JP4417644B2 - 車両冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両冷却装置に係り、詳しくは、放熱手段への冷媒流量及び放熱手段を迂回して冷媒が流れる各流路への冷媒流量の流量配分を制御する分配手段の構成と、冷媒の温度に応じて分配手段によって制御される流量配分を変化させるアクチュエータの構成とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両冷却装置を図3に示す。この車両冷却装置51は、エンジン53側に冷却水を吐出するウォータポンプ55と、冷却水の温度に応じてバルブ開度を制御するサーモスタット54とを備える。車両冷却装置51は、サーモスタット54がラジエータ52を通過して流れる冷却水とエンジン53から直接流入される冷却水との流量バランスを制御することで、エンジン53の水温を所定温度に保つものである。
【0003】
図4に示すように、サーモスタット54のハウジング59内には、ラジエータ52のラジエータ導出口52aからの冷却水が流れる第1流路58が形成されている。また、サーモスタット54には、ウォータポンプ55の吸込流路55a及びエンジン53のエンジン導出口53aからの冷却水が流れる第2流路56が接続されている。ハウジング59内にはサーモエレメント60の水温感温部60aが収容されている。サーモエレメント60にはメインバルブ61及びバイパスバルブ62が取り付けられており、メインバルブ61及びバイパスバルブ62は第1流路58及び第2流路56の開閉を制御する(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
また、ハウジング59内において第2流路56と吸込流路55aとの間には、第2流路56からの冷却水を水温感温部60aに導流させるための導流堰63が形成されている。よって、第2流路56からの冷却水は、ウォータポンプ55側に流れる前に、第1流路58からの冷却水と混合されて水温感温部60aに接するため、サーモスタット54によって冷却水の水温を精密に制御することができる。
【0005】
このような構成のサーモスタット54は、冷却水をラジエータ52から第1流路58を介してエンジン53へ供給するようになっている。エンジン始動時には冷却水が低温であるため、冷却水が第2流路56及びウォータポンプ55を介してエンジン53に戻される。暖気運転後に冷却水が所定の温度に到達すると、サーモエレメント60内のワックスが膨張し、ピストン64を突出させる。即ち、ピストン64は温度に応じて突出する。このピストン64の突出量によって、メインバルブ61のバルブ開度が増加して第1流路58が開放状態になるとともに、バイパスバルブ62のバルブ開度が減少する。従って、ラジエータ52にて冷却された冷却水は、前記2つのバルブ61,62のバルブ開度による各流路56,58の分配比に応じてウォータポンプ55に流入し、エンジン53のエンジン導入口53bへ導出される。また、エンジン53より導出された冷却水は、ラジエータ52(第1流路58)、第2流路56及びヒータ流路57に分配される。そして、ピストン64の突出量が設定値以上になると、第2流路56が遮断される。
【0006】
【特許文献1】
実開昭56−127822号公報
【特許文献2】
特開2001−317355号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第2流路56からの冷却水と第1流路58からの冷却水とが混合される部分は、冷却水が感温される部分と同一であるため、十分に混合されていない冷却水が水温感温部60aに接してしまう可能性が高くなる。この状態において、第2流路56からの冷却水が殆ど混合されることなく水温感温部60aに接してしまうと、水温感温部60aによって感温される冷却水は同冷却水が十分に混合されている場合よりも高温となるため、メインバルブ61のバルブ開度が必要以上に大きくなってしまう。また、第1流路58からの冷却水が殆ど混合されることなく水温感温部60aに接してしまうと、水温感温部60aによって感温される冷却水は同冷却水が十分に混合されている場合よりも低温となるため、メインバルブ61のバルブ開度が必要以上に小さくなってしまう。