁部と前記逆流防止弁を収納する袋状部とを形成した仕切り体を、前記ポンプケーシング本体の外底部と前記立ち上がり外周壁部との間で挟持することで、前記吸込室を形成すると同時に、前記逆流防止弁用取り付け凹部に前記逆流防止弁の取り付け片部を固定保持したことを特徴としている。
さらに、本発明の他の目的を達成するために、前記旋回阻止体を、前記細長筒状体外側壁と前記ポンプケーシング本体内側壁との間の間隙を塞ぐ第1塞ぎ体と、前記ベースカバーの前記吸込水通路用連結筒体外側壁と前記ベースカバーの内側壁との間の間隙を塞ぐ第2塞ぎ体とから構成したことを特徴としている。
さらに、本発明の他の目的を達成するために、前記ポンプランナー収納室から前記気水分離室側に吐出した流体を、前記ポンプランナー収納室の水案内壁部及び前記吸込室の外周壁となる立ち上がり外周壁部の外周を循環させて前記気水分離室側に戻すための循環通路を、前記立ち上がり外周壁部及び前記水案内壁部と前記ベースカバー内側壁との間に形成するとともに、この循環通路を循環する前記流体を前記ポンプランナー収納室内に戻すための戻し水口を、前記循環通路の途中であって前記仕切り体の水案内壁部における下端部分に形成したことを特徴としている。
さらに、本発明の他の目的を達成するために、前記逆流防止弁を、円盤状の弁体部と、この弁体部に一体的に形成された取り付け片部とから構成し、しかも、前記弁体部に重量を、前記ポンプランナーの回転時に前記弁体部が上方に回動することで前記水平弁座部から離れることが可能となる重量に設定し、かつ前記ポンプランナーの回転停止時に、前記弁体部の重量で、その弁体部が下方に回動して前記水平弁座部に押圧されることにより前記吸込室から前記吸込水通路側への流体の逆流を阻止する構成にしたことを特徴としている。
さらに、本発明の他の目的を達成するために、前記吐出口用筒体を、前記仕切り体の水案内壁部の吐出開口から前記気水分離室側に吐出させる流体が衝突する前記第1塞ぎ体の側面とは反対側の前記第1塞ぎ体の側面側外方に位置するところのポンプケーシング本体の上端側に設けたことを特徴としている。
本発明によれば、ポンプケーシングに設けた吸込口用筒体より延在する吸水通路用連結筒体とベースカバーとの間を第2塞ぎ体で密閉し、細長筒状体とポンプケーシング本体との間を第1塞ぎ体で密閉する形で吸込水通路となる細長筒状体とポンプケーシング本体内側壁との間に旋回阻止体が形成されているので、ポンプランナー収納室から気水分離室側に吐出した流体が、自吸運転時、直ぐに旋回阻止体に勢いよく衝突して、その流体の流速が急速に低下し、しかも、その旋回阻止体によって、ポンプランナー収納室から気水分離室側に吐出されるところの空気が含まれている流体の流れが、吸込水通路となる細長筒状体の周囲を流速の変化が少ない速度で回転しながらゆっくりと上昇させるところの気水分離を困難にする縦渦にならないため、ポンプランナー収納室から気水分離室側に吐出した流体中に含まれている空気が効率よく気水分離されて、その空気を、ポンプケーシング本体内の上方に移動してポンプケーシング本体の吐出口用筒体から外部に円滑に排出させる縦型自吸式ポンプ装置が得られる。
他の本発明によれば、吐出開口を有する水案内壁部及び逆流防止弁を収納する袋状部を形成した仕切り体を、ポンプケーシング本体の外底と立ち上がり外周壁部との間で挟持することで、吸込室を形成すると同時に、逆流防止弁用取り付け凹部に逆流防止弁の取り付け片部が固定保持されるとともに、吸込水通路用連結筒体に細長筒状体の下端側が連結嵌合されるため、ポンプケーシング本体と仕切り体とベースカバーとの組立を円滑に行うことができる。
他の本発明によれば、旋回阻止体を、細長筒状体外側壁と前記ポンプケーシング本体内側壁との間の間隙を塞ぐ第1塞ぎ体と、ベースカバーの前記吸込水通路用連結筒体外側壁と前記ベースカバーの内側壁との間の間隙を塞ぐ第2塞ぎ体とから構成したので、第1塞ぎ体をポンプケーシング本体の成形時に一体に作ることができ、かつ第2塞ぎ体をベースカバーの成形時に一体に作ることができるので、製作性の向上を図ることができる。
他の本発明によれば、ポンプランナー収納室から気水分離室側に吐出した流体を旋回阻止体に衝突させた後に、その流体を、ポンプランナー収納室の水案内壁部及び吸込室の外周壁となる立ち上がり外周壁部の外周を循環させて気水分離室側に戻すための循環通路を、立ち上がり外周壁部及び前記水案内壁部と前記ベースカバー内側壁との間に形成するとともに、この循環通路を流れる流体をポンプランナー収納室内に戻すための戻し水口を、循環通路の途中であって仕切り体の水案内壁部における下端部分に形成したので、ポンプランナー収納室の吐出開口から気水分離室側に吐出されたところの流体に含まれている空気が、戻し水口からポンプランナー収納室内に戻されることが抑止されるため、自吸性能の低下を防止できる。
他の本発明によれば、逆流防止弁を、円盤状の弁体部と、この弁体部に一体的に形成された取り付け片部とから構成し、しかも、前記弁体部の重量を、ポンプランナーの回転時に前記弁体部が上方に回動することで前記水平弁座部から離れることが可能となる重量に設定し、かつポンプランナーの回転停止時に、前記弁体部の重量で、その弁体部が下方に回動して前記水平弁座部に押圧されるようにしたので、吸込室から吸込水通路側への流体の逆流を確実に阻止することができる自吸式ポンプ装置が得られる。