その結果、サーモスタット54によって冷却水の水温を精密に制御できなくなるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、冷媒の水温を精密に制御することができる車両冷却装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、冷媒による冷却を必要とするエンジンと、冷媒を前記エンジンに循環させるウォータポンプと、冷媒によって車外への放熱を行うラジエータへの冷媒流量と前記ラジエータを迂回して冷媒が流れる各流路のうち少なくとも一つの流路への冷媒流量との流量配分を制御するサーモスタットと、冷媒の温度に応じて前記サーモスタットによって制御される流量配分を変化させるサーモエレメントとを備える車両冷却装置において、前記サーモスタットのハウジングの開口端には、前記ウォータポンプのハウジングが一体に接続されるとともに、前記サーモスタットのハウジング内に形成された感温流路は、前記ウォータポンプのハウジング内に形成された感温流路に連通され、前記サーモエレメントは、前記サーモスタットの感温流路内に導流された冷媒を感温することを要旨とする。この発明においては、サーモエレメントは、サーモスタットの感温流路内に導流された冷媒を感温する。つまり、サーモエレメントは、ウォータポンプによって十分に混合された冷媒を感温するため、冷媒を正確に感温でき、サーモスタットによる流量配分の制御が確実になる。従って、冷媒の水温を精密に制御することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記サーモスタットの感温流路は、前記ウォータポンプのハウジング内に形成されたインペラ収容室よりも下流側に配置されていることを要旨とする。この発明においては、感温流路はインペラ収容室よりも下流側に配置されているため、感温流路には、ウォータポンプのインペラによって十分に混合された冷却水が導入され、サーモエレメントの感温部は、混合されることにより温度分布が均一となった冷却水を感温できるため、エンジン入口の冷却水を正確に感温でき、サーモスタットによる流量配分の制御が確実になる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記サーモエレメントは、前記ウォータポンプの回転軸と同軸上に配置されていることを要旨とする。この発明においては、サーモエレメントウォータポンプの回転軸と同軸上に配置されるため、ウォータポンプを駆動させて冷媒を導流させると、サーモエレメントの作動方向に沿って水圧及びフローフォースが作用する。その結果、車両冷却装置を構成するサーモスタットの各部材に偏摩耗が発生するのを防止できるため、サーモスタットの更なる長寿命化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1,図2に従って説明する。
図1に示すように、車両冷却装置としてのエンジン冷却装置1は、放熱手段としてのラジエータ2、分配手段としてのサーモスタット3、熱源としてのエンジン4、循環手段としての機械駆動式のウォータポンプ(W/P)5及び車室内の暖房を行うヒータ6を備えている。エンジン4は、内燃機関であり、冷媒としての冷却水による冷却を必要とするものである。ラジエータ2には、図示しない冷却ファン、ラジエータキャップ7及びリザーブタンク8が設けられている。冷却ファンは、ラジエータ2への送風により、ラジエータ2内の冷却水を冷却して車外への放熱を行うためのものである。ラジエータキャップ7は、エンジン冷却装置1内を流れる冷却水の圧力を一定に保持するためのものである。リザーブタンク8は、水温変化によって冷却水の体積が大きくなった場合に、冷却水の一部を貯蔵するためのものである。
【0013】
ラジエータ2は、ラジエータ冷却水導入口9及びラジエータ冷却水導出口10を備えている。ラジエータ冷却水導入口9は、接続流路11を介してエンジン4に設けられたエンジン冷却水導出口12に接続されている。ラジエータ冷却水導出口10は、第1流路13を介してサーモスタット3に接続されている。第1流路13にはラジエータ冷却水導出口10側からの冷却水が流れるようになっている。サーモスタット3は、ウォータポンプ5を介してエンジン冷却水導入口14に接続されている。
【0014】
サーモスタット3は、接続流路11から分岐した流路としての第2流路15、前記ヒータ6及び接続流路11を介してエンジン4のエンジン冷却水導出口12に接続されている。第2流路15にはエンジン冷却水導出口12側からの冷却水が流れるようになっている。
【0015】
前記ウォータポンプ5は、サーモスタット3の下流側とエンジン4のエンジン冷却水導入口14との間に配置されている。ウォータポンプ5は、エンジン4によって駆動され、エンジン冷却装置1内の冷却水を循環させるための装置となっている。ヒータ6は、第2流路15、サーモスタット3及びウォータポンプ5を介してエンジン4のエンジン冷却水導出口12に接続されている。従って、エンジン4が稼働しているとき、ヒータ6には常時冷却水が流れ、冷却水がヒータ6を通過するときに、熱交換によって車室内の暖房が行われる。
【0016】
また、サーモスタット3は、エンジン冷却水の温度に応じて第1流路13及び第2流路15の流量配分を制御する。本実施形態において、エンジン冷却装置1はエンジン入口水温を感知して冷却水を分配制御するように構成されている。
【0017】
図2に示すように、前記ウォータポンプ5を構成する金属製のハウジング41内には、吸込流路5a及びインペラ収容室42が形成されている。吸込流路5aには第2流路15の開口端が接続されている。吸込流路5aには、前記エンジン4の前記エンジン冷却水導出口12側から第2流路15及び前記ヒータ6を介して流れる冷却水が導入されるようになっている。第2流路15の開口端は、後記するバルブ後流室23の合流部23aの近傍に位置している。インペラ収容室42は吸込流路5aに連通されている。インペラ収容室42内には、回転軸44を中心として回転可能なインペラ45が収容されている。回転軸44はエンジン4の図示しない出力軸に連結されている。よって、インペラ45は、エンジン4の駆動力によって回転することにより、吸込流路5aを流れる冷却水を導入して混合させ、吐出口46に導流するようになっている。吐出口46は、吐出流路5bを介してエンジン4の前記エンジン冷却水導入口14に連通されている。吐出口46はインペラ収容室42と吐出流路5bとの間に配置されている。つまり、吐出口46は、インペラ収容室42の下流側に配置され、吐出流路5bの上流側に配置されている。
【0018】
また、ハウジング41には感温流路43が形成されている。感温流路43は、吐出口46に接続されており、吐出口46の下流側に配置されている。感温流路43は、ハウジング41において吸込流路5aの外側に配置されている。感温流路43には、吐出口46に導流された冷却水の一部が導流されるようになっている。
【0019】
前記サーモスタット3は、ハウジング18及びバルブ駆動部19を備えている。ハウジング18は、エンジン4によって高温化した冷却水の温度よりも融点が高い耐熱プラスチック等の合成樹脂によって形成されている。なお、ハウジング18は金属によって形成されていてもよい。ハウジング18の下流側開口端には、前記ウォータポンプ5のハウジング41が接続されている。
【0020】
また、ハウジング18内には感温流路21及びメイン流路22が形成されている。メイン流路22はハウジング18内において内側に配置されている。メイン流路22は、前記ラジエータ2の前記ラジエータ冷却水導出口10側から導入される冷却水を、バルブ後流室23に導入するためのものである。バルブ後流室23は、前記吸込流路5aに連通されており、ハウジング18,41において吸込流路5aと同軸上に配置されている。バルブ後流室23は、ハウジング18,41において後記するピストン26の出没方向、即ち後記するバルブ29の作動方向に沿って吸込流路5aと対向配置されている。バルブ後流室23は、同バルブ後流室23に導入された冷却水を吸込流路5aに導入するためのものである。
【0021】
感温流路21は、ハウジング41に形成された前記感温流路43に連通されており、ハウジング18内においてメイン流路22の外側に配置されている。感温流路21は、前記インペラ収容室42、吐出口46及び感温流路43よりも下流側に配置されている。感温流路21には、前記ウォータポンプ5の前記吐出口46に導流された冷却水の一部が流れるようになっている。感温流路21には、エンジン4が稼働している間、冷却水が流れ続けるようになっている。感温流路21は、吐出口46からの冷却水を後記する水温感温部25に導流し、水温感温部25に導流された冷却水をバルブ後流室23に導入するためのものである。
【0022】
感温流路21は、バルブ後流室23の合流部23aにおいてメイン流路22と合流するようになっている。つまり、合流部23aには感温流路21の開口端が位置している。従って、感温流路21及びメイン流路22からの冷却水が合流部23aにおいて混合される。合流部23aに導入された冷却水は、前記吸込流路5aにおいて更に前記第2流路15からの冷却水と混合され、ウォータポンプ5を介してエンジン4側へ導出されるようになっている。なお、バルブ後流室23は、ハウジング18の内周面と後記するメインシャフト28の外周面とによって囲まれる部分であり、合流部23aは、バルブ後流室23の周方向における一部分である。