他の本発明によれば、ポンプケーシング本体の吐出口用筒体を、仕切り体の水案内壁部の吐出開口から気水分離室側に吐出した流体が最初に衝突する第1塞ぎ体の側面とは反対側の第1塞ぎ体の側面側外方に位置するところのポンプケーシング本体の上端側に設けるようにしたので、自吸式ポンプ装置の起動時及び自吸運転時に、ポンプケーシング本体に予め注入させてある呼び水を高速でポンプランナー収納室から気水分離室側に吐出させ、その呼び水が旋回阻止体に勢いよく衝突することにより、その呼び水がポンプケーシング本体内で暴れても、吐出口用筒体からポンプケーシング本体外に吐出して減少することが抑止されるため、自吸性能の低下を防止できる自吸式ポンプ装置が得られる。
以下、本発明の実施形態を、図1〜図25に基づき、詳説する。図1は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の要部縦断面図である。図2は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置全体の分解斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の外観斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の側面図である。図5は、図4のA―A断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置における仕切り体及びベースカバーの分解斜視図である。図7は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置のベースカバーの正面図である。図8は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置のベースカバーの上面図である。図9は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置のベースカバーの下面図である。図10は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置のベースカバーの右面図である。図11は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置のベースカバーの左面図である。図12は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の仕切り体の上面図である。図13は、図12のB―B断面図である。図14は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の仕切り体の下面図である。図15は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の仕切り体の左側面図である。図16は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の正面縮小図である。図17は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の上面縮小図である。図18は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の左側面縮小図である。図19は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の背面縮小図である。図20は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の下面縮小図である。図21は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の逆流防止弁の上面図拡大である。図22は、図21のC−C断面図である。図23は、図21のD−D断面図である。図24は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるポンプケーシング本体の要部横断面図である。図25は、本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるポンプケーシング本体の要部縦断面図である。
図1〜図25に示す本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置1は、内部が気水分離室2Aと駆動モータ収納室2Bとに左右に仕切られて気水分離室2Aの上部に内部に流体を吸い込ませるための吸込口用筒体2C及び内部に吸い込まれた流体を外部に吐出させる吐出口用筒体2Dを設けたポンプケーシング本体2と、このポンプケーシング本体2の底部開口2Qの全体を封止する深皿状のベースカバー3と、駆動モータ収納室2Bに収納された駆動モータ4とを備え、駆動モータ収納室2Bの下方に位置してポンプケーシング本体2の外底部2Eとベースカバー3の内底との間に、駆動モータ4の回転軸4Aに連結した合成樹脂からなるクローズブレードタイプのポンプランナー5が収納されるポンプランナー収納室6を形成して、このポンプランナー収納室6と吸込口用筒体2Cを吸込水通路7及び吸込室8を介して連通してなるとともに、吸込水通路7を、気水分離室2A内を貫きベースカバー3内底に向って延在する細長筒状体9を含む構成とし、かつ吸込室8から吸込水通路7側への流体の逆流を阻止する逆流防止弁10を設ける構成としてある。吸込口用筒体2C及び吐出口用筒体2Dは、ポンプケーシング本体2の上部側面が設けられている。また、気水分離室2A内の細長筒状体9は、駆動モータ収納室2B側から離れる方向にずらしてある。すなわち、細長筒状体9が気水分離室2の縦長方向の中心よりも駆動モータ収納室2B側から離れる方向にずらしてある。本実施形態例では、細長筒状体9の駆動モータ収納室2B側の外側面が、気水分離室2の縦長方向の中心に略一致するように、細長筒状体9を駆動モータ収納室2B側から離れる方向にずらしてある(図24及び図25を参照)。
ポンプケーシング本体2は、合成樹脂製とし、外郭形状を縦長の略箱状としてある。ポンプケーシング本体2の駆動モータ収納室2Bの底部分には、図1に示すように、駆動モータ4を支えるために上方に向って突出させた形状とした支え筒部2Fと駆動モータ支えリブ2Rが設けられている(図24及び図25を参照)。支え筒部2Fの中央部には、駆動モータ4の回転軸4Aを挿入するための回転軸挿入開口2Sが設けられている。支え筒部2Fの外方に位置するところのポンプケーシング本体2の側面には、水抜き孔2Gが設けられている。駆動モータ4の回転軸4Aを支え筒部2Fの中央から下方に突出させ、その回転軸4Aをポンプランナー5の筒状軸部5Aに圧入することで、ポンプランナー5の筒状軸部5Aが駆動モータ4の回転軸4Aに取り付けられる。ポンプランナー5の筒状軸部5Aと支え筒部2Fの内側壁との間には、図1に示すように、円盤状のシール部材(オイルシール)11が設けられている。この円盤状のシール部材11によって、ポンプランナー5が収納されるポンプランナー収納室6内から流体が支え筒部2F側に浸入するのを阻止している。ポンプケーシング本体2の上面には、気水分離室2A内、ポンプランナー収納室6内及び吸込室8内に呼び水を注入するための呼び水口用筒体2Hが設けられている。支え筒部2Fの内側壁には、円盤状のシール部材11の位置決めの機能を果たす複数個の位置決めリブ2Kが設けられている。水抜き孔2Gは、シール部材(オイルシール)11が損傷することで、万一、ポンプランナー収納室6内から流体が支え筒部2F側に浸入してきた場合に、その流体をポンプケーシング本体2の外に流出させるものである。ポンプケーシング本体2は、駆動モータ収納室2B、吸込口用筒体2C及び細長筒状体9を成形するための上型と、気水分離室2A、後述する旋回阻止体15の第1塞ぎ体15A及び支え筒部2Fを成形するための下型と、吐出口用筒体2D及び呼び水口用筒体2Hを成形するための右側方型と、水抜き孔2Gを成形するための右側方型によって、型抜きすることで、成形することができる。
ポンプケーシング本体2の駆動モータ収納室2Bの上端開口2Jは、この上端開口2Jから駆動モータ収納室2Bに駆動モータ4を挿入設置した後、合成樹脂製のモータキャップ12で蔽うようにしてある。モータキャップ12は、駆動モータ4の軸方向のがたつきを抑える機能を有している。駆動モータ4の電気的接続体13は、モータキャップ12の引出開口12Aからポンプケーシング本体2及びモータキャップ12の外方に突出させてある。吸込口用筒体2Cは、ポンプケーシング本体2に取り付けられたモータキャップ12の上面よりも上方に突出させることで、揚水用の可撓性のある吸水ホース(図示せず)の脱着作業がしやすいようにしてある。モータキャップ12の外側壁には、ポンプケーシング本体2の外周上部に設けた2個の嵌合穴部2Pに着脱可能に嵌め込まれところの2個の係止片12Bが設けられている。
深皿状のベースカバー3は、合成樹脂製とし、そのベースカバー3内には、図1及び図6に示すように、細長筒状体9の下端側が連結嵌合される吸込水通路用連結筒体3Aと、この吸込水通路用連結筒体3Aに隣接して設けられる横架平板部3Kと、この横架平板部3Kに設けられるところの吸込水通路用連結筒体3Aに連通したリング状の水平弁座部3Bと、この水平弁座部3Bに隣接して横架平板部3Kに設けられるところの逆流防止弁10を取り付けるための逆流防止弁用取り付け凹部3Cと、吸込水通路用連結筒体3Aから水平弁座部3Bまでの連通路3Hと、吸込室8の外周壁となる立ち上がり外周壁部3Dと、後述する旋回阻止体15の第2塞ぎ体15Bとが形成されている。立ち上がり外周壁部3Dは、図6及び図8に示すように、水平弁座部3Bと吸込水通路用連結筒体3Aとの間に設けられる第1仕切り壁3D−1と、この仕切り壁に連なって左右に設けた第2仕切り壁3D−2及び第3仕切り壁3D−3と、この第2仕切り壁3D−2及び第3仕切り壁3D−3に連なる第4仕切り壁3D−4とからなり、第1仕切り壁3D−1、第2仕切り壁3D−2及び第3仕切り壁3D−3をベースカバー3の内壁に対して平行となる直線形状とし、かつ第4仕切り壁3D−4を湾曲形状としてある。第1仕切り壁3D−1は、横架平板部3K上に一体的に形成されている。第2仕切り壁3D−2、第3仕切り壁3D−3及び第4仕切り壁3D−4は、ベースカバー3の内底に一体的に形成されている。また、細長筒状体9の水通路断面積をS1、連通路3Hの水通路断面積をS2、水平弁座部3Bの開口面積をS3、連絡開口Gの開口面積をS4、流入開口14Dの開口面積をS5とした場合に、S1<S2<S3<S4<S5となるように設定することで、吸込水通路7及び吸込室8を通る流体の流量が減少しないようにしてある。本実施形態では、連通路3Hの水通路断面積S2を、細長筒状体9の水通路断面積S1の1.04倍となるように設定してある。