【0023】
前記バルブ駆動部19を構成するアクチュエータとしてのサーモエレメント24は、前記ハウジング18内において前記バルブ29に対しメイン流路22側に配置されている。サーモエレメント24はウォータポンプ5の前記回転軸44と同軸上に配置されている。サーモエレメント24は、ピストン26、ガイド部27及び水温感温部25によって構成されている。ピストン26は、棒状をなしており、円筒状をなすガイド部27から出没可能に配置されている。ガイド部27及びピストン26は、メイン流路22内において回転軸44と同軸上に配置されている。ピストン26は、後記するワックスの膨張によってガイド部27から突出し、ワックスの収縮によってガイド部27内に没入するようになっている。ピストン26の先端部には、棒状をなすメインシャフト28が、ピストン26の出没方向に沿って移動可能に配設されている。メインシャフト28は、ハウジング18に係止された後記するフレーム33によって摺動可能に支持されている。メインシャフト28は回転軸44と同軸上に配置されている。
【0024】
メインシャフト28の先端側にはフレーム33が設けられている。フレーム33は、ピストン26の出没方向から見てほぼ円形状をなしている。フレーム33の外周部には一対の係止片34が形成されている。各係止片34は、吸込流路5a内において、ハウジング18の内側面から下流側に延びる係止突部35に対して固定されている。
【0025】
フレーム33にはリターンスプリング37の一端部が係止されている。リターンスプリング37はメインシャフト28と同心円上に配置されている。リターンスプリング37の他端部は前記バルブ29に係止されている。リターンスプリング37は、フレーム33及びバルブ29を互いに離間する方向に付勢するようになっている。ここで、フレーム33は係止突部35に固定されているため、ピストン26は、ワックスの収縮時にリターンスプリング37に付勢されて前記ガイド部27内に没入する。
【0026】
メインシャフト28の基端側にはピストン26の出没方向から見て円形状をなすバルブ29が設けられている。バルブ29は、前記バルブ後流室23と前記メイン流路22との連通部分に設けられており、メインシャフト28に対して一体的に固定されている。バルブ29はフレーム33よりも上流側に配置されている。バルブ29は、閉状態においてメイン流路22を遮断し、開状態においてメイン流路22からの冷却水をバルブ後流室23に導出させるようになっている。
【0027】
バルブ29には、同バルブ29の周方向に沿って延びるシール面29aが形成されている。シール面29aは、ハウジング18においてメイン流路22とバルブ後流室23との間の部分に形成される弁座部18bに当接するようになっている。シール面29aが弁座部18bに当接したとき、メイン流路22から合流部23aに流れる冷却水が遮断される。
【0028】
前記サーモエレメント24には、略円筒状をなす前記水温感温部25が設けられている。水温感温部25内には図示しないワックスが収容されている。ワックスは、水温感温部25に接触する冷却水の温度に応じて膨張または収縮するようになっている。水温感温部25は、前記感温流路21の感温部収容室21a内に配置されている。つまり、水温感温部25は、ハウジング18においてメイン流路22の外側に配置されている。水温感温部25は、前記ウォータポンプ5の前記回転軸44と同軸上に配置されている。よって、水温感温部25は、前記第1流路13、メイン流路22及びバルブ後流室23の冷却水の温度に影響を受けないようになっている。
【0029】
感温流路21,43は、前記従来技術の問題点を解決するための構成である。よって、サーモスタット3は、冷却水の水温を精密に制御するようになっている。エンジン4の始動時には冷却水が低温であるため、ウォータポンプ5が駆動すると、エンジン4を通過した冷却水は第2流路15を循環する。第2流路15を流れる冷却水は、吸込流路5a、インペラ収容室42及び吐出口46の順番に通過する。このとき、第2流路15を流れる冷却水と感温流路21を流れる冷却水とがインペラ45の回転によって混合される。そして、混合された冷却水は、感温流路43,21を通過して水温感温部25に導流され、水温感温部25によって感温される。この場合、サーモスタット3のバルブ29は閉状態にあるため、第1流路13及びラジエータ2に冷却水が流れることはない。