逆流防止弁10は、ゴム製であって、図6に示すように、円盤状の弁体部10Aと、この弁体部10Aに一体的に形成された取り付け片部10Bとからなっている。逆流防止弁10は、弁体部10Aの下面側の平坦面10Eが水平となるように、ベースカバー3の逆流防止弁用取り付け凹部3Cに保持させるとともに、弁体部10Aが上下方向に開閉可能な構造としてある。逆流防止弁10は、ポンプランナー5の回転時には、弁体部10Aが上方に回動することで水平弁座部3Bから離れることが可能となる重量に設定されとともに、ポンプランナー5の回転停止時には、逆流防止弁10の弁体部10Aの重量で、その弁体部10Aが下方に回動して水平弁座部3Bに押圧させることにより、吸込室8から吸込水通路7側への流体の逆流を阻止するようにしてある。逆流防止弁10の詳細構造を図21から図23に示す。逆流防止弁10の弁体部10Aの上面には、逆流防止弁10の成形時のヒケ対策のための円形の中央凹部10Cとリング溝10Dが設けられている。
仕切り体14は、合成樹脂製とし、図1及び図6に示すように、ポンプランナー5の回転遠心力によりそのポンプランナー5の外方に押しやられた流体をポンプランナー収納室6から気水分離室2A側に吐出させる吐出開口14Bを有する渦巻き形状の水案内壁部14Aと、逆流防止弁10を収納するための袋状部14Cと、ポンプランナー5の中央開口5Bに対向するように設けられる略ベルマウス状の流入開口14Dと、ベースカバー3の立ち上がり外周壁部3D(第1仕切り壁3D−1、第2仕切り壁3D−2、第3仕切り壁3D−3及び第4仕切り壁3D−4)の上端部が嵌めこまれる嵌合溝(凹み部)14Eと、逆流防止弁10の取り付け片部10Bが逆流防止弁用取り付け凹部3Cから抜け出るのを押える押え部14Fが一体に形成されている。仕切り体14の嵌合溝14Eをベースカバー3の立ち上がり外周壁部3Dに嵌め込んだ状態では、図1に示すように、ベースカバー3の水平弁座部3Bと仕切り体14の内側壁との間に、連通路3H側を流入開口14D側に連通させる連絡開口Gが形成されるようにしてある。なお、仕切り体14の嵌合溝14Eの外縁には、ベースカバー3の立ち上がり外周壁部3Dのうちの第2仕切り壁3D−2、第3仕切り壁3D−3及び第4仕切り壁3D−4と仕切り体14の嵌合溝14Eとの水密性を向上させるためのスカート部(裾部)14Gが、一体的に設けられている。また、仕切り体14の袋状部14Cには、図5、図12及び図13などに示すように、その袋状部14Cの側壁のうちの、吸込水通路用連結筒体3A側に面した側壁の中央部分を外方に膨出させた膨出部14Hを設けるようにしてある。これにより、仕切り体14の袋状部14Cを大きくすることなく、円盤状の弁体部10Aが、袋状部14Cの側壁に接触しないで上下動することのできる必要最小限の隙間を、確保できる。
ポンプケーシング本体2及びベースカバー3には、ポンプランナー収納室6から気水分離室2A側に吐出された流体が、吸込水通路7を構成する細長筒状体9の周囲に沿って旋回するのを完全に阻止するための、ポンプケーシング本体2に設けた吸込口用筒体2Cより延在する吸水通路用連結筒体3Aとベースカバー3との間を第2塞ぎ体15Bで密閉し、細長筒状体9とポンプケーシング本体2の間を第1塞ぎ体15Aで密閉する形で設けた旋回阻止体15が形成されている。旋回阻止体15は、図1に示すように、細長筒状体9とポンプケーシング本体2内側壁との間の間隙を塞ぐ第1塞ぎ体15Aと、ベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3Aとベースカバー3の内側壁との間の間隙を塞ぐ第2塞ぎ体15Bとからなっている。第1塞ぎ体15Aは、細長筒状体9とポンプケーシング本体2内側壁とを一体的に連結してなる遮蔽板部からなっており、細長筒状体9をポンプケーシング本体2内側壁に近づけて配置することによって、その遮蔽板部の横幅を小さくするようにしてある。第2塞ぎ体15Bは、図5及び図6に示すように、吸込水通路用連結筒体3Aとベースカバー3の内側壁とを一体的に連結してなる遮蔽板部からなっており、吸込水通路用連結筒体3Aをベースカバー3の内側壁に近づけて配置することによって、その遮蔽板部の横幅を小さくするようにしてある。本実施形態では、第1塞ぎ体15Aを、細長筒状体9とポンプケーシング本体2内側壁との間の隙間全長に亘って形成するようにしてあるとともに、第2塞ぎ体15Bを、吸込水通路用連結筒体3Aとベースカバー3の内側壁との間の隙間全長に亘って形成するようにしてある。ポンプケーシング本体2の吐出口用筒体2Dは、仕切り体14における水案内壁部14Aの吐出開口14Bから気水分離室2A側に吐出させる流体が最初に衝突する第1塞ぎ体15Aの側面とは反対側の第1塞ぎ体15Aの側面側外方に位置するところのポンプケーシング本体2の上端側に設けるようにしてある。
立ち上がり外周壁部3D及び水案内壁部14Aとベースカバー3の内側壁との間には、ポンプランナー収納室6から気水分離室2A側に吐出した流体を、図5の一点鎖線P1に示すように、ポンプランナー収納室6の水案内壁部14A及び吸込室8の外周壁となる立ち上がり外周壁部3Dの外周を循環させて気水分離室2A側に戻すための循環通路16が形成されている。循環通路16の途中であって仕切り体14の水案内壁部14Aにおける下端部分には、循環通路16を循環する流体をポンプランナー収納室6内に戻すための戻し水口17が形成されている。本実施形態では、気水分離室2Aから最も遠い位置となるように、戻し水口17が形成されるようにしてある。
気水分離室2A内を貫きベースカバー3内底に向って略垂直に延在する細長筒状体9は、その上端が吸込口用筒体2Cに一体的に連なり、かつその下端がベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3Aに連なっている。ベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3Aの内周には、リング状の弾性封止部材(パッキン)18を載置可能とする段差部3Eが形成されている。細長筒状体9は、その細長筒状体9の下端の径小部9Aを吸込水通路用連結筒体3Aに挿入した後、その細長筒状体9の径小部9Aの端面を、弾性封止部材18を介して吸込水通路用連結筒体3Aの段差部3Eに押圧することで、ベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3Aに水密的に連結される。
本実施形態では、図1に示すように、仕切り体14をポンプケーシング本体2の外底部2Eと立ち上がり外周壁部3Dとの間で挟持することにより、細長筒状体9がベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3Aに連結されて吸込室8が形成されると同時に、逆流防止弁用取り付け凹部3Cに逆流防止弁10の取り付け片部10Bを固定保持するようにしてある。この場合、逆流防止弁10の取り付け片部10Bは、逆流防止弁10の弁体部10Aの重量で、その逆流防止弁10の弁体部10Aの平坦面10Eが、ベースカバー3の水平弁座部3Bに押圧されるように、ベースカバー3の逆流防止弁用取り付け凹部3Cに取り付けられる。なお、本実施形態では、吸込口用筒体2Cから細長筒状体9内及び連通路3H内を通って水平弁座部3Bに至る通路を、吸込水通路7と称し、かつ水平弁座部3Bから仕切り体14の流入開口14Dに至る通路を、吸込室8と称している。
本実施形態では、駆動モータ4を、外郭形状を小判筒状とした小形の整流子モータとしてある。駆動モータ4は、約7000r/分の回転数が得られるように設定されている。ポンプランナー10の最外径は、約26mmに設定されている。細長筒状体9の内径を約14mmに設定されている。仕切り体14の流入開口14Dから気水分離室2Aに向って吐出する流体の流速は、約2m/秒に設定されている。
ポンプケーシング本体2の上面部分には、図2に示すように、吸込口用筒体2C、吐出口用筒体2D及び呼び水口用筒体2Hが配設されている。ポンプケーシング本体2の吐出口用筒体2D及び呼び水口用筒体2Hは、水平方向(駆動モータ4の回転軸4Aの軸方向に対して直角の方向)に延在させるように形成されている。ポンプケーシング本体2の上面に形成された吸込口用筒体2Cには、その開口端に円筒状のホース取り付け用フランジ2Lが形成されている。ポンプケーシング本体2の吸込口用筒体2Cには、ホース取り付け用フランジ2Lを利用して、揚水用の可撓性のある吸水ホース(図示せず)が着脱可能に取り付けられる。この吸水ホース(図示せず)の自由端側は、浴槽(図示せず)内に投入されている。ポンプケーシング本体2の吸込口用筒体2Cの内方には、風呂水に含まれている細塵を除去するフイルター(図示せず)が着脱自在に設けられている。
ポンプケーシング本体2とベースカバー3は、ポンプケーシング本体2の取り付けフランジ2Mの端面全周に設けた溶着用リブ2Nを、ベースカバー3の取り付けフランジ3Fの端面全周に設けた溶着用溝3Gに嵌合した後、その溶着用溝3Gの全周に予め挿入したステンレス線(接続線)19に電気を流すことで溶着用リブ2Nを溶着用溝3G内で熱溶着させることにより、一体的化される。
深皿状のベースカバー3の内底に、吸込水通路用連結筒体3Aとこの水平弁座部3Bと逆流防止弁用取り付け凹部3Cと立ち上がり外周壁部3Dと旋回阻止体15の第2塞ぎ体15Bとを設けたベースカバー3を形成するには、ベースカバー3の上面側を成形するための上型と、ベースカバー3の下面側を成形するための下型と、吸込水通路用連結筒体3Aから水平弁座部3Bまでの連通路3Hを成形するための側方型とによって、成形される。ベースカバー3の側面にできた型抜き開口3Jは、栓用弾性封止部材(Oリング)21及び栓部材(キャップ)20によって、水密的に密閉される。また、仕切り体14は、水案内壁部14Aを設ける側の面を形成するための上型と、嵌合溝14Eを設ける側の面を形成するための下型によって、上下に型抜きすることで、成形することができ、しかも、その上下に型抜きすることによって、吐出開口14Bを水案内壁部14Aの側面部分に、かつ戻し水口17を水案内壁部14Aにおける下端部分に、それぞれ容易に設けることができる。
上記実施形態の自吸式ポンプ装置1を使用する場合には、始めに、ポンプケーシング本体2の吸込口用筒体2Cに吸水ホース(図示せず)を装着した後、呼び水口用筒体2Hから気水分離室2A、ポンプランナー収納室6、吸込室8及び細長筒状体9に、水位L1(吐出口用筒体2Dの下端高さ位置)まで、呼び水を注入する。