【0030】
そして、エンジン冷却水温が上昇し、水温感温部25に導流された冷却水が冷却水制御温度近傍になると、水温感温部25内のワックスが膨張することによりサーモエレメント24のピストン26が温度に応じて突出し、バルブ29が弁座部18bから離間される。このとき、メイン流路22からの冷却水が、ピストン26の出没方向に沿って流れ、吸込流路5a、インペラ収容室42及び吐出口46の順番に通過する。そして、メイン流路22からの冷却水、感温流路21からの冷却水及び第2流路15からの冷却水がインペラ45の回転によって混合される。その後、混合された冷却水は、感温流路43,21を通過して水温感温部25に導流され、水温感温部25によって感温される。このピストン26の突出量によって、バルブ29のバルブ開度が大きくなるのに伴い、第1流路13及びラジエータ2を通過する冷却水の流量は徐々に増加する。よって、エンジン4を通過した冷却水は、第2流路15に加えて第1流路13を循環する。
【0031】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)サーモエレメント24の水温感温部25は、感温流路21に導流された冷却水を感温する。感温流路21はインペラ収容室42よりも下流側に配置されているため、感温流路21には、ウォータポンプ5のインペラ45によって十分に混合された冷却水が導入される。よって、水温感温部25は、混合されることにより温度分布が均一となった冷却水を感温できるため、エンジン入口の冷却水を正確に感温でき、サーモスタット3による流量配分の制御が確実になる。従って、エンジン冷却装置1によって冷却水の水温を精密に制御することができる。
【0032】
(2)サーモエレメント24は感温流路21内に導流された冷却水を感温するため、サーモエレメント24の水温感温部25は感温流路21の感温部収容室21a内に配置される。よって、水温感温部25はメイン流路22の外部に配置されるため、メイン流路22を流れる冷却水が水温感温部25によって遮られることはない。つまり、ハウジング18内の内部構造が簡略化されるため、ハウジング18内の通水抵抗を低減させることができる。また、冷却水が、従来のように導流堰63等によって遮られることなく流れるため、ウォータポンプ5の吸込流路5a側の通水抵抗が小さくなる。
【0033】
しかも、ウォータポンプ5の上流側に位置するハウジング18内の通水抵抗低減により、吸込流路5a側にキャビテーションが発生するのを防止することができるため、ウォータポンプ5の駆動力低減、耐久性向上を図ることができる。
【0034】
(3)サーモエレメント24はウォータポンプ5の回転軸44と同軸上に配置されるため、ウォータポンプ5を駆動させて冷却水を導流させると、サーモエレメント24の作動方向に沿って水圧及びフローフォースが作用する。その結果、エンジン冷却装置1を構成するサーモスタット3の各部材に偏摩耗が発生するのを防止できる。例えば、ガイド部27の内側面、バルブ29のシール面29a及びフレーム33の各係止片34等に偏摩耗が発生するのを防止できる。よって、サーモスタット3の更なる長寿命化を図ることができる。
【0035】
(4)冷却水を感温させるのに用いられる感温流路21,43は、第1流路13、第2流路15及び感温流路21からの冷却水を混合させるのに用いられるメイン流路22、バルブ後流室23及び吸込流路5aとは別々に形成されている。よって、感温流路21,43のレイアウトの自由度が大きくなるため、サーモスタット3の搭載性が向上する。
【0036】
(5)従来のバイパスバルブ62が廃止されるため、バルブ29の下流側にウォータポンプ5の吸込流路5aを近接させて配置できる。よって、サーモスタット3を小型化できる。
【0037】
(6)合流部23aには感温流路21の開口端が位置している。そのため、メイン流路22からの冷却水が合流部23aに流速が高い状態で流入することにより、水温感温部25に導流された冷却水は、ジェット効果により圧力の低い合流部23aへと流れる。そして、冷却水の一部は水温感温部25に導流される。よって、水温感温部25に導流される冷却水の流れを促進することができる。
【0038】