次いで、自吸式ポンプ装置1の内部に、呼び水が注入された状態で、駆動モータ4を回転させて、駆動モータ4の回転軸4Aに設けたポンプランナー5を高速で回転させる。このことにより、ポンプランナー5の中心は負圧となる。そして、ポンプランナー5の中心が負圧になると、この負圧に引かれて、逆流防止弁10が開き、吸込口用筒体2Cに装着された吸水ホース(図示せず)内の空気が、ポンプランナー5側に吸込まれて、呼び水と気水混合された状態となり、ポンプランナー収納室6を高速で通過し、気水分離室2Aに導かれる。
この場合、空気を含んだ呼び水は、図5の一点鎖線P2に示すように、ポンプランナー収納室6の狭い空間を通過して吐出開口14Bから気水分離室2Aに高速で吐出する。吐出開口14Bから吐出した空気を含んだ呼び水は、旋回阻止体15を構成する第1塞ぎ体15A及び第2塞ぎ体15Bに衝突して、その呼び水の流速が弱められた状態で気水分離室2Aの広い部屋部分に導かれて気水分離され、空気のみがポンプケーシング本体2の吐出口用筒体2Dから外(大気)に排気される。一方、流速が弱められた呼び水が、立ち上がり外周壁部3D及び水案内壁部14Aとベースカバー3内側壁との間に形成された循環通路16を通ってその循環通路16の途中(気水分離室2Aから最も遠い位置)に設けた戻し水口17からポンプランナー収納室6内に戻り、吸込口用筒体2Cより吸込まれた空気と混合して再び高速で水案内壁部14Aの吐出開口14Bから気水分離室2A側に吐出させられる。この動作を繰り返すことで、吸込口用筒体2Cに装着された吸水ホース内の空気が完全に排出されて自吸運転が完了する。自吸運転が完了すると、ポンプケーシング本体2の吸込口用筒体2Cより揚水された水(風呂水等)が、吸込水通路7及び吸込室8を介してポンプランナー収納室6を構成する水案内壁部14Aの吐出開口14Bから気水分離室2Aに流入して、吐出口用筒体2Dから吐出されるようになることで、給水運転が行われるようになる。
給水運転を所望時間実行させた後、駆動モータ4を停止させると、ポンプランナー5の中心の負圧がなくなり、逆流防止弁10の弁体部10Aが重量(自重)で水平弁座部3Bに押圧させられることによって、逆流防止弁10が閉じる。この結果、吸込室8から吸込水通路7側への流体の逆流が確実に阻止され、気水分離室2A及びポンプランナー収納室6内に流体が残った状態が維持させることによって、次回の自吸運転に備えることとなり、一連の自吸運転及び給水運転が終了する。
次に、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1の組立手順を、詳説する。
まず、ポンプケーシング本体2の支え筒部2Fに、シール部材11を装着した後、ポンプケーシング本体2の駆動モータ収納室2Bに駆動モータ4を挿入してその駆動モータ4の回転軸4Aを、回転軸挿入開口2Sに挿入することにより、支え筒部2F内に突出させ、その突出させた回転軸4Aに、ポンプランナー5の軸部を圧入固定し、その後、モータキャップ12をポンプケーシング本体2の駆動モータ収納室2Bの上方に位置するポンプケーシング本体2の上面部分に取り付けることにより、ポンプケーシング本体2側の部組(以下、ポンプケーシング部組と称する。)を完成させる。
次いで、予め、型抜き開口3Jを、栓用弾性封止部材(パッキン)21を介して栓部材20を溶着等で取り付けることによって密閉してなるベースカバー3内に、逆流防止弁10に、逆流防止弁10と弾性封止部材(パッキン)18を装着する。すなわち、ベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3A内に弾性封止部材(パッキン)18を挿入するとともに、ベースカバー3の逆流防止弁用取り付け凹部3C内に逆流防止弁10の取り付け片部10Bを挿入する
次いで、仕切り体14の下面に形成した嵌合溝14Eを、立ち上がり外周壁部3Dの上端に嵌め合わせることにより、仕切り体14をベースカバー3の立ち上がり外周壁部3Dに装着することで、逆流防止弁10の取り付け片部10Bを、仕切り体14の押え部14Fと逆流防止弁用取り付け凹部3Cが設けられる横架平板部3Kとの間で挟持させることによって、逆流防止弁10の取り付け片部10Bを逆流防止弁用取り付け凹部3Cに固定保持させた後、ベースカバー3の溶着用溝3Gの全周にステンレス線19を挿入することで、ベースカバー3側の部組(以下、ベースカバー部組と称する。)を完成させる。
次いで、ポンプケーシング本体2における細長筒状体9の径小部9Aを、ベースカバー3の吸込水通路用連結筒体3A内に嵌合させるとともに、ポンプケーシング本体2の溶着用リブ2Nをベースカバー3の溶着用溝3Gに嵌合することで、ポンプケーシング部組をベースカバー部組に組み込む。
最後に、ポンプケーシング本体2の取り付けフランジ2Mとベースカバー3の取り付けフランジを、そのベースカバー3の溶着用溝3Gに挿入されているステンレス線19に電気を通電することによって溶着させることで、ポンプケーシング部組と、ベースカバー部組が水密的に一体となり、自吸式ポンプ装置1の組立作業が終了する。
上記実施形態の自吸式ポンプ装置1の組立手順によれば、すべての部品の組立作業を、流れ作業で円滑に難なく行うことができ、自吸式ポンプ装置1の製作性を向上させることができる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1によれば、呼び水に混合された空気を分離してポンプケーシング本体2の吐出口用筒体2D及び呼び水口用筒体2Hから効率よく排出されるとともに、ポンプケーシング本体2内の呼び水が吐出口用筒体2Dからポンプケーシング本体2外に吐出して減少するのを抑えることができる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1によれば、上下の型抜きで、仕切り体14の水案内壁部14Aにおける下端部分に戻し水口17及び吐出開口14Bを、簡単に作ることができるので、製作性がよい。また、仕切り体14は、流防止弁10の弁体部10Aを水平に配設することで、逆流防止弁10を収納するための袋状部14Cの高さを、水案内壁部14Aの高さと同一に設定することができるとともに、嵌合溝14Eを立ち上がり外周壁部3Dに嵌め込むことによって吸込室8が形成されるようにしたので、小形にすることができる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1によれば、気水分離室2Aに面する側ではなく気水分離室2Aから最も遠い循環通路16の途中に戻し水口17を設けるようにしたので、流体に含まれる空気が戻し水口17からポンプランナー収納室6内に戻ることを抑止することができる。また、循環通路16をベースカバー3の内底に沿って形成させることができ、かつ水案内壁部14Aの吐出開口14Bの高さ位置を、ベースカバー3内に設定することができるので、水案内壁部14Aの吐出開口14Bからポンプケーシング本体2の吐出口用筒体2Dまでの距離を大きく設定することができるため、気水分離が効率よく行われる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1によれば、ポンプランナー収納室6と吸込口用筒体2Cを連通させるところの細長筒状体9を、気水分離室2A内を貫きベースカバー3内底に形成した吸込室8に連通させるようにしたので、ポンプケーシング本体2及びベースカバー3を小形にまとめることができる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1によれば、ベースカバー3の水平弁座部3Bの上面と逆流防止弁10の弁体部10Aの下面がともに水平となるので、水平弁座部3B全体に、逆流防止弁10の弁体部10Aが略均一に強く押し付けられるため、吸込室8から吸込水通路7を介して吸込口用筒体2C側への水の逆流を確実に阻止することができる。また、気水分離室2A内の細長筒状体9を、駆動モータ収納室2B側から離れる方向にずらしてあるので、逆流防止弁10の弁体部10Aを水平に配設するための水平方向の配置寸法を、ポンプケーシング本体2の外形寸法を大きくすることなく、確保できる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1では、逆流防止弁10によって、自吸後、ポンプランナー5の回転を停止させた場合に、吸込室8の水が吸水口2C側に逆流することなく、吸込室8及びポンプランナー収納室6に水が満たされているため、再度、ポンプランナー5を回転させると、例えば、浴槽(風呂)から洗濯槽への風呂水(洗濯水)の給水を、直ちに行わせることができので、洗濯作業において、洗濯工程終了後、給水工程を経由してすすぎ工程に移行する場合に、ポンプ自吸運転時間を要することなく、給水開始指令と同時に洗濯槽への風呂水(洗濯水)の給水を行わせることができ、洗濯作業時間を短縮させることができる。
さらに、上記実施形態の自吸式ポンプ装置1によれば、ポンプランナー5の回転を停止した状態で、呼び水口用筒体2Hから気水分離室、ポンプランナー収納室6及び吸込室8内に流入させた水道水を、吐出口用筒体2Dから供給パイプ(図示せず)を介して洗濯槽(図示せず)へ流出させるようにした場合であっても、逆流防止弁10が確実に閉じており、その水道水が吸込室8側から吸込水通路7を介してポンプケーシング本体2の外に溢れてしまうことがない。
上記実施形態の自吸式ポンプ装置1は、ポンプケーシング本体2に呼び水口用筒体を設ける構成としているが、本発明は、これに限定されない。呼び水口用筒体を設けないポンプケーシング本体としたポンプ装置であっても、本発明を採用することができる。また、上記実施形態例では、呼び水を水道水とし、かつ給水されるものを風呂水としたが、これに限定されるものではなく、他の流体を自吸運転及び給水運転させる場合にも、本発明を適用できる。また、本発明は、上記実施形態例では、自吸式ポンプ装置1を、風呂水を洗濯槽に給水するための風呂水給水装置として利用した場合について説明しているが、これに限定されることなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の要部縦断面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置全体の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の外観斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の右側面図である。 