(7)合流部23a近傍には第2流路15の開口端が位置している。そのため、バルブ29が開くのに従ってメイン流路22から流れ込んだ冷却水の流速が高くなるのに伴い、吸込流路5aの圧力が低くなるため、第2流路15を流れる冷却水はジェット効果により圧力の低い吸込流路5aへと強制的に吸い出される。よって、合流部23a近傍を流れる冷却水の流量がより一層増加して流速が高くなるため、水温感温部25に導流される冷却水の流れをより一層促進することができる。
【0039】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、サーモエレメント24のピストン26及びガイド部27をハウジング18のメイン流路22内に配置し、サーモエレメント24の水温感温部25を吐出口46または吐出流路5bに配置してもよい。そして、これら吐出口46または吐出流路5bに導流された冷却水を水温感温部25によって感温させるようにしてもよい。
【0040】
・前記実施形態では、サーモエレメント24はウォータポンプ5の回転軸44と同軸上に配置されていたが、サーモエレメント24の中心軸線を、回転軸44の中心軸線に対して斜めに配置してもよいし、垂直に配置してもよい。
【0041】
・前記実施形態では、循環手段としてエンジン4に駆動される機械駆動式のウォータポンプ5が用いられていたが、モータに駆動される電動ウォータポンプを循環手段として用いてもよい。このように構成すれば、エンジン4の駆動力がウォータポンプ5によって消費されるのを防止できるため、エンジン4の燃費向上を図ることができる。
【0042】
・前記実施形態では、アクチュエータとしてサーモエレメント24が用いられていたが、ソレノイド等の電動式のものをアクチュエータとして用いてもよい。
・前記実施形態の構成を、熱源としてエンジン4と電動機(モータ)との両方を用いたハイブリッド車に適用してもよい。
【0043】
・前記実施形態の構成を、エンジン4の代わりにモータを用いるとともに、冷媒による冷却を必要とする熱源として蓄電器(燃料電池)を用いた燃料電池車に適用してもよい。
【0044】
・前記実施形態では、冷媒として冷却水が用いられていたが、例えば低粘度のオイル等を冷媒として用いてもよい
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、冷媒の水温を精密に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態におけるエンジン冷却装置の概略図。
【図2】 サーモスタットの正断面図。
【図3】 従来技術におけるエンジン冷却装置の概略図。
【図4】 従来技術におけるサーモスタットの正断面図。
【符号の説明】
1…車両冷却装置としてのエンジン冷却装置、2…放熱手段としてのラジエータ、3…分配手段としてのサーモスタット、4…熱源としてのエンジン、5…循環手段としてのウォータポンプ(W/P)、15…流路としての第2流路、21,43…感温流路、24…アクチュエータとしてのサーモエレメント、44…回転軸。

Claims (3)

  1. 冷媒による冷却を必要とするエンジンと、冷媒を前記エンジンに循環させるウォータポンプと、冷媒によって車外への放熱を行うラジエータへの冷媒流量と前記ラジエータを迂回して冷媒が流れる各流路のうち少なくとも一つの流路への冷媒流量との流量配分を制御するサーモスタットと、冷媒の温度に応じて前記サーモスタットによって制御される流量配分を変化させるサーモエレメントとを備える車両冷却装置において、
    前記サーモスタットのハウジングの開口端には、前記ウォータポンプのハウジングが一体に接続されるとともに、前記サーモスタットのハウジング内に形成された感温流路は、前記ウォータポンプのハウジング内に形成された感温流路に連通され、
    前記サーモエレメントは、前記サーモスタットの感温流路内に導流された冷媒を感温することを特徴とする車両冷却装置。
  2. 前記サーモスタットの感温流路は、前記ウォータポンプのハウジング内に形成されたインペラ収容室よりも下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両冷却装置。
  3. 前記サーモエレメントは、前記ウォータポンプの回転軸と同軸上に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両冷却装置。
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