図4のA―A断面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置における仕切り体及びベースカバーを分解した状態を上方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるベースカバーの正面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるベースカバーの上面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるベースカバーの下面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるベースカバーの右面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるベースカバーの左面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置における仕切り体の上面図である。 図12のB―B断面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置における仕切り体の下面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置における仕切り体の左側面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の正面縮小図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の上面縮小図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の左側面縮小図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の背面縮小図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置の下面縮小図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置における逆流防止弁の上面拡大図である。 図21のC―C断面図である。 図21のD―D断面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるポンプケーシング本体の要部横断面図である。 本発明の一実施形態に係わる自吸式ポンプ装置におけるポンプケーシング本体の要部縦断面図である。
符号の説明
1 自吸式ポンプ装置
2 ポンプケーシング本体
2A 気水分離室
2B 駆動モータ収納室
2C 吸込口用筒体
2D 吐出口用筒体
2E 外底部
2F 支え筒部
2G 水抜き孔
2H 呼び水口用筒体
2J 上端開口
2K 位置決めリブ
2L ホース取り付け用フランジ
2M 取り付けフランジ
2N 溶着用リブ
2P 嵌合穴部
2Q 底部開口
2R 駆動モータ支えリブ
2S 回転軸挿入開口
3 ベースカバー
3A 吸込水通路用連結筒体
3B 水平弁座部
3C 逆流防止弁用取り付け凹部
3D 立ち上がり外周壁部
3D−1 第1仕切り壁
3D−2 第2仕切り壁
3D−3 第3仕切り壁
3D−4 第4仕切り壁
3E 段差部
3F 取り付けフランジ
3G 溶着用溝
3H 連通路
3J 型抜き開口
3K 横架平板部
4 駆動モータ
4A 回転軸
5 ポンプランナー
5A 筒状軸部
5B 中央開口
6 ポンプランナー収納室
7 吸込水通路
8 吸込室
9 細長筒状体
9A 径小部
10 逆流防止弁
10A 弁体部
10B 取り付け片部
10C 中央凹部
10D リング溝
10E 平坦面
11 円盤状のシール部材
12 モータキャップ
12A 引出用切り欠き
12B 係止片
13 電気的接続体
14 仕切り体
14A 水案内壁部
14B 吐出開口
14C 袋状部
14D 流入開口
14E 嵌合溝
14F 押え部
14G スカート部
14H 膨出部
15 旋回阻止体
15A 第1塞ぎ体
15B 第2塞ぎ体
16 循環通路
17 戻し水口
18 弾性封止部材
19 ステンレス線
20 栓部材
21 栓用弾性封止部材
G 連絡開口
L1 水位

Claims (1)

  1. 内部が気水分離室と駆動用モータ収納室とに左右に仕切られて前記気水分離室の上部に内部に流体を吸込ませるための吸込口用筒体及び内部に吸込まれた流体を外部に吐出させる吐出口用筒体を設けたポンプケーシング本体と、このポンプケーシング本体の底部開口を封止する深皿状のベースカバーと、前記駆動モータ収納室に収納された駆動モータとを備え、前記駆動モータ収納室の下方に位置して前記ポンプケーシング本体と前記ベースカバーとの間に、前記駆動モータの回転軸に連結したポンプランナーが収納されるポンプランナー収納室と前記吸込口用筒体を吸込水通路及び吸込室を介して連通してなるとともに、前記吸込水通路を、前記気水分離室内を貫き前記ベースカバー内底に向かって延在し、前記ベースカバーに設けた吸水通路用連結筒体と連結される細長筒状体を含む構成とし、かつ、前記吸込室から前記吸込水通路側への流体の逆流を阻止する逆流防止弁を設けてなる自吸式ポンプ装置において、
    前記ポンプケーシング本体に設けた吸込口用筒体より延在する吸水通路用連結筒体とポンプケーシング本体との間を第2塞ぎ体で密閉し、細長筒状体とポンプケーシング本体との間を第1塞ぎ体で密閉し、ポンプランナー収納室から前記気水分離室側に吐出した流体が、前記気水分離室内および吸水通路用連結筒体および細長筒状体の周囲に沿って旋回するのを阻止する旋回阻止体を具備することを特徴とする縦型自吸式ポンプ装置。
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